説明

機能性流体組成物

本発明の流体組成物は、下記式のグリコールの混合物を含むグリコール成分を含み、典型的には、式中、R、R、R及びRの少なくとも1つは、アルキル基である。本組成物の物理特性としては、高乾燥平衡還流沸点(ERBP)、高湿潤平衡還流沸点(WERBP)、低温粘度又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。これらの組成物は、DOT 3、4又は5ブレーキ液についての規定を満たす又は超えるそれらの物理特性(例えば、WERBP、ERBP、及び低温粘度)のため、特に有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、仮出願第60/976,010号(2007年9月28日出願)の出願日の利益を主張するものであり、該仮出願の内容は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、様々な用途に有用である機能性流体に関する。本発明の機能性流体は、低温での突然の動き(例えば、急ブレーキ)、及び/又は十分な動作にとってより低粘度の流体が有益である、自動車両用のアンチロック・ブレーキ・システム、安定性制御システム又は回生ブレーキシステムのためのブレーキ液などの作動液として特に有用である。
【背景技術】
【0003】
新しく開発された装置、例えば、電子式又は自動アンチロック・ブレーキング・システム、安定性制御システム及び回生ブレーキシステムは、適切な物理及び性能特性を有する高性能作動液(例えば、ブレーキ液)の必要を生じさせた。特に、良好な低温粘度を有し、その上、所望の最低乾燥平衡還流沸点(ERBP)及び湿潤平衡還流沸点(WERBP)温度を満たす又は超える、高性能ブレーキ液が強く求められている。ブレーキ液についての最近の国際規格の実例を下に示す:
【表1】

【0004】
そのような所望の機能性流体をもたらす1つの例示的解決法は、「Low Viscosity Functional Fluids」と題する、及びすべての目的で参照により本明細書に組み込まれる、所有者共通の米国特許出願公開第2007/0027039号に紹介されている。有利なことに、これらの従来の機能性流体の成分に比べて新しい及び又は代替の成分を有する機能性流体の提供によりこれらの従来の機能性流体の所望の特性を向上可能であることが判明した。さらに、大幅な費用の発生なしにそのような向上を達成できることがわかった。尚、さらに、そのような機能性流体の従来の成分のみならず新しい成分、又は他の代替の成分の使用により、費用を実際に低下させることが可能であり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0027039号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様において、本発明は、約50重量%から約100重量%のグリコール成分を含む機能性流体組成物に関し、該グリコール成分は、式I:
【化1】

の1つ又はそれ以上のグリコールを含み、式中、R及びRは、H、又は1から8個の炭素原子を含有するアルキル基、又はそれらの混合であり、ならびにnは、少なくとも1であり、該グリコールは、R、R、R及びRの少なくとも1つが、1から8個の炭素原子を含有するアルキル基である、少なくとも1つの繰返し単位を含む、同一または異なっていてもよいn個の繰返し単位を有する。
【0007】
本発明のこの態様は、次の特徴の1つ又は任意の組み合わせによりさらに特徴付けられ得る:式Iの1つ又はそれ以上のグリコールが、グリコール成分の総重量に基づき少なくとも5重量%の濃度で存在する;式Iの1つ又はそれ以上のグリコールが、グリコール成分の総重量に基づき少なくとも15重量%の濃度で存在する;RがHである;(式Iの)R、R、R及びRの厳密に1つが、1から8個の炭素原子を含有するアルキル基であり、残りがHである;(式Iの)R、R、R及びRの少なくとも2つ(例えば、2つ、3つ又は4つすべて)が、1から8個の炭素原子を含有するアルキル基であり、残りがHである;前記グリコール成分が、式III:
(式III) RO(CHCHO)
[式中、R及びRは、H、又は1から8個の炭素原子を含有するアルキル基、又はそれらの混合であり、ならびにnは、少なくとも1である(例えば、nは、少なくとも3である)]の少なくとも1つのグリコールをさらに含む;式Iのグリコールが、R、R、R及びRがそれぞれHである少なくとも1つの第1の繰返し単位と、R、R、R及びRの少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、3つ又は4つ)が、それぞれ、1から8個の炭素原子を含有するアルキル基である少なくとも1つの第2の繰返し単位とを含む;式Iの1つ又はそれ以上のグリコールが、式IV:
(式IV) RO(RO)
のグリコールを含み、この場合、(i)nが少なくとも1であり、及びRがすべてプロピル基であるか、(ii)nが少なくとも2であり、及びRがエチル基とプロピル基の混合である;式Iの1つ又はそれ以上のグリコールが、プロピレングリコールエーテル、エチレン−プロピレングリコールエーテル、又は両方を含む;前記グリコール成分が、アルコキシル化ポリプロピレングリコール、アルコキシル化ポリエチレン−プロピレングリコール、又は両方を含む;前記グリコール成分が、式I及び式III:
(式III) RO(CHCHO)
のアルコキシル化グリコールを含み、この場合、R及びRの少なくとも一方は、1から8個の炭素原子を含有するアルキル基であり、該アルコキシル化グリコールの濃度が、グリコール成分の総重量に基づき約30重量%より高い;前記組成物には、実質的にグリコールホウ酸エステルが無い;前記組成物が、式V:
【化2】

[式中、(式Vの)R、R、R、R及びRのそれぞれは、H、又は1から8個の炭素原子を含有するアルキル基、又はそれらの混合であり、nは、1から4である]
を含む約0.1重量%から約10重量%のグリコールホウ酸エステルと、腐食防止剤を含む約0.3重量%から約10重量%の添加剤パッケージとを含む;n=3を有するホウ酸エステルが、ホウ酸エステルの約90重量%より多く、n=2を有するホウ酸エステルの量が、ホウ酸エステルの約0.5重量%から約5.0重量%であり、及びn=4を有するホウ酸エステルの量が、ホウ酸エステルの約0又は0.1重量%から約15重量%である;n=3を有するグリコール成分の量が、グリコール成分の約90重量%より多く、n=2を有するグリコール成分の量が、グリコール成分の約0.5重量%から約5.0重量%であり、及びn=4を有するグリコール成分の量が、グリコール成分の約0又は0.1重量%から約15重量%である;前記組成物が、約205℃以上の乾燥平衡還流沸点、約140℃以上の湿潤平衡還流沸点、及び約−40℃の温度で約1500cSt以下の粘度を有する;前記組成物が、約250℃以上の乾燥平衡還流沸点、約145℃以上の湿潤平衡還流沸点、及び約−40℃の温度で約1400cSt以下の粘度を有する;前記グリコール成分が、1つ又はそれ以上の高純度グリコール成分を含む;前記組成物が、酸化防止剤、消泡剤、腐食防止剤、pH安定剤、又はそれらの任意の組み合わせを含む添加剤パッケージを含む;前記グリコール成分が、式I及び式III[式中、R及びRの一方がHであり、他方がメチル、エチル、プロピル、ブチル又はそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される]のアルコキシル化グリコールを少なくとも50重量%含む;前記グリコール成分が、前記グリコール成分が、式I及び式III[式中、R及びRの一方がHであり、他方がメチル、エチル、プロピル、ブチル又はそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される]のアルコキシル化グリコールを少なくとも70重量%含む;前記グリコール成分が、流体組成物の総重量に基づき少なくとも70重量%の濃度で存在する;前記グリコール成分が、流体組成物の総重量に基づき少なくとも85重量%の濃度で存在する。
【0008】
本発明のこの態様は、少なくとも70重量%のグリコール成分、ここで、前記グリコール成分は、式Iの1つ又はそれ以上のアルコキシル化グリコール:
【化3】


[式中、Rは、Hであり、Rは、1から4個の炭素原子を含有するアルキル基又はその混合であり、及びnは、少なくとも2であり、該グリコールは、R、R、R及びRの少なくとも1つがメチル基であり、その他がHである、少なくとも1つの繰返し単位を含む、同一または異なっていてもよいn個の繰返し単位を有し、追加の繰返し単位は、第1の繰返し単位と同じもの、(CH−CH−O)、又はそれらの組み合わせであり、該式Iの1つ又はそれ以上のアルコキシル化グリコールは、前記グリコール成分の総重量に基づき少なくとも15重量%の濃度で存在する];任意の式IIIの1つ又はそれ以上のアルコキシル化グリコール:
(式III) RO(CHCHO)
[式中、Rは、Hであり、Rは、1から4個の炭素原子を含有するアルキル又はその混合であり、及びnは、少なくとも2である];および、酸化防止剤、消泡剤、腐食防止剤、pH安定剤、又はそれらの任意の組み合わせを含む添加剤パッケージとを含み;式Iのアルコキシル化グリコールと式IIIのアルコキシル化グリコールの総量が、前記グリコール成分の総重量に基づき少なくとも50重量%の濃度で存在する、機能性流体組成物によりさらに特徴付けられ得る。
【0009】
本発明のもう1つの態様は、本明細書に記載する流体組成物を含むブレーキシステムに関する。本発明のこの態様は、前記ブレーキシステムにブースタが無いことによりさらに特徴付けられ得る。
【0010】
本発明のさらにもう1つの態様は、ブレーキシステムにおける流体としての、本明細書に記載する流体組成物の使用に関する。例えば、本発明のこの態様は、ブースタが無いブレーキシステムにおける流体としての、本明細書に記載する流体組成物の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の機能性流体組成物は、多数の用途を有するが、ブレーキ液などの作動液として特に有用である。本発明の流体組成物は、グリコール、アルコキシグリコール又は両方のグリコール成分を含む。本流体組成物は、ホウ酸エステルも含み得るが、好ましくは、その組成物の重量に基づき約10重量%より多くのホウ酸エステルを含まない。組成物の物理特性としては、高乾燥平衡還流沸点(ERBP)、高湿潤平衡還流沸点(WERBP)、及び低温粘度が挙げられる。
【0012】
本発明の機能性流体組成物の一定の実施形態は、それらの物理特性(例えば、WERBP、ERBP、及び低温粘度)が上の表の規定のもとでDOT 3、DOT 4又はDOT 5ブレーキ液についての規定を満たすため、特に有用である。
【0013】
組成物の物理特性、ならびにホウ酸エステルの存在、又はその不存在により、それはブレーキ液としての機能を特によく果たすことができる。さらに、ホウ酸エステルを有さない組成物が、DOT 3、DOT 4又はDOT 5ブレーキ液に必要な要件を満たすことができる。
【0014】
本発明の機能性流体は、下記の1つ又は任意の組み合わせを含む:
(a)組成物の総重量に基づき約50重量%から約100重量%のグリコール成分;
(b)全組成物の重量に基づき約0又は約0.01重量%から約10重量%のグリコールホウ酸エステル成分;及び
(c)全組成物の重量に基づき約0.10又は0.30重量%から約10重量%の添加剤パッケージ。
【0015】
前記グリコール成分は、1つ、2つ、3つ又はそれ以上のグリコール及び/又はポリグリコールから一部、実質的に全面的に(少なくとも90重量%もしくは少なくとも95重量%)又は全面的に形成され得る。好ましくは、前記グリコール成分のグリコール又はポリグリコールは、式Iの式:
【化5】


を有し、繰返し単位:
【化4】

【0016】
[式中、R、R、R、R、R、Rのそれぞれは、水素(H)であるか、1から8個又はそれ以上の炭素原子を含有するアルキル基であるか、それらの混合である]を伴う。前記グリコール成分の20%より多くについて、さらに典型的には50%より多くについて、及びことによると80%より多くまでもについて、RはHであることが一般的である。R=Hを有するグリコールを実質的に全面的に(少なくとも90重量%もしくは少なくとも95重量%)又は完全に全面的に含有するグリコール成分もあり得る。前記グリコール又はポリグリコールが、単純にRが(H)であるグリコールであるのとは対照的にアルコキシグリコールエーテル(例えば、アルキルでエンドキャップされたアルコキシグリコールエーテル)であるように、R又はRのいずれかが、1から8個の炭素原子を含有するアルキル基であり、他方が水素であることが好ましい。典型的には、前記グリコール成分、全流体組成物又は両方の90重量%未満、さらに典型的には50重量%未満、及びことによると30重量%又は20重量%未満までもについて、RとRの両方が(H)である。前記グリコール又はポリグリコールがアルコキシグリコールジエーテル(例えば、アルキルでダブルエンドキャップされたアルコキシグリコールジエーテル)であるように、R及びRが、両方とも、1から8個の炭素原子を含有するアルキル基であることもあり得る。存在する場合、ダブルエンドキャップされたグリコールの濃度は、グリコール成分の典型的には約80重量%未満、さらに典型的には約50重量%未満、及びことによると約20重量%未満でさえある。ダブルエンドキャップされたグリコールが実質的に無い(グリコール成分の約90重量%未満もしくは約5重量%未満)又は完全に無いグリコール成分もあり得る。本明細書において用いる場合、式Iのポリグリコールが少なくとも2又はそれ以上のnを有すること、及び用語グリコールがすべてのポリグリコールを含むことは、理解される。前記グリコール成分は、式中、R及びRが両方ともアルキル基である、R及びRが両方ともHである、R及びRの一方がアルキル基であり、他方がHである、又は組み合わせである、式Iのグリコールを含むことができる(例えば、前記グリコール成分は、式中、Rが水素であり、Rが、アルキル基、H、又は組み合わせである、式Iのグリコールを含むことができる)ことも理解されるはずである。
【0017】
前記グリコール成分は、n=1の場合のグリコールの量を含み得る。そのようなグリコールは、含まれるとき、グリコール成分の少なくとも約0.001重量%である(例えば、少なくとも約0.01重量%である)。さらに、そのようなグリコールは、グリコール成分の典型的には約30重量%未満、さらに典型的には約10重量%未満、及びさらにいっそう典型的には約5重量%未満である。好ましくは、前記グリコール成分のグリコールは、n=2の場合のグリコール(例えば、アルコキシグリコール)、n=3の場合のグリコール(例えば、アルコキシグリコール)、n=4もしくはそれ以上の場合のグリコール(例えば、アルコキシグリコール)、又はそれらの混合物を含む。さらに好ましいグリコール成分は、n=2、n=3、及びn=4又はそれ以上を有するグリコール(例えば、アルコキシグリコール)の混合物を含む。n=2又はそれ以上の場合のグリコールが、グリコール成分及び/又は全機能性流体中に、そのグリコール成分、その全機能性流体又は両方の少なくとも約50重量%、さらに典型的には少なくとも約60重量%及びさらに典型的には少なくとも約75重量%である量で存在することも好ましい。前記グリコール成分及び/又は全機能性流体は、n=2又はそれ以上の場合のグリコールから本質的に又は全面的に成ることさえある。n=2又はそれ以上の場合のグリコールが、グリコール成分及び/又は全機能性流体中に、約99.99重量%未満、典型的には約99重量%未満、さらに典型的には約90重量%未満、及びさらにいっそう典型的には約85重量%未満である量で存在することも好ましい。
【0018】
前記グリコール成分は、R、R、R及びRがそれぞれHである第1のグリコール(例えば、第1のポリグリコール)の量を典型的には含む。Rは、好ましくはHであるが、1から8個の炭素原子を含有するアルキル基であってもよい(例えば、Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどであり得る)。そのような第1のグリコール(例えば、すべてHであるR、R、R、R及びRをそれぞれが有する式Iの単一のグリコールの混合物又は複数のグリコールの混合物)は、含まれるとき、全グリコール成分の少なくとも約3重量%、さらに典型的には少なくとも約10重量%、及びさらにいっそう典型的には少なくとも約20重量%である。さらに、そのような第1のグリコールは、全グリコール成分の典型的には約80重量%未満、さらに典型的には約50重量%未満、及びさらにいっそう典型的には約30重量%未満である。そのような第1のグリコールについて、nは、少なくとも1であるが、好ましくは、nは、2又はそれ以上である。n=2の場合の第1のグリコールの量は、第1のグリコールの典型的には約20.00重量%未満(例えば、約0.25重量%から約20.00重量%)である。n=3の場合の第1のグリコールの量は、第1のグリコールの典型的には約25重量%より多く、さらに典型的には約40重量%より多く、及び最も好ましくは約70重量%より多い。n=3の場合の第1のグリコールの量は、存在する場合、典型的に、約0重量%から約99.5重量%(例えば、第1のグリコールの約25.0重量%から約99.5重量%)であり得る。前記第1のグリコールは、少なくとも4であるnを有するグリコール、を含む、又は、から本質的にもしくは全面的に成ることがある。例えば、nが少なくとも4である第1のグリコールの量は、存在する場合、第1のグリコールの約10重量%より多い、典型的には約30重量%より多い、さらに典型的には45重量%より多い、及び最も典型的には約50重量%より多いことがある。n=4の場合の第1のグリコールの量は、第1のグリコールの約50重量%未満、好ましくは約30重量%未満であり得る(例えば、典型的に約0又は0.1重量%から約15重量%である)。当然のことながら、特に別の指定が無い限り、より高い又はより低い全第1のグリコール量、及び異なるn値を有する第1のグリコールの特定の量を用いてもよい。前記グリコール成分には第1のグリコールが無い場合もある。限定ではないが、前記第1のグリコールは、式IIIのグリコール:
(式III) RO(CHCHO)nR
[式中、R及びRは、H、1から8個の炭素原子を含有するアルキル基、又はそれらの混合であり、ならびにnは、少なくとも1である]
を含み、又は、本質的に含んでなる場合がある。
【0019】
前記グリコール成分は、R、R、R及びRの少なくとも1つ及び典型的には1つであるほか、2つ、3つ又は4つすべてが、それぞれ、1から8個の炭素原子を含有するアルキル基である、第2のグリコール(例えば、第2のポリグリコール)の量を典型的には含む。Rは、好ましくはHであるが、1から8個の炭素原2子を含有するアルキル基であってもよい(例えば、Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどであり得る)。好ましい第2のグリコールは、メチル、エチル、プロピル、ブチル又はそれらの任意の組み合わせを含むR又はR基及びさらに好ましくはR又はR基を含む。さらに、好ましい第2のグリコールは、メチル又はエチル基を含むR又はR基及びさらに好ましくはR又はR基を含む。さらにいっそう好ましい第2のグリコールは、メチル基を含むR又はR基及びさらに好ましくはR又はR基を含む(例えば、第2のグリコールは、プロピレングリコールを含むことができる)。そのような第2のグリコールは、含まれるとき、グリコール成分の少なくとも約3重量%、さらに典型的には少なくとも約10重量%、及びさらにいっそう典型的には少なくとも約20重量%である。さらに、そのような第2のグリコールは、グリコール成分の典型的には約80重量%未満、さらに典型的には約50重量%未満、及びさらにいっそう典型的には約30重量%未満である。そのような第2のグリコールについて、nは、少なくとも1であるが、好ましくは、nは、2又はそれ以上である。いずれの第2のグリコールも、n=2の場合の第2のグリコールを含むことがあり、又はn=2の場合の第2のグリコールが無いこともある。存在する場合、n=2の場合の第2のグリコールの量は、第2のグリコールの典型的には約0.01重量%より多く、さらに典型的には約0.25重量%より多く、及び典型的には20重量%未満、さらに典型的には約10重量%未満、及び最も典型的には5重量%未満(例えば、重量で第2のグリコールの約0.25重量%から約10.00重量%)である。n=3又はそれ以上(例えば、n=3)の場合の第2のグリコールの量は、典型的に、第2のグリコールの約10.0重量%から約100重量%(例えば、約25.0重量%から約99.5重量%)である。n=4又はそれ以上(例えば、n=4)の場合の第2のグリコールの量は、第2のグリコールの約0重量%から約100重量%であり得る。例えば、n=4の場合の第2のグリコールの量は、第2のグリコールの約0又は0.01重量%から約15重量%にわたり得る。当然のことながら、特に別の指定が無い限り、より高い又はより低い全第2のグリコール量、及び異なるn値を有する第2のグリコールの特定の量を用いてもよい。例えば、前記第2のグリコールは、n=3を有するグリコール、少なくとも3のnを有するグリコール、又は少なくとも4のnを有するグリコールを、主として(例えば、第2のグリコールの約50重量%より多く)有する場合があり、実質的に全面的に(例えば、第2のグリコールの約90重量%もしくは約95重量%より多く)有する場合があり、又は全面的に有する場合さえある。
【0020】
前記グリコール成分は、典型的には、コポリマーである1つ又はそれ以上の第三のグリコール(例えば、第三のポリグリコール)の量を含み、前記コポリマーは、ブロックコポリマー、ランダムコポリマーなどであり得る。従って、いずれの第三のグリコール(1つのグリコールである場合もあり、又はグリコールの混合物である場合もある)も、典型的には第1の立体配置を有する式Iの1つ又はそれ以上の第1の繰返し単位と、第2の立体配置を有する1つ又はそれ以上の第2の繰返し単位とを含む。特に、前記第三のグリコールは、R、R、R及びRがそれぞれHである式Iの少なくとも1つの第1の繰返し単位を典型的には含む。前記第三のグリコールは、R、R、R及びRの少なくとも1つ及び典型的には1つであるほか、2つ、3つ又は4つすべてが、それぞれ、1から8個の炭素原子を含有するアルキル基である、少なくとも1つの第2の繰り返し単位も典型的には含む。例えば、前記第2の繰返し単位は、それぞれが1から8個の炭素原子を含有するアルキル基であるR、R、R及びRの1つ、2つ、3つ又は4つすべて、及びHであるその他を有する場合がある。前記第三のグリコールの好ましい第2の繰返し単位は、メチル、エチル、プロピル、ブチル又はそれらの任意の組み合わせを含むR又はR及びさらに好ましくはR又はRを含む。前記第三のグリコールのさらに好ましい第2の繰返し単位は、メチル又はエチル基を含むR又はR基及びさらに好ましくはR又はR基を含む。前記第三のグリコールのさらにいっそう好ましい第2の繰返し単位は、メチル基を含むR又はR基及びさらに好ましくはR又はR基を含む。例えば、前記第2の繰返し単位は、メチル基であるR、R、R及びRのうちの1つ、及びHである残りのものを含むものを有していてもよい。従って、前記第三のグリコールは、エチレングリコール単位(例えば、−CH−CH−O−)とプロピレングリコール単位(例えば、CH(CH)−CH−O又はCH−CH(CH)−O)の少なくとも一方、のみならず両方を含有し得る。いずれの第三のグリコールにおいても、Rは、好ましくはHであるが、1から8個の炭素原子を含有するアルキル基であってもよい(例えば、Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどであり得る)。そのような第三のグリコールは、含まれるとき、グリコール成分の少なくとも約3重量%、さらに典型的には少なくとも約10重量%、及びさらにいっそう典型的には少なくとも約20重量%である。前記グリコール成分は、第三のグリコールを主として(例えば、50重量%より多く)、実質的に全面的に(例えば、90重量%より多く、もしくは95重量%より多くでさえ)、又は全面的に有する場合がある。さらに、そのような第三のグリコールは、グリコール成分の典型的には約80重量%未満、さらに典型的には約50重量%未満、及びさらにいっそう典型的には約30重量%未満である。そのような第三のグリコールについて、nは、少なくとも2又はそれ以上である。n=2の場合の第三のグリコールの量は、存在する場合、第三のグリコールの典型的には0.01重量%より多く、さらに典型的には約0.25重量%より多く、ならびに典型的には約20重量%未満、さらに典型的には約10重量%未満、及び最も典型的には5重量%未満(例えば、重量で第三のグリコールの約0.25重量%から約10.00重量%)である。n=3又はそれ以上(例えば、n=3)の場合の第三のグリコールの量は、典型的に、第三のグリコールの約10.0重量%から約100重量%(例えば、約25.0重量%から約99.5重量%)である。n=4又はそれ以上(例えば、n=4)の場合の第三のグリコールの量は、第三のグリコールの約0重量%から約100重量%であり得る。例えば、n=4の場合の第三のグリコールの量は、第三のグリコールの約0又は0.01重量%から約15重量%の範囲となりうる。当然のことながら、特に別の指定が無い限り、より高い又はより低い全第三のグリコール量、及び異なるn値を有する第三のグリコールの特定の量を用いてもよい。例えば、前記第三のグリコールは、n=3を有するグリコール、少なくとも3のnを有するグリコール、又は少なくとも4のnを有するグリコールを、主として(例えば、第三のグリコールの50重量%より多く)、実質的に(例えば、第三のグリコールの90重量%もしくは95重量%より多く)、又は全面的に含んで成る場合さえある。
【0021】
前記グリコール成分は、第1のグリコール、第2のグリコール、第三のグリコールの1つもしくはそれ以上、又はそれらの任意の組み合わせを含有し得る。好ましくは、前記グリコール成分は、少なくとも1つもしくはそれ以上の第2のグリコール、第三のグリコール又はそれらの組み合わせを含む。すべての第2のグリコール(例えば、RがHである第2のグリコール、Rが、1から8個の炭素原子を有するアルキルである、第2のグリコール、又は両方)とすべての第三のグリコール(例えば、RがHである第三のグリコール、Rが、1から8個の炭素原子を有するアルキルである、第三のグリコール、又は両方)の総濃度は、グリコール成分の総重量に基づき少なくとも約0.5重量%、好ましくは少なくとも約5重量%、さらに好ましくは少なくとも約15重量%、及び最も好ましくは少なくとも約20重量%(例えば、約22重量%、約45重量%、又はさらには約100重量%)であり得る。前記グリコール成分は、1つ又はそれ以上の第2のグリコール及び第三のグリコールを含む場合もあり、第2のグリコールが無くてもよく、又は第三のグリコールがなくてもよい。
【0022】
いずれの第2のグリコール、第三のグリコールも、又は両方とも、式IVの1つ又はそれ以上のグリコール:
(式IV) RO(RO)
(式中、nは少なくとも1であり及びRはすべてプロピル基である、又はnは少なくとも2であり及びRはエチル基とプロピル基の混合である)
を含み、又は、本質的に含んでなり、又は含んでなる場合さえある。
【0023】
前記グリコール成分は、式I、式III、又は両方のアルコキシル化グリコールを含む場合があり、その場合、R及びRの少なくとも一方(例えば、厳密に一方)は、1から8個の炭素原子を有するアルキル(例えば、メチル、エチル、プロプル、又はブチル)である。そのようなアルコキシル化グリコール(すなわち、アルコキシグリコール)は、前記グリコール成分の、又はさらには前記機能性流体の、少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも50重量%、及びさらに好ましくは少なくとも約60重量%に相当し得る。
【0024】
有利なことに、言及したそれぞれのタイプのグリコール、特に第2のグリコール及び第三のグリコールの使用は、前記流体の様々な特性の獲得を助長し得る。そのような特性としては、限定ではないが、より高い沸点、より低い粘度、より大きな潤滑性、それらの組み合わせなどを挙げることができる。
【0025】
前記グリコール成分の適するR基としては、1から8個の炭素原子を含有するアルキル基が挙げられる。好ましいグリコール成分としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル又はそれらの任意の組み合わせを含むR基が挙げられる。
【0026】
限定ではないが、有用なグリコール(例えば、アルコキシグリコール又は別様のもの)の例としては、メトキシトリグリコール、メトキシジグリコール、メトキシポリグリコール、エトキシトリグリコール、エトキシジグリコール、エトキシテトラグリコール、プロポキシトリグリコール、ブトキシトリグリコール(例えば、トリエチレングリコールモノブチルエーテル)、ブトキシジグリコール(例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ブトキシテトラグリコール、ペントキシジグリコール、ペントキシトリグリコール、2−エチルヘキシルジグリコール又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0027】
前記グリコール成分の好ましいグリコール(例えば、アルコキシグリコール)としては、限定ではないが、メトキシトリグリコール、メトキシジグリコール、メトキシポリグリコール(例えば、n=4もしくはそれ以上)、メトキシテトラグリコール、エトキシポリグリコール(例えば、n=4もしくはそれ以上)、エトキシトリグリコール、エトキシジグリコール、エトキシテトラグリコール、ブトキシポリグリコール(例えば、n=4もしくはそれ以上)、ブトキシトリグリコール、ブトキシジグリコール、ブトキシテトラグリコール、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。さらに好ましいアルコキシグリコール成分は、メトキシトリグリコール、メトキシジグリコール、メトキシポリグリコール(例えば、n=4もしくはそれ以上)、ブトキシトリグリコール、ブトキシジグリコール、ブトキシポリグリコール(例えば、n=4もしくはそれ以上)、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル又はそれらの任意の組み合わせを含む。最も好ましいアルコキシグリコール成分は、メトキシポリグリコール(例えば、n=4もしくはそれ以上)、ブトキシジグリコール、ブトキシトリグリコール、ブトキシポリグリコール(例えば、n=4もしくはそれ以上)、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、又はプロピレングリコールモノブチルエーテルの組み合わせ(例えば、混合物)を含む。
【0028】
有用なグリコール(例えば、アルコキシグリコールなど)のさらなる例としては、限定ではないが、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリブチレングリコール モノプロピルエーテル、ポリブチレングリコールモノブチルエーテル、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0029】
前記グリコール成分についての追加の適するグリコールとしては、式中、R及びRが両方ともHである式Iのグリコール(例えば、第1のグリコール、第2のグリコール、第三のグリコール、又はそれらの混合物)を挙げることができる。そのようなグリコール(例えば、ジオール)は、希釈剤又は潤滑剤として作用することができる。例えば、本発明の機能性流体は、その組成物の総重量に基づき約50重量%未満、好ましくは約40重量%未満、及びさらに好ましくは約30重量%未満(例えば、約0重量%から約30重量%)の希釈剤又は潤滑剤を含む場合がある。
【0030】
前記グリコール成分は、式中、R及びRが、両方とも、1から8個の炭素を有するアルキルである、式Iのグリコール(例えば、第1のグリコール、第2のグリコール、第三のグリコール、又はそれらの混合物)も含む場合がある。そのようなグリコールは、2つの末端エーテル基を有すること、及びアルコール基が無いことを特徴付けられ得る。
【0031】
限定ではないが、有用なアルコキシグリコールの調製方法としては、アルキレンオキシドとアルコールを反応させてアルキルグリコールを生成させるアルコキシル化反応が挙げられる。
【0032】
1つの態様において、前記グリコール成分における高純度アルコキシグリコールの使用は好ましい。例えば、高純度アルコキシグリコールの使用により、適する低温粘度を達成することができる。詳細には、高純度ブトキシトリグリコール及びブトキシジグリコールを個々に使用して、又は併用して、所望の低温粘度の維持を助長することができる。1つの態様において、高純度アルコキシグリコールは、少なくとも約90%の純度;少なくとも約97%の純度、又は少なくとも約98%の純度である。1つの好ましい実施形態では、高純度ブトキシトリグリコール及び高純度ブトキシジグリコールが、本流体組成物に用いられ、ならびに好ましくはそのグリコール成分の少なくとも50重量%及びさらに好ましくは少なくとも75重量%である。
【0033】
用いられるとき、好ましくは、前記グリコールホウ酸エステル成分は、式:
【化7】

を有し、繰返し単位:
【化6】


を伴い、これらの式中、R、R、R、R及びRは、式Iに関して指定したとおりの基のいずれかであり得、ならびにnは、式Iに関して指定したとおりであり得る。従って、前記グリコールホウ酸エステル成分は、本明細書において式Iに関して論じたように、グリコール成分の第1のグリコール、グリコール成分の第2のグリコール、グリコール成分の第三のグリコール、又はそれらの任意の組み合わせの繰返し単位のいずれかを有し得る。前記グリコールホウ酸エステル成分及び任意のボラート含有化合物が、グリコール成分の一部と見なされず、むしろ独立していることが理解される。
【0034】
任意のグリコールホウ酸エステル成分の例としては、参照により本明細書に組み込まれる2000年11月10日出願の米国特許第6,558,569号に開示されている(例えば、第3欄の13〜40行目参照)アルコキシグリコールホウ酸エステル成分、例えば、メトキシトリエチレングリコールホウ酸エステル、エトキシトリエチレングリコールホウ酸エステル、ブトキシトリエチレングリコールホウ酸エステル又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。ホウ酸エステル成分が組成物中に存在する場合、それは、好ましくは、その機能性流体の0.01重量%より多い又は1重量%より多い量で存在するが、同じく好ましくは、その機能性流体の約10重量%未満の量で存在する。さらに好ましくは、前記ホウ酸エステル成分は、組成物中にその機能性流体の約4重量%未満の量で存在する。1つの実施形態において、本発明の機能性流体組成物には、一切のホウ酸エステル成分が実質的に無い(例えば、その機能性流体の約0.5重量%未満の量で存在する)又は完全に無い。
【0035】
グリコールボラート成分が組成物中にあるとき、それは、典型的には、グリコール基がその組成物の実質的な部分に相当する場合である。本明細書において定義するような、そのようなグリコール基は、式I及び式Vの一部分であって、それらの式のR基(水素原子であり得る)又は(B)ホウ素原子に付いている部分である。従って、そのようなグリコール基は、次のように表すことができる:
【化8】

これらのグリコール基は、全組成物の少なくとも約50重量%、さらに典型的には少なくとも約60重量%、さらにいっそう典型的には少なくとも約80重量%に相当し、及びことによると少なくとも約90重量%に相当することさえある。
【0036】
流体組成物は、添加剤パッケージ、すなわち、1つ又はそれ以上の態様における組成物の性能を最良の状態に調整するために用いられる添加剤の1つ又は組み合わせ、を含んでいてもよい。前記添加剤パッケージは、存在する場合、機能性流体の典型的には少なくとも約0.3重量%、さらに典型的には少なくとも約1.0重量%、及びさらにいっそう典型的には少なくとも約3重量%である。前記添加剤パッケージは、存在する場合、機能性流体の典型的には約8.0重量%未満であり、さらに典型的には約5.0重量%未満であり、及びことによると約4又は3.5重量%未満でさえある。
【0037】
適する添加剤パッケージは、限定ではないが、腐食防止剤、安定剤、例えばpH安定剤、潤滑剤、耐磨耗剤、消泡剤、酸化防止剤、又は任意のそれらの組み合わせを含み得る。
【0038】
多くの公知酸化防止剤、例えば、アルカノールアミン又はアルキルアミン及び他の有機アミンは、ホウ酸エステルを含有する機能性流体の低温粘度を上昇させ、その結果として、例えば、参照により組み込まれる1996年6月20日出願のEP0750033号(例えば、2頁55行目から3頁56行目参照)及び参照により組み込まれる1994年3月9日出願のEP0617116号(例えば、2頁14行目から3頁7行目、及び4頁1〜16行目参照)に開示されているより複雑で高価な添加剤の使用を招く。少量のホウ酸エステルを使用することにより、本流体組成物は、公知の腐食防止剤を使用して、尚、所望の低温粘度を達成することができる。加えて、低粘度を犠牲にすることなく改善された安定性又は耐腐食性を獲得するために、腐食防止剤及び添加剤の増量を用いることができる。
【0039】
本発明の機能性流体組成物において使用することができる腐食防止剤のクラスの例としては、脂肪酸、例えばラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸又はオレイン酸、リン又はリン酸と脂肪族アルコールのエステル、亜リン酸エステル、例えばエチルホスフェート、ジメチルホスフェート、イソプロピルホスフェート、亜リン酸ブチル、亜リン酸トリフェニル及び亜リン酸ジイソプロピル、ヘテロ環式窒素含有化合物、例えばベンゾトリアゾールもしくはその誘導体又は任意の組み合わせ、場合によっては1,2,4トリアゾール及び/又はその誘導体を有する前述の化合物(参照により本明細書に組み込まれるPierre Levesqueによる1999年2月2日出願の米国特許第6,074,992号(例えば、第2欄の65行目から第3欄の12行目参照)、及び参照により本明細書に組み込まれるMcPhailらによる1965年12月1日出願の英国特許第1,111,680号(例えば、1頁10行目から2頁8行目参照)参照)が挙げられる。腐食防止剤として有用な他のアミン化合物としては、アルキルアミン、例えばジ−n−ブチルアミン及びジ−n−アミルアミン、シクロヘキシルアミンならびにそれらの塩が挙げられる。本発明の機能性流体組成物において腐食防止剤として特に有用であるアミン化合物としては、アルカノールアミン、好ましくは、1から3個のアルカノール基を含有し、それぞれのアルカノール基が1から6個の炭素原子を含有するものが挙げられる。有用なアルカノールアミンの例としては、モノ、ジ及びトリメタノールアミン、モノ、ジ及びトリエタノールアミン、モノ、ジ及びトリプロパノールアミン、ならびにモノ、ジ及びトリイソプロパノールアミンが挙げられる。1つの態様では、容易に入手でき、安価であるジイソプロパノールアミンが用いられる。
【0040】
前記添加剤パッケージは、有利なことに、機能性流体組成物の性能を強化するために、1つ又はそれ以上の腐食防止剤に加えて、他の添加剤成分、例えば消泡剤、pH安定剤、酸化防止剤など(すべて、熟練した配合者には周知である)も含有することができる。腐食防止剤との組み合わせでのそのような他の添加剤は、機能性流体組成物の総重量に基づき、通常、約0.3から約10.0重量%の量で存在する。
【0041】
1つの好ましい添加剤パッケージは、腐食防止剤(例えば、ジイソプロパノールアミン CAS#110−97−4)、pH安定剤(例えば、硝酸ナトリウム CAS#23−721−3)、消泡剤(例えば、Union Carbide Corporationから入手できるSAG Antifoam CAS#63148−62−9)、及び酸化防止剤(例えば、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール CAS#1879−09−0)を含む。
【0042】
ERBPもしくはWERBP温度を許容レベルより下に低下させないように、又は低温粘度を許容レベルより上に上昇させないように注意する限りにおいて、他の材料を本発明の機能性流体に配合できると考えられる。例えば、本発明の機能性流体は、その組成物の総重量に基づき、約0又は0.10重量%から約30重量%の希釈剤又は潤滑剤、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリグリコール(例えば、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及びエチレングリコールのより高いモルの付加体の混合物)、ポリ(アルキレンオキシド)ジアルコキシグリコール、ホウ酸コ−エステル、又はそれらの任意の組み合わせなどを含むことができる。1つの好ましい実施形態は、潤滑剤、希釈剤、アルコキシもしくはアルコキシエステルグリコール以外のポリグリコール、又はそれらの任意の組み合わせを、例えば、約5重量%から約25重量%の量で、さらに好ましくは、約15重量%と約22重量%の間の量で、及び最も好ましくは、約18.5重量%と約19.5重量%の間の量で含む。
【0043】
米国特許第4,371,448号、EP0750033号及びEP0617116号(すべての目的で参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているものなどのより低い粘度を達成するために配合される他の流体に本発明の教示を応用して、許容される最低ERBP及びWERBP温度を維持しながら粘度をさらに低下させることができることも考えられる。
【0044】
本発明の流体組成物は、少なくとも約205℃、好ましくは少なくとも約240℃、さらに好ましくは少なくとも約250℃、及び最も好ましくは少なくとも260℃又は270℃以上(例えば、290℃より高い、又は300℃までも)のERBPを有する。本発明の流体組成物は、少なくとも約140℃、好ましくは少なくとも約144℃、及びさらに好ましくは少なくとも約146℃又は少なくとも約150℃以上(例えば、160℃)のWERBPを有する。本流体組成物の−40℃での低温粘度は、好ましくは1500センチストーク(cSt)未満、好ましくは約1450又は約1400センチストローク(cSt)未満、さらに好ましくは約1300cSt未満、さらに好ましくは約1250又は約1000cSt未満、及びことによると約880cSt未満である。
【0045】
実施例配合物
【0046】
以下の実施例は、限定するためのものではなく、本発明の一定の好ましい実施形態を示すするものである。
[実施例1〜3]
【0047】
表2に示すとおりの実施例1〜3(EX.1〜3)は、アルコキシル化エチレングリコール(例えば、エトキシトリグリコール、ブトキシトリグリコール、及びブトキシジグリコール)を含む第1のグリコールと、アルコキシル化プロピレングリコールを含む第2のグリコールとを含む、機能性流体組成物を示す。該ポリグリコール(すなわち、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、及びポリプロピレングリコールモノブチルエーテル)は、n≧4を有する90〜99.8重量%の分子、n=3を有する0.1〜10重量%の分子、及びn=2を有する0.1〜10重量%の分子を含有する。トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル混合物は、n=3を有する>90重量%の分子、n=2を有する>0.1%の分子、及びn≧4を有する>0.1%の分子を含有する。この組成物は、エチレングリコール(すなわち、アルコキシル化されていない第1のグリコール)の潤滑剤も含む。EX.1〜3における潤滑剤は、約15〜35重量%のジエチレングリコール、約35〜55重量%のトリエチレングリコール、及び約25〜45重量%のポリエチレングリコール(少なくとも4のnを有する)を含む。
[実施例4]
【0048】
実施例4(Ex.4)は、表2に示すとおり、第三のグリコール(例えば、ポリエチレン−プロピレングリコールモノメチルエーテル及びポリエチレン−プロピレングリコールモノブチルエーテル)を含む(例えば、から本質的になる)機能性流体組成物を示す。前記ポリエチレン−プロピレングリコールモノエチルエーテルは、約200〜300ダルトンの分子量を有し、該ポリエチレン−プロピレングリコールモノブチルエーテルは、約200〜400ダルトンの分子量を有する。該ポリエチレン−プロピレングリコールモノエチルエーテル、該ポリエチレン−プロピレングリコールモノブチルエーテル、又は両方は、約10重量%未満(例えば、約5重量%未満)の第1のグリコール(例えば、アルコキシル化ポリエチレングリコール)、第2のグリコール(例えば、アルコキシル化ポリプロピレングリコール)、又は両方を含有し得る。
【表2】

【0049】
機能性流体組成物についてのこれらの配合物を分析して、DOT3ブレーキ液要件に関するそれらの物理特性を測定した。表3に示すとおりのそれらの物理特性は、米国連邦自動車規格(Federal Motor Vehicle Standard)116に示されている、セクション571.116以降で見つけられる試験手順を用いて測定した。
【表3】

【0050】
本発明の機能性流体は、非常に多数の機械システム(例えば、油圧リフト、クレーン、フォークリフト、ブルドーザー、油圧ジャッキ、ブレーキシステム、それらの組み合わせなど)のための作動液としての使用によく適する。これらの流体組成物の高いERBP、WERBP、及び低温粘度は、運搬車両(例えば、固定及び回転翼航空機、列車、クラス1から8の自動車など)におけるブレーキシステムによく適する。これらのブレーキシステムとしては、アンチロック・ブレーキング・システム(ABS)、安全性制御システム、又はそれらの組み合わせが挙げられる。従って、本発明は、本明細書に開示する流体組成物を含むこれらのシステムのいずれかを含む。
【0051】
従来の自動車ブレーキシステムは、マスターシリンダに作動可能に接続された押圧機構、空気圧又は油圧ブースタ、ブレーキライン、及びブレーキ機構を含む。ブレーキを作動させるために、作業者は押圧機構を押し、するとマスターシリンダがブレーキ液に圧をかけ、そのブレーキ液がブレーキラインを通ってブレーキ機構に送られ、そのブレーキ機構が単数又は複数の車輪の動きを少なくとも部分的に阻止する。従来のブレーキ液の高い粘度のため、従来のブレーキシステムは、ブレーキ機構を適切に作動させるために(例えば、1つ又はそれ以上の車輪が路面でスリップしているときの衝突、又はそれらの組み合わせを避けるために)ブレーキ液にかける圧力を増すためのブースタポンプを必要とする。
【0052】
本発明のブレーキシステムは、上で説明した低粘度機能性流体、従来のより高い粘度のブレーキ液、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。好ましいブレーキシステムは、上で説明した低粘度機能性流体から本質的になるブレーキ液を含む。さらに、本発明のブレーキシステムは、ブースタポンプ(例えば、プリチャージ・ブースタポンプ)を場合によっては含み得るが、本開示ブレーキ液の使用はブースタポンプを不要にすることができるので、好ましくは、ブースタポンプは、本ブレーキシステムには含まれない。ブースタポンプが含まれないことは、ブースタポンプが必要とされたシステムより費用が節約されることを意味するだろう。
【0053】
さらに、複数の成分もしく段階の機能もしくは構造を単一の成分もしくは段階に組み合わせることができること、又は1つの段階もしくは成分の機能もしくは構造を複数の段階もしくは成分間で分割できることは理解されうる。本発明は、これらの組み合わせのすべてを意図している。別様に述べていない限り、本明細書において示された様々な構造の寸法及び幾何学的配置は、本発明を限定するためのものではなく、他の寸法又は幾何学的配置が可能である。複数の構成成分又は段階を単一の統合された構造又は段階によって提供することができる。あるいは、単一の統合された構造又は段階を独立した複数の成分又は段階に分割してもよい。加えて、本発明の特徴を、例証した実施形態の1つだけに関する文脈の中で説明していることがあるが、任意の所与の用途のために、そのような特徴を他の実施形態の1つ又はそれ以上の他の特徴と組み合わせてもよい。本明細書における特有な構造の作製及びそれらの操作も本発明の方法を構成するということも理解される。本発明は、本明細書における方法の実施の結果として生ずる中間体及び最終製品も包含する。「含む(comprising)」及び「含む(including)」の使用は、列挙した特徴「から本質的になる(consist essentially of)」又は「からなる(consist of)」実施形態も意図している。
【0054】
本明細書に提示する説明及び具体例は、他の当業者に本発明、その原理及びその実際の用途を知らせるためのものである。当業者は、特定の使用の要件に最適であり得るように、本発明をその非常に多数の形態で適応させること及び適用することができる。従って、述べたような本発明の特定の実施形態は、本発明を網羅するもの又は限定するものと解釈されない。従って、本発明の範囲は、上の説明を参照して決めるべきではなく、その代わり、添付の特許請求の範囲を、そのような特許請求の範囲が権利を受ける等価物の全範囲と共に参照して、決めるべきである。特許出願及び公報を含めて、すべての論文及び参考文献の開示は、すべての目的で参照により組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約50重量%から約100重量%のグリコール成分を含み、前記グリコール成分は、式I:
【化1】

の1つ又はそれ以上のグリコールを含み、式中、R及びRは、H、又は1から8個の炭素原子を含有するアルキル基、又はそれらの混合であり、ならびにnは、少なくとも1であり、前記グリコールが、R、R、R及びRの少なくとも1つが、1から8個の炭素原子を含有するアルキル基である、少なくとも1つの繰返し単位を含む、同一または異なっていてもよいn個の繰返し単位を有する、機能性流体組成物。
【請求項2】
前記式Iの1つ又はそれ以上のグリコールが、グリコール成分の総重量に基づき、少なくとも5重量%の濃度で存在する、請求項1に記載の機能性組成物。
【請求項3】
前記式Iの1つ又はそれ以上のグリコールが、グリコール成分の総重量に基づき、少なくとも15重量%の濃度で存在する、請求項1に記載の機能性組成物。
【請求項4】
がHである、請求項1から3のいずれか一項に記載の流体組成物。
【請求項5】
、R、R及びRの厳密に1つが、1から8個の炭素原子を含有するアルキル基であり、残りがHである、請求項1から4のいずれか一項に記載の流体組成物。
【請求項6】
、R、R及びRの少なくとも2つが、1から8個の炭素原子を含有するアルキル基であり、残りがHである、請求項1から4のいずれか一項に記載の流体組成物。
【請求項7】
前記グリコール成分が、式III:
(式III) RO(CHCHO)
[式中、R及びRは、H、又は1から8個の炭素原子を含有するアルキル基、又はそれらの混合であり、ならびにnは、少なくとも1である(例えば、nは、少なくとも3である)]
の少なくとも1つのグリコールをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の流体組成物。
【請求項8】
前記式Iのグリコールが、R、R、R及びRがそれぞれHである少なくとも1つの第1の繰返し単位と、R、R、R及びRの少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、3つ又は4つ)が、それぞれ、1から8個の炭素原子を含有するアルキル基である少なくとも1つの第2の繰返し単位とを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の流体組成物。
【請求項9】
前記式Iの1つ又はそれ以上のグリコールが、式IV:
(式IV) RO(RO)
のグリコールを含み、この場合、(i)nが、少なくとも1であり、及びRは、すべてプロピル基であるか、(ii)nが、少なくとも2であり、及びRは、エチル基とプロピル基の混合である、請求項1から8のいずれか一項に記載の流体組成物。
【請求項10】
前記式Iの1つ又はそれ以上のグリコールが、プロピレングリコールエーテル、エチレン−プロピレングリコールエーテル、又は両方を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の流体組成物。
【請求項11】
前記グリコール成分が、アルコキシル化ポリプロピレングリコール、アルコキシル化ポリエチレン−プロピレングリコール、又は両方である、請求項1から10のいずれか一項に記載の流体組成物。
【請求項12】
前記グリコール成分が、式I及び式III:
(式III) RO(CHCHO)
(式中、R及びRの少なくとも一方は、1から8個の炭素原子を含有するアルキル基である)
のアルコキシル化グリコールを含み、前記アルコキシル化グリコールの濃度が、グリコール成分の総重量に基づき約30重量%より高い、請求項1から11のいずれか一項に記載の流体組成物。
【請求項13】
実質的にグリコールホウ酸エステルが無い、請求項1から12のいずれか一項に記載の流体組成物。
【請求項14】
式V:
【化2】


[式中、R、R、R、R及びRのそれぞれは、H、又は1から8個の炭素原子を含有するアルキル基、又はそれらの混合であり、nは、1から4である]
を含む約0.1重量%から約10重量%のグリコールホウ酸エステルと、腐食防止剤を含む約0.3重量%から約10重量%の添加剤パッケージとをさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の流体組成物。
【請求項15】
n=3を有するホウ酸エステルの量が、ホウ酸エステルの約90重量%より多く、n=2を有するホウ酸エステルの量が、ホウ酸エステルの約0.5重量%から約5.0重量%であり、及びn=4を有するホウ酸エステルの量が、ホウ酸エステルの約0又は0.1重量%から約15重量%である、請求項14に記載の流体組成物。
【請求項16】
n=3を有するグリコール成分の量が、グリコール成分の約90重量%より多く、n=2を有するグリコール成分の量が、グリコール成分の約0.5重量%から約5.0重量%であり、及びn=4を有するグリコール成分の量が、グリコール成分の約0又は0.1重量%から約15重量%である、請求項1から15のいずれか一項に記載の流体組成物。
【請求項17】
約205℃以上の乾燥平衡還流沸点、約140℃以上の湿潤平衡還流沸点、及び約−40℃の温度で約1500cSt以下の粘度を有する、請求項1から16のいずれか一項に記載の流体組成物。
【請求項18】
約250℃以上の乾燥平衡還流沸点、約145℃以上の湿潤平衡還流沸点、及び約−40℃の温度で約1400cSt以下の粘度を有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の流体組成物。
【請求項19】
前記グリコール成分が、1つ又はそれ以上の高純度グリコール成分を含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の流体組成物。
【請求項20】
酸化防止剤、消泡剤、腐食防止剤、pH安定剤、又はそれらの任意の組み合わせを含む添加剤パッケージを含む、請求項1から19のいずれか一項に記載の流体組成物。
【請求項21】
前記グリコール成分が、式I及び式III[式中、R及びRの一方がHであり、他方がメチル、エチル、プロピル、ブチル又はそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される]のアルコキシル化グリコールを少なくとも50重量%含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の流体組成物。
【請求項22】
前記グリコール成分が、式I及び式III[式中、R及びRの一方がHであり、他方がメチル、エチル、プロピル、ブチル又はそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される]のアルコキシル化グリコールを少なくとも70重量%含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の流体組成物。
【請求項23】
前記グリコール成分が、流体組成物の総重量に基づき少なくとも70重量%の濃度で存在する、請求項1から22のいずれか一項に記載の流体組成物。
【請求項24】
前記グリコール成分が、流体組成物の総重量に基づき少なくとも85重量%の濃度で存在する、請求項1から23のいずれか一項に記載の流体組成物。
【請求項25】
請求項1から24のいずれか一項に記載の流体組成物を含むブレーキシステム。
【請求項26】
ブースタが無い、請求項25に記載のブレーキシステム。
【請求項27】
ブレーキシステムにおける流体としての請求項1から24のいずれか一項に記載の流体組成物の使用。
【請求項28】
ブースタが無いブレーキシステムにおける流体としての1から24のいずれか一項に記載の流体組成物の使用。

【公表番号】特表2010−540728(P2010−540728A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527164(P2010−527164)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/077805
【国際公開番号】WO2009/045880
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】