説明

歯の漂白

【課題】 歯科用漂白用組成物とそれの使用方法とを提供する。
【解決手段】 1本以上の歯を白化するための組成物であって、白化剤とワセリンとを含有する、組成物。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願に対する相互参照〕
本出願は、米国仮特許出願第60/494,567号、出願日2003年8月13日、からの優先権の利益を主張し、更に、米国仮特許出願第60/559,032号、出願日2004年4月5日、からの優先権の利益を主張する。各々の内容は、言及することによって全てが本明細書に組み入れられる。
【0002】
〔技術分野〕
本発明は、歯科用漂白用組成物と、該組成物を使用する方法とに関する。
【0003】
〔背景〕
歯エナメル質の変色は、歯の汚れ(staining)、経年変化(aging)または化学的損傷によって引き起こされることがある。歯の変色のより一般的な原因の幾つかは、薬物、コーヒー、茶またはタバコである。かなりの量のコーラ清涼飲料を飲む人は、同様の汚れを経験することがある。汚れの他に、個人の歯の色に悪影響を及ぼす他の諸因子が存在している。遺伝子が1つの役割を果たすことがある。生まれながらにして他の人より光沢のあるエナメル質を有する人がいる。疾患も1つの因子である場合があり、また、幾種類かの薬物が歯の変色を引き起こすことがある。
【0004】
白い歯は、長い間、商業的に望ましいものと考えられてきたが、白化用ゲルまたは漂白用ゲルを使用することに問題がない訳ではない。歯の敏感性(sensitivity)は、しばしば不快な副作用を生じることがある。なぜなら、漂白用ゲルは全て、様々な程度の敏感性を引き起こすからである。漂白用ゲルを歯に長期間曝露すれば、他の多くの悪影響、例えば、5.5未満のpHでエナメル層からカルシウムが溶解化し、これに関連して脱塩が生じたり、該漂白ゲルによって無傷のエナメル質および象牙質が貫通され、歯髄組織が損傷たり、前記漂白用溶液/唾液溶液の消化を引き起こしたり、といった悪影響がある。しかし、漂白による歯の不快な敏感性の副作用に対する1つの注目すべき例外として、イブセン(Ibsen)等に交付された米国特許第6,458,340号を参照されたい。
【0005】
漂白用溶液によって歯を白化することは、歯の汚れ(stain)または変色に取り組むための、今まで存続している1つの方法である。これらの生成物は、1種以上の過酸化物を含有し、実際、歯エナメル質を漂白する。これらの生成物は通常、漂白剤としての過酸化カルバミド(carbamide peroxide)を基にしており、幾つかの異なる濃度(10%、16%、22%)で入手することができる。過酸化物含有白化剤は通常、ゲル状態で入手され、マウスガードの中に配置されている。使用方法は様々である。1日に約2回、2週間の間使用される生成物もあれば、1〜2週間の間、一晩中使用するように意図されているものもある。
【0006】
現在、歯の白化または漂白を行うことは、通常、歯科専門家の診察室において該専門家が白化用ゲルを塗布すること(チェアサイド塗布(chairside application))、前記ゲルを塗布する前、使用者によって特注されるか、事前形成されるかもしくは形成されるトレイまたはマウスガード(例えば、「温湯加熱型(boil and bite)」トレイ)を用いて白化用ゲルを塗布すること、または、白化剤を提供する歯磨剤であって衛生的に有益な他の作用剤を含有することもある歯磨剤を用いてブラッシングを行うことを包含する。これらを実施することは、専門家が高額な施用を行うこと、マウスガードもしくはトレイを使用すること、または、白化剤を含有する練り歯磨きを繰り返し使用することに頼っている。
【0007】
以前の漂白用組成物は、漂白剤を運搬しかつ保持するのに用いられるマトリックスを歯に提供するために、通常、歯科用のトレイ、マウスガードまたはスティント(stint)と併せて、水溶性のゴムまたはポリマーに頼っていた。例えば、漂白剤は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の過酸化物、過炭酸塩および過ホウ酸塩、または、過酸化水素を含有する複合化合物(complex compounds)を含有する。また、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の過酸化物塩は、歯を白化するのに有用であることが知られている。白化剤として用いられる過酸化水素を含有するゲル化混合物(thickened mixtures)は、米国特許第5,922,307号および同第6,331,292号明細書に記述されている。それらの明細書に記述されている生成物は、6.0から10.0までのpH範囲を有する。
【0008】
発明の名称が全て「歯用漂白用組成物(Tooth bleaching compositions)」である、米国特許第5,922,307号、同第6,312,670号および同第6,514,543号は、カルシウムキレート化剤の存在下で歯の漂白処置を行う間、6.0〜10.0の実質的に一定のpH範囲に維持されている過酸化水素含有化合物に向けられている。
【0009】
もう1つの方法として、漂白用化合物を含浸した薄いポリマーストリップであって、複数の歯の上を覆い、かつ、漂白が行われている間に適所に保持されなければならないストリップが使用されている。例えば、発明の名称「曲げ剛性の低いストリップ材を用いる、歯用白化剤のための運搬手段(Delivery system for a tooth whitener using a strip of material having low flexural stiffness)」の米国特許第5,891,453号は、隣接する複数本の歯に歯用白化用物質を運搬するための装置であって、隣接する複数本の歯の上に曲面形状を形成するのに十分な可撓性を有する可撓性材料で作られたストリップと、歯用白化用物質とを有する運搬手段に向けられている。該ストリップ材は、該mailto:p@yg運搬手段が、複数の歯の表面と隙間になっている歯溝空間とに対して配置されるとき、永久変形をすることなく、該歯表面と該歯溝空間とに容易に整合する(conformable)。該歯用白化用物質は、該mailto:p@yg運搬手段が複数の歯の表面に配置されるとき、該物質が前記歯表面と接触して、該歯表面に活性物質(active)が提供されるようなやり方で、該ストリップ材に施用される。該物質は更に、該ストリップ材と該歯表面との間に粘着性付着を提供して、該活性物質が該歯表面上に作用するのに十分な時間の間、該mailto:p@yg運搬手段を適所に保持する。該運搬方法は、該ストリップ材にプレコーティング(precoating)を行うか、または、装用者が該物質を該ストリップ材に塗布し、次いで、該mailto:p@yg運搬手段を該歯表面に当てる段階を包含する。
【0010】
発明の名称「曲げ剛性の低いストリップ材を用いる、口腔ケア物質のための運搬手段(Delivery system for an oral care substance using a strip of material having low flexural stiffness)」の米国特許第5,894,017号は、口腔ケア物質のためのmailto:p@yg運搬手段であって、ASTM(米国材料試験協会)試験方法D2923−95に従ってハンドロメーター(Handle-O-Meter)で測定して約50g/cm未満の曲げ剛性を有するストリップ材を備えている運搬手段に向けられている。該運搬手段が、歯および該歯に隣接する軟組織に対して配置されるとき、該ストリップ材は、永久変形をすることなく、該歯および該歯に隣接する軟組織の形状に容易に整合する。該運搬手段はまた、該運搬手段が、該歯および該歯に隣接する軟組織の表面に配置されるとき、口腔ケア物質が該表面と接触して該表面に活性物質を提供するようなやり方で、該ストリップ材に施用される該口腔ケア物質を有している。該口腔ケア物質はまた、該ストリップ材と該表面との間に粘着性付着を提供して、該活性物質が該表面上に作用するのに十分な時間の間、該mailto:p@yg運搬手段を適所に保持する。運搬する方法は、該ストリップ材にプレコーティング(pre-coating)を行うか、装用者が該物質を該ストリップ材に塗布するか、または、ストリップ材を当てる前、装用者が該物質を該表面に直接塗布する段階を包含する。
【0011】
発明の名称「曲げ剛性の低いストリップ材を用いる、口腔ケア物質のための運搬手段(Delivery system for an oral care substance using a strip of material having low flexural stiffness)」の米国特許第6,096,328号は、口腔ケア物質を口腔表面にmailto:p@yg運搬するための手段であって、該口腔表面の輪郭を形成するのに十分な可撓性を有する可撓性材料で作られたストリップを有する運搬手段に向けられている。該運搬手段が、口腔表面に対して配置されるとき、該ストリップ材は、永久変形をすることなく、該歯口腔表面に容易に整合する。該口腔ケア物質は、該運搬手段が該口腔表面に配置されるとき、該活性物質が該表面に接触するようなやり方で、該ストリップ材に施用される。該口腔ケア物質はまた、該ストリップ材と該表面との間に粘着性付着を提供して、該活性物質を該口腔表面上に作用させるのに十分な時間の間、該mailto:p@yg運搬手段を適所に保持する。該口腔ケア物質を該口腔表面に運搬する方法は、該ストリップ材にプレコーティングを行うか、装用者が該口腔ケア物質を該ストリップ材に塗布するか、または、装用者が該口腔ケア物質を該口腔表面に直接塗布し、次いで、施用された該口腔ケア物質の上に該ストリップ材を直ちに当てる段階を包含する。
【0012】
〔概要〕
本発明は概して、歯科用漂白用組成物とそれを使用する方法とに向けられている。そのような組成物は、白化剤と、該白化剤が歯の表面に放出されて該歯を白化するようなやり方で該白化剤を保持するためのマトリックスとを含有する。そのようなマトリックスの1つの例は、ワセリン、例えば、固体の白色ワセリンである。
【0013】
本発明は、1つの態様において、1本以上の歯を白化するための組成物に関する。該組成物は、白化剤と、ワセリン(例えば、白色ワセリン)とを含有する。
【0014】
本発明は、もう1つの態様において、1本以上の歯を白化するための組成物であって、過酸化物と、溶剤と、ポリオキシアルキレンと、ワセリンと、ポリビニルピロリドンとを含有する。
【0015】
本発明は、もう1つの態様において、1本以上の歯を白化するための方法に関する。該方法は、漂白用組成物の治療有効量を、1本以上の歯に施用する段階を包含する。該漂白用組成物は、白化剤およびワセリンを含有する。該漂白用組成物が該1本以上の歯を白化することができるようなやり方で、該漂白用組成物を該1本以上の歯に接触させたままにしておく。特定の実施において、前記の施用する段階は、該組成物を塗布することによって行う。
【0016】
他の具体例および/または態様は、下記のもののいずれか1つ、または下記のものの組み合わせを包含することがある。前記ワセリンは、前記組成物中に約10重量%から約90重量%まで存在する。該ワセリンは、室温で固体である。該ワセリンは、白色ワセリンを含有する。前記白化剤は、過酸化物である。該過酸化物は、該組成物中に約35重量%から約70重量%まで存在する。該組成物は、粘着付与剤、例えば、ポリビニルピロリドン、デンプン、ポリオキシアルキレン、またはこれらの物質の混合物を更に含有することができる。該粘着付与剤は、該組成物中に約5重量%から約30重量%まで存在する。該組成物は、溶剤、例えば、水、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、またはこれらの物質の混合物を更に含有する。
【0017】
本発明は、もう1つの具体例において、1本以上の歯を治療するための方法を提供する。該方法は、漂白用組成物が1本以上の歯を白化することができるようなやり方で、トレイ(tray)、マウスガード(mouthguard)、スティント(stint)、ワンド・アプリケーター(wand applicator:先端にブラシの付いたアプリケーター)、または、該漂白用組成物を該1本以上の歯に接触させたままにしておく代替的手段によって、該漂白用組成物の治療有効量を該1本以上の歯に施用する段階を包含する。
【0018】
本発明は、もう1つの具体例において、1本以上の歯を治療するためのキットを提供する。そのような具体例において、該キットは、ねじ込み形状を有するキャップ部分および該キャップ部分から延びているアプリケーター部分を有するワンド・アプリケーターと、内部空間を有して白化用組成物を保持する白化用組成物容器であって、該ワンド・アプリケーターのねじ込み形状に相補的であるねじ込み形状を有する白化用組成物容器と、該白化用組成物容器の内部の白化用組成物とを備えていることがある。
【0019】
本発明は、もう1つの具体例において、歯を白化するための組成物を包含する。該組成物は、約3〜約30重量%の量で存在する1種以上の白化剤(過酸化水素3〜30%、または過酸化尿素9〜45%)と、約3〜約50重量%の量で存在する1種以上の粘着付与剤(PVP(ポリビニルピロリドン)3〜50%、およびワセリン10〜90%)と、約1〜約20重量%、例えば約1〜約5重量%の量で存在する1種以上の可溶化剤とを含有することができる。
【0020】
本発明のもう1つの具体例は、重量%で記載されている次の諸成分を含有する組成物に向けられている。
【表1】

【0021】
本発明のもう1つの具体例は、重量%で記載されている次の諸成分を含有する組成物に向けられている。
【表2】

【0022】
もう1つの具体例の漂白用組成物は、次の配合を有する。
【表3】

【0023】
もう1つの具体例の漂白用組成物は、次の配合を有する。
【表4】

【0024】
諸具体例は、次の利点の1つ以上を有することがある。本明細書に開示する漂白用組成物は、専門家(例えば、歯科医)または非歯科専門家(例えば、消費者)が施用することができる。都合の良いことに、該漂白用組成物は、様々な手段によって施用することができる。該漂白用組成物を施用するために、例えば、トレイ、マウスガードまたはスティントを用いることができる。また、該漂白用組成物は、例えばブラシまたはペン(pen)を用いることによって、歯の上に直接塗布することもできる。使用者が該漂白用組成物を直接塗布する諸具体例において、トレイ、マウスガードまたはスティントの必要性は排除され、漂白過程が使用者にとってより簡単かつより快適になる。このことによって、該漂白用組成物が使用される頻度と時間(duration)とを改善することができ、しばしば成果が改善される。更に、該漂白過程それ自体に対する敏感度(degree of sensitivity)は概して減少する。なぜなら、該組成物は、制御された徐放的やり方で漂白剤を放出するからである。加えて、該漂白用組成物は、より優れた接着性とより優れた耐分解性とを提供することができ、そうすることによって、漂白成果を向上させる。
【0025】
以下の記述に、本発明の1つ以上の具体例を開示する。本発明の他の特徴および利点は、その記述および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0026】
〔詳細な記述〕
1つの具体例では、前記漂白剤を歯の適所に運搬および保持する、前記組成物のマトリックスとして、白色ワセリンを使用する。ワセリンは、パラフィン系石油留分を蒸留することによって得られる、炭化水素の半固体混合物または液体混合物として定義される。その固体形態(ミネラルゼリー(mineral jelly))は、無色透明であるかまたは浅黄色であることがある。それの主要用途は、軟膏(mild ointments)、化粧品、ゴム混合物および食品加工における軟化剤(ベーカリー製品、脱水果物および脱水野菜における離型剤)、保護被覆(生果物および生野菜)ならびに脱泡剤(甜菜糖、酵母菌)である。その液体形態(白色鉱油)は、下剤、給油剤および分散剤として使用される。固体型にも液体型にも、様々な仕様を有する3種の等級が存在する。(USP、NFおよびFCC)。
【0027】
ポリビニルピロリドン(PVP)もまた、幾つかの理由により、任意的に含有させた。第1に、ポリビニルピロリドンは、前記配合物の接着力を向上させることができる。なぜなら、それの特定の側基が主鎖に沿っているからである。第2に、ポリビニルピロリドンは、水溶解性であり、前記石油マトリックス中に第2の相を形成する。第2の相は、該マトリックスから過酸化物が放出されるのを制御する。第3に、ポリビニルピロリドンは、粘度調整剤として任意的に添加することができる。これらの検討に基づくと、ポリビニルピロリドンは、約5〜30重量%、好ましくは約10重量%である場合がある。
【0028】
以下に識別される前記配合物の調製方法は、固体過酸化剤を使用する場合、簡単であり、先ず、該過酸化物をワセリンと混合し、次いで、その混合物に、以下に規定される、ポリビニルピロリドンまたはグリセリンのような他の諸成分を添加することができる。香味料のような他の諸成分を更に混合する。白化剤(whitening agent)として過酸化物溶液(liquid peroxide solution)を使用する場合、界面活性剤を使用して、親水性成分と疎水性成分との均質配合物を調製する。
【0029】
ワセリン系白化用ゲルまたはペーストの特性のために、トレイもマウスガードも他の支持器も使用することなく、該ゲルを歯の上に直接用いることができる。所望により、該ゲルは、アルカリゲル(alkaline gel)と一緒に用いて、二液型白化系として白化作用を更に向上させることができる。
【0030】
好ましい漂白用組成物において、漂白用組成物は、配合:
【表5】

を有する。
【0031】
もう1つの実施において、漂白用組成物は、次の配合:
【表6】

を有する。
【0032】
もう1つの具体例において、漂白用組成物は、次の配合:
【表7】

を有する。
【0033】
もう1つの実施において、漂白用組成物は、次の配合:
【表8】

を有する。
【0034】
前記白化用組成物(whitening composition)は、他にも諸成分を含有するが、白化剤および粘着付与剤(tackifying agent)を含有することがある。適切な白化剤または漂白剤には、過酸化水素、過酸化カルバミド(carbamide peroxide)のような過酸化物、または歯科用途に適した既知のあらゆる白化用化合物が包含される。過酸化物溶液は、様々な濃度で市販されている。例えば、H22は、35〜70%の濃度で入手することができる。該白化用組成物中におけるその濃度は、使用する濃度によって変わるであろう。したがって、当業者によってよく理解されるように、使用する該溶液の重量%は、使用する溶液の濃度を考慮して調整する。1つの具体例において、該白化剤は、5〜30重量%の量で存在し得る。
【0035】
前述の白化剤および粘着付与剤の他に、ペパーミント油またはスペアミント油のような香味改善剤を含有させることが望ましいことがある。更に、前記組成物中にサッカリンまたはサッカリンナトリウムのような甘味料を含有させることができる。前記白化用組成物中に、適切な香味改善剤またはそれらの組み合せであれば如何なるものも含有させることができる。これらの香味料は、0.06重量%以下の極微量から約3重量%までの範囲の量、または使用者に要望されるそれ以上の量で存在し得る。
【0036】
諸具体例は、他の様々な成分を含有することができる。これらの成分には、水、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールのような溶剤、または口腔用途のための溶剤として使用するのに適した他の様々な化合物が包含されることがある。該溶剤は、約10〜約81重量%の量で存在し得る。前記組成物は更に、エトキシル化ヒマシ油のような可溶化剤または乳化剤を含有することができる。同様に、口腔用途に適した既知の可溶化剤であれば如何なるものも使用することができる。適切な他の可溶化剤には、硬化ヒマシ油、またはPEG40硬化ヒマシ油が包含される。該可溶化剤は、約1.5重量%から約20重量%まで、例えば約1.5重量%から約4.25重量%まで存在し得る。
【0037】
水酸化物(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化アンモニウム)のような中和剤をも、前記組成物に添加することができる。適切なもう1つの中和剤は、トリエタノールアミンである。該中和剤は、全組成物に適切なpHを提供するようなものである。該中和剤はまた、増粘剤または粘着付与剤を架橋させるのに役立ち、適切なゲルを形成することができる。1つの具体例において、該中和剤は、約0.6重量%から約5.4重量%まで存在する。適切なpHは、約5.6から約10まで、例えば約5.6から約7.6まで及ぶ。
【0038】
【表9−1】

【0039】
【表9−2】

【0040】
【表9−3】

【0041】
【表9−4】

【0042】
〔実施の態様〕
(1)1本以上の歯を白化するための組成物において、
白化剤と、
ワセリンと、
を含有する、組成物。
(2)実施態様1記載の組成物において、 前記ワセリンが、前記組成物中に10重量%から90重量%まで存在する、組成物。
(3)実施態様1記載の組成物において、
前記ワセリンが、室温で固体である、組成物。
(4)実施態様1記載の組成物において、
前記ワセリンが白色ワセリンを含む、組成物。
(5)実施態様1記載の組成物において、
前記白化剤が過酸化物である、組成物。
(6)実施態様5記載の組成物において、
前記過酸化物が、前記組成物中に35重量%から70重量%まで存在する、組成物。
(7)実施態様1記載の組成物において、
粘着付与剤を更に含有する、組成物。
(8)実施態様7記載の組成物において、
前記粘着付与剤が、ポリビニルピロリドン、デンプン、ポリオキシアルキレン、およびそれらの混合物からなる群から選ばれている、組成物。
(9)実施態様7記載の組成物において、
前記粘着付与剤が、前記組成物中に5重量%から30重量%まで存在する、組成物。
(10)実施態様1記載の組成物において、
溶剤を更に含有する、組成物。
(11)実施態様10記載の組成物において、
前記溶剤が、水、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物からなる群から選ばれている、組成物。
(12)1本以上の歯を白化するための組成物において、
過酸化物と、
溶剤と、
ポリオキシアルキレンと、
ワセリンと、
ポリビニルピロリドンと、
を含有する、組成物。
(13)1本以上の歯を白化するための方法において、
白化剤およびワセリンを含有する漂白用組成物の治療有効量を、1本以上の歯に施用する段階と、
前記漂白用組成物が前記1本以上の歯を白化することができるように、前記漂白用組成物を前記1本以上の歯に接触させたままにしておく段階と、
を包含する、方法。
(14)実施態様13記載の方法において、
前記施用段階は、前記漂白用組成物を前記1本以上の歯に塗布することによって行う、方法。
【0043】
本発明の多数の具体例を記述してきた。とは言え、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な部分的変更を行うことができることは理解されるであろう。したがって、他の諸具体例は、特許請求の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1本以上の歯を白化するための組成物において、
白化剤と、
ワセリンと、
を含有する、組成物。
【請求項2】
請求項1記載の組成物において、
前記ワセリンが、前記組成物中に10重量%から90重量%まで存在する、組成物。
【請求項3】
請求項1記載の組成物において、
前記ワセリンが、室温で固体である、組成物。
【請求項4】
請求項1記載の組成物において、
前記ワセリンが白色ワセリンを含む、組成物。
【請求項5】
請求項1記載の組成物において、
前記白化剤が過酸化物である、組成物。
【請求項6】
請求項5記載の組成物において、
前記過酸化物が、前記組成物中に35重量%から70重量%まで存在する、組成物。
【請求項7】
請求項1記載の組成物において、
粘着付与剤を更に含有する、組成物。
【請求項8】
請求項7記載の組成物において、
前記粘着付与剤が、ポリビニルピロリドン、デンプン、ポリオキシアルキレン、およびそれらの混合物からなる群から選ばれている、組成物。
【請求項9】
請求項7記載の組成物において、
前記粘着付与剤が、前記組成物中に5重量%から30重量%まで存在する、組成物。
【請求項10】
請求項1記載の組成物において、
溶剤を更に含有する、組成物。
【請求項11】
請求項10記載の組成物において、
前記溶剤が、水、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物からなる群から選ばれている、組成物。
【請求項12】
1本以上の歯を白化するための組成物において、
過酸化物と、
溶剤と、
ポリオキシアルキレンと、
ワセリンと、
ポリビニルピロリドンと、
を含有する、組成物。
【請求項13】
1本以上の歯を白化するための方法において、
白化剤およびワセリンを含有する漂白用組成物の治療有効量を、1本以上の歯に施用する段階と、
前記漂白用組成物が前記1本以上の歯を白化することができるように、前記漂白用組成物を前記1本以上の歯に接触させたままにしておく段階と、
を包含する、方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法において、
前記施用段階は、前記漂白用組成物を前記1本以上の歯に塗布することによって行う、方法。

【公表番号】特表2007−502286(P2007−502286A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523331(P2006−523331)
【出願日】平成16年8月11日(2004.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2004/026011
【国際公開番号】WO2005/018592
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(506049253)パーソナル・プロダクツ・カンパニー・ディヴィジョン・マクニール−ピーピーシー・インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】