機能性ゼオライト骨格の作製
ガス分離、ガス貯蔵、触媒反応及びセンサのためのゼオライト骨格の開示がなされている。特に、ゼオライト骨格(ZIF)の開示がなされている。開示されているZIFは、任意の数の遷移金属又は同種の遷移金属の組成を具えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、35U.S.C.§119(e)の下で、参照することにより開示が全体として本書に盛り込まれた、2006年2月28日に出願された米国仮出願第60/777,73号、及び2007年1月24日に出願された米国仮出願第60/886,492号に基づく優先権を主張する。
【0002】
少なくとも1つの態様において、本発明は、結晶ゼオライト及びこれを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
世界経済の大部分(3,500億ドル)が、石油化学における分解、水の軟水化及び浄化のためのイオン交換、及び気体の分離における多孔質結晶ゼオライトの使用に基づいている。ゼオライト構造は、O原子を介して共有結合した四面体Si(Al)O4ユニットから成り、150の様々なタイプの骨格を形成する。長年の課題は、それらの細孔の中に遷移金属イオン及び有機単位を取り込むことであり、より望ましくは、ゼオライト骨格と一体化した部分としてそれを行うことである。このような性能は、電子的及び立体的特性を有機的な結びつきの機能化によって調整可能な高濃度の規則遷移金属部位に細孔が覆われるため、多くの触媒的応用で有用である。しかしながら、これらの特徴を結びつけるこのようなゼオライトを実現するための構想は、概して未だ実現されていない状態にある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施例は、ゼオライト骨格を提供し、これは、M−L−M型の全体構造を具え、Mは、遷移金属を具えており、Lは、1,2,3又はそれらの組み合わせから成る群から選択される構造を具える結合部分であり、
A,A1,A2,A3,A4,A5,A6及びA7は、C又はN原子のいずれかであり、R5からR8は、A1及びA4がC原子を具える場合に存在し、R1,R4又はR9は、Mと干渉しない非立体的に遮蔽された官能基を具えており、R2,R3,R5,R6,R7,R8,R10,R11,R12のそれぞれが、個別にアルキル基、ハロ基、シアノ基、又はニトロ基であり、M1,M2,M3,M4,M5,M6が、それぞれ遷移金属を具えており(これらはMの例)、連結基が構造3を具える場合に,R10,R11及びR12がそれぞれ個別に電子求引基である。一実施例では、R1,R4及びR9が、H、メチル基、ハロ基、シアノ基、及びエチル基を成す群から選択される個別に小さな官能基である。一実施例では、連結部分が、イミダゾレート又はイミダゾレート誘導体である。さらなる実施例では、イミダゾレート又はイミダゾレート誘導体が、4,5,6,7,8,及び9を成す群から選択される。
一実施例では、イミダゾレート又はイミダゾレート誘導体が、置換イミダゾレート;すなわちメチル基、ニトロ基、シアノ基、又はクロロ基を具えるベンズイミダゾレート;アザベンズイミダゾレート;及び1又はそれ以上の炭素原子を窒素に置換したアザベンズイミダゾレートから成る群から選択される。遷移金属は、Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Y,Zr,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,Lu,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Au,Hg,Lr,Rf,Db,Sg,Bh,Hs,Mt,Ds,Rg及びUubから成る群から選択される。一形態では、ゼオライト骨格が、異種の遷移金属の結合を具えている。さらに別の実施例では、ゼオライト骨格が、同種の遷移金属を具えているが、連結部分が異種の組み合わせである。さらなる実施例では、ゼオライト骨格が異種の遷移金属及び連結部分の混合物を具えている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
少なくとも1のバリエーションでは、本発明はゼオライト骨格を提供し、ゼオライト骨格は、ABW,ACO,AEI,AEL,AEN,AET,AFG,AFI,AFN,AFO,AFR,AFS,AFT,AFX,AFY,AHT,ANA,APC,APD,AST,ASV,ATN,ATO,ATS,ATT,ATV,AWO,AWW,BCT,BEA,BEC,BIK,BOG,BPH,BRE,CAN,CAS,CDO,CFI,CGF,CGS,CHA,CHI,CLO,CON,CZP,DAC,DDR,DFO,DFT,DOH,DON,EAB,EDI,EMT,EON,EPI,ERI,ESV,ETR,EUO,EZT,FAR,FAU,FER,FRA,GIS,GIU,GME,GON,GOO,HEU,IFR,IHW,ISV,ITE,ITH,ITW,IWR,IWV,IWW,JBW,KFI,LAU,LEV,LIO,LIT,LOS,LOV,LTA,LTL,LTN,MAR,MAZ,MEI,MEL,MEP,MER,MFI,MFS,MON,MOR,MOZ,MSE,MSO,MTF,MTN,MTT,MTW,MWW,NAB,NAT,NES,NON,NPO,NSI,OBW,OFF,OSI,OSO,OWE,PAR,PAU,PHI,PON,RHO,RON,RRO,RSN,RTE,RTH,RUT,RWR,RWY,SAO,SAS,SAT,SAV,SBE,SBS,SBT,SFE,SFF,SFG,SFH,SFN,SFO,SGT,SIV,SOD,SOS,SSY,STF,STI,STT,SZR,TER,THO,TON,TSC,TUN,UEI,UFI,UOZ,USI,UTL,VET,VFI,VNI,VSV,WEI,WEN,YUG,及びZONから成る群から選択される骨格構造を具えており、骨格が構造1から9のうちの1又はそれ以上を含む連結部分によって結合された複数の遷移金属を具えている。
【0006】
本発明のゼオライト骨格のバリエーションは、1又はそれ以上の以下の特性を具えることができる:すなわち、複数の細孔の比表面積は、約2000m2/gよりも大きい;複数の細孔の比表面積は、約3,000−6,000m2/gである;複数の細孔のうちの各細孔は、0.1から0.99cm3/gの細孔容量を具えている;複数の細孔のうちの各細孔は、0.4から0.5cm3/gの細孔容量を具えている;約0.17g/cm3の骨格密度;本書に記載の表のうちの1つに記載の原子軸。
【0007】
本発明のいくつかのゼオライト骨格は、相互貫入してもよい。さらに、本発明のいくつかのゼオライト骨格を使用して、化学種(例えば、アンモニア、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、アミン、メタン、酸素、アルゴン、窒素、アルゴン、有機色素、多環有機分子、及びそれらの組み合わせ)を吸着可能である。本発明のいくつかのゼオライト骨格を、センサにおいて触媒としてガス貯蔵に使用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本書及び添付の特許請求の範囲で使用するように、「a」,「and」,「the」は、文脈が明らかに他のものを定めていない限り、複数の指示対象を含んでいる。このため、例えば、「a pore」への言及は、複数のこのようなporeを含んでおり、「the metal」への言及は、当業者等に知られた1又はそれ以上の金属への言及を含んでいる。
【0009】
他のものを規定しない限り、本書で使用する全ての技術的及び科学的用語は、本開示が属する技術の通常の当業者によって一般に理解されている同一の意味を有する。本書に記載のものに類似又は相当する方法及び物質を、開示した方法及び構成の実施で使用できるが、典型的な方法、装置及び物質が本書に記載されている。
【0010】
上記の文章にわたる開示は、本出願の出願日の前の単にそれらの開示のために提供される。本書のいかなる内容も、発明者が従前の開示によりこのような開示に先行する権利を有しないことを承認すると解釈すべきではない。
【0011】
ゼオライト骨格は、無機ゼオライト(例えば、高い安定性)及びMOF(例えば、高い多孔性及び有機官能基)双方の潜在的利点を有する一種の多孔性物質であり、高性能の触媒及び分離に適用可能である。総合的な観点から、ゼオライト骨格のトポロジーは、有機物リンカの分子構造によって規定することが可能で、ゼオライト骨格の中のリンカとリンカとの相互作用を調べることによって説明することができる。ゼオライトの化学反応で常に見付けられるゼオライト構造を予測する際の潜在的困難性を、構造の中の基本的な第2の基礎単位(LTAの場合の立方体)を形成するのに要するリンカをさらに詳しく述べることによって克服することが可能である。
【0012】
既存のゼオライトは、規則的なチャンネル及びケージ構造を有する結晶のアルミノケイ酸塩であり、一般に約0.9nmよりも小さい細孔を具えている。このようなゼオライトのネットワークは、共有された酸素ブリッジを介して結合されたSiO4及びAlO4の四面体で構成されている。基地の構造の概観は、例えば、W.M.Meier,D.H.Olson及びCh.Baerlocherによる、「Atlas of Zeolite Structure Types」,Elsevier,5th edition,Amsterdam 2001で見受けられる。特定の例は、pentasil構造、特にX線分析によって、ABW,AGO,AEI,AEL,AEN,AET,AFG,AFI,AFN,AFO,AFR,AFS,AFT,AFX,AFY,AHT,ANA,APC,APD,AST,ATN,ATO,ATS,ATT,ATV,AWO,AWW,BEA,BIK,BOG,BPH,BRE,CAN,CAS,CFI,CGF,CGS,CHA,CHI,CLO,CON,CZP,DAC,DDR,DFO,DFT,DOH,DON,EAB,EDI,EMT,EPI,ERI,ESV,EUO,FAU,FER,GIS,GME,GOO,HEU,IFR,ISV,ITE,JBW,KFI,LAU,LEV,LIO,LOS,LOV,LTA,LTL,LTN,MAZ,MEI,MEL,MEP,MER,MFI,MFS,MON,MOR,MSO,MTF,MTN,MTT,MTW,MWW,NAT,NES,NON,OFF,OSI,PAR,PAU,PHI,RHO,RON,RSN,RTE,RTH,RUT,SAO,SAT,SBE,SBS,SBT,SFF,SGT,SOD,STF,STI,STT,TER,THO,TON,TSC,VET,VFI,VNI,VSV,WIE,WEN,YUG及びZON構造、及び上記の構造の2又はそれ以上の混合構造に帰せられるタイプを有するゼオライトである。
【0013】
デフォルト構造(必然的に好適な高い対称性の幾何学的構造が半導体材料でほとんどの場合採用される)の概念は、シリケート又はイミダゾレートのいずれにも直接適用されない。145°の角度により、高い対称性の4配位の構造のFd3mダイヤモンドを形成するのが不可能であるため;低い対称性のシリカが常に見受けられる。自然はP41211クリストバライト多形体よりもむしろP3121石英の方を好むが、わずか1又は2kJ/molの差で、>10種類のシリカが基本的に(結合エネルギの規模の)等しいエネルギであることが知られている。これら及び関連する構造を再現性よく用意するために構造指向剤が必要であり、この構造指向剤がゼオライト合成のカギ(key)である。本開示は、広範囲のゼオライト構造を実現するのに反応状態の制御とともに構造指向剤(アミド溶剤及びリンカーの官能基化)が効果的であることを示している。
【0014】
現在まで、重要なFAU又はLTAのトポロジーに基づく金属−有機物の類似物は、2つのタイプの大きなケージ(FAUのスーパー及びβケージ、LTAのα及びβケージ)の存在によって課せられる困難性により存在しない。本開示は、方策を特定して、リンクの配置及びリンクとリンクとの間の相互作用の双方が決定的な構造規定の役割を果たすLTAイミダゾレート骨格を形成する。本開示は、例えば、ゼオライトAの類似物に拡張された多孔質ゼオライト構造の合成及び結晶構造を提供し、それらのケージの壁が機能化され、根本的なLTAの幾何学的構造を変えることなくそれらの金属イオンを変えることができる;これらは、ゼオライトの化学反応の後であって1つの物質に組み込まれる前ではない場合に、大いに求められる特性である。
【0015】
本書で使用するように、「コア」は、骨格に見受けられる繰り返し単位に言及する。このような骨格は、同種の繰り返しコア又は異種の繰り返しコア構造を具えることが可能である。コアは、遷移金属及び連結部分を具えている。互いに連結される複数のコアが骨格を規定する。
【0016】
「連結部分」は、遷移金属又は複数の遷移金属をそれぞれ結び付ける単座又は二座の化合物に言及する。
【0017】
「ゼオライト骨格」は、本書で使用するように、ゼオライト型構造を有する繰り返しコアの骨格に言及する。
【0018】
「ゼオライト型イミダゾレート骨格」又は「ZIF」は、イミダゾール、イミダゾール誘導体、又はイミダゾール連結基を有するゼオライト構造を具えるゼオライト骨格にに言及する。
【0019】
本開示は、同州又は異種の連結部分によって連結された同種の遷移金属又は異種の遷移金属のネットワークを具えるゼオライト骨格を提供する。本開示のゼオライト骨格は、文献で知られているAtlas of Zeolite Structure Typesに現在規定されているネットワークを具えている。本開示のゼオライト骨格は、本書でさらに十分に説明するように、ろ過、ガス貯蔵等に有用なナノ多孔質構造を提供する。
【0020】
また、本開示は、全ての四面体原子が遷移金属であり、連結部分が窒素、硫黄又は酸素有機分子を具えている有機リンカを具える(例えば、イミダゾレート(IM)ユニットといった)ゼオライト骨格のトポロジーを有する構造の一般的な合成を提供する。
【0021】
本開示の組成は、遷移金属のコア及び連結部分を具えるゼオライトの四面体網を具えている。有用な遷移金属は、以下のうちの1又はそれ以上を具えている:すなわち、Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Y,Zr,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,Lu,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Au,Hg,Lr,Rf,Db,Sg,Bh,Hs,Mt,Ds,Rg,及びUubである。本開示のゼオライト組成で有用なリンカを、構造1,2,3及びそれらの組み合わせから成る群から選択できる。
ここで、A,A1,A2,A3,A4,A5,A6及びA7は、C又はN原子のいずれかであり、R5からR8は、A1及びA4がC原子を具える場合に存在し、R1,R4又はR9は、連結部分に連結された遷移金属(M)と干渉しない非立体的に遮蔽された官能基(例えば、アルキル基)を具えており、R2,R3,R5,R6,R7,R8,R10,R11,R12のそれぞれが、個別にアルキル基、アリル基、ハロ基、シアノ基、又はニトロ基であり、M1,M2,M3,M4,M5,M6が、それぞれ遷移金属を具えており、連結基が構造3を具える場合に、R10,R11及びR12がそれぞれ個別に電子求引基である。一実施例では、R1,R4及びR9が、H、メチル基、ハロ基、シアノ基、及びエチル基を成す群から選択される個別に小さな官能基である。別の実施例では、連結基が構造3を具える場合に、R10,R11及びR12が、ニトロ基、シアノ基、フルオロ基、及びクロロ基を成す群から個別に選択される。本発明のあるバージョンでは、アルキル基が1から10の炭素原子を有し、アリル基が1から5のフェニル環を有する。別の態様では、連結基を二座又は単座とすることができる。ゼオライト骨格は、二座又は単座の連結部分を具えることができる。以下でさらに十分に説明するように、連結基が、4,5,6,7,8,及び9を成す群から選択される要素といったイミダゾレート又はイミダゾレート部分を具えることができる。
例えば、イミダゾレート化合物及び置換イミダゾレート、メチル基、ニトロ基、シアノ基、又はクロロ基を具えるベンズイミダゾレート、ベンズイミダゾレートの1又はそれ以上の炭素原子を窒素等に置換したアザベンズイミダゾレートといった誘導体を含むhetercyclic環を使用できる。
【0022】
本開示のゼオライト構造(例えば、ZIF)は、任意の骨格/構造を取ることができる。例えば、本開示の方法を用いて、以下の骨格コードを有するZIFを得ることが可能である:すなわち、ABW,ACO,AEI,AEL,AEN,AET,AFG,AFI,AFN,AFO,AFR,AFS,AFT,AFX,AFY,AHT,ANA,APC,APD,AST,ASV,ATN,ATO,ATS,ATT,ATV,AWO,AWW,BCT,BEA,BEC,BIK,BOG,BPH,BRE,CAN,CAS,CDO,CFI,CGF,CGS,CHA,CHI,CLO,CON,CZP,DAC,DDR,DFO,DFT,DOH,DON,EAB,EDI,EMT,EON,EPI,ERI,ESV,ETR,EUO,EZT,FAR,FAU,FER,FRA,GIS,GIU,GME,GON,GOO,HEU,IFR,IHW,ISV,ITE,ITH,ITW,IWR,IWV,IWW,JBW,KFI,LAU,LEV,LIO,LIT,LOS,LOV,LTA,LTL,LTN,MAR,MAZ,MEI,MEL,MEP,MER,MFI,MFS,MON,MOR,MOZ,MSE,MSO,MTF,MTN,MTT,MTW,MWW,NAB,NAT,NES,NON,NPO,NSI,OBW,OFF,OSI,OSO,OWE,PAR,PAU,PHI,PON,RHO,RON,RRO,RSN,RTE,RTH,RUT,RWR,RWY,SAO,SAS,SAT,SAV,SBE,SBS,SBT,SFE,SFF,SFG,SFH,SFN,SFO,SGT,SIV,SOD,SOS,SSY,STF,STI,STT,SZR,TER,THO,TON,TSC,TUN,UEI,UFI,UOZ,USI,UTL,VET,VFI,VNI,VSV,WEI,WEN,YUG,及びZONである。
【0023】
遷移金属及び連結部分のコアを使用して、複数のゼオライト骨格を生成する。例えば、イミダゾレート型リンクによる遷移金属の共重合により、ゼオライトイミダゾレート骨格(ZIF)を結晶として合成する。ZIF結晶構造は、複数の異なるアルミノケイ酸塩ゼオライトのネット(net)に基づいている:すなわち、四面体Si(Al)及び架橋するO原子を、それぞれ遷移金属及びイミダゾールリンクと置換する。ZIFの気体吸着及び熱的及び化学的安定性の研究により、それらの細孔率(約1,810m2/gのラングミュア比表面積)、(最大550°までの)高い熱的安定性、及び沸騰アルカリ水及び有機溶媒に対する顕著な耐化学性が明らかになった。
【0024】
例えば、イミダゾールは、プロトンを喪失してIMを形成する。このような骨格のコアは、T(Im)2(IM=イミダゾール及びその誘導体、T=四面体的に結合した金属イオン)と定式化可能であり、(アルミノ)シリケートゼオライトの(Al)SiO2骨格と同様である;特に約145°のT−Im−Tの角度が、ゼオライトに一般的に見られるSi−O−Siの角度に近い。構造が結合したCoN4又はZnN4四面体のネットに基づいた濃密相Co(IM)2及びZn(IM)2の分析により、角度が模式図1のように示される。
【0025】
従って、適正な状態では、金属IMが開骨格のゼオライト構造を取る。実際には、多くの新たなFe(II)(5),Co(II),Cu(II),及びZn(II)IM化合物がゼオライト状の四面体ネットに基づく構造を有している。
【0026】
本開示は、他のゼオライトネットに基づくゼオライト構造をもたらす全体的な方策を提供する。本開示は本開示のZIFの細孔率を確かめており、他の金属−有機化合物とは異なり、ZIF骨格(ZIF)は、還流有機溶媒、水、及びアルカリ性水溶液における優れた化学的安定性を有しており、上述されていない発見である。これらの結果は、このような未だ未開発の類の多孔質材料の潜在的な用途及び豊富な構造多様性を示している。
【0027】
ソルボサーマル法によって、ZIFといった本開示のゼオライト骨格を合成できる。N,N−ジエチルホルムアミド(DEF)といったアミド溶媒の中で、必要な水和金属塩(例えば、窒化物)及びイミダゾール型リンカを組み合わせることによって、高結晶質の材料を得た。得られた溶液を(85から150℃に)加熱して、48から96時間後に沈殿した本開示のゼオライト骨格を容易に分離した。沈殿物からx線分析に適した単結晶を選んだ。図1は、沈殿した構造体の例を示している。図1で、各構造の金属中心が、IMのN原子によって配位され、全体として中立骨格を与えている。図1に示すように、5員環から成るIMが、遷移金属中心間の架橋/結合単位としての役割を果たしており、環の1,3位置にある対応するN原子を介して骨格全体として145°までの角度を与えている。ゼオライト骨格の有機物成分は、従来のゼオライトのケイ酸塩酸化物表面よりもむしろ有機的に並んだケージ及びチャンネルを与えている。
【0028】
本開示のゼオライト骨格は、一部の極めて多孔質のMOF化合物と比表面積及び細孔容量が似ており、それらはゼオライト及び規則メソ多孔質シリカといった従来の結晶細孔性材料よりも優れている。何らかの理論によって縛られることを必要とし及びこれを欲するわけではないが、このような性質;非常に高い比表面積を成すためのカギとして提案されている特性は、一部には完全に露出した有機リンクのエッジ及び面によるものである。
【0029】
骨格は、1−9から選択される構造を有する連結部分によって結合された複数の遷移金属を具えたコアを具えており、約2000よりも大きい比表面積(例えば、約3,000から18,000m2/g又は約3,000から6,000m2/g)を有する複数の細孔を具えている。本開示の骨格の複数の細孔は、0.1から0.99cm3/cm3の細孔容量(例えば、約0.4から0.5cm3/cm3)具えている。本開示のゼオライト骨格は、本書の表のうちのいずれか1つに記載の原子座標を具えているコアを具えることが可能である。
【0030】
別の態様では、上記のゼオライト骨格は、骨格の比表面積を増やす相互貫入する骨格を有してもよい。本開示の骨格は、このような相互貫入が有利に無くてもよいが、相互貫入する骨格を含めることによって比表面積を増やしてもよい状況が有る。
【0031】
本開示の一実施例では、ゼオライト骨格を有するガス貯蔵材料が提供されている。有益なことに、ゼオライト骨格は、気体分子を貯蔵するための1又はそれ以上部位を有している。本開示のガス貯蔵材料に中に貯蔵される気体は、細孔の表面又は相互貫入する細孔ネットワーク1又はそれ以上の部位に付くのに有効な電子密度を具える気体分子を有している。このような電子密度は、それらに収容される2原子間の複数の結合を有する分子、又は孤立電子対を有する分子を含んでいる。このような気体の適切な例は、アンモニア、アルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される成分を具える気体を有しているが、これらに限定されない。特に有用なバリエーションでは、気体貯蔵材料は、水素(H2)を貯蔵するのに使用する水素吸蔵材料である。部の特別の有用なバリエーションでは、気体貯蔵材料は、ガス状混合物から二酸化炭素を分離するのに使用する二酸化炭素貯蔵材料である。
【0032】
本実施例のバリエーションでは、気体貯蔵部位がゼオライトネットワークの中に細孔を具えている。精製では、このような作用は、ゼオライト骨格から1又はそれ以上の化学物質部分(ゲスト分子)を取り除くことをふくんでいる。一般に、このようなゲスト分子は、ゼオライト骨格の中に含まれる水、溶媒分子といった種類を有しており、他の化学物質部分が付着に有効な電子密度を有している。
【0033】
本開示の実施例で使用するゼオライト骨格は、気体吸着のための複数の細孔を有している。あるバリエーションでは、複数の細孔がユニモーダルのサイズ分布を有している。別のバリエーションでは、複数の細孔が(例えば、バイモーダル)マルチモーダルのサイズ分布を有している。
【0034】
また、本開示は、関心のある被分析物の存在を検出し得る化学センサを提供する。哺乳類の嗅覚系の相似器官として機能するセンサを開発することにかなりの関心がある。しかしながら、このような検出システムは容易に汚染される可能性がある。本開示の多孔質構造は、センサ材料に接触して本開示のゼオライト骨格の多孔質構造を通過する汚染を制限する明確な相互作用領域を提供する。例えば、様々なポリマーを、導電ポリマー(例えば、ポリ(アニリン)及びポリチオフェン)、導電プリマーと非導電ポリマーとの複合材料及び導電材料と非導電材料との複合材料を含む検出システムで使用する。抵抗測定システムでは、電流がリード線を流れてセンサ材料を通るように、リード線が導電材料によって隔てられている。被測定物に付けると、材料の抵抗が変化することで検出可能な信号が発生する。本開示のゼオライト骨格を使用すると、センサ材料を囲む領域が限定され、「フィルタ」として機能してセンサ材料に接触することによる汚染を制限することで、センサの特異性を増大させる。
【0035】
さらに、本開示は、本開示のゼオライト骨格を具えるゼオライト触媒を提供する。本開示のゼオライト材料を、結晶材料又は成形品として、有機分子の触媒転換で使用できる。例えば、このようなタイプの反応は、酸化、例えば、プロピレン及び2O2からの酸化プロピレンの調合といったオレフィンのエポキシ化、例えば、フェノール及びH2O2からのハイドロキノンの調合といった芳香族化合物の水酸化、クレゾールへのトルエンの変換、アルコール、アルデヒド及び酸へのアルカンの変換、異性化、例えば、アルデヒドへのエポキシドの変換といった反応である。
【0036】
以下の実施例で本発明を説明するが、これは具体例として与えられており、限定を意図するものではない。
【実施例】
【0037】
本開示の合成の多様性の可能性を示すために、表1は、本開示の方法から得られるゼオライトのトポロジーDFT,GIS、及びMERを示す。さらに、本開示は、開示するZIFが正四面体ネットに限定されないことを示す。また、八面体配位状況でIn(3)を具えた混合配位ネットIn2Zn3(IM)12に基づくIMの第1の例が報告されている。このような構造は、灰バンザクロ石Ca3Al2Si3O12といったガーネットのAl2Si3O12部分のトポロジーを有する。このような構造の合成体は、IMといった本開示の連結部分を用いた極めて強い親和力を示唆している。
【0038】
表1は、本開示のいくつかのZIFに関するトポロジー、密度、細孔の大きさのデータをまとめたものである。構造体のネットは、多くの場合対応するゼオライトネットの記号と同じ3文字の記号で示される。ZIFの密度は、単位体積当たりの四面体の頂点の数(T/V)についての従来のゼオライトの測定値を用いて示される。例えば、Zn(II)を含むIM骨格では、Zn・・・Zn距離が、最大6.0Åであり、シリケートにおける対応するSi・・・Si距離は、最大3.0Åである;従って、ゼオライトケイ酸塩のIM類似物(例えば、ZIF)の密度(T/V)は、8分の1である。ここで報告されている構造では、T/Vは2.0から3.7nm−3の範囲である(表1)。ちなみに、酸化ゼオライトの密度は12から20nm−3であり、最も密度が小さい既知の酸化物骨格では、それは7.1nm−3である。また、骨格のファンデルワールス面に接触せずに空洞の中に嵌る球のサイズの例が示されている。空洞の中心に最も近い原子はH原子であり、嵌っている球の大きさを決定する際に、1.2ÅのH原子のファンデルワールス半径を用いた。あるケースではケージは楕円形であるため、この値はケージ容量のおおよその表示であることに留意されたい。また、表は各構造体における最も大きいケージの頂点の数を示す;この値は、12(crb)から48(rho)である。
【0039】
図1で、本開示のZIF構を3つの方法で示す。まず、ネットのスティック線図として;次に、同じ構造体をタイル(tile)に分解している(空間を完全に埋めるよう結合する一般化した多面体又はケージ)。いくつかの構造体(すなわち、cag,gis,及びsod)では、1種類のみのタイルを有する。最後に、代表的なIMの実際の構造体の最も大きいケージを、右側に示す。Zn(II)をCo(II)で置換しても、構造に本質的に物質的な違いがない;このため、ZIF−7及び−11は、それぞれZIF−9及び−12と実質的に同じである。
【0040】
ZIFの細孔率及び安定性
ZIFの特性の詳細な調査を可能とするためにグラム規模のいくつかのZIFを用意した。これらのZIFの構造的な態様は、小さな開口(ZDF−8及び−11について、それぞれ3.4及び3.0Åにわたっている)を介して繋がった大きな細孔(ZDF−8及び−11で、それぞれ11.6及び14.6Åの直径である)を有するということである。細孔の大きさは、長いIMの結合単位により、ゼオライトの対応する部分の約2倍の大きさである;しかしながら、結合部の側鎖又は環の存在により、開口の大きさを分子篩の下限に抑えている(表2)。
【0041】
合成した(as−synthesized)ZIF−8及び−11に実施した熱重量分析(TGA)が、これらの化合物の熱安定性を明らかにした。ZIF−8についてのTGAの記録が、ゲスト種[1N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)及び3H2O;計算値35.9%]の部分的喪失に対応して、28.3%(25〜450℃)の緩やかな減量段階、及びこれに続く平坦域(450〜550℃)を示した。より印象的なことに、ZIF−11についてのTGAの記録が、N,N−ジエチルホルムアミド(DEF)は実際にはZIF−11の開口の大きさよりも大きいという事実に拘わらず、細孔(0.9DEF;計算値23.3%)に捕捉された全てのDMF溶媒の分子の喪失に対応して22.8%(25〜250℃)の急激な減量段階を明らかにした。また、ZIF−11のTGAの記録が、250〜550℃の温度で長い平坦域を示し、ゲスト分子が無い場合にその高い熱安定性を示した。N2雰囲気でそれぞれ500℃及び300℃に加熱保持されたZIF−8及びZIF−11試料の粉末x線回折(PXRD)パターンと、単結晶構造から想定されるPXRDパターンとの一致からも明らかなように、ZIF−8及び−11のゲストは、骨格を壊すことなしに送出された。(N2中で最大550℃までの)ZIFのこのような高い熱安定性は、常に多孔質の立方晶構造のMOFの熱安定性よりもはるかに優れており、比較的緻密な構造を有するほんのわずかなMOFのみが互角である。
【0042】
合成したZIF−8及び−11に含まれるアミドゲストは、溶媒交換によってより容易に除去可能である。ZIF−8及び−11の熱重量挙動は、メタノールといった有機溶媒にそれらを浸した後に、非常に簡単化されたものであった。骨格からゲスト種を除去して、気体収着分析のためのZIF−8及び−11の真空形態を用意するために、合成したZIF試料を室温で48時間メタノールに浸し、室温で5時間その後昇温して(ZIF−8は300℃;ZIF−11は180℃)2時間真空引きした。良く保たれたPXRDパターン及びTGA記録の長い平坦期(25〜550℃)からも明らかなように、このようにして得られたZIF試料を最適に真空引きした。
【0043】
真空にしたZIF−8及び−11の構造上の剛性ひいては一定の細孔率が、気体吸着分析によって明らかに判明された。ZIF−8について、その細孔特性を表すタイプ1の窒素吸着等温挙動が観測された(図2a)。P/P0=0.01−0.10の範囲の吸着ブランチについてのデータ点を用いることによって、ZIF−8について、1,810m2/g(Langmuirモデル)及び1,630m2/g[Brunauer− Emmett−Teller(BET)モデル]の見かけの比表面積が観測され、P/P0=0.10での1つのデータ点に基づいて、ZIF−8について0.636cm3/gの細孔容量が観測された。ZIF−8の実験的な比表面積及び細孔容量の値は、その単結晶構造に基づく予測と良く一致した(表2)。これらの比表面積は、ゼオライト及び規則メソ多孔性シリカ型材料について報告された高い値を上回る。これに対し、ZIF−11は、その開口サイズが窒素の動的な直径(3.6Å)よりも小さかったため、窒素に対して非多孔質であった;しかしながら、水素を取り込むことが可能であった。ZIF−8及び−11の双方は、可逆的な水素吸着挙動を示した(図2b)。興味深いことに、ZIF−11による初期の水素の取り込みは、PhIMリンクの突出するベンゼン側の環から成りリンクの周りに有益な水素の吸着部位を生じるその独特のケージ型の内部のため、ZIF−8のそれよりもかなり高かった。しかしながら、吸着圧力が1atmに近付くと、ZIF−8は水素の取り込みについてZIF−11と同じであった[ZIF−8について標準温度及び標準圧力(STP)で145cm3/g又は12.9mg/g;ZIF−11についてSTPで154cm3/g又は13.7mg/g]。このような結果は、ZIF−8がより大きい比表面積を及び細孔容量を有するため(表2)、予想される。ZIF−8の最大水素容量は、大量の真空に引いたZIF−8(0.724g)についての、77Kにおける高圧(最大80bar)での水素吸着測定で明らかにされ、55barで350cm3/gSTP(31mg/g)を示した。ZIF−8の水素の取り込み及びそのLangmuir比表面積(1,810m2/g)は、大きな比表面積を具えた一連のMOFに関する我々の高圧水素吸着測定に基づいて近年報告された線形関係と、良く一致した。
【0044】
ZIF−8及び−11の試料を、典型的な工業化学プロセスの極端な操作パラメータを反映する条件である、沸騰したベンゼン、メタノール、水及び含水苛性ソーダ中に吊すことによって、ZIFの化学安定性を実験した(図3)。ZIF試料を、室温、50℃、及び各溶剤の沸点で所望の溶媒の中に1から7日間浸した。このような処理の間、光学顕微鏡によって試料を周期的に観察し、これらのそれぞれの状況下で不溶性物質であることが分かった。指定した間隔で各試料について収集されたPXRDパターンは、ZIF−8及び−11の固体試料が沸騰した有機溶媒に対して7日間影響を受けないことを示した。双方のZIFは、50℃の水の中で7日間その構造を維持した。ZIF−8をさらに調査することで、100℃、0.1及び8Mの含水苛性ソーダ中で最大24時間変化しないことを示した。ZIF−8の熱水安定性は、元のMCM及びSBA型の規則メソ多孔性シリカのそれよりも、これらの物質の超安定誘導体と比較したとしても、優れている。
【0045】
典型的なZIF合成
ベンズイミダゾール,2−メチルイミダゾール,硝酸インジウム五水和物及び硝酸コバルト六水和物を、the Aldrich Chemical Co.から購入し、イミダゾール,N,N−ジメチルホルムアミド(DMF),N−メチルピロリジノン(NMP)を、the Fisher Scientific International Inc.から購入した。N,N−ジメチルホルムアミド(DEF)をBASF Corperationから入手した。硝酸亜鉛四水和物をEM Scienceから購入した。全ての出発原料をさらに精製せずに使用した。全ての実験操作を大気中で行った。(ここでは、ZIFの合成をZIF−8の合成によって例示している)硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)24H2O(0.210g,8.03x10−4mol)及び2−メチルイミダゾール(H−MeIM)(0.060g,7.31x10−4mol)の固体混合物を、20−mlの小瓶中で18mlのDMFに溶かした。この小瓶にキャップをして、プログラム可能な炉の中で5°C/minの速度で140℃に加熱し、24時間この温度に保持した後、0.4°C/minの速度で室温まで冷却した。混合物から母液を除去した後、クロロホルム(20ml)を小瓶に加えた。無色の多面体結晶を上層から収集し、DMF(10mlx3)で洗浄し、空気中で10分間乾燥した(収量:0.032g,H−MeIMに基づいて25%)。生成物を微量元素分析を用いて、Zn(MeIM)2・(DMF)・(H2O)3(C11H23N5O4Zn;計算値C,37.25;H,6.54;N,19.74。測定値C,37.69;H,5.22;N,19.58)のように定式化した。また、ZIF−8生成物の純度をPXRD分析によって確認した。
【0046】
単結晶X線回折の研究
全ての強度データを、グラファイトで単色にしたMoKa(λ=0.71073Å)線を放射するSMART APEX CCD回折計(Bruker−AXS,Madison,WI)で収集した。構造を直接的方法で解析し、SHELXTLソフトウェアパッケージ(Bruker−AXS)で一連の様々なフーリエ合成を行った。結晶データは、以下の通りである:
ZIF−1(crb,単斜晶構造):単斜晶,空間群P21/n;a=9.740,b=15.266,c=14.936Å,β=98.62°;V=2195.8Å3,R1=0.0423。
ZIF−2(crb,斜方晶構造):斜方晶,空間群Pbca;a=9.679,b=c=24.114Å;V=5707Å3,R1=0.0591。
ZIF−3(dft):正方晶,空間群P42/mnm;a=b=18.970,c=16.740Å;V=6024.3(1)Å3,R1=0.0610。
ZIF−4(cag):斜方晶,空間群Pbca;a=b=15.395,c=18.426Å;V=4342.2Å3,R1=0.0406。
ZIF−5(gar):立方晶,空間群IaSd;αo=21.9619Å;V=0592.8Å3,R1=0.0191。
ZIF−6(gis):正方晶,空間群I41/amd;a=b=18.515,c=20.245Å;V=6940.2Å3,R1==0.0642。
ZIF−7:[sod−Zn(II)−PhIM構造]:六方晶,空間群R3;a=b=22.989,c=15.763Å;V=7214Å3,R1=0.0707。
ZIF−8:[sod−Zn(II)−MeIM構造]:正方晶,空間群I4/3m;αo=16.9910Å;V=4905.2Å3,R1=0.0314。
ZIF−9[sod−Co(II)−PhIM構造]:六方晶,空間群R3;a=b=22.9437,c=15.747Å;V=7178.8Å3,R1=0.0979。
ZIF−10(mer):正方晶,空間群I4/mmm;a=b=27.0608,c=19.406Å;V=14211Å3,R1=0.0636。
ZIF−11[rho−Zn(II)−PhIM構造]:立方晶,空間群Pm3m;αo=28.7595Å;V=23787.2Å3,R1=0.0787。
ZIF−12[rho−Co(II)−PhIM構造]:立方晶,空間群Pm3m;αo=28.7595Å;V=23787.2Å3,R1=0.1064。
原子座標は、デポジションナンバー(deposition number)602535(ZIF−I),602536(ZIF−2),602537(ZIF−3),602538(ZIF−4),602539(ZIF−5),602540(ZIF−6),602541(ZIF−7),602542(ZIF−8),602543(ZIF−9),602544(ZIF−10),602545(ZIF−Il),602546(ZIF−12)を引用することによって、Cambridge Crystallographic Data Centreからダウンロードして利用可能である。
【0047】
PXRD調査
粉末x線データを、ニッケルでフィルタリングしたCuKa線集束放射を用いた1,600W(40kV,40mA)の出力の反射ブラッグ−ブレンターノ型であって、0.2mmの放射線入射スリットを装着したNa(Tl)シンチレーション検出器を備えたD8−Advanceθ−2θ回折計(Bruker)を用いて収集した。幅広の刃を具えたヘラから粉末を落として鋭い刃で試料面を平らにすることによって、試料をゼロバックグラウンド試料ホルダに付けた。全ての試料をPXRD試験の前に粉末にした。
【0048】
TGA
連続的に流れる窒素雰囲気中で白金の皿に試料を入れて、全ての試料をQ−500シリーズの熱重量分析器(TA Instruments,NewCastle,DE)で試験した。全てのTGA試験において5℃/minの一定の昇温速度で試料を加熱した。
【0049】
気体吸着測定
Autosorb−1C自動容量測定機器(Quantachrome, Boynton Beach,FL)で、低圧の気体吸着試験(最大1atm)を実施した。自家製の液体窒素冷却システムを具えて冷却剤の一定の液面を維持するHPA−100容量機器(VTI,Hialeah,FL)で、高圧の水素吸着試験(最大80bar)を実施した。REFPROPプログラム[Version 7.0;National Institute of Standards and Technology(NIST),Gaithersburg,MD]及びNIST Standard Reference Data Base 23を用いることによって、高圧気体の圧縮率補正を決定した。気体吸着分析の前に、ZIF−8及び−11試料を、室温で48時間メタノールに浸し、室温で5時間真空に引いた後、2時間加熱した(ZIF−8について300℃、ZIF−11について180℃)。
【0050】
(ZIF−I crb):Zn(IM)2・(Me2NH)
硝酸亜鉛四水和物(Zn(NO3)2・4H2O(0.09g,3.44x10−4mol)及びイミダゾール(H−IM)(0.15g,2.20x10−3mol)の固体混合物を、20mlの小瓶中で18mlのDMFに溶かした。小瓶にキャップをして85℃の等温炉中で24時間加熱した。そして、小瓶を炉から取り出して室温に自然冷却されるようにした。このようにして生成した無色の立方晶ZIF−1をDMF(3mLx3)で洗浄し、空気中で(10分間)乾燥した(収量:0.014g,硝酸亜鉛四水和物に基づいて17%)。
元素分析:C8H13N5Zn=Zn(IM)2・(Me2NH):計算値C,39.28;H,5.36;N,28.65。測定値C,39.47;H,4.39;N,27.13.
FT−IR:(KBr4000−400cm−1):3445(br),3103(w),2935(w),2385(w),2355(w),1647(s),1499(m),1418(w),1403(w),1321(w),1291(w),1245(w),1184(w),1087(s),1026(w),985(w),960(m),837(w),761(m),680(m),603(w)。
【0051】
(ZIF−3dft):Zn(IM)2
硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)2・4H2O(0.010g,3.82x10−5mol)及びイミダゾール(H−IM)(0.030g,4.41x10−4mol)の固体混合物を、4mlの小瓶に加え、DMF(2mL)及びNMP(1mL)の混合溶媒に溶かした。小瓶にキャップをして85℃の等温炉中で24時間加熱した。そして、小瓶を炉から取り出して室温に自然冷却するようにした。角柱状の結晶が、白い粉末状の沈殿物とともに小瓶の下部に生成した。単結晶X線構造決定用にZIF−3の結晶を手作業で収集した。
【0052】
(ZIF−4cag):Zn(IM)2・(DMF)(H2O)
硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)2・4H2O(0.040g,1.53x10−4mol)及びイミダゾール(H−IM)(0.030g,4.41x10−4mol)の固体混合物を、4mlの小瓶中で3mlのDMFに溶かした。小瓶にキャップをして、プログラム可能な炉の中で5℃/minの昇温速度で130℃に加熱し、この温度で48時間保持した後、0.4℃/minの速度で室温まで冷却した。このようにして生成した無色の菱面体晶ZIF−4をDMF(3mLx3)で洗浄し、空気中で(10分間)乾燥した(収量:0.021g,硝酸亜鉛四水和物に基づいて47%)。
元素分析:C9H15N5O2Zn=Zn(IM)2・(DMF)(H2O):計算値C,37.19;H,5.20;N,24.10。測定値C,38.02;H,4.14;N,26.74.
FT−IR:(KBr4000−400cm−1):3427(br),3111(w),2926(w),2856(w),1688(m),1612(br),1502(m),1392(w),1282(w),1247(w),1176(w),1091(s),986(w),961(m),846(w),770(m),680(m),490(br).
【0053】
(ZIF−5gar):In2Zn3(IM)12
硝酸インジウム五水和物In(NO3)3・5H2O(0.156g,4.0x10−4mol),硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)2・4H2O(0.026g,1.0x10−4mmol)及びイミダゾール(H−IM)(0.136g,2x10−3mol)をDEF/nブタノール(4mL/2mL,)の混合溶媒に溶かした。少量の水酸化テトラエチルアンモニウム(35%の水溶液)を加えた後、混合物をテフロン(登録商標)で覆われたParr社製ステンレス鋼の容器(23mL)に移して、自己の圧力の下で150℃で72時間加熱した。そのようにして生成した淡黄色の結晶をエタノールで洗浄し、空気中で乾燥した(収量:硝酸亜鉛四水和物に基づいて70%)。
元素分析:C36H36N24Zn3In2=In2Zn3(IM)12:計算値C,35.14;H,2.95;N,27.32。測定値C,33.97;H,2.82;N,26.22。Zn/Inモル比:計算値1.50,測定値1.52。
Fr−IR(KBr4000−400cm−1):3433(br),3132(m),3112(m),2601(w),2524(w),1697(m),1605(m)。
【0054】
ZIF−5は、単結晶X線構造に基づいてIn2Zn3(IM)12として定式化された。本合成で使用する高いIn/Zn比が、ZIF−5の形成にとって重要であることが分かった。しかしながら、結晶面についての「明るいスポット」の電子顕微鏡分析(EMPA)結果からも明らかなように、高いインジウム含有量により、アモルファスのインジウムリッチ不純物(酸化インジウム又は水酸化インジウム)の量が少なくなる。バルク生成物に関するC,H,N原子の元素分析の結果に基づいて、このような不純物の含有量を3.3%から4.4%と算定した。にもかかわらず、バルク生成物から手作業で分けた少量の最もクリアーな結晶に関するZn/Inのモル比の元素分析の結果は、提案された構造式に良く一致する。
【0055】
(ZIF−7 sod):Zn(PhIM)2・(H2O)3
硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)2・4H2O(0.030g,1.15x10−4mol)及びベンズイミダゾール(H−PhIM)(0.010g,8.46x10−5mol)の固体混合物を、4mlの小瓶中で3mlのDMFに溶かした。小瓶にキャップをして、プログラム可能な炉の中で5℃/minの昇温速度で130℃に加熱し、この温度で48時間保持した後、0.4℃/minの速度で室温まで冷却した。混合物から母液を取り除いた後、クロロフォルム(3ml)を小瓶に加えた。無色の立方晶ZIF−7を上層から収集し、DMF(3mLx3)で洗浄し、空気中で(10分間)乾燥した(収量:0.015g,H−PhIMに基づいて37%)。
元素分析。C14H16N4O3Zn=Zn(IM)2・(H2O)3:計算値C,47.54;H,4.56;N,15.84。測定値C,46.95;H,3.57;N,16.40。
FT−IR:(KBr 4000−400cm−1):3450(br),3063(w),2930(w),1678(s),1622(w),1479(s),1387(m),1306(m),1286(m),1245(s),1209(w),1189(m),1123(m),1097(m),1011(m),914(m),781(m),746(s),654(m),476(m),435(m)。
【0056】
(ZIF−8 sod):Zn(MeIM)2・(DMF)・(H2O)3。
硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)2・4H2O(0.210g,8.03x10−4mol)及び2−メチルイミダゾール(H−MeIM)(0.060g,7.31x10−4mol)の固体混合物を、20mlの小瓶中で18mlのDMFに溶かした。小瓶にキャップをして、プログラム可能な炉の中で5℃/minの昇温速度で140℃に加熱し、この温度で24時間保持した後、0.4℃/minの速度で室温まで冷却した。混合物から母液を取り除いた後、クロロフォルム(20ml)を小瓶に加えた。無色の多面体結晶の生成物を上層から収集し、DMF(10mLx3)で洗浄し、空気中で(10分間)乾燥した(収量:0.032g,H−MeIMに基づいて25%)。
元素分析。C11H23N5O4Zn=Zn(MeIM)2・(DMF)・(H2O)3計算値C,37.25;H,6.54;N,19.74。測定値C,37.69;H,5.22;N,19.58
FT−IR:(KBr 4000−400cm−1):3460(w),3134(w),2930(m),2854(w),2767(w),2487(w),2457(w),1693(s),1591(w),1459(s),1428(s),1392(m),1311(s),1265(w),1189(m),1148(s),1091(m),1000(m),960(w),766(s),695(m),664(m),425(s)。
【0057】
(ZIF−9 sod):Co(PhIM)2・(DMF)(H2O)
硝酸コバルト六水和物Co(NO3)2・6H2O(0.210g,7.21x10−4mol)及びベンズイミダゾール(H−PhIM)(0.060g,5.08xl0−4mol)の固体混合物を、20mlの小瓶中で18mlのDMFに溶かした。小瓶にキャップをして、プログラム可能な炉の中で5℃/minの昇温速度で130℃に加熱し、この温度で48時間保持した後、0.4℃/minの速度で室温まで冷却した。このようにして生成した紫色の立方晶をDMF(3mLx3)で洗浄し、空気中で(10分間)乾燥した(収量:0.030g,H−PhMに基づいて30%)。
元素分析。C17H19N5O2Co=Co(PhIM)2・(DMF)(H2O)計算値C,53.13;H,4.98;N,18.22。測定値C,52.82;H,4.25;N,18.23。
FT−IR:(KBr 4000−400cm−1):3442(br),3071(w),2926(w),1678(s),1612(w),1467(s),1387(w),1302(w),1287(m),1242(s),1206(w),1186(w),1126(w),1096(w),1011(w),916(w),780(w),750(s),660(w),600(br),560(w),475(w)。
【0058】
(ZIF−10 mer):Zn(IM)2
硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)2・4H2O(0.010g,3.82x10−5mol)及びイミダゾール(H−IM)(0.030g,4.41x10−4mol)の固体混合物を、4mlの小瓶中で3mlのDMFに溶かした。小瓶にキャップをして、等温炉の中で85℃に4日間加熱した。その後、反応混合物を室温まで自然冷却した。ZIF−10のいくつかのブロック状の結晶が壁面及び下部に形成し、これらを手作業で分けて単結晶X線構造決定のために収集した。
【0059】
(ZIF−11 rho)Zn(PhIM)2・(DEF)0.9
硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)2・4H2O(0.60g,2.3x10−3mol)及びベンズイミダゾール(H−PhIM)(4.2g,3.5x10−2mol)の固体混合物を、500mlの広口のガラス・ジャーで360mlのDMFに溶かした。キャップをしたジャーを、等温炉の中で100℃に4日間加熱した。その後、炉からジャーを取り出して室温まで自然冷却した。無色の立方晶が、下部の結晶粉末とともにジャーの壁面に形成した。粉末X線回折によって粉末及び結晶は同じ相であることが分かったが、バルク特性解析のために壁面の結晶のみを使用した。上澄み液を移すのを繰り返し、DMFで洗浄し、数回超音波処理することによって、粉末及び母液を取り除いた。ろ過によってZIF−11の無色の結晶を収集し、DMF(200mLx2)で洗浄し、空気中で(30分間)乾燥した(収量:0.21g,Zn(NO3)2・4H2Oに基づいて23%)。
元素分析C18H21N501Znl=Zn(PhIM)2・(DEF)0.9計算値C,56.94;H,5.10;N,17.59。測定値:C,55.69;H,4.64;N,17.58。
FT−IR(KBr,4000−400cm−1):3452(br),3091(w),3056(w),2981(w),2941(w),2876(w),2781(w),2525(w),1939(w),1903(w),1783(w),1668(s),1618(m),1467(s),1397(w),1367(w),1307(m),1282(m),1247(m),1212(w),1187(m),1121(m),1001(m),911(m),826(w),771(m),751(s),645(m),553(m),520(w),475(m)。
【0060】
(ZIF−12 rho):Co(PhIM)2
硝酸コバルト六水和物Co(NO3)2・6H2O(0.010g,3.44x10−5mol)及びベンズイミダゾール(H−PhIM)(0.030g,2.54x10−5mol)の固体混合物を、4mlの小瓶中で3mlのDMFに溶かした。小瓶にキャップをして、等温炉の中で130℃に2日間加熱した。その後、反応混合物を室温まで自然冷却した。ZIF−12のいくつかの立方晶が小瓶の壁面及び下部に形成し、それらを単結晶X線構造決定のために収集した。
【0061】
反応槽として96−wellのガラス板(Zinsser,well当たり最大0.300mLの反応混合物)を用いた組み合わせ試験によって、ZIF−2及びZIF−6を発見した。DMF中の0.150Mのイミダゾール溶液及びDMF中の0.075MのZn(NO3)2・4H2O溶液を原液として使用した。96−wellのガラス板に、プログラムされた液体ハンドラー(Gilson,モデル215)によって配合された原液の混合物を装填した後、それをPTFEシートで覆い、金属性クランプによってシートを締め付けることによってシールし、その後、等温炉で85℃で3日間加熱した。反応後、光学顕微鏡で生成物を観察し、単結晶X線回折で特性を明らかにした。
【0062】
(ZIF−2 crb):Zn(IM)2
0.265mLのイミダゾールの原液(0.150M,3.98x10−4mol)及び0.035mlのZn(NO3)2・4H2Oの原液(0.075M,2.63x10−6mol)である。生成物は、小さな棒状の単結晶であった。
【0063】
(ZIF−6 gis):Zn(IM)2
0.257mLのイミダゾールの原液(0.150M,3.86x10−5mol)及びZn(NO3)2・4H2Oの原液(0.075M,3.23x10−6mol)である。生成物は、内部成長した大きなブロックの形をしており、光学顕微鏡下で小さな単結晶に切った。
【0064】
イミダゾールのFT−IRスペクトルは、窒素を含んだ複素環の多くの特性を示す。ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾールについては、C−Hストレッチ(stretch)が3125cm−1の近傍で吸収する。環の二重結合が、1665から1430cm−1の間のいくつかの帯域で吸収する。NH基が3335から2500cm−1の間で強く吸収し、多くのケースでカルボン酸ディマーのOHストレッチと同じような形状である。イミダゾールでは、この帯域は、1820cm−1の近傍の弱い帯域を伴う。図4(b)に示すように、3350から2500cm−1の間の強くて広いNH帯域の完全消失及び関連する1820cm−1の近傍の弱い帯域が、ZIF−5In2Zn3(IM)12の中のイミダゾールのリンクが完全に脱プロトン化していることを示している。
【0065】
ZIF−20:Zn(Pur)2・(DMF)0.75(H2O)1.5
硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)2・4H2O(65mg,0.25mmol,EM Science)及びプリン(150mg,1.25mmol,Fluka又はSigma)の固体混合物を、20mlの小瓶中で5mlのDMFに溶かし、わずかに懸濁した溶液を得た。小瓶をきつくキャップして、等温炉の中で65℃で3日間加熱し、少量の粉末とともに淡黄色の八面体結晶を生じた。小瓶を室温まで自然冷却した後、母液及びDMF(5mLx3)とともに上澄み液を移すことにより、粉末の生成物を取り除いた。30分間空気中で結晶を乾燥した。(収量:48mg,Zn(NO3)2・4H2Oに基づいて50%)。
元素分析:Zn(Pur)2・(DMF)0.75(H2O)1.5の計算値:C,38.17;H,3.73;N,31.80。測定値C,37.93;H,3.52;N,31.85%。
FT−IR(KBr,4000−400cm−1):3433(br),3098(w),3065(w),3036(w),2930(w),2856(w),1670(s),1589(s),1568(m),1477(s),1398(s),1310(s),1221(s),1192(m),1094(m),1020(w),924(m),804(m),791(m),683(w),644(m),621(w),575(w),498(w),403(w)。
【0066】
ZIF−21:Co(Pur)2・(DMF)(H2O)
硝酸コバルト(II)六水和物(146mg,0.502mmol,Aldrich)及びプリン(300mg,2.50mmol)の固体混合物を、20mlの小瓶中で5mlのDMFに溶かした。この溶液に、MeOH(1.25mL,2.50mmol,Aldrich)の2.0Mのジメチルアミン溶液を加えた。小瓶をきつくキャップして、等温炉の中で85℃で24時間加熱し、紫色の八面体結晶を生じた。小瓶を室温まで自然冷却した後、結晶をDMF(5mLx3)で洗浄処理し、1時間空気中で乾燥した(収量:92mg,Co(NO3)2・6H2Oに基づいて47%)。
元素分析:Co(Pur)2・(DMF)(H2O)の計算値:C,40.22;H,3.89;N,32.47。測定値C,40.36;H,3.93;N,32.16%。
FT−IR(KBr,4000−400cm−1):3418(br),3086(w),2924(w),2855(w),1665(s),1589(s),1560(m),1468(s),1443(w),1396(s),1308(s),1234(w),1207(s),1188(s),1109(m),916(m),804(m),791(w),677(w),648(m),623(w),573(w),500(w)。
【0067】
ZIF−22:Zn(5−アザベンズイミダゾレート)2・(DMF)075(H20)2
硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)2・4H2O(52mg,0.20mmol)及び5−アザベンズイミダゾレート(238mg,2.00mmol,Aldrich)の固体混合物を、4mlの小瓶中で2mlのDMFに溶かし、白色沈殿物を得た。小瓶をきつくキャップして、等温炉の中で150℃で3日間加熱し、少量の粉末とともに淡黄色の八面体結晶を生じた。小瓶を室温まで自然冷却した後、母液及びDMF(4mLx3)とともに上澄み液を移すことにより、粉末の生成物を取り除いた。30分間空気中で結晶を乾燥した。(収量:68mg,Zn(NO3)2・4H2Oに基づいて87%)。
元素分析:Zn(5−アザベンズイミダゾレート)2・(DMF)0.75(H20)2の計算値:C,43.61;H,4.43;N,24.09。測定値C,43.74;H,4.33;N,24.24%。
FT−IR(KBr,4000−400cm−1):3422(br),3067(br),2930(w),2858(w),1672(s),1601(s),1572(w),1468(s),1439(m),1408(w),1385(s),1342(w),1313(s),1285(m),1234(s),1205(w),1186(m),1173(w),1096(m),1063(w),1038(w),1016(m),991(w).918(s),816(m),793(m),660(m),644(m),613(m),565(w),467(w),420(w)。
【0068】
ZIF−23:Zn(4−アザベンズイミダゾレート)2・(H2O)0.25
硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)2・4H2O(52mg,0.20mmol)及び4−アザベンズイミダゾレート(119mg,1.00mmol,Aldrich)の固体混合物を、4mlの小瓶中で1mlのDMFに溶かした。小瓶をきつくキャップして、等温炉の中で100℃で1日間加熱し、淡黄色の柱状結晶を生じた。小瓶を室温まで自然冷却した後、DMF(5mLx3)で結晶を洗浄処理し、空気中で30分間乾燥した(収量:55mg,Zn(NO3)2−4H2Oに基づいて90%)。
元素分析:Zn(4−アザベンズイミダゾレート)2・(H2O)0.25の計算値:C,47.08;H,2.80;N,27.45。測定値C,47.00;H,2.82;N,27.84%。
FT−IR(KBr,4000−400cm−1):3439(br),3080(m),3053(m),2937(w),1919(w),1879(w),1850(w),1665(m),1597(s),1574(w),1474(s),1406(s),1395(w),1313(m),1290(s),1263(w),1225(m),1186(m),1117(w),1042(w),1013(w),959(w),918(m),802(m),771(s),667(m),652(s),594(w),569(w),503(m),490(w)。
【0069】
ZIF−1(crb)の実験及び精密化の詳細
ZIF−1の無色の立方晶(0.15x0.10x0.10mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で223(2)Kに急速冷凍した。完全なデータセットの中から選択された951反射を用いて、実軸周りに180°回転[0.234−0.935 1.000]することによって、結晶が双晶となっていることが分かった。本プログラムによって作成された方向マトリクスを用いて、2成分のバージョンのSAINT−Plus(v.7.0)を用いたF2値データに簡約した。斜方晶セルの中でデータを統合することで、トータルで41904であって、そのうち20536が4σ(I)よりも大きい反射を得た。θの範囲は、1.92°から29.63°であった。直接法を用いてZ=4の単斜晶P21/n空間群における構造が判明した。全ての非水素原子を水素原子とともに異方的に精密化し、親原子の座標に乗る球として水素原子が形成された。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=1.053でR1=0.0423(F>2σF))及びwR2=0.0632(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける大部分の剰余電子密度は、ZIF−1の細孔の中のゲストジメチルアセトアミド分子と密接に関連していた。しかしながら、最も大きいピークはZn1に直接乗っており、対のデータセット(twinned datase)を具えた構造精密化のアーチファクトである。
ZIF−1の結晶データ及び構造精密化:実験式,C16H21N9OZn2;式量,486.16;温度,223(2)K;波長,0.71073Å;結晶系,単斜晶;空間群,P21/n;単位胞の寸法,a=9.7405(19)Å;α=90°,b=15.266(3)Å,β=98.62(3)°,c=14.936(3)Å;γ=90°;体積,2195.8Å3;Z,4;密度(計算値),1.471Mg/m3;吸収係数,2.209mm−1;F(000),992;結晶サイズ,0.15x0.10x0.10mm3;データ収集のためのシータの範囲,1.92°から29.63°。
Index ranges:−13<=h<=13,−21<=k<=21,−20<=l<=20
Reflections collected:41776
Independent reflections:41904 [R(int)=0.0000]
Completeness to theta = 29.63°99.2%
Absorption correction:Semi−empirical from equivalents
Max.and min.transmission:0.8093 and 0.7329
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:41904/0/257
Goodness−of−fit on F2:1.053
Final R indices [I>2sigma(I)]:R1=0.0423,wR2=0.0603
R indices(all data):Rl=0.0985,wR2=0.0632
Largest diff.peak and hole:1.437 and −0.583e.E−3
【0070】
ZIF−1の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x10)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0071】
ZIF−2CRB−斜方晶の実験及び精密化の詳細
ZIF−2の無色の立方晶(0.15x0.05x0.03mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で153(2)Kに急速冷凍した。斜方晶セルの中でデータを統合することで、トータルで12384であって、そのうち4094が一意的なものであって1936が4σ(I)よりも大きい反射を得た。θの範囲は、1.67°から23.25°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示した。直接法を用いてZ=8の単斜晶Pbca空間群における構造が判明した。全ての非水素原子を水素原子とともに異方的に精密化し、親原子の座標に乗る球として水素原子が形成された。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=0.924でR1=0.0591(F>2σF))及びwR2=0.1523(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける全ての剰余電子密度は、ZIF−2の細孔の中のゲストジメチルアセトアミド分子と密接に関連していた。
ZIF−2の結晶データ及び構造:実験式,C21H12N11O3Zn2;式量,597.16;温度,153K;波長,0.71073Å;結晶系,斜方晶;空間群,Pbca;単位胞の寸法,a=9.679(3)Å;α=90°,b=24.114(6)Å,β=90°,c=24.450(6)Å;γ=90°;体積,5707Å3;Z,8;密度(計算値),1.390Mg/m3;吸収係数,1.722mm−1;F(000),2392;結晶サイズ,0.15x0.10x0.10mm3;データ収集のためのシータの範囲,1.67°から23.25°。
Index ranges:−10<=h<=10,−26<=k<=19,−13<=1<=27
Reflections collected:12384
Independent reflections:4094 [R(int)=0.0809]
Completeness to theta =23.25° 99.9%
Absorption correction:Semi−empirical from equivalents
Max.and min.transmission:0.950 and 0.902
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:4094/0/334
Goodness−of−fit on F2:0.924
Final R indices [I>2sigma(I)]:R1=0.0591,wR2=0.1299
R indices(all data):R1=0.1317,wR2=0.1523
Largest diff.peak and hole:0.600 and −0.447e.E−3
【0072】
ZIF−2の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x10)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0073】
ZIF−3の実験及び精密化の詳細
ZIF−3の無色の柱状結晶(0.20x0.20x0.15mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で258(2)Kに急速冷凍した。初期の正方晶セルの中でデータを統合することで、トータルで50492であって、そのうち3091が一意的で1349が4σ(I)よりも大きい反射を得た。θの範囲は、1.62°から25.72°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示した。直接法を用いてZ=16の単斜晶P42/mnm空間群における構造が判明した。等方性の酸素原子をモデルにした細孔の中の電子密度を除いて全ての非水素原子を水素原子とともに異方的に精密化し、親原子の座標に乗る球として水素原子が形成された。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=1.012でR1=0.0610(F>2σF))及びwR2=0.1878(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける全ての剰余電子密度は、ZIF−3の細孔の中のゲスト分子と密接に関連していた。
ZIF−3の結晶データ及び構造精密化:実験式,C6H6N4O3Zn;式量,247.52;温度,258K;波長,0.71073Å;結晶系,正方晶;空間群,P42/mnm;単位胞の寸法,a=18.9701Å;α=90°,b=18.9701Å,β=90°,c=16.740Å;γ=90°;体積,6024.3Å3;Z,16;密度(計算値),1.092Mg/m3;吸収係数,1.622mm−1;F(000),1984;結晶サイズ,0.20x0.20x0.15mm3;データ収集のためのシータの範囲,1.62°から25.72°。
Index ranges:−23<=h<=23,−23<=k<=23,−20<=l<=20
Reflections collected:50942
Independent reflections:3091[R(int)=0.1647]
Completeness to theta = 25.72°99.3%
Max.and min.transmission:0.7929 and 0.7373
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:3091/0/146
Goodness−of−fit on F2:1.012
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.0610,wR2=0.1736
R indices(all data):R1=0.1293,wR2=0.1878
Largest diff.peak and hole:0.963 and −0.485e.E−3
【0074】
ZIF−3の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x10)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0075】
ZIF−4(CAG)の実験及び精密化の詳細
ZIF−4の無色の柱状結晶(0.20x0.15x0.15mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で233(2)Kに急速冷凍した。斜方晶セルの中でデータを統合することで、トータルで45791であって、そのうち6074が一意的で3960が4σ(I)よりも大きい反射を得た。θの範囲は、2.18°から29.63°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示した。直接法を用いてZ=8の単斜晶Pbca空間群における構造が判明した。原子C4及びC9が不規則で各群が独立した自由変項でモデル化されることが分かった。全ての非水素原子を親原子の座標に乗る球として形成される水素原子とともに異方的に精密化した。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=1.020でR1=0.0406(F>2σF))及びwR2=0.1109(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける全ての剰余電子密度は、ZIF−4の細孔の中のゲストジメチルアセトアミド分子と密接に関連していた。
ZIF−4の結晶データ及び構造精密化:実験式,C15H19N9OZn2;式量,472.13;温度,233K;波長,0.71073Å;結晶系,斜方晶;空間群,Pbca;単位胞の寸法,a=15.3950Å;α=90°,b=15.3073Å,β=90°,c=18.426Å;γ=90°;体積,4342.2Å3;Z,8;密度(計算値),1.444Mg/m3;吸収係数,2.232mm−1;F(000),1920;結晶サイズ,0.20x0.15x0.15mm3;データ収集のためのシータの範囲,2.18°から29.63°。
Index ranges:−21<=h<=21,−20<=k<=20,−25<=1<=25
Reflections collected:45791
Independent reflections:6074[R(int)=0.1045]
Completeness to theta = 29.63°99.2%
Absorption correction:Semi−empirical from equivalents
Max.and min.transmission:0.7307 and 0.6638
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:6074/0/243
Goodness−of−fit on F2:1.020
Final R indices [I>2sigma(I)]:R1=0.0406,wR2=0.1041
R indices(all data):Rl=0.0682,wR2=0.1109
Largest diff.peak and hole: 0.575 and −0.483 e.E−3
【0076】
ZIF−4の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0077】
ZIF−5(GARNET)の実験及び精密化の詳細
ZIF−5の無色の柱状(0.15x0.12x0.10mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で196(2)Kに急速冷凍した。トータルで35102の反射を収集し、そのうち1107が一意的であって997が4σ(I)よりも大きかった。θの範囲は、2.27°から28.26°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示した。直接法を用いてZ=8の立方晶Ia−3d空間群における構造が判明した。全ての非水素原子を親原子の座標に乗る球として形成される水素原子とともに異方的に精密化した。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=1.121でR1=0.0191(F>2σF))及びwR2=0.0553(全データ)に収束した。
ZIF−5の結晶データ及び構造精密化:実験式,C36H36In2N24Zn3;式量,1230.64;温度,153K;波長,0.71073Å;結晶系,立方晶;空間群,Ia−3d;単位胞の寸法,a=21.9619Å;α=90°,b=21.9619(6)Å,β=90°,c=21.9619Å;γ=90°;体積,10592.8Å3;Z,8;密度(計算値),1.543Mg/m3;吸収係数,2.247mm−1;F(000),4864;結晶サイズ,0.15x0.12x0.10mm3;データ収集のためのシータの範囲,2.27°から28.26°。
Index ranges:−29<=h<=27,−29<=k<=21,−29<=1<=25
Reflections collected:35102
Independent reflections:1107[R(int)=0.0245]
Completeness to theta = 28.26 100.0%
Absorption correction:Semi−empirical from equivalents
Max.and min.transmission:0.799 and 0.703
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:1107/0/62
Goodness−of−fit on F2:1.121
Final R indices [I>2sigma(I)]:R1=0.0191,wR2=0.0531
R indices(all data):R1=0.0221,wR2=0.0553
Largest diff.peak and hole:0.762 and −0.155e.E−3
【0078】
ZIF−5の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0079】
ZIF−6(GIS)の実験及び精密化の詳細
ZIF−6の無色のブロック状の結晶(0.12x0.10x0.08mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で258(2)Kに急速冷凍した。8880の反射のうち1582が一意的なもので821が4σ(I)よりも大きかった。θの範囲は、1.49°から24.71°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示した。直接法を用いてZ=16の単斜晶I41/amd(元の選択No.2)空間群における構造が判明した。原子C4A及びC4Bは、2成分の不規則炭素原子であった。C3A及びC3B原子は、イミダゾール環の2つの独立した炭素原子であった。環のこの部分は、2回対称軸(two−fold axis)によって関連する2つの部位にわたっていた。このため、C3A及びC3B双方のsofsが0.50に固定された。拡散電子密度を扱うために、タンパク質拡散散乱補正(SWAT)コマンドを適用した。2つの変数g及びUをそれぞれ1.1及び2.9に収束するよう精密化した。全ての非水素原子を親原子の座標に乗る球として形成される水素原子とともに異方的に精密化した。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=1.013でR1=0.0642(F>2σF))及びwR2=0.2394(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける全ての剰余電子密度は、ZIF−6の細孔の中のゲスト分子と密接に関連していた。吸着補正はデータの質を改善せず、これを適用しなかった。
ZIF−6の結晶データ及び構造精密化:実験式,C6H6N4O0.50Zn;式量,207.52;温度,258K;波長,0.71073Å;結晶系,正方晶;空間群,I4(1)/amd;単位胞の寸法,a=18.515Å;α=90°,b=18.515Å,β=90°,c=20.245Å;γ=90°;体積,6940.2Å3;Z,16;密度(計算値),0.794Mg/m3;吸収係数,1.390mm−1;F(000),992;結晶サイズ,0.12x0.10x0.08mm3;データ収集のためのシータの範囲,1.49°から24.71°。
Index ranges:−6<=h<=21,−21<=k<=20,−23<=1<=21
Reflections collected:8840
Independent reflections:1582[R(int)=0.0826]
Completeness to theta = 24.71° 99.4%
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:1582/0/58
Goodness−of−fit on F2:1.013
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.0642,wR2=0.2260
R indices(all data):R1=0.1037,wR2=0.2394Largest diff.peak and hole:0.735 and −0.318e.E−3
【0080】
ZIF−6の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0081】
ZIF−7(SOD)の実験及び精密化の詳細
ZIF−7の無色の柱状結晶(0.10x0.07x0.05mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で233Kに急速冷凍した。トータルで8134であって、そのうち4035が一意的で1782が4σ(I)よりも大きい反射を得た。θの範囲は、1.65°から29.55°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示した。直接法を用いてZ=18の菱面体晶R−3空間群における構造が判明した。全ての非水素原子を親原子の座標に乗る球として形成される水素原子とともに異方的に精密化した。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=1.038でR1=0.0707(F>2σF))及びwR2=0.1270(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける全ての剰余電子密度は、ZIF−7の細孔の中のゲスト分子と密接に関連していた。
ZIF−7の結晶データ及び構造精密化:実験式,C14H10N4O2.24Zn;式量,335.47;温度,258K;波長,0.71073Å;結晶系,六方晶;空間群,R−3;単位胞の寸法,a=22.989Å;α=90°,b=22.989Å,β=90°,c=15.763Å;γ=120°;体積,7214Å3;Z,18;密度(計算値),1.390Mg/m3;吸収係数,1.542mm−1;F(000),3059;結晶サイズ,0.10x0.07x0.05mm3;データ収集のためのシータの範囲,1.65°から29.55°。
Index ranges:−28<=h<=26,−26<=k<=14,−21<=1<=17
Reflections collected:8134
Independent reflections:4035[R(int)=0.0998]
Completeness to theta = 29.55° 89.8 %
Absorption correction:Semi−empirical from equivalents
Max.and min.transmission:0.9269 and 0.8611
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:4035/0/195
Goodness−of−fit on F2:1.038
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.0707,wR2=0.1157
R indices(all data):R1=0.1711,wR2=0.1270
Largest diff.peak and hole:0.623 and 0.549e.E−3
【0082】
ZIF−7の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0083】
ZIF−8(SOD−メチル誘導体)の実験及び精密化の詳細
ZIF−8の無色のブロック状の結晶(0.16x0.10x0.10mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で258(2)Kに急速冷凍した。トータルで27202であって、そのうち1302が一意的で1009が4σ(I)よりも大きい反射を得た。θの範囲は、2.94°から29.61°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示した。直接法を用いてZ=4の立方晶I−43m空間群における構造が判明した。全ての非水素原子を親原子の座標に乗る球として形成される水素原子とともに異方的に精密化した。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=0.546でR1=0.0314(F>2σF))及びwR2=0.0840(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける全ての剰余電子密度は、ZIF−8の細孔の中のゲスト分子と密接に関連していた。
ZIF−8の結晶データ及び構造精密化:実験式,C24H30N12O10Zn3;式量,842.71;温度,258K;波長,0.71073Å;結晶系,立方晶;空間群,I−43m;単位胞の寸法,a=16.9910Å;α=90°,b=16.9910Å,β=90°,c=16.9910Å;γ=90°;体積,4905.2Å3;Z,4;密度(計算値),1.141Mg/m3;吸収係数,1.503−1;F(000),1712;結晶サイズ,0.16x0.10x0.10mm3;データ収集のためのシータの範囲,2.94°から29.61°。
Index ranges:−23<=h<=23,−23<=k<=23,−23<=1<=23
Reflections collected:27202
Independent reflections:41904[R(int)=0.0922]
Completeness to theta = 29.61° 98.9%
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:1302/0/46
Goodness−of−fit on F2:0.546
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.0314,wR2=0.0758
R indices(all data):Rl=0.0418,wR2=0.0840
Absolute structure parameter:−0.01(2)
Largest diff.peak and hole:0.428 and −0.216e.E−3
【0084】
ZIF−8の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0085】
ZIF−9 (SOD−コバルト構造)の実験及び精密化の詳細
ZIF−9の紫色の立方晶(0.17x0.17x0.17mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で233(2)Kに急速冷凍した。トータルで24864であって、そのうち3953が一意的で2221が4σ(I)よりも大きい反射を得た。θの範囲は、2.42°から28.35°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示した。直接法を用いてZ=18の菱面体R−3空間群における構造が判明した。全ての非水素原子を親原子の座標に乗る球として形成される水素原子とともに異方的に精密化した。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=1.032でR1=0.0979(F>2σF))及びwR2=0.2784(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける全ての剰余電子密度は、ZIF−9の細孔の中のゲスト分子と密接に関連していた。
ZIF−9の結晶データ及び構造精密化:実験式,C14H10N4O2.24Co;式量,251.89;温度,258K;波長,0.71073Å;結晶系,六方晶;空間群,R−3;単位胞の寸法,a=22.9437Å;α=90°,b=22.9437Å,β=90°,c=15.747Å;γ=120°;体積,7178.8Å3;Z,18;密度(計算値),1.398Mg/m3;吸収係数,1.089mm−1;F(000),3066;結晶サイズ,0.17x0.17x0.17mm3;データ収集のためのシータの範囲,2.42°から28.35°。
Index ranges:−30<=h<=4,−16<=k<=25,−20<=l<=21
Reflections collected:24864
Independent reflections:41904[R(int)=0.1010]
Completeness to theta = 28.35° 99.1%
Max.and min.transmission:0.8365 and 0.8365
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:3953/0/198
Goodness−of−fit on F2:1.032
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.0979,wR2=0.2321
R indices(all data):Rl=0.1700,wR2=0.2784
Largest diff.peak and hole:0.726 and −0.727e.E−3
【0086】
ZIF−9の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0087】
ZIF−10(MER)の実験及び精密化の詳細
ZIF−10の無色の柱状結晶(0.20x0.10x0.10mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で233(2)Kに急速冷凍した。トータルで66076であって、そのうち3376が一意的で1771が4σ(I)よりも大きい反射を得た。θの範囲は、1.06°から26.37°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示した。直接法を用いてZ=32の単斜晶I4/mmm空間群における構造が判明した。C5及びC8原子は不規則で各群が自身の独立した自由変項でモデル化されることが分かった。全ての非水素原子を親原子の座標に乗る球として形成される水素原子とともに異方的に精密化した。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=1.059でR1=0.0636(F>2σF))及びwR2=0.2457(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける全ての剰余電子密度は、ZIF−10の細孔の中のゲスト分子と密接に関連していた。
ZIF−10の結晶データ及び構造精密化:実験式,C6H6N4O0.69Zn;式量,210.52;温度,223K;波長,0.71073Å;結晶系,正方晶;空間群,I4/mmm;単位胞の寸法,a=27.0608(18)Å;α=90°,b=27.0608Å,β=90°,c=19.406Å;γ=90°;体積,14211Å3;Z,32;密度(計算値),0.787Mg/m3;吸収係数,1.359mm−1;F(000),3376;結晶サイズ,0.2x0.1x0.1mm3;データ収集のためのシータの範囲,1.06°から26.37°。
Index ranges:−33<=h<=33,−33<=k<=33,−24<=1<=24
Reflections collected:66076
Independent reflections:3998[R(int)=0.1371]
Completeness to theta = 26.37° 99.2%
Absorption correction:Semi−empirical from equivalents
Max.and min.transmission:0.873 and 0.850
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:3998/0/118
Goodness−of−fit on F2:1.059
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.0636,wR2=0.2183
R indices(all data):R1=0.1291,wR2=0.2457
Largest diff.peak and hole:0.557 and −0.501e.E−3
【0088】
ZIF−10の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0089】
ZIF−11(RHO)の実験及び精密化の詳細
ZIF−11の無色の立方晶(0.08x0.08x0.08mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で233(2)Kに急速冷凍した。トータルで119088であって、そのうち2415が一意的で1300が4σ(I)よりも大きい反射を得た。θの範囲は、0.71°から20.81°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示した。直接法を用いてZ=12の立方晶Pm−3m空間群における構造が判明した。C7,C8,C12,C13,C14,及びC16原子は不規則で各群が自身の独立した自由変項でモデル化されることが分かった。全ての非水素原子を親原子の座標に乗る球として形成される水素原子とともに異方的に精密化した。拡散電子密度を扱うために、タンパク質拡散散乱補正(SWAT)コマンドを適用した。2つの変数g及びUをそれぞれ1.1及び2.9に収束するよう精密化した。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=1.006でR1=0.0778(F>2σF))及びwR2=0.2382(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける全ての剰余電子密度は、ZIF−11の細孔の中のゲスト分子と密接に関連していた。
ZIF−11の結晶データ及び構造精密化:実験式,C56H40N16O3.77Zn4;式量,1258.84;温度,258K;波長,0.71073Å;結晶系,立方晶;空間群,Pm−3m;単位胞の寸法,a=28.7595Å;α=90°,b=28.7595Å,β=90°,c=28.7595Å;γ=90°;体積,23787.2Å3;Z,12;密度(計算値),1.055Mg/m3;吸収係数,1.238mm−1;F(000),7658;結晶サイズ,0.08x0.08x0.08mm3;データ収集のためのシータの範囲,0.71°から20.81°。
Index ranges:−28<=h<=28,−28<=k<=28,−28<=1<=28
Reflections collected:119088
Independent reflections:2415[R(int)=0.1688]
Completeness to theta = 20.81° 96.8 %
Max.and min.transmission:0.9074 and 0.9074
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:2415/3/195
Goodness−of−fit on F2:1.056
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.0787,wR2=0.2246
R indices(all data):R1=0.1322,wR2=0.2498
Largest diff.peak and hole: 0.579 and −0.395e.E−3
【0090】
ZIF−11の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0091】
ZIF−12(RHO−コバルト構造)の実験及び精密化の詳細
ZIF−12の紫色の立方晶(0.08x0.08x0.08mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で233Kに急速冷凍した。トータルで21631であって、そのうち1204が一意的で398が4σ(I)よりも大きい反射を得た。θの範囲は、0.71°から15.94°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示したが、収集可能な信頼性のあるデータの量は、小さな結晶サイズ及びその低い結晶化度により、非常に限られていた。直接法を用いてZ=12の立方晶Pm−3m空間群における構造が判明した。C7,C8,C13,C14,及びC16原子は不規則で各群が自身の独立した自由変項でモデル化されることが分かった。全ての非水素原子(Coを除く)及び水素原子を等方的に精密化し、水素原子は親原子の座標に乗る球として形成された。コバルト原子を異方的に精密化した。このモデルは精度が低く、ZIF−12が結晶形態の中で孤立していることを示すことが報告されていることに留意されたい。また、他のサポートする特性データ(下記の材料及び方法を参照)がこのような結果をサポートしている。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=1.202でR1=0.1064(F>2σF))及びwR2=0.23712(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける全ての剰余電子密度は、ZIF−12の細孔の中のゲスト分子と密接に関連していた。
ZIF−12の結晶データ及び構造精密化:実験式,C13.58H9.58CoN400.92;式量,280.176;温度,258K;波長,0.71073Å;結晶系,立方晶;空間群,Pm−3m;単位胞の寸法,a=28.7595Å;α=90°,b=28.7595Å,β=90°,c=28.7595Å;γ=90°;体積,23787.2Å3;Z,12;密度(計算値),1.014Mg/m3;吸収係数,0.864mm−1;F(000),7366;結晶サイズ,0.08x0.08x0.08mm3;データ収集のためのシータの範囲,1.00°から15.94°。
Index ranges:−16<=h<=22,−21<=k<=21,−22<=1<=16
Reflections collected:21631
Independent reflections:1204[R(int)=0.4632]
Completeness to theta = 15.94° 99.0%
Absorption correction:Semi−empirical from equivalents
Max.and min.transmission:0.9341 and 0.9341
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:1204/8/124
Goodness−of−fit on F2:1.202
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.1064,wR2=0.3393
R indices(all data):R1=0.2328,wR2=0.3712
Largest diff.peak and hole:0.907 and −0.439e.E−3
【0092】
ZIF−12の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0093】
ZIF−20及び−21の実験及び精密化の詳細
ZIF−21については、全ての非水素原子(Coを除く)及び水素原子を等方的に精密化した。コバルト原子を異方的に精密化した。ZIF−20を結晶形態に分離できた。このような構造についてZIF−20と同じ溶媒規則モデルを使用したことに留意されたい。ZIF−20の結晶データ及び構造精密化:実験式,C20H12N16O8.88Zn2;式量,749.20;温度,153K;波長,1.54178Å;結晶系,立方晶;空間群,Fm−3m;単位胞の寸法,a=45.4725Å;α=90°,b=45.4725Å,β=90°,c=45.4725Å;γ=90°;体積,94025.7Å3;Z,96;密度(計算値),1.270Mg/m3;吸収係数,2.027mm−1;F(000),36000;結晶サイズ,0.20x0.20x0.15mm3;データ収集のためのシータの範囲,1.68°から50.37°。
Index ranges:−45<=h<=36,−40<=k<=33,−43<=l<=41
Reflections collected:34673
Independent reflections:2446[R(int)=0.0466]
Completeness to theta = 50.37° 99.6%
Absorption correction:Semi−empirical from equivalents
Max.and min.transmission:0.742 and 0.706
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:2446/0/184
Goodness−of−fit on F2:1.467
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.0871,wR2=0.3160
R indices(all data):R1=0.0949,wR2=0.3261
Largest diff.peak and hole:1.717 and −0.805e.Å−3
【0094】
ZIF−20の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0095】
ZIF−21の結晶データ及び構造精密化:実験式,C20H12Co2N16O8.88;式量,736.32;温度,153K;波長,1.54178Å;結晶系,立方晶;空間群,Fm−3m;単位胞の寸法,a=45.4725Å;α=90°,b=45.4725Å,β=90°,c=45.4725Å;γ=90°;体積,94025.7Å3;Z,96;密度(計算値),1.248Mg/m3;吸収係数,7.154mm−1;F(000),35424;結晶サイズ,0.20x0.10x0.10mm3;データ収集のためのシータの範囲,1.68°から30.87°。
Index ranges:−30<=h<=29,−30<=k<=30,−29<=l<=30
Reflections collected:47463
Independent reflections:794[R(int)=0.0818]
Completeness to theta = 30.87° 100.0%
Absorption correction:Semi−empirical from equivalents
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:794/1/91
Goodness−of−fit on F2:2.636
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.1386,wR2=0.4752
R indices(all data):R1=0.1423,wR2=0.4838
Largest diff.peak and hole:0.663 and −0.788e.Å−3
【0096】
ZIF−21の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直行するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0097】
ZIF−22の実験及び精密化の詳細
ZIF−22の結晶データ及び構造精密化:実験式,C24H16N12O8.33Zn2;式量,736.56;温度,293K;波長,1.54178Å;結晶系,立方晶;空間群,Fm−3m;単位胞の寸法,a=45.6001Å;α=90°,b=45.6001Å,β=90°,c=45.6001Å;γ=90°;体積,94819.4Å3;Z,96;密度(計算値),1.238Mg/m3;吸収係数,1.960mm−1;F(000),35584;結晶サイズ,0.16x0.14x0.13mm3;データ収集のためのシータの範囲,1.68°から50.44°。
Index ranges:−45<=h<=45,−40<=k<=45,−45<=l<=43
Reflections collected:101868
Independent reflections:2456[R(int)=0.1384]
Completeness to theta = 50.44° 99.1%
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:2456/0/213
Goodness−of−fit on F2:1.355
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.1087,wR2=0.3634
R indices(all data):R1=0.1402,wR2=0.4071
Largest diff.peak and hole:2.663 and −0.835e.A−3
【0098】
ZIF−22の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0099】
ZIF−23の実験及び精密化の詳細
ZIF−23の結晶データ及び構造精密化:実験式,C12H8N6Zn;式量,301.61;温度,153K;波長,1.54178Å;結晶系,斜方晶;空間群,P212121;単位胞の寸法,a=9.5477Å;α=90°,b=10.1461Å,β=90°,c=12.4459Å;γ=90°;体積,1205.66Å3;Z,4;密度(計算値),1.662Mg/m3;吸収係数,2.791mm−1;F(000),608;結晶サイズ,0.11x0.05x0.03mm3;データ収集のためのシータの範囲,5.63°から50.41°。
Index ranges:−9<=h<=9,−10<=k<=9,−10<=l<=12
Reflections collected:5183
Independent reflections:1257[R(int)=0.0706]
Completeness to theta = 50.41° 99.3 %
Absorption correction, Semi−empirical from equivalents
Max. and min. transmission, 0.9111 and 0.7470
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:1257/0/172
Goodness−of−fit on F2:0.783
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.0242,wR2=0.0618
R indices(all data):R1=0.0271,wR2=0.0640
Absolute structure parameter:−0.06(4)
Largest diff.peak and hole:0.159 and −0.171e.A−3
【0100】
ZIF−23の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0101】
粉末X線回折(PXRD)データを、ニッケルでフィルタリングしたCuKa線集束放射を用いた1,600W(40kV,40mA)の出力の反射ブラッグ−ブレンターノ型であって、0.2mmの放射線入射スリットを装着したNa(Tl)シンチレーション検出器を備えたBruker D8−Advance θ−2θ回折計を用いて収集した。バルクの中で確実に単分散するように全ての試料を粉末にした後、幅広の刃を具えたヘラから粉末を落として鋭い刃で試料面を平らにすることによって、ゼロバックグラウンド試料ホルダに付けた。ベストな計数統計を、ステップ当たり10秒の露光時間で1.5から60°までの0.02° 2θステップのスキャンを用いることによって達成した。
【0102】
実験及びシミュレートしたZIF−1(crb)のPXRDパターンにおける回折線の位置及び指数の比較。完全な一致からの偏差が、データ収集温度の差から主として生じている(単結晶についての極低温データ及びバルク粉末についての室温データ):
【0103】
実験及びシミュレートしたZIF−4(cag)のPXRDパターンにおける回折線の位置及び指数の比較。完全な一致からの偏差が、データ収集温度の差から主として生じている(単結晶についての極低温データ及びバルク粉末についての室温データ):
【0104】
実験及びシミュレートしたZIF−7(sod)のPXRDパターンにおける回折線の位置及び指数の比較。完全な一致からの偏差が、データ収集温度の差から主として生じている(単結晶についての極低温データ及びバルク粉末についての室温データ):
【0105】
実験及びシミュレートしたZIF−8(sod)のPXRDパターンにおける回折線の位置及び指数の比較。完全な一致からの偏差が、データ収集温度の差から主として生じている(単結晶についての極低温データ及びバルク粉末についての室温データ)。
【0106】
実験及びシミュレートしたZIF−11(rho)のPXRDパターンにおける回折線の位置及び指数の比較。完全な一致からの偏差が、データ収集温度の差から主として生じている(単結晶についての極低温データ及びバルク粉末についての室温データ)。
【0107】
ZIF−7,8,及び11について、ベンゼン、メタノール及び水中での安定性の試験を行った。これらの溶液を選んで、極性溶媒に対する非極性溶媒の相対的な影響を比較した。室温、50℃及び各溶液の沸点(メタノール65℃、ベンゼン80℃、水100℃)で最大7日間試験を行った。24時間周期でPXRD分析の試料の部分を等分することによって骨格の構造的安定性を観察した。
【0108】
連続的に流れる窒素雰囲気中で白金の皿に試料を入れて、全ての試料を、TAInstruments Q−500シリーズの熱重量分析器で試験した。
【0109】
メタノール又はジクロロメタンによる処理が、ZIF−8の熱重量挙動を簡単化し、効果的な溶媒置換を示した。特に、メタノールで置換したZIF−8試料のTGA記録では、450℃までの元の緩やかな28.3%の減量段階を、周囲温度付近での非常に小さな初期段階、200℃までの平坦期及び200℃から450℃の温度範囲の7.6%の緩やかな段階で置き換えられた。ZIF−11は、TGAトレースが150から250℃の温度範囲で0.4%のわずかな減量段階のみを示すメタノール置換した試料の場合に、さらに効果的に溶媒置換が可能であった。さらに、ZIF−11は、ZIF−8よりも動的な構造であるように思われる。
【0110】
全ての低圧の気体吸着試験(最大1atm)をQuantachrome Autosorb−1C自動容量測定機器で実施した。高圧の水素吸着試験(最大80bar)を、自家製の液体窒素冷却システムを具えて冷却剤の一定の液面を維持するVTI HPA−100容量機器で実施した。NIST RefPropプログラム(Version 7.0)及びNIST Standard Reference Data Base 23を用いることによって、高圧気体の圧縮率補正を決定した(高圧水素吸着測定の詳細は、Wong−Foy,A.G.,Matzger,A.J.及びYaghi,O.M.(2006)J.Am.Chem.Soc.128,3494−3495を参照)。
【0111】
前項に示すTGAの結果の観点から、ZIF−8及びZIF−11を、気体吸着分析の前に以下のような方法で真空に引いた。合成したままのZIF試料を周囲温度で48時間メタノールに浸して、周囲温度で5時間真空に引いた後、2時間加熱した(ZIF−8について300℃、ZIF−11について180℃)。良く保持されたPXRDパターン及び図35に示すようにTGA記録の長い平坦部(550℃までの周囲温度)から明らかなように、このようにして得たZIF試料を最適に真空に引いた。
【0112】
真空に引いたZIF−8の細孔特性は、このような化合物のタイプIの窒素吸着等温線であることが分かった。同じ等温線の対数スケールのプロットでは、細孔領域への2つの連続的な窒素取り込み段階が現れ、それぞれP/P0=1x10−4から2x10−3及び5x10−3から1x10−2で生じた。2段階の態様が、ZIF−8のアルゴン吸着等温線においても87Kで見受けられた。興味深いことに、P/P0=1x10−3から3x10−3及び0.25から0.35で発生するアルゴン等温線における2つの段階は、さらに分離された。非常に急激なヒステリシスループである後の段階を具え、このようなアルゴン等温線は典型的なタイプ4として分類される。しかしながら、低い閉塞点のため、さらに重要なことには、ZIF−8の窒素等温線のメソ細孔範囲の段階及びヒステリシス態様が無いため、メソ細孔の中へのアルゴンの毛管凝縮よってヒステリシスループを説明することができない。このような効果がZIF−11で観察されなかったため、2段階の態様を、かなりの量の気体分子のさらなる適応が可能なZIF−8構造での変化に帰することは適切ではなく、ZIF−11は加熱時又は溶媒中でZIF−8よりも動的な構造であることが分かっている。このため、窒素及びアルゴン双方の等温線における2段階の態様が、吸着される気体分子の再配置の結果としてある閾値圧で生じ、ZIF−8の開口の大きさが窒素及びアルゴン分子の大きさに非常に近いため、このような効果はZIF−8のケースで重要である。さらに、窒素及びアルゴン等温線における第2の段階の閾値圧間の大きな差は、窒素及びアルゴンの異なる分極率及び分子形状によるものであり、これにより、第1のステップが完了した後に吸着した気体分子がどのように分散且つ再構成するかを判断する。
【0113】
P/P0=0.01−0.10の範囲の吸着ブランチについてのデータ点を用いることによって、ZIF−8の1,810m2/g(Langmuir)及び1,630m2/g(BET)の見掛けの比表面積が得られ、P/P0=0.10での1つのデータ点に基づいて、ZIF−8について0.636cm3/gの細孔容量を得た。Langmuir式に適合する線形性は1.000000であり、BET式に適合する線形性は0.999710であり、BET式から得られるC定数は、−663である。このため、Langmuirモデルは、ZIF−8の比表面積を見積もるのにより適していることが明らかである。
【0114】
P/P0=7×10−4から4×10−3の窒素等温線のデータ点、すなわち、第1のステップの完了部分を使用して、1334m2/gのLangmuir比表面積(直線性0.999997)、1328m2/gのBET比表面積(直線性0.999998,C定数 3900)、及び0.443cm3/g(P/P0=4×10−3において)の細孔容量を得た。P/P0=5×10−3から5×10−2のアルゴン等温線のデータ点、すなわち、第1段階の完了部分を使用して、1430m2/gのLangmuir比表面積(直線性0.999996)、1353m2/gのBET比表面積(直線性0.999961,C定数 −7890)、及び0.481(P/P0=0.10において)の細孔容量を得た。窒素等温線及びアルゴン等温線から得た値は、良く一致する。P/P0=0.42のアルゴン等温線の吸着ブランチ、すなわち第2段階の完了部分での1つのデータ点を用いて、0.656cm3/gの細孔容量を得た。さらに、この値は、窒素等温線の片方の側から得たのものと一致した。これらの計算は、窒素及びアルゴン等温線の2段階の態様の間の類似性を示した。
【0115】
RHO及びSOD双方のゼオライトトポロジーを具えた材料については、リンカーとしてベンズイミダゾレートを用いて同じ骨格構成を得る(図36)。これらの構造それぞれにおいて、1つの型のケージを有する。2つの型のケージ(α及びβ)を有するゼオライトA(LTA)をトポロジーを具えたZIFを調整する目的で、主要な炭素原子位置を窒素に置換することが、LTA構造を実現するか否かに拘わらず大きな影響を与える(図36)。ベンズイミダゾレートの位置4で炭素を置換することで、ダイヤモンドトポロジーを具えるZIF−23を与えた。しかしながら、位置5又は5及び7で炭素原子を置換することで、LTA構造に基づくZIFを与えた。これらの位置は、リンク−リンク相互作用を導入するのに理想的に適合し、位置1及び3の窒素原子によって与えられる幾何学的制御とともに、特にLTAに構造を指向する(図36)。このような方法は、アルミノケイ酸塩ゼオライトの合成で良く研究されているアルキルアンモニウムイオン及び有機分子の付加と対照的にリンカとしても機能する構造指向剤を使用するための新たな方法である。
【0116】
Zn(NO3)2・4H2O又はCo(NO3)2・6H2O及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の過量のプリンの65℃又は85℃でのソルボサーマル反応によって、それぞれLTAトポロジーを具えたZIFを合成し、結晶Zn(Pur)2・(DMF)0.75(H2O)1.5(ZIF−20,Pur=purinate)及びそのCo(II)anagloue(ZIF−21)を与えた。
【0117】
LTA構造の骨格を図37に示しており、まさに頂点(T原子)及びエッジ(T原子間のリンク)を示している。それは、単に3:1:1の比の立方体、切頂8面体(β−ケージ)及び、切頂立方8面体(α−ケージ)のタイルで構成されている。ZIF−20では、T原子がZnで、リンカーが五員環のイミダゾレートのN原子を介したZnへのPur結合である。このような構造では、リンカーは不規則である。6員環のN及びC原子が環に対して垂直な結晶学的鏡面を架橋することで、C及びN原子は区別ができない。a=45.4725ÅのZIF−20の立方晶の単位胞は、94025.7(7)Å3の単位胞容量の中に192の亜鉛イオンを含んでいる。単位胞容量当たりの金属原子の密度(T/V)は2.04nm−3であり、それはゼオライトAのそれ(12.9nm−3)よりも非常に小さい。同一の構造がZnをCoで置換したZIF−21に見受けられた。
【0118】
図38は、ZIF−20の分離したケージを示しており;Purリンカー向いている方向のため、図38a及び図38bに示すように、2種類のα−ケージを有することに気付く。α−ケージは、48個のZnと72個のPurを具えている(360C,216H,288N)。14.5Å(図38a)又は15.4Å(図38b)の直径の大きな孔が、12の8員環、8の12員環、及び6の16員環によって囲まれており、Purの位置2のZn及びC原子が環の点となっていた。最も大きい16員環は、2.8Åの直径の開口を有している。ZIF−20のT・・・T距離(約5.9Å)は、イミダゾレートリンカーの中に酸化物イオンを置換することによって拡大し(アルミノケイ酸塩における対応するSi・・・Si距離は、約3.0Åである)、これによりゼオライトAのそれ(約11.4Å)よりも大きな最大の孔サイズのα−ケージを生じる。β−ケージ[24Zn及び36Pur(180C,108H,144N)](図38c)及び立方体[8Zn及び12Pur(60C,36H,48N)](図38d)は、より小さな空洞(それぞれ5.3及び4.5Å)及びより小さな開口(それぞれ2.0Å及び1.5Å)を有している。これにより、いくつかの小さな分子が16員環の窓を通ってβ−ケージに近付き得る。
【0119】
SOD及びRHO(双方がベンズイミダゾレートから得られる)よりもむしろLTAトポロジーの形成の理由を明らかにするために、4−アザベンズイミダゾレート又は5−アザベンズイミダゾレートをリンカーとして使用した(図36)。前者はdiaトポロジーの新たな構造(ZIF−22)を与えたが、後者は基本的に同一の原子座標を具えたLTA構造(ZIF−22)をさらに導き、双方が単結晶X線結晶学によって特定された。
【0120】
LTA構造を形成するために、リンカーの位置5のN原子を有する必要がある。実際にはこれら全ての構造の注意深い実験により、位置5及び6での6員環の原子対が互いに近付いた(3.39及び3.52Å)ユニークな態様の構造を示す(特に、図38dを参照)。これは、明らかに、2つのリンカーの位置5及び6におけるCH−N・・・N−CH対間の静電相互作用及び双極子−双極子相互作用によるものである。しかしながら、4−アザベンズイミダゾレートのケースでは、位置4及び7での2つのリンカーの間の距離が遠過ぎて、図38dを見ても分かるように、好ましい相互作用を生じない。このような相互作用は、おそらくLTA構造の結晶化の早い段階で立方体を形成するのを好む。また、ゼオライトAのLTA合成に関する立方体の初期の形成の重要性が提案されている。
【0121】
立方体が形成されると、LTA構造は伝播し得る主要な幾何学的な対象である。他の場所で説明するように、1種類のエッジを通して立方体をリンクする2つの方法があり、これによりLTA及びACOトポロジーをもたらすため、これらは既定のトポロジーであると思われている。LTA構造は、145°のT−X−Tリンク(このケースでは、X=Im)に既に合わせてあるが、最大対称では曲がっているACOの形態は180°である。対称性を低くすることによって、ACOに由来する構造の角度を小さくすることが可能であるが、イミダゾレートACOを形成するためにT−Im結合を結合分子、このケースでは5員環のC3H1N2イミダゾレート環の面からかなり曲げなければならないことは、重要な点である。実際には、イミダゾレートでは、T−Im結合はイミダゾレート環と同一面上にあり;例えば、ZIF−20では、Zn−N−N−Znのねじれ角は0.00から0.15°であり、145°の角度で平面のリンカーで立方体を結合し得る(図38e)。
【0122】
ゲストフリー(活性化)ZIF−20の不変の細孔率が、アルゴンガス吸着の測定により検証された。合成したままのZIF−20は、元素分析及び熱重量分析(TGA,図39)によって予測される約21wt%のDMF及びH2Oを有している。合成したZIF−20の溶媒をメタノールと置換することによって、活性化した試料を用意し、室温で真空に引いた。メタノールで置換した活性化化合物は、TGA及び粉末X線回折(PXRD)測定によって(図48及び44をそれぞれ参照)特性が明らかにされた。
【0123】
87Kのアルゴン吸着で観察されるタイプIの等温線(IUPAC分類)(図39)は、活性化したZIF−20の細孔を示している。P/P0>0.4での小さなH4のヒステリシスは、試料の結晶間の欠陥に起因する。結晶構造から決定されるZIF−20の最大の開口(2.8Å)は、Arの動的な直径(3.40Å)よりも小さい。しかしながら、構造の中の空間に動的な細孔の拡大プロセスを介して近付くことができ、Purが向きを変えて気体分子を通すことができる。Langmuir及びDubinin−Radushkevitch (DR)式をそれぞれ適用することによって、見掛けの比表面積及び細孔容量を800m2g−1及び0.27cm3g−1と算定した。
【0124】
気体吸着測定の試料を以下のように用意した。合成したままのZIF−20の試料をグローブボックスの中で3日間無水メタノールに浸した;置換する間に、メタノールを6回新しくした。得られたメタノールで置換したZIF−20の試料を、グローブボックスの中で石英セルに移し、ピペットで溶媒を大ざっぱに移した。そして、濡れた試料を周囲温度で12時間真空に引き、気体吸着測定のための活性化試料(約200mg)を生成した。フィラーロッドとともに試料セルをグローブボックスのバルブに取り付け、測定が開始するまでグローブボックスの密閉を保持し、その後、空気に試料を晒さずに試料セルを機器に取り付けた。
【0125】
低圧のAr吸着試験(最大1atm)を、Quantachrome AUTOSORB−I 自動容量機器により液体アルゴンバスを用いて87Kで実施した。P/P0=0.02−0.10の範囲の吸着ブランチでのデータ点を用いることによって、800m2g−1の見掛けの比表面積(Langmuir,フィッティングの直線性は0.999967)を得た。P/P0=0.02−0.10の範囲でDubinin−Radushkevitch(DR)式(フィッティングの直線性は0.999781)適用することによって、0.27cm3g−1細孔容量を得た。石英セル及びフィラーロッドによる表面の吸着は、観察された試料への取り込みの0.4%を下回っていた。
【0126】
CCDの領域検出器を具え1200Wの出力(40kV,30mA)で動作してCuKα放射(λ=1.5418Å)を生じるBruker SMART APEXIIの3つの軌道の回折計でデータを収集した。入射X線ビームを集束して、Bruker Excalibur Gobel 光学ミラーを用いて単色化した。全ての結晶をParaton−N(Hampton Research)でナイロンCryoLoopsに取り付けた。予備的な単位胞パラメータ得るよう各試料の初めのスキャンを実施して、結晶のmosaicityを評価してデータ収集のための所要のフレーム幅を選択した。全てのケースにおいて0.3°のフレーム幅が適切であると判断し、3つの異なる回折計(2θ)の設定(2θ=28,60,100°)でΦ及びωの重なる走査を実行するのに向いているBruker APEX21ソフトウェアを用いてデータの全領域を収集した。データ収集に続いて、Ewald球の全ての領域から反射をサンプリングして、データ統合のために単位胞パラメータを再決定し、CELL_NOWを用いて回転双晶をチェックした。結晶の崩壊を裏付ける証拠にこれまで直面しなかった。収集したフレームの精緻な見直しに続いてデータセットの分解能を判断し、必要に応じてBruker SAINTプラス プログラムを用いて、干渉性散乱が観察されないフレームの領域をデータ統合のための検討の対象から除外した。狭いフレームアルゴリズムを用いてデータを統合し、続いて吸着のために補正した。XPREPを用いて空間群の決定及び欠面の双晶のための試験を実施した。全てのケースで、最も高い可能性の有る空間群を選択し、欠面の双晶は観察されなかった。
【0127】
合成したZIFについて収集された回折パターンを、単結晶X線構造からのシミュレーション結果とともに、図44から47に示す。また、MeOHで置換したZIF−20の活性化材料のデータが図44に示されている。
【0128】
ZIF−20,−21,及び22のTGAの記録を図48から50にそれぞれ示す。ZIF−20の250℃までの23%の減量が、DMFは実際にはZIF−20の開口の大きさよりもかなり大きいという事実に拘わらず、ゲスト分子(0.75DMF及び1.5H2O;計算値21%)の放出と一致する。ZIF−21の210℃までの23%の減量が、ゲスト分子(1DMF及び1H2O;計算値23%)の放出と一致する。ZIF−22の250℃までの20%の減量が、ゲスト分子(0.75DMF及び2H2O;計算値23%)の放出と一致する。
【0129】
また、図48はMeOHで置換した活性化ZIF−20のTGA記録示す。合成した材料の250℃までの元の減量が、周囲温度付近の20%の初期段階によって置き換わり、メタノールによる効果的な溶媒置換を示した。DMF分子は、実際にはZIF−20の開口よりもサイズがかなり大きいが、ZIF−11について上述したようにZIF−20の動的な構造によって、溶媒置換挙動を説明し得る。わずかな減量(〜3%、おそらくH2Oによる)が観察されたが、活性化材料の分析結果が細孔に捕捉された溶媒分子が大部分除去されたことを示す。
【0130】
多くの実施例及び態様を上述したが、添付の特許請求の範囲で規定する本開示の示唆又は本発明の範囲から逸脱せずに、上記の実施例の改良及び変更を行っても良いことが、当業者によって理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】図1は、ZIFの単結晶x線構造を示す。(左及び中央)各列において、スティック線図(左)及びタイル(中央)を示す。(右)灰色のZnN4四面体、及びZIF−5では灰色のInN6八面体を具えた各ZIFで最も大きいケージを示す。明りょうのためH原子を省略する。
【図2A−C】図2A−Cは、典型的なZIFの気体吸着等温線を示す。(a)は、ZIF−8sodの77Kでの窒素等温線である。(b)は、ZIF−8sod及びZIF−11の77Kでの水素等温線である。(c)は、ZIF−8sodの77Kでの高圧水素等温線である。
【図3A−D】図3A−Dは、化学安定性試験で測定されたZIF−8試料のPXRDパターンを示す。(a)は、7日間80℃の還流ベンゼン中。(b)は、7日間65℃で還流メタノール中。(c)は、7日間100℃で還流水中。(d)は、1日間還流含水NaOH溶液中。
【図4A−B】図4A−Bは、(a)イミダゾール及び(b)ZIF−5(gar),In2Zn3(IM)12のFT−IRスペクトルを表す。
【図5】図5は、ジメチルアセトアミドゲスト分子を含むZIF−1の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。
【図6】図6は、ジメチルホルムアミドゲスト分子を含むZIF−2の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。50%の確率水準で楕円体を示す。
【図7】図7は、ZIF−3骨格の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。
【図8】図8は、ジメチルホルムアミドゲスト分子を含むZIF−4の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。
【図9】図9は、ZIF−5骨格の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。50%の確率水準で楕円体を示す
【図10】図10は、ZIF−6骨格の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。
【図11】図11は、ZIF−7骨格の非対称ユニットのORTEPの典型例である。
【図12】図12は、ZIF−8骨格の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。
【図13】図13は、ZIF−9骨格の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。
【図14】図14は、ZIF−10骨格の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。
【図15】図15は、ZIF−11骨格の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。
【図16】図16は、ZIF−12骨格の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。
【図17】図17は、調整したZIF−1の実験的なPXRDパターン(上側)とその単結晶構造の1つのシミュレーション(下側)との比較を示す。これらのパターンの非常に高い一致は、バルク材料が単結晶と同じ構造を有していることを示す。
【図18】図18は、調整したZIF−4の実験的なPXRDパターン(上側)とその単結晶構造の1つのシミュレーション(下側)との比較を示す。これらのパターンの非常に高い一致は、バルク材料が単結晶と同じ構造を有していることを示す。
【図19】図19は、調整したZIF−7の実験的なPXRDパターン(上側)とその単結晶構造の1つのシミュレーション(下側)との比較を示す。これらのパターンの非常に高い一致は、バルク材料が単結晶と同じ構造を有していることを示す。
【図20】図20は、調整したZIF−11の実験的なPXRDパターン(上側)とその単結晶構造の1つのシミュレーション(下側)との比較を示す。これらのパターンの非常に高い一致は、バルク材料が単結晶と同じ構造を有していることを示す。
【図21】図21は、室温のベンゼン中での安定性試験の際に収集されたZIF−7のPXRDパターンを示す。ZIF−7の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図22】図22は、50℃のベンゼン中での安定性試験の際に収集されたZIF−7のPXRDパターンを示す。ZIF−7の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図23】図23は、80℃のベンゼン中での安定性試験の際に収集されたZIF−7のPXRDパターンを示す。ZIF−7の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図24】図24は、室温のメタノール中での安定性試験の際に収集されたZIF−7のPXRDパターンを示す。ZIF−7の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図25】図25は、50℃のメタノール中での安定性試験の際に収集されたZIF−7のPXRDパターンを示す。ZIF−7の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図26】図26は、還流メタノール中での安定性試験の際に収集されたZIF−7のPXRDパターンを示す。ZIF−7の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図27】図27は、室温の水中での安定性試験の際に収集されたZIF−7のPXRDパターンを示す。ZIF−7の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図28】図28は、50℃の水中での安定性試験の際に収集されたZIF−7のPXRDパターンを示す。ZIF−7の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図29】図29は、室温のベンゼン中での安定性試験の際に収集されたZIF−11のPXRDパターンを示す。ZIF−11の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図30】図30は、還流ベンゼン中での安定性試験の際に収集されたZIF−11のPXRDパターンを示す。ZIF−11の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図31】図31は、還流メタノール中での安定性試験の際に収集されたZIF−11のPXRDパターンを示す。ZIF−11の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図32】図32は、50℃の水中での安定性試験の際に収集されたZIF−11のPXRDパターンを示す。ZIF−11の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図33】図33は、合成した後のZIF−1(crb)のTGAの記録である。
【図34】図34は、合成した後のZIF−1(sod)のTGAの記録である。
【図35】図35は、合成した後、溶媒で置換した後、真空に引いた後(活性化)の試料のTGA記録の重ね合わせを示し、(a)はZIF−8で(b)はZIF−11について示す。
【図36】図36は、イミダゾレート型リンカーの窒素原子の位置が、ゼオライトイミダゾレート骨格(ZIF)トポロジー(SOD,RHO,dia,及びLTA)を形成するための選択の際に重要であることを表す。全てのリンカーの番号付けは、ベンズイミダゾレートについて表示されるのと同じである。
【図37】図37は、LTAトポロジーのケージ構造を表す。この構造を、立方体の分解タイル、切頂八面体及び切頂立方八面体として示す。
【図38A−E】図38A−Eは、ゼオライトAと同じLTAトポロジー有するZIF−20のX線単結晶構造として示す。ここで、ゼオライトA中の酸素及びケイ素原子をベンズイミダゾレート及び四面体亜鉛原子でそれぞれ置換して、拡張した2つのα−ケージ、a及びb、β−ケージ、c、及び立方体、dを与える。2つの立方体間の結合eは、構造の網目化において重要である。C/N原子の対の近距離の接近に気付く。ZnN4四面体,炭素及び窒素。
【図39】図39は、不変の細孔材料及びゼオライトAと比較して高い比表面積を表すタイプIの挙動を示す87Kで測定されたZIF−20のアルゴン吸着を示す。黒丸及び白丸は、吸着及び脱着をそれぞれ表している。
【図40】図40は、ZIF−20の非対称ユニットのORTEP図面を示しており、明りょうのためゲスト存在物及びさらには水素原子を除いている。50%の確率水準で楕円体を示す。
【図41】図41は、ZIF−21の非対称ユニットのORTEP図面を示しており、明りょうのためゲスト存在物及びさらには水素原子を除いている。50%の確率水準で楕円体を示す。有機プリン配位子が等方的に精密化されていることに留意されたい。
【図42】図42は、ZIF−22の非対称ユニットのORTEP図面を示しており、明りょうのためゲスト存在物及びさらには水素原子を除いている。50%の確率水準で楕円体を示す。
【図43】図43は、ZIF−23の非対称ユニットのORTEP図面を示しており、明りょうのため水素原子を除いている。50%の確率水準で楕円体を示す。
【図44】図44は、合成後、MeOHで置換した後及び活性化したZIF−20の実験的なPXRDパターンと単結晶X線構造によるシミュレーションパターンとの比較を示す。
【図45】図45は、合成後のZIF−21の実験的なPXRDパターンと単結晶X線構造によるシミュレーションパターンとの比較を示す。
【図46】図46は、合成後のZIF−22の実験的なPXRDパターンと単結晶X線構造によるシミュレーションパターンとの比較を示す。
【図47】図47は、合成後のZIF−23の実験的なPXRDパターンと単結晶X線構造によるシミュレーションパターンとの比較を示す。
【図48】図48は、合成後、溶媒置換した後、及び活性化後のZIF−20のTGA記録の重ね合わせである。
【図49】図49は、ZIF−21の合成後の試料のTGA記録を示す。
【図50】図50は、ZIF−22の合成後の試料のTGA記録を示す。
【技術分野】
【0001】
本出願は、35U.S.C.§119(e)の下で、参照することにより開示が全体として本書に盛り込まれた、2006年2月28日に出願された米国仮出願第60/777,73号、及び2007年1月24日に出願された米国仮出願第60/886,492号に基づく優先権を主張する。
【0002】
少なくとも1つの態様において、本発明は、結晶ゼオライト及びこれを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
世界経済の大部分(3,500億ドル)が、石油化学における分解、水の軟水化及び浄化のためのイオン交換、及び気体の分離における多孔質結晶ゼオライトの使用に基づいている。ゼオライト構造は、O原子を介して共有結合した四面体Si(Al)O4ユニットから成り、150の様々なタイプの骨格を形成する。長年の課題は、それらの細孔の中に遷移金属イオン及び有機単位を取り込むことであり、より望ましくは、ゼオライト骨格と一体化した部分としてそれを行うことである。このような性能は、電子的及び立体的特性を有機的な結びつきの機能化によって調整可能な高濃度の規則遷移金属部位に細孔が覆われるため、多くの触媒的応用で有用である。しかしながら、これらの特徴を結びつけるこのようなゼオライトを実現するための構想は、概して未だ実現されていない状態にある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施例は、ゼオライト骨格を提供し、これは、M−L−M型の全体構造を具え、Mは、遷移金属を具えており、Lは、1,2,3又はそれらの組み合わせから成る群から選択される構造を具える結合部分であり、
A,A1,A2,A3,A4,A5,A6及びA7は、C又はN原子のいずれかであり、R5からR8は、A1及びA4がC原子を具える場合に存在し、R1,R4又はR9は、Mと干渉しない非立体的に遮蔽された官能基を具えており、R2,R3,R5,R6,R7,R8,R10,R11,R12のそれぞれが、個別にアルキル基、ハロ基、シアノ基、又はニトロ基であり、M1,M2,M3,M4,M5,M6が、それぞれ遷移金属を具えており(これらはMの例)、連結基が構造3を具える場合に,R10,R11及びR12がそれぞれ個別に電子求引基である。一実施例では、R1,R4及びR9が、H、メチル基、ハロ基、シアノ基、及びエチル基を成す群から選択される個別に小さな官能基である。一実施例では、連結部分が、イミダゾレート又はイミダゾレート誘導体である。さらなる実施例では、イミダゾレート又はイミダゾレート誘導体が、4,5,6,7,8,及び9を成す群から選択される。
一実施例では、イミダゾレート又はイミダゾレート誘導体が、置換イミダゾレート;すなわちメチル基、ニトロ基、シアノ基、又はクロロ基を具えるベンズイミダゾレート;アザベンズイミダゾレート;及び1又はそれ以上の炭素原子を窒素に置換したアザベンズイミダゾレートから成る群から選択される。遷移金属は、Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Y,Zr,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,Lu,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Au,Hg,Lr,Rf,Db,Sg,Bh,Hs,Mt,Ds,Rg及びUubから成る群から選択される。一形態では、ゼオライト骨格が、異種の遷移金属の結合を具えている。さらに別の実施例では、ゼオライト骨格が、同種の遷移金属を具えているが、連結部分が異種の組み合わせである。さらなる実施例では、ゼオライト骨格が異種の遷移金属及び連結部分の混合物を具えている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
少なくとも1のバリエーションでは、本発明はゼオライト骨格を提供し、ゼオライト骨格は、ABW,ACO,AEI,AEL,AEN,AET,AFG,AFI,AFN,AFO,AFR,AFS,AFT,AFX,AFY,AHT,ANA,APC,APD,AST,ASV,ATN,ATO,ATS,ATT,ATV,AWO,AWW,BCT,BEA,BEC,BIK,BOG,BPH,BRE,CAN,CAS,CDO,CFI,CGF,CGS,CHA,CHI,CLO,CON,CZP,DAC,DDR,DFO,DFT,DOH,DON,EAB,EDI,EMT,EON,EPI,ERI,ESV,ETR,EUO,EZT,FAR,FAU,FER,FRA,GIS,GIU,GME,GON,GOO,HEU,IFR,IHW,ISV,ITE,ITH,ITW,IWR,IWV,IWW,JBW,KFI,LAU,LEV,LIO,LIT,LOS,LOV,LTA,LTL,LTN,MAR,MAZ,MEI,MEL,MEP,MER,MFI,MFS,MON,MOR,MOZ,MSE,MSO,MTF,MTN,MTT,MTW,MWW,NAB,NAT,NES,NON,NPO,NSI,OBW,OFF,OSI,OSO,OWE,PAR,PAU,PHI,PON,RHO,RON,RRO,RSN,RTE,RTH,RUT,RWR,RWY,SAO,SAS,SAT,SAV,SBE,SBS,SBT,SFE,SFF,SFG,SFH,SFN,SFO,SGT,SIV,SOD,SOS,SSY,STF,STI,STT,SZR,TER,THO,TON,TSC,TUN,UEI,UFI,UOZ,USI,UTL,VET,VFI,VNI,VSV,WEI,WEN,YUG,及びZONから成る群から選択される骨格構造を具えており、骨格が構造1から9のうちの1又はそれ以上を含む連結部分によって結合された複数の遷移金属を具えている。
【0006】
本発明のゼオライト骨格のバリエーションは、1又はそれ以上の以下の特性を具えることができる:すなわち、複数の細孔の比表面積は、約2000m2/gよりも大きい;複数の細孔の比表面積は、約3,000−6,000m2/gである;複数の細孔のうちの各細孔は、0.1から0.99cm3/gの細孔容量を具えている;複数の細孔のうちの各細孔は、0.4から0.5cm3/gの細孔容量を具えている;約0.17g/cm3の骨格密度;本書に記載の表のうちの1つに記載の原子軸。
【0007】
本発明のいくつかのゼオライト骨格は、相互貫入してもよい。さらに、本発明のいくつかのゼオライト骨格を使用して、化学種(例えば、アンモニア、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、アミン、メタン、酸素、アルゴン、窒素、アルゴン、有機色素、多環有機分子、及びそれらの組み合わせ)を吸着可能である。本発明のいくつかのゼオライト骨格を、センサにおいて触媒としてガス貯蔵に使用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本書及び添付の特許請求の範囲で使用するように、「a」,「and」,「the」は、文脈が明らかに他のものを定めていない限り、複数の指示対象を含んでいる。このため、例えば、「a pore」への言及は、複数のこのようなporeを含んでおり、「the metal」への言及は、当業者等に知られた1又はそれ以上の金属への言及を含んでいる。
【0009】
他のものを規定しない限り、本書で使用する全ての技術的及び科学的用語は、本開示が属する技術の通常の当業者によって一般に理解されている同一の意味を有する。本書に記載のものに類似又は相当する方法及び物質を、開示した方法及び構成の実施で使用できるが、典型的な方法、装置及び物質が本書に記載されている。
【0010】
上記の文章にわたる開示は、本出願の出願日の前の単にそれらの開示のために提供される。本書のいかなる内容も、発明者が従前の開示によりこのような開示に先行する権利を有しないことを承認すると解釈すべきではない。
【0011】
ゼオライト骨格は、無機ゼオライト(例えば、高い安定性)及びMOF(例えば、高い多孔性及び有機官能基)双方の潜在的利点を有する一種の多孔性物質であり、高性能の触媒及び分離に適用可能である。総合的な観点から、ゼオライト骨格のトポロジーは、有機物リンカの分子構造によって規定することが可能で、ゼオライト骨格の中のリンカとリンカとの相互作用を調べることによって説明することができる。ゼオライトの化学反応で常に見付けられるゼオライト構造を予測する際の潜在的困難性を、構造の中の基本的な第2の基礎単位(LTAの場合の立方体)を形成するのに要するリンカをさらに詳しく述べることによって克服することが可能である。
【0012】
既存のゼオライトは、規則的なチャンネル及びケージ構造を有する結晶のアルミノケイ酸塩であり、一般に約0.9nmよりも小さい細孔を具えている。このようなゼオライトのネットワークは、共有された酸素ブリッジを介して結合されたSiO4及びAlO4の四面体で構成されている。基地の構造の概観は、例えば、W.M.Meier,D.H.Olson及びCh.Baerlocherによる、「Atlas of Zeolite Structure Types」,Elsevier,5th edition,Amsterdam 2001で見受けられる。特定の例は、pentasil構造、特にX線分析によって、ABW,AGO,AEI,AEL,AEN,AET,AFG,AFI,AFN,AFO,AFR,AFS,AFT,AFX,AFY,AHT,ANA,APC,APD,AST,ATN,ATO,ATS,ATT,ATV,AWO,AWW,BEA,BIK,BOG,BPH,BRE,CAN,CAS,CFI,CGF,CGS,CHA,CHI,CLO,CON,CZP,DAC,DDR,DFO,DFT,DOH,DON,EAB,EDI,EMT,EPI,ERI,ESV,EUO,FAU,FER,GIS,GME,GOO,HEU,IFR,ISV,ITE,JBW,KFI,LAU,LEV,LIO,LOS,LOV,LTA,LTL,LTN,MAZ,MEI,MEL,MEP,MER,MFI,MFS,MON,MOR,MSO,MTF,MTN,MTT,MTW,MWW,NAT,NES,NON,OFF,OSI,PAR,PAU,PHI,RHO,RON,RSN,RTE,RTH,RUT,SAO,SAT,SBE,SBS,SBT,SFF,SGT,SOD,STF,STI,STT,TER,THO,TON,TSC,VET,VFI,VNI,VSV,WIE,WEN,YUG及びZON構造、及び上記の構造の2又はそれ以上の混合構造に帰せられるタイプを有するゼオライトである。
【0013】
デフォルト構造(必然的に好適な高い対称性の幾何学的構造が半導体材料でほとんどの場合採用される)の概念は、シリケート又はイミダゾレートのいずれにも直接適用されない。145°の角度により、高い対称性の4配位の構造のFd3mダイヤモンドを形成するのが不可能であるため;低い対称性のシリカが常に見受けられる。自然はP41211クリストバライト多形体よりもむしろP3121石英の方を好むが、わずか1又は2kJ/molの差で、>10種類のシリカが基本的に(結合エネルギの規模の)等しいエネルギであることが知られている。これら及び関連する構造を再現性よく用意するために構造指向剤が必要であり、この構造指向剤がゼオライト合成のカギ(key)である。本開示は、広範囲のゼオライト構造を実現するのに反応状態の制御とともに構造指向剤(アミド溶剤及びリンカーの官能基化)が効果的であることを示している。
【0014】
現在まで、重要なFAU又はLTAのトポロジーに基づく金属−有機物の類似物は、2つのタイプの大きなケージ(FAUのスーパー及びβケージ、LTAのα及びβケージ)の存在によって課せられる困難性により存在しない。本開示は、方策を特定して、リンクの配置及びリンクとリンクとの間の相互作用の双方が決定的な構造規定の役割を果たすLTAイミダゾレート骨格を形成する。本開示は、例えば、ゼオライトAの類似物に拡張された多孔質ゼオライト構造の合成及び結晶構造を提供し、それらのケージの壁が機能化され、根本的なLTAの幾何学的構造を変えることなくそれらの金属イオンを変えることができる;これらは、ゼオライトの化学反応の後であって1つの物質に組み込まれる前ではない場合に、大いに求められる特性である。
【0015】
本書で使用するように、「コア」は、骨格に見受けられる繰り返し単位に言及する。このような骨格は、同種の繰り返しコア又は異種の繰り返しコア構造を具えることが可能である。コアは、遷移金属及び連結部分を具えている。互いに連結される複数のコアが骨格を規定する。
【0016】
「連結部分」は、遷移金属又は複数の遷移金属をそれぞれ結び付ける単座又は二座の化合物に言及する。
【0017】
「ゼオライト骨格」は、本書で使用するように、ゼオライト型構造を有する繰り返しコアの骨格に言及する。
【0018】
「ゼオライト型イミダゾレート骨格」又は「ZIF」は、イミダゾール、イミダゾール誘導体、又はイミダゾール連結基を有するゼオライト構造を具えるゼオライト骨格にに言及する。
【0019】
本開示は、同州又は異種の連結部分によって連結された同種の遷移金属又は異種の遷移金属のネットワークを具えるゼオライト骨格を提供する。本開示のゼオライト骨格は、文献で知られているAtlas of Zeolite Structure Typesに現在規定されているネットワークを具えている。本開示のゼオライト骨格は、本書でさらに十分に説明するように、ろ過、ガス貯蔵等に有用なナノ多孔質構造を提供する。
【0020】
また、本開示は、全ての四面体原子が遷移金属であり、連結部分が窒素、硫黄又は酸素有機分子を具えている有機リンカを具える(例えば、イミダゾレート(IM)ユニットといった)ゼオライト骨格のトポロジーを有する構造の一般的な合成を提供する。
【0021】
本開示の組成は、遷移金属のコア及び連結部分を具えるゼオライトの四面体網を具えている。有用な遷移金属は、以下のうちの1又はそれ以上を具えている:すなわち、Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Y,Zr,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,Lu,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Au,Hg,Lr,Rf,Db,Sg,Bh,Hs,Mt,Ds,Rg,及びUubである。本開示のゼオライト組成で有用なリンカを、構造1,2,3及びそれらの組み合わせから成る群から選択できる。
ここで、A,A1,A2,A3,A4,A5,A6及びA7は、C又はN原子のいずれかであり、R5からR8は、A1及びA4がC原子を具える場合に存在し、R1,R4又はR9は、連結部分に連結された遷移金属(M)と干渉しない非立体的に遮蔽された官能基(例えば、アルキル基)を具えており、R2,R3,R5,R6,R7,R8,R10,R11,R12のそれぞれが、個別にアルキル基、アリル基、ハロ基、シアノ基、又はニトロ基であり、M1,M2,M3,M4,M5,M6が、それぞれ遷移金属を具えており、連結基が構造3を具える場合に、R10,R11及びR12がそれぞれ個別に電子求引基である。一実施例では、R1,R4及びR9が、H、メチル基、ハロ基、シアノ基、及びエチル基を成す群から選択される個別に小さな官能基である。別の実施例では、連結基が構造3を具える場合に、R10,R11及びR12が、ニトロ基、シアノ基、フルオロ基、及びクロロ基を成す群から個別に選択される。本発明のあるバージョンでは、アルキル基が1から10の炭素原子を有し、アリル基が1から5のフェニル環を有する。別の態様では、連結基を二座又は単座とすることができる。ゼオライト骨格は、二座又は単座の連結部分を具えることができる。以下でさらに十分に説明するように、連結基が、4,5,6,7,8,及び9を成す群から選択される要素といったイミダゾレート又はイミダゾレート部分を具えることができる。
例えば、イミダゾレート化合物及び置換イミダゾレート、メチル基、ニトロ基、シアノ基、又はクロロ基を具えるベンズイミダゾレート、ベンズイミダゾレートの1又はそれ以上の炭素原子を窒素等に置換したアザベンズイミダゾレートといった誘導体を含むhetercyclic環を使用できる。
【0022】
本開示のゼオライト構造(例えば、ZIF)は、任意の骨格/構造を取ることができる。例えば、本開示の方法を用いて、以下の骨格コードを有するZIFを得ることが可能である:すなわち、ABW,ACO,AEI,AEL,AEN,AET,AFG,AFI,AFN,AFO,AFR,AFS,AFT,AFX,AFY,AHT,ANA,APC,APD,AST,ASV,ATN,ATO,ATS,ATT,ATV,AWO,AWW,BCT,BEA,BEC,BIK,BOG,BPH,BRE,CAN,CAS,CDO,CFI,CGF,CGS,CHA,CHI,CLO,CON,CZP,DAC,DDR,DFO,DFT,DOH,DON,EAB,EDI,EMT,EON,EPI,ERI,ESV,ETR,EUO,EZT,FAR,FAU,FER,FRA,GIS,GIU,GME,GON,GOO,HEU,IFR,IHW,ISV,ITE,ITH,ITW,IWR,IWV,IWW,JBW,KFI,LAU,LEV,LIO,LIT,LOS,LOV,LTA,LTL,LTN,MAR,MAZ,MEI,MEL,MEP,MER,MFI,MFS,MON,MOR,MOZ,MSE,MSO,MTF,MTN,MTT,MTW,MWW,NAB,NAT,NES,NON,NPO,NSI,OBW,OFF,OSI,OSO,OWE,PAR,PAU,PHI,PON,RHO,RON,RRO,RSN,RTE,RTH,RUT,RWR,RWY,SAO,SAS,SAT,SAV,SBE,SBS,SBT,SFE,SFF,SFG,SFH,SFN,SFO,SGT,SIV,SOD,SOS,SSY,STF,STI,STT,SZR,TER,THO,TON,TSC,TUN,UEI,UFI,UOZ,USI,UTL,VET,VFI,VNI,VSV,WEI,WEN,YUG,及びZONである。
【0023】
遷移金属及び連結部分のコアを使用して、複数のゼオライト骨格を生成する。例えば、イミダゾレート型リンクによる遷移金属の共重合により、ゼオライトイミダゾレート骨格(ZIF)を結晶として合成する。ZIF結晶構造は、複数の異なるアルミノケイ酸塩ゼオライトのネット(net)に基づいている:すなわち、四面体Si(Al)及び架橋するO原子を、それぞれ遷移金属及びイミダゾールリンクと置換する。ZIFの気体吸着及び熱的及び化学的安定性の研究により、それらの細孔率(約1,810m2/gのラングミュア比表面積)、(最大550°までの)高い熱的安定性、及び沸騰アルカリ水及び有機溶媒に対する顕著な耐化学性が明らかになった。
【0024】
例えば、イミダゾールは、プロトンを喪失してIMを形成する。このような骨格のコアは、T(Im)2(IM=イミダゾール及びその誘導体、T=四面体的に結合した金属イオン)と定式化可能であり、(アルミノ)シリケートゼオライトの(Al)SiO2骨格と同様である;特に約145°のT−Im−Tの角度が、ゼオライトに一般的に見られるSi−O−Siの角度に近い。構造が結合したCoN4又はZnN4四面体のネットに基づいた濃密相Co(IM)2及びZn(IM)2の分析により、角度が模式図1のように示される。
【0025】
従って、適正な状態では、金属IMが開骨格のゼオライト構造を取る。実際には、多くの新たなFe(II)(5),Co(II),Cu(II),及びZn(II)IM化合物がゼオライト状の四面体ネットに基づく構造を有している。
【0026】
本開示は、他のゼオライトネットに基づくゼオライト構造をもたらす全体的な方策を提供する。本開示は本開示のZIFの細孔率を確かめており、他の金属−有機化合物とは異なり、ZIF骨格(ZIF)は、還流有機溶媒、水、及びアルカリ性水溶液における優れた化学的安定性を有しており、上述されていない発見である。これらの結果は、このような未だ未開発の類の多孔質材料の潜在的な用途及び豊富な構造多様性を示している。
【0027】
ソルボサーマル法によって、ZIFといった本開示のゼオライト骨格を合成できる。N,N−ジエチルホルムアミド(DEF)といったアミド溶媒の中で、必要な水和金属塩(例えば、窒化物)及びイミダゾール型リンカを組み合わせることによって、高結晶質の材料を得た。得られた溶液を(85から150℃に)加熱して、48から96時間後に沈殿した本開示のゼオライト骨格を容易に分離した。沈殿物からx線分析に適した単結晶を選んだ。図1は、沈殿した構造体の例を示している。図1で、各構造の金属中心が、IMのN原子によって配位され、全体として中立骨格を与えている。図1に示すように、5員環から成るIMが、遷移金属中心間の架橋/結合単位としての役割を果たしており、環の1,3位置にある対応するN原子を介して骨格全体として145°までの角度を与えている。ゼオライト骨格の有機物成分は、従来のゼオライトのケイ酸塩酸化物表面よりもむしろ有機的に並んだケージ及びチャンネルを与えている。
【0028】
本開示のゼオライト骨格は、一部の極めて多孔質のMOF化合物と比表面積及び細孔容量が似ており、それらはゼオライト及び規則メソ多孔質シリカといった従来の結晶細孔性材料よりも優れている。何らかの理論によって縛られることを必要とし及びこれを欲するわけではないが、このような性質;非常に高い比表面積を成すためのカギとして提案されている特性は、一部には完全に露出した有機リンクのエッジ及び面によるものである。
【0029】
骨格は、1−9から選択される構造を有する連結部分によって結合された複数の遷移金属を具えたコアを具えており、約2000よりも大きい比表面積(例えば、約3,000から18,000m2/g又は約3,000から6,000m2/g)を有する複数の細孔を具えている。本開示の骨格の複数の細孔は、0.1から0.99cm3/cm3の細孔容量(例えば、約0.4から0.5cm3/cm3)具えている。本開示のゼオライト骨格は、本書の表のうちのいずれか1つに記載の原子座標を具えているコアを具えることが可能である。
【0030】
別の態様では、上記のゼオライト骨格は、骨格の比表面積を増やす相互貫入する骨格を有してもよい。本開示の骨格は、このような相互貫入が有利に無くてもよいが、相互貫入する骨格を含めることによって比表面積を増やしてもよい状況が有る。
【0031】
本開示の一実施例では、ゼオライト骨格を有するガス貯蔵材料が提供されている。有益なことに、ゼオライト骨格は、気体分子を貯蔵するための1又はそれ以上部位を有している。本開示のガス貯蔵材料に中に貯蔵される気体は、細孔の表面又は相互貫入する細孔ネットワーク1又はそれ以上の部位に付くのに有効な電子密度を具える気体分子を有している。このような電子密度は、それらに収容される2原子間の複数の結合を有する分子、又は孤立電子対を有する分子を含んでいる。このような気体の適切な例は、アンモニア、アルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される成分を具える気体を有しているが、これらに限定されない。特に有用なバリエーションでは、気体貯蔵材料は、水素(H2)を貯蔵するのに使用する水素吸蔵材料である。部の特別の有用なバリエーションでは、気体貯蔵材料は、ガス状混合物から二酸化炭素を分離するのに使用する二酸化炭素貯蔵材料である。
【0032】
本実施例のバリエーションでは、気体貯蔵部位がゼオライトネットワークの中に細孔を具えている。精製では、このような作用は、ゼオライト骨格から1又はそれ以上の化学物質部分(ゲスト分子)を取り除くことをふくんでいる。一般に、このようなゲスト分子は、ゼオライト骨格の中に含まれる水、溶媒分子といった種類を有しており、他の化学物質部分が付着に有効な電子密度を有している。
【0033】
本開示の実施例で使用するゼオライト骨格は、気体吸着のための複数の細孔を有している。あるバリエーションでは、複数の細孔がユニモーダルのサイズ分布を有している。別のバリエーションでは、複数の細孔が(例えば、バイモーダル)マルチモーダルのサイズ分布を有している。
【0034】
また、本開示は、関心のある被分析物の存在を検出し得る化学センサを提供する。哺乳類の嗅覚系の相似器官として機能するセンサを開発することにかなりの関心がある。しかしながら、このような検出システムは容易に汚染される可能性がある。本開示の多孔質構造は、センサ材料に接触して本開示のゼオライト骨格の多孔質構造を通過する汚染を制限する明確な相互作用領域を提供する。例えば、様々なポリマーを、導電ポリマー(例えば、ポリ(アニリン)及びポリチオフェン)、導電プリマーと非導電ポリマーとの複合材料及び導電材料と非導電材料との複合材料を含む検出システムで使用する。抵抗測定システムでは、電流がリード線を流れてセンサ材料を通るように、リード線が導電材料によって隔てられている。被測定物に付けると、材料の抵抗が変化することで検出可能な信号が発生する。本開示のゼオライト骨格を使用すると、センサ材料を囲む領域が限定され、「フィルタ」として機能してセンサ材料に接触することによる汚染を制限することで、センサの特異性を増大させる。
【0035】
さらに、本開示は、本開示のゼオライト骨格を具えるゼオライト触媒を提供する。本開示のゼオライト材料を、結晶材料又は成形品として、有機分子の触媒転換で使用できる。例えば、このようなタイプの反応は、酸化、例えば、プロピレン及び2O2からの酸化プロピレンの調合といったオレフィンのエポキシ化、例えば、フェノール及びH2O2からのハイドロキノンの調合といった芳香族化合物の水酸化、クレゾールへのトルエンの変換、アルコール、アルデヒド及び酸へのアルカンの変換、異性化、例えば、アルデヒドへのエポキシドの変換といった反応である。
【0036】
以下の実施例で本発明を説明するが、これは具体例として与えられており、限定を意図するものではない。
【実施例】
【0037】
本開示の合成の多様性の可能性を示すために、表1は、本開示の方法から得られるゼオライトのトポロジーDFT,GIS、及びMERを示す。さらに、本開示は、開示するZIFが正四面体ネットに限定されないことを示す。また、八面体配位状況でIn(3)を具えた混合配位ネットIn2Zn3(IM)12に基づくIMの第1の例が報告されている。このような構造は、灰バンザクロ石Ca3Al2Si3O12といったガーネットのAl2Si3O12部分のトポロジーを有する。このような構造の合成体は、IMといった本開示の連結部分を用いた極めて強い親和力を示唆している。
【0038】
表1は、本開示のいくつかのZIFに関するトポロジー、密度、細孔の大きさのデータをまとめたものである。構造体のネットは、多くの場合対応するゼオライトネットの記号と同じ3文字の記号で示される。ZIFの密度は、単位体積当たりの四面体の頂点の数(T/V)についての従来のゼオライトの測定値を用いて示される。例えば、Zn(II)を含むIM骨格では、Zn・・・Zn距離が、最大6.0Åであり、シリケートにおける対応するSi・・・Si距離は、最大3.0Åである;従って、ゼオライトケイ酸塩のIM類似物(例えば、ZIF)の密度(T/V)は、8分の1である。ここで報告されている構造では、T/Vは2.0から3.7nm−3の範囲である(表1)。ちなみに、酸化ゼオライトの密度は12から20nm−3であり、最も密度が小さい既知の酸化物骨格では、それは7.1nm−3である。また、骨格のファンデルワールス面に接触せずに空洞の中に嵌る球のサイズの例が示されている。空洞の中心に最も近い原子はH原子であり、嵌っている球の大きさを決定する際に、1.2ÅのH原子のファンデルワールス半径を用いた。あるケースではケージは楕円形であるため、この値はケージ容量のおおよその表示であることに留意されたい。また、表は各構造体における最も大きいケージの頂点の数を示す;この値は、12(crb)から48(rho)である。
【0039】
図1で、本開示のZIF構を3つの方法で示す。まず、ネットのスティック線図として;次に、同じ構造体をタイル(tile)に分解している(空間を完全に埋めるよう結合する一般化した多面体又はケージ)。いくつかの構造体(すなわち、cag,gis,及びsod)では、1種類のみのタイルを有する。最後に、代表的なIMの実際の構造体の最も大きいケージを、右側に示す。Zn(II)をCo(II)で置換しても、構造に本質的に物質的な違いがない;このため、ZIF−7及び−11は、それぞれZIF−9及び−12と実質的に同じである。
【0040】
ZIFの細孔率及び安定性
ZIFの特性の詳細な調査を可能とするためにグラム規模のいくつかのZIFを用意した。これらのZIFの構造的な態様は、小さな開口(ZDF−8及び−11について、それぞれ3.4及び3.0Åにわたっている)を介して繋がった大きな細孔(ZDF−8及び−11で、それぞれ11.6及び14.6Åの直径である)を有するということである。細孔の大きさは、長いIMの結合単位により、ゼオライトの対応する部分の約2倍の大きさである;しかしながら、結合部の側鎖又は環の存在により、開口の大きさを分子篩の下限に抑えている(表2)。
【0041】
合成した(as−synthesized)ZIF−8及び−11に実施した熱重量分析(TGA)が、これらの化合物の熱安定性を明らかにした。ZIF−8についてのTGAの記録が、ゲスト種[1N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)及び3H2O;計算値35.9%]の部分的喪失に対応して、28.3%(25〜450℃)の緩やかな減量段階、及びこれに続く平坦域(450〜550℃)を示した。より印象的なことに、ZIF−11についてのTGAの記録が、N,N−ジエチルホルムアミド(DEF)は実際にはZIF−11の開口の大きさよりも大きいという事実に拘わらず、細孔(0.9DEF;計算値23.3%)に捕捉された全てのDMF溶媒の分子の喪失に対応して22.8%(25〜250℃)の急激な減量段階を明らかにした。また、ZIF−11のTGAの記録が、250〜550℃の温度で長い平坦域を示し、ゲスト分子が無い場合にその高い熱安定性を示した。N2雰囲気でそれぞれ500℃及び300℃に加熱保持されたZIF−8及びZIF−11試料の粉末x線回折(PXRD)パターンと、単結晶構造から想定されるPXRDパターンとの一致からも明らかなように、ZIF−8及び−11のゲストは、骨格を壊すことなしに送出された。(N2中で最大550℃までの)ZIFのこのような高い熱安定性は、常に多孔質の立方晶構造のMOFの熱安定性よりもはるかに優れており、比較的緻密な構造を有するほんのわずかなMOFのみが互角である。
【0042】
合成したZIF−8及び−11に含まれるアミドゲストは、溶媒交換によってより容易に除去可能である。ZIF−8及び−11の熱重量挙動は、メタノールといった有機溶媒にそれらを浸した後に、非常に簡単化されたものであった。骨格からゲスト種を除去して、気体収着分析のためのZIF−8及び−11の真空形態を用意するために、合成したZIF試料を室温で48時間メタノールに浸し、室温で5時間その後昇温して(ZIF−8は300℃;ZIF−11は180℃)2時間真空引きした。良く保たれたPXRDパターン及びTGA記録の長い平坦期(25〜550℃)からも明らかなように、このようにして得られたZIF試料を最適に真空引きした。
【0043】
真空にしたZIF−8及び−11の構造上の剛性ひいては一定の細孔率が、気体吸着分析によって明らかに判明された。ZIF−8について、その細孔特性を表すタイプ1の窒素吸着等温挙動が観測された(図2a)。P/P0=0.01−0.10の範囲の吸着ブランチについてのデータ点を用いることによって、ZIF−8について、1,810m2/g(Langmuirモデル)及び1,630m2/g[Brunauer− Emmett−Teller(BET)モデル]の見かけの比表面積が観測され、P/P0=0.10での1つのデータ点に基づいて、ZIF−8について0.636cm3/gの細孔容量が観測された。ZIF−8の実験的な比表面積及び細孔容量の値は、その単結晶構造に基づく予測と良く一致した(表2)。これらの比表面積は、ゼオライト及び規則メソ多孔性シリカ型材料について報告された高い値を上回る。これに対し、ZIF−11は、その開口サイズが窒素の動的な直径(3.6Å)よりも小さかったため、窒素に対して非多孔質であった;しかしながら、水素を取り込むことが可能であった。ZIF−8及び−11の双方は、可逆的な水素吸着挙動を示した(図2b)。興味深いことに、ZIF−11による初期の水素の取り込みは、PhIMリンクの突出するベンゼン側の環から成りリンクの周りに有益な水素の吸着部位を生じるその独特のケージ型の内部のため、ZIF−8のそれよりもかなり高かった。しかしながら、吸着圧力が1atmに近付くと、ZIF−8は水素の取り込みについてZIF−11と同じであった[ZIF−8について標準温度及び標準圧力(STP)で145cm3/g又は12.9mg/g;ZIF−11についてSTPで154cm3/g又は13.7mg/g]。このような結果は、ZIF−8がより大きい比表面積を及び細孔容量を有するため(表2)、予想される。ZIF−8の最大水素容量は、大量の真空に引いたZIF−8(0.724g)についての、77Kにおける高圧(最大80bar)での水素吸着測定で明らかにされ、55barで350cm3/gSTP(31mg/g)を示した。ZIF−8の水素の取り込み及びそのLangmuir比表面積(1,810m2/g)は、大きな比表面積を具えた一連のMOFに関する我々の高圧水素吸着測定に基づいて近年報告された線形関係と、良く一致した。
【0044】
ZIF−8及び−11の試料を、典型的な工業化学プロセスの極端な操作パラメータを反映する条件である、沸騰したベンゼン、メタノール、水及び含水苛性ソーダ中に吊すことによって、ZIFの化学安定性を実験した(図3)。ZIF試料を、室温、50℃、及び各溶剤の沸点で所望の溶媒の中に1から7日間浸した。このような処理の間、光学顕微鏡によって試料を周期的に観察し、これらのそれぞれの状況下で不溶性物質であることが分かった。指定した間隔で各試料について収集されたPXRDパターンは、ZIF−8及び−11の固体試料が沸騰した有機溶媒に対して7日間影響を受けないことを示した。双方のZIFは、50℃の水の中で7日間その構造を維持した。ZIF−8をさらに調査することで、100℃、0.1及び8Mの含水苛性ソーダ中で最大24時間変化しないことを示した。ZIF−8の熱水安定性は、元のMCM及びSBA型の規則メソ多孔性シリカのそれよりも、これらの物質の超安定誘導体と比較したとしても、優れている。
【0045】
典型的なZIF合成
ベンズイミダゾール,2−メチルイミダゾール,硝酸インジウム五水和物及び硝酸コバルト六水和物を、the Aldrich Chemical Co.から購入し、イミダゾール,N,N−ジメチルホルムアミド(DMF),N−メチルピロリジノン(NMP)を、the Fisher Scientific International Inc.から購入した。N,N−ジメチルホルムアミド(DEF)をBASF Corperationから入手した。硝酸亜鉛四水和物をEM Scienceから購入した。全ての出発原料をさらに精製せずに使用した。全ての実験操作を大気中で行った。(ここでは、ZIFの合成をZIF−8の合成によって例示している)硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)24H2O(0.210g,8.03x10−4mol)及び2−メチルイミダゾール(H−MeIM)(0.060g,7.31x10−4mol)の固体混合物を、20−mlの小瓶中で18mlのDMFに溶かした。この小瓶にキャップをして、プログラム可能な炉の中で5°C/minの速度で140℃に加熱し、24時間この温度に保持した後、0.4°C/minの速度で室温まで冷却した。混合物から母液を除去した後、クロロホルム(20ml)を小瓶に加えた。無色の多面体結晶を上層から収集し、DMF(10mlx3)で洗浄し、空気中で10分間乾燥した(収量:0.032g,H−MeIMに基づいて25%)。生成物を微量元素分析を用いて、Zn(MeIM)2・(DMF)・(H2O)3(C11H23N5O4Zn;計算値C,37.25;H,6.54;N,19.74。測定値C,37.69;H,5.22;N,19.58)のように定式化した。また、ZIF−8生成物の純度をPXRD分析によって確認した。
【0046】
単結晶X線回折の研究
全ての強度データを、グラファイトで単色にしたMoKa(λ=0.71073Å)線を放射するSMART APEX CCD回折計(Bruker−AXS,Madison,WI)で収集した。構造を直接的方法で解析し、SHELXTLソフトウェアパッケージ(Bruker−AXS)で一連の様々なフーリエ合成を行った。結晶データは、以下の通りである:
ZIF−1(crb,単斜晶構造):単斜晶,空間群P21/n;a=9.740,b=15.266,c=14.936Å,β=98.62°;V=2195.8Å3,R1=0.0423。
ZIF−2(crb,斜方晶構造):斜方晶,空間群Pbca;a=9.679,b=c=24.114Å;V=5707Å3,R1=0.0591。
ZIF−3(dft):正方晶,空間群P42/mnm;a=b=18.970,c=16.740Å;V=6024.3(1)Å3,R1=0.0610。
ZIF−4(cag):斜方晶,空間群Pbca;a=b=15.395,c=18.426Å;V=4342.2Å3,R1=0.0406。
ZIF−5(gar):立方晶,空間群IaSd;αo=21.9619Å;V=0592.8Å3,R1=0.0191。
ZIF−6(gis):正方晶,空間群I41/amd;a=b=18.515,c=20.245Å;V=6940.2Å3,R1==0.0642。
ZIF−7:[sod−Zn(II)−PhIM構造]:六方晶,空間群R3;a=b=22.989,c=15.763Å;V=7214Å3,R1=0.0707。
ZIF−8:[sod−Zn(II)−MeIM構造]:正方晶,空間群I4/3m;αo=16.9910Å;V=4905.2Å3,R1=0.0314。
ZIF−9[sod−Co(II)−PhIM構造]:六方晶,空間群R3;a=b=22.9437,c=15.747Å;V=7178.8Å3,R1=0.0979。
ZIF−10(mer):正方晶,空間群I4/mmm;a=b=27.0608,c=19.406Å;V=14211Å3,R1=0.0636。
ZIF−11[rho−Zn(II)−PhIM構造]:立方晶,空間群Pm3m;αo=28.7595Å;V=23787.2Å3,R1=0.0787。
ZIF−12[rho−Co(II)−PhIM構造]:立方晶,空間群Pm3m;αo=28.7595Å;V=23787.2Å3,R1=0.1064。
原子座標は、デポジションナンバー(deposition number)602535(ZIF−I),602536(ZIF−2),602537(ZIF−3),602538(ZIF−4),602539(ZIF−5),602540(ZIF−6),602541(ZIF−7),602542(ZIF−8),602543(ZIF−9),602544(ZIF−10),602545(ZIF−Il),602546(ZIF−12)を引用することによって、Cambridge Crystallographic Data Centreからダウンロードして利用可能である。
【0047】
PXRD調査
粉末x線データを、ニッケルでフィルタリングしたCuKa線集束放射を用いた1,600W(40kV,40mA)の出力の反射ブラッグ−ブレンターノ型であって、0.2mmの放射線入射スリットを装着したNa(Tl)シンチレーション検出器を備えたD8−Advanceθ−2θ回折計(Bruker)を用いて収集した。幅広の刃を具えたヘラから粉末を落として鋭い刃で試料面を平らにすることによって、試料をゼロバックグラウンド試料ホルダに付けた。全ての試料をPXRD試験の前に粉末にした。
【0048】
TGA
連続的に流れる窒素雰囲気中で白金の皿に試料を入れて、全ての試料をQ−500シリーズの熱重量分析器(TA Instruments,NewCastle,DE)で試験した。全てのTGA試験において5℃/minの一定の昇温速度で試料を加熱した。
【0049】
気体吸着測定
Autosorb−1C自動容量測定機器(Quantachrome, Boynton Beach,FL)で、低圧の気体吸着試験(最大1atm)を実施した。自家製の液体窒素冷却システムを具えて冷却剤の一定の液面を維持するHPA−100容量機器(VTI,Hialeah,FL)で、高圧の水素吸着試験(最大80bar)を実施した。REFPROPプログラム[Version 7.0;National Institute of Standards and Technology(NIST),Gaithersburg,MD]及びNIST Standard Reference Data Base 23を用いることによって、高圧気体の圧縮率補正を決定した。気体吸着分析の前に、ZIF−8及び−11試料を、室温で48時間メタノールに浸し、室温で5時間真空に引いた後、2時間加熱した(ZIF−8について300℃、ZIF−11について180℃)。
【0050】
(ZIF−I crb):Zn(IM)2・(Me2NH)
硝酸亜鉛四水和物(Zn(NO3)2・4H2O(0.09g,3.44x10−4mol)及びイミダゾール(H−IM)(0.15g,2.20x10−3mol)の固体混合物を、20mlの小瓶中で18mlのDMFに溶かした。小瓶にキャップをして85℃の等温炉中で24時間加熱した。そして、小瓶を炉から取り出して室温に自然冷却されるようにした。このようにして生成した無色の立方晶ZIF−1をDMF(3mLx3)で洗浄し、空気中で(10分間)乾燥した(収量:0.014g,硝酸亜鉛四水和物に基づいて17%)。
元素分析:C8H13N5Zn=Zn(IM)2・(Me2NH):計算値C,39.28;H,5.36;N,28.65。測定値C,39.47;H,4.39;N,27.13.
FT−IR:(KBr4000−400cm−1):3445(br),3103(w),2935(w),2385(w),2355(w),1647(s),1499(m),1418(w),1403(w),1321(w),1291(w),1245(w),1184(w),1087(s),1026(w),985(w),960(m),837(w),761(m),680(m),603(w)。
【0051】
(ZIF−3dft):Zn(IM)2
硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)2・4H2O(0.010g,3.82x10−5mol)及びイミダゾール(H−IM)(0.030g,4.41x10−4mol)の固体混合物を、4mlの小瓶に加え、DMF(2mL)及びNMP(1mL)の混合溶媒に溶かした。小瓶にキャップをして85℃の等温炉中で24時間加熱した。そして、小瓶を炉から取り出して室温に自然冷却するようにした。角柱状の結晶が、白い粉末状の沈殿物とともに小瓶の下部に生成した。単結晶X線構造決定用にZIF−3の結晶を手作業で収集した。
【0052】
(ZIF−4cag):Zn(IM)2・(DMF)(H2O)
硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)2・4H2O(0.040g,1.53x10−4mol)及びイミダゾール(H−IM)(0.030g,4.41x10−4mol)の固体混合物を、4mlの小瓶中で3mlのDMFに溶かした。小瓶にキャップをして、プログラム可能な炉の中で5℃/minの昇温速度で130℃に加熱し、この温度で48時間保持した後、0.4℃/minの速度で室温まで冷却した。このようにして生成した無色の菱面体晶ZIF−4をDMF(3mLx3)で洗浄し、空気中で(10分間)乾燥した(収量:0.021g,硝酸亜鉛四水和物に基づいて47%)。
元素分析:C9H15N5O2Zn=Zn(IM)2・(DMF)(H2O):計算値C,37.19;H,5.20;N,24.10。測定値C,38.02;H,4.14;N,26.74.
FT−IR:(KBr4000−400cm−1):3427(br),3111(w),2926(w),2856(w),1688(m),1612(br),1502(m),1392(w),1282(w),1247(w),1176(w),1091(s),986(w),961(m),846(w),770(m),680(m),490(br).
【0053】
(ZIF−5gar):In2Zn3(IM)12
硝酸インジウム五水和物In(NO3)3・5H2O(0.156g,4.0x10−4mol),硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)2・4H2O(0.026g,1.0x10−4mmol)及びイミダゾール(H−IM)(0.136g,2x10−3mol)をDEF/nブタノール(4mL/2mL,)の混合溶媒に溶かした。少量の水酸化テトラエチルアンモニウム(35%の水溶液)を加えた後、混合物をテフロン(登録商標)で覆われたParr社製ステンレス鋼の容器(23mL)に移して、自己の圧力の下で150℃で72時間加熱した。そのようにして生成した淡黄色の結晶をエタノールで洗浄し、空気中で乾燥した(収量:硝酸亜鉛四水和物に基づいて70%)。
元素分析:C36H36N24Zn3In2=In2Zn3(IM)12:計算値C,35.14;H,2.95;N,27.32。測定値C,33.97;H,2.82;N,26.22。Zn/Inモル比:計算値1.50,測定値1.52。
Fr−IR(KBr4000−400cm−1):3433(br),3132(m),3112(m),2601(w),2524(w),1697(m),1605(m)。
【0054】
ZIF−5は、単結晶X線構造に基づいてIn2Zn3(IM)12として定式化された。本合成で使用する高いIn/Zn比が、ZIF−5の形成にとって重要であることが分かった。しかしながら、結晶面についての「明るいスポット」の電子顕微鏡分析(EMPA)結果からも明らかなように、高いインジウム含有量により、アモルファスのインジウムリッチ不純物(酸化インジウム又は水酸化インジウム)の量が少なくなる。バルク生成物に関するC,H,N原子の元素分析の結果に基づいて、このような不純物の含有量を3.3%から4.4%と算定した。にもかかわらず、バルク生成物から手作業で分けた少量の最もクリアーな結晶に関するZn/Inのモル比の元素分析の結果は、提案された構造式に良く一致する。
【0055】
(ZIF−7 sod):Zn(PhIM)2・(H2O)3
硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)2・4H2O(0.030g,1.15x10−4mol)及びベンズイミダゾール(H−PhIM)(0.010g,8.46x10−5mol)の固体混合物を、4mlの小瓶中で3mlのDMFに溶かした。小瓶にキャップをして、プログラム可能な炉の中で5℃/minの昇温速度で130℃に加熱し、この温度で48時間保持した後、0.4℃/minの速度で室温まで冷却した。混合物から母液を取り除いた後、クロロフォルム(3ml)を小瓶に加えた。無色の立方晶ZIF−7を上層から収集し、DMF(3mLx3)で洗浄し、空気中で(10分間)乾燥した(収量:0.015g,H−PhIMに基づいて37%)。
元素分析。C14H16N4O3Zn=Zn(IM)2・(H2O)3:計算値C,47.54;H,4.56;N,15.84。測定値C,46.95;H,3.57;N,16.40。
FT−IR:(KBr 4000−400cm−1):3450(br),3063(w),2930(w),1678(s),1622(w),1479(s),1387(m),1306(m),1286(m),1245(s),1209(w),1189(m),1123(m),1097(m),1011(m),914(m),781(m),746(s),654(m),476(m),435(m)。
【0056】
(ZIF−8 sod):Zn(MeIM)2・(DMF)・(H2O)3。
硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)2・4H2O(0.210g,8.03x10−4mol)及び2−メチルイミダゾール(H−MeIM)(0.060g,7.31x10−4mol)の固体混合物を、20mlの小瓶中で18mlのDMFに溶かした。小瓶にキャップをして、プログラム可能な炉の中で5℃/minの昇温速度で140℃に加熱し、この温度で24時間保持した後、0.4℃/minの速度で室温まで冷却した。混合物から母液を取り除いた後、クロロフォルム(20ml)を小瓶に加えた。無色の多面体結晶の生成物を上層から収集し、DMF(10mLx3)で洗浄し、空気中で(10分間)乾燥した(収量:0.032g,H−MeIMに基づいて25%)。
元素分析。C11H23N5O4Zn=Zn(MeIM)2・(DMF)・(H2O)3計算値C,37.25;H,6.54;N,19.74。測定値C,37.69;H,5.22;N,19.58
FT−IR:(KBr 4000−400cm−1):3460(w),3134(w),2930(m),2854(w),2767(w),2487(w),2457(w),1693(s),1591(w),1459(s),1428(s),1392(m),1311(s),1265(w),1189(m),1148(s),1091(m),1000(m),960(w),766(s),695(m),664(m),425(s)。
【0057】
(ZIF−9 sod):Co(PhIM)2・(DMF)(H2O)
硝酸コバルト六水和物Co(NO3)2・6H2O(0.210g,7.21x10−4mol)及びベンズイミダゾール(H−PhIM)(0.060g,5.08xl0−4mol)の固体混合物を、20mlの小瓶中で18mlのDMFに溶かした。小瓶にキャップをして、プログラム可能な炉の中で5℃/minの昇温速度で130℃に加熱し、この温度で48時間保持した後、0.4℃/minの速度で室温まで冷却した。このようにして生成した紫色の立方晶をDMF(3mLx3)で洗浄し、空気中で(10分間)乾燥した(収量:0.030g,H−PhMに基づいて30%)。
元素分析。C17H19N5O2Co=Co(PhIM)2・(DMF)(H2O)計算値C,53.13;H,4.98;N,18.22。測定値C,52.82;H,4.25;N,18.23。
FT−IR:(KBr 4000−400cm−1):3442(br),3071(w),2926(w),1678(s),1612(w),1467(s),1387(w),1302(w),1287(m),1242(s),1206(w),1186(w),1126(w),1096(w),1011(w),916(w),780(w),750(s),660(w),600(br),560(w),475(w)。
【0058】
(ZIF−10 mer):Zn(IM)2
硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)2・4H2O(0.010g,3.82x10−5mol)及びイミダゾール(H−IM)(0.030g,4.41x10−4mol)の固体混合物を、4mlの小瓶中で3mlのDMFに溶かした。小瓶にキャップをして、等温炉の中で85℃に4日間加熱した。その後、反応混合物を室温まで自然冷却した。ZIF−10のいくつかのブロック状の結晶が壁面及び下部に形成し、これらを手作業で分けて単結晶X線構造決定のために収集した。
【0059】
(ZIF−11 rho)Zn(PhIM)2・(DEF)0.9
硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)2・4H2O(0.60g,2.3x10−3mol)及びベンズイミダゾール(H−PhIM)(4.2g,3.5x10−2mol)の固体混合物を、500mlの広口のガラス・ジャーで360mlのDMFに溶かした。キャップをしたジャーを、等温炉の中で100℃に4日間加熱した。その後、炉からジャーを取り出して室温まで自然冷却した。無色の立方晶が、下部の結晶粉末とともにジャーの壁面に形成した。粉末X線回折によって粉末及び結晶は同じ相であることが分かったが、バルク特性解析のために壁面の結晶のみを使用した。上澄み液を移すのを繰り返し、DMFで洗浄し、数回超音波処理することによって、粉末及び母液を取り除いた。ろ過によってZIF−11の無色の結晶を収集し、DMF(200mLx2)で洗浄し、空気中で(30分間)乾燥した(収量:0.21g,Zn(NO3)2・4H2Oに基づいて23%)。
元素分析C18H21N501Znl=Zn(PhIM)2・(DEF)0.9計算値C,56.94;H,5.10;N,17.59。測定値:C,55.69;H,4.64;N,17.58。
FT−IR(KBr,4000−400cm−1):3452(br),3091(w),3056(w),2981(w),2941(w),2876(w),2781(w),2525(w),1939(w),1903(w),1783(w),1668(s),1618(m),1467(s),1397(w),1367(w),1307(m),1282(m),1247(m),1212(w),1187(m),1121(m),1001(m),911(m),826(w),771(m),751(s),645(m),553(m),520(w),475(m)。
【0060】
(ZIF−12 rho):Co(PhIM)2
硝酸コバルト六水和物Co(NO3)2・6H2O(0.010g,3.44x10−5mol)及びベンズイミダゾール(H−PhIM)(0.030g,2.54x10−5mol)の固体混合物を、4mlの小瓶中で3mlのDMFに溶かした。小瓶にキャップをして、等温炉の中で130℃に2日間加熱した。その後、反応混合物を室温まで自然冷却した。ZIF−12のいくつかの立方晶が小瓶の壁面及び下部に形成し、それらを単結晶X線構造決定のために収集した。
【0061】
反応槽として96−wellのガラス板(Zinsser,well当たり最大0.300mLの反応混合物)を用いた組み合わせ試験によって、ZIF−2及びZIF−6を発見した。DMF中の0.150Mのイミダゾール溶液及びDMF中の0.075MのZn(NO3)2・4H2O溶液を原液として使用した。96−wellのガラス板に、プログラムされた液体ハンドラー(Gilson,モデル215)によって配合された原液の混合物を装填した後、それをPTFEシートで覆い、金属性クランプによってシートを締め付けることによってシールし、その後、等温炉で85℃で3日間加熱した。反応後、光学顕微鏡で生成物を観察し、単結晶X線回折で特性を明らかにした。
【0062】
(ZIF−2 crb):Zn(IM)2
0.265mLのイミダゾールの原液(0.150M,3.98x10−4mol)及び0.035mlのZn(NO3)2・4H2Oの原液(0.075M,2.63x10−6mol)である。生成物は、小さな棒状の単結晶であった。
【0063】
(ZIF−6 gis):Zn(IM)2
0.257mLのイミダゾールの原液(0.150M,3.86x10−5mol)及びZn(NO3)2・4H2Oの原液(0.075M,3.23x10−6mol)である。生成物は、内部成長した大きなブロックの形をしており、光学顕微鏡下で小さな単結晶に切った。
【0064】
イミダゾールのFT−IRスペクトルは、窒素を含んだ複素環の多くの特性を示す。ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾールについては、C−Hストレッチ(stretch)が3125cm−1の近傍で吸収する。環の二重結合が、1665から1430cm−1の間のいくつかの帯域で吸収する。NH基が3335から2500cm−1の間で強く吸収し、多くのケースでカルボン酸ディマーのOHストレッチと同じような形状である。イミダゾールでは、この帯域は、1820cm−1の近傍の弱い帯域を伴う。図4(b)に示すように、3350から2500cm−1の間の強くて広いNH帯域の完全消失及び関連する1820cm−1の近傍の弱い帯域が、ZIF−5In2Zn3(IM)12の中のイミダゾールのリンクが完全に脱プロトン化していることを示している。
【0065】
ZIF−20:Zn(Pur)2・(DMF)0.75(H2O)1.5
硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)2・4H2O(65mg,0.25mmol,EM Science)及びプリン(150mg,1.25mmol,Fluka又はSigma)の固体混合物を、20mlの小瓶中で5mlのDMFに溶かし、わずかに懸濁した溶液を得た。小瓶をきつくキャップして、等温炉の中で65℃で3日間加熱し、少量の粉末とともに淡黄色の八面体結晶を生じた。小瓶を室温まで自然冷却した後、母液及びDMF(5mLx3)とともに上澄み液を移すことにより、粉末の生成物を取り除いた。30分間空気中で結晶を乾燥した。(収量:48mg,Zn(NO3)2・4H2Oに基づいて50%)。
元素分析:Zn(Pur)2・(DMF)0.75(H2O)1.5の計算値:C,38.17;H,3.73;N,31.80。測定値C,37.93;H,3.52;N,31.85%。
FT−IR(KBr,4000−400cm−1):3433(br),3098(w),3065(w),3036(w),2930(w),2856(w),1670(s),1589(s),1568(m),1477(s),1398(s),1310(s),1221(s),1192(m),1094(m),1020(w),924(m),804(m),791(m),683(w),644(m),621(w),575(w),498(w),403(w)。
【0066】
ZIF−21:Co(Pur)2・(DMF)(H2O)
硝酸コバルト(II)六水和物(146mg,0.502mmol,Aldrich)及びプリン(300mg,2.50mmol)の固体混合物を、20mlの小瓶中で5mlのDMFに溶かした。この溶液に、MeOH(1.25mL,2.50mmol,Aldrich)の2.0Mのジメチルアミン溶液を加えた。小瓶をきつくキャップして、等温炉の中で85℃で24時間加熱し、紫色の八面体結晶を生じた。小瓶を室温まで自然冷却した後、結晶をDMF(5mLx3)で洗浄処理し、1時間空気中で乾燥した(収量:92mg,Co(NO3)2・6H2Oに基づいて47%)。
元素分析:Co(Pur)2・(DMF)(H2O)の計算値:C,40.22;H,3.89;N,32.47。測定値C,40.36;H,3.93;N,32.16%。
FT−IR(KBr,4000−400cm−1):3418(br),3086(w),2924(w),2855(w),1665(s),1589(s),1560(m),1468(s),1443(w),1396(s),1308(s),1234(w),1207(s),1188(s),1109(m),916(m),804(m),791(w),677(w),648(m),623(w),573(w),500(w)。
【0067】
ZIF−22:Zn(5−アザベンズイミダゾレート)2・(DMF)075(H20)2
硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)2・4H2O(52mg,0.20mmol)及び5−アザベンズイミダゾレート(238mg,2.00mmol,Aldrich)の固体混合物を、4mlの小瓶中で2mlのDMFに溶かし、白色沈殿物を得た。小瓶をきつくキャップして、等温炉の中で150℃で3日間加熱し、少量の粉末とともに淡黄色の八面体結晶を生じた。小瓶を室温まで自然冷却した後、母液及びDMF(4mLx3)とともに上澄み液を移すことにより、粉末の生成物を取り除いた。30分間空気中で結晶を乾燥した。(収量:68mg,Zn(NO3)2・4H2Oに基づいて87%)。
元素分析:Zn(5−アザベンズイミダゾレート)2・(DMF)0.75(H20)2の計算値:C,43.61;H,4.43;N,24.09。測定値C,43.74;H,4.33;N,24.24%。
FT−IR(KBr,4000−400cm−1):3422(br),3067(br),2930(w),2858(w),1672(s),1601(s),1572(w),1468(s),1439(m),1408(w),1385(s),1342(w),1313(s),1285(m),1234(s),1205(w),1186(m),1173(w),1096(m),1063(w),1038(w),1016(m),991(w).918(s),816(m),793(m),660(m),644(m),613(m),565(w),467(w),420(w)。
【0068】
ZIF−23:Zn(4−アザベンズイミダゾレート)2・(H2O)0.25
硝酸亜鉛四水和物Zn(NO3)2・4H2O(52mg,0.20mmol)及び4−アザベンズイミダゾレート(119mg,1.00mmol,Aldrich)の固体混合物を、4mlの小瓶中で1mlのDMFに溶かした。小瓶をきつくキャップして、等温炉の中で100℃で1日間加熱し、淡黄色の柱状結晶を生じた。小瓶を室温まで自然冷却した後、DMF(5mLx3)で結晶を洗浄処理し、空気中で30分間乾燥した(収量:55mg,Zn(NO3)2−4H2Oに基づいて90%)。
元素分析:Zn(4−アザベンズイミダゾレート)2・(H2O)0.25の計算値:C,47.08;H,2.80;N,27.45。測定値C,47.00;H,2.82;N,27.84%。
FT−IR(KBr,4000−400cm−1):3439(br),3080(m),3053(m),2937(w),1919(w),1879(w),1850(w),1665(m),1597(s),1574(w),1474(s),1406(s),1395(w),1313(m),1290(s),1263(w),1225(m),1186(m),1117(w),1042(w),1013(w),959(w),918(m),802(m),771(s),667(m),652(s),594(w),569(w),503(m),490(w)。
【0069】
ZIF−1(crb)の実験及び精密化の詳細
ZIF−1の無色の立方晶(0.15x0.10x0.10mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で223(2)Kに急速冷凍した。完全なデータセットの中から選択された951反射を用いて、実軸周りに180°回転[0.234−0.935 1.000]することによって、結晶が双晶となっていることが分かった。本プログラムによって作成された方向マトリクスを用いて、2成分のバージョンのSAINT−Plus(v.7.0)を用いたF2値データに簡約した。斜方晶セルの中でデータを統合することで、トータルで41904であって、そのうち20536が4σ(I)よりも大きい反射を得た。θの範囲は、1.92°から29.63°であった。直接法を用いてZ=4の単斜晶P21/n空間群における構造が判明した。全ての非水素原子を水素原子とともに異方的に精密化し、親原子の座標に乗る球として水素原子が形成された。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=1.053でR1=0.0423(F>2σF))及びwR2=0.0632(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける大部分の剰余電子密度は、ZIF−1の細孔の中のゲストジメチルアセトアミド分子と密接に関連していた。しかしながら、最も大きいピークはZn1に直接乗っており、対のデータセット(twinned datase)を具えた構造精密化のアーチファクトである。
ZIF−1の結晶データ及び構造精密化:実験式,C16H21N9OZn2;式量,486.16;温度,223(2)K;波長,0.71073Å;結晶系,単斜晶;空間群,P21/n;単位胞の寸法,a=9.7405(19)Å;α=90°,b=15.266(3)Å,β=98.62(3)°,c=14.936(3)Å;γ=90°;体積,2195.8Å3;Z,4;密度(計算値),1.471Mg/m3;吸収係数,2.209mm−1;F(000),992;結晶サイズ,0.15x0.10x0.10mm3;データ収集のためのシータの範囲,1.92°から29.63°。
Index ranges:−13<=h<=13,−21<=k<=21,−20<=l<=20
Reflections collected:41776
Independent reflections:41904 [R(int)=0.0000]
Completeness to theta = 29.63°99.2%
Absorption correction:Semi−empirical from equivalents
Max.and min.transmission:0.8093 and 0.7329
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:41904/0/257
Goodness−of−fit on F2:1.053
Final R indices [I>2sigma(I)]:R1=0.0423,wR2=0.0603
R indices(all data):Rl=0.0985,wR2=0.0632
Largest diff.peak and hole:1.437 and −0.583e.E−3
【0070】
ZIF−1の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x10)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0071】
ZIF−2CRB−斜方晶の実験及び精密化の詳細
ZIF−2の無色の立方晶(0.15x0.05x0.03mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で153(2)Kに急速冷凍した。斜方晶セルの中でデータを統合することで、トータルで12384であって、そのうち4094が一意的なものであって1936が4σ(I)よりも大きい反射を得た。θの範囲は、1.67°から23.25°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示した。直接法を用いてZ=8の単斜晶Pbca空間群における構造が判明した。全ての非水素原子を水素原子とともに異方的に精密化し、親原子の座標に乗る球として水素原子が形成された。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=0.924でR1=0.0591(F>2σF))及びwR2=0.1523(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける全ての剰余電子密度は、ZIF−2の細孔の中のゲストジメチルアセトアミド分子と密接に関連していた。
ZIF−2の結晶データ及び構造:実験式,C21H12N11O3Zn2;式量,597.16;温度,153K;波長,0.71073Å;結晶系,斜方晶;空間群,Pbca;単位胞の寸法,a=9.679(3)Å;α=90°,b=24.114(6)Å,β=90°,c=24.450(6)Å;γ=90°;体積,5707Å3;Z,8;密度(計算値),1.390Mg/m3;吸収係数,1.722mm−1;F(000),2392;結晶サイズ,0.15x0.10x0.10mm3;データ収集のためのシータの範囲,1.67°から23.25°。
Index ranges:−10<=h<=10,−26<=k<=19,−13<=1<=27
Reflections collected:12384
Independent reflections:4094 [R(int)=0.0809]
Completeness to theta =23.25° 99.9%
Absorption correction:Semi−empirical from equivalents
Max.and min.transmission:0.950 and 0.902
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:4094/0/334
Goodness−of−fit on F2:0.924
Final R indices [I>2sigma(I)]:R1=0.0591,wR2=0.1299
R indices(all data):R1=0.1317,wR2=0.1523
Largest diff.peak and hole:0.600 and −0.447e.E−3
【0072】
ZIF−2の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x10)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0073】
ZIF−3の実験及び精密化の詳細
ZIF−3の無色の柱状結晶(0.20x0.20x0.15mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で258(2)Kに急速冷凍した。初期の正方晶セルの中でデータを統合することで、トータルで50492であって、そのうち3091が一意的で1349が4σ(I)よりも大きい反射を得た。θの範囲は、1.62°から25.72°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示した。直接法を用いてZ=16の単斜晶P42/mnm空間群における構造が判明した。等方性の酸素原子をモデルにした細孔の中の電子密度を除いて全ての非水素原子を水素原子とともに異方的に精密化し、親原子の座標に乗る球として水素原子が形成された。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=1.012でR1=0.0610(F>2σF))及びwR2=0.1878(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける全ての剰余電子密度は、ZIF−3の細孔の中のゲスト分子と密接に関連していた。
ZIF−3の結晶データ及び構造精密化:実験式,C6H6N4O3Zn;式量,247.52;温度,258K;波長,0.71073Å;結晶系,正方晶;空間群,P42/mnm;単位胞の寸法,a=18.9701Å;α=90°,b=18.9701Å,β=90°,c=16.740Å;γ=90°;体積,6024.3Å3;Z,16;密度(計算値),1.092Mg/m3;吸収係数,1.622mm−1;F(000),1984;結晶サイズ,0.20x0.20x0.15mm3;データ収集のためのシータの範囲,1.62°から25.72°。
Index ranges:−23<=h<=23,−23<=k<=23,−20<=l<=20
Reflections collected:50942
Independent reflections:3091[R(int)=0.1647]
Completeness to theta = 25.72°99.3%
Max.and min.transmission:0.7929 and 0.7373
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:3091/0/146
Goodness−of−fit on F2:1.012
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.0610,wR2=0.1736
R indices(all data):R1=0.1293,wR2=0.1878
Largest diff.peak and hole:0.963 and −0.485e.E−3
【0074】
ZIF−3の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x10)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0075】
ZIF−4(CAG)の実験及び精密化の詳細
ZIF−4の無色の柱状結晶(0.20x0.15x0.15mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で233(2)Kに急速冷凍した。斜方晶セルの中でデータを統合することで、トータルで45791であって、そのうち6074が一意的で3960が4σ(I)よりも大きい反射を得た。θの範囲は、2.18°から29.63°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示した。直接法を用いてZ=8の単斜晶Pbca空間群における構造が判明した。原子C4及びC9が不規則で各群が独立した自由変項でモデル化されることが分かった。全ての非水素原子を親原子の座標に乗る球として形成される水素原子とともに異方的に精密化した。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=1.020でR1=0.0406(F>2σF))及びwR2=0.1109(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける全ての剰余電子密度は、ZIF−4の細孔の中のゲストジメチルアセトアミド分子と密接に関連していた。
ZIF−4の結晶データ及び構造精密化:実験式,C15H19N9OZn2;式量,472.13;温度,233K;波長,0.71073Å;結晶系,斜方晶;空間群,Pbca;単位胞の寸法,a=15.3950Å;α=90°,b=15.3073Å,β=90°,c=18.426Å;γ=90°;体積,4342.2Å3;Z,8;密度(計算値),1.444Mg/m3;吸収係数,2.232mm−1;F(000),1920;結晶サイズ,0.20x0.15x0.15mm3;データ収集のためのシータの範囲,2.18°から29.63°。
Index ranges:−21<=h<=21,−20<=k<=20,−25<=1<=25
Reflections collected:45791
Independent reflections:6074[R(int)=0.1045]
Completeness to theta = 29.63°99.2%
Absorption correction:Semi−empirical from equivalents
Max.and min.transmission:0.7307 and 0.6638
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:6074/0/243
Goodness−of−fit on F2:1.020
Final R indices [I>2sigma(I)]:R1=0.0406,wR2=0.1041
R indices(all data):Rl=0.0682,wR2=0.1109
Largest diff.peak and hole: 0.575 and −0.483 e.E−3
【0076】
ZIF−4の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0077】
ZIF−5(GARNET)の実験及び精密化の詳細
ZIF−5の無色の柱状(0.15x0.12x0.10mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で196(2)Kに急速冷凍した。トータルで35102の反射を収集し、そのうち1107が一意的であって997が4σ(I)よりも大きかった。θの範囲は、2.27°から28.26°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示した。直接法を用いてZ=8の立方晶Ia−3d空間群における構造が判明した。全ての非水素原子を親原子の座標に乗る球として形成される水素原子とともに異方的に精密化した。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=1.121でR1=0.0191(F>2σF))及びwR2=0.0553(全データ)に収束した。
ZIF−5の結晶データ及び構造精密化:実験式,C36H36In2N24Zn3;式量,1230.64;温度,153K;波長,0.71073Å;結晶系,立方晶;空間群,Ia−3d;単位胞の寸法,a=21.9619Å;α=90°,b=21.9619(6)Å,β=90°,c=21.9619Å;γ=90°;体積,10592.8Å3;Z,8;密度(計算値),1.543Mg/m3;吸収係数,2.247mm−1;F(000),4864;結晶サイズ,0.15x0.12x0.10mm3;データ収集のためのシータの範囲,2.27°から28.26°。
Index ranges:−29<=h<=27,−29<=k<=21,−29<=1<=25
Reflections collected:35102
Independent reflections:1107[R(int)=0.0245]
Completeness to theta = 28.26 100.0%
Absorption correction:Semi−empirical from equivalents
Max.and min.transmission:0.799 and 0.703
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:1107/0/62
Goodness−of−fit on F2:1.121
Final R indices [I>2sigma(I)]:R1=0.0191,wR2=0.0531
R indices(all data):R1=0.0221,wR2=0.0553
Largest diff.peak and hole:0.762 and −0.155e.E−3
【0078】
ZIF−5の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0079】
ZIF−6(GIS)の実験及び精密化の詳細
ZIF−6の無色のブロック状の結晶(0.12x0.10x0.08mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で258(2)Kに急速冷凍した。8880の反射のうち1582が一意的なもので821が4σ(I)よりも大きかった。θの範囲は、1.49°から24.71°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示した。直接法を用いてZ=16の単斜晶I41/amd(元の選択No.2)空間群における構造が判明した。原子C4A及びC4Bは、2成分の不規則炭素原子であった。C3A及びC3B原子は、イミダゾール環の2つの独立した炭素原子であった。環のこの部分は、2回対称軸(two−fold axis)によって関連する2つの部位にわたっていた。このため、C3A及びC3B双方のsofsが0.50に固定された。拡散電子密度を扱うために、タンパク質拡散散乱補正(SWAT)コマンドを適用した。2つの変数g及びUをそれぞれ1.1及び2.9に収束するよう精密化した。全ての非水素原子を親原子の座標に乗る球として形成される水素原子とともに異方的に精密化した。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=1.013でR1=0.0642(F>2σF))及びwR2=0.2394(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける全ての剰余電子密度は、ZIF−6の細孔の中のゲスト分子と密接に関連していた。吸着補正はデータの質を改善せず、これを適用しなかった。
ZIF−6の結晶データ及び構造精密化:実験式,C6H6N4O0.50Zn;式量,207.52;温度,258K;波長,0.71073Å;結晶系,正方晶;空間群,I4(1)/amd;単位胞の寸法,a=18.515Å;α=90°,b=18.515Å,β=90°,c=20.245Å;γ=90°;体積,6940.2Å3;Z,16;密度(計算値),0.794Mg/m3;吸収係数,1.390mm−1;F(000),992;結晶サイズ,0.12x0.10x0.08mm3;データ収集のためのシータの範囲,1.49°から24.71°。
Index ranges:−6<=h<=21,−21<=k<=20,−23<=1<=21
Reflections collected:8840
Independent reflections:1582[R(int)=0.0826]
Completeness to theta = 24.71° 99.4%
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:1582/0/58
Goodness−of−fit on F2:1.013
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.0642,wR2=0.2260
R indices(all data):R1=0.1037,wR2=0.2394Largest diff.peak and hole:0.735 and −0.318e.E−3
【0080】
ZIF−6の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0081】
ZIF−7(SOD)の実験及び精密化の詳細
ZIF−7の無色の柱状結晶(0.10x0.07x0.05mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で233Kに急速冷凍した。トータルで8134であって、そのうち4035が一意的で1782が4σ(I)よりも大きい反射を得た。θの範囲は、1.65°から29.55°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示した。直接法を用いてZ=18の菱面体晶R−3空間群における構造が判明した。全ての非水素原子を親原子の座標に乗る球として形成される水素原子とともに異方的に精密化した。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=1.038でR1=0.0707(F>2σF))及びwR2=0.1270(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける全ての剰余電子密度は、ZIF−7の細孔の中のゲスト分子と密接に関連していた。
ZIF−7の結晶データ及び構造精密化:実験式,C14H10N4O2.24Zn;式量,335.47;温度,258K;波長,0.71073Å;結晶系,六方晶;空間群,R−3;単位胞の寸法,a=22.989Å;α=90°,b=22.989Å,β=90°,c=15.763Å;γ=120°;体積,7214Å3;Z,18;密度(計算値),1.390Mg/m3;吸収係数,1.542mm−1;F(000),3059;結晶サイズ,0.10x0.07x0.05mm3;データ収集のためのシータの範囲,1.65°から29.55°。
Index ranges:−28<=h<=26,−26<=k<=14,−21<=1<=17
Reflections collected:8134
Independent reflections:4035[R(int)=0.0998]
Completeness to theta = 29.55° 89.8 %
Absorption correction:Semi−empirical from equivalents
Max.and min.transmission:0.9269 and 0.8611
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:4035/0/195
Goodness−of−fit on F2:1.038
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.0707,wR2=0.1157
R indices(all data):R1=0.1711,wR2=0.1270
Largest diff.peak and hole:0.623 and 0.549e.E−3
【0082】
ZIF−7の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0083】
ZIF−8(SOD−メチル誘導体)の実験及び精密化の詳細
ZIF−8の無色のブロック状の結晶(0.16x0.10x0.10mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で258(2)Kに急速冷凍した。トータルで27202であって、そのうち1302が一意的で1009が4σ(I)よりも大きい反射を得た。θの範囲は、2.94°から29.61°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示した。直接法を用いてZ=4の立方晶I−43m空間群における構造が判明した。全ての非水素原子を親原子の座標に乗る球として形成される水素原子とともに異方的に精密化した。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=0.546でR1=0.0314(F>2σF))及びwR2=0.0840(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける全ての剰余電子密度は、ZIF−8の細孔の中のゲスト分子と密接に関連していた。
ZIF−8の結晶データ及び構造精密化:実験式,C24H30N12O10Zn3;式量,842.71;温度,258K;波長,0.71073Å;結晶系,立方晶;空間群,I−43m;単位胞の寸法,a=16.9910Å;α=90°,b=16.9910Å,β=90°,c=16.9910Å;γ=90°;体積,4905.2Å3;Z,4;密度(計算値),1.141Mg/m3;吸収係数,1.503−1;F(000),1712;結晶サイズ,0.16x0.10x0.10mm3;データ収集のためのシータの範囲,2.94°から29.61°。
Index ranges:−23<=h<=23,−23<=k<=23,−23<=1<=23
Reflections collected:27202
Independent reflections:41904[R(int)=0.0922]
Completeness to theta = 29.61° 98.9%
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:1302/0/46
Goodness−of−fit on F2:0.546
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.0314,wR2=0.0758
R indices(all data):Rl=0.0418,wR2=0.0840
Absolute structure parameter:−0.01(2)
Largest diff.peak and hole:0.428 and −0.216e.E−3
【0084】
ZIF−8の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0085】
ZIF−9 (SOD−コバルト構造)の実験及び精密化の詳細
ZIF−9の紫色の立方晶(0.17x0.17x0.17mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で233(2)Kに急速冷凍した。トータルで24864であって、そのうち3953が一意的で2221が4σ(I)よりも大きい反射を得た。θの範囲は、2.42°から28.35°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示した。直接法を用いてZ=18の菱面体R−3空間群における構造が判明した。全ての非水素原子を親原子の座標に乗る球として形成される水素原子とともに異方的に精密化した。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=1.032でR1=0.0979(F>2σF))及びwR2=0.2784(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける全ての剰余電子密度は、ZIF−9の細孔の中のゲスト分子と密接に関連していた。
ZIF−9の結晶データ及び構造精密化:実験式,C14H10N4O2.24Co;式量,251.89;温度,258K;波長,0.71073Å;結晶系,六方晶;空間群,R−3;単位胞の寸法,a=22.9437Å;α=90°,b=22.9437Å,β=90°,c=15.747Å;γ=120°;体積,7178.8Å3;Z,18;密度(計算値),1.398Mg/m3;吸収係数,1.089mm−1;F(000),3066;結晶サイズ,0.17x0.17x0.17mm3;データ収集のためのシータの範囲,2.42°から28.35°。
Index ranges:−30<=h<=4,−16<=k<=25,−20<=l<=21
Reflections collected:24864
Independent reflections:41904[R(int)=0.1010]
Completeness to theta = 28.35° 99.1%
Max.and min.transmission:0.8365 and 0.8365
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:3953/0/198
Goodness−of−fit on F2:1.032
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.0979,wR2=0.2321
R indices(all data):Rl=0.1700,wR2=0.2784
Largest diff.peak and hole:0.726 and −0.727e.E−3
【0086】
ZIF−9の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0087】
ZIF−10(MER)の実験及び精密化の詳細
ZIF−10の無色の柱状結晶(0.20x0.10x0.10mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で233(2)Kに急速冷凍した。トータルで66076であって、そのうち3376が一意的で1771が4σ(I)よりも大きい反射を得た。θの範囲は、1.06°から26.37°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示した。直接法を用いてZ=32の単斜晶I4/mmm空間群における構造が判明した。C5及びC8原子は不規則で各群が自身の独立した自由変項でモデル化されることが分かった。全ての非水素原子を親原子の座標に乗る球として形成される水素原子とともに異方的に精密化した。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=1.059でR1=0.0636(F>2σF))及びwR2=0.2457(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける全ての剰余電子密度は、ZIF−10の細孔の中のゲスト分子と密接に関連していた。
ZIF−10の結晶データ及び構造精密化:実験式,C6H6N4O0.69Zn;式量,210.52;温度,223K;波長,0.71073Å;結晶系,正方晶;空間群,I4/mmm;単位胞の寸法,a=27.0608(18)Å;α=90°,b=27.0608Å,β=90°,c=19.406Å;γ=90°;体積,14211Å3;Z,32;密度(計算値),0.787Mg/m3;吸収係数,1.359mm−1;F(000),3376;結晶サイズ,0.2x0.1x0.1mm3;データ収集のためのシータの範囲,1.06°から26.37°。
Index ranges:−33<=h<=33,−33<=k<=33,−24<=1<=24
Reflections collected:66076
Independent reflections:3998[R(int)=0.1371]
Completeness to theta = 26.37° 99.2%
Absorption correction:Semi−empirical from equivalents
Max.and min.transmission:0.873 and 0.850
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:3998/0/118
Goodness−of−fit on F2:1.059
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.0636,wR2=0.2183
R indices(all data):R1=0.1291,wR2=0.2457
Largest diff.peak and hole:0.557 and −0.501e.E−3
【0088】
ZIF−10の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0089】
ZIF−11(RHO)の実験及び精密化の詳細
ZIF−11の無色の立方晶(0.08x0.08x0.08mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で233(2)Kに急速冷凍した。トータルで119088であって、そのうち2415が一意的で1300が4σ(I)よりも大きい反射を得た。θの範囲は、0.71°から20.81°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示した。直接法を用いてZ=12の立方晶Pm−3m空間群における構造が判明した。C7,C8,C12,C13,C14,及びC16原子は不規則で各群が自身の独立した自由変項でモデル化されることが分かった。全ての非水素原子を親原子の座標に乗る球として形成される水素原子とともに異方的に精密化した。拡散電子密度を扱うために、タンパク質拡散散乱補正(SWAT)コマンドを適用した。2つの変数g及びUをそれぞれ1.1及び2.9に収束するよう精密化した。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=1.006でR1=0.0778(F>2σF))及びwR2=0.2382(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける全ての剰余電子密度は、ZIF−11の細孔の中のゲスト分子と密接に関連していた。
ZIF−11の結晶データ及び構造精密化:実験式,C56H40N16O3.77Zn4;式量,1258.84;温度,258K;波長,0.71073Å;結晶系,立方晶;空間群,Pm−3m;単位胞の寸法,a=28.7595Å;α=90°,b=28.7595Å,β=90°,c=28.7595Å;γ=90°;体積,23787.2Å3;Z,12;密度(計算値),1.055Mg/m3;吸収係数,1.238mm−1;F(000),7658;結晶サイズ,0.08x0.08x0.08mm3;データ収集のためのシータの範囲,0.71°から20.81°。
Index ranges:−28<=h<=28,−28<=k<=28,−28<=1<=28
Reflections collected:119088
Independent reflections:2415[R(int)=0.1688]
Completeness to theta = 20.81° 96.8 %
Max.and min.transmission:0.9074 and 0.9074
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:2415/3/195
Goodness−of−fit on F2:1.056
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.0787,wR2=0.2246
R indices(all data):R1=0.1322,wR2=0.2498
Largest diff.peak and hole: 0.579 and −0.395e.E−3
【0090】
ZIF−11の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0091】
ZIF−12(RHO−コバルト構造)の実験及び精密化の詳細
ZIF−12の紫色の立方晶(0.08x0.08x0.08mm3)を、少量の母液とともにフレームシールされた直径0.3mmのホウケイ酸の毛細管に設置し、Bruker SMART APEX CCD回折装置に取り付け、さらに、液体窒素温度の窒素ガス流の中で233Kに急速冷凍した。トータルで21631であって、そのうち1204が一意的で398が4σ(I)よりも大きい反射を得た。θの範囲は、0.71°から15.94°であった。データの分析において収集の際に無視できる遅延を示したが、収集可能な信頼性のあるデータの量は、小さな結晶サイズ及びその低い結晶化度により、非常に限られていた。直接法を用いてZ=12の立方晶Pm−3m空間群における構造が判明した。C7,C8,C13,C14,及びC16原子は不規則で各群が自身の独立した自由変項でモデル化されることが分かった。全ての非水素原子(Coを除く)及び水素原子を等方的に精密化し、水素原子は親原子の座標に乗る球として形成された。コバルト原子を異方的に精密化した。このモデルは精度が低く、ZIF−12が結晶形態の中で孤立していることを示すことが報告されていることに留意されたい。また、他のサポートする特性データ(下記の材料及び方法を参照)がこのような結果をサポートしている。F2の最終的なフルマトリクス最小自乗精密化により、GOF=1.202でR1=0.1064(F>2σF))及びwR2=0.23712(全データ)に収束した。最終的なF−マップにおける全ての剰余電子密度は、ZIF−12の細孔の中のゲスト分子と密接に関連していた。
ZIF−12の結晶データ及び構造精密化:実験式,C13.58H9.58CoN400.92;式量,280.176;温度,258K;波長,0.71073Å;結晶系,立方晶;空間群,Pm−3m;単位胞の寸法,a=28.7595Å;α=90°,b=28.7595Å,β=90°,c=28.7595Å;γ=90°;体積,23787.2Å3;Z,12;密度(計算値),1.014Mg/m3;吸収係数,0.864mm−1;F(000),7366;結晶サイズ,0.08x0.08x0.08mm3;データ収集のためのシータの範囲,1.00°から15.94°。
Index ranges:−16<=h<=22,−21<=k<=21,−22<=1<=16
Reflections collected:21631
Independent reflections:1204[R(int)=0.4632]
Completeness to theta = 15.94° 99.0%
Absorption correction:Semi−empirical from equivalents
Max.and min.transmission:0.9341 and 0.9341
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:1204/8/124
Goodness−of−fit on F2:1.202
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.1064,wR2=0.3393
R indices(all data):R1=0.2328,wR2=0.3712
Largest diff.peak and hole:0.907 and −0.439e.E−3
【0092】
ZIF−12の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0093】
ZIF−20及び−21の実験及び精密化の詳細
ZIF−21については、全ての非水素原子(Coを除く)及び水素原子を等方的に精密化した。コバルト原子を異方的に精密化した。ZIF−20を結晶形態に分離できた。このような構造についてZIF−20と同じ溶媒規則モデルを使用したことに留意されたい。ZIF−20の結晶データ及び構造精密化:実験式,C20H12N16O8.88Zn2;式量,749.20;温度,153K;波長,1.54178Å;結晶系,立方晶;空間群,Fm−3m;単位胞の寸法,a=45.4725Å;α=90°,b=45.4725Å,β=90°,c=45.4725Å;γ=90°;体積,94025.7Å3;Z,96;密度(計算値),1.270Mg/m3;吸収係数,2.027mm−1;F(000),36000;結晶サイズ,0.20x0.20x0.15mm3;データ収集のためのシータの範囲,1.68°から50.37°。
Index ranges:−45<=h<=36,−40<=k<=33,−43<=l<=41
Reflections collected:34673
Independent reflections:2446[R(int)=0.0466]
Completeness to theta = 50.37° 99.6%
Absorption correction:Semi−empirical from equivalents
Max.and min.transmission:0.742 and 0.706
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:2446/0/184
Goodness−of−fit on F2:1.467
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.0871,wR2=0.3160
R indices(all data):R1=0.0949,wR2=0.3261
Largest diff.peak and hole:1.717 and −0.805e.Å−3
【0094】
ZIF−20の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0095】
ZIF−21の結晶データ及び構造精密化:実験式,C20H12Co2N16O8.88;式量,736.32;温度,153K;波長,1.54178Å;結晶系,立方晶;空間群,Fm−3m;単位胞の寸法,a=45.4725Å;α=90°,b=45.4725Å,β=90°,c=45.4725Å;γ=90°;体積,94025.7Å3;Z,96;密度(計算値),1.248Mg/m3;吸収係数,7.154mm−1;F(000),35424;結晶サイズ,0.20x0.10x0.10mm3;データ収集のためのシータの範囲,1.68°から30.87°。
Index ranges:−30<=h<=29,−30<=k<=30,−29<=l<=30
Reflections collected:47463
Independent reflections:794[R(int)=0.0818]
Completeness to theta = 30.87° 100.0%
Absorption correction:Semi−empirical from equivalents
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:794/1/91
Goodness−of−fit on F2:2.636
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.1386,wR2=0.4752
R indices(all data):R1=0.1423,wR2=0.4838
Largest diff.peak and hole:0.663 and −0.788e.Å−3
【0096】
ZIF−21の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直行するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0097】
ZIF−22の実験及び精密化の詳細
ZIF−22の結晶データ及び構造精密化:実験式,C24H16N12O8.33Zn2;式量,736.56;温度,293K;波長,1.54178Å;結晶系,立方晶;空間群,Fm−3m;単位胞の寸法,a=45.6001Å;α=90°,b=45.6001Å,β=90°,c=45.6001Å;γ=90°;体積,94819.4Å3;Z,96;密度(計算値),1.238Mg/m3;吸収係数,1.960mm−1;F(000),35584;結晶サイズ,0.16x0.14x0.13mm3;データ収集のためのシータの範囲,1.68°から50.44°。
Index ranges:−45<=h<=45,−40<=k<=45,−45<=l<=43
Reflections collected:101868
Independent reflections:2456[R(int)=0.1384]
Completeness to theta = 50.44° 99.1%
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:2456/0/213
Goodness−of−fit on F2:1.355
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.1087,wR2=0.3634
R indices(all data):R1=0.1402,wR2=0.4071
Largest diff.peak and hole:2.663 and −0.835e.A−3
【0098】
ZIF−22の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0099】
ZIF−23の実験及び精密化の詳細
ZIF−23の結晶データ及び構造精密化:実験式,C12H8N6Zn;式量,301.61;温度,153K;波長,1.54178Å;結晶系,斜方晶;空間群,P212121;単位胞の寸法,a=9.5477Å;α=90°,b=10.1461Å,β=90°,c=12.4459Å;γ=90°;体積,1205.66Å3;Z,4;密度(計算値),1.662Mg/m3;吸収係数,2.791mm−1;F(000),608;結晶サイズ,0.11x0.05x0.03mm3;データ収集のためのシータの範囲,5.63°から50.41°。
Index ranges:−9<=h<=9,−10<=k<=9,−10<=l<=12
Reflections collected:5183
Independent reflections:1257[R(int)=0.0706]
Completeness to theta = 50.41° 99.3 %
Absorption correction, Semi−empirical from equivalents
Max. and min. transmission, 0.9111 and 0.7470
Refinement method:Full−matrix least−squares on F2
Data/restraints/parameters:1257/0/172
Goodness−of−fit on F2:0.783
Final R indices[I>2sigma(I)]:R1=0.0242,wR2=0.0618
R indices(all data):R1=0.0271,wR2=0.0640
Absolute structure parameter:−0.06(4)
Largest diff.peak and hole:0.159 and −0.171e.A−3
【0100】
ZIF−23の原子座標(x104)及び等価な等方性の変位パラメータ(Å2x103)。U(eq)は、直交するUijテンソルのトレースの3分の1として定義される。
【0101】
粉末X線回折(PXRD)データを、ニッケルでフィルタリングしたCuKa線集束放射を用いた1,600W(40kV,40mA)の出力の反射ブラッグ−ブレンターノ型であって、0.2mmの放射線入射スリットを装着したNa(Tl)シンチレーション検出器を備えたBruker D8−Advance θ−2θ回折計を用いて収集した。バルクの中で確実に単分散するように全ての試料を粉末にした後、幅広の刃を具えたヘラから粉末を落として鋭い刃で試料面を平らにすることによって、ゼロバックグラウンド試料ホルダに付けた。ベストな計数統計を、ステップ当たり10秒の露光時間で1.5から60°までの0.02° 2θステップのスキャンを用いることによって達成した。
【0102】
実験及びシミュレートしたZIF−1(crb)のPXRDパターンにおける回折線の位置及び指数の比較。完全な一致からの偏差が、データ収集温度の差から主として生じている(単結晶についての極低温データ及びバルク粉末についての室温データ):
【0103】
実験及びシミュレートしたZIF−4(cag)のPXRDパターンにおける回折線の位置及び指数の比較。完全な一致からの偏差が、データ収集温度の差から主として生じている(単結晶についての極低温データ及びバルク粉末についての室温データ):
【0104】
実験及びシミュレートしたZIF−7(sod)のPXRDパターンにおける回折線の位置及び指数の比較。完全な一致からの偏差が、データ収集温度の差から主として生じている(単結晶についての極低温データ及びバルク粉末についての室温データ):
【0105】
実験及びシミュレートしたZIF−8(sod)のPXRDパターンにおける回折線の位置及び指数の比較。完全な一致からの偏差が、データ収集温度の差から主として生じている(単結晶についての極低温データ及びバルク粉末についての室温データ)。
【0106】
実験及びシミュレートしたZIF−11(rho)のPXRDパターンにおける回折線の位置及び指数の比較。完全な一致からの偏差が、データ収集温度の差から主として生じている(単結晶についての極低温データ及びバルク粉末についての室温データ)。
【0107】
ZIF−7,8,及び11について、ベンゼン、メタノール及び水中での安定性の試験を行った。これらの溶液を選んで、極性溶媒に対する非極性溶媒の相対的な影響を比較した。室温、50℃及び各溶液の沸点(メタノール65℃、ベンゼン80℃、水100℃)で最大7日間試験を行った。24時間周期でPXRD分析の試料の部分を等分することによって骨格の構造的安定性を観察した。
【0108】
連続的に流れる窒素雰囲気中で白金の皿に試料を入れて、全ての試料を、TAInstruments Q−500シリーズの熱重量分析器で試験した。
【0109】
メタノール又はジクロロメタンによる処理が、ZIF−8の熱重量挙動を簡単化し、効果的な溶媒置換を示した。特に、メタノールで置換したZIF−8試料のTGA記録では、450℃までの元の緩やかな28.3%の減量段階を、周囲温度付近での非常に小さな初期段階、200℃までの平坦期及び200℃から450℃の温度範囲の7.6%の緩やかな段階で置き換えられた。ZIF−11は、TGAトレースが150から250℃の温度範囲で0.4%のわずかな減量段階のみを示すメタノール置換した試料の場合に、さらに効果的に溶媒置換が可能であった。さらに、ZIF−11は、ZIF−8よりも動的な構造であるように思われる。
【0110】
全ての低圧の気体吸着試験(最大1atm)をQuantachrome Autosorb−1C自動容量測定機器で実施した。高圧の水素吸着試験(最大80bar)を、自家製の液体窒素冷却システムを具えて冷却剤の一定の液面を維持するVTI HPA−100容量機器で実施した。NIST RefPropプログラム(Version 7.0)及びNIST Standard Reference Data Base 23を用いることによって、高圧気体の圧縮率補正を決定した(高圧水素吸着測定の詳細は、Wong−Foy,A.G.,Matzger,A.J.及びYaghi,O.M.(2006)J.Am.Chem.Soc.128,3494−3495を参照)。
【0111】
前項に示すTGAの結果の観点から、ZIF−8及びZIF−11を、気体吸着分析の前に以下のような方法で真空に引いた。合成したままのZIF試料を周囲温度で48時間メタノールに浸して、周囲温度で5時間真空に引いた後、2時間加熱した(ZIF−8について300℃、ZIF−11について180℃)。良く保持されたPXRDパターン及び図35に示すようにTGA記録の長い平坦部(550℃までの周囲温度)から明らかなように、このようにして得たZIF試料を最適に真空に引いた。
【0112】
真空に引いたZIF−8の細孔特性は、このような化合物のタイプIの窒素吸着等温線であることが分かった。同じ等温線の対数スケールのプロットでは、細孔領域への2つの連続的な窒素取り込み段階が現れ、それぞれP/P0=1x10−4から2x10−3及び5x10−3から1x10−2で生じた。2段階の態様が、ZIF−8のアルゴン吸着等温線においても87Kで見受けられた。興味深いことに、P/P0=1x10−3から3x10−3及び0.25から0.35で発生するアルゴン等温線における2つの段階は、さらに分離された。非常に急激なヒステリシスループである後の段階を具え、このようなアルゴン等温線は典型的なタイプ4として分類される。しかしながら、低い閉塞点のため、さらに重要なことには、ZIF−8の窒素等温線のメソ細孔範囲の段階及びヒステリシス態様が無いため、メソ細孔の中へのアルゴンの毛管凝縮よってヒステリシスループを説明することができない。このような効果がZIF−11で観察されなかったため、2段階の態様を、かなりの量の気体分子のさらなる適応が可能なZIF−8構造での変化に帰することは適切ではなく、ZIF−11は加熱時又は溶媒中でZIF−8よりも動的な構造であることが分かっている。このため、窒素及びアルゴン双方の等温線における2段階の態様が、吸着される気体分子の再配置の結果としてある閾値圧で生じ、ZIF−8の開口の大きさが窒素及びアルゴン分子の大きさに非常に近いため、このような効果はZIF−8のケースで重要である。さらに、窒素及びアルゴン等温線における第2の段階の閾値圧間の大きな差は、窒素及びアルゴンの異なる分極率及び分子形状によるものであり、これにより、第1のステップが完了した後に吸着した気体分子がどのように分散且つ再構成するかを判断する。
【0113】
P/P0=0.01−0.10の範囲の吸着ブランチについてのデータ点を用いることによって、ZIF−8の1,810m2/g(Langmuir)及び1,630m2/g(BET)の見掛けの比表面積が得られ、P/P0=0.10での1つのデータ点に基づいて、ZIF−8について0.636cm3/gの細孔容量を得た。Langmuir式に適合する線形性は1.000000であり、BET式に適合する線形性は0.999710であり、BET式から得られるC定数は、−663である。このため、Langmuirモデルは、ZIF−8の比表面積を見積もるのにより適していることが明らかである。
【0114】
P/P0=7×10−4から4×10−3の窒素等温線のデータ点、すなわち、第1のステップの完了部分を使用して、1334m2/gのLangmuir比表面積(直線性0.999997)、1328m2/gのBET比表面積(直線性0.999998,C定数 3900)、及び0.443cm3/g(P/P0=4×10−3において)の細孔容量を得た。P/P0=5×10−3から5×10−2のアルゴン等温線のデータ点、すなわち、第1段階の完了部分を使用して、1430m2/gのLangmuir比表面積(直線性0.999996)、1353m2/gのBET比表面積(直線性0.999961,C定数 −7890)、及び0.481(P/P0=0.10において)の細孔容量を得た。窒素等温線及びアルゴン等温線から得た値は、良く一致する。P/P0=0.42のアルゴン等温線の吸着ブランチ、すなわち第2段階の完了部分での1つのデータ点を用いて、0.656cm3/gの細孔容量を得た。さらに、この値は、窒素等温線の片方の側から得たのものと一致した。これらの計算は、窒素及びアルゴン等温線の2段階の態様の間の類似性を示した。
【0115】
RHO及びSOD双方のゼオライトトポロジーを具えた材料については、リンカーとしてベンズイミダゾレートを用いて同じ骨格構成を得る(図36)。これらの構造それぞれにおいて、1つの型のケージを有する。2つの型のケージ(α及びβ)を有するゼオライトA(LTA)をトポロジーを具えたZIFを調整する目的で、主要な炭素原子位置を窒素に置換することが、LTA構造を実現するか否かに拘わらず大きな影響を与える(図36)。ベンズイミダゾレートの位置4で炭素を置換することで、ダイヤモンドトポロジーを具えるZIF−23を与えた。しかしながら、位置5又は5及び7で炭素原子を置換することで、LTA構造に基づくZIFを与えた。これらの位置は、リンク−リンク相互作用を導入するのに理想的に適合し、位置1及び3の窒素原子によって与えられる幾何学的制御とともに、特にLTAに構造を指向する(図36)。このような方法は、アルミノケイ酸塩ゼオライトの合成で良く研究されているアルキルアンモニウムイオン及び有機分子の付加と対照的にリンカとしても機能する構造指向剤を使用するための新たな方法である。
【0116】
Zn(NO3)2・4H2O又はCo(NO3)2・6H2O及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の過量のプリンの65℃又は85℃でのソルボサーマル反応によって、それぞれLTAトポロジーを具えたZIFを合成し、結晶Zn(Pur)2・(DMF)0.75(H2O)1.5(ZIF−20,Pur=purinate)及びそのCo(II)anagloue(ZIF−21)を与えた。
【0117】
LTA構造の骨格を図37に示しており、まさに頂点(T原子)及びエッジ(T原子間のリンク)を示している。それは、単に3:1:1の比の立方体、切頂8面体(β−ケージ)及び、切頂立方8面体(α−ケージ)のタイルで構成されている。ZIF−20では、T原子がZnで、リンカーが五員環のイミダゾレートのN原子を介したZnへのPur結合である。このような構造では、リンカーは不規則である。6員環のN及びC原子が環に対して垂直な結晶学的鏡面を架橋することで、C及びN原子は区別ができない。a=45.4725ÅのZIF−20の立方晶の単位胞は、94025.7(7)Å3の単位胞容量の中に192の亜鉛イオンを含んでいる。単位胞容量当たりの金属原子の密度(T/V)は2.04nm−3であり、それはゼオライトAのそれ(12.9nm−3)よりも非常に小さい。同一の構造がZnをCoで置換したZIF−21に見受けられた。
【0118】
図38は、ZIF−20の分離したケージを示しており;Purリンカー向いている方向のため、図38a及び図38bに示すように、2種類のα−ケージを有することに気付く。α−ケージは、48個のZnと72個のPurを具えている(360C,216H,288N)。14.5Å(図38a)又は15.4Å(図38b)の直径の大きな孔が、12の8員環、8の12員環、及び6の16員環によって囲まれており、Purの位置2のZn及びC原子が環の点となっていた。最も大きい16員環は、2.8Åの直径の開口を有している。ZIF−20のT・・・T距離(約5.9Å)は、イミダゾレートリンカーの中に酸化物イオンを置換することによって拡大し(アルミノケイ酸塩における対応するSi・・・Si距離は、約3.0Åである)、これによりゼオライトAのそれ(約11.4Å)よりも大きな最大の孔サイズのα−ケージを生じる。β−ケージ[24Zn及び36Pur(180C,108H,144N)](図38c)及び立方体[8Zn及び12Pur(60C,36H,48N)](図38d)は、より小さな空洞(それぞれ5.3及び4.5Å)及びより小さな開口(それぞれ2.0Å及び1.5Å)を有している。これにより、いくつかの小さな分子が16員環の窓を通ってβ−ケージに近付き得る。
【0119】
SOD及びRHO(双方がベンズイミダゾレートから得られる)よりもむしろLTAトポロジーの形成の理由を明らかにするために、4−アザベンズイミダゾレート又は5−アザベンズイミダゾレートをリンカーとして使用した(図36)。前者はdiaトポロジーの新たな構造(ZIF−22)を与えたが、後者は基本的に同一の原子座標を具えたLTA構造(ZIF−22)をさらに導き、双方が単結晶X線結晶学によって特定された。
【0120】
LTA構造を形成するために、リンカーの位置5のN原子を有する必要がある。実際にはこれら全ての構造の注意深い実験により、位置5及び6での6員環の原子対が互いに近付いた(3.39及び3.52Å)ユニークな態様の構造を示す(特に、図38dを参照)。これは、明らかに、2つのリンカーの位置5及び6におけるCH−N・・・N−CH対間の静電相互作用及び双極子−双極子相互作用によるものである。しかしながら、4−アザベンズイミダゾレートのケースでは、位置4及び7での2つのリンカーの間の距離が遠過ぎて、図38dを見ても分かるように、好ましい相互作用を生じない。このような相互作用は、おそらくLTA構造の結晶化の早い段階で立方体を形成するのを好む。また、ゼオライトAのLTA合成に関する立方体の初期の形成の重要性が提案されている。
【0121】
立方体が形成されると、LTA構造は伝播し得る主要な幾何学的な対象である。他の場所で説明するように、1種類のエッジを通して立方体をリンクする2つの方法があり、これによりLTA及びACOトポロジーをもたらすため、これらは既定のトポロジーであると思われている。LTA構造は、145°のT−X−Tリンク(このケースでは、X=Im)に既に合わせてあるが、最大対称では曲がっているACOの形態は180°である。対称性を低くすることによって、ACOに由来する構造の角度を小さくすることが可能であるが、イミダゾレートACOを形成するためにT−Im結合を結合分子、このケースでは5員環のC3H1N2イミダゾレート環の面からかなり曲げなければならないことは、重要な点である。実際には、イミダゾレートでは、T−Im結合はイミダゾレート環と同一面上にあり;例えば、ZIF−20では、Zn−N−N−Znのねじれ角は0.00から0.15°であり、145°の角度で平面のリンカーで立方体を結合し得る(図38e)。
【0122】
ゲストフリー(活性化)ZIF−20の不変の細孔率が、アルゴンガス吸着の測定により検証された。合成したままのZIF−20は、元素分析及び熱重量分析(TGA,図39)によって予測される約21wt%のDMF及びH2Oを有している。合成したZIF−20の溶媒をメタノールと置換することによって、活性化した試料を用意し、室温で真空に引いた。メタノールで置換した活性化化合物は、TGA及び粉末X線回折(PXRD)測定によって(図48及び44をそれぞれ参照)特性が明らかにされた。
【0123】
87Kのアルゴン吸着で観察されるタイプIの等温線(IUPAC分類)(図39)は、活性化したZIF−20の細孔を示している。P/P0>0.4での小さなH4のヒステリシスは、試料の結晶間の欠陥に起因する。結晶構造から決定されるZIF−20の最大の開口(2.8Å)は、Arの動的な直径(3.40Å)よりも小さい。しかしながら、構造の中の空間に動的な細孔の拡大プロセスを介して近付くことができ、Purが向きを変えて気体分子を通すことができる。Langmuir及びDubinin−Radushkevitch (DR)式をそれぞれ適用することによって、見掛けの比表面積及び細孔容量を800m2g−1及び0.27cm3g−1と算定した。
【0124】
気体吸着測定の試料を以下のように用意した。合成したままのZIF−20の試料をグローブボックスの中で3日間無水メタノールに浸した;置換する間に、メタノールを6回新しくした。得られたメタノールで置換したZIF−20の試料を、グローブボックスの中で石英セルに移し、ピペットで溶媒を大ざっぱに移した。そして、濡れた試料を周囲温度で12時間真空に引き、気体吸着測定のための活性化試料(約200mg)を生成した。フィラーロッドとともに試料セルをグローブボックスのバルブに取り付け、測定が開始するまでグローブボックスの密閉を保持し、その後、空気に試料を晒さずに試料セルを機器に取り付けた。
【0125】
低圧のAr吸着試験(最大1atm)を、Quantachrome AUTOSORB−I 自動容量機器により液体アルゴンバスを用いて87Kで実施した。P/P0=0.02−0.10の範囲の吸着ブランチでのデータ点を用いることによって、800m2g−1の見掛けの比表面積(Langmuir,フィッティングの直線性は0.999967)を得た。P/P0=0.02−0.10の範囲でDubinin−Radushkevitch(DR)式(フィッティングの直線性は0.999781)適用することによって、0.27cm3g−1細孔容量を得た。石英セル及びフィラーロッドによる表面の吸着は、観察された試料への取り込みの0.4%を下回っていた。
【0126】
CCDの領域検出器を具え1200Wの出力(40kV,30mA)で動作してCuKα放射(λ=1.5418Å)を生じるBruker SMART APEXIIの3つの軌道の回折計でデータを収集した。入射X線ビームを集束して、Bruker Excalibur Gobel 光学ミラーを用いて単色化した。全ての結晶をParaton−N(Hampton Research)でナイロンCryoLoopsに取り付けた。予備的な単位胞パラメータ得るよう各試料の初めのスキャンを実施して、結晶のmosaicityを評価してデータ収集のための所要のフレーム幅を選択した。全てのケースにおいて0.3°のフレーム幅が適切であると判断し、3つの異なる回折計(2θ)の設定(2θ=28,60,100°)でΦ及びωの重なる走査を実行するのに向いているBruker APEX21ソフトウェアを用いてデータの全領域を収集した。データ収集に続いて、Ewald球の全ての領域から反射をサンプリングして、データ統合のために単位胞パラメータを再決定し、CELL_NOWを用いて回転双晶をチェックした。結晶の崩壊を裏付ける証拠にこれまで直面しなかった。収集したフレームの精緻な見直しに続いてデータセットの分解能を判断し、必要に応じてBruker SAINTプラス プログラムを用いて、干渉性散乱が観察されないフレームの領域をデータ統合のための検討の対象から除外した。狭いフレームアルゴリズムを用いてデータを統合し、続いて吸着のために補正した。XPREPを用いて空間群の決定及び欠面の双晶のための試験を実施した。全てのケースで、最も高い可能性の有る空間群を選択し、欠面の双晶は観察されなかった。
【0127】
合成したZIFについて収集された回折パターンを、単結晶X線構造からのシミュレーション結果とともに、図44から47に示す。また、MeOHで置換したZIF−20の活性化材料のデータが図44に示されている。
【0128】
ZIF−20,−21,及び22のTGAの記録を図48から50にそれぞれ示す。ZIF−20の250℃までの23%の減量が、DMFは実際にはZIF−20の開口の大きさよりもかなり大きいという事実に拘わらず、ゲスト分子(0.75DMF及び1.5H2O;計算値21%)の放出と一致する。ZIF−21の210℃までの23%の減量が、ゲスト分子(1DMF及び1H2O;計算値23%)の放出と一致する。ZIF−22の250℃までの20%の減量が、ゲスト分子(0.75DMF及び2H2O;計算値23%)の放出と一致する。
【0129】
また、図48はMeOHで置換した活性化ZIF−20のTGA記録示す。合成した材料の250℃までの元の減量が、周囲温度付近の20%の初期段階によって置き換わり、メタノールによる効果的な溶媒置換を示した。DMF分子は、実際にはZIF−20の開口よりもサイズがかなり大きいが、ZIF−11について上述したようにZIF−20の動的な構造によって、溶媒置換挙動を説明し得る。わずかな減量(〜3%、おそらくH2Oによる)が観察されたが、活性化材料の分析結果が細孔に捕捉された溶媒分子が大部分除去されたことを示す。
【0130】
多くの実施例及び態様を上述したが、添付の特許請求の範囲で規定する本開示の示唆又は本発明の範囲から逸脱せずに、上記の実施例の改良及び変更を行っても良いことが、当業者によって理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】図1は、ZIFの単結晶x線構造を示す。(左及び中央)各列において、スティック線図(左)及びタイル(中央)を示す。(右)灰色のZnN4四面体、及びZIF−5では灰色のInN6八面体を具えた各ZIFで最も大きいケージを示す。明りょうのためH原子を省略する。
【図2A−C】図2A−Cは、典型的なZIFの気体吸着等温線を示す。(a)は、ZIF−8sodの77Kでの窒素等温線である。(b)は、ZIF−8sod及びZIF−11の77Kでの水素等温線である。(c)は、ZIF−8sodの77Kでの高圧水素等温線である。
【図3A−D】図3A−Dは、化学安定性試験で測定されたZIF−8試料のPXRDパターンを示す。(a)は、7日間80℃の還流ベンゼン中。(b)は、7日間65℃で還流メタノール中。(c)は、7日間100℃で還流水中。(d)は、1日間還流含水NaOH溶液中。
【図4A−B】図4A−Bは、(a)イミダゾール及び(b)ZIF−5(gar),In2Zn3(IM)12のFT−IRスペクトルを表す。
【図5】図5は、ジメチルアセトアミドゲスト分子を含むZIF−1の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。
【図6】図6は、ジメチルホルムアミドゲスト分子を含むZIF−2の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。50%の確率水準で楕円体を示す。
【図7】図7は、ZIF−3骨格の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。
【図8】図8は、ジメチルホルムアミドゲスト分子を含むZIF−4の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。
【図9】図9は、ZIF−5骨格の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。50%の確率水準で楕円体を示す
【図10】図10は、ZIF−6骨格の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。
【図11】図11は、ZIF−7骨格の非対称ユニットのORTEPの典型例である。
【図12】図12は、ZIF−8骨格の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。
【図13】図13は、ZIF−9骨格の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。
【図14】図14は、ZIF−10骨格の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。
【図15】図15は、ZIF−11骨格の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。
【図16】図16は、ZIF−12骨格の非対称ユニットのORTEPダイヤグラムである。
【図17】図17は、調整したZIF−1の実験的なPXRDパターン(上側)とその単結晶構造の1つのシミュレーション(下側)との比較を示す。これらのパターンの非常に高い一致は、バルク材料が単結晶と同じ構造を有していることを示す。
【図18】図18は、調整したZIF−4の実験的なPXRDパターン(上側)とその単結晶構造の1つのシミュレーション(下側)との比較を示す。これらのパターンの非常に高い一致は、バルク材料が単結晶と同じ構造を有していることを示す。
【図19】図19は、調整したZIF−7の実験的なPXRDパターン(上側)とその単結晶構造の1つのシミュレーション(下側)との比較を示す。これらのパターンの非常に高い一致は、バルク材料が単結晶と同じ構造を有していることを示す。
【図20】図20は、調整したZIF−11の実験的なPXRDパターン(上側)とその単結晶構造の1つのシミュレーション(下側)との比較を示す。これらのパターンの非常に高い一致は、バルク材料が単結晶と同じ構造を有していることを示す。
【図21】図21は、室温のベンゼン中での安定性試験の際に収集されたZIF−7のPXRDパターンを示す。ZIF−7の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図22】図22は、50℃のベンゼン中での安定性試験の際に収集されたZIF−7のPXRDパターンを示す。ZIF−7の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図23】図23は、80℃のベンゼン中での安定性試験の際に収集されたZIF−7のPXRDパターンを示す。ZIF−7の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図24】図24は、室温のメタノール中での安定性試験の際に収集されたZIF−7のPXRDパターンを示す。ZIF−7の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図25】図25は、50℃のメタノール中での安定性試験の際に収集されたZIF−7のPXRDパターンを示す。ZIF−7の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図26】図26は、還流メタノール中での安定性試験の際に収集されたZIF−7のPXRDパターンを示す。ZIF−7の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図27】図27は、室温の水中での安定性試験の際に収集されたZIF−7のPXRDパターンを示す。ZIF−7の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図28】図28は、50℃の水中での安定性試験の際に収集されたZIF−7のPXRDパターンを示す。ZIF−7の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図29】図29は、室温のベンゼン中での安定性試験の際に収集されたZIF−11のPXRDパターンを示す。ZIF−11の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図30】図30は、還流ベンゼン中での安定性試験の際に収集されたZIF−11のPXRDパターンを示す。ZIF−11の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図31】図31は、還流メタノール中での安定性試験の際に収集されたZIF−11のPXRDパターンを示す。ZIF−11の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図32】図32は、50℃の水中での安定性試験の際に収集されたZIF−11のPXRDパターンを示す。ZIF−11の骨格は、7日経っても変化しなかった。
【図33】図33は、合成した後のZIF−1(crb)のTGAの記録である。
【図34】図34は、合成した後のZIF−1(sod)のTGAの記録である。
【図35】図35は、合成した後、溶媒で置換した後、真空に引いた後(活性化)の試料のTGA記録の重ね合わせを示し、(a)はZIF−8で(b)はZIF−11について示す。
【図36】図36は、イミダゾレート型リンカーの窒素原子の位置が、ゼオライトイミダゾレート骨格(ZIF)トポロジー(SOD,RHO,dia,及びLTA)を形成するための選択の際に重要であることを表す。全てのリンカーの番号付けは、ベンズイミダゾレートについて表示されるのと同じである。
【図37】図37は、LTAトポロジーのケージ構造を表す。この構造を、立方体の分解タイル、切頂八面体及び切頂立方八面体として示す。
【図38A−E】図38A−Eは、ゼオライトAと同じLTAトポロジー有するZIF−20のX線単結晶構造として示す。ここで、ゼオライトA中の酸素及びケイ素原子をベンズイミダゾレート及び四面体亜鉛原子でそれぞれ置換して、拡張した2つのα−ケージ、a及びb、β−ケージ、c、及び立方体、dを与える。2つの立方体間の結合eは、構造の網目化において重要である。C/N原子の対の近距離の接近に気付く。ZnN4四面体,炭素及び窒素。
【図39】図39は、不変の細孔材料及びゼオライトAと比較して高い比表面積を表すタイプIの挙動を示す87Kで測定されたZIF−20のアルゴン吸着を示す。黒丸及び白丸は、吸着及び脱着をそれぞれ表している。
【図40】図40は、ZIF−20の非対称ユニットのORTEP図面を示しており、明りょうのためゲスト存在物及びさらには水素原子を除いている。50%の確率水準で楕円体を示す。
【図41】図41は、ZIF−21の非対称ユニットのORTEP図面を示しており、明りょうのためゲスト存在物及びさらには水素原子を除いている。50%の確率水準で楕円体を示す。有機プリン配位子が等方的に精密化されていることに留意されたい。
【図42】図42は、ZIF−22の非対称ユニットのORTEP図面を示しており、明りょうのためゲスト存在物及びさらには水素原子を除いている。50%の確率水準で楕円体を示す。
【図43】図43は、ZIF−23の非対称ユニットのORTEP図面を示しており、明りょうのため水素原子を除いている。50%の確率水準で楕円体を示す。
【図44】図44は、合成後、MeOHで置換した後及び活性化したZIF−20の実験的なPXRDパターンと単結晶X線構造によるシミュレーションパターンとの比較を示す。
【図45】図45は、合成後のZIF−21の実験的なPXRDパターンと単結晶X線構造によるシミュレーションパターンとの比較を示す。
【図46】図46は、合成後のZIF−22の実験的なPXRDパターンと単結晶X線構造によるシミュレーションパターンとの比較を示す。
【図47】図47は、合成後のZIF−23の実験的なPXRDパターンと単結晶X線構造によるシミュレーションパターンとの比較を示す。
【図48】図48は、合成後、溶媒置換した後、及び活性化後のZIF−20のTGA記録の重ね合わせである。
【図49】図49は、ZIF−21の合成後の試料のTGA記録を示す。
【図50】図50は、ZIF−22の合成後の試料のTGA記録を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
M−L−M型の全体構造を具えるゼオライト骨格であって、
Mは、遷移金属を具えており、
Lは、1,2,3,又はそれらの組み合わせから成る群から選択される構造を具える連結部分であり、
A1,A2,A3,A4,A5,A6及びA7は、C又はN原子のいずれかであることが可能であり、
R5からR8は、A1及びA4がC原子を具える場合に存在し、
R1,R4又はR9は、Mと干渉しない非立体的に遮蔽した官能基を具えており、
R2,R3,R5,R6,R7,R8,R10,R11,R12が、それぞれ個別にアルキル基、ハロ基、シアノ基、ニトロ基であり、
M1,M2,M3,M4,M5,M6が、それぞれ遷移金属を具えており、
連結基が構造3を具える場合に、R10,R11及びR12がそれぞれ個別に電子求引基であることを特徴とするゼオライト骨格。
【請求項2】
R1,R4及びR9が、H原子、メチル基、ハロ基、シアノ基、及びエチル基から成る群からそれぞれ個別に選択されることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項3】
R10,R11及びR12が、ニトロ基、シアノ基、フルオロ基、及びクロロ基から成る群からそれぞれ個別に選択されることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項4】
Lがイミダゾレート又はイミダゾレート誘導体であることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項5】
Lが、4,5,6,7,8,及び9から成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項6】
前記ゼオライト骨格が、複数の異なる遷移金属を具えていることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項7】
前記ゼオライト骨格が、複数の異なる連結基を具えていることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項8】
前記遷移金属が、Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Y,Zr,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,Lu,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Au,Hg,Lr,Rf,Db,Sg,Bh,Hs,Mt,Ds,Rg及びUubから成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項9】
前記イミダゾレート又はイミダゾレート誘導体が、置換イミダゾレート;メチル基、ニトロ基、シアノ基、又はクロロ基を具えるベンズイミダゾレート;アザベンズイミダゾレート;ベンズイミダゾレートの1又は2の炭素原子を窒素に置換したアザベンズイミダゾレートから成る群から選択されることを特徴とする請求項4に記載のゼオライト骨格。
【請求項10】
前記遷移金属が、遷移金属が無い骨格と比較して前記ゼオライト骨格のカチオン電荷を増やすことにより、気体選択性を増やすことを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項11】
前記ゼオライト骨格が、ABW,ACO,AEI,AEL,AEN,AET,AFG,AFI,AFN,AFO,AFR,AFS,AFT,AFX,AFY,AHT,ANA,APC,APD,AST,ASV,ATN,ATO,ATS,ATT,ATV,AWO,AWW,BCT,BEA,BEC,BIK,BOG,BPH,BRE,CAN,CAS,CDO,CFI,CGF,CGS,CHA,CHI,CLO,CON,CZP,DAC,DDR,DFO,DFT,DOH,DON,EAB,EDI,EMT,EON,EPI,ERI,ESV,ETR,EUO,EZT,FAR,FAU,FER,FRA,GIS,GIU,GME,GON,GOO,HEU,IFR,IHW,ISV,ITE,ITH,ITW,IWR,IWV,IWW,JBW,KFI,LAU,LEV,LIO,LIT,LOS,LOV,LTA,LTL,LTN,MAR,MAZ,MEI,MEL,MEP,MER,MFI,MFS,MON,MOR,MOZ,MSE,MSO,MTF,MTN,MTT,MTW,MWW,NAB,NAT,NES,NON,NPO,NSI,OBW,OFF,OSI,OSO,OWE,PAR,PAU,PHI,PON,RHO,RON,RRO,RSN,RTE,RTH,RUT,RWR,RWY,SAO,SAS,SAT,SAV,SBE,SBS,SBT,SFE,SFF,SFG,SFH,SFN,SFO,SGT,SIV,SOD,SOS,SSY,STF,STI,STT,SZR,TER,THO,TON,TSC,TUN,UEI,UFI,UOZ,USI,UTL,VET,VFI,VNI,VSV,WEI,WEN,YUG,及びZONから成る群から選択される骨格構造を具えることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項12】
前記ゼオライト骨格が、EMT,EMT/FAU,BEA,CAN,GME,LTL,MAZ,MOR,MTW,及びOFFから成る群から選択される構造骨格を具えることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項13】
前記ゼオライト骨格が複数の細孔を具えており、前記複数の細孔のそれぞれが原子又は分子吸着のための十分な数の到達可能な部位を具えていることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項14】
前記複数の細孔のうちの1の細孔の比表面積が、約2000m2/gよりも大きいことを特徴とする請求項13に記載のゼオライト骨格。
【請求項15】
前記複数の細孔のうちの1の細孔の比表面積が、約3,000から18,000m2/gであることを特徴とする請求項13に記載のゼオライト骨格。
【請求項16】
前記複数の細孔のうちの1の細孔の比表面積が、約3,000から6,000m2/gであることを特徴とする請求項13に記載のゼオライト骨格。
【請求項17】
前記複数の細孔のうちの1の細孔が、0.1から0.99cm3/cm3の細孔容量を具えることを特徴とする請求項13に記載のゼオライト骨格。
【請求項18】
前記複数の細孔のうちの1の細孔が、0.4から0.5cm3/cm3の細孔容量を具えることを特徴とする請求項13に記載のゼオライト骨格。
【請求項19】
前記ゼオライト骨格が約0.17g/cm3の骨格密度を有することを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項20】
前記ゼオライト骨格が、本書に記載の表のいずれか1つに示すような原子座標を具えていることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項21】
さらに、ゲスト種を具えていることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項22】
前記ゲスト種が、前記ゼオライト骨格の比表面積を増やすことを特徴とする請求項21に記載のゼオライト骨格。
【請求項23】
前記ゲスト種が、100g/molよりも小さい分子量を具える有機分子、300g/molよりも小さい分子量を具える有機分子、600g/molよりも小さい分子量を具える有機分子、600g/molよりも大きい分子量を具える有機分子、少なくとも1の芳香環、多環芳香族炭化水素、及び化学式MmXnを有する金属錯体を含む有機分子、及びこれらの組み合わせから成る群から選択され、Mは金属イオンであり、Xは14族から17族のアニオンから成る群から選択され、mは1から10までの整数であり、nは、金属クラスタが所定の電荷を有するように当該金属クラスタを荷電平衡させるよう選択される数であることを特徴とする請求項21に記載のゼオライト骨格。
【請求項24】
さらに、金属−有機物骨格の比表面積を増やす相互貫入ゼオライト骨格を具えていることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項25】
さらに、吸着化学種を具えていることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項26】
前記吸着化学種が、アンモニア、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、アミン、メタン、酸素、アルゴン、窒素、アルゴン、有機色素、多環有機分子、及びそれらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする請求項25に記載のゼオライト骨格。
【請求項27】
請求項1に記載のゼオライト骨格を具えているガス貯蔵装置。
【請求項28】
導電ポリマー及び請求項1に記載のゼオライト骨格を具えているセンサ。
【請求項29】
請求項1に記載のゼオライト骨格を具えている触媒基板。
【請求項1】
M−L−M型の全体構造を具えるゼオライト骨格であって、
Mは、遷移金属を具えており、
Lは、1,2,3,又はそれらの組み合わせから成る群から選択される構造を具える連結部分であり、
A1,A2,A3,A4,A5,A6及びA7は、C又はN原子のいずれかであることが可能であり、
R5からR8は、A1及びA4がC原子を具える場合に存在し、
R1,R4又はR9は、Mと干渉しない非立体的に遮蔽した官能基を具えており、
R2,R3,R5,R6,R7,R8,R10,R11,R12が、それぞれ個別にアルキル基、ハロ基、シアノ基、ニトロ基であり、
M1,M2,M3,M4,M5,M6が、それぞれ遷移金属を具えており、
連結基が構造3を具える場合に、R10,R11及びR12がそれぞれ個別に電子求引基であることを特徴とするゼオライト骨格。
【請求項2】
R1,R4及びR9が、H原子、メチル基、ハロ基、シアノ基、及びエチル基から成る群からそれぞれ個別に選択されることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項3】
R10,R11及びR12が、ニトロ基、シアノ基、フルオロ基、及びクロロ基から成る群からそれぞれ個別に選択されることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項4】
Lがイミダゾレート又はイミダゾレート誘導体であることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項5】
Lが、4,5,6,7,8,及び9から成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項6】
前記ゼオライト骨格が、複数の異なる遷移金属を具えていることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項7】
前記ゼオライト骨格が、複数の異なる連結基を具えていることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項8】
前記遷移金属が、Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Y,Zr,Nb,Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,Lu,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Au,Hg,Lr,Rf,Db,Sg,Bh,Hs,Mt,Ds,Rg及びUubから成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項9】
前記イミダゾレート又はイミダゾレート誘導体が、置換イミダゾレート;メチル基、ニトロ基、シアノ基、又はクロロ基を具えるベンズイミダゾレート;アザベンズイミダゾレート;ベンズイミダゾレートの1又は2の炭素原子を窒素に置換したアザベンズイミダゾレートから成る群から選択されることを特徴とする請求項4に記載のゼオライト骨格。
【請求項10】
前記遷移金属が、遷移金属が無い骨格と比較して前記ゼオライト骨格のカチオン電荷を増やすことにより、気体選択性を増やすことを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項11】
前記ゼオライト骨格が、ABW,ACO,AEI,AEL,AEN,AET,AFG,AFI,AFN,AFO,AFR,AFS,AFT,AFX,AFY,AHT,ANA,APC,APD,AST,ASV,ATN,ATO,ATS,ATT,ATV,AWO,AWW,BCT,BEA,BEC,BIK,BOG,BPH,BRE,CAN,CAS,CDO,CFI,CGF,CGS,CHA,CHI,CLO,CON,CZP,DAC,DDR,DFO,DFT,DOH,DON,EAB,EDI,EMT,EON,EPI,ERI,ESV,ETR,EUO,EZT,FAR,FAU,FER,FRA,GIS,GIU,GME,GON,GOO,HEU,IFR,IHW,ISV,ITE,ITH,ITW,IWR,IWV,IWW,JBW,KFI,LAU,LEV,LIO,LIT,LOS,LOV,LTA,LTL,LTN,MAR,MAZ,MEI,MEL,MEP,MER,MFI,MFS,MON,MOR,MOZ,MSE,MSO,MTF,MTN,MTT,MTW,MWW,NAB,NAT,NES,NON,NPO,NSI,OBW,OFF,OSI,OSO,OWE,PAR,PAU,PHI,PON,RHO,RON,RRO,RSN,RTE,RTH,RUT,RWR,RWY,SAO,SAS,SAT,SAV,SBE,SBS,SBT,SFE,SFF,SFG,SFH,SFN,SFO,SGT,SIV,SOD,SOS,SSY,STF,STI,STT,SZR,TER,THO,TON,TSC,TUN,UEI,UFI,UOZ,USI,UTL,VET,VFI,VNI,VSV,WEI,WEN,YUG,及びZONから成る群から選択される骨格構造を具えることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項12】
前記ゼオライト骨格が、EMT,EMT/FAU,BEA,CAN,GME,LTL,MAZ,MOR,MTW,及びOFFから成る群から選択される構造骨格を具えることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項13】
前記ゼオライト骨格が複数の細孔を具えており、前記複数の細孔のそれぞれが原子又は分子吸着のための十分な数の到達可能な部位を具えていることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項14】
前記複数の細孔のうちの1の細孔の比表面積が、約2000m2/gよりも大きいことを特徴とする請求項13に記載のゼオライト骨格。
【請求項15】
前記複数の細孔のうちの1の細孔の比表面積が、約3,000から18,000m2/gであることを特徴とする請求項13に記載のゼオライト骨格。
【請求項16】
前記複数の細孔のうちの1の細孔の比表面積が、約3,000から6,000m2/gであることを特徴とする請求項13に記載のゼオライト骨格。
【請求項17】
前記複数の細孔のうちの1の細孔が、0.1から0.99cm3/cm3の細孔容量を具えることを特徴とする請求項13に記載のゼオライト骨格。
【請求項18】
前記複数の細孔のうちの1の細孔が、0.4から0.5cm3/cm3の細孔容量を具えることを特徴とする請求項13に記載のゼオライト骨格。
【請求項19】
前記ゼオライト骨格が約0.17g/cm3の骨格密度を有することを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項20】
前記ゼオライト骨格が、本書に記載の表のいずれか1つに示すような原子座標を具えていることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項21】
さらに、ゲスト種を具えていることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項22】
前記ゲスト種が、前記ゼオライト骨格の比表面積を増やすことを特徴とする請求項21に記載のゼオライト骨格。
【請求項23】
前記ゲスト種が、100g/molよりも小さい分子量を具える有機分子、300g/molよりも小さい分子量を具える有機分子、600g/molよりも小さい分子量を具える有機分子、600g/molよりも大きい分子量を具える有機分子、少なくとも1の芳香環、多環芳香族炭化水素、及び化学式MmXnを有する金属錯体を含む有機分子、及びこれらの組み合わせから成る群から選択され、Mは金属イオンであり、Xは14族から17族のアニオンから成る群から選択され、mは1から10までの整数であり、nは、金属クラスタが所定の電荷を有するように当該金属クラスタを荷電平衡させるよう選択される数であることを特徴とする請求項21に記載のゼオライト骨格。
【請求項24】
さらに、金属−有機物骨格の比表面積を増やす相互貫入ゼオライト骨格を具えていることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項25】
さらに、吸着化学種を具えていることを特徴とする請求項1に記載のゼオライト骨格。
【請求項26】
前記吸着化学種が、アンモニア、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、アミン、メタン、酸素、アルゴン、窒素、アルゴン、有機色素、多環有機分子、及びそれらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする請求項25に記載のゼオライト骨格。
【請求項27】
請求項1に記載のゼオライト骨格を具えているガス貯蔵装置。
【請求項28】
導電ポリマー及び請求項1に記載のゼオライト骨格を具えているセンサ。
【請求項29】
請求項1に記載のゼオライト骨格を具えている触媒基板。
【図1】
【図2A−C】
【図3A−D】
【図4A−B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38A−E】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図2A−C】
【図3A−D】
【図4A−B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38A−E】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【公表番号】特表2009−528251(P2009−528251A)
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557479(P2008−557479)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/062955
【国際公開番号】WO2007/101241
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(501279741)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ミシガン (22)
【出願人】(508255090)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (9)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/062955
【国際公開番号】WO2007/101241
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(501279741)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ミシガン (22)
【出願人】(508255090)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (9)
【Fターム(参考)】
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