説明

歯科精密鋳造用ポリ乳酸スプルー

【課題】地球にやさしいエコ素材でバイオマスプラスチックのポリ乳酸を使用し、焼却時有毒ガスを生じなく、歯の形状や鋳造欠陥に対応する形状となる、歯科精密鋳造用ポリ乳酸スプルーを提供する。
【解決手段】スプルーのコーム部分の間隔が、1mm間隔で大きくし、コーム間隔を変化させることで大きさの違う小臼歯、大臼歯のブリッジに対応しやすく、植立が簡便で対応しやすくし、素材をアクリルからポリ乳酸にすることで焼却時間も速く、焼却時に有毒ガスが生じず労働環境も向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼却時有毒ガスを生じないスプルーである。さらに歯の形状や鋳造欠陥に対応する形状である。
【背景技術】
【0002】
従来のプラスチックスプルーには、アクリル系樹脂やワックスを使ったスプルーがある。
【特許文献1】
【特許文献2】
【非特許文献1】
【非特許文献2】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上に述べた従来のスプルーでは、焼却時不完全燃焼によるガスが生じ、労働環境に良くない。また焼却温度が高く焼却時間がかかる。また、コーム型形状の場合、コームが等間隔で、小臼歯、大臼歯のブリッジ作製時にそれぞれの間隙に対応しにくい。
また、植立時にはコーム先端がすべりやすく仮止めしにくい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、このような従来の問題を解決しようとするものであり、地球にやさしいエコ素材であるバイオマスプラスチックであるポリ乳酸を使うことで、歯科技工の労働環境を見直そうと啓発を試みるものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、材料にポリ乳酸を使うことで焼却時に有害なガスが生じない。
【0006】
また、ガラス転移点が低いために約57度で溶け始め、焼却温度が従来より低く燃焼時のカロリーが低いため、焼却炉を傷めることが無く速く焼却が完了する。
【0007】
スプルーのコーム部分の間隔が、1mm間隔で大きくなるため、小臼歯、大臼歯を含むブリッジに対応しやすい。
【0008】
コーム先端に孔があり、孔にソフトワックスを詰めて植立時に、仮止めできる。
【0009】
燃焼時に排出される二酸化炭素ガス量はプラスチックの中でも最低レベルであり、カーボンニュートラルな素材であるバイオマスプラスチックを使用することで歯科技工では軽んじられている労働環境整備啓発にもなると考える。2008年は大阪で国際歯科技工学会が開催されるため発表の良い機会である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本スプルーの実施の形態を図1に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1(断面図)において、スプルー本体は3.5mmと太く、小臼歯、大臼歯等の形状に対応できるようコーム間隙を1mm単位で大きくしている。コーム先端部分は湯流れ・凝固解析ソフトを使って最も鋳造欠陥が生じにくく、付着しやすい太さとして2mmとした。また、ワックスブリッジに付着する部分に孔を設けそこにソフトワックスを詰めてブリッジに仮止めできる。付着にはハードワックスを用い強固に付着する。外形は図2に示す。
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科精密鋳造を行う際に使用するポリ乳酸を材料としたプラスチックスプルーの申請。焼却時に有毒ガスを生じることなく簡便に焼却可能である。また、歯の形状に応じたコーム間隔でかつ、鋳造欠陥を生じにくい形状である。

【公開番号】特開2009−184012(P2009−184012A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51207(P2008−51207)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(508063897)
【Fターム(参考)】