説明

機能剤投与デバイス、その製造方法及び製造装置

【課題】 従来、点滴による栄養剤や医薬剤の投与では注射針を使う為に皮膚損傷を起し易く、特に点滴を繰り返し行なう場合、皮膚損傷部位が大きく広がりすぎて患者に過度の肉体的かつ精神的負担をかけており、点滴に代わり得る新たな栄養剤等の投与手段、方法の開発が重要課題であった。また、それらの投与手段等として従来の微細糖質針の技術を応用するに際し、如何にして具現化するかが喫緊の課題であった。
【解決手段】 本発明の機能剤投与デバイスにおいては、微細糖質針の糖質の主成分にマルトースを、また糖質に栄養剤や医薬剤を含有させて用いる為、更には微細糖質針を微小形態とする為、皮膚内部に残留した微細糖質針の糖質が溶解し栄養剤となり、無痛状態で栄養剤等を簡易的及び継続的に経皮投与でき、また所定条件にて台座上に微細糖質針を作製する製造方法の為、高精度、低コスト及び簡便に製造し得るという効果を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体に栄養剤や医薬剤を経皮投与することを目的とする機能剤投与デバイス、その製造方法及び製造装置に関するものである。また本発明は、機能剤投与デバイスの主要部である糖質を主成分とする微細針、すなわち微細糖質針自体が栄養剤としての機能を有し、その微細糖質針による栄養剤の経皮投与技術に関するものである。さらに本発明は、その微細糖質針の糖質に医薬剤を含有させて人体に投与する医薬剤の経皮投与技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、人体への栄養剤や医薬剤投与の安全な代表的手段は、人がベッドに横たわって行う輸液化した栄養剤や医薬剤の点滴であった。しかし、災害時や事故時等ならびに過度なスポーツによる疲労時において、現場では点滴器具等がないにしても、その応急処置として早急に栄養剤や医薬剤の迅速投与が必要なことが各メディア等で大きく報じられている。
【0003】
このような社会的ニーズを背景として、近年においては微細糖質針の製造技術が進展し、応用面での発展も伴い、新たな試みであるが、点滴の代用として微細糖質針の技術が応用できるか否かが問われていた。ただし、微細糖質針が栄養剤等を投与できる量には限界があるので、必要な栄養剤等投与量の確保を可能とするデバイスが求められていた。この投与量の確保には複数の微細針を設けることによって解決できるのであるが、その際には量産化によるコスト低減を可能とする技術の開発が重要となる。
【0004】
かかる微細糖質針の量産化技術の開発において、従来の引き伸ばし方式を用いた生分解性物質(マルトースを主成分材料とする)からなる皮膚用針の製造では、加熱溶融した主成分材料を微細なノズルより押し出し、押し出された微細な主成分材料部分を基板(紙、テープ、プラスティック性又は金属性シート等)に付着させた後、その部分を引き伸ばすことにより、一個々々ごとに皮膚用針を製造する方法及び装置(例えば、特許文献1参照)が提供されている。
【特許文献1】 再公表特許(A1) JP WO2006/077742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、栄養剤等の補給手段としては経口投与が中心であるが、経口投与が困難な場合は、静脈に打つ点滴によって栄養剤を投与するが、注射針を使って静脈点滴を行うので、注射針の傷による皮膚表面の損傷が起こり、点滴による栄養剤投与を繰り返し何度も施行すると、皮膚表面の損傷部位が大きく広がりすぎて、患者に過度の肉体的かつ精神的負担をかけることになり、また点滴自体の続行が極めて困難となり、このことが点滴の大きな問題であった。そこで、このような点滴の問題を克服するべく、点滴に代わり得る新たな手段、方法の開発が課題となっており、特に従来の微細糖質針の技術を如何にして応用するかが喫緊の課題でもあった。
【0006】
従来の多数の微細糖質針を基板上に立設する場合では、上記の特許文献1に記載されているように、基板は粘着性のあるもので耐熱性及び伸縮性を有した、紙、テープ、プラスティック性又は金属性シート等が使用されていたので、微細糖質針の基板への接着強度は十分ではなく、その為に微細糖質針が基板から脱落し易くなったり、皮膚挿入時に折れ易くなったりし、製品歩留りは低迷することとなり、この問題を解決する手段の開発が課題となっていた。
【0007】
また、従来、基板上に糖質微細針を直接設けるため、ノズルより加熱溶融した糖質材をノズルより押し出し、押し出された微細な糖質材部分を基板に接着し、ノズルを基板より徐々に引き離すことにより、すなわち糖質材部分を引き伸ばすことにより基板上に微細糖質針を立設したが、加熱溶融した糖質材を押し出す微細なノズルは極めて精密に加工する必要があるため、コンピュータ制御によるノズル加工、ノズルからの押し出し量制御及びノズルの移動制御を含めると高価な製造装置となり、その分コスト高の要因となった。また、複数の微細糖質針を基板上に立設するには、同数のノズルを必要とするため、さらにコスト高を招く要因ともなった。さらに複数のノズルは、個々のノズル差から現れるノズル間のバラツキが、微細糖質針のバラツキになり、量産化あるいは均一化における阻害要因ともなった。従って、これらの問題を解決する手段の開発が課題であった。
【0008】
さらには、栄養剤等の経皮投与量を確保するために従来の微細糖質針の本数を増やす構造をとる場合、同数のノズルを必要とするが、ノズル外形の微細化限界に起因して、ノズル領域確保のため基板上において単位面積当りの微細糖質針の個数密度(集積度)に限界があり、このことも解決すべき課題となっていた。
【0009】
また、従来の多数の微細糖質針を基板上に設ける場合、コストを抑えるため、単一ノズルのみで、各針を設ける位置に移動しながら微細針を設け、多数の糖質針を形成する方法もあるが、移動機構付加および移動時間がかさみ、生産効率に限界が生じ、この分のコスト高は無視できず、この問題を解決する手段の開発も課題であった。
【0010】
次に、従来のノズルによる引き伸ばし方式では、ノズル部と基板設置部の2箇所に加熱用ヒータを設ける必要があり、装置規模の温度制御機構を2箇所必要とするので、装置が複雑で装置規模も大きくなり、コスト面で不利となった。また、複数のノズルを設ける場合は、その数だけ温度制御機構を必要とし、さらにコスト高を導くこととなり、これらの問題を解決する手段の開発も重要課題となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の様々な課題を解決するべく、本発明者らは鋭意研究開発を行ったところ、本発明においては、これらの課題を解決するための手段、方法として、
(1)多糖類からなる基板上に、台座高さ10μm〜2mm、台座上面の直径30μm〜1mm、前記基板と接する台座底面の直径40μm〜1.5mmである略円柱形状の多糖類からなる台座を複数個設け、前記台座上に、針先端の直径0.5μm〜20μm、針長さ50μm〜2mm、前記台座上面と接する針底面の直径30μm〜1mmである略円錐形状又は釣鐘形状の微細糖質針を設けた構造であることを特徴とする機能剤投与デバイス、並びに、
(2)多糖類からなる基板上に、台座高さ10μm〜2mm、台座上面の直径30μm〜1mm、前記基板と接する台座底面の直径40μm〜1.5mmである略円柱形状の多糖類からなる台座を複数個設け、前記台座上に、針先端の直径0.5μm〜20μm、針長さ50μm〜2mm、前記台座上面と接する針底面の直径30μm〜1mm、針長さ方向における略中間部の最大直径が50μm〜1.5mmである宝珠形状の微細糖質針を設けた構造であることを特徴とする機能剤投与デバイス、並びに、
(3)多糖類からなる基板上に、台座高さ10μm〜2mm、台座上面が直径30μm〜1mmの円に内接又は外接し、前記基板と接する台座底面が直径40μm〜1.5mmの円に内接又は外接する略多角柱形状の多糖類からなる台座を複数個設け、前記台座上に、針先端の直径0.5μm〜20μm、針長さ50μm〜2mm、針底面が該台座上面と同一形状である略多角錐形状又は略釣鐘形状の微細糖質針を設けた構造であることを特徴とする機能剤投与デバイス、並びに、
(4)多糖類からなる基板上に、台座高さ10μm〜2mm、台座上面が直径30μm〜1mmの円に内接又は外接し、前記基板と接する台座底面が直径40μm〜1.5mmの円に内接又は外接する略多角柱形状の多糖類からなる台座を複数個設け、前記台座上に、針先端の直径0.5μm〜20μm、針長さ50μm〜2mm、針底面が該台座上面と同一形状で、針長さ方向における略中間部が直径50μm〜1.5mmの円に内接又は外接する略多角形である略宝珠形状の微細糖質針を設けた構造であることを特徴とする機能剤投与デバイス、並びに、
(5)前記多糖類がプルラン又はカルボキシメチルセルロースであり、前記微細糖質針の糖質がマルトースであることを特徴とする前記(1)から(4)いずれか記載の機能剤投与デバイス、並びに、
(6)前記多糖類がプルラン又はカルボキシメチルセルロースであり、前記微細糖質針の糖質が主成分をマルトースとし、他成分をグルコース又はトレハロースとする糖質混合物であることを特徴とする前記(1)から(4)いずれか記載の機能剤投与デバイス、並びに、
(7)前記微細糖質針の糖質に、ビタミンA、ビタミンB複合体、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、グルタミン、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、γ−アミノ酪酸、タウリン、脂肪酸、核酸、アドレナリン、から選択される1又は2以上の栄養剤を含有させたことを特徴とする前記(5)又は(6)記載の機能剤投与デバイス、並びに、
(8)前記微細糖質針の糖質に、鎮痛薬剤、消炎薬剤、解熱鎮痛消炎薬剤、抗真菌剤、抗菌剤、抗ウィルス薬、強心薬、血栓溶解剤、止血剤、利尿薬、高血圧治療薬、麻酔剤、鎮静剤、睡眠薬、抗痙攣薬、抗不安薬、酔い止め薬、精神安定剤、抗うつ剤、睡眠鎮静剤、抗原虫薬剤、から選択される1の医薬剤を含有させたことを特徴とする前記(5)又は(6)記載の機能剤投与デバイス、並びに、
(9)前記多糖類からなる基板上に、金型成型による前記多糖類からなる台座を複数個成形した後、昇降制御機構を有し水平面に沿うステージに、前記基板を前記台座が鉛直下向き方向を指すように取り付け、前記台座上面を静置状態の90℃〜120℃に温度制御された糖質加熱容器内の溶融した前記糖質の上面に接触させた後、前記ステージを昇降させることにより前記台座上面に前記微細糖質針を成形することを特徴とする前記(1)から(8)いずれか記載の機能剤投与デバイスの製造方法、並びに、
(10)前記多糖類からなる基板上に、金型成型による前記多糖類からなる台座を複数個成形した後、昇降制御機構を有し水平面に沿うステージに、前記基板を前記台座が鉛直下向き方向を指すように取り付け、前記台座上面を静置状態の90℃〜120℃に温度制御された糖質加熱容器内の溶融した前記糖質の上面に接触させた後、前記ステージを昇降させることにより前記台座上面に前記微細糖質針を成形することを特徴とする機能剤投与デバイスの製造方法による前記(1)から(8)いずれか記載の機能剤投与デバイス、並びに、
(11)前記ステージの昇降移動距離をデジタル式に微小に区切り、前記昇降移動距離を任意に変更して前記ステージ昇降の移動速度を微調整する制御方法により、前記台座上面に前記微細糖質針を高精度に成形することを特徴とする前記(9)記載の機能剤投与デバイスの製造方法、並びに、
(12)前記(9)記載の機能剤投与デバイスの製造方法において、前記ステージの昇降移動距離をデジタル式に微小に区切り、前記昇降移動距離を任意に変更して前記ステージ昇降の移動速度を微調整する制御方法により、前記台座上面に前記微細糖質針を高精度に成形することを特徴とする機能剤投与デバイスの製造方法による前記(1)から(8)いずれか記載の機能剤投与デバイス、並びに、
(13)前記機能剤投与デバイスの製造装置において、90℃〜120℃の温度制御機構を有する糖質加熱容器、及び前記基板を前記台座が鉛直下向き方向を指すように取付けることが可能な昇降制御機構を有する水平面に沿うステージであり、更に前記台座上面と溶融した前記糖質の上面との距離を任意に位置決めする位置合わせ制御機構を有する前記ステージ、から構成されることを特徴とする前記(1)から(8)いずれか記載の機能剤投与デバイスの製造装置、
としたものである。
【0012】
本発明の機能剤投与デバイスにおいては、点滴による応急処置が必要なとき、本発明における微細糖質針を点滴の代用として皮膚に挿入した場合、容易に皮膚内に挿入し、かつ前記台座上面及び前記針底面の接触部近傍で微細糖質針が容易に折れて皮膚内に残留し、皮膚内部に残留した微細糖質針自体が栄養剤や医薬剤となり、消化器官を通さずに栄養剤等を患部に無痛状態で簡易的に投与することが可能となり、患者への肉体的かつ精神的負担を大きく低減することができた。また、本発明の機能剤投与デバイスにおける微細糖質針は、糖質針自体が微小なため、皮膚を損傷させたり、変形させたりすることもなく、皮膚に対して継続して使用することが可能となった。さらには、本発明の機能剤投与デバイスにおいては、微細糖質針の糖質に他の栄養剤や医薬剤を容易に含有させることもでき、このことにより本機能剤投与デバイスの機能性において自由度を大きく向上させ得たものである。
【0013】
本発明の機能剤投与デバイスにおいては、微細糖質針を基板上に直接に設けることをせず、多糖類からなる基板上に多糖類からなる台座を複数個設け、各々の台座上に一個ずつ微細糖質針を設けることにより、高い溶接性を有する多糖類と糖質との高接着性の為、微細糖質針の台座への接着が強力なものとなり、微細糖質針の製品歩留まりを向上させることが可能となった。また、従来、微細糖質針の形状は主として円錐形状や多角錐形状であり、これでは栄養剤や医薬剤等の投与量に制限があったが、本発明では釣鐘形状、宝珠形状、またそれらの略形状をも採用することにより、栄養剤等の投与量を大きく増加させることが可能となった。
【0014】
本発明の機能剤投与デバイスの製造方法においては、前記多糖類からなる基板上に、金型成型による前記多糖類からなる台座を複数個成形した後、昇降制御機構を有し水平面に沿うステージに、前記基板を前記台座が鉛直下向き方向を指すように取り付け、前記台座上面を静置状態の90℃〜120℃に温度制御された糖質加熱容器内の溶融した前記糖質の上面に接触させた後、前記ステージを昇降させることにより前記台座上面に前記微細糖質針を成形することとしたため、従来の引き伸ばし方式で必要なノズル機構を一切必要とせず、このことにより大幅なコスト低減が可能となった。また、前記基板に設けた微細な前記台座は、金型によって成形するので、台座間のバラツキは金型のバラツキ程度に十分小さく抑えることができ、1回の前記ステージの昇降による微細糖質針の成形につき、多数の微細糖質針を同時並行に成形することが可能となり、微細糖質針の均一化、量産化を成し得たものである。尚、本発明においては、微細等質針の針底面が該台座上面と同一形状であることになるが、これは該台座上面に溶接された溶融糖質材を前記ステージの昇降により引き伸ばして微細糖質針を成形することに起因するものである。
【0015】
本発明の機能剤投与デバイスにおいては、栄養剤や医薬剤の投与量を確保するため微細糖質針の本数を増やす構造をとるが、金型により複数の台座を高精度に作製できるので、台座は金型の製作の高精度化によって、基板面上の台座について単位面積あたりの個数密度を上げて成形することでき、これにより微細糖質針の基板単位面積あたりの個数密度が高い高集積化構造をとることが可能となった。
【0016】
本発明の機能剤投与デバイスの製造方法においては、基板上に成形された複数の台座上に微細糖質針を設ける方式を採用しているため、糖質加熱部は前記糖質を加熱溶融させるために1箇所のみに収めることができるので、装置構造の簡略化が図れ、大幅なコスト低減化を可能とした。
【発明の効果】
【0017】
本発明の機能剤投与デバイスを点滴の代用として患者に使用した場合、すなわち患者の皮膚へ微細糖質針を挿入した場合、皮膚内部に残留した微細糖質針自体が栄養剤や医薬剤となり、栄養剤等を患部に無痛状態で簡易的に投与でき、患者への肉体的かつ精神的負担を大きく低減することができるという効果が得られた。また、本発明の機能剤投与デバイスにおける微細糖質針は、糖質針自体が微小なため、皮膚を損傷させたり、変形させたりすることもなく、皮膚に対して継続して使用できるという効果も得られた。さらには、本発明の機能剤投与デバイスにおいては、微細糖質針の糖質に他の栄養剤や医薬剤を容易に含有させることもでき、このことにより本機能剤投与デバイスの機能性において自由度を大きく増加させ得るという効果をも得られた。
【0018】
本発明の機能剤投与デバイスにより、多糖類からなる基板上に多糖類からなる台座を複数個設け、各々の台座上に一個ずつ微細糖質針を設けることによって、高い溶接性を有する多糖類と糖質との高接着性の為、微細糖質針の台座への接着が強力なものとなり、微細糖質針の製品歩留りを向上させ得るという効果が得られた。また、本発明では釣鐘形状、宝珠形状、またそれらの略形状をも採用することにより、栄養剤等の投与量を飛躍的に増加させ得るという効果も得られた。
【0019】
本発明の機能剤投与デバイスの製造方法では、前記多糖類からなる基板上に、金型成型による前記多糖類からなる台座を複数個成形した後、昇降制御機構を有し水平面に沿うステージに、前記基板を前記台座が鉛直下向き方向を指すように取り付け、前記台座上面を静置状態の90℃〜120℃に温度制御された糖質加熱容器内の溶融した前記糖質の上面に接触させた後、前記ステージを昇降させることにより前記台座上面に前記微細糖質針を成形することとしたため、大幅にコスト低減し得るという効果が得られた。また、本発明の製造方法では、1回の前記ステージの昇降による微細糖質針の成形につき、多数の微細糖質針を同時並行に成形することが可能となり、微細糖質針の均一化、量産化を成し得るという効果をもたらせた。
【0020】
本発明の機能剤投与デバイスでは、金型により複数の台座を高精度に作製できるので、台座は金型の製作の高精度化によって、基板面上の台座について単位面積あたりの個数密度を上げて成形することでき、これにより微細糖質針の基板単位面積あたりの個数密度が高い高集積化構造をとり得るという効果が得られた。
【0021】
本発明の機能剤投与デバイスの製造方法では、基板上に成形された複数の台座上に微細糖質針を設ける方式を採用しているため、糖質加熱部は前記糖質を加熱溶融させるために1箇所のみに収めることができ、装置構造の簡略化が図れ、大幅なコスト低減化をなし得るという効果をも得られた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の機能剤投与デバイス、その製造方法及び製造装置の実施形態について以下に詳述するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではない。
【0023】
本発明において、微細糖質針とは糖質からなる微細針を意味し、機能剤とは栄養剤又は医薬剤を意味するものであり、また機能剤投与デバイスとは微細糖質針の皮膚内挿入、残留後の皮膚内溶解により、栄養剤又は医薬剤を人体内へ投与するデバイスを意味し、更には栄養剤等を人体内へ経皮投与する治具を意味するものである。すなわち、本発明の機能剤投与デバイスは、多糖類からなる基板、基板上に複数個設けられた多糖類からなる台座、及びその各々の台座に1個ずつ設けられた微細糖質針から構成されるものである。尚、図1は従来の引き伸ばし方式により基板上に設けた微細糖質針の概略図であるが、ノズルを用いた従来の引き伸ばし方式による微細糖質針1は基板2上に直接立設されていることがわかる。この基板2の材質には、前記の特許文献1の記載のように、粘着性であり、耐熱性及び伸縮性を有した、紙、テープ、プラスティック性又は金属性シート等が使用されてきたため、微細糖質針の基板への接着強度は十分ではなく、それ故に微細糖質針が基板から脱落し易く、また皮膚挿入時に折れ易いものであった。さらに、前記の引き伸ばし方式における押し出しノズルを高精度に加工したとしても、それらノズルを高精度に集積化して押し出しノズル機構を製作することは極めて困難であり、図1に示す通り、ある程度の間隔をあけて微細糖質針を基板上に立設することとなる。この場合、微細糖質針自体の高集積化は望むべくもないこととなる。従って、ノズルを用いた従来の引き伸ばし方式による微細糖質針では、栄養剤等の投与量の向上は期待できない。
【0024】
本発明において多糖類からなる基板とは、特にその大きさ、基板を真上から見た形状は限定されず、基板状のものであれば任意の大きさ、形状で良い。尚、その多糖類には、プルラン、カルボキシメチルセルロース、アミロース、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、グリコサミノグリカンなどが使用され得るが、特には、プルラン、カルボキシメチルセルロースが高い溶接性であり、安全性及び安定性が高く、入手容易な製品であるという理由から好適である。次に、本発明において多糖類からなる台座には、その多糖類としてプルラン、カルボキシメチルセルロース、アミロース、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、グリコサミノグリカンなどが使用され得るが、特には、プルラン、カルボキシメチルセルロースが高い溶接性であり、安全性及び安定性が高く、入手容易な製品であるという理由から好適である。また、基板と台座の材質(多糖類)には同じ多糖類又は異なる多糖類を用いても良いが、低コスト化のために基板と台座を一体化製造する場合は同じ多糖類を用いることが好適となる。次に、本発明において多糖類からなる台座には、台座高さ10μm〜2mm、台座上面の直径30μm〜1mm、前記の基板と接する台座底面の直径40μm〜1.5mmである略円柱形状のものが好適に使用される。この台座高さが10μmより小さい場合には、台座成形用の微細金型の加工に過剰なコスト高を招くという理由から好ましくなく、台座高さが2mmより大きい場合には、台座及び微細糖質針が大きくなり過ぎて微細性を失うという理由から好ましくない。また、この台座上面の直径が30μmより小さい場合には、台座成形用の微細金型の加工に過剰なコスト高を招くという理由から好ましくなく、台座上面の直径が1mmより大きい場合には、台座上に設ける微細糖質針の先端を鋭利にする引き伸ばし加工が困難になるという理由から好ましくない。さらに、前記の台座底面の直径が40μmより小さい場合には、台座成形用の微細金型の加工に過剰なコスト高を招くという理由から好ましくなく、前記底面の直径が1.5mmより大きい場合には、台座上面の直径を30μm〜1mmの範囲内に金型成形加工することが困難になるという理由から好ましくない。尚、台座の形状は特に限定されないが、加工が容易で、かつ加工精度も高いという観点からは、略円柱形状や後述の略多角柱形状が好適である。ちなみに、本発明における前記の略円柱形状、略多角柱形状には、円柱又は多角柱において底面積よりも上面積が大きい場合又は小さい場合、更には同じ場合が含まれ、それ故に略円柱、略多角柱としていることに留意する必要がある。
【0025】
本発明において糖質からなる微細糖質針には、針先端の直径0.5μm〜20μm、針長さ50μm〜2mm、前記の台座上面と接する針底面の直径30μm〜1mmである略円錐形状、釣鐘形状等のものが好適に使用される。この針先端の直径が0.5μmより小さい場合には、超微細な引き伸ばし加工に過剰なコスト高を招くという理由から好ましくなく、針先端の直径が20μmより大きい場合には、針先を皮膚に挿入することが困難であり、かつ針挿入時に痛みを伴うという理由から好ましくない。また、この針長さが50μmより小さい場合には、針先端の微細な引き伸ばし加工が高コストになるという理由から好ましくなく、針長さが2mmより大きい場合には、引き伸ばし加工により針径が太くなって針の皮膚挿入時の痛みが大きくなるという理由から好ましくない。さらに、前記の針底面の直径が30μmより小さい場合には、針を皮膚に挿入する際に脆くなるという理由から好ましくなく、前記底面の直径が1mmより大きい場合には、台座上に設ける微細糖質針の先端を鋭利に引き伸ばし加工することが困難になるという理由から好ましくない。尚、微細糖質針の形状は特に限定されないが、本製造法による加工のし易さ及び台座上面が略円形状であるという観点からは、略円錐形状、釣鐘形状、宝珠形状が好適である。このうち、釣鐘形状、宝珠形状は、略円錐形状の場合と比べて、微細糖質針自体の体積が大きく、栄養剤等の投与量を増加させるには好適である。この宝珠形状には、前述の微細糖質針の大きさにおける数値範囲に加えて、針長さ方向における略中間部の最大直径が50μm〜1.5mmが好適であるが、この最大直径が50μmより小さい場合には、微細曲線に引き伸ばし加工する上で精度に限界があるという理由から好ましくなく、最大直径が1.5mmより大きい場合には、針の皮膚挿入時に痛みを伴うという理由から好ましくない。次に、本発明における微細糖質針の糖質には、人体内で容易に溶解し、生体に適合しやすい栄養剤であるという理由から、主成分としてマルトース、他成分としてグルコース、トレハロース等の糖類が好適に使用される。尚、図2は本発明の機能剤投与デバイスにおける基板上台座(略円柱形状)の概略図であるが、この図では多糖類からなる基板6上に、略円柱形状の多糖類からなる台座3が9個設けられており、各台座においては台座上面4、台座底面5の位置関係が図示されている。これらの台座は、台座上面が台座底面より小さい面積を有する略円柱形状となっている。また、図3は本発明の略円錐形状の微細糖質針を有する機能剤投与デバイスの概略図であるが、この図では図2で示された多糖類からなる台座3の各上面に略円錐形状の微細糖質針7が1個ずつ設けられており、前記の微細糖質針7が9個示されている。次に図4は、図3の機能剤投与デバイスについて、台座及び基板を一体化製造した機能剤投与デバイスの断面を示す概略図である。この図4では、一体化製造された台座及び基板8が示されているが、この場合には基板と台座は同じ多糖類の材質からなり、従って基板と台座の境界はなく、それらは一体化して図示されている。さらに図5は、図3の機能剤投与デバイスについて、台座及び基板を分離製造した機能剤投与デバイスの断面を示す概略図である。この図5では、分離製造された基板10及び分離製造された台座9が示されているが、この場合には基板10と台座9は異なる多糖類の材質からなり、従って基板10と台座9には境界があり、それらは分離して図示され、それ故に台座底面5は明瞭に示される。次に、図6は本発明の釣鐘形状の微細糖質針を有する機能剤投与デバイスの概略図であるが、この図では図2で示された多糖類からなる台座3の各上面に釣鐘形状の微細糖質針11が1個ずつ設けられており、前記の微細糖質針11が9個示されている。また、図7は本発明の宝珠形状の微細糖質針を有する機能剤投与デバイスの概略図であるが、この図では図2で示された多糖類からなる台座3の各上面に宝珠形状の微細糖質針12が1個ずつ設けられており、前記の微細糖質針12が9個示されている。
【0026】
本発明において多糖類からなる台座には、上記の略円柱形状の台座とは異なる別態様として、台座高さ10μm〜2mm、台座上面が直径30μm〜1mmの円に内接又は外接し、前記の基板と接する台座底面が直径40μm〜1.5mmの円に内接又は外接する略多角柱形状のものが好適に使用される。この台座高さが10μmより小さい場合には、台座成形用の微細金型の加工に過剰なコスト高を招くという理由から好ましくなく、台座高さが2mmより大きい場合には、台座及び微細糖質針が大きくなり過ぎて微細性を失うという理由から好ましくない。また、台座上面が内接又は外接する円の直径が30μmより小さい場合には、台座成形用の微細金型の加工に過剰なコスト高を招くという理由から好ましくなく、前記円の直径が1mmより大きい場合には、台座上に設ける微細糖質針の先端を鋭利にする引き伸ばし加工が困難になるという理由から好ましくない。さらに、前記の台座底面が内接又は外接する円の直径が40μmより小さい場合には、台座成形用の微細金型の加工に過剰なコスト高を招くという理由から好ましくなく、前記円の直径が1.5mmより大きい場合には、台座上面の直径を30μm〜1mmの範囲内に金型成形加工することが困難になるという理由から好ましくない。尚、台座の形状は特に限定されないが、加工が容易で、かつ加工精度も高いという観点からは、前述の略円柱形状や略多角柱形状が好適である。次に、本発明において糖質からなる微細糖質針には、針先端の直径0.5μm〜20μm、針長さ50μm〜2mm、針底面が該台座上面と同一形状である略多角錐形状又は略釣鐘形状等のものが好適に使用される。これらの好適な数値範囲の理由については前述と同様である。尚、微細糖質針の形状は特に限定されないが、本製造法による加工のし易さ及び台座上面が略多角形状であるという観点からは、略多角錐形状、略釣鐘形状、略宝珠形状が好適である。このうち、略釣鐘形状、略宝珠形状は、略多角錐形状の場合と比べて、微細糖質針自体の体積が大きく、栄養剤等の投与量を増加させるには好適である。この略宝珠形状には、前述の微細糖質針の大きさ及び形状に加えて、針長さ方向における略中間部が直径50μm〜1.5mmの円に内接又は外接する略多角形であることが好適であるが、前記直径が50μmより小さい場合には、微細曲線に引き伸ばし加工する上で精度に限界があるという理由から好ましくなく、前記直径が1.5mmより大きい場合には、針の皮膚挿入時に痛みを伴うという理由から好ましくない。尚、針長さ方向における略中間部が直径50μm〜1.5mmの円に内接又は外接する略多角形であることとは、前記の略中間部の位置において水平面で微細糖質針を切断した時の断面が略多角形であり、かつこの略多角形が直径50μm〜1.5mmの円に内接又は外接するということを意味するものである。また、この微細糖質針においては、前述の釣鐘形状、宝珠形状の微細糖質針を水平面で切断した時の断面が略円形(台座上面が略円形のため)であるのに対し、前記の略釣鐘形状、略宝珠形状を同様に切断した時の断面が略多角形(台座上面が略多角形状のため)であるという点で異なり、それ故に本発明では略釣鐘形状、略宝珠形状と記すことに留意を要する。尚、図8は本発明の略四角錐形状の微細糖質針を有する機能剤投与デバイスの概略図であるが、この図では略四角柱形状の多糖類からなる台座3の各上面に略四角錐形状の微細糖質針13が1個ずつ設けられており、前記の微細糖質針13が9個示されている。次に、図9は本発明の略釣鐘形状の微細糖質針を有する機能剤投与デバイスの概略図であるが、この図では略四角柱形状の多糖類からなる台座3の各上面に略釣鐘形状の微細糖質針14が1個ずつ設けられており、前記の微細糖質針14が9個示されている。また、図10は本発明の略宝珠形状の微細糖質針を有する機能剤投与デバイスの概略図であるが、この図では略四角柱形状の多糖類からなる台座3の各上面に略宝珠形状の微細糖質針15が1個ずつ設けられており、前記の微細糖質針15が9個示されている。
【0027】
本発明において微細糖質針の糖質に含有させる栄養剤には、ビタミンA、ビタミンB複合体、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、グルタミン、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、γ−アミノ酪酸、タウリン、脂肪酸、核酸、アドレナリン、から選択される1又は2以上の栄養剤であることが好適である。特に、レチノール、レチナールなどのビタミンA、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、アデニン、パントテン酸、ピリドキシン、ピリドキサミン、ビオチン、アデニル酸、葉酸、葉酸と他のビタミンB化合物との混合物、ビタミンS、シアノコバラミン、ピリミジン−5−カルボン酸、ビタミンB−14及びB−10及びB−11の混合物、ジメチルグリシン、アミグダリン、ビタミンB−22、葉酸、ビタミンB−9、イノシトール、L−カルニチン、ビオチン、パラアミノ安息香酸などのビタミンB複合体、L−アスコルビン酸などのビタミンC、エルゴカルシフェロールなどのビタミンD、トコフェロールなどのビタミンE、フィロキノンなどのビタミンK、トリプトファン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、イソロイシン、ロイシン、ヒスチジンなどの必須アミノ酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、セリン、システイン、グルタミン、グリシン、プロリン、チロシンなどの非必須アミノ酸、アミノエチルスルホン酸などのタウリン、ブタン酸、ヘキサドコサン酸などの脂肪酸、DNA、RNAなどの核酸、カテコールアミンなどのアドレナリン、などが好適に使用され得る。尚、微細糖質針の糖質に栄養剤を含有させる方法としては特に限定されないが、微細糖質針の糖質原料に前記栄養剤を混合した後にその加熱溶融混合物を微細糖質針化する方法や、加熱溶融した糖質原料に前記栄養剤を混合させた後にその加熱溶融混合物を微細糖質針化する方法等があるが、前記栄養剤の機能を損ねない方法であれば何れの方法でも良い。
【0028】
本発明において微細糖質針の糖質に含有させる医薬剤には、鎮痛薬剤、消炎薬剤、解熱鎮痛消炎薬剤、抗真菌剤、抗菌剤、抗ウィルス薬、強心薬、血栓溶解剤、止血剤、利尿薬、高血圧治療薬、麻酔剤、鎮静剤、睡眠薬、抗痙攣薬、抗不安薬、酔い止め薬、精神安定剤、抗うつ剤、睡眠鎮静剤、抗原虫薬剤、から選択される1の医薬剤であることが好適である。特に、アセトアミノフェン、サリチル酸塩、モルヒネなどの鎮痛薬剤、アスピリン、サリチル酸、ジクロフェナク、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカムなどの消炎薬剤、アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛消炎薬剤、アンフォテリシンB、フルシトシン、エコナゾール、ミコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、ミカファンギン、塩酸テルビナフィン、リラナフタート、ブテナフィン、アモロルフィン、グリセオフルビンなどの抗真菌剤、スルファメチゾール、ベンジルペニシリン、クロロテトラサイクリン、クロラムフェニコールなどの抗菌剤、アシクロビール、ガンシクロビル、フォスカルネットなどの抗ウィルス薬、ジギタリスなどの強心薬、ヘパリン、ワルファリン、ウロキナーゼなどの血栓溶解剤、トラネキサム酸、コラーゲンなどの止血剤、濃グリセリン、ヒドロクロロサイアザイド、トリクロルメチアジド、インダパミド、クロルタリドン、スピロノラクトンカンレノ酸カリウム、エプレレノン、アセタゾラミド、塩酸ドパミン、アミノフィリン、カルペリチド、塩酸クロルプロマジンなどの利尿薬、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、フロセミド、ブメタニド、エタクリン酸、スピロノラクトン、トリアムテレン、アムロジピン、ジルチアゼムなどの高血圧治療薬、クエン酸フェンタニル、ベンゾジアゼピン、ジアゼバム、塩酸プロメタジン、リドカインなどの麻酔剤、チオペタールなどの鎮静剤、トリアゾラム、エキゾラム、ベントバルビタール、フルニトラゼバム、フルラゼバムなどの睡眠薬、フェノバルビタールなどの抗痙攣薬、エキゾラム、ロラゼバム、クロキサゾラム、プラゼバムなどの抗不安薬、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸プロメタジン、ロラタジンなどの酔い止め薬、メジートランキライザなどの精神安定剤、塩酸ププロピオン、塩酸トラゾドン、スルピリドなどの抗うつ剤、トリアゾラム、エスタゾラム、アモバルビタール、酒石酸ゾルビデムなどの睡眠鎮静剤、スルファドキシン−ピリメタミンなどの抗原虫薬剤、などが好適に使用され得る。尚、微細糖質針の糖質に医薬剤を含有させる方法としては特に限定されないが、微細糖質針の糖質原料に前記医薬剤を混合した後にその加熱溶融混合物を微細糖質針化する方法や、加熱溶融した糖質原料に前記医薬剤を混合させた後にその加熱溶融混合物を微細糖質針化する方法等があるが、前記医薬剤の機能を損ねない方法であれば何れの方法でも良い。
【0029】
本発明の機能剤投与デバイスの製造方法においては、前記の多糖類からなる基板上に、金型成型による前記の多糖類からなる台座を複数個成形した後、昇降制御機構を有し水平面に沿うステージに、前記基板を前記台座が鉛直下向き方向を指すように取り付け、前記台座上面を静置状態の90℃〜120℃に温度制御された糖質加熱容器内の溶融した前記糖質の上面に接触させた後、前記ステージを昇降させることにより前記台座上面に前記微細糖質針を成形することが好適になされる。この前記の昇降制御機構は、微細な鉛直方向の制御性が必要であるという理由から、微細なデジタル駆動が可能なステップモータによる制御機構などが好適に使用され得る。また、この前記の糖質加熱容器は、安定に糖質溶融温度を保持するという理由から、恒温特性を有するステンレス製加熱容器などが好適に使用され得る。さらには、この前記の糖質加熱容器の制御温度が90℃より小さい場合、十分に糖質が溶融されずに凝固部が残るという理由から好ましくなく、前記制御温度が120℃より大きい場合、糖質が変性するという理由から好ましくない。尚、本発明において好適に使用され得る糖質の主成分であるマルトース、他成分であるグルコース又はトレハロースのうち、主成分のマルトースと他成分のグルコースは前記の温度制御範囲内にて溶融状態とすることができるが、他成分のトレハロースは溶融せず、従ってマルトース及びトレハロースの糖質混合物は前記の温度制御範囲内にて溶融マルトース内に結晶トレハロースが混合したものとなる。また、本発明において微細糖質針の糖質に好適に含有され得る前記の栄養剤や医薬剤は、いずれも前記の温度制御範囲内で変質することなく、かつそれらの機能も保持され得るものである。
【0030】
本発明の機能剤投与デバイスの製造方法においては、前記ステージの昇降移動距離をデジタル式に微小に区切り、前記の昇降移動距離を任意に変更して前記ステージ昇降の移動速度を微調整する制御方法により、前記台座上面に前記微細糖質針を高精度に成形することが好適になされる。この前記移動速度を微調整する制御方法には、速度の可変が必要であるという理由から、コンピュータより所定信号を得て駆動する数値制御(NC制御)方法などが好適に使用され得る。尚、本発明の機能剤投与デバイスにおいては、微細糖質針の形状を制御するに際し、前記台座上面を溶融した前記糖質上面に接触させた後、高速に前記ステージを上昇させることにより、微細糖質針はアスペクト比の高い(細く、かつ長い)形状となり、一方、低速に前記ステージを上昇させることにより、微細糖質針はアスペクト比の低い(太く、かつ短い)形状となる。すなわち、前記ステージの上昇速度を高速又は低速に制御することにより、前記台座上面が円形の場合はアスペクト比が高い又は低い円錐形状の微細糖質針となり、前記台座上面が多角形の場合はアスペクト比が高い又は低い多角錐形状の微細糖質針となる。また、前記ステージの上昇速度を初期段階から中期段階まで低速とし、後期段階で高速に制御すると、前記台座上面が円形の場合は釣鐘形状の微細糖質針となり、前記台座上面が多角形の場合は略釣鐘形状の微細糖質針となる。さらには、前記ステージを一旦上昇させて停止し、次に前記ステージを降下させることにより、微細糖質針の幅を大きくすることが可能であり、このようなステージの昇降制御を行うことにより、前記の宝珠、略宝珠形状における湾曲下部を成形することができ、その後は前記ステージを定速に上昇させることにより、前記台座上面が円形の場合は宝珠形状の微細糖質針となり、前記台座上面が多角形の場合は略宝珠形状の微細糖質針となる。要するに、本発明の機能剤投与デバイスの製造方法においては、上述の通り、前記ステージの昇降制御を種々に組合せて所定の昇降制御を行うことにより、微細糖質針の形状を種々に制御することが可能となる。
【0031】
本発明の機能剤投与デバイスの製造装置においては、90℃〜120℃の温度制御機構を有する糖質加熱容器、及び前記基板を前記台座が鉛直下向き方向を指すように取付けることが可能な昇降制御機構を有する水平面に沿うステージであり、更に前記台座上面と溶融した前記糖質の上面との距離を任意に位置決めする位置合わせ制御機構を有する前記ステージ、から構成されるものが好適である。また、この前記の糖質加熱容器は、前述の通り、安定に糖質溶融温度を保持するという理由から、恒温特性を有するステンレス製加熱容器などが好適に使用され得る。さらに、この前記の位置合わせ制御機構には、微細な位置の検出が可能であるという理由から、例えば、波長サイズで変動するレーザ光の干渉強度の検出、光を利用するエンコーダ、機械式ではノギス機構などを利用した位置合わせ制御装置が好適に使用され得る。尚、図11は従来の引き伸ばし方式に基づく微細糖質針製造装置による微細糖質針の作製途中状態を示す概略模式図であるが、この図では溶融糖質材供給機17に設けられている2個のノズル18から溶融糖質材19が、基板加熱ヒータ20により加熱されている基板2上に押し出された後、溶融糖質材供給機の昇降制御機構16により溶融糖質材19が引き伸ばされて前記微細糖質針1が2個作製される途中状態が示されており、基板2上には前記微細糖質針1で作製完了のものが2個、作製途中のものが2個図示されている。かかる従来の引き伸ばし方式に基づく微細糖質針製造装置では、溶融糖質材供給機17に高精度加工したノズル18を設けることは難しく、かつその分高コストとなるため、一度に多くの微細糖質針を基板2上に作製することは困難であることが理解でき得る。ちなみに図11では糖質材を明瞭にする為、ドット表示による陰影をつけて糖質材を図示しているが、これは下記の図12及び図13においても同様である。また、図12は本発明の機能剤投与デバイスの製造装置による微細糖質針の作製途中状態を示す概略模式図であるが、この図では多糖類からなる基板6上に、金型成型による前記の多糖類からなる台座3を3個成形した後、基板取付けステージの昇降制御機構21を有し水平面に沿う基板取付けステージ22に、前記基板6を前記台座3が鉛直下向き方向を指すように取り付け、前記台座3の上面を静置状態の90℃〜120℃に温度制御された糖質加熱容器23内の溶融した前記糖質(溶融糖質材19)の上面に接触させた後、前記ステージ22を昇降させることにより前記台座3の上面に前記微細糖質針を3個作製する途中状態、すなわち溶融糖質材の引き伸ばし途中の微細糖質針24が3個示されている。ちなみに、この図においては、前記ステージ22は前記台座3と溶融した前記糖質(溶融糖質材19)の上面との距離を任意に位置決めする位置合わせ制御機構として、レーザ光干渉による位置合わせ制御機構25を有するが、この前記制御機構25からは往復レーザ光26が前記距離を位置決めするべく鉛直下向きに照射されている状態について、その概略が図示されていることに留意を要する。尚、往復レーザ光26は、前記の台座上面4と前記の溶融糖質材19の上面との距離を任意に位置決めするためのものであるが、直接に両上面間の距離を往復レーザ光26で計測することは難しく、その代わりに、図12の通り、前記ステージ面(基板が取付けられていない面)に往復レーザ光を照射してステージ位置計測を行ない、例えば、前記台座上面が静置状態にある前記溶融糖質の上面と接触した時点におけるステージ位置を基準位置として往復レーザ光26により計測し、その基準位置からの台座の移動距離をレーザ光干渉による位置合わせ制御機構25を用いて微調整すれば良い。前記の制御機構25により、ステージ位置の昇降、すなわち前記の溶融糖質材19と接触している台座上面4の昇降を制御して、微細糖質針の形状を略円錐、釣鐘、宝珠、略多角錐、略釣鐘、略宝珠の形状に作製することとなる。さらには、図13は本発明の機能剤投与デバイスの製造装置による微細糖質針の作製完了状態を示す概略模式図であるが、この図では前記ステージ22を昇降させることにより前記台座3の上面に前記微細糖質針を3個作製した完了状態、すなわち溶融糖質材の引き伸ばしによる微細糖質針27が3個示されている。このように、本発明の機能剤投与デバイスの製造装置では、従来の引き伸ばし方式で必要であった溶融糖質材の押し出し用のノズルが全く不要であるため、その分低コストであり、また一度に多くの前記微細糖質針27を前記基板6上に設けられた前記台座3上に容易に高精度で作製することができることとなる。
【0032】
本発明について以下に実施例により具体的説明を行うが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0033】
栄養剤投与デバイスの作製及び皮膚内挿入試験
台座及び基板を一体化製造するべく、所定の金型成形加工により、プルランからなる基板(縦横長さ共に5mmの正方形状、厚さ500μm)上に、プルランからなる台座(略円柱形状にて、台座高さ100μm、台座上面の直径300μm、台座底面の直径400μmである)を縦3列及び横3列でピッチ1mm間隔にて各列で3個ずつ計9個作製(その外形の概略は図2に示された通り)した。これらの台座が設けられた基板を、昇降制御機構を有し水平面に沿うステージに、これらの台座が鉛直下向き方向を指すように取り付けた。次に、これら台座上面を静置状態の100℃に温度制御された糖質加熱容器内の溶融した糖質(本実施例ではマルトースを使用)の上面に接触させた後、前記ステージを所定の昇降制御することにより、これら各台座上面に微細糖質針(略円錐形状にて、針先端の直径5μm、針長さ600μm、針底面の直径300μmである)を1個ずつ同時に成形し、すなわち一度に9個の微細糖質針を有する栄養剤投与デバイスを作製(その外形及び断面の概略は図3及び図4に示された通り)した。尚、本実施例における製造方法及び製造装置の概略を示す模式図は、図12及び図13に示された通りであり、ステージ昇降を微調整する制御方法には、コンピュータより所定信号を得て駆動する数値制御方法を用い、前記台座上面と溶融した前記糖質の上面との距離を任意に位置決めする位置合わせ制御機構には、レーザ光の干渉強度の検出を利用した位置合わせ制御機構を使用し、以下の実施例2〜実施例12においても同様とした。但し、図12及び図13には簡略化の為に、略円錐形状の微細糖質針を図示している点に留意すべきである。次に、本栄養剤投与デバイスについて皮膚内挿入試験を行なうべく、微細糖質針に指があたらない様に基板の向い合う両端部を二指で挟み、被験者の左腕上腕皮膚部位に微細糖質針があたるように、前記皮膚部位を本栄養剤投与デバイスで押さえて微細糖質針を皮膚内に挿入したところ、無痛状態で皮膚挿入でき、皮膚内に全ての微細糖質針を残留させること(すなわち、体内に約0.13mgのマルトースを投与すること)ができた。本皮膚内挿入試験により、皮膚内に残留した微細糖質針は溶解し、栄養剤として体内に吸収されることとなり、また挿入後に本栄養剤投与デバイスを前記皮膚部位から引き離したところ、前記皮膚部位に傷跡は残らなかったが、これらは以下の実施例1〜実施例6においても同様であった。
【実施例2】
【0034】
栄養剤投与デバイスの作製及び皮膚内挿入試験
台座及び基板を分離製造するべく、所定の金型成形加工により、プルランからなる基板(縦横長さ共に5mmの正方形状、厚さ500μm)上に、カルボキシメチルセルロース(CMC)からなる台座(略円柱形状にて、台座高さ100μm、台座上面の直径300μm、台座底面の直径400μmである)を縦3列及び横3列でピッチ1mm間隔にて各列で3個ずつ計9個作製(その外形の概略は図2に示された通り)した。これらの台座が設けられた基板を、昇降制御機構を有し水平面に沿うステージに、これらの台座が鉛直下向き方向を指すように取り付けた。次に、これら台座上面を静置状態の95℃に温度制御された糖質加熱容器内の溶融した糖質(本実施例ではマルトースに10重量%グルコースを混合させた糖質混合物を使用)の上面に接触させた後、前記ステージを所定の昇降制御することにより、これら各台座上面に微細糖質針(釣鐘形状にて、針先端の直径7μm、針長さ600μm、針底面の直径300μmである)を1個ずつ同時に成形し、すなわち一度に9個の微細糖質針を有する栄養剤投与デバイスを作製(その外形の概略は図6に示された通り)した。次に、本栄養剤投与デバイスについて皮膚内挿入試験を行なうべく、実施例1と同様にして微細糖質針を皮膚内に挿入したところ、無痛状態で皮膚挿入でき、皮膚内に全ての微細糖質針を残留させること(すなわち、体内に約0.17mgのマルトースと約0.02mgのグルコースを同時に投与すること)ができた。
【実施例3】
【0035】
栄養剤投与デバイスの作製及び皮膚内挿入試験
台座及び基板を一体化製造するべく、所定の金型成形加工により、プルランからなる基板(縦横長さ共に5mmの正方形状、厚さ500μm)上に、プルランからなる台座(略円柱形状にて、台座高さ100μm、台座上面の直径300μm、台座底面の直径400μmである)を縦3列及び横3列でピッチ1mm間隔にて各列で3個ずつ計9個作製(その外形の概略は図2に示された通り)した。これらの台座が設けられた基板を、昇降制御機構を有し水平面に沿うステージに、これらの台座が鉛直下向き方向を指すように取り付けた。次に、これら台座上面を静置状態の110℃に温度制御された糖質加熱容器内の溶融した糖質(本実施例ではマルトースに3重量%トレハロースを混合させた糖質混合物を使用)の上面に接触させた後、前記ステージを所定の昇降制御することにより、これら各台座上面に微細糖質針(宝珠形状にて、針先端の直径7μm、針長さ600μm、針底面の直径300μm、針長さ方向における略中間部の最大直径が500μmである)を1個ずつ同時に成形し、すなわち一度に9個の微細糖質針を有する栄養剤投与デバイスを作製(その外形の概略は図7に示された通り)した。次に、本栄養剤投与デバイスについて皮膚内挿入試験を行なうべく、実施例1と同様にして微細糖質針を皮膚内に挿入したところ、無痛状態で皮膚挿入でき、皮膚内に全ての微細糖質針を残留させること(すなわち、体内に約0.2mgのマルトースと約6μgのトレハロースを同時に投与すること)ができた。
【実施例4】
【0036】
栄養剤投与デバイスの作製及び皮膚内挿入試験
台座及び基板を一体化製造するべく、所定の金型成形加工により、プルランからなる基板(縦横長さ共に5mmの正方形状、厚さ500μm)上に、プルランからなる台座(略四角柱形状にて、台座高さ100μm、直径424μmの円に内接する一辺300μmの略正方形の台座上面、直径565μmの円に内接する一辺400μmの略正方形の台座底面である)を縦3列及び横3列でピッチ1mm間隔にて各列で3個ずつ計9個作製した。これらの台座が設けられた基板を、昇降制御機構を有し水平面に沿うステージに、これらの台座が鉛直下向き方向を指すように取り付けた。次に、これら台座上面を静置状態の100℃に温度制御された糖質加熱容器内の溶融した糖質(本実施例ではマルトースに5重量%アスコルビン酸リン酸マグネシウム(ビタミンC)を含有させたものを使用)の上面に接触させた後、前記ステージを所定の昇降制御することにより、これら各台座上面に微細糖質針(略四角錐形状にて、針先端の直径5μm、針長さ600μm、針底面が該台座上面と同一の略正方形状である)を1個ずつ同時に成形し、すなわち一度に9個の微細糖質針を有する栄養剤投与デバイスを作製(その外形の概略は図8に示された通り)した。次に、本栄養剤投与デバイスについて皮膚内挿入試験を行なうべく、微細糖質針に指があたらない様に基板の向い合う両端部を二指で挟み、被験者の顔皮膚のシミ部位に微細糖質針があたるように、前記シミ部位を本栄養剤投与デバイスで押さえて微細糖質針を顔皮膚内に挿入したところ、無痛状態で皮膚挿入でき、顔皮膚内に全ての微細糖質針を残留させること(すなわち、顔皮膚内に約0.16mgのマルトースと約8μgのアスコルビン酸リン酸マグネシウムを同時に投与すること)ができた。また、本皮膚内挿入試験を週一回にて3ヶ月続けたところ、前記のビタミンC投与により、前記シミ部位についてシミを目立たないところまで薄める効果があることが確認された。
【実施例5】
【0037】
栄養剤投与デバイスの作製及び皮膚内挿入試験
台座及び基板を一体化製造するべく、所定の金型成形加工により、プルランからなる基板(縦横長さ共に5mmの正方形状、厚さ500μm)上に、プルランからなる台座(略四角柱形状にて、台座高さ100μm、直径424μmの円に内接する一辺300μmの略正方形の台座上面、直径565μmの円に内接する一辺400μmの略正方形の台座底面である)を縦3列及び横3列でピッチ1mm間隔にて各列で3個ずつ計9個作製した。これらの台座が設けられた基板を、昇降制御機構を有し水平面に沿うステージに、これらの台座が鉛直下向き方向を指すように取り付けた。次に、これら台座上面を静置状態の100℃に温度制御された糖質加熱容器内の溶融した糖質(本実施例ではマルトースに10重量%レチノール(ビタミンA)を含有させたものを使用)の上面に接触させた後、前記ステージを所定の昇降制御することにより、これら各台座上面に微細糖質針(略釣鐘形状にて、針先端の直径7μm、針長さ600μm、針底面が該台座上面と同一の略正方形状である)を1個ずつ同時に成形し、すなわち一度に9個の微細糖質針を有する栄養剤投与デバイスを作製(その外形の概略は図9に示された通り)した。次に、本栄養剤投与デバイスについて皮膚内挿入試験を行なうべく、微細糖質針に指があたらない様に基板の向い合う両端部を二指で挟み、被験者の左腕上腕皮膚部位に微細糖質針があたるように、前記皮膚部位を本栄養剤投与デバイスで押さえて微細糖質針を皮膚内に挿入したところ、無痛状態で皮膚挿入でき、皮膚内に全ての微細糖質針を残留させること(すなわち、体内に約0.19mgのマルトースと約20μgのレチノールを同時に投与すること)ができた。
【実施例6】
【0038】
栄養剤投与デバイスの作製及び皮膚内挿入試験
台座及び基板を一体化製造するべく、所定の金型成形加工により、プルランからなる基板(縦横長さ共に5mmの正方形状、厚さ500μm)上に、プルランからなる台座(略四角柱形状にて、台座高さ100μm、直径424μmの円に内接する一辺300μmの正方形の台座上面、直径565μmの円に内接する一辺400μmの正方形の台座底面である)を縦3列及び横3列でピッチ1mm間隔にて各列で3個ずつ計9個作製した。これらの台座が設けられた基板を、昇降制御機構を有し水平面に沿うステージに、これらの台座が鉛直下向き方向を指すように取り付けた。次に、これら台座上面を静置状態の95℃に温度制御された糖質加熱容器内の溶融した糖質(本実施例ではマルトースに10重量%ナイアシン(ビタミンB複合体)を含有させたものを使用)の上面に接触させた後、前記ステージを所定の昇降制御することにより、これら各台座上面に微細糖質針(略宝珠形状にて、針先端の直径7μm、針長さ600μm、針底面が該台座上面と同一の略正方形状で、針長さ方向における略中間部が直径707μmの円に内接する一辺500μmの略正方形である)を1個ずつ同時に成形し、すなわち一度に9個の微細糖質針を有する栄養剤投与デバイスを作製(その外形の概略は図10に示された通り)した。次に、本栄養剤投与デバイスについて皮膚内挿入試験を行なうべく、実施例5と同様にして微細糖質針を皮膚内に挿入したところ、無痛状態で皮膚挿入でき、皮膚内に全ての微細糖質針を残留させること(すなわち、体内に約0.23mgのマルトースと約25μgのナイアシンを同時に投与すること)ができた。
【実施例7】
【0039】
医薬剤投与デバイスの作製及び皮膚内挿入試験
実施例1と同様にして、台座及び基板を一体化製造し、これら9個の台座が設けられた基板を、昇降制御機構を有し水平面に沿うステージに、これらの台座が鉛直下向き方向を指すように取り付けた。次に、これら台座上面を静置状態の100℃に温度制御された糖質加熱容器内の溶融した糖質(本実施例ではマルトースに1重量%インドメタシン(消炎薬剤)を含有させたものを使用)の上面に接触させた後、前記ステージを所定の昇降制御することにより、これら各台座上面に微細糖質針(略円錐形状にて、針先端の直径5μm、針長さ600μm、針底面の直径300μmである)を1個ずつ同時に成形し、すなわち一度に9個の微細糖質針を有する医薬剤投与デバイスを作製(その外形及び断面の概略は図3及び図4に示された通り)した。次に、本医薬剤投与デバイスについて皮膚内挿入試験を行なうべく、微細糖質針に指があたらない様に基板の向い合う両端部を二指で挟み、被験者の打ち身による痛みを伴う左腕上腕皮膚部位に微細糖質針があたるように、前記皮膚部位を本医薬剤投与デバイスで押さえて微細糖質針を皮膚内に挿入したところ、無痛状態で皮膚挿入でき、皮膚内に全ての微細糖質針を残留させること(すなわち、体内に約0.13mgのマルトースと約1.3μgのインドメタシンを投与すること)ができた。また、本皮膚内挿入試験後、暫くして徐々に被験者の打ち身による痛みが緩和され、インドメタシンによる消炎効果が確認された。本皮膚内挿入試験により、皮膚内に残留した微細糖質針の主成分は溶解し、栄養剤及び医薬剤が体内に吸収されることとなり、また挿入後に本医薬剤投与デバイスを前記皮膚部位から引き離したところ、前記皮膚部位に傷跡は残らなかったが、これらは以下の実施例7〜実施例12においても同様であった。
【実施例8】
【0040】
医薬剤投与デバイスの作製及び皮膚内挿入試験
実施例2と同様にして、台座及び基板を分離製造し、これら9個の台座が設けられた基板を、昇降制御機構を有し水平面に沿うステージに、これらの台座が鉛直下向き方向を指すように取り付けた。次に、これら台座上面を静置状態の100℃に温度制御された糖質加熱容器内の溶融した糖質(本実施例ではマルトースに1重量%リドカイン(麻酔剤)を含有させたものを使用)の上面に接触させた後、前記ステージを所定の昇降制御することにより、これら各台座上面に微細糖質針(釣鐘形状にて、針先端の直径7μm、針長さ600μm、針底面の直径300μmである)を1個ずつ同時に成形し、すなわち一度に9個の微細糖質針を有する医薬剤投与デバイスを作製(その外形の概略は図6に示された通り)した。次に、本医薬剤投与デバイスについて皮膚内挿入試験を行なうべく、微細糖質針に指があたらない様に基板の向い合う両端部を二指で挟み、被験者の右腕上腕皮膚部位に微細糖質針があたるように、前記皮膚部位を本医薬剤投与デバイスで押さえて微細糖質針を皮膚内に挿入したところ、無痛状態で皮膚挿入でき、皮膚内に全ての微細糖質針を残留させること(すなわち、体内に約0.16mgのマルトースと約1.6μgのリドカインを同時に投与すること)ができた。また、本皮膚内挿入試験後、徐々に被験者の前記皮膚部位の感覚が麻痺し、リドカインによる麻酔効果が確認された。
【実施例9】
【0041】
医薬剤投与デバイスの作製及び皮膚内挿入試験
実施例3と同様にして、台座及び基板を一体化製造し、これら9個の台座が設けられた基板を、昇降制御機構を有し水平面に沿うステージに、これらの台座が鉛直下向き方向を指すように取り付けた。次に、これら台座上面を静置状態の95℃に温度制御された糖質加熱容器内の溶融した糖質(本実施例ではマルトースに1重量%塩酸ジフェンヒドラミン(酔い止め薬)を含有させたものを使用)の上面に接触させた後、前記ステージを所定の昇降制御することにより、これら各台座上面に微細糖質針(宝珠形状にて、針先端の直径7μm、針長さ600μm、針底面の直径300μm、針長さ方向における略中間部の最大直径が500μmである)を1個ずつ同時に成形し、すなわち一度に9個の微細糖質針を有する医薬剤投与デバイスを作製(その外形の概略は図7に示された通り)した。次に、本医薬剤投与デバイスについて皮膚内挿入試験を行なうべく、微細糖質針に指があたらない様に基板の向い合う両端部を二指で挟み、車酔いしている被験者の左腕上腕皮膚部位に微細糖質針があたるように、前記皮膚部位を本医薬剤投与デバイスで押さえて微細糖質針を皮膚内に挿入したところ、無痛状態で皮膚挿入でき、皮膚内に全ての微細糖質針を残留させること(すなわち、体内に約0.19mgのマルトースと約1.9μgの塩酸ジフェンヒドラミンを同時に投与すること)ができた。また、本皮膚内挿入試験後、暫くして徐々に被験者の車酔いは改善され、塩酸ジフェンヒドラミンによる酔い止め効果が確認された。
【実施例10】
【0042】
医薬剤投与デバイスの作製及び皮膚内挿入試験
実施例4と同様にして、台座及び基板を一体化製造し、これら9個の台座が設けられた基板を、昇降制御機構を有し水平面に沿うステージに、これらの台座が鉛直下向き方向を指すように取り付けた。次に、これら台座上面を静置状態の100℃に温度制御された糖質加熱容器内の溶融した糖質(本実施例ではマルトースに1重量%ウロキナーゼ(血栓溶解剤)を含有させたものを使用)の上面に接触させた後、前記ステージを所定の昇降制御することにより、これら各台座上面に微細糖質針(略四角錐形状にて、針先端の直径5μm、針長さ600μm、針底面が該台座上面と同一の略正方形状である)を1個ずつ同時に成形し、すなわち一度に9個の微細糖質針を有する栄養剤投与デバイスを作製(その外形の概略は図8に示された通り)した。次に、本医薬剤投与デバイスについて皮膚内挿入試験を行なうべく、微細糖質針に指があたらない様に基板の向い合う両端部を二指で挟み、被験者の顔頬の皮膚部位に微細糖質針があたるように、前記皮膚部位を本医薬剤投与デバイスで押さえて微細糖質針を頬皮膚内に挿入したところ、無痛状態で皮膚挿入でき、頬皮膚内に全ての微細糖質針を残留させること(すなわち、頬皮膚内に約0.15mgのマルトースと約1.5μgのウロキナーゼを同時に投与すること)ができた。また、本皮膚内挿入試験後、前記の頬皮膚部位にて採取した血液の顕微鏡観察より、血栓の溶解現象を観察することができ、ウロキナーゼによる血栓溶解効果が確認された。
【実施例11】
【0043】
医薬剤投与デバイスの作製及び皮膚内挿入試験
実施例5と同様にして、台座及び基板を一体化製造し、これら9個の台座が設けられた基板を、昇降制御機構を有し水平面に沿うステージに、これらの台座が鉛直下向き方向を指すように取り付けた。次に、これら台座上面を静置状態の95℃に温度制御された糖質加熱容器内の溶融した糖質(本実施例ではマルトースに1重量%トリアゾラム(睡眠薬)を含有させたものを使用)の上面に接触させた後、前記ステージを所定の昇降制御することにより、これら各台座上面に微細糖質針(略釣鐘形状にて、針先端の直径7μm、針長さ600μm、針底面が該台座上面と同一の略正方形状である)を1個ずつ同時に成形し、すなわち一度に9個の微細糖質針を有する栄養剤投与デバイスを作製(その外形の概略は図9に示された通り)した。次に、本医薬剤投与デバイスについて皮膚内挿入試験を行なうべく、微細糖質針に指があたらない様に基板の向い合う両端部を二指で挟み、被験者の左腕上腕皮膚部位に微細糖質針があたるように、前記皮膚部位を本医薬剤投与デバイスで押さえて微細糖質針を皮膚内に挿入したところ、無痛状態で皮膚挿入でき、皮膚内に全ての微細糖質針を残留させること(すなわち、体内に約0.18mgのマルトースと約1.8μgのトリアゾラムを同時に投与すること)ができた。また、本皮膚内挿入試験が終了して60分後、被験者は眠気を感じて暫時眠ることとなり、トリアゾラムによる睡眠効果が確認された。
【実施例12】
【0044】
医薬剤投与デバイスの作製及び皮膚内挿入試験
実施例6と同様にして、台座及び基板を一体化製造し、これら9個の台座が設けられた基板を、昇降制御機構を有し水平面に沿うステージに、これらの台座が鉛直下向き方向を指すように取り付けた。次に、これら台座上面を静置状態の95℃に温度制御された糖質加熱容器内の溶融した糖質(本実施例ではマルトースに1重量%トリクロルメチアジド(高血圧治療薬)を含有させたものを使用)の上面に接触させた後、前記ステージを所定の昇降制御することにより、これら各台座上面に微細糖質針(略宝珠形状にて、針先端の直径7μm、針長さ600μm、針底面が該台座上面と同一の略正方形状で、針長さ方向における略中間部が直径707μmの円に内接する一辺500μmの略正方形である)を1個ずつ同時に成形し、すなわち一度に9個の微細糖質針を有する医薬剤投与デバイスを作製(その外形の概略は図10に示された通り)した。次に、本医薬剤投与デバイスについて皮膚内挿入試験を行なうべく、実施例11と同様にして微細糖質針を皮膚内に挿入したところ、無痛状態で皮膚挿入でき、皮膚内に全ての微細糖質針を残留させること(すなわち、体内に約0.22mgのマルトースと約2.2μgのトリクロルメチアジドを同時に投与すること)ができた。また、本皮膚内挿入試験が終了して45分後、普段の平均最大血圧値が180Hgである被験者の血圧を測定したところ、150Hgより低い血圧域で血圧安定効果が比較的良好に現れ、最大血圧値が160Hg以上の危険領域に達する時間がかなり減少し、トリクロルメチアジドによる血圧の安定及び抑制効果が確認された。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の機能剤投与デバイス、その製造方法及び製造装置は、前述の通り様々な特徴的効果を有するが、これらの効果により栄養剤や医薬剤を用いる美容分野、医療分野等において実用的に利用できる。また、本発明の機能剤投与デバイス、その製造方法及び製造装置は量産実施が可能なものであり、産業上利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】 従来の引き伸ばし方式により基板上に設けた微細糖質針の概略図である。
【図2】 本発明の機能剤投与デバイスにおける基板上台座(略円柱形状)の概略図である。
【図3】 本発明の略円錐形状の微細糖質針を有する機能剤投与デバイスの概略図である。
【図4】 台座及び基板を一体化製造した機能剤投与デバイスの断面を示す概略図である。
【図5】 台座及び基板を分離製造した機能剤投与デバイスの断面を示す概略図である。
【図6】 本発明の釣鐘形状の微細糖質針を有する機能剤投与デバイスの概略図である。
【図7】 本発明の宝珠形状の微細糖質針を有する機能剤投与デバイスの概略図である。
【図8】 本発明の略四角錐形状の微細糖質針を有する機能剤投与デバイスの概略図である。
【図9】 本発明の略釣鐘形状の微細糖質針を有する機能剤投与デバイスの概略図である。
【図10】 本発明の略宝珠形状の微細糖質針を有する機能剤投与デバイスの概略図である。
【図11】 従来の引き伸ばし方式に基づく微細糖質針製造装置による微細糖質針の作製途中状態を示す概略模式図である。
【図12】 本発明の機能剤投与デバイスの製造装置による微細糖質針の作製途中状態を示す概略模式図である。
【図13】 本発明の機能剤投与デバイスの製造装置による微細糖質針の作製完了状態を示す概略模式図である。
【符号の説明】
【0047】
1 従来の引き伸ばし方式による微細糖質針
2 基板
3 多糖類からなる台座
4 台座上面
5 台座底面
6 多糖類からなる基板
7 略円錐形状の微細糖質針
8 一体化製造された台座及び基板
9 分離製造された台座
10 分離製造された基板
11 釣鐘形状の微細糖質針
12 宝珠形状の微細糖質針
13 略四角錐形状の微細糖質針
14 略釣鐘形状の微細糖質針
15 略宝珠形状の微細糖質針
16 溶融糖質材供給機の昇降制御機構
17 溶融糖質材供給機
18 ノズル
19 溶融糖質材
20 基板加熱ヒータ
21 基板取付けステージの昇降制御機構
22 基板取付けステージ
23 糖質加熱容器
24 溶融糖質材の引き伸ばし途中の微細糖質針
25 レーザ光干渉による位置合わせ制御機構
26 往復レーザ光
27 溶融糖質材の引き伸ばしによる微細糖質針

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多糖類からなる基板上に、台座高さ10μm〜2mm、台座上面の直径30μm〜1mm、該基板と接する台座底面の直径40μm〜1.5mmである略円柱形状の多糖類からなる台座を複数個設け、該台座上に、針先端の直径0.5μm〜20μm、針長さ50μm〜2mm、該台座上面と接する針底面の直径30μm〜1mmである略円錐形状又は釣鐘形状の微細糖質針を設けた構造であることを特徴とする機能剤投与デバイス。
【請求項2】
多糖類からなる基板上に、台座高さ10μm〜2mm、台座上面の直径30μm〜1mm、該基板と接する台座底面の直径40μm〜1.5mmである略円柱形状の多糖類からなる台座を複数個設け、該台座上に、針先端の直径0.5μm〜20μm、針長さ50μm〜2mm、該台座上面と接する針底面の直径30μm〜1mm、針長さ方向における略中間部の最大直径が50μm〜1.5mmである宝珠形状の微細糖質針を設けた構造であることを特徴とする機能剤投与デバイス。
【請求項3】
多糖類からなる基板上に、台座高さ10μm〜2mm、台座上面が直径30μm〜1mmの円に内接又は外接し、該基板と接する台座底面が直径40μm〜1.5mmの円に内接又は外接する略多角柱形状の多糖類からなる台座を複数個設け、該台座上に、針先端の直径0.5μm〜20μm、針長さ50μm〜2mm、針底面が該台座上面と同一形状である略多角錐形状又は略釣鐘形状の微細糖質針を設けた構造であることを特徴とする機能剤投与デバイス。
【請求項4】
多糖類からなる基板上に、台座高さ10μm〜2mm、台座上面が直径30μm〜1mmの円に内接又は外接し、該基板と接する台座底面が直径40μm〜1.5mmの円に内接又は外接する略多角柱形状の多糖類からなる台座を複数個設け、該台座上に、針先端の直径0.5μm〜20μm、針長さ50μm〜2mm、針底面が該台座上面と同一形状で、針長さ方向における略中間部が直径50μm〜1.5mmの円に内接又は外接する略多角形である略宝珠形状の微細糖質針を設けた構造であることを特徴とする機能剤投与デバイス。
【請求項5】
該多糖類がプルラン又はカルボキシメチルセルロースであり、該微細糖質針の糖質がマルトースであることを特徴とする請求項1から4いずれか一項記載の機能剤投与デバイス。
【請求項6】
該多糖類がプルラン又はカルボキシメチルセルロースであり、該微細糖質針の糖質が主成分をマルトースとし、他成分をグルコース又はトレハロースとする糖質混合物であることを特徴とする請求項1から4いずれか一項記載の機能剤投与デバイス。
【請求項7】
該微細糖質針の糖質に、ビタミンA、ビタミンB複合体、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、グルタミン、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、γ−アミノ酪酸、タウリン、脂肪酸、核酸、アドレナリン、から選択される1又は2以上の栄養剤を含有させたことを特徴とする請求項5又は6記載の機能剤投与デバイス。
【請求項8】
該微細糖質針の糖質に、鎮痛薬剤、消炎薬剤、解熱鎮痛消炎薬剤、抗真菌剤、抗菌剤、抗ウィルス薬、強心薬、血栓溶解剤、止血剤、利尿薬、高血圧治療薬、麻酔剤、鎮静剤、睡眠薬、抗痙攣薬、抗不安薬、酔い止め薬、精神安定剤、抗うつ剤、睡眠鎮静剤、抗原虫薬剤、から選択される1の医薬剤を含有させたことを特徴とする請求項5又は6記載の機能剤投与デバイス。
【請求項9】
該多糖類からなる基板上に、金型成型による該多糖類からなる台座を複数個成形した後、昇降制御機構を有し水平面に沿うステージに、該基板を該台座が鉛直下向き方向を指すように取り付け、該台座上面を静置状態の90℃〜120℃に温度制御された糖質加熱容器内の溶融した該糖質の上面に接触させた後、該ステージを昇降させることにより該台座上面に該微細糖質針を成形することを特徴とする請求項1から8いずれか一項記載の機能剤投与デバイスの製造方法。
【請求項10】
該多糖類からなる基板上に、金型成型による該多糖類からなる台座を複数個成形した後、昇降制御機構を有し水平面に沿うステージに、該基板を該台座が鉛直下向き方向を指すように取り付け、該台座上面を静置状態の90℃〜120℃に温度制御された糖質加熱容器内の溶融した該糖質の上面に接触させた後、該ステージを昇降させることにより該台座上面に該微細糖質針を成形することを特徴とする機能剤投与デバイスの製造方法による請求項1から8いずれか一項記載の機能剤投与デバイス。
【請求項11】
該ステージの昇降移動距離をデジタル式に微小に区切り、該昇降移動距離を任意に変更して該ステージ昇降の移動速度を微調整する制御方法により、該台座上面に該微細糖質針を高精度に成形することを特徴とする請求項9記載の機能剤投与デバイスの製造方法。
【請求項12】
請求項9記載の機能剤投与デバイスの製造方法において、該ステージの昇降移動距離をデジタル式に微小に区切り、該昇降移動距離を任意に変更して該ステージ昇降の移動速度を微調整する制御方法により、該台座上面に該微細糖質針を高精度に成形することを特徴とする機能剤投与デバイスの製造方法による請求項1から8いずれか一項記載の機能剤投与デバイス。
【請求項13】
該機能剤投与デバイスの製造装置において、90℃〜120℃の温度制御機構を有する糖質加熱容器、及び該基板を該台座が鉛直下向き方向を指すように取付けることが可能な昇降制御機構を有する水平面に沿うステージであり、更に該台座上面と溶融した該糖質の上面との距離を任意に位置決めする位置合わせ制御機構を有する該ステージ、から構成されることを特徴とする請求項1から8いずれか一項記載の機能剤投与デバイスの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−69270(P2010−69270A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−267954(P2008−267954)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(507192769)
【Fターム(参考)】