説明

樹脂粒子の製造方法及び樹脂粒子

【課題】 粒子径が均一であり、耐熱保存安定性及び低温溶融性に優れ、かつ十分な表面平滑性を有する塗膜を形成できる樹脂粒子の製造方法等の提供。
【解決手段】 樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)と、樹脂(b)若しくはその有機溶剤溶液、又は、樹脂(b)の前駆体(b0)若しくはその有機溶剤溶液(O)とを混合し、(W)中に(O)を分散させ、(b0)又はその有機溶剤溶液を用いる場合には、更に、(b0)を反応させて、(W)中で(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成させることにより、樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A)が付着されてなる構造の樹脂粒子(C)の水性分散体(X)を形成させ、更に(X)から水性媒体を除去する樹脂粒子(C)の製造方法であって、樹脂粒子(A)の体積平均粒子径が0.04〜0.13μm、かつ樹脂(a)の数平均分子量が8万〜100万であることを特徴とする樹脂粒子の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂粒子の製造方法、及び樹脂粒子に関する。更に詳しくは、各種用途に有用な樹脂粒子の製造方法、及び樹脂粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液中に、樹脂(b)若しくはその有機溶剤溶液、又は、樹脂(b)の前駆体(b0)若しくはその有機溶剤溶液を分散させ、前駆体(b0)又はその有機溶剤溶液を用いる場合には、更に、前駆体(b0)を反応させて、樹脂粒子(A)の水性分散液中で、樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成させることにより、樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A)が付着されてなる構造の樹脂粒子の水性分散体を形成させ、該水性分散体から水性媒体を除去することを特徴とする、粒子径が均一な樹脂粒子の製造方法が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−284881号公報
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の製造方法では、塗膜を形成した場合に十分な表面平滑性を有する樹脂粒子は得られない。また、樹脂粒子を電子写真、静電記録、静電印刷等に用いられるトナー母体粒子として使用する場合、実使用に耐えうる耐熱保存安定性及び低温溶融性を樹脂粒子に付与するには、上記文献に記載の製造方法では不十分な場合があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術における上記の事情に鑑みてなされたものであり、粒子径が均一であり、耐熱保存安定性及び低温溶融性に優れ、かつ十分な表面平滑性を有する塗膜を形成することができる樹脂粒子の製造方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)と、樹脂(b)若しくはその有機溶剤溶液、又は、樹脂(b)の前駆体(b0)若しくはその有機溶剤溶液(O)とを混合し、(W)中に(O)を分散させ、(b0)又はその有機溶剤溶液を用いる場合には、更に、(b0)を反応させて、(W)中で(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成させることにより、樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A)が付着されてなる構造の樹脂粒子(C)の水性分散体(X)を形成させ、更に(X)から水性媒体を除去する樹脂粒子(C)の製造方法であって、樹脂粒子(A)の体積平均粒子径が0.04〜0.13μmであり、かつ樹脂(a)の数平均分子量が8万〜100万であることを特徴とする樹脂粒子の製造方法である。
【0007】
更に本発明は、上記製造方法により得られ、BET値比表面積が0.5〜5.0m2/gである樹脂粒子でもある。
更にまた本発明は、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)が、樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面に付着されてなる構造の樹脂粒子(C)であって、
〔1〕樹脂粒子(A)の体積平均粒子径が0.04〜0.13μm、かつ樹脂粒子(C)の体積平均粒子径が0.2〜120μmであり、
〔2〕[樹脂粒子(A)の体積平均粒子径/樹脂粒子(C)の体積平均粒子径]の値が0.001〜0.2であり、
〔3〕樹脂(a)の数平均分子量が8万〜100万であり、
〔4〕樹脂粒子(C)の[体積平均粒子径/個数平均粒子径〕の値が1.0〜1.4であり、
[5]樹脂粒子(B)の表面の5%以上が樹脂粒子(A)で覆われており、
〔6〕樹脂粒子(C)のBET値比表面積が0.5〜5.0m2/gであり、
〔7〕樹脂(a)及び/又は樹脂(b)が、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする樹脂粒子でもある。
【発明の効果】
【0008】
本発明は以下の効果を有する。
1.粉体流動性、耐熱保存安定性、低温溶融性に優れた樹脂粒子が得られる。
2.耐熱性に優れる樹脂粒子や、加熱溶融してレベリング性(表面平滑性)に優れた塗膜を与える樹脂粒子を製造できる。
3.水中で分散により樹脂粒子が得られるため、安全かつ低コストで樹脂粒子を製造できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明を詳述する。
本発明において、樹脂(a)としては、水性分散液(W)を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂であっても使用でき、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよいが、例えばビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂及びポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂(a)としては、上記樹脂の2種以上を併用しても差し支えない。これらのうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすいという観点からビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びこれらの併用であり、更に好ましいのはビニル樹脂である。
【0010】
樹脂(a)のうち、好ましい樹脂、即ち、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びエポキシ樹脂について説明するが、他の樹脂についても同様にして使用できる。
ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーである。重合には、公知の重合触媒等が使用できる。
ビニルモノマーとしては、下記(1)〜(10)等が挙げられる。
【0011】
(1)ビニル炭化水素:
(1−1)脂肪族ビニル炭化水素:炭素数2〜12のアルケン(例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン及び炭素数3〜24のα−オレフィン等);炭素数4〜12のアルカジエン(例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン等)。
(1−2)脂環式ビニル炭化水素:炭素数6〜15のモノ−又はジ−シクロアルケン(例えばシクロヘキセン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等)、炭素数5〜12のモノ−又はジ−シクロアルカジエン(例えば、(ジ)シクロペンタジエン等);及びテルペン(例えばピネン、リモネン及びインデン等)等。
(1−3)芳香族ビニル炭化水素:スチレン;スチレンのハイドロカルビル(炭素数1〜24の、アルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体(例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン及びトリビニルベンゼン等);及びビニルナフタレン等。
【0012】
(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその塩:
炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸[例えば(メタ)アクリル酸(アクリル酸及び/又はメタクリル酸を表す。以下同様の表現を用いる。)、クロトン酸イソクロトン酸及び桂皮酸等];炭素数3〜30の不飽和ジカルボン酸(無水物)(例えば、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)シトラコン酸及びメサコン酸等);及び炭素数3〜30の不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜24)エステル(例えば、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノオクタデシルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル及びシトラコン酸モノエイコシルエステル等)等。
カルボキシル基含有ビニルモノマーの塩としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩若しくは4級アンモニウム塩が挙げられる。アミン塩としては、アミン化合物であれば特に限定されないが、例えば、1級アミン塩(エチルアミン塩、ブチルアミン塩、オクチルアミン塩等)、2級アミン(ジエチルアミン塩、ジブチルアミン塩等)、3級アミン(トリエチルアミン塩、トリブチルアミン塩等)が挙げられる。4級アンモニウム塩としては、テトラエチルアンモニウム塩、トリエチルラウリルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、トリブチルラウリルアンモニウム塩等)が挙げられる。
カルボキシル基含有ビニルモノマーの塩の具体例としては、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、マレイン酸モノナトリウム、マレイン酸ジナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、マレイン酸モノカリウム、アクリル酸リチウム、アクリル酸セシウム、アクリル酸アンモニウム、アクリル酸カルシウム及びアクリル酸アルミニウム等が挙げられる。
【0013】
(3)スルホ基含有ビニルモノマー及びその塩:
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸(例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸及びメチルビニルスルホン酸等);スチレンスルホン酸及びこのアルキル(炭素数2〜24)誘導体(例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレート(例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸及び3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等);炭素数5〜18のスルホ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸);アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸(例えば、プロピルアリルスルホコハク酸、ブチルアリルスルホコハク酸、2−エチルヘキシル−アリルスルホコハク酸);ポリ〔n(重合度、以下同様)=2〜30〕オキシアルキレン(オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[例えば、ポリ(n=5〜15)オキシエチレンモノメタクリレート硫酸エステル、ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等];下記一般式(3−1)〜(3−3)で表される化合物;及びこれらの塩等が挙げられる。
なお、これらの塩における対イオンとしては、(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその塩で示した対イオン等が用いられる。
【0014】
【化1】

(式中、Rは炭素数1〜15のアルキル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nが2以上の場合同一でも異なっていてもよく、異なる場合はランダム、ブロック及び/又はこれらの混合である。Arはベンゼン環を示し、nは1〜50の整数を示し、R’はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基を示す。)
【0015】
(4)ホスホノ基含有ビニルモノマー及びその塩:
(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸モノエステル(アルキル基の炭素数1〜24)(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート及びフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等)、(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホン酸(アルキル基の炭素数1〜24)(例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸等)及びこれらの塩等が挙げられる。
なお、これらの塩における対イオンとしては、(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその塩で示した対イオン等が用いられる。
【0016】
(5)ヒドロキシル基含有ビニルモノマー:
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル及び庶糖アリルエーテル等。
【0017】
(6)含窒素ビニルモノマー:
(6−1)アミノ基含有ビニルモノマー:
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4ービニルピリジン、2ービニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチルα−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール及びこれらの塩等。
(6−2)アミド基含有ビニルモノマー:
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチルN−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等。
(6−3)炭素数3〜10のニトリル基含有ビニルモノマー:
(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレート等。
(6−4)4級アンモニウムカチオンからなる基を含有するビニルモノマー:
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の3級アミノ基含有ビニルモノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの。例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、トリメチルアリルアンモニウムクロライド等)。
(6−5)炭素数8〜12のニトロ基含有ビニルモノマー:
ニトロスチレン等。
【0018】
(7)炭素数6〜18のエポキシ基含有ビニルモノマー:
グルシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
【0019】
(8)炭素数2〜16のハロゲン元素含有ビニルモノマー:
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレン等。
【0020】
(9)ビニルエステル、ビニル(チオ)エーテル、ビニルケトン、ビニルスルホン:
(9−1)炭素数4〜16のビニルエステル:
例えば酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖若しくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖若しくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等)等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニルモノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド(以下、エチレンオキサイドをEOと記載する)10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールEO30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等。
(9−2)炭素数3〜16のビニル(チオ)エーテル:
例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル2−エチルメルカプトエチルエーテル、アセトキシスチレン及びフェノキシスチレン等。
(9−3)炭素数4〜12のビニルケトン(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルフェニルケトン):
炭素数2〜16のビニルスルホン(例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルホン、ジビニルスルホン及びジビニルスルホキサイド等)等。
【0021】
(10)その他のビニルモノマー:
イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。
【0022】
ビニル樹脂のうち、ビニルモノマーを共重合したポリマー(ビニルモノマーの共重合体)としては、上記(1)〜(10)の任意のモノマー同士を、2元又はそれ以上の個数で、任意の割合で共重合したポリマーが用いられ、例えばスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−(無水)マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−ジビニルベンゼン共重合体及びスチレン−スチレンスルホン酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
【0023】
樹脂(a)は、水性分散体(X)中で樹脂粒子(A)形成することが必要であることから、少なくとも水性分散体(X)を形成する条件下で水に完全に溶解していないことが必要である。そのため、ビニル樹脂が共重合体である場合には、ビニル樹脂を構成する疎水性モノマーと親水性モノマーの比率は、選ばれるモノマーの種類によるが、一般に疎水性モノマーが10重量%以上であることが好ましく、30重量%以上であることがより好ましい。疎水性モノマーの比率が、10重量%以下になるとビニル樹脂が水溶性になり、樹脂粒子(C)の粒子径均一性が損なわれることがある。ここで、親水性モノマーとは水に任意の割合で溶解するモノマーをいい、疎水性モノマーとは、それ以外のモノマー(基本的に水に混和しないモノマー)をいう。
【0024】
ポリエステル樹脂としては、ポリオールと、ポリカルボン酸、その酸無水物又は低級アルキル(アルキル基の炭素数1〜4)エステルとの重縮合物等が使用できる。
重縮合反応には、公知の重縮合触媒等が使用できる。
ポリオールとしては、ジオール(11)、及び3〜8価又はそれ以上のポリオール(12)が用いられる。
ポリカルボン酸、その酸無水物又は低級アルキルエステルとしては、ジカルボン酸(13)、3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)、これらの酸無水物及び低級アルキルエステルが用いられる。
【0025】
ジオール(11)としては、炭素数2〜30のアルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール及び2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール等);分子量106〜10000のアルキレンエーテルグリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等);炭素数6〜24の脂環式ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA等);分子量100〜10000の上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下、AOと記載する)〔EO、プロピレンオキサイド(以下、POと記載する)、ブチレンオキサイド(以下、BOと記載する)等〕付加物(付加モル数2〜100)(例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノールのEO10モル付加物等);炭素数15〜30のビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等)又は炭素数12〜24のポリフェノール(例えば、カテコール、ハイドロキノン及びレゾルシン等)のAO(EO、PO、BO等)付加物(付加モル数2〜100)(例えば、ビスフェノールA・EO2〜4モル付加物、ビスフェノールA・PO2〜4モル付加物等);重量平均分子量100〜5000のポリラクトンジオール(例えば、ポリε−カプロラクトンジオール等);重量平均分子量1000〜20000のポリブタジエンジオール等が挙げられる。
これらのうち、アルキレングリコール、ビスフェノール類のAO付加物及びこれらの混合物が好ましく、更に好ましいのはビスフェノール類のAO付加物及びこれとアルキレングリコールとの混合物である。
【0026】
3〜8価又はそれ以上のポリオール(12)としては、3〜8価又はそれ以上で、炭素数3〜8の脂肪族多価アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン及びソルビトール等);炭素数25〜50のトリスフェノール(例えば、トリスフェノールPA等)のAO(炭素数2〜4)付加物(付加モル数2〜100)(例えば、トリスフェノールPA・EO2〜4モル付加物、トリスフェノールPA・PO2〜4モル付加物等);重合度3〜50のノボラック樹脂(例えば、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等)のAO(炭素数2〜4)付加物(付加モル数2〜100)(フェノールノボラックPO2モル付加物、フェノールノボラックEO4モル付加物等);炭素数6〜30のポリフェノール(例えば、ピロガロール、フロログルシノール及び1,2,4−ベンゼントリオール等)のAO(炭素数2〜4)付加物(付加モル数2〜100)(ピロガロールEO4モル付加物等);及び重合度20〜2000のアクリルポリオール[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニルモノマー{例えばスチレン、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステル等}との共重合物等]等が挙げられる。
これらのうち、脂肪族多価アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物が好ましく、更に好ましいのはノボラック樹脂のAO付加物である。
【0027】
ジカルボン酸(13)としては、炭素数4〜32のアルカンジカルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸及びオクタデカンジカルボン酸等);炭素数4〜32のアルケンジカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸及びメサコン酸等);炭素数8〜40の分岐アルケンジカルボン酸[例えば、ダイマー酸、アルケニルコハク酸(ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸及びオクタデセニルコハク酸等);炭素数12〜40の分岐アルカンジカルボン酸[例えば、アルキルコハク酸(デシルコハク酸、ドデシルコハク酸及びオクタデシルコハク酸等);炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸(例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられる。
これらのうち、アルケンジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸が好ましく、更に好ましいのは芳香族ジカルボン酸である。
【0028】
3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(例えば、トリメリット酸及びピロメリット酸等)等が挙げられる。
なお、ジカルボン酸(13)又は3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)の酸無水物としては、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物等が挙げられる。また、これらの低級アルキルエステルとしては、メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等が挙げられる。
【0029】
ポリウレタン樹脂としては、ポリイソシアネート(15)と活性水素基含有化合物(D){水、ポリオール[前記ジオール(11)及び3〜8価又はそれ以上のポリオール(12)]、ジカルボン酸(13)、3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)、ポリアミン(16)、ポリチオール(17)等}との重付加物等が挙げられる。
【0030】
ポリイソシアネート(15)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート及びこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0031】
炭素数2〜18の芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(たとえば5〜20重量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等が挙げられる。
【0032】
炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等の脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
【0033】
炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
【0034】
炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が挙げられる。
【0035】
また、上記ポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基及びオキサゾリドン基含有変性物等が挙げられる。
具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI等のポリイソシアネートの変性物及びこれらの2種以上の混合物[例えば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
【0036】
これらのうちで好ましいものは6〜15の芳香族ポリイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ポリイソシアネート及び炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネートであり、特に好ましいものはTDI、MDI、HDI、水添MDI及びIPDIである。
【0037】
ポリアミン(16)の例としては、炭素数2〜18の脂肪族ポリアミン、炭素数4〜15の脂環式ポリアミン、炭素数4〜15の複素環式ポリアミン、炭素数6〜20の芳香族ポリアミン、ポリアミドポリアミン及びポリエーテルポリアミン等が挙げられる。
【0038】
炭素数2〜18の脂肪族ポリアミンとしては、以下の〔1〕〜〔4〕のポリアミンが挙げられる。
〔1〕炭素数2〜6の脂肪族ポリアミン
アルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)、ポリアルキレン(アルキレンの炭素数2〜6)ポリアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等〕。
〔2〕脂肪族ポリアミンのアルキル(アルキルの炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(アルキルの炭素数2〜4)置換体
ジアルキル(アルキルの炭素数1〜3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン等。
〔3〕脂環又は複素環含有脂肪族ポリアミン
3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等。
〔4〕炭素数8〜15の芳香環含有脂肪族アミン
キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミン等。
【0039】
炭素数4〜15の脂環式ポリアミンとしては、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)等が挙げられる。
炭素数4〜15の複素環式ポリアミンとしては、ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等が挙げられる。
【0040】
炭素数6〜20の芳香族ポリアミンとしては、以下の〔1〕〜〔4〕のポリアミンが挙げられる。
〔1〕非置換芳香族ポリアミン
1,2−、1,3−又は1,4−フェニレンジアミン、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリアミン、ナフチレンジアミン等。
【0041】
〔2〕核置換アルキル基〔炭素数1〜4のアルキル(メチル,エチル,n−及びi−プロピル、ブチル等)を有する芳香族ポリアミン〕
2,4−又は2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジブチル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリイソプロピル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジイソプロピル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジブチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、3,3’,5,5’−テトライソプロピルベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン,3,5−ジイソプロピル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−2,2’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン等〕、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物。
【0042】
〔3〕核置換電子吸引基{ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)原子、アルコキシ(メトキシ、エトキシ等)基を有する芳香族ポリアミン}
メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキサイド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフイド、4,4’−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−フルオロアニリン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリン等。
【0043】
〔4〕2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン〔上記〔1〕〜〔3〕の芳香族ポリアミンの−NH2の一部又は全部が−NH−R’(R’はアルキル基たとえばメチル,エチル等の低級アルキル基)で置き換ったもの〕
4,4’−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン等〕 ポリアミドポリアミン:
ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン(上記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミン等。
【0044】
ポリエーテルポリアミンとしては、ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコール等)のシアノエチル化物の水素化物等が挙げられる。
【0045】
ポリチオール(17)としては、エチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール及び1,6−ヘキサンジチオール等が挙げられる。
【0046】
エポキシ樹脂としては、ポリエポキシド(18)の開環重合物、ポリエポキシド(18)と活性水素基含有化合物(D){水、ポリオール[前記ジオール(11)及び3〜8価又はそれ以上のポリオール(12)]、ジカルボン酸(13)、3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)、ポリアミン(16)、ポリチオール(17)等}との重付加物、又はポリエポキシド(18)とジカルボン酸(13)又は3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)の酸無水物との硬化物等が挙げられる。
【0047】
ポリエポキシド(18)は、分子中に2個以上のエポキシ基を有していれば、特に限定されない。ポリエポキシド(18)として好ましいものは、硬化物の機械的性質の観点から、分子中にエポキシ基を2〜6個有するものである。ポリエポキシド(18)のエポキシ当量(エポキシ基1個当たりの分子量)は、65〜1000が好ましく、更に好ましいのは90〜500である。この範囲であると、硬化物の耐水性、耐薬品性、機械的強度が更に良好となる。尚、エポキシ当量が65未満のポリエポキシドを合成するのは困難である。
【0048】
ポリエポキシド(18)の例としては、芳香族ポリエポキシド、複素環ポリエポキシド、脂環族ポリエポキシド及び脂肪族ポリエポキシドが挙げられる。
芳香族ポリエポキシドとしては、多価フェノールのグリシジルエーテル、多価フェノールグリシジルエステル、グリシジル芳香族ポリアミン、及びアミノフェノールのグリシジル化物等が挙げられる。
【0049】
多価フェノールのグリシジルエーテルとしては、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ハロゲン化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテル、カテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ピロガロールトリグリシジルエーテル、1,5−ジヒドロキシナフタリンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、オクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、テトラメチルビフェニルジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフチルクレゾールトリグリシジルエーテル、トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル、ジナフチルトリオールトリグリシジルエーテル、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル、p−グリシジルフェニルジメチルトリールビスフェノールAグリシジルエーテル、トリスメチル−tret−ブチル−ブチルヒドロキシメタントリグリシジルエーテル、9,9’−ビス(4−ヒドキシフェニル)フロオレンジグリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエチル)テトラクレゾールグリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエチル)フェニルグリシジルエーテル、ビス(ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテル、フェノール又はクレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、リモネンフェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル、フェノールとグリオキザール、グルタールアルデヒド、又はホルムアルデヒドの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル、及びレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られるポリフェノールのポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0050】
多価フェノールのグリシジルエステルとしては、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。
グリシジル芳香族ポリアミンとしては、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミン等が挙げられる。
アミノフェノールのグリシジル化物としては、P−アミノフェノールのトリグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0051】
芳香族ポリエポキシ化合物には、トリレンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネートとグリシドールとの付加反応によって得られるジグリシジルウレタン化合物、トリレンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネートとグリシドールとポリオールとを反応させて得られるグリシジル基含有ポリウレタン(プレ)ポリマー及びビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテルも含まれる。
【0052】
複素環ポリエポキシドとしては、トリスグリシジルメラミン等が挙げられる。
脂環族ポリエポキシドとしては、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、リモネンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジオキサイド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテル、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、及びビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ブチルアミン、ダイマー酸ジグリシジルエステル及び芳香族ポリエポキシドの核水添化物等が挙げられる。
脂肪族ポリエポキシドとしては、多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル、多価脂肪酸のポリグリシジルエステル、及びグリシジル脂肪族アミンが挙げられる。
【0053】
多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテルとしては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル及びポリグリセロールンポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0054】
多価脂肪酸のポリグリシジルエステルとしては、ジグリシジルオキサレート、ジグリシジルマレート、ジグリシジルスクシネート、ジグリシジルグルタレート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルピメレート等が挙げられる。
グリシジル脂肪族アミンとしては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
脂肪族ポリエポキシドには、ジグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体も含まれる。
これらのうち、好ましいのは、脂肪族ポリエポキシド及び芳香族ポリエポキシドである。ポリエポキシドは、2種以上併用しても差し支えない。
【0055】
本発明の製造方法においては、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)と、樹脂(b)若しくはその有機溶剤溶液、又は樹脂(b)の前駆体(b0)若しくはその有機溶剤溶液(O)とを混合し、(W)中に(O)を分散させて、必要により前駆体(b0)の反応を行い、樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)が形成される際に、樹脂粒子(A)を樹脂粒子(B)の表面に吸着させることで、樹脂粒子(B)同士あるいは樹脂粒子(C)同士が合一するのを防ぎ、また、高剪断条件下で樹脂粒子(C)が分裂され難くする。これにより、樹脂粒子(C)の粒子径を一定の値に収斂させ、粒子径の均一性を高める効果を発揮する。そのため、樹脂粒子(A)は、分散する際の温度において、剪断により破壊されない程度の強度を有すること、水に溶解したり、膨潤したりしにくいこと、樹脂(b)若しくはその有機溶剤溶液、又は樹脂(b)の前駆体(b0)若しくはその有機溶剤溶液(O)に溶解したり、膨潤したりしにくいことが好ましい特性として挙げられる。
【0056】
本発明において、樹脂(a)の数平均分子量(GPCにて測定、以下Mnと略記)は、耐熱保存安定性及び低温溶融性の観点から、通常8万〜100万、好ましくは8.5万〜60万である。Mnが8万未満では、耐熱保存安定性が悪くなり、100万を超えると低温溶融性が悪くなる。
【0057】
本発明において、樹脂(a)のMnは、GPCを用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) :東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例):TSK GEL GMH6 2本〔東ソー(株)製〕
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.25重量%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量 :100μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000 4480000)
【0058】
樹脂粒子(A)が水や分散時に用いる有機溶剤(u)に対して、溶解したり、膨潤したりするのを低減する観点から、樹脂(a)のSP値(SP値の計算方法はPolymer Engineering and Science,Feburuary,1974,Vol.14,No.2 P.147〜154による)、結晶性、架橋点間分子量等を適宜調整するのが好ましい。
【0059】
樹脂(a)のSP値は、好ましくは7〜18、更に好ましくは8〜14である。樹脂(a)の融点(DSCにて測定)は、好ましくは50℃以上、更に好ましくは80℃以上である。また、樹脂粒子(C)の、耐熱性、耐水性、耐薬品性、粒子径の均一性等を向上させたい場合には、樹脂(a)に架橋構造を導入させてもよい。かかる架橋構造は、共有結合性、配位結合性、イオン結合性、水素結合性等、いずれの架橋形態であってもよい。樹脂(a)に架橋構造を導入する場合の架橋点間分子量は、好ましくは30以上、更に好ましくは50以上である。
【0060】
また、樹脂(a)のガラス転移温度(Tg)は、樹脂粒子(C)の粒子径均一性、粉体流動性、保存時の耐熱性、耐ストレス性の観点から、好ましくは0℃〜300℃、更に好ましくは20℃〜250℃、特に好ましくは50℃〜200℃である。水性分散体(X)を作成する温度よりTgが低いと、合一を防止したり、分裂を防止したりする効果が小さくなり、粒子径の均一性を高める効果が小さくなる。なお、本発明におけるTgは、DSC測定から求められる値である。
【0061】
樹脂(a)を樹脂粒子(A)の水性分散液(W)にする方法は、特に限定されないが、以下の〔1〕〜〔8〕が挙げられる。
〔1〕ビニル樹脂の場合、モノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法又は分散重合法等の重合反応により、直接、樹脂粒子(A)の水性分散液を製造する方法。
〔2〕ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加あるいは縮合樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等:液体であることが好ましく、加熱により液状化してもよい)又はその有機溶剤(u)溶液を適当な分散剤存在下で水性溶剤[水と必要により有機溶剤(u)を含有する溶剤]中に分散させ、その後に加熱したり、硬化剤を加えたりして、前駆体を硬化させて樹脂粒子(A)の水性分散液を製造する方法。
【0062】
〔3〕ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加あるいは縮合樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等:液体であることが好ましく、加熱により液状化してもよい)又はその有機溶剤(u)溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化した後、加熱したり、硬化剤を加えたりして前駆体を硬化させて、樹脂粒子(A)の水性分散液を製造する方法。
〔4〕あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により作製した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水性溶剤中に分散させて、樹脂粒子(A)の樹脂分散液を製造する方法。
【0063】
〔5〕あらかじめ重合反応により作製した樹脂を有機溶剤(u)に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下で水性溶剤中に分散させて、樹脂粒子(A)の樹脂分散液を製造する方法。
〔6〕あらかじめ重合反応により作製した樹脂を有機溶剤(u)に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、又はあらかじめ有機溶剤(u)に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂粒子を析出させ、次いで、有機溶剤(u)を除去して樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下で水性溶剤中に分散させて、樹脂粒子(A)の樹脂分散液を製造する方法。
【0064】
〔7〕あらかじめ重合反応により作製した樹脂を有機溶剤(u)に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水性溶剤中に分散させ、これを加熱又は減圧等によって有機溶剤(u)を除去して、樹脂粒子(A)の樹脂分散液を製造する方法。
〔8〕あらかじめ重合反応により作製した樹脂を有機溶剤(u)に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水性溶剤を加えて転相乳化して樹脂粒子(A)の樹脂分散液を製造する方法。
【0065】
上記〔1〕〜〔8〕の方法において、併用する乳化剤又は分散剤としては、公知の界面活性剤(s)、水溶性ポリマー(t)等を用いることができる。また、乳化又は分散の助剤として有機溶剤(u)、可塑剤(v)等を併用することができる。
【0066】
界面活性剤(s)としては、アニオン界面活性剤(s−1)、カチオン界面活性剤(s−2)、両性界面活性剤(s−3)、非イオン界面活性剤(s−4)等が挙げられる。界面活性剤(s)は2種以上の界面活性剤を併用したものであってもよい。
【0067】
アニオン界面活性剤(s−1)としては、カルボン酸又はその塩、硫酸エステル塩、カルボキシメチル化物の塩、スルホン酸塩及びリン酸エステル塩が挙げられる。
【0068】
カルボン酸又はその塩としては、炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸又はその塩が挙げられ、具体的にはカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸及びヤシ油、パーム核油、米ぬか油、牛脂等をケン化して得られる高級脂肪酸の混合物があげられる。塩としてはそれらのナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルカノールアミン等の塩があげられる。
【0069】
硫酸エステル塩としては、高級アルコール硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪族アルコールの硫酸エステル塩)、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪族アルコールのEO1〜10モル付加物の硫酸エステル塩)、硫酸化油(天然の不飽和油脂又は不飽和のロウをそのまま硫酸化して中和したもの)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸の低級アルコールエステルを硫酸化して中和したもの)及び硫酸化オレフィン(炭素数12〜18のオレフィンを硫酸化して中和したもの)が挙げられる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩が挙げられる。
【0070】
高級アルコール硫酸エステル塩の具体例としては、オクチルアルコール硫酸エステル塩、デシルアルコール硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、ステアリルアルコール硫酸エステル塩、チーグラー触媒を用いて合成されたアルコール(例えば、ALFOL 1214:CONDEA社製)の硫酸エステル塩、オキソ法で合成されたアルコール(たとえばトリデカノール:協和発酵工業株式会社製、オキソコール1213、1215、1415:日産化学工業株式会社製、ドバノール23、25、45、ダイヤドール115−L、115H、135:三菱化学株式会社製)の硫酸エステル塩が挙げられる。
【0071】
高級アルキルエーテル硫酸エステル塩の具体例としては、ラウリルアルコールEO2モル付加物硫酸エステル塩、オクチルアルコールEO3モル付加物硫酸エステル塩等が挙げられる。
硫酸化油の具体例としては、ヒマシ油、落花生油、オリーブ油、ナタネ油、牛脂、羊脂等の硫酸化物の塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩)等が挙げられる。
硫酸化脂肪酸エステルの具体例としては、オレイン酸ブチル、リシノレイン酸ブチル等の硫酸化物の塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩)等が挙げられる。
硫酸化オレフィンの具体例としては、ティーポール(シェル社製)等が挙げられる。
【0072】
カルボキシメチル化物の塩としては、炭素数8〜16の脂肪族アルコールのカルボキシメチル化物の塩及び炭素数8〜16の脂肪族アルコールのEO1〜10モル付加物のカルボキシメチル化物の塩が挙げられる。
脂肪族アルコールのカルボキシメチル化物の塩の具体例としては、オクチルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、デシルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、ラウリルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、sec−トリデカノール23カルボキシメチル化ナトリウム塩、トリデカノールカルボキシメチル化ナトリウム塩等が挙げられる。
脂肪族アルコールのEO1〜10モル付加物のカルボキシメチル化物の塩の具体例としては、オクチルアルコールEO3モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、ラウリルアルコールEO4モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、sec−トリデカノール23EO3モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、トリデカノールEO5モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩等が挙げられる。
【0073】
スルホン酸塩としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジエステル型、α−オレフィンスルホン酸塩(テーポール)、イゲポンT型、その他芳香環含有化合物のスルホン酸塩が挙げられる。
アルキルベンゼンスルホン酸塩の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩等が挙げられる。
アルキルナフタレンスルホン酸塩の具体例としては、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩等が挙げられる。
スルホコハク酸ジエステル型の具体例としては、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩等が挙げられる。
その他芳香環含有化合物のスルホン酸塩としては、アルキル化ジフェニルエーテルのモノ又はジスルホン酸塩、スチレン化フェノールスルホン酸塩等が挙げられる。
【0074】
リン酸エステル塩としては、高級アルコールリン酸エステル塩及び高級アルコールEO付加物リン酸エステル塩が挙げられる。
【0075】
高級アルコールリン酸エステル塩の具体例としては、ラウリルアルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩、ラウリルアルコールリン酸ジエステルナトリウム塩等が挙げれる。
高級アルコールEO付加物リン酸エステル塩の具体例としては、オレイルアルコールEO5モル付加物リン酸モノエステルジナトリウム塩が挙げられる。
【0076】
カチオン界面活性剤(s−2)としては、第4級アンモニウム塩型、アミン塩型等が挙げられる。
第4級アンモニウム塩型としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)、セチルピリジニウムクロライド、ポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド、ステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェート等が挙げられる。
【0077】
アミン塩型としては、1〜3級アミンを無機酸(塩酸、硝酸、硫酸、ヨウ化水素酸等)又は有機酸(酢酸、ギ酸、蓚酸、乳酸、グルコン酸、アジピン酸、アルキル燐酸等)で中和することにより得られる。第1級アミン塩型としては、脂肪族高級アミン(ラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミン、ロジンアミン等の高級アミン)の無機酸塩又は有機酸塩;低級アミンの高級脂肪酸(ステアリン酸、オレイン酸等)塩等が挙げられる。第2級アミン塩型としては、脂肪族アミンのEO付加物等の無機酸塩又は有機酸塩が挙げられる。また、第3級アミン塩型としては、脂肪族アミン(トリエチルアミン、エチルジメチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等)、脂肪族アミンのEO(2モル以上)付加物、脂環式アミン(N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルヘキサメチレンイミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセン等)、含窒素ヘテロ環芳香族アミン(4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾール、4,4’−ジピリジル等)の無機酸塩又は有機酸塩等が挙げれる。
【0078】
両性界面活性剤(s−3)としては、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤、イミダゾリン型両性界面活性剤等のカルボン酸塩型両性界面活性剤等が挙げられる。
【0079】
アミノ酸型両性界面活性剤は、分子内にアミノ基とカルボキシル基を持っている両性界面活性剤で、例えば、下記一般式で示される化合物が挙げられる。
[R−NH−(CH2)n−COO]mM
[式中、Rは1価の炭化水素基;nは1又は2;mは1又は2;Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウムカチオン、アミンカチオン、アルカノールアミンカチオン等である。]
アミノ酸型両性界面活性剤の具体例としては、例えば、アルキルアミノプロピオン酸型両性界面活性剤(ステアリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等);アルキルアミノ酢酸型両性界面活性剤(ラウリルアミノ酢酸ナトリウム等);グリシン型両性界面活性剤(ナトリウムラウロイルグリシン、ナトリウムラウリルジアミノエチルグリシン、ラウリルジアミノエチルグリシン塩酸塩、ジオクチルジアミノエチルグリシン塩酸塩等)等が挙げられる。
【0080】
ベタイン型両性界面活性剤は、分子内に第4級アンモニウム塩型のカチオン部分とカルボン酸型のアニオン部分を持っている両性界面活性剤で、例えば、アルキルジメチルベタイン(ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等)、アミドベタイン(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等)、アルキルジヒドロキシアルキルベタイン(ラウリルジヒドロキシエチルベタイン等)等が挙げられる。
【0081】
イミダゾリン型両性界面活性剤としては、例えば、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
【0082】
非イオン界面活性剤(s−4)としては、アルキレンオキサイド付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコ−ル型非イオン界面活性剤等が挙げられる。
【0083】
アルキレンオキサイド付加型非イオン界面活性剤は、高級アルコ−ル、高級脂肪酸又はアルキルアミン等に直接アルキレンオキサイドを付加させるか、グリコ−ルにアルキレンオキサイドを付加させて得られるポリアルキレングリコ−ルに高級脂肪酸等を反応させるか、あるいは多価アルコ−ルと高級脂肪酸とを反応して得られたエステル化物にアルキレンオキサイドを付加させるか、高級脂肪酸アミドにアルキレンオキサイドを付加させることにより得られる。
【0084】
アルキレンオキサイドのうち好ましいものは、エチレンオキサイド(以下、EOと略記)及びEOとプロピレンオキサイド(以下、POと略記)のランダム又はブロック付加物である。
アルキレンオキサイドの付加モル数としては10〜50モルが好ましく、該アルキレンオキサイドのうち50〜100%がEOであるものが好ましい。
【0085】
アルキレンオキサイド付加型非イオン界面活性剤の具体例としては、オキシアルキレンアルキルエ−テル(例えば、オクチルアルコールEO付加物、ラウリルアルコールEO付加物、ステアリルアルコールEO付加物、オレイルアルコールEO付加物、ラウリルアルコールEO・POブロック付加物等);ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル(例えば、ステアリル酸EO付加物、ラウリル酸EO付加物等);ポリオキシアルキレン多価アルコ−ル高級脂肪酸エステル(例えば、ポリエチレングリコールのラウリン酸ジエステル、ポリエチレングリコールのオレイン酸ジエステル、ポリエチレングリコールのステアリン酸ジエステル等);ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエ−テル(例えば、ノニルフェノールEO付加物、ノニルフェノールEO・POブロック付加物、オクチルフェノールEO付加物、ビスフェノールA・EO付加物、ジノニルフェノールEO付加物、スチレン化フェノールEO付加物等);ポリオキシアルキレンアルキルアミノエ−テル及び(例えば、ラウリルアミンEO付加物,ステアリルアミンEO付加物等);ポリオキシアルキレンアルキルアルカノ−ルアミド(例えば、ヒドロキシエチルラウリン酸アミドのEO付加物、ヒドロキシプロピルオレイン酸アミドのEO付加物、ジヒドロキシエチルラウリン酸アミドのEO付加物等)が挙げられる。
【0086】
多価アルコ−ル型非イオン界面活性剤としては、多価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物、多価アルコールアルキルエーテル、多価アルコールアルキルエーテルアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
【0087】
多価アルコール脂肪酸エステルの具体例としては、ペンタエリスリトールモノラウレート、ペンタエリスリトールモノオレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンジラウレート、ソルビタンジオレート、ショ糖モノステアレート等が挙げられる。
多価アルコール脂肪酸エステルアルキレンオキサイド付加物の具体例としては、エチレングリコールモノオレートEO付加物、エチレングリコールモノステアレートEO付加物、トリメチロールプロパンモノステアレートEO・POランダム付加物、ソルビタンモノラウレートEO付加物、ソルビタンモノステアレートEO付加物、ソルビタンジステアレートEO付加物、ソルビタンジラウレートEO・POランダム付加物等が挙げられる。
【0088】
多価アルコールアルキルエーテルの具体例としては、ペンタエリスリトールモノブチルエーテル、ペンタエリスリトールモノラウリルエーテル、ソルビタンモノメチルエーテル、ソルビタンモノステアリルエーテル、メチルグリコシド、ラウリルグリコシド等が挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテルアルキレンオキサイド付加物の具体例としては、ソルビタンモノステアリルエーテルEO付加物、メチルグリコシドEO・POランダム付加物、ラウリルグリコシドEO付加物、ステアリルグリコシドEO・POランダム付加物等が挙げられる。
【0089】
水溶性ポリマー(t)としては、セルロース化合物(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びそれらのケン化物等)、ゼラチン、デンプン、デキストリン、アラビアゴム、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、アクリル酸(塩)含有ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸の水酸化ナトリウム部分中和物、アクリル酸ナトリウム−アクリル酸エステル共重合体)、スチレン−無水マレイン酸共重合体の水酸化ナトリウム(部分)中和物、水溶性ポリウレタン(ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール等とポリイソシアネートの反応生成物等)等が挙げられる。
【0090】
本発明で用いる有機溶剤(u)は、乳化分散の際に必要に応じて水性媒体中に加えても、被乳化分散体中[樹脂(b)又は前躯体(b0)を含む油相(O)中]に加えてもよい。
本発明における有機溶剤(u)の具体例としては、芳香族炭化水素溶剤{トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等};脂肪族又は脂環式炭化水素溶剤{n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン等};ハロゲン溶剤{塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン等};エステル又はエステルエーテル溶剤{酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等};エーテル溶剤{ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等};ケトン溶剤{アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノン等};アルコール溶剤{メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール等};アミド溶剤{ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等};スルホキシド溶剤{ジメチルスルホキシド等};複素環式化合物溶剤{N−メチルピロリドン等}並びにこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
【0091】
可塑剤(v)は、乳化分散の際に必要に応じて水性媒体中に加えても、被乳化分散体中[樹脂(b)又は前躯体(b0)を含む油相(O)中]に加えてもよい。
(v)としては、何ら限定されず、以下のものが例示される。
(v1)フタル酸エステル[フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソデシル等];
(v2)脂肪族2塩基酸エステル[アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸−2−エチルヘキシル等];
(v3)トリメリット酸エステル[トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリオクチル等];
(v4)燐酸エステル[リン酸トリエチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジール等];
(v5)脂肪酸エステル[オレイン酸ブチル等];
(v6)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0092】
本発明における樹脂粒子(A)の体積平均粒子径は、0.04〜0.13μmであり、好ましくは0.04〜0.12μmである。粒子径が0.04μmを下回ると、分散安定性が悪くなり、均一な粒子径が得られない。また、0.13μmを超えると、塗膜形成時のレベリング性が悪化する。
また、樹脂粒子(A)の粒子径は、通常、形成される樹脂粒子(B)の粒子径よりも小さく、粒子径均一性の観点から、粒子径比[樹脂粒子(A)の体積平均粒子径/樹脂粒子(C)の体積平均粒子径]の値が、0.001〜0.2の範囲であるのが好ましく、更に好ましくは0.005〜0.1、特に好ましくは0.009〜0.05である。かかる粒子径比が、0.2以下であると(A)が(B)の表面に効率よく吸着するため、得られる(C)の粒度分布がより狭くなる傾向がある。
なお、体積平均粒子径は、レーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)やマルチサイザーIII(コールター社製)で測定できる。
【0093】
樹脂粒子(A)の平均粒子径を調整する方法は、特に限定されないが、例えば、樹脂粒子(A)を形成させる工程において、樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中の樹脂(a)に対する分散剤(乳化剤)の量を変化させることで調整することができ、樹脂(a)に対する分散剤(乳化剤)の量を多くすれば、樹脂粒子(A)の平均粒子径は小さくなり、樹脂(a)に対する分散剤(乳化剤)の量を少なくすれば、樹脂粒子(A)の平均粒子径は大きくなる。
【0094】
本発明に用いる樹脂(b)としては、樹脂(a)と同様に、公知の樹脂であればいかなる樹脂であっても使用でき、その具体例についても、(a)と同様のものが使用できる。(b)は、用途・目的に応じて適宜好ましいもの選択することができる。一般に、樹脂(b)として好ましいものは、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂及びポリエステル樹脂が挙げられる。
【0095】
樹脂(b)のMn、融点、Tg、SP値は、用途によって好ましい範囲に適宜調整すればよい。
例えば、樹脂粒子(C)を電子写真、静電記録、静電印刷等に使用されるトナー母体粒子として用いる場合、(b)のMnは、好ましくは1,000〜500万、更に好ましくは2,000〜50万である。(b)の融点(DSCにて測定、以下融点はDSCでの測定値)、好ましくは20℃〜300℃、更に好ましくは80℃〜250℃である。(b)のTgは、好ましくは20℃〜200℃、更に好ましくは40℃〜100℃である。(b)のSP値は、好ましくは8〜16、更に好ましくは9〜14である。
【0096】
本発明の製造方法においては、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中に、樹脂(b)又はその有機溶剤溶液を分散させて、樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中で、樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成させることにより、樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A)が付着してなる構造の樹脂粒子(C)の水性分散体(X)を得る。又は、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中に、樹脂(b)の前駆体(b0)又はその有機溶剤溶液を分散させて、更に、前駆体(b0)を反応させて、樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中で、樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成させることにより、樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A)が付着してなる構造の樹脂粒子(C)の水性分散体(X)を得る。また、これら2つの方法を併用〔例えば、(b)と(b0)の溶剤溶液を用いる〕してもよい。
【0097】
樹脂(b)若しくはその有機溶剤溶液、又は、樹脂(b)の前駆体(b0)若しくはその有機溶剤溶液を分散させる場合には、分散装置を用いることができる。本発明で使用する分散装置は、一般に乳化機、分散機として市販されているものであれば特に限定されず、例えば、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。これらのうち粒子径の均一化の観点で好ましいものは、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス及びTKパイプラインホモミキサーである。
【0098】
樹脂(b)を樹脂粒子(A)の水性分散液(W)に分散させる際、樹脂(b)は液体であることが好ましい。樹脂(b)が常温で固体である場合には、融点以上の高温下で液体の状態で分散させたり、(b)の有機溶剤溶液を用いたり、(b)の前駆体(b0)又はその有機溶剤溶液を用いてもよい。樹脂(b)若しくはその有機溶剤溶液、又は、前駆体(b0)若しくはその有機溶剤溶液(O)の粘度は、粒子径均一性の観点から、好ましくは10〜5万mPa・s(B型粘度計で測定)、更に好ましくは100〜1万mPa・sである。
分散時の温度としては、好ましくは0〜150℃(加圧下)、更に好ましくは5〜98℃である。分散体の粘度が高い場合は、高温にして粘度を上記好ましい範囲まで低下させて、乳化分散を行うのが好ましい。
【0099】
樹脂(b)の有機溶剤溶液及び前駆体(b0)の有機溶剤溶液に用いる有機溶剤は、樹脂(b)を常温若しくは加熱下で溶解しうる有機溶剤であれば特に限定されず、具体的には、有機溶剤(u)と同様のものが例示される。好ましいものは樹脂(b)の種類によって異なるが、(b)とのSP値差が3以下であるのが好適である。また、樹脂粒子(C)の粒子径均一性の観点からは、樹脂(b)を溶解させるが、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)を溶解・膨潤させにくい有機溶剤が好ましい。
【0100】
樹脂(b)の前駆体(b0)としては、化学反応により樹脂(b)になりうるものであれば特に限定されず、例えば、樹脂(b)がビニル樹脂である場合は、(b0)は、先述のビニルモノマー(単独で用いても、混合して用いてもよい)が挙げられ、樹脂(b)が縮合系樹脂(例えば、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂)である場合は、(b0)は、反応性基を有するプレポリマー(α)と硬化剤(β)の組み合わせが例示される。
【0101】
ビニルモノマーを前駆体(b0)として用いた場合、前駆体(b0)を反応させて樹脂(b)にする方法としては、例えば、油溶性開始剤、モノマー類及び必要により有機溶剤(u)を含有する油相を水溶性ポリマー(t)存在下、水中に分散懸濁させ、加熱によりラジカル重合反応を行わせる方法(いわゆる懸濁重合法)、モノマー類及び必要により有機溶剤(u)を含有する油相を乳化剤(界面活性剤(s)と同様のものが例示される)、水溶性開始剤を含む樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中に乳化させ、加熱によりラジカル重合反応を行わせる方法(いわゆる乳化重合法)等が挙げられる。
【0102】
上記油溶性又は水溶性開始剤としては、パーオキサイド系重合開始剤(I)、アゾ系重合開始剤(II)等が挙げられる。また、パーオキサイド系重合開始剤(I)と還元剤とを併用してレドックス系重合開始剤(III)を形成してもよい。更には、(I)〜(III)のうちから2種以上を併用してもよい。以下に(I)〜(III)の具体例を示す。
【0103】
(I)パーオキサイド系重合開始剤
(I−1)油溶性パーオキサイド系重合開始剤:アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシビバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノニルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニトリルパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシラウレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジイソブチルジパーオキシフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジt−ブチルパーオキシヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、ピナンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド等。
(I−2)水溶性パーオキサイド系重合開始剤:過酸化水素、過酢酸、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等。
【0104】
(II)アゾ系重合開始剤:
(II−1)油溶性アゾ系重合開始剤:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサン1−カーボニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等。
(II−2)水溶性アゾ系重合開始剤:アゾビスアミジノプロパン塩、アゾビスシアノバレリックアシッド(塩)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等。
【0105】
(III)レドックス系重合開始剤
(III−1)非水系レドックス系重合開始剤:油溶性過酸化物{ヒドロペルオキサイド、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル等}と、油溶性還元剤{第三アミン、ナフテン酸塩、メルカプタン、有機金属化合物(トリエチルアルミニウム、トリエチルホウ素、ジエチル亜鉛等)等}との組合せ等。
(III−2)水系レドックス系重合開始剤:水溶性過酸化物{過硫酸塩、過酸化水素、ヒドロペルオキサイド等}と、水溶性の無機若しくは有機還元剤(2価鉄塩、亜硫酸水素ナトリウム、アルコール、ポリアミン等)との組合せ等。
【0106】
前駆体(b0)としては、反応性基を有するプレポリマー(α)と硬化剤(β)の組み合わせを用いることもできる。ここで「反応性基」とは硬化剤(β)と反応可能な基のことをいう。この場合、前駆体(b0)を反応させて樹脂(b)を形成する方法としては、反応性基含有プレポリマー(α)及び硬化剤(β)及び必要により有機溶剤(u)を含む油相を、樹脂粒子(A)の水系分散液中に分散させ、加熱により反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)を反応させて樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成させる方法;反応性基含有プレポリマー(α)又はその有機溶剤溶液を樹脂粒子(A)の水系分散液中に分散させ、ここに水溶性の硬化剤(β)を加え反応させて、樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成させる方法;反応性基含有プレポリマー(α)が水と反応して硬化するものである場合は、反応性基含有プレポリマー(α)又はその有機溶剤溶液を樹脂粒子(A)の水性分散液(W)に分散させることで水と反応させて、樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成させる方法等が例示できる。
【0107】
反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基と、硬化剤(β)の組み合わせとしては、下記〔1〕及び〔2〕等が挙げられる。
〔1〕反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基が、活性水素化合物と反応可能な官能基(α1)であり、硬化剤(β)が活性水素基含有化合物(β1)であるという組み合わせ。
〔2〕反応性基含有プレポリマー(α)が有する反応性基が活性水素含有基(α2)であり、硬化剤(β)が活性水素含有基と反応可能な化合物(β2)であるという組み合わせ。
これらのうち、水中での反応率の観点から、〔1〕がより好ましい。
【0108】
上記組合せ〔1〕において、活性水素化合物と反応可能な官能基(α1)としては、イソシアネート基(α1a)、ブロック化イソシアネート基(α1b)、エポキシ基(α1c)、酸無水物基(α1d)及び酸ハライド基(α1e)等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、(α1a)、(α1b)及び(α1c)であり、特に好ましいものは、(α1a)及び(α1b)である。
【0109】
ブロック化イソシアネート基(α1b)は、ブロック化剤によりブロックされたイソシアネート基のことをいう。
上記ブロック化剤としては、オキシム類[アセトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、ジエチルケトオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、メチルエチルケトオキシム等];ラクタム類[γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクタム等];炭素数1〜20の脂肪族アルコール類[エタノール、メタノール、オクタノール等];フェノール類[フェノール、m−クレゾール、キシレノール、ノニルフェノール等];活性メチレン化合物[アセチルアセトン、マロン酸エチル、アセト酢酸エチル等];塩基性窒素含有化合物[N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、2−ヒドロキシピリジン、ピリジンN−オキサイド、2−メルカプトピリジン等];及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち好ましいのはオキシム類であり、特に好ましいものはメチルエチルケトオキシムである。
【0110】
反応性基含有プレポリマー(α)の構成単位としては、ポリエーテル(αw)、ポリエステル(αx)、エポキシ樹脂(αy)及びポリウレタン(αz)等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、(αx)、(αy)及び(αz)であり、特に好ましいものは(αx)及び(αz)である。
ポリエーテル(αw)としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド及びポリテトラメチレンオキサイド等が挙げられる。
ポリエステル(αx)としては、ジオール(11)とジカルボン酸(13)の重縮合物及びポリラクトン(ε−カプロラクトンの開環重合物)等が挙げらる。
エポキシ樹脂(αy)としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等)とエピクロルヒドリンとの付加縮合物等が挙げられる。
ポリウレタン(αz)としては、ジオール(11)とポリイソシアネート(15)の重付加物、及びポリエステル(αx)とポリイソシアネート(15)の重付加物等が挙げられる。
【0111】
ポリエステル(αx)、エポキシ樹脂(αy)及びポリウレタン(αz)等に反応性基を含有させる方法としては、
〔1〕二以上の構成成分のうちの一つを過剰に用いることで構成成分の官能基を末端に残存させる方法、
〔2〕二以上の構成成分のうちの一つを過剰に用いることで構成成分の官能基を末端に残存させ、更に残存した該官能基と反応可能な官能基及び反応性基を含有する化合物を反応させる方法等が挙げられる。
【0112】
上記方法〔1〕では、水酸基含有ポリエステルプレポリマー、カルボキシル基含有ポリエステルプレポリマー、酸ハライド基含有ポリエステルプレポリマー、水酸基含有エポキシ樹脂プレポリマー、エポキシ基含有エポキシ樹脂プレポリマー、水酸基含有ポリウレタンプレポリマー及びイソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマー等が得られる。
構成成分の比率は、例えば、水酸基含有ポリエステルプレポリマーの場合、ポリオール成分とポリカルボン酸成分の比率が、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/1、更に好ましくは1.5/1〜1/1、特に好ましくは1.3/1〜1.02/1である。他の骨格、末端基のプレポリマーの場合も、構成成分が変わるだけで比率は同様である。
【0113】
上記方法〔2〕では、上記方法〔1〕で得られたプレプリマーに、ポリイソシアネートを反応させることでイソシアネート基含有プレポリマーが得られ、ブロック化ポリイソシアネートを反応させることでブロック化イソシアネート基含有プレポリマーが得られ、ポリエポキサイドを反応させることでエポキシ基含有プレポリマーが得られ、ポリ酸無水物を反応させること
で酸無水物基含有プレポリマーが得られる。
【0114】
官能基及び反応性基を含有する化合物の使用量は、例えば、水酸基含有ポリエステルにポリイソシアネートを反応させてイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーを得る場合、ポリイソシアネートの比率が、イソシアネート基[NCO]と、水酸基含有ポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、好ましくは5/1〜1/1、更に好ましくは4/1〜1.2/1、特に好ましくは2.5/1〜1.5/1である。他の骨格、末端基を有するプレポリマーの場合も、構成成分が変わるだけで比率は同様である。
【0115】
反応性基含有プレポリマー(α)中の1分子当たりに含有する反応性基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、更に好ましくは、平均1.8〜2.5個である。上記範囲にすることで、硬化剤(β)と反応させて得られる硬化物の分子量が高くなる。
反応性基含有プレポリマー(α)のMnは、好ましくは500〜30,000、更に好ましくは1,000〜20,000、特に好ましくは2,000〜10,000である。
反応性基含有プレポリマー(α)のMwは、1,000〜50,000、好ましくは2,000〜40,000、更に好ましくは4,000〜20,000である。
反応性基含有プレポリマー(α)の粘度は、100℃において、好ましくは200Pa・s以下、更に好ましくは100Pa・s以下である。200Pa・s以下にすることで、粒度分布のシャープな樹脂粒子(C)が得られる点で好ましい。
【0116】
活性水素基含有化合物(β1)としては、脱離可能な化合物でブロック化されていてもよいポリアミン(β1a)、ポリオール(β1b)、ポリメルカプタン(β1c)及び水(β1d)等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、(β1a)、(β1b)及び(β1d)であり、更に好ましいもは、(β1a)及び(β1d)であり、特に好ましいもは、ブロック化されたポリアミン類及び(β1d)である。
(β1a)としては、ポリアミン(16)と同様のものが例示される。(β1a)として好ましいものは、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン及びそれらの混合物である。
【0117】
(β1a)が脱離可能な化合物でブロック化されたポリアミンである場合の例としては、前記ポリアミン類と炭素数3〜8のケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、炭素数2〜8のアルデヒド化合物(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド)から得られるアルジミン化合物、エナミン化合物、及びオキサゾリジン化合物等が挙げられる。
【0118】
ポリオール(β1b)としては、前記のジオール(11)及び3〜8価又はそれ以上のポリオール(12)と同様のものが例示される。ジオール(11)単独、又はジオール(11)と少量のポリオール(12)の混合物が好ましい。
ポリメルカプタン(β1c)としては、エチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール等が挙げられる。
【0119】
必要により活性水素基含有化合物(β1)と共に反応停止剤(βs)を用いることができる。反応停止剤を(β1)と一定の比率で併用することにより、(b)を所定の分子量に調整することが可能である。
反応停止剤(βs)としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等);
モノアミンをブロックしたもの(ケチミン化合物等);
モノオール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、フェノール;
モノメルカプタン(ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタン等);
モノイソシアネート(ラウリルイソシアネート、フェニルイソシアネート等);
モノエポキサイド(ブチルグリシジルエーテル等)等が挙げられる。
【0120】
上記組合せ〔2〕における反応性基含有プレポリマー(α)が有する活性水素含有基(α2)としては、アミノ基(α2a)、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)(α2b)、メルカプト基(α2c)、カルボキシル基(α2d)及びそれらが脱離可能な化合物でブロック化された有機基(α2e)等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、(α2a)、(α2b)及びアミノ基が脱離可能な化合物でブロック化された有機基(α2e)であり、特に好ましいものは、(α2b)である。
アミノ基が脱離可能な化合物でブロック化された有機基としては、前記(β1a)の場合と同様のものが例示できる。
【0121】
活性水素含有基と反応可能な化合物(β2)としては、ポリイソシアネート(β2a)、ポリエポキシド(β2b)、ポリカルボン酸(β2c)、ポリ酸無水物(β2d)及びポリ酸ハライド(β2e)等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、(β2a)及び(β2b)であり、更に好ましいものは、(β2a)である。
【0122】
ポリイソシアネート(β2a)としては、ポリイソシアネート(15)と同様のものが例示され、好ましいものも同様である。
ポリエポキシド(β2b)としては、ポリエポキシド(18)と同様のものが例示され、好ましいものも同様である。
【0123】
ポリカルボン酸(β2c)としては、ジカルボン酸(β2c−1)及び3価以上のポリカルボン酸(β2c−2)が挙げられ、(β2c−1)単独、及び(β2c−1)と少量の(β2c−2)の混合物が好ましい。
ジカルボン酸(β2c−1)としては、前記ジカルボン酸(13)と、ポリカルボン酸としては、前記3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(14)と同様のものが例示され、好ましいものも同様である。
【0124】
ポリカルボン酸無水物(β2d)としては、ピロメリット酸無水物等が挙げられる。
ポリ酸ハライド類(β2e)としては、前記(β2c)の酸ハライド(酸クロライド、酸ブロマイド、酸アイオダイド)等が挙げられる。
更に、必要により(β2)と共に反応停止剤(βs)を用いることができる。
【0125】
硬化剤(β)の比率は、反応性基含有プレポリマー(α)中の反応性基の当量[α]と、硬化剤(β)中の活性水素含有基[β]の当量の比[α]/[β]として、好ましくは1/2〜2/1、更に好ましくは1.5/1〜1/1.5、特に好ましくは1.2/1〜1/1.2である。なお、硬化剤(β)が水(β1d)である場合は水は2価の活性水素化合物として取り扱う。
【0126】
反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)で構成される前駆体(b0)を水系媒体中で反応させた樹脂(b)が樹脂粒子(B)及び樹脂粒子(C)の構成成分となる。反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)を反応させた樹脂(b)の重量平均分子量は、好ましくは3,000以上、更に好ましくは3,000〜1000万、特に好ましくは5000〜100万である。
【0127】
また、反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)との水系媒体中での反応時に、反応性基含有プレポリマー(α)及び硬化剤(β)と反応しないポリマー[いわゆるデッドポリマー]を系内に含有させることもできる。この場合(b)は、反応性基含有プレポリマー(α)と硬化剤(β)を水系媒体中で反応させて得られた樹脂と、反応させていない樹脂(デッドポリマー)の混合物となる。
【0128】
樹脂粒子(C)を構成する樹脂粒子(A)及び/又は(B)中に、添加剤(顔料、充填剤、帯電防止剤、着色剤、離型剤、荷電制御剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、難燃剤等)を混合しても差し支えない。(A)又は(B)中に他の添加剤を添加する方法としては、水系媒体中で水性分散体(X)を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめ樹脂(a)、又は樹脂(b)及び/若しくは前駆体(b0)の有機溶剤(u)溶液(O)と添加剤を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。
また、本発明においては、添加剤は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加したり、有機溶剤(u)及び/又は可塑剤(v)とともに上記添加物を含浸させることもできる。
【0129】
樹脂(b)100重量部に対する水性分散液(W)の使用量は、好ましくは50〜2,000重量部、更に好ましくは100〜1,000重量部である。50重量部以上では(b)の分散状態が良好である。2,000重量部以下であると経済的である。
【0130】
伸長及び/又は架橋反応時間は、プレポリマー(α)の有する反応性基の構造と硬化剤(β)の組み合わせによる反応性により選択されるが、好ましくは10分〜40時間、更に好ましくは30分〜24時間である。
反応温度は、好ましくは0〜150℃、更に好ましくは50〜120℃である。
また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的には、例えばイソシアネートと活性水素化合物の反応の場合には、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート等が挙げられる。
【0131】
樹脂粒子(C)は、樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)中に、樹脂(b)、樹脂(b)の有機溶剤溶液、樹脂(b)の前駆体(b0)、又は前駆体(b0)の有機溶剤溶液を分散させ、前駆体(b0)の場合は前駆体(b0)を反応させて樹脂(b)を形成して、樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A)が付着してなる構造の樹脂粒子(C)の水性分散体(X)を形成させた後、水性分散体(X)から水性媒体を除去することにより得られる。水性媒体を除去する方法としては、
〔1〕(X)を減圧下又は常圧下で乾燥する方法;
〔2〕遠心分離器、スパクラフィルター、フィルタープレス等により固液分離 し、得られた粉末を乾燥する方法;
〔3〕(X)を凍結させて乾燥させる方法(いわゆる凍結乾燥);
等が例示される。
上記〔1〕、〔2〕において、得られた粉末を乾燥する際、流動層式乾燥機、減圧乾燥機、循風乾燥機等公知の設備を用いて行うことができる。
また、必要に応じ、風力分級器等を用いて分級し、所定の粒度分布とすることもできる。
【0132】
樹脂粒子(C)は、相対的に小さい樹脂粒子(A)と相対的に大きい樹脂粒子(B)から構成され、樹脂粒子(A)が樹脂粒子(B)の表面に付着した形で存在する。両粒子の付着力を強めたい場合には、水性媒体中に分散した際に、樹脂粒子(A)と樹脂粒子(B)が正負逆の電荷を持つようにしたり、樹脂粒子(A)と樹脂粒子(B)が同一の電荷持つ場合には、界面活性剤(s)又は水溶性ポリマー(t)のうち樹脂粒子(A)及び樹脂粒子(B)と逆電荷を持つものを使用したり、樹脂(a)と樹脂(b)のSP値差を2以下にしたりすることが有効である。
【0133】
樹脂粒子(C)の粒子径均一性、保存安定性等の観点から、樹脂粒子(C)は、0.01〜20重量%の樹脂粒子(A)と80〜99.99重量%の樹脂粒子(B)で構成されることが好ましく、0.1〜10重量%の(A)と90〜99.9重量%の(B)で構成されることが更に好ましく、0.2〜5重量%の(A)と95〜99.8重量%の(B)で構成されることが特に好ましい。
【0134】
樹脂粒子(C)の粒子径均一性、粉体流動性、保存安定性等の観点からは、樹脂粒子(B)の表面の5%以上が樹脂粒子(A)で覆われていることが好ましく、(B)の表面の30%以上が(A)で覆われていることが更に好ましく、(B)の表面の50%以上が(A)で覆われていることが特に好ましい。表面被覆率が5%以上であると、保存安定性が向上する。
なお、表面被覆率は、走査電子顕微鏡(SEM)で得られる像の画像解析から下式に基づいて求めることができる。表面被覆率(%)=[樹脂粒子(A)に覆われている部分の面積/(樹脂粒子(A)に覆われている部分の面積+樹脂粒子(B)が露出している部分の面積)]×100
【0135】
樹脂粒子(C)の体積平均粒子径は、用途により異なるが、一般的には0.2〜120μmが好ましい。更に好ましくは1〜50μmである。トナー母体粒子用としては、特に好ましくは2〜10μmであり、最も好ましくは3〜8μmである。
また、樹脂粒子(C)の[体積平均粒子径/個数平均粒子径]の値は、樹脂粒子(C)の粒子径の均一性の尺度であり、1.0〜1.4であることが好ましく、1.0〜1.2であることが更に好ましく、1.0〜1.15が特に好ましい。なお、体積平均粒子径及び個数平均粒子径は、マルチサイザーIII(コールター社製)で同時に測定することができる。
【0136】
本発明の樹脂粒子(C)は、樹脂粒子(A)と樹脂粒子(B)の粒子径、及び、樹脂粒子(A)による樹脂粒子(B)表面の被覆率を変えることで粒子表面に所望の凹凸を付与することができる。粉体流動性を向上させたい場合には、(C)のBET値比表面積が0.5〜5.0m2/gであることが好ましく、1.0〜4.0m2/gであることが更に好ましい。本発明におけるBET比表面積は、比表面積計、例えばQUANTASORB(ユアサアイオニクス製)を用いて測定(測定ガス:He/Kr=99.9/0.1vol%、検量ガス:窒素)したものである。
【実施例】
【0137】
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の記載において「部」は重量部、「%」は重量%を示す。
【0138】
製造例1
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水753部、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(「イオネットT−80V」、三洋化成工業製)9部、1−アリル−4−アルキル−2−スルホコハク酸ナトリウム(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)8部、スチレン58部、メタクリル酸58部、アクリル酸n−ブチル75部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル樹脂(スチレン、メタクリル酸、アクリル酸n−ブチル、1−アリル−4−アルキル−2−スルホコハク酸ナトリウムの共重合体)の水性分散液[微粒子分散液A1]を得た。[微粒子分散液A1]をLA−920で測定した体積平均粒子径は、0.05μmであった。[微粒子分散液A1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のMnは440,000であった。
【0139】
製造例2
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水753部、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(「イオネットT−80V」、三洋化成工業製)6部、1−アリル−4−アルキル−2−スルホコハク酸ナトリウム(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)8部、スチレン58部、メタクリル酸58部、アクリル酸n−ブチル75部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル樹脂(スチレン、メタクリル酸、アクリル酸n−ブチル、1−アリル−4−アルキル−2−スルホコハク酸ナトリウムの共重合体)の水性分散液[微粒子分散液A2]を得た。[微粒子分散液A2]をLA−920で測定した体積平均粒子径は、0.07μmであった。[微粒子分散液A2]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のMnは430,000であった。
【0140】
製造例3
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水753部、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(「イオネットT−80V」、三洋化成工業製)3部、1−アリル−4−アルキル−2−スルホコハク酸ナトリウム(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)8部、スチレン58部、メタクリル酸58部、アクリル酸n−ブチル75部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル樹脂(スチレン、メタクリル酸、アクリル酸n−ブチル、1−アリル−4−アルキル−2−スルホコハク酸ナトリウムの共重合体)の水性分散液[微粒子分散液A3]を得た。[微粒子分散液A3]をLA−920で測定した体積平均粒子径は、0.1μmであった。[微粒子分散液A3]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のMnは410,000であった。
【0141】
製造例4
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水753部、1−アリル−4−アルキル−2−スルホコハク酸ナトリウム(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)8部、スチレン58部、メタクリル酸58部、アクリル酸n−ブチル75部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸n−ブチル、1−アリル−4−アルキル−2−スルホコハク酸ナトリウムの共重合体)の水性分散液[微粒子分散液A4]を得た。[微粒子分散液A4]をLA−920で測定した体積平均粒子径は、0.12μmであった。[微粒子分散液A4]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のMnは470,000であった。
【0142】
製造例5
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水753部、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(「イオネットT−80V」、三洋化成工業製)3部、1−アリル−4−アルキル−2−スルホコハク酸ナトリウム(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)8部、スチレン58部、メタクリル酸58部、アクリル酸n−ブチル75部、過硫酸アンモニウム2.5部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度85℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル樹脂(スチレン、メタクリル酸、アクリル酸n−ブチル、1−アリル−4−アルキル−2−スルホコハク酸ナトリウムの共重合体)の水性分散液[微粒子分散液A5]を得た。[微粒子分散液A5]をLA−920で測定した体積平均粒子径は、0.11μmであった。[微粒子分散液A5]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のMnは85,000であった。
【0143】
製造例6
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水753部、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(「イオネットT−80V」、三洋化成工業製)9部、1−アリル−4−アルキル−2−スルホコハク酸ナトリウム(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)8部、スチレン58部、メタクリル酸58部、アクリル酸n−ブチル75部、過硫酸アンモニウム2.5部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度85℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、85℃で5時間熟成してビニル樹脂(スチレン、メタクリル酸、アクリル酸n−ブチル、1−アリル−4−アルキル−2−スルホコハク酸ナトリウムの共重合体)の水性分散液[微粒子分散液A6]を得た。[微粒子分散液A6]をLA−920で測定した体積平均粒子径は、0.05μmであった。[微粒子分散液A6]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のMnは82,000であった。
【0144】
製造例7
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水753部、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(「イオネットT−80V」、三洋化成工業製)12部、1−アリル−4−アルキル−2−スルホコハク酸ナトリウム(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)10部、スチレン58部、メタクリル酸58部、アクリル酸n−ブチル75部、過硫酸アンモニウム2.5部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度85℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、85℃で5時間熟成してビニル樹脂(スチレン、メタクリル酸、アクリル酸n−ブチル、1−アリル−4−アルキル−2−スルホコハク酸ナトリウムの共重合体)の水性分散液[微粒子分散液A7]を得た。[微粒子分散液A7]をLA−920で測定した体積平均粒子径は、0.04μmであった。[微粒子分散液A7]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のMnは83,000であった。
【0145】
製造例8
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物343部、イソフタル酸166部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、更に10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、110℃まで冷却し、トルエン中にてイソホロンジイソシアネート17部を入れて110℃で5時間反応を行い、次いで脱溶剤し、重量平均分子量72,000、遊離イソシアネート含量0.7%の[ウレタン変性ポリエステル(1)]を得た。上記と同様にビスフェノールA・EO2モル付加物570部、テレフタル酸217部を常圧下、230℃で6時間重縮合し、数平均分子量2,400、水酸基価51、酸価5の変性されていない[ポリエステル(2)]を得た。[ウレタン変性ポリエステル(1)]200部と[ポリエステル(2)]800部を酢酸エチル2,000部に溶解、混合し、[樹脂溶液1]を得た。
【0146】
製造例9
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、ヒドロキシル価が56のポリカプロラクトンジオール[「プラクセルL220AL」、ダイセル化学工業(株)製]2,000部を投入し3mmHgの減圧下で110℃に加熱して1時間脱水を行った。続いてIPDIを457部を投入し、110℃で10時間反応を行い末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを得た。該ウレタンプレポリマーの遊離イソシアネート含量は3.6%であった。これを[プレポリマー1]とする。
【0147】
製造例10
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、エチレンジアミン50部とメチルイソブチルケトン50部を仕込み、50℃で5時間反応を行った。得られたケチミン化合物を[硬化剤1]とする。
【0148】
製造例11
水784部、[微粒子分散液A1]136部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業製)80部を混合攪拌し、乳白色の液体を得た。これを[分散液W1]とする。
【0149】
製造例12
水784部、[微粒子分散液A2]136部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業製)80部を混合攪拌し、乳白色の液体を得た。これを[分散液W2]とする。
【0150】
製造例13
水784部、[微粒子分散液A3]136部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業製)80部を混合攪拌し、乳白色の液体を得た。これを[分散液W3]とする。
【0151】
製造例14
水784部、[微粒子分散液A4]136部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業製)80部を混合攪拌し、乳白色の液体を得た。これを[分散液W4]とする。
【0152】
製造例15
水784部、[微粒子分散液A5]136部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業製)80部を混合攪拌し、乳白色の液体を得た。これを[分散液W5]とする。
【0153】
製造例16
水630部、[微粒子分散液A2]300部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業製)70部を混合攪拌し、乳白色の液体を得た。これを[分散液W6]とする。
【0154】
製造例17
水860部、[微粒子分散液A2]50部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業製)90部を混合攪拌し、乳白色の液体を得た。これを[分散液W7]とする。
【0155】
製造例18
水784部、[微粒子分散液A6]136部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業製)80部を混合攪拌し、乳白色の液体を得た。これを[分散液W8]とする。
【0156】
製造例19
水784部、[微粒子分散液A7]136部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業製)80部を混合攪拌し、乳白色の液体を得た。これを[分散液W9]とする。
【0157】
比較製造例1
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水753部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業製)2部、1−アリル−4−アルキル−2−スルホコハク酸ナトリウム(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)11部、スチレン58部、メタクリル酸58部、アクリル酸n−ブチル75部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸n−ブチル、1−アリル−4−アルキル−2−スルホコハク酸ナトリウムの共重合体)の水性分散液[微粒子分散液RA1]を得た。[微粒子分散液RA1]をLA−920で測定した体積平均粒子径は、0.05μmであった。[微粒子分散液RA1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のMnは480,000であった。
【0158】
比較製造例2
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸EO付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン139部、メタクリル酸138部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸EO付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液RA2]を得た。[微粒子分散液RA2]をLA−920で測定した体積平均粒子径は、0.15μmであった。[微粒子分散液RA2]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のMnは360,000であった。
【0159】
比較製造例3
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸EO付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)7部、スチレン139部、メタクリル酸138部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸EO付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液RA3]を得た。[微粒子分散液RA3]をLA−920で測定した体積平均粒子径は、0.2μmであった。[微粒子分散液RA3]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のMnは440,000であった。
【0160】
比較製造例4
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸EO付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン139部、メタクリル酸138部、過硫酸アンモニウム1.5部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸EO付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液RA4]を得た。[微粒子分散液RA4]をLA−920で測定した体積平均粒子径は、0.11μmであった。[微粒子分散液RA4]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のMnは70,000であった。
【0161】
比較製造例5
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸EO付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン139部、メタクリル酸138部、過硫酸アンモニウム0.3部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで2時間かけて昇温し5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸EO付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液RA5]を得た。[微粒子分散液RA5]をLA−920で測定した体積平均粒子径は、0.09μmであった。[微粒子分散液RA5]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のMnは1,250,000であった。
【0162】
比較製造例6
水784部、[微粒子分散液RA1]136部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業製)80部を混合攪拌し、乳白色の液体を得た。これを[分散液RW1]とする。
【0163】
比較製造例7
水784部、[微粒子分散液RA2]136部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業製)80部を混合攪拌し、乳白色の液体を得た。これを[分散液RW2]とする。
【0164】
比較製造例8
水784部、[微粒子分散液RA3]136部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業製)80部を混合攪拌し、乳白色の液体を得た。これを[分散液RW3]とする。
【0165】
比較製造例9
水784部、[微粒子分散液RA4]136部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業製)80部を混合攪拌し、乳白色の液体を得た。これを[分散液RW4]とする。
【0166】
比較製造例10
水784部、[微粒子分散液RA5]136部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業製)80部を混合攪拌し、乳白色の液体を得た。これを[分散液RW5]とする。
【0167】
実施例1
ビーカー内に[樹脂溶液1]240部、離型剤としてトリメチロールプロパントリベヘネート(融点58℃、溶融粘度24cps)20部、着色剤として銅フタロシアニン4部を入れ、50℃にてTK式ホモミキサーで12,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[樹脂溶液1B]を得た。ビーカー内にイオン交換水500部、[分散液W1]500部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ均一に溶解した。ついで50℃に昇温し、TK式ホモミキサーで12,000rpmに撹拌しながら、[樹脂溶液1B]300部を投入し10分間撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒及び温度計付のコルベンに移し、昇温して酢酸エチルを留去し、更に98℃まで昇温して5時間反応させて、水性分散体(X1)を得た。次いで濾別、乾燥を行い樹脂粒子(C1)を得た。
【0168】
実施例2
実施例1において[分散液W1]の代わりに[分散液W2]を使用した以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子(C2)を得た。
【0169】
実施例3
実施例1において[分散液W1]の代わりに[分散液W3]を使用した以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子(C3)を得た。
【0170】
実施例4
実施例1において[分散液W1]の代わりに[分散液W4]を使用した以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子(C4)を得た。
【0171】
実施例5
実施例1において[分散液W1]の代わりに[分散液W5]を使用した以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子(C5)を得た。
【0172】
実施例6
実施例1において[分散液W1]の代わりに[分散液W6]を使用した以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子(C6)を得た。
【0173】
実施例7
実施例1において[分散液W1]の代わりに[分散液W7]を使用した以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子(C7)を得た。
【0174】
実施例8
ビーカー内に[プレポリマー1]150部、[硬化剤1]6部、酢酸エチル40部とを混合しておき、[分散液W2]457部を添加した後、TKホモミキサー(特殊機化製)を使用し、回転数12,000rpmで10分間混合した。混合後、撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に混合液を投入し、50℃で10時間で脱溶剤及び反応を行い、水性分散体(X8)を得た。次いで濾別、乾燥を行い樹脂粒子(C8)を得た。
【0175】
実施例9
実施例1において[分散液W1]の代わりに[分散液W8]を使用した以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子(C9)を得た。
【0176】
実施例10
実施例1において[分散液W1]の代わりに[分散液W9]を使用した以外は実施例1と同様にして、樹脂粒子(C10)を得た。
【0177】
比較例1
実施例1において[分散液W1]の代わりに[分散液RW1]を使用した以外は実施例1と同様にして、比較の樹脂粒子(R1)を得た。
【0178】
比較例2
実施例1において[分散液W1]の代わりに[分散液RW2]を使用した以外は実施例1と同様にして、比較の樹脂粒子(R2)を得た。
【0179】
比較例3
実施例1において[分散液W1]の代わりに[分散液RW3]を使用した以外は実施例1と同様にして、比較の樹脂粒子(R3)を得た。
【0180】
比較例4
実施例1において[分散液W1]の代わりに[分散液RW4]を使用した以外は実施例1と同様にして、比較の樹脂粒子(R4)を得た。
【0181】
比較例5
実施例1において[分散液W1]の代わりに[分散液RW5]を使用した以外は実施例1と同様にして、比較の樹脂粒子(R5)を得た。
【0182】
実施例1〜10及び比較例1〜5で得た樹脂粒子(C1)〜(C10)と(R1)〜(R5)を水に分散して粒度分布をコールターカウンターで測定した。また、各粒子の表面被覆率、BET比表面積、塗膜の表面平滑性、耐熱保存安定性、低温溶融性を測定した。その結果を表1に示す。
塗膜の表面平滑性、耐熱保存安定性、低温溶融性は、以下の方法で測定した。
【0183】
<塗膜の表面平滑性>
実施例1〜10及び比較例1〜5で得た樹脂粒子(C1)〜(C10)と(R1)〜(R5)を日本テストパネル社製リン酸亜鉛処理鋼板標準板に市販のコロナ帯電方式スプレーガンを用いて膜圧が40〜60μmになるように静電塗装し、140℃で1分間焼き付けた後、表面平滑性を目視で確認し、下記の基準で判定した。
◎:表面が平滑で、光沢有り
○:表面に微細な凹凸がある。光沢有り。
△:表面に凸凹が発生。光沢なし。
×:表面に凸凹、気泡跡等が発生。光沢なし
【0184】
<耐熱保存安定性>
50℃に温調された乾燥機に実施例1〜10及び比較例1〜5で得た樹脂粒子(C1)〜(C10)と(R1)〜(R5)を15時間放置し、ブロッキングの程度により下記の基準で評価した。
○ : ブロッキングが発生しない。
△ : ブロッキングが発生するが、力を加えると容易に分散する。
× : ブロッキングが発生し、力を加えても分散しない。
【0185】
<低温溶融性>
実施例1〜10及び比較例1〜5で得た樹脂粒子(C1)〜(C10)と(R1)〜(R5)の各々0.1gを、縦5cm×横5cmのガラス片にのせ、90℃から5℃刻みで160℃まで温調されたホットプレートで加熱しながら、もう一枚のガラス片を上から乗せた後に10kg/cm2の圧力をかけて樹脂膜を作成した。JIS K7361−1に準拠して、ヘイズメーター(「NDH2000」、日本電色工業(株)製)を用いて、得られた樹脂膜のヘイズを測定し、ヘイズが20%以下となるホットプレートの最低温度をその樹脂の低温溶融性とした。この温度以下では樹脂粒子は十分に溶融せず、ヘイズは20%以下を示す。
低温溶融性が140℃以下であれば、良好と判断される。
【0186】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0187】
本発明の製造方法から得られる本発明の樹脂粒子は、粉体流動性、耐熱保存安定性、及び低温溶融性に優れることから、電子写真、静電記録、静電印刷等に用いられるトナー母体粒子、各種ホットメルト接着剤、その他成形材料等に用いる樹脂粒子として極めて有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)の水性分散液(W)と、樹脂(b)若しくはその有機溶剤溶液、又は、樹脂(b)の前駆体(b0)若しくはその有機溶剤溶液(O)とを混合し、(W)中に(O)を分散させ、(b0)又はその有機溶剤溶液を用いる場合には、更に、(b0)を反応させて、(W)中で(b)を含有する樹脂粒子(B)を形成させることにより、樹脂粒子(B)の表面に樹脂粒子(A)が付着されてなる構造の樹脂粒子(C)の水性分散体(X)を形成させ、更に(X)から水性媒体を除去する樹脂粒子(C)の製造方法であって、樹脂粒子(A)の体積平均粒子径が0.04〜0.13μmであり、かつ樹脂(a)の数平均分子量が8万〜100万であることを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
【請求項2】
樹脂粒子(C)が、0.01〜20重量%の樹脂粒子(A)と80〜99.99重量%の樹脂粒子(B)で構成される請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
樹脂粒子(C)が、樹脂粒子(B)の表面の5%以上が樹脂粒子(A)で覆われている構造を有するものである請求項1又は2記載の製造方法。
【請求項4】
樹脂粒子(C)の[体積平均粒子径/個数平均粒子径]の値が1.0〜1.4である請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
【請求項5】
樹脂粒子(C)の体積平均粒子径が0.2〜120μmである請求項1〜4のいずれか記載の製造方法。
【請求項6】
[樹脂粒子(A)の体積平均粒子径/樹脂粒子(C)の体積平均粒子径]の値が0.001〜0.2である請求項1〜5のいずれか記載の製造方法。
【請求項7】
樹脂(a)及び/又は樹脂(b)が、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項1〜6のいずれか記載の製造方法。
【請求項8】
前駆体(b0)が、反応性基を有するプレポリマー(α)と硬化剤(β)で構成される請求項1〜7のいずれか記載の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか記載の方法により得られ、BET値比表面積が0.5〜5.0m2/gである樹脂粒子。
【請求項10】
樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)が、樹脂(b)を含有する樹脂粒子(B)の表面に付着されてなる構造の樹脂粒子(C)であって、
〔1〕樹脂粒子(A)の体積平均粒子径が0.04〜0.13μm、かつ樹脂粒子(C)の体積平均粒子径が0.2〜120μmであり、
〔2〕[樹脂粒子(A)の体積平均粒子径/樹脂粒子(C)の体積平均粒子径]の値が0.001〜0.2であり、
〔3〕樹脂(a)の数平均分子量が8万〜100万であり、
〔4〕樹脂粒子(C)の[体積平均粒子径/個数平均粒子径]の値が1.0〜1.4であり、
〔5〕樹脂粒子(B)の表面の5%以上が樹脂粒子(A)で覆われており、
〔6〕樹脂粒子(C)のBET値比表面積が0.5〜5.0m2/gであり、
〔7〕樹脂(a)及び/又は樹脂(b)が、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂及びポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする樹脂粒子。
【請求項11】
電子写真、静電記録若しくは静電印刷に用いられるトナー母体粒子用である請求項9又は10記載の樹脂粒子。

【公開番号】特開2010−222573(P2010−222573A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39943(P2010−39943)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】