説明

止水構造とこれを備えた地下構造物

【課題】 並設された複数の構造体を連結して一つの構造物を構築する場合において、施工誤差により生じる構造体同士のずれに対して、追従することが可能な止水構造とこれを備えた地下構造物を提供することを課題とする。
【解決手段】 先行して構築されるトンネルT1の側面に形成される止水板挿入溝11と、このトンネルT1に隣接して配設されるトンネルT2の側面に形成されてトンネルT1の止水板挿入溝11に対向する位置に形成される止水板挿入溝11と、両止水板挿入溝11,11にまたがって配設される変形部を有した止水板20とから構成される止水構造J1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造体同士を連結して構築する構造物において、その接合部の止水性を付与する止水構造と、これを備えた地下構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
並設された複数の構造体を連結して、一つの構造物を構築する場合がある。例えば、特許文献1には、並設された複数本のトンネルを構築した後に、各トンネルの不要な覆工を撤去して大きな空間を形成しつつ、各トンネルの残置された覆工を連結して、本設の頂底版や側壁が構築される地下構造物が記載されている。なお、複数のトンネルは、推進工法又はシールド工法により時間差をもって順次に構築され、しかも、後行のトンネルは先行のトンネルの隣に構築される。
【0003】
このような、隣り合う構造体を連結する場合の継手部における止水構造は、例えば、図5に示すように、両構造体110,110にそれぞれ幅狭部113と幅広部112により断面T字型に形成された溝の開口面を合せることにより断面I字型となるI型ジョイント111の内部にゴム製の止水板120を挿入することにより行われていた。
【特許文献1】特開2001−214699号公報([0015]−[0025]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような止水構造において、先行して構築された構造体(以下、単に「先行構造体」という場合がある)110と後行して構築された構造体(以下、単に「後行構造体」という場合がある)110との間には、その上下左右方向にずれが生じる場合があった。このように、先行構造体110と後行構造体110との間にずれが生じた場合は、図5における上下方向のずれは止水板120のフリキシビリティによる追従、左右方向のずれはI型ジョイント111の余分量でしか許容できない。そのため、この許容値以上のずれが生じた場合には、新たな止水構造による補修を行う必要があり、そのための手間や費用が嵩むという問題点を有していた。
【0005】
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、並設された複数の構造体を連結して一つの構造物を構築する場合において、施工誤差により生じる構造体同士のずれに対して、追従することが可能な止水構造とこれを備えた地下構造物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、先行構造体の側面に形成される先行溝と、前記先行構造体に隣接して配設される後行構造体の側面に形成されて前記先行溝に対向する位置に形成される後行溝と、前記先行溝と前記後行溝とにまたがって配設される止水板と、から構成される止水構造であって、前記止水板が変形部を有していることを特徴としている。
【0007】
かかる止水構造は、先行構造体に形成された先行溝と、後行構造体に形成された後行溝との内部に配設される止水板が、変形部を有しているため、先行構造体と後行構造体との間に施工誤差による開きやずれが生じた場合でも、当該変形部の伸縮性及び柔軟性により追従することが可能なため、止水性に優れた構造体同士の連結が可能となる。
ここで、止水板の変形部は、構造体同士のずれや開きに対して、伸縮したり折れ曲ることにより追従する機能を有していればよく、例えば、ジャバラ状、ジグザグ状、波状にその一部が形成されていることにより伸縮性や柔軟性を有している止水板や、バネ板やゴム板等の伸縮性や柔軟性を有した材料からなる止水板を使用してもよい。
【0008】
また、前記先行溝及び前記後行溝が、前記先行溝又は前記後行溝の開口部側に形成される幅狭部と、前記先行溝又は前記後行溝の底部に形成されて前記幅狭部よりも広い幅を有する幅広部とから形成されていれば、幅広部を止水板の両端部の係止部として使用することで、止水板の設置作業が容易となり好適である。
【0009】
また、前記幅広部が断面円形に形成されていれば、先行構造体又は後行構造体(以下、先行構造体と後行構造体とを区別しない場合は、単に「構造体」という場合がある)の施工の際に、幅広部に管体などを挿入しておくことで、土砂等の幅広部への流入を防止して、構造体の配置後にこの管体を引き抜くことにより幅広部が止水板を挿入可能な状態に開放されるため、好適である。また、当該幅広部に土砂が浸入した場合でも、角に土砂がたまることがなく、その洗浄が容易なため、好適である。
【0010】
また、前記止水板が、その両端部にパイプ部を有していれば、このパイプ部が、先行溝及び後行溝(以下、先行溝と後行溝とを区別しない場合は、「止水板挿入溝」という場合がある)の内部において、定着部材としての役割を果たすため、好適である。
【0011】
また、前記パイプ部に、所定の間隔で注入孔が形成されていれば、このパイプ部を利用して、止水板挿入溝の内部に充填材を容易に充填することができ、当該止水構造の構築が容易であるとともに、継手部の止水性も向上するため、好適である。
【0012】
さらに、並設された複数本のトンネルを利用して築造された地下構造物において、隣り合う二つの前記トンネルには、お互いに対向する位置にそれぞれ形成された溝と、前記両溝の内部に、当該両溝にまたがって配設される変形部を有した止水板とからなる止水構造を備えていれば、各トンネルの施工において、施工誤差によりずれが生じた場合でも、止水板の変形部により追従が可能なため、止水性に優れた地下構造物を構築することができ、好適である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の止水構造により、並設された複数の構造体を連結して一つの構造物を構築する場合において、施工誤差により生じる構造体同士のずれに対して、追従することが可能となるため、止水性に優れた構造物を構築することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
ここで、図1(a)は、本実施の形態に係る止水構造を備えた地下構造物の断面図であり、図1(b)は、(a)のX1部分の拡大断面図である。また、図2は、本実施の形態に係る止水構造に使用する止水板を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は拡大断面図である。また、図3(a)〜(d)は、図1(a)の地下構造物の築造手順を示す断面図である。さらに、図4(a)は、後行構造体が軸周りに回転している状態を示す断面図、(b)は、(a)のY1部分における止水構造の拡大断面図、(c)は、先行構造体と後行構造体との間に高さ方向にずれが生じた状態を示す断面図、(d)は、(c)のY2部分における止水構造の拡大断面図を示す。
【0015】
本実施形態に係る地下構造物1は、図1(a)に示すように、その断面内において並設された複数本(本実施形態では6本)のトンネル(構造体)T1,T2,…,T6を利用して築造したものであり、頂版1A、底版1B及び側壁1C,1Cを備えている。なお、以下では、トンネル同士を区別しない場合は、各トンネルT1〜T6を「トンネルT」とする場合がある。
【0016】
各トンネルTは、推進工法またはシールド工法により構築することができるが、本実施形態では、推進工法により構築するものとする。つまり、本実施形態においては、各トンネルTの覆工L1は、トンネル軸方向に連設された複数の函体10,10,…からなる。
【0017】
図1(b)に示すように、隣り合う二つのトンネルT,T(図1(b)ではトンネルT1,T2)において、先行構造体であるトンネルT1の函体10の側面に沿って、その軸方向に形成された止水板挿入溝(先行溝)11と、後行構造体であるトンネルT2の函体10の側面に沿って、その軸方向に形成された止水板挿入溝(後行溝)11とは、それぞれお互いに対向する位置に形成されており、この相対する止水板挿入溝11,11と、この両止水板挿入溝11,11にまたがって配設される止水板20とにより、止水構造J1が形成されている。
【0018】
止水板挿入溝11は、函体10の側面に形成された後記する止水板20のジャバラ部21の高さ(厚さ)と略同じ幅を有する開口部14に沿って形成されており、開口部14側に形成されてその幅がジャバラ部21の高さと略同じの幅狭部13と、止水板挿入溝11の底部に形成されて幅狭部13よりも大きな幅を有する幅広部12とから形成されている。
【0019】
幅狭部13は、開口部14に沿って、函体10の側面と直角をなす方向に、該函体10の内側に立設する一対の矩形状の板材により形成されている。また、幅広部12は、断面C字状の管材を幅狭部13の開口部14と反対側の端部に接続することにより形成されており、止水板挿入溝11の底部は、その断面が略円形を示している。
なお、幅広部12の断面形状は、止水板20の端部を係止するとともに、止水板20の挿入時に誘導することが可能であればよく、円形に限定されるものではない。
【0020】
止水板20は、図2(a)に示すように、波状に形成された板材からなる変形部であるジャバラ部21と、該ジャバラ部21の両端に接続された管材であるパイプ部22,22とから形成されている。ここで、ジャバラ部21は、ゴム製やスチール製等の材料からなり、止水性を有しているとともに、伸縮性及び柔軟性を有している。また、パイプ部22は、その外径が幅狭部13よりも大きく、幅狭部13へ係止するとともに、止水板20の挿入時のガイドとしての機能を有している。
また、止水板20は、トンネルTの延長と同じ長さを有しており、地下構造物1の全延長において、その継手部の止水を可能としている。
【0021】
ここで、止水板20の変形部として、波状に形成されたジャバラ部21を有したものを使用するものとしたが、構造体同士の継手に生じるずれ等の追従が可能な伸縮性と柔軟性を有していれば止水板20の変形部の形状は限定されるものではない。
また、止水板20の両端部にパイプ部22,22を形成するものとしたが、止水板20の端部の形状は限定されるものではなく、例えば止水板20の端部をT字上に形成して幅狭部13への係止可能な形状に形成してもよい。
【0022】
なお、本実施の形態では、図2(b)に示すように、パイプ部22に所定の間隔で放射方向に注入孔23が形成されており、止水板20を止水板挿入溝11へ挿入後に、当該注入孔23を利用して止水板挿入溝11内に止水剤30(図1(b)参照)を充填することにより、止水構造J1の止水性をより高める構成となっている。
【0023】
次に、図3(a)〜(d)を参照して、本発明の止水構造J1を備えた地下構造物1の築造方法を記載する。
【0024】
地下構造物1を築造するには、まず、図3(a)に示すように、その断面内の下部中央に1本目のトンネルT1を構築したうえで、この1本目のトンネルT1の横隣に2本目のトンネルT2及び3本目のトンネルT3を構築する。
【0025】
続いて、図3(b)に示すように、1本目のトンネルT1の縦(上)隣に4本目のトンネルT4を構築し、さらにトンネルT2及びトンネルT4に隣接する位置に5本目のトンネルT5を構築し、トンネルT3及びトンネルT4隣接する位置に6本目のトンネルT6を構築する。なお、トンネルT1〜T6の構築順序は、図示のものに限定されるものではなく、適宜変更しても差し支えない。また、本実施形態においては、隣り合うトンネルT,Tは、後行のトンネル(後行構造体)Tを構築する際に、図示しない継手を介して互いに連結される。また、隣り合うトンネルT,Tの目地部分Aには、目地材の注入が施される。
【0026】
ここで、各トンネルTの構築は、推進工法により構築するものとし、複数の函体10,10,…を図示せぬ坑口から順次押し出すことにより行う。なお、トンネルTの施工中は、函体10その側面に形成された止水板挿入溝11の幅広部12に管材が挿入されており、トンネルTの施工時に幅広部12に土砂が流入することを防止する。そして、トンネルTの構築が完了したら、管材を引き抜くことにより、止水板挿入溝11の内部を開放して、止水板20が挿入可能な状態となる。なお、管材として、有孔管を使用することにより、当該管材から洗浄水を噴射して止水板挿入溝11の洗浄を行う構成としてもよい。ここで、施工時に幅広部12に挿入される管材の材料は限定されるものではなく、例えば塩化ビニール性の管や鋼管等、あらゆる公知の管材の中から適宜選定して使用すればよい。
【0027】
各トンネルT,Tは、それぞれの函体10の側面に形成された止水板挿入溝11の開口部14が相対するように構築されている。そして、隣接するトンネルT,Tが完成したら、坑口からお互いの止水板挿入溝11にまたがって止水板20を挿入して継手部の止水を行う。このとき、止水板20は、両端のパイプ部22が止水板挿入溝11の幅広部12に係止されるようにされて、これをガイドとして挿入される。また、止水板20は、ジャバラ部21を有しているため、対向する止水板挿入溝11,11に多少のずれや開きが生じていても、このジャバラ部21の柔軟性と伸縮性により調節しながら挿入される。
【0028】
ここで、止水板20の挿入時には、所定長の長さに形成された止水板20を搬入して、坑口部において随時連結しながら挿入することにより、止水板20を地下構造物1の全延長と同じ長さに形成する。なお、止水板20として、予め地下構造物1と同じ長さを有したものを搬入して、止水板挿入溝11に挿入する構成としてもよい。また、止水板20の止水板挿入溝11への挿入方法は、限定されるものではなく、例えば、発進立孔から押し込む方法や、到達立孔から引き込む方法により挿入してもよい。
【0029】
トンネルT1〜T6の構築が完了したら、図3(c)に示すように、地下構造物1の断面形状に合せて、トンネルT1〜T6の不要な覆工L12,L12,…を撤去して大きな空間を形成する。
【0030】
そして、図3(d)に示すように、地山との境界(すなわち、地下構造物1の外縁)に沿って残置されたトンネルT1〜T6の覆工L11,L11,…を利用して、本設の頂版1A、底版1B及び側壁1C,1Cを形成すると、地下構造物1となる。なお、不要な覆工L12を全部撤去した後に頂版1A、底版1B及び側壁1C,1Cを形成してもよいし、不要な覆工L12の一部を撤去しつつ、地下構造物の頂版1A、底版1B及び側壁1C,1Cを形成してもよい。
【0031】
以上により、複数の構造体同士を連結することにより構築された、止水性に優れる大断面の地下構造物1が構築される。
【0032】
本発明の止水構造J1より、施工誤差等により並設されたトンネルT同士にずれが生じた場合でも、当該止水構造J1がそのずれに対して追従するため、構造物の止水性を維持することが可能となる。
【0033】
例えば、図4(a)のように、先行して構築されたトンネル(先行構造体)T1に並設してトンネル(後行構造体)T2を構築する際に、トンネルT2が軸周りに回転していることにより、トンネルT1とトンネルT2との当接面において、その上方が開いた場合には、図4(b)に示すように、止水板20の波状に形成されたジャバラ部21のたわみを伸ばすことにより、トンネルT1とトンネルT2の広がりに追従して、止水性を維持する。つまり、本発明の止水構造J1によれば、先行構造体T1と後行構造体T2との開きに対して、止水板挿入孔11の余裕に加えて、止水板20の伸縮性により追従するため、その適用範囲が広い。
【0034】
また、図4(c)のように、トンネルT1とトンネルT2との間に高さのずれが生じた場合も、ジャバラ部21の可撓性によりその段差を追従して止水性を維持することが可能となる。
【0035】
また、止水板20は、そのパイプ部22に注入孔23が形成されているため、トンネルの坑口からパイプ部22に止水剤30を注入することにより、注入孔23から止水板挿入溝11に止水剤30が充填されるため、簡易な作業により止水を完全に行うことが可能となる。
【0036】
また、止水板20の止水板挿入溝11への挿入は、坑口から止水板20を押し込むことにより、止水板20のパイプ部22がガイドとして幅広部12に沿って挿入されるため、簡易に行うことができ、作業性に優れている。
【0037】
以上、本発明について、好適な実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、本発明の止水構造を複数本のトンネルを利用して大断面の地下構造物を築造する場合において使用するものとしたが、本発明の止水構造は、構造体同士の継手部の止水を必要とするあらゆる構造物に適用可能であり、例えば擁壁や橋台等に使用してもよい。
【0038】
また、前記実施形態では、推進工法により各トンネルを構築するものとしたが、トンネルの構築方法は限定されるものではなく、例えばシールド工法により構築してもよい。
【0039】
また、前記実施形態では、止水板の両端のパイプ部に形成された注入孔を利用して止水板挿入溝の内部に止水剤を充填する構成としたが、止水板挿入溝への止水剤の充填方法は限定されるものではなく、例えば注入管を止水板挿入溝と止水板との隙間に挿入して、この注入管により充填を行ってもよい。なお、止水剤を止水板挿入孔に充填しなくても、十分な止水性を有する場合は、止水剤を充填する必要はないことはいうまでもない。
【0040】
また、止水板の止水板挿入溝への挿入を、隣接するトンネルが構築されてから挿入する構成としたが、後行構造体の函体の押し込みとともに先行溝と後行溝とにまたがって止水板を挿入する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】(a)は、本実施の形態に係る止水構造を備えた地下構造物の断面図であり、(b)は、(a)のX1部分の拡大断面図である。
【図2】本実施の形態に係る止水構造に使用する止水板を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は拡大断面図である。
【図3】(a)〜(d)は、図1(a)の地下構造物の築造手順を示す断面図である。
【図4】(a)は、後行構造体が軸周りに回転している状態を示す断面図、(b)は、(a)のY1部分における止水構造の拡大断面図、(c)は、先行構造体と後行構造体との間に高さ方向にずれが生じた状態を示す断面図、(d)は、(c)のY2部分における止水構造の拡大断面図を示す。
【図5】従来の止水構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 地下構造物
11 止水板挿入溝
12 幅広部
13 幅狭部
14 開口部
20 止水板
21 ジャバラ部(変形部)
22 パイプ部
J1 止水構造
T トンネル
T1 トンネル(先行構造体)
T2 トンネル(後行構造体)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
先行構造体の側面に形成される先行溝と、前記先行構造体に隣接して配設される後行構造体の側面に形成されて前記先行溝に対向する位置に形成される後行溝と、前記先行溝と前記後行溝とにまたがって配設される止水板と、から構成される止水構造であって、
前記止水板が変形部を有していることを特徴とする、止水構造。
【請求項2】
前記先行溝及び前記後行溝は、前記先行溝又は前記後行溝の開口部側に形成される幅狭部と、前記先行溝又は前記後行溝の底部に形成されて前記幅狭部よりも広い幅を有する幅広部と、から形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の止水構造。
【請求項3】
前記幅広部が断面円形に形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の止水構造。
【請求項4】
前記止水板は、その両端部にパイプ部を有していることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の止水構造。
【請求項5】
前記パイプ部には、所定の間隔で注入孔が形成されていることを特徴とする、請求項4に記載の止水構造。
【請求項6】
並設された複数本のトンネルを利用して築造された地下構造物であって、
隣り合う二つの前記トンネルには、お互いに対向する位置にそれぞれ形成された溝と、前記両溝の内部に、当該両溝にまたがって配設される変形部を有した止水板と、からなる止水構造を備えていることを特徴とする、止水構造を備えた地下構造物。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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