説明

機器の操作パネル

【課題】表示部と操作部とを極力接近させて配設する。
【解決手段】パネル本体43には、表示窓46が開口された表示部42と、ボタン用窓44等が開口された操作部41とが並んで設けられる。操作部41の裏面には、操作ボタン62等を有する操作ボタン用基板60が取り付けられる。表示部42の裏面には蛍光表示管50が取り付けられるが、蛍光表示管50は、操作ボタン用基板60の奥に配されて、表示面53の右側の部分が操作ボタン用基板60の左側縁部の裏側に隠された形態で取り付けられる。表示面53は表示窓46と整合して配される。表示部42(表示面53の中心)と、操作部41(確定ボタン83Cの位置)との間の距離を短くできる。表示部42と十字キー83B付近とを同時に目視することが可能となり、表示部42を見ながら十字キー83B等を押圧する作業が簡単となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却庫等の機器に装備された操作パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
各種機器において、操作パネル上に表示部と操作部とを並べて設けたものは公知である(例えば、特許文献1参照)。例えば、急速冷却庫のような冷却庫では、表示部において庫内設定温度や収納された食品の芯温の設定温度等の各種情報が表示される一方、操作部においてボタン操作をすることで上記の各情報の入力等を行うようになっている。構造的には表示部は、プリント基板上に載せられた蛍光表示管が、パネルに開口された表示窓の裏面側に配設されることで形成される。一方、操作部は、操作ボタンを有する操作ボタン用のプリント基板が、同じくパネルの裏面側において、操作ボタンが表面側から押圧操作可能な形態で配設されることにより形成される。通常は、蛍光表示管側の基板と、操作ボタン用基板とが互いに干渉しないようにして、それぞれパネルの裏面にねじ止めして取り付けられるようになっている。
【特許文献1】特開平6−229567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記従来構造では、図21に示すように、操作部1と表示部2とが相応に離間(距離A)して配置されることになるから、例えば、操作部1の十字キーのボタンを押して表示部2の情報を変更したり入力するような場合に、表示部2と操作部1の両方を同時に見ることが難しく、表示部2と操作部1とを交互に見ながら操作する必要があって、使い勝手が悪いという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、表示部と操作部とを極力接近させて配設するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、パネル本体には表示部と操作部とが並んで設けられ、前記表示部は、前記パネル本体に開口された表示窓の裏面側に表示装置が配設されて形成されるとともに、前記操作部は、操作ボタンを有する操作ボタン用基板が、前記パネル本体の裏面側において前記操作ボタンが表面側から操作可能な形態で配設されることにより形成された操作パネルであって、前記表示装置における前記操作ボタン用基板に隣接する側の側縁が、前記操作ボタン用基板における前記表示装置に隣接する側の側縁よりも内側に進入した形態で、前記表示装置と前記操作ボタン用基板とが配設されている構成としたところに特徴を有する。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記表示装置が前記操作ボタン用基板の後方に配置され、かつ前記表示装置と前記操作ボタン用基板との隣接する側縁同士が重なり合って配設されているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記パネル本体と前記表示装置との間の隙間を隠す目隠し部材が設けられているところに特徴を有する。
【0006】
請求項4の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記操作ボタン用基板における前記表示装置と隣接する側縁には嵌合凹部が切り欠き形成され、同嵌合凹部内に、前記表示装置における前記操作ボタン用基板と隣接する側縁が嵌められているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0007】
<請求項1の発明>
表示装置が、その操作ボタン用基板に隣接する側の側縁を、操作ボタン用基板における表示装置に隣接する側の側縁よりも内側に進入した形態で配したから、表示装置と操作ボタン用基板、ひいては表示部と操作部との距離を短くして配設される。したがって、表示部と操作部とを同時に目視することが可能となり、表示部を見ながら操作部のボタン操作を行う作業が簡単となる。
【0008】
<請求項2の発明>
表示装置を操作ボタン用基板の後方にずらした上で、表示装置と操作ボタン用基板との隣接する側縁同士を重なり合うようにして配設することで、表示装置と操作ボタン用基板との距離が短くされる。配設位置を変更するだけで、操作ボタン用基板や表示装置自体にはなんら加工することなく対応できる。
<請求項3の発明>
表示装置が表示窓の奥側に位置することで、パネル本体と表示装置との間に隙間ができるが、同隙間を埋めるように目隠し部材を配したから、見栄えも良くなる。
【0009】
<請求項4の発明>
表示装置の側縁を、操作ボタン用基板の側縁に切り欠き形成された嵌合凹部に嵌めて配設することで、表示装置と操作ボタン用基板との距離が短くされる。表示装置を、表示窓の直ぐ裏に留めることができるから、表面側から目視しやすい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図13に基づいて説明する。この実施形態では、急速冷却庫に適用した場合を例示している。
本実施形態の急速冷却庫は、図1に示すように、機械室11の上面に冷却庫本体10(以下、単に本体10という)が載置され、機械室11の底面に配された脚12によって支持されている。
本体10は前面が開口された縦長の断熱箱体からなり、同本体10の前面開口部13には、断熱扉14(図2)が、正面から見た左側縁を中心として揺動開閉可能に装着されている。
【0011】
本体10の内部すなわち庫内では、図2及び図3に示すように、正面から見た右側の6割程度の領域が、食品の収納室15とされ、残りの左側の領域が、冷却ユニット20の設置室17となっている。
冷却ユニット20は、冷却器21と2個の冷却ファン22とを組み付けてユニット化したものである。冷却器21は、庫内の高さよりも若干低い高さ寸法と、同庫内の奥行きの半分強の幅とを持った縦長のブロック状に形成され、収納室15側の面と、その反対側の面の両面に開口部を設けた冷却器カバー21Aに収められている。一方、冷却ファン22は、ファンケース22A内に縦方向に2個並んで装置されており、同ファンケース22Aが、冷却器カバー21Aの正面側に揺動開閉可能に取り付けられることで、冷却ユニット20が形成されている。冷却ユニット20では、冷却器21の直前において2個の冷却ファン22が上下に並んで配された状態となる。
【0012】
このような冷却ユニット20が庫内の左側の設置室17に設置され、より詳細には、庫内の高さ方向並びに奥行方向のほぼ中央部において、冷却器カバー21Aの背面(収納室15とは反対側の面)と庫内の左側壁10Lとの間に所定の間隔を開けた形態で設置されている。また、冷却器21に対して出し入れされる冷媒管23が、機械室11内に装備された冷凍装置(図示せず)と循環接続されて、冷凍回路が構成されている。
【0013】
庫内右側の収納室15には、ホテルパン等のトレイTが複数段にわたり、前方から出し入れされて収納可能となっている。そのため、収納室15の左右の側面となる冷却ユニット20におけるファンケース22Aの正面板と、庫内の右側壁10Rとには、一対のトレイ受け25が対向して取り付けられるようになっている。
トレイ受け25はステンレス鋼線等の線材を素材として形成され、大まかには、縦長の長方形をなす枠体26を有し、両縦枠の間に載置棒27が一定のピッチで複数段(図示12段)にわたって差し渡されているとともに、枠体26の四隅の位置に、縦長の環形をなす取付部28が形成されている。
【0014】
一方、ファンケース22Aの正面板と、庫内の右側壁10Rとには、それぞれ対応する4箇所に取付具29が取り付けられていて、各トレイ受け25は、四隅の取付部28を対応する取付具29に掛止することにより、収納室15の左右の側面に対向した形態で着脱可能に取り付けられるようになっている。そしてトレイTは、図2に示すように、左右のフランジを同じ段で対向した載置棒27に載せつつ、前方から出し入れされて収納されるようになっている。
【0015】
冷却運転は、冷凍装置(圧縮機)と冷却ファン22とが駆動されることで行われ、図3の矢線に示すように、収納室15の空気がファンケース22Aを通って冷却ユニット20内に吸引されて冷却器21を通過する間に冷気が生成され、冷却ユニット20の背面側に吹き出された冷気が、庫内の左側壁10Lに当たって手前と奥に分かれて同冷却ユニット20の手前側と奥側の側面に回り込んだのち、一部が右側壁10R側まで流通しつつ収納室15に送り込まれるといった循環流を生じ、これによりトレイTに入れられた食品が急速冷却されるようになっている。
【0016】
この間、芯温センサ30によってトレイに入れられた食品の内部温度が検知され、同検知温度が予め定められた食品設定温度に達したら、急速冷却運転が停止され、選択によっては引き続いて保冷運転に切り替わる。なお、タイマ制御によって急速冷却運転を停止するようにしてもよい。
冷却ユニット20内における庫内空気の戻り流通部分には、図3に示すように、庫内温度を検知する庫内サーミスタ32が配されており、保冷運転中には、庫内サーミスタ32の検知温度が予め定めた庫内設定温度よりも高いか低いかによって冷凍装置(圧縮機)と冷却ファン22の運転と停止とが繰り返され、庫内が保冷用の設定温度に維持されるようになっている。
【0017】
図1に示すように、機械室11の正面における上部位置には操作パネル40が装備され、各種操作ボタン等が配備された操作部41と、情報等を表示する表示部42とが、横方向に並んで設けられている。操作ボタンの操作により、運転モードの設定や、庫内温度の設定等が行われ、それらが表示部42で表示されるようになっている。
【0018】
続いて、操作パネル40の配設構造の詳細を説明する。操作パネル40は、図4に示すように、横長の長方形状をなす金属板製のパネル本体43を有しており、その正面から見た右端寄りの位置には上記した操作部41が、その左側には表示部42がそれぞれ設けられている。
操作部41では、各種操作ボタン62(図7参照)が臨むボタン用窓44と、発光ダイオード63(図7参照)が臨むダイオード用窓45とが所定の配列で開口されており、裏側に、操作ボタン用基板60が取り付けられる。一方、表示部42では、やや横長の角形をなす表示窓46が開口されており、裏側に、表示装置である蛍光表示管50が取り付けられるようになっている。
また、パネル本体43の左端部には、漏電遮断器(図示せず)を装着するための装着孔48が開口されている。
【0019】
蛍光表示管50は、図6及び図12に示すように、全体としては扁平な方形のブロック状に形成され、一対のガラス板51を対向させてその回りにフレーム52を設けることで内部が真空とされ、その内部のほぼ全域に、セグメントをマトリクス状に配設した長方形の表示面53が形成され、その長さ方向の一側に導電路54が列設された構造であって、上記した表示面53が、実際に各種情報を表示する面となる。この表示面53は、上記した表示窓46よりも若干小さい平面形状に形成されている。
この蛍光表示管50が、一回り大きいプリント基板56上に載置され、同基板56の導電路等と電気的な接続をされつつ固定されている。プリント基板56の四隅には、取付孔57が開口されている。
【0020】
一方、操作ボタン用基板60は、図7に示すように、上記した操作部41の領域に匹敵するプリント基板61上に、複数の操作ボタン62と、発光ダイオード63とが、パネル本体43のボタン用窓44とダイオード用窓45の配列と対応した所定の配列で設けられた構造である。この操作ボタン用基板60におけるプリント基板61には、上下の二側縁に沿って、それぞれ図示4個ずつの取付孔65が開口されている。また、同プリント基板61における正面から見た左端寄りの位置には、上下2個の逃がし孔66が開口されている。
【0021】
上記したプリント基板56付きの蛍光表示管50がパネル本体43の表示部42の裏側に、また操作ボタン用基板60が同操作部41の裏側にそれぞれ取り付けられるが、端的には、図12に示すように、蛍光表示管50における表示面53の右縁から外側の部分が、操作ボタン用基板60のプリント基板61の左側縁部の裏側に重なって隠れるような形態で取り付けられる。
【0022】
詳細には、図8ないし図10に示すように、パネル本体43の操作部41の裏面には、背の低いセルスタッド70Lが、4本ずつ上下2列にわたり、かしめられて立てられており、それぞれナイロン製等の背の低いスペーサ71Lが嵌装されるようになっている。一方、パネル本体43の表示窓46の左右両側には、背の高いセルスタッド70Hが、上下2本ずつ同じくかしめられて立てられており、ナイロン製等の背の高いスペーサ71Hが嵌装されるようになっている。
【0023】
また、蛍光表示管50が表示窓46の奥側に位置することで、図11に示すように、パネル本体43と蛍光表示管50との間に隙間ができるから、同隙間を埋めるように、表示窓46の裏側の孔縁と、蛍光表示管50の表示面53の周縁との間に、目隠し部材73が配されるようになっている。この目隠し部材73は、表側に若干拡がった角形のラッパ状をなし、表側の4側縁には、それぞれ外側に曲げ形成されたフランジ74が形成されている。同フランジ74は、表示窓46の裏側の孔縁に当てられるようになっており、そのためフランジ74には、図示はしないが、セルスタッド70L,70Hを挿通して逃がす挿通孔や、操作部41に設けられたボタン用窓44と整合した窓孔が開口されている。
【0024】
次に、取り付けの手順の一例を説明する。まず目隠し部材73が、フランジ74の挿通孔を対応するセルスタッド70L,70Hに挿通しつつ、同フランジ74が表示窓46の裏側の孔縁に当てられる。なお、図8及び図9では、目隠し部材73の記載が割愛されている。続いて、各セルスタッド70L,70Hに対応するスペーサ71L,71Hが嵌装される。
次に、操作ボタン用基板60が取り付けられる。操作ボタン用基板60は、裏側から見た右側縁部の逃がし孔66に、表示窓46の左側に立てられた2本のセルスタッド70H並びにスペーサ71Hを嵌めて逃がしつつ、上下の各取付孔65に対応する背の低いセルスタッド70Lの突出端を嵌め、各取付孔65の孔縁をスペーサ71Lの端面に当てる。そののち、各セルスタッド70Lの突出端の雄ねじ部に、ワッシャ75を介してナット76をねじ込むことで、操作ボタン用基板60が、操作部41の裏面側の所定位置に取り付けられる。これにより、操作ボタン用基板60に設けられた各操作ボタン62と発光ダイオード63とが、操作部41に開口された対応するボタン用窓44とダイオード用窓45とに臨む。
【0025】
続いてプリント基板56付きの蛍光表示管50は、四隅の取付孔57に、対応する4本の背の高いセルスタッド70Hの突出端を嵌めて、その取付孔57の孔縁をスペーサ71Hの端面に当てる。そののち、各セルスタッド70Hの突出端の雄ねじ部に、ワッシャ75を介してナット76をねじ込むことで、プリント基板56付きの蛍光表示管50が、表示部42の裏面側の所定位置に取り付けられる。
このとき蛍光表示管50の表面が、図11に示すように、操作ボタン用基板60のプリント基板61の少し裏側に位置し、かつ図12に示すように、蛍光表示管50における表示面53の正面から見た右縁から外側の部分が、操作ボタン用基板60のプリント基板61の左側縁部の裏側に重なって隠れる。ただし、蛍光表示管50の表示面53は、パネル本体43の表示窓46の奥において同心に位置する。また、図13に示すように、目隠し部材73の裏側の周縁が、表示面53の周縁に対応するようにして蛍光表示管50の表面に当てられ、結果、蛍光表示管50の表示面53が表示窓46側に開放された状態において、パネル本体43と蛍光表示管50との間にできた隙間が目隠しされる。
【0026】
一方、パネル本体43の表面における表示部42と操作部41の領域にわたり、図5に示すようにシート80が張られており、同シート80には、表示部42側では、パネル本体43の表示窓46と対応した位置に窓孔81が開口されており、また操作部41側では、ダイオード用窓45と対応した位置に透孔部82が形成されているとともに、ボタン用窓44と対応した位置には、ボタンのマーク83が文字情報とともに印刷等によって形成されている。以上により、操作パネル40の形成が完了する。
図1に示すように、機械室11の正面の上部位置には横長の装着凹部34が形成されており、上記した操作パネル40が上縁側を奥に傾けた斜め姿勢として装着凹部34に嵌められ、詳しい説明は省略するが、パネル本体43の周縁に設けられた取付板43Aを、装着凹部34の周面等にねじ止めすることによって固定されている。
【0027】
本実施形態の急速冷却庫では、上記したように、急速冷却運転中において、冷却中の食品の芯温が食品設定温度まで低下したら同急速冷却運転を停止したり、あるいは、それに続く保冷運転中では、庫内温度が庫内設定温度よりも高いか低いかによって、冷凍装置(圧縮機)と冷却ファン22の運転と停止とが繰り返される、といったような各種制御運転が実行可能となっており、各制御運転の選定や、それに伴う設定温度の入力等は、操作パネル40において行う。
【0028】
一例として、庫内設定温度を入力あるいは変更する場合は、以下のようにして行う。図5に示すように、プログラムボタン83Aを押したのち、表示部42を目視しながら、十字キー83Bと確定ボタン83Cとを押圧して、同表示部42に「庫内設定温度」を表示させ、続いて同じく表示部42を目視しながら、十字キー83Bを押して「温度」の数字を入力し、所望の数値となったら、確定ボタン83Cを押して確定する、といった操作が行われる。
【0029】
本実施形態の操作パネル40では、パネル本体43の裏面側に、操作ボタン用基板60と蛍光表示管50とを並べて設ける当たり、蛍光表示管50における表示面53の右縁から外側の部分、言い換えると実際の表示には寄与しないデッドスペース部59を、操作ボタン用基板60のプリント基板61の左側縁部の裏側に重なって隠れるような形態で配したから、表示部42(表示面53の中心)と、操作部41(確定ボタン83Cの位置)との間の距離を短くできる。この距離は、例えば図4の距離aで示される。
ちなみに、図21に参照して示す従来例のように、操作ボタン用基板と、プリント基板付き蛍光表示管が干渉しないように並設された場合の表示部2(表示面の中心と対応する位置)と、操作部1(確定ボタンと対応する位置)との間の距離Aと比べると、本実施形態の同距離aは、従来例の同距離Aの70%弱と短くなっている。
【0030】
上記したように、庫内温度の設定等は、表示部42を目視しながら、十字キー83Bや確定ボタン83Cを押しながら行われるが、この実施形態では、表示部42と、特に十字キー83B付近の距離aが短くなっているから、表示部42と十字キー83B付近とを同時に目視することが可能となり、表示部42を見ながら十字キー83B等を押圧する作業が簡単となる。
また、表示部42と操作部41とが接近してコンパクトにまとまったから、見栄えが良いばかりでなく、操作パネル40の全体の長さに制限がある場合にも適用が可能であって、設計の自由度を増すことができる。
【0031】
本実施形態では、蛍光表示管50を操作ボタン用基板60の後方に配置することで、蛍光表示管50のデッドスペース部59となる右側縁部を、操作ボタン用基板60の左側縁部の裏に重ねるようにしており、言わば配置だけの問題であるから、操作ボタン用基板60等の大幅な形状変更を伴うことなく、比較的簡単に対応できる。
なお、蛍光表示管50が表示窓46の奥側に位置することで、パネル本体43と蛍光表示管50との間に隙間ができるが、同隙間を埋めるように目隠し部材73を配したから、見栄えも良くなる。
【0032】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図14ないし図20によって説明する。以下には、実施形態1との相違点を主に説明し、実施形態1と同一の機能を有する部位については、同一符号を付すことで、重複した説明は省略する。
実施形態2では端的には、図20に示すように、蛍光表示管50の正面から見た右側縁部が、操作ボタン用基板60Aの左側縁部に切り欠き形成された嵌合凹部90に嵌ることで、蛍光表示管50と操作ボタン用基板60Aとの互いに突き合う端縁同士が、実質的に重なるようになっている。
【0033】
詳細には、図14に示すように、操作ボタン用基板60Aのプリント基板61Aにおける正面から見た左側縁部には嵌合凹部90が形成され、同嵌合凹部90は、蛍光表示管50における表示面53の右縁から外側のデッドスペース部59、すなわち上記実施形態1において、操作ボタン用基板60のプリント基板61の左側縁部の裏側に隠された部分が嵌合可能な大きさを有している。
またこの実施形態2では、後記するように、蛍光表示管50のプリント基板56が、操作ボタン用基板60Aのプリント基板61Aの直ぐ後方に配されることで、背の高い側のセルスタッド70Mとスペーサ71Mとは、上記実施形態1の背の高い側のセルスタッド70Hとスペーサ71Hと比較すると、背が低くされている。また、実施形態1に備えられた目隠し部材73は除去されている。
【0034】
実施形態2における取付手順の一例を示すと、以下のようである。両セルスタッド70L,70Mに対応するスペーサ71L,71Mが嵌装される。まず、操作ボタン用基板60Aは、裏側から見た右側縁部の逃がし孔66に、表示窓46の左側に立てられた2本のセルスタッド70M並びにスペーサ71Mを嵌めて逃がしつつ、上下の各取付孔65に対応する背の低いセルスタッド70Lの突出端を嵌め、各取付孔65の孔縁をスペーサ71Lの端面に当てる。そののち、各セルスタッド70Lの突出端の雄ねじ部に、ワッシャ75を介してナット76をねじ込むことで、操作ボタン用基板60Aが、操作部41の裏面側の所定位置に取り付けられる。
【0035】
続いてプリント基板56付きの蛍光表示管50は、四隅の取付孔57に、対応する4本の背の高いセルスタッド70Mの突出端を嵌めて、その取付孔57の孔縁をスペーサ71Mの端面に当てる。このとき、蛍光表示管50における表示面53の正面から見た右縁から外側の部分(デッドスペース部59)が、操作ボタン用基板60Aのプリント基板61Aの左側縁部に切り欠き形成された嵌合凹部90に嵌り、図19に示すように、蛍光表示管50のプリント基板56は、操作ボタン用基板60Aのプリント基板61Aの比較的近い後方に配される。そののち、各セルスタッド70Mの突出端の雄ねじ部に、ワッシャ75を介してナット76をねじ込むことで、プリント基板56付きの蛍光表示管50が取り付けられる。
この結果、蛍光表示管50の表面は、パネル本体43の裏面の直ぐ後方に位置し、かつ蛍光表示管50の表示面53は、パネル本体43の表示窓46の少し奥において同心に位置するところとなる。
【0036】
この実施形態2でも、実施形態1と同様に、表示部42と、特に十字キー83B付近の距離が短くされ、そのため、表示部42と十字キー83B付近とを同時に目視することが可能となって、表示部42を見ながら十字キー83B等を押圧する作業が簡単となる。また、表示部42と操作部41とが接近してコンパクトにまとまることで、見栄えが良く、設計の自由度が増すことも同様である。
実施形態2では特に、蛍光表示管50がパネルの表示窓46の直ぐ裏に留められるから、表示面53が表面側から目視しやすい。
【0037】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)表示部に対して、上記実施形態に例示した蛍光表示管に限らず、液晶パネルや有機EL等の他の表示装置を装備したものにも、本発明は同様に適用することができる。
(2)表示部と操作部とは、縦方向に並んで配されていてもよい。
(3)操作パネルの配設位置も、収納室の前面開口の側縁部であったり、収納室の側面であったり、冷却庫の形状や大きさ等の条件に応じ、操作や目視がしやすい任意の位置に配することができる。
【0038】
(4)上記実施形態に例示した庫内温度の設定の操作方法等はあくまでも一例であって、様々な操作方法を適用することができる。
(5)また、操作ボタンの配列も任意に設定できる。
(6)本発明は、上記実施形態に例示した急速冷却庫に限らず、冷蔵庫、冷凍庫等の冷却庫全般に適用でき、さらに冷却庫に限らず、要は機器全般に装備された操作部と表示部とを並べて設けた操作パネルについて適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態1に係る急速冷却庫の断熱扉を外した状態の斜視図
【図2】庫内構造を示す正面図
【図3】同平断面図
【図4】操作パネルを構成するパネル本体の正面図
【図5】シートの正面図
【図6】蛍光表示管の斜視図
【図7】操作ボタン用基板の斜視図
【図8】操作パネルの背面から見た斜視図
【図9】同背面図
【図10】同平面図
【図11】表示部付近の拡大平断面図
【図12】その正面から見た断面図
【図13】その斜視図
【図14】実施形態2に係る操作ボタン用基板の背面から見た斜視図
【図15】操作パネルの背面から見た斜視図
【図16】その部分拡大斜視図
【図17】操作パネルの背面図
【図18】同平面図
【図19】表示部付近の拡大平断面図
【図20】その正面から見た断面図
【図21】従来例の正面図
【符号の説明】
【0040】
40…操作パネル 41…操作部 42…表示部 43…パネル本体 44…ボタン用窓 46…表示窓 50…蛍光表示管(表示装置) 53…表示面 56…プリント基板 60,60A…操作ボタン用基板 61,61A…プリント基板 62…操作ボタン 73…目隠し部材 83B…十字キー 83C…確定ボタン 90…嵌合凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル本体には表示部と操作部とが並んで設けられ、前記表示部は、前記パネル本体に開口された表示窓の裏面側に表示装置が配設されて形成されるとともに、前記操作部は、操作ボタンを有する操作ボタン用基板が、前記パネル本体の裏面側において前記操作ボタンが表面側から操作可能な形態で配設されることにより形成された操作パネルであって、
前記表示装置における前記操作ボタン用基板に隣接する側の側縁が、前記操作ボタン用基板における前記表示装置に隣接する側の側縁よりも内側に進入した形態で、前記表示装置と前記操作ボタン用基板とが配設されていることを特徴とする機器の操作パネル。
【請求項2】
前記表示装置が前記操作ボタン用基板の後方に配置され、かつ前記表示装置と前記操作ボタン用基板との隣接する側縁同士が重なり合って配設されていることを特徴とする請求項1記載の機器の操作パネル。
【請求項3】
前記パネル本体と前記表示装置との間の隙間を隠す目隠し部材が設けられていることを特徴とする請求項2記載の機器の操作パネル。
【請求項4】
前記操作ボタン用基板における前記表示装置と隣接する側縁には嵌合凹部が切り欠き形成され、同嵌合凹部内に、前記表示装置における前記操作ボタン用基板と隣接する側縁が嵌められていることを特徴とする請求項1記載の機器の操作パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2008−224973(P2008−224973A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62189(P2007−62189)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000194893)ホシザキ電機株式会社 (989)
【Fターム(参考)】