説明

樹脂組成物からなる成形体および改質剤

【課題】柔軟性に富み、成形加工性、ゴム的特性、機械的強度、圧縮永久歪み特性、生産性に優れた樹脂組成物からなる成形体を提供する。
【解決手段】末端にアルケニル基を有し、芳香族ビニル系化合物を主体とするブロックとイソブチレンを主体とするブロックからなる、ブロック共重合体100重量部を、芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーおよびオレフィン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種5〜100重量部の存在下で、ヒドロシリル基含有化合物により溶融混練下で動的架橋した樹脂組成物からなる成形体により達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のイソブチレン系ブロック共重合体を動的架橋してなる樹脂組成物からなる成形体および改質剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弾性を有する高分子材料としては、天然ゴムまたは合成ゴムなどのゴム類に架橋剤や補強剤などを配合して高温高圧下で架橋したものが汎用されている。しかしながらこの様なゴム類では、高温高圧下で長時間にわたって架橋および成形を行なう行程が必要であり、加工性に劣る。また架橋したゴムは熱可塑性を示さないため、熱可塑性樹脂のようにリサイクル成形が一般的に不可能である。そのため、通常の熱可塑性樹脂と同じように熱プレス成形、射出成形、および押出し成形などの汎用の溶融成形技術を利用して成型品を簡単に製造することのできる熱可塑性エラストマーが近年種々開発されている。
【0003】
また、柔軟性を有する材料として軟質塩化ビニルコンパウンドが汎用されている。これは、室温で柔軟な材料として様々な用途に用いられているが、近年の脱塩ビ化の要求から、他の材料での代替が要求されている。このための代替材料として熱可塑性エラストマー組成物が用いられている。
【0004】
このような熱可塑性エラストマーには、現在、オレフィン系、ウレタン系、エステル系、スチレン系、塩化ビニル系などの種々の形式のポリマーが開発され、市販されている。
【0005】
これらのうちで、スチレン系熱可塑性エラストマーは、柔軟性に富み、常温で良好なゴム弾性に優れている。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)やスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、またそれらを水素添加したスチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)やスチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)などが開発されている。しかし、これらのブロック共重合体は、圧縮永久歪み特性が不充分であった。
【0006】
一方、柔軟性に富み、常温で良好なゴム弾性に優れ、さらにガスバリヤー性、密封性に優れた熱可塑性エラストマーとしては、イソブチレンを主体とする重合体ブロックと、芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックとを含有するイソブチレン系ブロック共重合体が知られている。しかしながら、このイソブチレン系ブロック共重合体も、加熱時の加圧変形率(圧縮永久歪み)や高温時のゴム弾性に問題があった。
【0007】
また、特許文献1には、イソブチレンを主体とする重合体ブロックを含有するイソブチレン系ブロック共重合体とゴムの架橋物からなる熱可塑性重合体組成物が開示されている。この組成物は圧縮永久歪特性が改善されたものであるが不充分であった。
特許文献2には、上記の課題を解決するものとして、イソブチレン系重合体を芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系樹脂の存在下で動的架橋した熱可塑性エラストマー組成物が開示されている。この組成物は、イソブチレン系重合体の特徴である制振性に優れ、柔軟性や、成形加工性、ゴム的特性を有した上で、圧縮永久歪み特性が改良されたものである。
しかし、上記の組成物に使用されるイソブチレン系重合体は常温で固体ではなく高粘度で高い粘着性を有する液体であるため取り扱いが難しく、一般的な熱可塑性樹脂を扱う混練機で扱うことが困難で生産性に乏しいという課題があった。
【0008】
特許文献3,4にはイソブチレン系重合体として末端にアルケニル基を有するイソブチレンを主体とする重合体ブロックと芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックを含有するブロック共重合体を芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーまたはオレフィン系樹脂の存在下で動的架橋した熱可塑性エラストマー組成物が開示されている。特許文献3および4に記載のイソブチレン系重合体は常温で固体でペレットとして取り扱うことが可能である。しかし、特許文献3および4においては、熱可塑性エラストマー組成物に添加する添加剤や充填材についてほとんど開示されていないため、該組成物がどのような成形体として利用できるか充分に知られていないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】再公表特許WO98/14518号公報
【特許文献2】特開2003−55528号公報
【特許文献3】再公表特許WO03/2654号公報
【特許文献4】特開2001−211370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、上述の従来技術の課題に鑑み、柔軟性に富み、成形加工性、ゴム的特性、機械的強度、圧縮永久歪み特性、生産性に優れた樹脂組成物からなる成形体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を積み重ねた結果、特定のイソブチレン系ブロック共重合体を動的架橋してなる樹脂組成物からなる成形体が前記課題を解決することを見出し、本発明に至ったものである。
【0012】
すなわち、(A)末端にアルケニル基を有し、芳香族ビニル系化合物を主体とするブロックとイソブチレンを主体とするブロックからなる、ブロック共重合体100重量部を、(B)芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーおよび(C)オレフィン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種5〜100重量部の存在下で、ヒドロシリル基含有化合物により溶融混練下で動的架橋した樹脂組成物からなる成形体に関する。
【0013】
前記樹脂組成物が動的架橋した樹脂組成物に加えて、さらに(D)熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
【0014】
前記樹脂組成物がさらに(E)軟化剤を含むことが好ましい。
【0015】
(A)末端にアルケニル基を有するブロック共重合体の芳香族ビニル系化合物がスチレンであることが好ましい。
【0016】
(A)末端にアルケニル基を有するブロック共重合体の数平均分子量が10000〜300000であり、かつ芳香族ビニル系化合物を主体とするブロックを5〜50重量%含有し、かつ1分子あたり平均して少なくとも0.4個のアルケニル基を末端に有する重合体であることが好ましい。
【0017】
(B)芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーが芳香族ビニル系化合物を主体とするブロックとイソブチレンを主体とするブロックからなるブロック共重合体であることが好ましい。
【0018】
(C)オレフィン系樹脂がポリエチレンおよびポリプロピレンから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0019】
(D)熱可塑性樹脂が芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーおよびオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0020】
(E)軟化剤がポリブテンオイルであることが好ましい。
【0021】
成形体がシール材であることが好ましい。
【0022】
成形体がチューブであることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、柔軟性に富み、成形加工性、ゴム的特性、機械的強度、圧縮永久歪み特性、生産性に優れた樹脂組成物からなる成形体および改質剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、(A)末端にアルケニル基を有し、芳香族ビニル系化合物を主体とするブロックとイソブチレンを主体とするブロックからなる、ブロック共重合体100重量部を、(B)芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーおよび(C)オレフィン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種5〜100重量部の存在下で、ヒドロシリル基含有化合物により溶融混練下で動的架橋した樹脂組成物からなる成形体である。
【0025】
本発明に使用される(A)末端にアルケニル基を有するブロック共重合体は芳香族ビニル系化合物を主体とするブロックとイソブチレンを主体とするブロックからなる。
芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックは、芳香族ビニル系化合物に由来するユニットが60重量%以上、好ましくは80重量%以上から構成される重合体ブロックである。
【0026】
芳香族ビニル系化合物としては、スチレン、o−、m−又はp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン、o−、m−又はp−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o−、m−又はp−t−ブチルスチレン、o−、m−又はp−メトキシスチレン、o−、m−又はp−クロロメチルスチレン、o−、m−又はp−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、インデン、ビニルナフタレン等が挙げられる。これらの中でも、工業的な入手性やガラス転移温度の点から、スチレン、α−メチルスチレン、および、これらの混合物が好ましく、特にスチレンが好ましい。
【0027】
イソブチレンを主成分とする重合体ブロックは、イソブチレンに由来するユニットが60重量%以上、好ましくは80重量%以上から構成される重合体ブロックである。
【0028】
いずれの重合体ブロックも、共重合成分として、相互の単量体を使用することができるほか、その他のカチオン重合可能な単量体成分を使用することができる。このような単量体成分としては、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、シラン類、ビニルカルバゾール、アセナフチレン等の単量体が例示できる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0029】
本発明の(A)ブロック共重合体はイソブチレンを主体とする重合体ブロックと芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロックから構成されている限り、その構造には特に制限はなく、例えば、直鎖状、分岐状、星状等の構造を有するブロック共重合体、トリブロック共重合体、マルチブロック共重合体等のいずれも選択可能である。好ましい構造としては、物性バランス及び成形加工性の点から、両末端に芳香族系化合物を主体とする重合体ブロックを有し、間にイソブチレン系化合物を主体とする重合体ブロック主体とするブロックを有するトリブロック共重合体が挙げられる。
【0030】
芳香族系化合物を主体とする重合体ブロックの含有量は好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。5%を下回るとペレットとしての取り扱いが困難になり、50%を超えると成形体の硬度が高くなり柔軟性に乏しくなる。
【0031】
本発明の(A)ブロック共重合体の数平均分子量は特に制限がないが10000から300000が好ましく、30000から200000がとくに好ましい。1000未満の場合、機械的な特性が十分に発現されず、また300000を超える場合、成形性の低下が大きい。
【0032】
(A)末端にアルケニル基を有するブロック重合体のアルケニル基とは、ヒドロシリル基含有化合物による架橋反応に対して、活性のある炭素−炭素二重結合を含む基であればとくに制限されるものではない。具体例としては、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などの脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などの環式不飽和炭化水素基をあげることができる。
【0033】
ブロック共重合体の末端へのアルケニル基の導入方法としては特開平3−152164号公報や特開平7−304909号公報に開示されているような、水酸基などの官能基を有する重合体に不飽和基を有する化合物を反応させて重合体に不飽和基を導入する方法があげられる。またハロゲン原子を有する重合体に不飽和基を導入するためにはアルケニルフェニルエーテルとのフリーデルクラフツ反応を行なう方法、ルイス酸存在下アリルトリメチルシランなどとの置換反応を行なう方法、種々のフェノール類とのフリーデルクラフツ反応を行ない水酸基を導入した上でさらに前記のアルケニル基導入反応を行なう方法などがあげられる。さらに米国特許第4316973号明細書、特開昭63−105005号公報、特開平4−288309号公報に開示されているように単量体の重合時に不飽和基を導入することも可能である。この中でもアリルトリメチルシランと塩素の置換反応により末端にアリル基を導入したものが、反応性の点から好ましい。
【0034】
イソブチレン系重合体の末端のアルケニル基の量は、必要とする特性によって任意に選ぶことができるが、架橋後の圧縮永久歪みの観点から、1分子あたり平均して少なくとも0.4個のアルケニル基を末端に有する重合体であることが好ましい。0.4個未満であると、架橋による圧縮永久歪みの改善効果が充分に得られない場合がある。
【0035】
本発明に使用される(B)芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーの構造としては、ランダム共重合体でも、ブロック共重合体でもとくに制限はないが、芳香族ビニル系化合物を主体とする単位とイソブチレンを主体とする単位からなるブロック共重合体であることが好ましい。また芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーは、芳香族ビニル系化合物を主体とする単位と共役ジエン化合物を主体とする単位からなるブロック共重合体、およびこれに水素添加して得られるブロック共重合体であることも好ましい。この中でも引張り強度が高くなるという点から、芳香族ビニル系化合物を主体とする単位−イソブチレンを主体とする単位−芳香族ビニル系化合物を主体とする単位からなるトリブロック共重合体がとくに好ましい。
【0036】
芳香族ビニル系化合物としては、前記の芳香族ビニル系化合物を用いることができるが、上記化合物の中でもコストと物性および生産性のバランスからスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、インデンが好ましい。
【0037】
共役ジエン化合物としては1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなどがあげられるが、工業的に利用でき、また物性の優れた水添ジエン系重合体を得るには、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、1,3−ブタジエン、イソプレンがとくに好ましい。
【0038】
イソブチレンを主体とする単位とは、イソブチレンが50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上を占めるブロックのことをいう。イソブチレンを主体とする単位中の、イソブチレン以外の単量体は、カチオン重合可能な単量体成分であればとくに限定されないが、芳香族ビニル類、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、シラン類、β−ピネン、ビニルカルバゾール、アセナフチレンなどの単量体が例示できる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0039】
芳香族ビニル系熱可塑性エラストマー中の芳香族ビニル化合物の割合に関しては、とくに制限はないが、物性と加工性のバランスから、5〜80重量%であることが好ましく、10〜40重量%であることがとくに好ましい。
【0040】
芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーの数平均分子量にもとくに制限はないが、15000から500000が好ましく、40000から200000がとくに好ましい。数平均分子量が15000未満の場合、引張り特性などの機械的な特性が不充分となる傾向があり、また、500000をこえる場合、成形性の低下が著しくなる傾向がある。
【0041】
本発明で用いる(C)オレフィン系樹脂とは、エチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフィンから選ばれる単量体を主成分とする単独重合体または共重合体である。このような例としては、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン(アイソタクチック−ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、シンジオタクチック−ホモポリプロピレン)、ポリ−1−ブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体などがあげられる。これらの中でも、耐熱性の観点から、結晶性を有する、ポリプロピレンおよびポリエチレンが好ましい。さらに、機械特性の観点からは、ランダムポリプロピレンが最も好ましく、圧縮永久歪み特性の観点からは、高密度ポリエチレンが最も好ましい。
【0042】
本発明において、末端にアルケニル基を有するブロック共重合体は、芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーおよびオレフィン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の存在下で、ヒドロシリル基含有化合物により、溶融混練下で動的架橋されてなる組成物を形成している。動的架橋は、通常の化学架橋(静的架橋)と異なり、溶融混練下で架橋反応が進行することで、生成したポリマーネットワークが剪断力により分断され、架橋後も熱可塑性を示すことが特徴である。本来、ブロック共重合体には架橋性の官能基がなく、また、架橋反応として汎用的に用いられるラジカル反応では分解反応が起こりやすいという傾向があった。本発明では、ブロック共重合体の末端にアルケニル基を導入することで、ヒドロシリル化反応を可能とし、ヒドロシリル基含有化合物を架橋剤として使用する架橋反応を可能としている。このヒドロシリル化反応には、副生成物の発生がなく、また不要な副反応を起こさないなどの利点がある。副生成物が発生しないことから、上記反応で製造された組成物は、抽出される不純物が忌避される医療、食品用の包装材、シール材、チューブといった用途に適している。
【0043】
本発明において、(A)末端にアルケニル基を有するブロック共重合体の架橋物を得るためのヒドロシリル基含有化合物としてはとくに制限はなく、各種のものを用いることができる。すなわち、一般式(I)または(II)で表される鎖状ポリシロキサン;
SiO−[Si(RO]−[Si(H)(R)O]−[Si(R)(R)O]−SiR (I)
HRSiO−[Si(RO]−[Si(H)(R)O]−[Si(R)(R)O]−SiRH (II)
(式中、RおよびRは炭素数1〜6のアルキル基、または、フェニル基、Rは炭素数1〜10のアルキル基またはアラルキル基を示す。aは0≦a≦100、bは2≦b≦100、cは0≦c≦100を満たす整数を示す。)
一般式(III)で表される環状シロキサン;
【0044】
【化1】

【0045】
(式中、RおよびRは炭素数1〜6のアルキル基、または、フェニル基、Rは炭素数1〜10のアルキル基またはアラルキル基を示す。dは0≦d≦8、eは2≦e≦10、fは0≦f≦8の整数を表し、かつ3≦d+e+f≦10を満たす。)などの化合物を用いることができる。さらに上記のヒドロシリル基(Si−H基)を有する化合物のうち、相溶性がよいという点から、とくに下記の一般式(IV)で表されるものが好ましい。
【0046】
【化2】

【0047】
(式中、g、hは整数であり2≦g+h≦50、2≦g、0≦hである。Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数2〜20の炭化水素基で1つ以上の芳香環を有していてもよい。iは0≦i≦5の整数である。)
(A)末端にアルケニル基を有するブロック共重合体とヒドロシリル基含有化合物は任意の割合で混合することができるが、反応性の面から、アルケニル基のヒドロシリル基に対するモル比が5〜0.2の範囲にあることが好ましく、さらに、2.5〜0.4であることがとくに好ましい。モル比が5以上になると架橋が不充分でべとつきがあり、圧縮永久歪み特性が悪化する傾向が見られ、また、0.2より小さいと、架橋後も活性なヒドロシリル基が大量に残るので、加水分解により水素ガスが発生し、クラックやボイドを生じやすい傾向がある。
【0048】
(A)末端にアルケニル基を有するブロック共重合体とヒドロシリル基含有化合物との架橋反応は、2成分を混合して加熱することにより進行するが、反応をより迅速に進めるために、ヒドロシリル化触媒を添加することができる。このようなヒドロシリル化触媒としてはとくに限定されず、たとえば、有機過酸化物やアゾ化合物などのラジカル開始剤、および遷移金属触媒があげられる。
【0049】
ラジカル開始剤としてはとくに限定されず、たとえば、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)イソプロピルベンゼンのようなジアルキルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、m−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドのようなアシルペルオキシド、過安息香酸−t−ブチルのような過酸エステル、過ジ炭酸ジイソプロピル、過ジ炭酸ジ−2−エチルヘキシルのようなペルオキシジカーボネート、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンのようなペルオキシケタール、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾイソブチロバレロニトリルのようなアゾ化合物などをあげることができる。
【0050】
また、遷移金属触媒としてもとくに限定されず、たとえば、白金単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラックなどの担体に白金固体を分散させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトンなどとの錯体、白金−オレフィン錯体、白金(0)−ジアルケニルテトラメチルジシロキサン錯体があげられる。白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh,RhCl,RuCl,IrCl,FeCl,AlCl,PdCl・HO,NiCl,TiClなどがあげられる。これらの触媒は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもかまわない。これらのうち、相溶性、架橋効率、スコーチ安定性の点で、白金ビニルシロキサンが最も好ましい。
【0051】
触媒量としてはとくに制限はないが、(A)ブロック共重合体のアルケニル基1molに対し、10−1〜10−8molの範囲で用いるのが良く、好ましくは10−3〜10−6molの範囲で用いるのがよい。10−8molより少ないと架橋が充分に進行しない傾向がある。また、10−1mol以上用いても明確な効果は見られないため、経済性の面から、10−1molよりも少ないことが好ましい。
【0052】
本発明において、(B)芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーおよび(C)オレフィン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の配合量は(A)末端にアルケニル基を有するブロック共重合体に対して5〜100重量部である。配合量が100重量部をこえると圧縮永久歪み特性が悪化する傾向にある。また、100重量部以下の場合は、アルケニル基の濃度が充分に高いため、架橋反応の反応速度が速くなり、好ましい。一方、5重量部を下回ると成形性の低下が著しくなる傾向にある。
【0053】
本発明では、前記樹脂組成物が動的架橋した組成物に加えて、さらに(D)熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂としては、(i)汎用熱可塑性樹脂、(ii)汎用エンジニアリングプラスチック、および(iii)特殊エンジニアリングプラスチックなどがあげられる。
【0054】
(i)汎用熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、芳香族ビニル化合物系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂などがあげられる。
【0055】
ポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィンの単独重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体およびそれらの混合物、またはα−オレフィンと他の不飽和単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体およびこれら重合体の酸化、ハロゲン化またはスルホン化したものなどがあげられる。具体的には、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、その他のエチレン−αオレフィン系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、塩素化ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、塩素化ポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィンの(共)重合体などがあげられる。これらの中でコスト、樹脂組成物の物性バランスの点からポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、またはこれらの混合物が好ましく使用できる。
【0056】
芳香族ビニル化合物系樹脂としては、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリ−p−メチルスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体などがあげられる。
【0057】
ポリ塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリ塩化ビニルなどがあげられる。
【0058】
ポリアクリル系樹脂としては、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、アクリロニトリル−ブタジエン−α−メチルスチレン(耐熱ABS)、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−スチレン共重合体などがあげられる。
【0059】
ポリエーテル系樹脂としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラヒドロフランなどがあげられる。
【0060】
(ii)汎用エンジニアリングプラスチックとしては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリメチルペンテン、超高分子量ポリエチレンなどがあげられる。
【0061】
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−11、ナイロン−12、ナイロン−46、ナイロン−610、ナイロン−612などがあげられる。
【0062】
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、無定形ポリエチレンテレフタレート、結晶性ポリエチレンテレフタレートなどがあげられる。
【0063】
ポリカーボネート系樹脂としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビスェノールAの芳香族水素の一部または全部を、アルキル基、ハロゲン原子で置換したもの、ヒドロキノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどに基づいて形成されるポリカーボネート系樹脂などがあげられる。
【0064】
ポリアセタール系樹脂としては、ポリオキシメチレンなどがあげられる。
【0065】
ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジメトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレン)エーテルなどがあげられる。
【0066】
(iii)特殊エンジニアリングプラスチックとしては、ポリスルホン系樹脂、ポリスルフィド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、フッ素系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、サーモトロピック液晶樹脂などがあげられる。
【0067】
ポリスルホン系樹脂としては、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(4,4’−ビスフェノールエーテルスルホン)などがあげられる。
【0068】
ポリスルフィド系樹脂としては、ポリフェニレンスルフィド、ポリ(4,4’−ジフェニレンスルフィド)などがあげられる。
【0069】
ポリエーテルケトン系樹脂としては、ポリエーテルエーテルケトンなどがあげられる。
【0070】
サーモトロピック液晶樹脂としては、p−ヒドロキシ安息香酸、ビフェノールおよびテレフタル酸の共重合体、p−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびp−ヒドロキシ安息香酸の共重合体などがあげられる。
【0071】
これらの中でも、相溶性の面から芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーおよびオレフィン系樹脂が好ましく、特にスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体およびポリプロピレンおよびポリエチレンが好ましい。
【0072】
(D)熱可塑性樹脂の配合量は、動的架橋された前記樹脂組成物の合計量100重量部に対し、5〜200重量部であることが好ましく、5〜100重量部であるのがさらに好ましい。200重量部をこえると、圧縮永久歪み特性の悪化が著しくなる傾向にあり、5重量部より少なくなると成形性が著しく低くなる傾向にある。
【0073】
本発明の動的架橋された樹脂組成物に熱可塑性樹脂を溶融混練するには、公知の方法を採用すればよく、前述のバッチ式混練装置や連続式混練装置を使用することができる。たとえば、各成分を計量し、タンブラーや、ヘンシェルミキサー、リボブレンダーなどで混合したのち、押出機や、バンバリーミキサー、ロールなどで溶融混練する方法があげられる。このときの混練温度は、とくに限定はないが、100〜250℃の範囲が好ましく、150〜220℃の範囲がより好ましい。混練温度が100℃よりも低くなると、溶融が不充分となる傾向があり、250℃よりも高くなると、加熱による劣化が起こり始める傾向がある。
【0074】
本発明の樹脂組成物には、成形性や柔軟性を向上させるため、さらに(E)軟化剤を添加することができる。軟化剤としてはとくに限定されないが、通常、室温で液体または液状の材料が好適に用いられる。また親水性および疎水性のいずれの軟化剤も使用できる。このような軟化剤としては鉱物油系、植物油系、合成系などの各種ゴム用または樹脂用軟化剤があげられる。
【0075】
鉱物油としては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、および芳香族系の高沸点石油成分があげられる。このなかでも架橋反応を阻害しないパラフィン系オイルが好ましい。植物油系としては、ひまし油、綿実油、あまみ油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう、パインオイル、オリーブ油などがあげられる。合成系としては、ポリブテン、水添ポリブテン、液状ポリブタジエン、水添液状ポリブタジエン、液状ポリα−オレフィン類などの液状もしくは低分子量の合成油があげられる。これらの中でも相溶性、ガスバリア性の点でポリブテンオイルが好ましい。また、衛生性の観点で、数平均分子量が20000以上のポリブテンを用いると抽出性が極めて低く好ましい。これら軟化剤は所望の粘度および物性を得るために2種以上を適宜組み合わせて使用することも可能である。
【0076】
軟化剤の配合量は、末端にアルケニル基を有するブロック共重合体100重量部に対し、1〜300重量部であることが好ましい。配合量が300重量部をこえると、べとつきが生じたり、機械的強度の低下が起こる傾向がある。
【0077】
さらに本発明の成形体および改質剤の性能を損なわない範囲であれば、ライオトロピック液晶樹脂、液状樹脂、熱硬化性樹脂、架橋ゴムなどを配合してもよい。
【0078】
ライオトロピック液晶樹脂としては、アラミド、ポリp−フェニレンベンゾビスチアゾール、ポリテレフタロイルフドラジドなどがあげれられる。
【0079】
液状樹脂としては、シリコーン系樹脂、変性シリコーン(MS)系樹脂、ポリイソブチレン(PIB)系樹脂、ポリサルファイド系樹脂、変性ポリサルファイド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリアクリルウレタン系樹脂などがあげられる。
【0080】
熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ヒドロシリル化架橋系樹脂、フェノール系樹脂、アルキッド系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ユリア系樹脂、ポリウレタン系樹脂、メラミン系樹脂などがあげられる。
【0081】
架橋ゴムとしては、天然ゴム系、ポリブタジエン系ゴム(PBD)、スチレン−ブタジエン系ゴム(SBR)、水添スチレン−ブタジエン系ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン系ゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、クロロプレン系ゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、イソプレン系ゴム、エチレン−プロピレンゴム、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴムなどがあげられる。
【0082】
さらに本発明における樹脂組成物には、物性改良あるいは経済上のメリットから充填材および補強材を配合することができる。好適な充填材、補強材としては、ハードクレー、ソフトクレー、カオリンクレー、珪藻土、ケイ砂、軽石粉、スレート粉、乾式または湿式シリカ、無定形シリカ、ウォラスナイト、合成または天然ゼオライト、タルク、硫酸バリウム、軽質または重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、二硫化モリブデン、水酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミナ、酸化チタン、その他の金属酸化物、マイカ、グラファイト、水酸化アルミニウムなどの麟片状無機充填材、各種の金属粉、木片、ガラス粉、セラミックス粉、カーボンブラック、粒状ないし粉末ポリマーなどの粒状ないし粉末状固体充填材、その他の各種の天然または人工の短繊維、長繊維などが例示できる。これらの充填剤、補強材はシラン処理してもよい。また中空フィラー、たとえば、ガラスバルーン、シリカバルーンなどの無機中空フィラー、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン共重合体からなる有機中空フィラーを配合することにより、軽量化を図ることができる。さらに軽量化、衝撃吸収性などの各種物性の改善のために、各種発泡剤を混入させることも可能であり、また、混合時などに機械的に気体を混ぜ込むことも可能である。
【0083】
充填材および補強材の配合量は、樹脂組成物100重量部に対して0〜200重量部であり、好ましくは0〜100重量部である。200重量部を超えると得られる樹脂組成物の機械強度の低下が起こり、柔軟性も損なわれるので好ましくない。
【0084】
また本発明における樹脂組成物には、必要に応じて、ヒンダードフェノール系、リン酸エステル系、アミン系、硫黄系などの酸化防止剤、および/またはベンソチアゾール系、ベンソトリアゾール系、ベンゾフェノン系などの紫外線吸収剤、および光安定剤を配合することができる。配合量は樹脂組成物100重量部に対して、0.000001〜10重量部、好ましくは0.00001〜5重量部である。
【0085】
さらに本発明における樹脂組成物には、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、リン酸エステル、トリメリット酸エステル、クエン酸エステル、エポキシ、ポリエステルなどがあげられる。
【0086】
さらに本発明における樹脂組成物には、粘着付与樹脂を添加することができる。粘着付与樹脂としては、脂環族系石油樹脂およびその水素化物、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂の水素化物、ポリテルペン樹脂などがあげられる。
【0087】
さらに他の添加剤として難燃剤、抗菌剤、光安定剤、着色剤、流動性改良剤、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、架橋剤、架橋助剤、改質剤、顔料、染料、導電性フィラー、各種の化学発泡剤、物理発泡剤などを添加することができ、これらは1種または2種以上を組み合わせて使用可能である。ブロッキング防止剤としては、たとえばシリカ、ゼオライトなどが好適であり、これらは天然、合成の何れでもよくまた架橋アクリル真球粒子などの真球架橋粒子も好適である。また帯電防止剤としては、炭素数12〜18のアルキル基を有するN,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−アルキルアミン類やグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。さらに、滑剤としては、脂肪酸金属塩系滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、脂肪酸系滑剤、脂肪族アルコール系滑剤、脂肪酸と多価アルコールの部分エステル、パラフィン系滑剤などが好ましく用いられ、これらの中から2種以上を選択して用いてもよい。
【0088】
本発明における樹脂組成物は、以下に例示する方法によって製造することができる。
【0089】
たとえば、ラボプラストミル、ブラベンダー、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどのような密閉型または開放型のバッチ式混練装置を用いて製造する場合は、あらかじめ混合した架橋剤以外の全ての成分を混練装置に投入し、均一になるまで溶融混練し、次いでそれに架橋剤を添加して架橋反応が充分に進行したのち、溶融混練を停止する方法があげられる。
【0090】
また、単軸押出機、二軸押出機などのように連続式の溶融混練装置を用いて製造する場合は、架橋剤以外の全ての成分をあらかじめ押出機などの溶融混練装置によって均一になるまで溶融混練した後ペレット化し、そのペレットに架橋剤をドライブレンドした後、更に押出機やバンバリーミキサーなどの溶融混練装置で溶融混練して、(A)末端にアルケニル基を有するブロック共重合体を動的に架橋する方法や、架橋剤以外のすべての成分を押出機などの溶融混練装置によって溶融混練し、そこに押出機のシリンダーの途中から架橋剤を添加して更に溶融混練し、(A)末端にアルケニル基を有するブロック共重合体を動的に架橋する方法などがあげられる。本発明の(A)末端にアルケニル基を有するブロック共重合体は室温で固体であり、ペレット、クラム、粉体といった形状で取り扱えるため、容易に一般の押出機への供給装置を用いることが可能である。
【0091】
溶融混練を行なうに当たっては、140〜240℃の温度範囲が好ましく、150〜230℃の温度範囲がさらに好ましい。溶融混練温度が140℃よりも低いと、芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーおよびオレフィン系樹脂が溶融せず、充分な混合ができない傾向があり、240℃よりも高いと、(A)末端にアルケニル基を有するブロック共重合体の熱分解が起こりやすくなる傾向がある。
【0092】
本発明の成形体および改質剤は、ガスバリア性、柔軟性に富み、成形加工性、ゴム的特性、機械的強度、圧縮永久歪み特性に優れている。したがって、以下のような用途に利用可能である。
(1)改質剤
樹脂改質剤(熱可塑性樹脂の耐衝撃性改質剤、制振性改質剤、ガスバリヤー性改質剤、軟化剤など、熱硬化性樹脂の耐衝撃性改質剤、低応力化剤など)、アスファルト改質剤(道路用アスファルト改質剤、防水シート用アスファルト改質剤、橋梁床版用防水材)、タイヤ改質剤(タイヤのウェットグリップ性向上剤)、ゴム改質剤
(2)接着剤または粘着剤
ホットメルト系接着剤、水系接着剤、溶剤系接着剤、粘着剤
(3)粘度調整剤
オイル、潤滑油などに添加する粘度調整剤
(4)コーティング剤
塗料などに利用するベースレジン、シーラント
(5)PVC代替などに使用される材料
ケーブル、コネクター、プラグなどの電線被覆材、人形などの玩具、養生用テープ、ロゴマーク(スポーツウェアやスポーツシューズ用)、キャリーバック、衣料用包装材、トラックの幌、農業用フィルム(ハウス栽培用)、消しゴム、業務用エプロン(ターポリン)、床材・天井材などの建物の内装材、レインコート、雨傘、ショッピングバッグ、椅子やソファーなどの表皮材、ベルトや鞄などの表皮材、ガーデンホース、冷蔵庫のガスケット(パッキング)、洗濯機や掃除機のフレキシブルホース、自動車用内装材
(6)制振材、防振材、緩衝材
制振材、とくにアルミ、鋼板とともに多層に張り合わせた制振材、防振材、緩衝材(建築用途、自動車用途、フロアー制振用途、フローリング用途、遊戯器具用途、精密機器用途、電子機器用途に使用)
靴底、文具・玩具用品のグリップ、日用雑貨・大工用品のグリップ、ゴルフクラブ・バットなどのグリップや心材、テニスラケット・卓球ラケットなどのラバーおよびグリップ
(7)防音材、吸音材
自動車内外装材、自動車天井材、鉄道車両用材、配管用材
(8)シール材
ガスケット、建築用ガスケット、栓体
合わせガラス用および複層ガラス用のガラスシール材
包装材、シート、多層シート、容器、多層容器などのガスバリヤー用材
土木シート、防水シート、包装輸送資材、シーラント
医療用薬栓、シリンジガスケット
(9)チューブ
医療用チューブ、インク用チューブ、食品用チューブ、タイヤ用チューブ
(10)発泡体
ビーズ発泡、徐圧発泡、押出発泡による発泡体(配管被覆材、合成木材、木粉系発泡体など)
化学発泡および物理発泡における発泡剤のキャリヤー
(11)その他
衣料用途、難燃剤用途、
閉がい具、キャップ、バッグ、ガスケット、ホース、シューズ、運動用具類
発泡性耐火シート
エアバックカバー、バンパー、内装部品(インパネやシフトノブなどの表皮材)、ウェザーストリップ、ルーフモール、ドア下モールなどの自動車用部材
電子レンジ用食品トレー、ポーション用食品容器、食品容器用ラミネートフィルム、食品容器用ポリスチレンシート(刺身容器・鶏卵パック)、カップラーメン容器、ポリスチレン系網目状発泡体、冷菓カップ、透明飲料カップなどの食品用容器
ICトレー、CD−ROMシャーシ、ホイールキャップ、弾性糸、不織布、ワイヤーハーネス、紙おむつのバックシート、2色成形用コンパウンド材、水中ゴーグル、パソコン用マウス、クッション、ストッパー
【実施例】
【0093】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更実施可能である。
【0094】
まず、各種測定法、評価法について説明する。
(硬度)
JIS K 6352に準拠し、試験片は12.0mm圧プレスシートを用いた。硬度は15秒後を採用した。
(引張破断強度)
JIS K 6251に準拠し、試験片は2mm厚プレスシートを、ダンベルで3号型に打抜いて使用した。引張速度は500mm/分とした。
(引張破断伸び)
JIS K 6251に準拠し、試験片は2mm厚プレスシートを、ダンベルで3号型に打抜いて使用した。引張速度は500mm/分とした。
(圧縮永久歪み)
JIS K 6262に準拠し、試験片は12.0mm厚さプレスシートを使用した。70℃×22時間、25%変形の条件にて測定した。
(ガスバリア性)
ガスバリア性は気体透過性を評価し、酸素の透過度を評価した。酸素の透過度は、得られたシートから100mm×100mmの試験片を切り出し、JISK7126に準拠して、23℃、0%RH、1atmの差圧法にて測定した。
【0095】
また、実施例および比較例で用いた材料の略号とその具体的な内容は、次のとおりである。
成分(A)
ASIBS:末端にアリル基を有するスチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体。(製造例1)
成分(B)、(D)
SIBS:スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体、株式会社カネカ社製 SIBSTAR073T
成分(C)
PP:ポリプロピレン プライムポリマー社製 プライムポリプロJ215W
PE:高密度ポリエチレン 三井化学株式会社製 ハイゼックス2200J
PIB1:ポリブテンオイル 出光興産社製 出光ポリブテン100R
PIB2:ポリイソブチレン 新日本石油化学社製 テトラックス4T
架橋剤
分子中にヒドロシリル基を含有する鎖状シロキサン モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社性 TSF484
架橋触媒
0価白金の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジアリルジシロキサン錯体 3%キシレン溶液
APIB:末端にアリル基を有するポリイソブチレン、株式会社カネカ社製 EPION600A
【0096】
(製造例1)(ASIBSの製造)
2Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換したのち、注射器を用いてn−ヘキサン456.4mLおよび塩化ブチル656.3mL(いずれもモレキュラーシーブスで乾燥したもの)を加え、重合容器を−70℃のドライアイス/メタノールバス中につけて冷却した。イソブチレンモノマー232mL(2871mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p−ジクミルクロライド1.089g(4.7mmol)およびα−ピコリン1.30g(14mmol)を加えた。次にさらに四塩化チタン8.67mL(79.1mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から2.5時間同じ温度で撹拌を行なったのち、重合溶液からサンプリング用として重合溶液約1mLを抜き取った。続いて、あらかじめ−70℃に冷却しておいたスチレンモノマー77.9g(748mmol)、n−ヘキサン14.1mLおよび塩化ブチル20.4mLの混合溶液を重合容器内に添加した。さらに2時間後、アリルトリメチルシランを10.74g(94mmol)重合容器内に添加した。該溶液を添加してから4時間後に、大量の水を加えて反応を終了させた。
【0097】
反応溶液を2回水洗し、溶媒を蒸発させ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥することにより目的のブロック共重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により得られた重合体の分子量を測定した。ブロック共重合体のMwが63100であるブロック共重合体が得られた。HNMRよりアリル基は1モルあたり1.8個有していた。
【0098】
(実施例1)
成分(A)のASIBSと、成分(B)のSIBSと、架橋剤と、成分(C)のPIB1に溶解させた架橋触媒を表1の割合に従いポリエチレン製の袋に投入しドライブレンドで均一に混ぜた後、シリンダー温度を180℃、ダイス温度を200℃に設定した二軸押出機(日本製鋼所製LABOTEX、L/D=28、φ=30mm)に10kg/hrの速度で投入し動的架橋混練物を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物は180℃で容易にシート状に成形することができた。得られたシートの、硬度、引張破断強度、引張破断伸び、および圧縮永久歪み、ガスバリア性を上記方法にしたがって測定した。結果を表1に示す。
【0099】
(実施例2)
成分(B)のSIBSの割合を変更した以外は実施例1と同様にして動的架橋組成物を得、シート上に成形した後、物性を測定した。結果を表1に示す。
【0100】
(実施例3)
成分(A)のASIBSと、成分(C)のPPと、架橋剤と、成分(C)のPIB1に溶解させた架橋触媒を表1の割合に従いポリエチレン製の袋に投入しドライブレンドで均一に混ぜた後、シリンダー温度を180℃、ダイス温度を200℃に設定した二軸押出機(日本製鋼所製LABOTEX、L/D=28、φ=30mm)に10kg/hrの速度で投入し動的架橋混練物を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物は180℃で容易にシート状に成形することができた。得られたシートの、硬度、引張破断強度、引張破断伸び、および圧縮永久歪み、ガスバリア性を上記方法にしたがって測定した。結果を表1に示す。
【0101】
(実施例4)
成分(C)のPPをPEに変更した以外は実施例1と同様にして動的架橋組成物を得、シート上に成形した後、物性を測定した。結果を表1に示す。
【0102】
(実施例5)
成分(A)のASIBSと、成分(C)のPPとPIB1を表1に示した割合で、170℃に設定したラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて7分間溶融混練し、次いで架橋剤を表1に示した割合で添加し、2分間引き続き混練した。架橋触媒を投入し、さらに溶融混練し動的架橋を行なった。得られた熱可塑性エラストマー組成物は180℃で容易にシート状に成形することができた。得られたシートの、硬度、引張破断強度、引張破断伸び、および圧縮永久歪み、ガスバリア性を上記方法にしたがって測定した。結果を表1に示す。
【0103】
(実施例6)
成分(C)をPIB1からPIB2に変更し配合量を変更させた以外は実施例5と同様にして動的架橋組成物を得、シート上に成形した後、物性を測定した。結果を表1に示す。
【0104】
(実施例7)
成分(A)のASIBSと、成分(C)のPPとPIB2を表1に示した割合で、170℃に設定したラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて7分間溶融混練し、次いで架橋剤を表1に示した割合で添加し、2分間引き続き混練した。架橋触媒を投入し、さらに溶融混練し動的架橋を行なった。得られた熱可塑性エラストマー組成物と成分(D)としてSIBSを表1に示した割合で170℃に設定したラボプラストミルを用いて5分間溶融混練した。得られた熱可塑性組成物は180℃で容易にシート状に成形することができた。得られたシートの、硬度、引張破断強度、引張破断伸び、および圧縮永久歪み、ガスバリア性を上記方法にしたがって測定した。結果を表1に示す。
【0105】
(比較例1)
成分(A)のASIBSをシリンダー温度180℃、ダイス温度200℃に設定した二軸押出機(日本製鋼所製LABOTEX、L/D=28、φ=30mm)に10kg/hrの速度で投入し熱可塑性エラストマーを得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物は180℃でシート状に成形することができた。得られたシートの、硬度、引張破断強度、引張破断伸び、および圧縮永久歪み、ガスバリア性を上記方法にしたがって測定した。結果を表2に示す。
【0106】
(比較例2)
成分(A)のASIBSを成分(B)のSIBSに変更した以外は比較例1と同様にして熱可塑性エラストマーを得、シート上に成形した後、物性を測定した。結果を表2に示す。
【0107】
(比較例3)
成分(A)のASIBSと、成分(B)のSIBSとPIB1、架橋剤とを表2の割合に従いポリエチレン製の袋に投入しドライブレンドで均一に混ぜた後、シリンダー温度を180℃、ダイス温度を200℃に設定した二軸押出機(日本製鋼所製LABOTEX、L/D=28、φ=30mm)に10kg/hrの速度で投入し熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物は180℃でシート状に成形することができた。得られたシートの、硬度、引張破断強度、引張破断伸び、および圧縮永久歪み、ガスバリア性を上記方法にしたがって測定した。結果を表2に示す。
【0108】
(比較例4)
成分(A)のASIBSと、成分(C)のPPとPIB2、架橋剤とを表2の割合に従いポリエチレン製の袋に投入しドライブレンドで均一に混ぜた後、シリンダー温度を180℃、ダイス温度を200℃に設定した二軸押出機(日本製鋼所製LABOTEX、L/D=28、φ=30mm)に10kg/hrの速度で投入し熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物は180℃でシート状に成形することができた。得られたシートの、硬度、引張破断強度、引張破断伸び、および圧縮永久歪み、ガスバリア性を上記方法にしたがって測定した。結果を表2に示す。
【0109】
(比較例5)
成分(A)のASIBSを170℃に設定したラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用いて7分間溶融混練し、次いで架橋剤を表2に示した割合で添加し、2分間引き続き混練した。架橋触媒を投入したところ流動性を失い粉々の状態になり、シート状に成形することができなかった。
【0110】
(比較例6)
成分(A)のAPIBと、成分(C)のPPとPIB2、架橋剤とを表2の割合に従いポリエチレン製の袋に投入しドライブレンドで混ぜたが、均一にまざらず強い粘性をもつ半固体の塊になり押出機にフィードできずコンパウンドを得ることができなかった。
【0111】
【表1】

【0112】
【表2】

【0113】
実施例で得られたシートは、比較例1、2に示すイソブチレン系ブロック共重合体のみからなるシートより圧縮永久歪みの値が低く、イソブチレン系ブロック共重合体の特性を保持したまま圧縮永久歪みに優れている。また、実施例1、3に示す組成物よりなるシートは比較例3,4に対して架橋触媒、架橋剤を含んでいないのみの違いであるが、圧縮永久歪みが優れていることが分かる。比較例5のSIBS、PP、およびPEを含んでいない組成物は熱可塑性が乏しくシートに成形できなかった。比較例6に示すAPIBを用いた配合はドライブレンドで均一に混合することが難しく、プラスチック用の押出機にフィードすることができなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)末端にアルケニル基を有し、芳香族ビニル系化合物を主体とするブロックとイソブチレンを主体とするブロックからなる、ブロック共重合体100重量部を、(B)芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーおよび(C)オレフィン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種5〜100重量部の存在下で、ヒドロシリル基含有化合物により溶融混練下で動的架橋した樹脂組成物からなる成形体。
【請求項2】
前記樹脂組成物が動的架橋した樹脂組成物に加えて、さらに(D)熱可塑性樹脂を含む請求項1記載の成形体。
【請求項3】
前記樹脂組成物がさらに(E)軟化剤を含む請求項1または2記載の成形体。
【請求項4】
(A)末端にアルケニル基を有するブロック共重合体の芳香族ビニル系化合物がスチレンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形体。
【請求項5】
(A)末端にアルケニル基を有するブロック共重合体の数平均分子量が10000〜300000であり、かつ芳香族ビニル系化合物を主体とするブロックを5〜50重量%含有し、かつ1分子あたり平均して少なくとも0.4個のアルケニル基を末端に有する重合体である請求項1〜4のいずれかに記載の成形体。
【請求項6】
(B)芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーが芳香族ビニル系化合物を主体とするブロックとイソブチレンを主体とするブロックからなるブロック共重合体である請求項1〜5のいずれかに記載の成形体。
【請求項7】
(C)オレフィン系樹脂がポリエチレンおよびポリプロピレンから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれかに記載のゴム栓用組成物。
【請求項8】
(D)熱可塑性樹脂が芳香族ビニル系熱可塑性エラストマーおよびオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜7のいずれかに記載の成形体。
【請求項9】
(E)軟化剤がポリブテンオイルである請求項1〜8のいずれかに記載の成形体。
【請求項10】
成形体がシール材である請求項1〜9のいずれかに記載の成形体。
【請求項11】
成形体がチューブである請求項1〜9のいずれかに記載の成形体。


【公開番号】特開2012−57068(P2012−57068A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202340(P2010−202340)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】