説明

橋梁架設方法

【課題】複数のプレキャスト桁を橋軸直交方向に所定間隔をおいて架設する橋梁架設方法において、1対の橋脚が非平行である場合等においても工期短縮および工費低減を図る。
【解決手段】架設用ガーダ104により、架設径間S0の側方の搬入ヤードYにおいて、プレキャスト桁14を吊り上げて、これを架設予定位置まで橋軸直交方向に移動させて吊り下ろす。これにより架設作業を効率良く行う。その際、架設用ガーダ104は、各横取りレール102A、102Bに対して鉛直軸線Ax回りに回動可能で、かつ、その一方に対しては橋軸方向に移動可能な態様で設置しておく。また、1対の吊上げ装置106の各々を、架設用ガーダ104に対してその長手方向に移動可能な態様で設置しておく。これにより、1対の橋脚12A、12Bが非平行である場合等においても、横取りを円滑い、かつ、プレキャスト桁14を適正な位置に吊下げ支持された状態に維持可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、架設径間の橋軸方向両側に位置する1対の橋脚相互間に、複数のプレキャスト桁を橋軸直交方向に所定間隔をおいて架設する橋梁架設方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、多径間連続橋等の橋梁架設方法として、架設径間の橋軸方向両側に位置する1対の橋脚相互間に、複数のプレキャスト桁を橋軸直交方向に所定間隔をおいて架設する方法が知られている。
【0003】
その際「特許文献1」には、橋軸方向に延びる架設用ガーダによりプレキャスト桁を吊り支持した状態で、プレキャスト桁の横取りを行うようにした橋梁架設方法が記載されている。
【0004】
すなわち、この「特許文献1」に記載された橋梁架設方法においては、1対の橋脚の各々の上面に設置された橋軸直交方向に延びる横取りレールに対して、その長手方向に移動可能な態様で架設用ガーダを設置しておき、この架設用ガーダにより、架設径間の側端位置において複数のプレキャスト桁を順次吊り上げて、その架設予定位置まで橋軸直交方向に移動させて吊り下ろすようにしている。
【0005】
一方「特許文献2」には、複数の横取りレールのうちの1つが橋軸直交方向に対して傾斜している場合において、この横取りレールに対してその長手方向に移動可能なスライド装置を設置した上で、このスライド装置に対して、長尺の桁ブロックを橋軸方向に移動可能な態様で載置しておくことにより、桁ブロックの横取りを円滑に行い得るようにした橋梁架設方法が記載されている。
【0006】
また「特許文献3」には、1対の横取りレールを互いに非平行に配置しておくとともに、これら各横取りレールに対してその長手方向に移動可能なスライド装置を設置した上で、これら1対のスライド装置に橋桁を架け渡し、その際、この橋桁を、各スライド装置に対して橋軸方向に移動可能な態様で載置しておくことにより、橋桁を横取りする際の橋桁の姿勢の自由度を高めるようにした橋梁架設方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−68249号公報
【特許文献2】特開平2−256705号公報
【特許文献3】特開2006−16795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記「特許文献1」に記載された橋梁架設方法のように、架設用ガーダによりプレキャスト桁を吊り支持した状態で、プレキャスト桁の横取りを行うようにすれば、架設作業を効率良く行うことができ、しかもその際、軽量の架設用ガーダを用いることができるので、工期短縮および工費低減を図ることができる。
【0009】
しかしながら、この橋梁架設方法では、1対の橋脚が非平行に配置されている場合、あるいは、複数のプレキャスト桁が互いに非平行に架設されるようになっている場合(以下これらをまとめて「1対の橋脚が非平行である場合等」ともいう)には、横取りの際、架設用ガーダに対して、その両横取りレール間の距離を変化させようとする外力や、架設用ガーダを橋軸方向に延びる状態から旋回させようとする外力が作用するため、架設用ガーダを各プレキャスト桁の架設予定位置まで移動させることができない、という問題がある。
【0010】
そして、このような場合には、大型のトラッククレーンを用いて各プレキャスト桁を直接架設することが必要となるが、架設環境によっては(例えば架設径間の地盤が軟弱であったり平坦でない場合等には)、これを実現することが不可能または困難となり、このため工期短縮および工費低減を図ることができない、という問題がある。
【0011】
一方、このような架設用ガーダを用いた橋梁架設方法において、上記「特許文献2」や「特許文献3」に記載されているような、2方向の相対移動を許容するスライド装置を用いることも考えられる。しかしながら、このようなスライド装置を単に用いるようにしただけでは、1対の橋脚が非平行である場合等において架設用ガーダに吊り支持されたプレキャスト桁をその架設予定位置まで確実に移動させることは困難である。
【0012】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、架設径間の橋軸方向両側に位置する1対の橋脚相互間に、複数のプレキャスト桁を橋軸直交方向に所定間隔をおいて架設する橋梁架設方法において、1対の橋脚が非平行である場合等においても工期短縮および工費低減を図ることができる橋梁架設方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願発明は、架設用ガーダを用いてプレキャスト桁の横取りを行うようにした上で、そのプレキャスト桁に対する吊り支持の方法に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0014】
すなわち、本願発明に係る橋梁架設方法は、
架設径間の橋軸方向両側に位置する1対の橋脚相互間に、複数のプレキャスト桁を橋軸直交方向に所定間隔をおいて架設する橋梁架設方法において、
上記1対の橋脚の各々の上面に、略橋軸直交方向に延びる横取りレールを、該横取りレールの一端部が上記架設径間の側方に位置する搬入ヤードまで張り出す態様で設置するとともに、橋軸方向に延びる架設用ガーダを、上記架設径間を跨ぐ位置において、上記1対の横取りレールの各々に対して該横取りレールの長手方向に移動可能な態様で設置した状態で、
上記搬入ヤードにおいて、上記架設用ガーダに設置された1対の吊上げ装置により、上記複数のプレキャスト桁のうちの1つを架設対象プレキャスト桁として吊り上げて、上記架設用ガーダを上記架設対象プレキャスト桁の架設予定位置まで橋軸直交方向に移動させた後、上記1対の吊上げ装置により上記架設対象プレキャスト桁を上記1対の橋脚上に吊り下ろし、以下これを繰り返すことにより上記複数のプレキャスト桁の架設を行うようにし、
その際、上記架設用ガーダを、上記1対の横取りレールの各々に対して鉛直軸線回りに回動可能な態様で、かつ、上記1対の横取りレールのうちの一方に対して橋軸方向に移動可能な態様で設置しておくとともに、上記1対の吊上げ装置の各々を、上記架設用ガーダに対して該架設用ガーダの長手方向に移動可能な態様で設置しておく、ことを特徴とするものである。
【0015】
上記各「横取りレール」は、その一端部が搬入ヤードまで張り出すように設置されたものであれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。
【0016】
上記「架設用ガーダ」を、1対の横取りレールの各々に対して鉛直軸線回りに回動可能な態様で、かつ、その一方に対して橋軸方向に移動可能な態様で設置しておくための具体的な構成は特に限定されるものではない。
【0017】
上記1対の「吊上げ装置」の各々を、架設用ガーダに対してその長手方向に移動可能な態様で設置しておくための具体的な構成は特に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0018】
上記構成に示すように、本願発明に係る橋梁架設方法においては、架設径間の橋軸方向両側に位置する1対の橋脚相互間に、複数のプレキャスト桁を橋軸直交方向に所定間隔をおいて架設する際、1対の橋脚の各々の上面に、略橋軸直交方向に延びる横取りレールを、その一端部が架設径間の側方に位置する搬入ヤードまで張り出す態様で設置するとともに、橋軸方向に延びる架設用ガーダを、架設径間を跨ぐ位置において、1対の横取りレールの各々に対して該横取りレールの長手方向に移動可能な態様で設置した状態で、搬入ヤードにおいて、架設用ガーダに設置された1対の吊上げ装置により、複数のプレキャスト桁のうちの1つを架設対象プレキャスト桁として吊り上げて、架設用ガーダを架設対象プレキャスト桁の架設予定位置まで橋軸直交方向に移動させた後、1対の吊上げ装置により架設対象プレキャスト桁を1対の橋脚上に吊り下ろし、以下これを繰り返すことにより複数のプレキャスト桁の架設を行うようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0019】
すなわち、架設用ガーダを用いてプレキャスト桁の横取りを行うようになっているので、架設作業を効率良く行うことができる。しかもその際、軽量の架設用ガーダを用いることができるので、工期短縮および工費低減を図ることができる。さらに、架設径間の側方に搬入ヤードを確保することができれば、架設径間の地盤が軟弱であったり平坦でない場合等においても、架設対象プレキャスト桁の架設作業を容易に行うことができる。
【0020】
その上で、本願発明に係る橋梁架設方法においては、架設用ガーダを、1対の横取りレールの各々に対して鉛直軸線回りに回動可能な態様で、かつ、1対の横取りレールのうちの一方に対して橋軸方向に移動可能な態様で設置しておくようになっているので、1対の橋脚が非平行に配置されていたり、複数のプレキャスト桁が互いに非平行に架設されるようになっていることに起因して、横取りの際、架設用ガーダに対して、その両横取りレール間の距離を変化させようとする外力や、架設用ガーダを橋軸方向に延びる状態から旋回させようとする外力が作用したとき、これらに追従させて架設用ガーダを相対移動させることができる。そしてこれにより、架設用ガーダを架設対象プレキャスト桁の架設予定位置まで円滑に移動させることができる。
【0021】
しかも、本願発明に係る橋梁架設方法においては、1対の吊上げ装置の各々を、架設用ガーダに対してその長手方向に移動可能な態様で設置しておくようになっているので、横取りの際、架設用ガーダの両横取りレール間の距離が変化するようなことがあっても、架設対象プレキャスト桁を架設径間において両橋脚と干渉するおそれのない適正な位置に吊下げ支持された状態に維持しておくことが容易に可能となる。そしてこれにより、架設対象プレキャスト桁を架設予定位置まで確実に移動させることができる。
【0022】
このように本願発明によれば、架設径間の橋軸方向両側に位置する1対の橋脚相互間に、複数のプレキャスト桁を橋軸直交方向に所定間隔をおいて架設する橋梁架設方法において、1対の橋脚が非平行である場合等においても、各プレキャスト桁を架設予定位置まで確実に移動させることができる。そしてこれにより工期短縮および工費低減を図ることができる。
【0023】
上記構成において、架設用ガーダの、上記一方の横取りレール(すなわち架設用ガーダが橋軸方向に移動可能な態様で設置されている横取りレール)に対する橋軸方向の移動を、ころがり機構を用いたころがり移動により行わせるようにすれば、上記外力の作用に応じた架設用ガーダの相対移動を円滑に行わせることができ、その追従性を高めることができる。
【0024】
その際、このころがり機構を、架設用ガーダを上記各横取りレールの長手方向に移動させるための機構に対して橋軸方向両側に位置する少なくとも2箇所に配置しておくようにすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0025】
すなわち、1対の橋脚が非平行である場合等には、横取りの際、架設用ガーダが橋軸直交方向に移動するのに伴って、この架設用ガーダは上記一方の横取りレールに対しては橋軸方向に移動しようとする。その際、この橋軸方向の相対移動に伴って、架設用ガーダを各横取りレールの長手方向に移動させるための機構の部分には橋軸方向の反力が生じるが、この橋軸方向の反力を、その橋軸方向両側に位置する少なくとも2箇所に配置されたころがり機構において容易に吸収することができる。そしてこれにより架設用ガーダの橋軸方向の相対移動を円滑に行わせることができる。
【0026】
この場合において、架設用ガーダの、各横取りレールの長手方向の移動についても、ころがり機構を用いたころがり移動により行わせるようにすれば、上記外力の作用に応じた架設用ガーダの相対移動を一層円滑に行わせることができ、その追従性を一層高めることができる。
【0027】
上記構成において、各吊上げ装置の、架設用ガーダの長手方向の移動を、すべり移動により行わせる構成としておくようにすれば、これをころがり移動により行わせるようにした場合に比して、横取りの際、各吊上げ装置が必要以上に移動して、架設対象プレキャスト桁が両橋脚と不用意に干渉してしまうのを未然に防止することができる。なお、横取りの際における、各吊上げ装置の、架設用ガーダの長手方向の移動量はさほど大きくはならないので、すべり移動を採用しても架設作業の効率を実質的に低下させてしまうことはない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本願発明の一実施形態に係る橋梁架設方法の概要を示す平面図
【図2】図1のII−II線矢視図
【図3】図1のIII 部詳細図
【図4】図2のIV−IV線断面図
【図5】図2のV部詳細図
【図6】図2のVI部詳細図
【図7】図4のVII 部詳細図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0030】
図1は、本願発明の一実施形態に係る橋梁架設方法の概要を示す平面図である。また、図2は、図1のII−II線矢視図である。
【0031】
図1に示すように、本実施形態に係る橋梁架設方法の適用対象は、多径間連続橋における架設径間S0の部分であって、この架設径間S0の橋軸方向両側に位置する1対の橋脚12A、12B相互間に、複数のプレキャスト桁14が橋軸直交方向に所定間隔をおいて架設されるようになっている。なお、図1においては、各プレキャスト桁14について、その架設予定位置の中心軸のみを1点鎖線で示している。
【0032】
図2に示すように、各橋脚12A、12Bの上端部には、L字形の桁受け部12Aa、12Baがそれぞれ形成されており、一方、各プレキャスト桁14の長手方向両端部には、逆L字形の凹部14aが形成されている。そして、これら各プレキャスト桁14は、その各凹部14aにおいて各橋脚12A、12Bの桁受け部12Aa、12Baに載置されるようになっている。なお、図2において架設径間S0の左側に位置する橋脚12Aの桁受け部12Aaは、架設径間S0の右側に位置する橋脚12Bの桁受け部12Baに対してやや下方に位置している。これに伴い、各プレキャスト桁14は、水平方向に対して図2においてやや左下がりに傾斜した状態で架設されるようになっている。
【0033】
図1に示すように、架設径間S0の橋軸方向両側に隣接する架設径間S−1、S+1においては、複数のプレキャスト桁14が互いに平行に架設されるようになっているのに対し、架設径間S0においては、複数のプレキャスト桁14が互いに非平行に架設されるようになっている。また、この架設径間S0においては、その橋軸方向両側に位置する1対の橋脚12A、12Bが非平行に配置されている。
【0034】
具体的には、この架設径間S0においては、複数のプレキャスト桁14は、図1において架設径間S0の右側に位置する橋脚12Bからその左側に位置する橋脚12Aへ向けて、プレキャスト桁14相互間の間隔が多少拡がるようにした状態で架設されるようになっている。また、1対の橋脚12A、12Bは、図1において手前側から奥側へ向けて、その径間距離が多少狭まるように配置されている。これに伴って、この架設径間S0に架設される複数のプレキャスト桁14は、図1において手前側から奥側へ向けて、その橋軸方向の長さが徐々に短くなるように設定されている。なお、これら各プレキャスト桁14は、断面略U字形の軽量構造を有している(図4参照)。
【0035】
本実施形態に係る橋梁架設方法の概要について説明すると以下のとおりである。
【0036】
まず、架設径間S0の側方(図1において架設径間S0の手前側)に位置する搬入ヤードYに、この架設径間S0に架設すべき複数のプレキャスト桁14のうちの1つをトレーラ等により搬入する。
【0037】
次に、この搬入ヤードYにおいて、搬入されたプレキャスト桁14を架設対象プレキャスト桁14oとして、その架設高さよりも上方位置まで吊り上げる。
【0038】
次に、この架設対象プレキャスト桁14oを、架設予定位置まで橋軸直交方向に移動させ、この架設予定位置において1対の橋脚12A、12B上に吊り下ろす。
【0039】
以下、これを繰り返すことにより複数のプレキャスト桁14の架設を行う。
【0040】
その後、これら各プレキャスト桁14と1対の橋脚12A、12Bの上端部との間に橋軸方向のプレストレスを導入する。
【0041】
次に、本実施形態に係る橋梁架設方法における、架設対象プレキャスト桁14oの吊上げおよび横取りの工程について具体的に説明する。
【0042】
まず、1対の橋脚12A、12Bの各々の上面に、略橋軸直交方向に延びる横取りレール102A、102Bを、該横取りレール102A、102Bの一端部102Aa、102Baが搬入ヤードYまで張り出す態様で設置する。
【0043】
その際、これら各横取りレール102A、102Bは、その一端部102Aa、102Ba寄りの部分がそれ以外の部分よりも高い剛性を有する構造としておき、搬入ヤードYでの架設対象プレキャスト桁14oの吊上げに十分耐えられるようにしておく。なお、これら各横取りレール102A、102Bは、その他端部102Ab、102Bbが各橋脚12A、12Bから架設径間S0の搬入ヤードY側とは反対側の側方まで張り出す長さを有していれば、同一構造のものを用いることが可能である。
【0044】
次に、橋軸方向に延びる架設用ガーダ104を、図示しない小型クレーン等により、架設径間S0を跨ぐ位置に吊り上げて、1対の横取りレール102A、102Bの上に設置する。
【0045】
この架設用ガーダ104の設置は、両横取りレール102A、102Bの一端部102Aa、102Baの位置(すなわち搬入ヤードYの上方位置)において行う。また、この架設用ガーダ104の設置は、両横取りレール102A、102Bに対して、それぞれ横移動装置110A、110Bを介して行う。これにより、架設用ガーダ104を、各横取りレール102A、102Bに対して該横取りレール102A、102Bの長手方向に移動可能としておく。
【0046】
その際、これら1対の横移動装置110A、110Bは、橋脚12A側の横移動装置110Aを橋脚12B側の横移動装置110Bよりも背の高い構成としておく。これにより、1対の橋脚12A、12Bの上端面相互間に高低差があるにもかかわらず架設用ガーダ104を水平に設置可能とする。また、この架設用ガーダ104としては、平行に配置された左右1対のI型鋼が複数の鋼材で連結されてなる軽量の架設用ガーダを用いる。なお、架設対象プレキャスト桁14oは断面略U字形の軽量構造を有しているので、軽量の架設用ガーダ104でも十分に対応可能である。この架設用ガーダ104の吊上げは、その長手方向両端近傍部位の上面に取り付けられた1対のガーダ吊上げ金具104aにおいて行う。
【0047】
次に、架設用ガーダ104の上面に設置された1対の吊上げ装置106により、搬入ヤードYに搬入された架設対象プレキャスト桁14oを、その架設高さよりも上方位置まで吊り上げる。
【0048】
その際、1対の吊上げ装置106は、1対のガーダ吊上げ金具104aよりもやや長手方向中心寄りの位置に設置しておく。また、架設対象プレキャスト桁14oには、その長手方向両端近傍部位に1対の桁吊り金具108を取り付けておき、これら1対の桁吊り金具108を介して架設対象プレキャスト桁14oを吊り上げる。
【0049】
次に、架設用ガーダ104を、架設対象プレキャスト桁14oの架設予定位置まで略橋軸直交方向に移動させる。そして、この架設予定位置において、1対の吊上げ装置106により、架設対象プレキャスト桁14oを、その1対の凹部14aを各橋脚12A、12Bの桁受け部12Aa、12Baに載置させるようにして、1対の橋脚12A、12B上に吊り下ろす。
【0050】
本実施形態に係る橋梁架設方法においては、架設用ガーダ104の長手方向両端部に配置された1対の横移動装置110A、110Bを用いることにより、架設用ガーダ104を、1対の横取りレール102A、102Bの各々に対して、該横取りレール102A、102Bの長手方向に移動可能な態様で設置するだけでなく、鉛直軸線Ax回りに回動可能な態様で設置しておく。また、一方の橋脚12Aに設置された横取りレール102Aに対しては、この横取りレール102Aに配置された横移動装置110Aを利用して、架設用ガーダ104を橋軸方向に移動可能な態様で設置しておく。
【0051】
架設径間S0においては、複数のプレキャスト桁14が互いに非平行に架設されるようになっており、かつ、1対の橋脚12A、12Bが非平行に配置されていることに起因して、横取りの際、架設用ガーダ104に対して、その両横取りレール102A、102B間の距離変化させようとする外力や、架設用ガーダ104を橋軸方向に延びる状態から旋回させようとする外力が作用するが、これらに対して各横移動装置110A、110Bを追従させ、これにより架設用ガーダ104を架設対象プレキャスト桁14oの架設予定位置まで円滑に移動させるようにする。
【0052】
また、本実施形態に係る橋梁架設方法においては、1対の吊上げ装置106の各々を、架設用ガーダ104に対して該架設用ガーダ104の長手方向に移動可能な態様で設置しておく。これにより、横取りの際、これら各吊上げ装置106を適宜移動させ、架設対象プレキャスト桁14oを、架設径間S0において両橋脚12A、12Bと干渉するおそれのない適正な位置に吊下げ支持された状態に維持しておく。
【0053】
次に、本実施形態に係る橋梁架設方法に用いられる横移動装置110A、110Bおよび吊上げ装置106の構成について説明する。
【0054】
図3は、図1のIII 部詳細図である。また、図4は、図2のIV−IV線断面図であり、図5は、図2のV部詳細図であり、図6は、図2のVI部詳細図である。さらに、図7は、図4のVII 部詳細図である。
【0055】
まず、橋脚12A側に配置された横移動装置110Aの構成について説明する。
【0056】
図3〜5および7に示すように、この横移動装置110Aは、架設用ガーダ104を、横取りレール102Aの長手方向に移動させるための動力原としてのセンタホールジャッキ112と、この移動をころがり移動により行わせるためのころがり機構114と、架設用ガーダ104を、横取りレール102Aに対して橋軸方向(正確には架設用ガーダ104の長手方向)に、ころがり移動により移動させるためのころがり機構116と、架設用ガーダ104を、横取りレール102Aに対して鉛直軸線Ax回りに回動させるための回動機構118とを備えた構成となっている。
【0057】
この横移動装置110Aにおいて、回動機構118よりも下方側に位置する部分を下部構造部110ALとし、回動機構118よりも上方側に位置する部分を上部構造部110AUとしたとき、センタホールジャッキ112およびころがり機構114は下部構造部110ALの構成要素となっており、ころがり機構116は上部構造部110AUの構成要素となっている。
【0058】
センタホールジャッキ112は、横取りレール102Aの上方近傍において横取りレール102Aの長手方向に延びる横取り鋼棒120に装着されている。そして、このセンタホールジャッキ112を駆動することにより、架設用ガーダ104を横移動装置110Aと共に横取りレール102Aの長手方向に所定長ずつ移動させるようになっている。
【0059】
ころがり機構114は、横取りレール102Aのレール部102Acに、その長手方向に所定間隔をおいて直列に配置された2つの無限軌道ローラで構成されている。そして、図5〜7に示すように、下部構造部110ALには、これら2つのころがり機構114の各々を構成する無限軌道ローラをガイドするための2組のガイド部材124が、横取りレール102Aの長手方向に所定間隔をおいて、そのレール部102Acを挟持するようにして配置されている。
【0060】
ころがり機構116は、2つのころがり機構114の各々に対して、その略真上でかつその橋軸方向両側に位置する2箇所に1対ずつ配置された計4つの無限軌道ローラで構成されている。そして、図5〜7に示すように、上部構造部110AUには、これら4つのころがり機構116の各々を構成する無限軌道ローラをガイドするための4組のガイド部材126が、橋軸方向に所定間隔をおいて、架設用ガーダ104を構成する1対のI型鋼の各々を挟持するようにして配置されている。
【0061】
回動機構118は、下部構造部110ALと上部構造部110AUとの間に、鉛直軸線Axに沿って上下方向に延びる鉛直軸部材が配置されるとともにこの鉛直軸部材を囲む複数の環状プレートが積層配置されることによって構成されている。その際、複数の環状プレートとしては、ステンレス鋼鈑およびテフロン(登録商標)板が用いられている。
【0062】
上部構造部110AUには、この回動機構118ところがり機構116との間に、ころがり機構114の高さ位置を調整するためのスペーサ122が配置されている。なお、このようなスペーサ122が配置されるのは、橋脚12Aの上端面が橋脚12Bの上端面に対してやや下方に位置している状態において、架設用ガーダ104を水平方向に延びるように設置するためである。
【0063】
次に、橋脚12B側に配置された横移動装置110Bの構成について説明する。
【0064】
図6に示すように、この横移動装置110Bは、その回動機構118および下部構造部110BLについては、横移動装置110Aの場合と同様の構成と有しているが、その上部構造部110BUについては、横移動装置110Aの場合とは異なる構成を有している。
【0065】
すなわち、この横移動装置110Bの上部構造部110BUは、回動機構118の上部において架設用ガーダ104を直接支持する構成となっており、横移動装置110Aの上部構造部110AUのようなころがり機構116およびスペーサ122は存在しない。ころがり機構116が存在しないのは、架設用ガーダ104を横取りレール102Bに対して橋軸方向に移動させる必要がないためである。また、スペーサ122が存在しないのは、橋脚12Aの上端面と橋脚12Bの上端面との高低差に対する調整が、橋脚12Aに配置された横移動装置110Aにスペーサ122が配置されることにより行われているためである。
【0066】
ただし、この横移動装置110Bの上部構造部110AUには、架設用ガーダ104を直接支持する際に、横移動装置110Aの上部構造部110AUの場合と同様の4組のガイド部材128が用いられている。その際、これら4組のガイド部材128の橋軸方向の相互間の間隔は、横移動装置110Aにおける4組のガイド部材126の場合よりも狭くなっている。
【0067】
次に、吊上げ装置106の構成について説明する。
【0068】
図3〜7に示すように、この吊上げ装置106は、ウインチで構成されており、架設用ガーダ104を構成する左右1対のI型鋼の間において架設対象プレキャスト桁14oを吊り支持するようになっている。
【0069】
この吊上げ装置106は、架設用ガーダ104を構成する左右1対のI型鋼の上面に固定された左右1対の支持鋼材130に跨るようにして設置されている。その際、この吊上げ装置106の下端面における、左右1対の支持鋼材130に当接する4箇所の位置には、それぞれテフロン板132が取り付けられている。これら4つのテフロン板132は、左右1対の支持鋼材130の各々における長手方向に所定間隔をおいた位置に配置されている。これにより、この吊上げ装置106は、架設用ガーダ104に対してその長手方向に移動可能な態様で、左右1対の支持鋼材130に対する設置が行われている。
【0070】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0071】
本実施形態に係る橋梁架設方法においては、架設径間S0の橋軸方向両側に位置する1対の橋脚12A、12B相互間に、複数のプレキャスト桁14を橋軸直交方向に所定間隔をおいて架設する際、1対の橋脚12A、12Bの各々の上面に、略橋軸直交方向に延びる横取りレール102A、102Bを、その一端部102Aa、102Baが架設径間S0の側方に位置する搬入ヤードYまで張り出す態様で設置するとともに、橋軸方向に延びる架設用ガーダ104を、架設径間S0を跨ぐ位置において、1対の横取りレール102A、102Bの各々に対して該横取りレール102A、102Bの長手方向に移動可能な態様で設置した状態で、搬入ヤードYにおいて、架設用ガーダ104に設置された1対の吊上げ装置106により、複数のプレキャスト桁14のうちの1つを架設対象プレキャスト桁14oとして吊り上げて、架設用ガーダ104を架設対象プレキャスト桁14oの架設予定位置まで橋軸直交方向に移動させた後、1対の吊上げ装置106により架設対象プレキャスト桁14oを1対の橋脚12A、12B上に吊り下ろし、以下これを繰り返すことにより複数のプレキャスト桁14の架設を行うようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0072】
すなわち、架設用ガーダ104を用いてプレキャスト桁14の横取りを行うようになっているので、架設作業を効率良く行うことができる。しかもその際、軽量の架設用ガーダ104を用いることができるので、工期短縮および工費低減を図ることができる。さらに、架設径間S0の側方に搬入ヤードYを確保することができれば、架設径間S0の地盤が軟弱であったり平坦でない場合等においても、架設対象プレキャスト桁14oの架設作業を容易に行うことができる。
【0073】
その上で、本実施形態に係る橋梁架設方法においては、架設用ガーダ104を、1対の横取りレール102A、102Bの各々に対して鉛直軸線Ax回りに回動可能な態様で、かつ、1対の横取りレール102A、102Bのうちの一方(すなわち横取りレール102A)に対して橋軸方向に移動可能な態様で設置しておくようになっているので、1対の橋脚12A、12Bが非平行に配置されているとともに、複数のプレキャスト桁14が互いに非平行に架設されるようになっていることに起因して、横取りの際、架設用ガーダ104に対して、その両横取りレール102A、102B間の距離を変化させようとする外力や、架設用ガーダ104を橋軸方向に延びる状態から旋回させようとする外力が作用したとき、これらに追従させて架設用ガーダ104を相対移動させることができる。そしてこれにより、架設用ガーダ104を架設対象プレキャスト桁14oの架設予定位置まで円滑に移動させることができる。
【0074】
しかも、本実施形態に係る橋梁架設方法においては、1対の吊上げ装置106の各々を、架設用ガーダ104に対してその長手方向に移動可能な態様で設置しておくようになっているので、横取りの際、架設用ガーダ104の両横取りレール102A、102B間の距離が変化するようなことがあっても、架設対象プレキャスト桁14oを、架設径間S0において両橋脚12A、12Bと干渉するおそれのない適正な位置に吊下げ支持された状態に維持しておくことが容易に可能となる。そしてこれにより、架設対象プレキャスト桁14oを架設予定位置まで確実に移動させることができる。
【0075】
このように本実施形態によれば、架設径間S0の橋軸方向両側に位置する1対の橋脚12A、12B相互間に、複数のプレキャスト桁14を橋軸直交方向に所定間隔をおいて架設する橋梁架設方法において、1対の橋脚12A、12Bが非平行である場合等においても、各プレキャスト桁14を架設予定位置まで確実に移動させることができる。そしてこれにより工期短縮および工費低減を図ることができる。
【0076】
その際、本実施形態においては、架設用ガーダ104の、一方の横取りレール102A(すなわち架設用ガーダ104が橋軸方向に移動可能な態様で設置されている横取りレール102A)に対する橋軸方向の移動を、ころがり機構116を用いたころがり移動により行わせるようになっているので、上記外力の作用に応じた架設用ガーダ104の相対移動を円滑に行わせることができ、その追従性を高めることができる。
【0077】
しかもその際、ころがり機構116を、架設用ガーダ104を各横取りレール102A、102Bの長手方向に移動させるためのころがり機構114に対して橋軸方向両側に位置する2箇所に配置しておくようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0078】
すなわち、1対の橋脚12A、12Bが非平行である場合等には、横取りの際、架設用ガーダ104が橋軸直交方向に移動するのに伴って、この架設用ガーダ104は横取りレール102Aに対しては橋軸方向に移動しようとする。その際、この橋軸方向の相対移動に伴って、ころがり機構114の部分には橋軸方向の反力が生じるが、この橋軸方向の反力を、その橋軸方向両側に位置する2箇所に配置されたころがり機構116において容易に吸収することができる。そしてこれにより架設用ガーダ104の橋軸方向の相対移動を円滑に行わせることができる。 特に本実施形態においては、横移動装置110Aの上部構造部110AUに高さ調整用のスペーサ122が配置されており、このためころがり機構116はころがり機構114に対してかなり上方に離れた位置にあるので、ころがり機構116を、ころがり機構114に対して橋軸方向両側に位置する2箇所に配置しておくようにすることが極めて効果的である。その際、架設用ガーダ104の橋軸方向の相対移動を十分円滑に行わせるためには、図5において、橋軸方向の2箇所に配置されたころがり機構116の各々の中心と、ころがり機構114の中心とを結ぶ2つの直線の交角θを、θ=30°以上の値に設定しておくことが好ましく、θ=40°以上の値に設定しておくことがより好ましい。
【0079】
本実施形態においては、架設用ガーダ104の、各横取りレール102A、102Bの長手方向の移動についても、ころがり機構116を用いたころがり移動により行わせるようになっているので、上記外力の作用に応じた架設用ガーダ104の相対移動を一層円滑に行わせることができ、その追従性を一層高めることができる。
【0080】
また本実施形態においては、各吊上げ装置106の、架設用ガーダ104の長手方向の移動を、すべり移動により行わせる構成となっているので、これをころがり移動により行わせるようにした場合に比して、横取りの際、各吊上げ装置106が必要以上に移動して、架設対象プレキャスト桁14oが両橋脚12A、12Bと不用意に干渉してしまうのを未然に防止することができる。なお、横取りの際における、各吊上げ装置106の、架設用ガーダ104の長手方向の移動量はさほど大きくはならないので、すべり移動を採用しても架設作業の効率を実質的に低下させてしまうことはない。
【0081】
さらに本実施形態においては、各吊上げ装置106をウインチで構成しておくようになっているので、各吊上げ装置106をコンパクトに構成することができる。また、このように各吊上げ装置106をウインチで構成しておくことにより、その架設用ガーダ104の長手方向の移動を、すべり移動で行わせるようにすることが容易に可能となる。
【0082】
また、本実施形態に係る橋梁架設方法を採用することにより、架設径間S0での架設作業に用いた横取りレール102A、102B、架設用ガーダ104、吊上げ装置106および横移動装置110A、110Bを、他の架設径間S−1、S+1等での架設作業にも、そのまま用いることができる。
【0083】
上記実施形態においては、ころがり機構116を、ころがり機構114に対して、橋軸方向両側に位置する2箇所に配置しておくものとして説明したが、このころがり機構116を、ころがり機構114に対して、橋軸方向両側に位置する2箇所を含む3箇所以上に配置しておくようにしてもよく、このようにした場合においても上記実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0084】
上記実施形態においては、架設径間S0において、複数のプレキャスト桁14が互いに非平行に架設されるようになっており、かつ、1対の橋脚12A、12Bが非平行に配置されている場合における橋梁架設方法について説明したが、これ以外にも、複数のプレキャスト桁14が互いに非平行に架設されるようになってはいるが、1対の橋脚12A、12Bが平行に配置されている場合、あるいは、1対の橋脚12A、12Bが非平行に配置されてはいるが、複数のプレキャスト桁14が互いに平行に架設されるようになっている場合においても、上記実施形態に係る橋梁架設方法を採用することにより、上記実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0085】
なお、上記実施形態において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
【符号の説明】
【0086】
12A、12B 橋脚
12Aa、12Ba 桁受け部
14 プレキャスト桁
14a 凹部
14o 架設対象プレキャスト桁
102A、102B 横取りレール
102Aa、102Ba 一端部
102Ab、102Bb 他端部
102Ac レール部
104 架設用ガーダ
104a ガーダ吊上げ金具
106 吊上げ装置
108 桁吊り金具
110A、110B 横移動装置
110AL、110BL 下部構造部
110AU、110BU 上部構造部
112 センタホールジャッキ
114、116 ころがり機構
118 回動機構
120 横取り鋼棒
122 スペーサ
124、126、128 ガイド部材
130 支持鋼材
132 テフロン板
Ax 鉛直軸線
S0、S−1、S+1 架設径間
Y 搬入ヤード
θ 交角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
架設径間の橋軸方向両側に位置する1対の橋脚相互間に、複数のプレキャスト桁を橋軸直交方向に所定間隔をおいて架設する橋梁架設方法において、
上記1対の橋脚の各々の上面に、略橋軸直交方向に延びる横取りレールを、該横取りレールの一端部が上記架設径間の側方に位置する搬入ヤードまで張り出す態様で設置するとともに、橋軸方向に延びる架設用ガーダを、上記架設径間を跨ぐ位置において、上記1対の横取りレールの各々に対して該横取りレールの長手方向に移動可能な態様で設置した状態で、
上記搬入ヤードにおいて、上記架設用ガーダに設置された1対の吊上げ装置により、上記複数のプレキャスト桁のうちの1つを架設対象プレキャスト桁として吊り上げて、上記架設用ガーダを上記架設対象プレキャスト桁の架設予定位置まで橋軸直交方向に移動させた後、上記1対の吊上げ装置により上記架設対象プレキャスト桁を上記1対の橋脚上に吊り下ろし、以下これを繰り返すことにより上記複数のプレキャスト桁の架設を行うようにし、
その際、上記架設用ガーダを、上記1対の横取りレールの各々に対して鉛直軸線回りに回動可能な態様で、かつ、上記1対の横取りレールのうちの一方に対して橋軸方向に移動可能な態様で設置しておくとともに、上記1対の吊上げ装置の各々を、上記架設用ガーダに対して該架設用ガーダの長手方向に移動可能な態様で設置しておく、ことを特徴とする橋梁架設方法。
【請求項2】
上記架設用ガーダの、上記一方の横取りレールに対する橋軸方向の移動を、ころがり機構を用いたころがり移動により行わせるようにした上で、
上記ころがり機構を、上記架設用ガーダを上記各横取りレールの長手方向に移動させるための機構に対して橋軸方向両側に位置する少なくとも2箇所に配置しておく、ことを特徴とする請求項1記載の橋梁架設方法。
【請求項3】
上記架設用ガーダの、上記各横取りレールの長手方向の移動を、ころがり機構を用いたころがり移動により行わせる、ことを特徴とする請求項2記載の橋梁架設方法。
【請求項4】
上記各吊上げ装置の、上記架設用ガーダの長手方向の移動を、すべり移動により行わせる、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の橋梁架設方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−12877(P2012−12877A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151898(P2010−151898)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000174943)三井住友建設株式会社 (346)
【出願人】(507111553)SMCテック株式会社 (5)
【Fターム(参考)】