説明

残渣回収装置

【課題】ガス化装置内の残渣を残渣受容器に充填する際に、ガス化装置の圧力変動を防止できると共に空気を吸い込むことがない残渣回収装置を提供する。
【解決手段】放射性物資を減容化するガス化装置10に、下端に残渣排出ノズル18が形成された残渣排出管13を接続し、前記ガス化装置10内の残渣19を、残渣排出管13から残渣排出ノズル18を介して残渣受容器20に充填する残渣回収装置において、前記残渣排出管13に、残渣19を計量する残渣受タンク15を接続し、前記残渣受タンク15の上下の残渣排出管にバルブ14,16を接続すると共に上部のバルブ14を、上下二段のダブルドアバルブ14a、14bで構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性廃棄物を減容化した際の残渣を回収する残渣回収装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原子力プラントからの放射性廃棄物、例えば復水脱塩に用いた放射性使用済イオン交換樹脂は、スチームリフォーマ装置で減容化し、その残渣が残渣受容器に回収される。
【0003】
このスチームリフォーマ装置は、高線量の放射性廃棄物の減容処理装置であり、減容処理後の残渣は放射能濃度が濃縮されているため、特に放射能濃度が高くなることから、残渣回収装置は、人が立ち入ることができなく、機械による遠隔操作によって運用が行われる。
【0004】
図6は、残渣回収装置を示したものである。
【0005】
図6において、放射性廃棄物としての放射性使用済イオン交換樹脂は、ガス化装置(スチームリフォーマ装置)60で熱分解され、ガス分が排ガス管61から排気され、残渣が、スクリューコンベア62により残渣排出管63に排出され、さらに上部のバルブ64を介して残渣受タンク65に投入され、その残渣受タンク65内の残渣69がロードセル66で計量され、所定量となったときに、下部のバルブ67を介して残渣排出管63の先端の残渣排出ノズル68から残渣受容器70に投入するようにしている。
【0006】
残渣69を回収するための残渣受容器70は、空容器搬送室72内に蓋71を取り除いた状態で格納され、空容器搬送室72からローラコンベア74にて隔離壁73の開閉ゲートを通して回収室76に移動され、さらにガス化装置60の直下に設けた昇降装置77に移動される。
【0007】
残渣受容器70は、昇降装置77によって上昇させて、残渣排出ノズル68と残渣受容器70の受口75を接続させる。残渣排出ノズル68と残渣受容器70の受口75とはメタルタッチでの接続となり、残渣排出ノズル68の先端を下に鋭角な形状とし、残渣受容器70の受口75も鋭角な形状に合う形状とする。残渣受容器70を昇降装置77によって上昇させ、残渣受容器70の受口75を残渣排出ノズル68に押し付けることで、残渣排出ノズル68と残渣受容器70をメタルタッチ接続させて気密性を保つ。
【0008】
上述のように残渣受容器70へ回収する残渣69は、ガス化装置60から連続的に残渣受タンク65ヘ排出される。残渣受タンク65の下部のバルブ67を閉にして、残渣受タンク65に所定量の残渣69を貯留する。残渣量が所定量になると残渣受タンク65の下部のバルブ67を開にして、残渣受容器70へ残渣69を移送する。このように、残渣受入、排出は残渣受タンク65の上下のバルブ64,67の開閉により行われる。
【0009】
残渣受容器70へ残渣69を充填した後、残渣受タンク65の下部のバルブ67を閉にして残渣受容器70を昇降装置77により降ろすことで、残渣受容器70を残渣排出ノズル68から外す。
【0010】
次に残渣受容器70はコンベヤ74にて蓋取付け機(図示せず)まで移動し、蓋71を取り付ける。
【0011】
最後に隔離壁78の開閉ゲートを通して検査室79へ移送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第3453747号公報
【特許文献2】特開2008−082564号公報
【特許文献3】特開2001−343489号公報
【特許文献4】特開2009−242004号公報
【特許文献5】特公平5−74798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、ガス化装置60は負圧下で運転されており、残渣を排出する際に、ガス化装置60内の圧力変動が生じる問題がある。
【0014】
すなわち、ガス化装置60内の残渣は、上部のバルブ64を開いて残渣受タンク65に投入され、その後、上部のバルブ64を閉じ、下部のバルブ67を開いて、残渣排出ノズル68から残渣受容器70に投入されるが、ガス化装置60内の残渣を、残渣受タンク65に投入する際には、残渣受タンク65は大気圧となっているため、残渣受タンク65内の空気が、負圧下で運転され圧力変動を嫌うガス化装置60に吸い込まれてしまう問題がある。また空気(酸素)がガス化装置60内に吸い込まれることで、ガス化装置60で放射性使用済イオン交換樹脂が熱分解されずに酸化燃焼する危険もある。
【0015】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、ガス化装置内の残渣を残渣受容器に充填する際に、ガス化装置の圧力変動を防止できると共に空気を吸い込むことがない残渣回収装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、放射性物資を減容化するガス化装置に、下端に残渣排出ノズルが形成された残渣排出管を接続し、前記ガス化装置内の残渣を、残渣排出管から残渣排出ノズルを介して残渣受容器に充填する残渣回収装置において、前記残渣排出管に、残渣を計量する残渣受タンクを接続し、前記残渣受タンクの上下の残渣排出管にバルブを接続すると共に上部のバルブを、上下二段のダブルドアバルブで構成したことを特徴とする残渣回収装置である。
【0017】
請求項2の発明は、前記残渣受容器を搬送するコンベアには、前記残渣排出ノズル直下に位置して昇降装置が設けられ、その昇降装置で、前記残渣受容器が上昇されて、前記残渣受容器の受口が前記残渣排出ノズルに嵌め合わされる請求項1に記載の残渣回収装置である。
【0018】
請求項3の発明は、前記残渣受タンクには、残渣のブリッジブレーカが設けられる請求項1記載の残渣回収装置である。
【0019】
請求項4の発明は、前記残渣排出ノズルに隣接して或いは、昇降装置の下流側のコンベア上には、残渣充填後の残渣受容器の受口に子蓋を被せる子蓋挿入装置が設けられる請求項2記載の残渣回収装置である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ガス化装置と残渣受タンク間の残渣排出管に、上下二段のダブルドアバルブからなる上部バルブを接続することで、残渣排出管を通してガス化装置に空気が流入することを確実に防止でき、負圧下で処理するガス化装置の内圧が残渣排出で乱されることがない。また充填後に残渣容器の受口に子蓋を被せることで、閉止時間が極めて短くなり、空気(酸素)の流入による発火の危険性を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態を示す全体図である。
【図2】図1において残渣を残渣受容器に充填している状態を示す部分図である。
【図3】本発明の他の実施の形態を示す図である。
【図4】本発明の更に他の実施の形態を示す図である。
【図5】図4の実施の形態における残渣受容器に蓋をした状態を示す図である。
【図6】従来の残渣回収装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0023】
図1、図2において、10は、ガス化装置(スチームリフォーマ装置)で、放射性廃棄物としての放射性使用済イオン交換樹脂を熱分解し、ガス分を排ガス管11から排気し、残渣がスクリューコンベア12で残渣排出管13に排出される。
【0024】
残渣排出管13には、残渣受タンク15が接続され、その残渣受タンク15の上下の残渣排出管13にバルブ14,17が接続される。残渣受タンク15の上下の残渣排出管13には、図には示していないがジャバラ管が一体に形成されており、残渣受タンク15が上下動できるように支持され、残渣受タンク15がロードセル16にて残渣受タンク15内の残渣19を計量できるようになっている。
【0025】
残渣排出管13は、回収室26内に延出され、その下端には、先端先細に形成された残渣排出ノズル18が形成される。
【0026】
残渣19を回収するための残渣受容器20は、SUS材で構成され、残渣排出ノズル18に嵌め合う受口25が形成され、残渣19を充填した後に、その上部を蓋21で閉じるようになっている。
【0027】
この残渣受容器20は、空容器搬送室22内に蓋21を取り除いた状態で格納され、空容器搬送室22からローラコンベア24にて隔離壁23の開閉ゲート(図示せず)を通して回収室26に移動され、さらにガス化装置10の直下に設けた昇降装置27に移動され、残渣充填後は、再度ローラコンベア24で蓋取付け機(図示せず)まで移動し、蓋21が取り付けられた後、隔離壁28の開閉ゲート(図示せず)を通して検査室29へ移送される。
【0028】
昇降装置27は、テーブルリフタなどから構成され、上面にローラコンベア24と連続するローラ24aを有し、残渣受容器20の搬送時は、図1に示すようにローラ24aがその前後のローラコンベア24と同じレベルとなるように、また残渣19を回収する際には、図2に示すように残渣受容器20の受口25が残渣排出ノズル18に嵌め合う位置まで上昇し、残渣19の回収後は、再度図1に示した状態に残渣受容器20を降下させる。
【0029】
回収室26内に臨んだ残渣排出管13、特に残渣排出ノズル18の周囲には、残渣受容器20の上部を覆う防塵カバー30を設けられる。この防塵カバー30にはフィルタ31を有する排気手段32が接続される。排気手段32は、防塵カバー30に接続されると共に回収室26外に延出される排気ライン33と、その排気ライン33に接続されたフィルタ31と、そのフィルタ31の下流側の排気ライン33に接続された排気ブロア34から構成される。
【0030】
防塵カバー30は、残渣受容器20の外径よりやや大きく形成されたキャップ状に形成され、その防塵カバー30と残渣受容器20との間には、回収室26内の空気を防塵カバー30内に導入するための隙間sが形成される。
【0031】
本発明においては、上部のバルブ14を、上下二段のダブルドアバルブ14a、14bで構成したものである。
【0032】
次に本発明の作用を説明する。
【0033】
ガス化装置10内の残渣19は、上下二段のダブルドアバルブ14a、14bからなる上部のバルブ14を介して残渣受タンク15に投入される。この際、上段のダブルドアバルブ14aが開のときには、下段のダブルドアバルブ14bが閉じられ、残渣19は、下段のダブルドアバルブ14b上に溜まり、その後上段のダブルドアバルブ14aを閉じ、下段のダブルドアバルブ14bを開くことで残渣19が残渣受タンク15に投入される。この上下二段のダブルドアバルブ14a、14bを交互に開閉することで、略連続的に残渣19が残渣受タンク15に投入される。
【0034】
これにより、ガス化装置10と残渣受タンク15間の残渣排出管13は、上下二段のダブルドアバルブ14a、14bのいずれかで常時閉じられた状態となるため、残渣受タンク15内の空気(酸素)がガス化装置10内に吸い込まれることがなくなり、ガス化装置10が負圧下で安定した放射性廃棄物(放射性使用済イオン交換樹脂)を熱分解することが可能となる。
【0035】
次に、残渣受容器20が、図1に示した昇降装置27上の残渣排出ノズル18の直下に移動されたとき、残渣受容器20が昇降装置27にて、図2に示すように上昇され、その受口25が残渣排出ノズル18にメタルタッチで嵌め合わされる。
【0036】
この際、残渣排出ノズル18の周囲に設けた防塵カバー30が残渣受容器20の上部を覆うように位置し、排気手段32にて防塵カバー30内の空気を吸引排気する。この状態で、残渣受タンク15内で所定量計量された残渣19が下部のバルブ17を開くことで、残渣19が、残渣排出管13から残渣排出ノズル18を通して残渣受容器20内に充填される。充填中、受口25と残渣排出ノズル18はメタルタッチ接続であり、完全には密閉されていないため、充填による残渣受容器20内の空気が、その受口25と残渣排出ノズル18との間から排気され、同時に残渣19が、その排気に同伴して飛散しやすくなるが、残渣19が飛散しても防塵カバー30から排気手段32により吸引され、フィルタ31で捕集され、除塵される。よって、残渣19が回収室26内に飛散することを防止できる。
【0037】
また防塵カバー30は、残渣受容器20の外径よりやや大きく形成されるため、その隙間sから回収室26内の空気が、防塵カバー30内に吸引されるため、残渣19が回収室26に飛散するのを確実に防止できる。
【0038】
残渣受容器20に残渣19を回収後は、下部のバルブ17を閉じ、昇降装置27にて残渣受容器20を図1に示した状態に降下させる。この際、排気手段32を作動させたままとすることで、残渣排出ノズル18の外周に残渣19の付着があっても、その残渣19は、防塵カバー30から回収室26に飛散させることなく排出することができる。
【0039】
その後、残渣を回収した残渣受容器20は、その上部が蓋21で閉じられ、検査室29に搬送される。
【0040】
次に本発明の他の実施の形態を図3により説明する。
【0041】
図3は、ガス化装置10に接続した残渣排出管13に接続する残渣受タンク15、その残渣受タンク15の上下に接続するバルブ14,17の具体例を示したものである。
【0042】
図1の実施の形態では、上部のバルブ14の詳細は示していないが、図3(b)に示すように、上部のバルブ14を、上下二段のドアバルブ35u、35dからなるダブルドアバルブ35で構成し、そのドアバルブ35u、35dの弁体36u、36dをカム装置37とモータ38で、同時に閉及び交互に開閉できるように構成される。
【0043】
通常ドアバルブ単体では、シール性が悪いがダブルドアバルブ35とすることで、上下のドアバルブ35u、35dは、その両方が閉じた状態と、残渣19の排出時には、いずれかが閉じた状態となるため確実なシールが行えると共に弁体36u、36dは、回動で弁座を開閉するため残渣19の付着が少ないものとすることができる。この場合、ガス化装置10から残渣19を受けるときには、上下のドアバルブ35u、35dを閉じた状態とし、上部ドアバルブ35uに残渣19がある程度溜まったならば、上部ドアバルブ35uを開いて、下部ドアバルブ35dに残渣19を落下させ、その後、上部ドアバルブ35uを閉じ、下部ドアバルブ35dを開くことで、残渣19を残渣受タンク15に排出することができる。また排出後は、上部ドアバルブ35uを閉じた状態で、下部ドアバルブ35dも閉じる。このように開閉を繰り返すことでシール性のよいバルブ14とすることができると共にガス化装置10内の負圧状態を保つことが可能となる。
【0044】
次に、下部バルブ17は、ロータリーバルブ17Rで構成するようにしたものである。下部バルブ17をロータリーバルブ17Rとすることで、残渣受タンク15内の残渣19を連続的に排出しながらシールすることが可能となる。
【0045】
さらに、残渣受タンク15の上部の残渣排出管13及びロータリーバルブ17Rの下部の残渣排出管13には、一体にジャバラ管13s、13tが形成され、ダブルドアバルブ35と下部の残渣排出管13が、固定部材42に支持され、残渣受タンク15が固定部材42に設けたロードセル16にて支承されて、残渣受タンク15内の残渣19が計量されるようにされる。この残渣受タンク15内の残渣19は、その中でブリッジを形成しやすいため、スクリュー39からなるブリッジブレーカ40を設け、スクリュー39の回転で、残渣19を上方に掻き上げるようにすることでブリッジの発生を抑えることができ、残渣19の安定した排出が行える。
【0046】
この図3の実施の形態では、残渣排出ノズル18から残渣受容器20に排出される残渣19は、残渣受タンク15からロータリーバルブ17Rを介して連続的に投下され、上部のバルブ14をダブルドアバルブ35とすることで、ガス化装置10とのシール性が良好となる。
【0047】
次に、図4、図5により本発明の更に他の実施の形態を説明する。
【0048】
図1、図2の実施の形態においては、残渣受容器20に残渣19を充填した後に、残渣排出ノズル18から残渣受容器20を切り離す操作が発生する。このときに残渣受容器20の受口25は開放状態となるため、その受口25を通して残渣(放射性物質)19の飛散や、残渣(固定炭素)19と空気との接触により火災のリスクがある。
【0049】
そこで、本実施の形態では、残渣受容器に残渣19を充填した後、残渣排出ノズル18から切り離した直後に、受口25に、受口25を子蓋41で閉じる子蓋挿入装置44を、防塵カバー30に隣接して或いは昇降装置27の下流側のコンベア24上に設けたものである。
【0050】
先ず図5に示すように、残渣受容器20Aは、その上面板25Aに受口25が形成されて構成され、残渣受容器20A内に残渣19が充填された後、その受口25が子蓋41で閉じられ、さらにその残渣受容器20A上にキャップ状の蓋21Aが被せられるように構成される。
【0051】
図4は、子蓋挿入装置44を示すもので、図4(a)は子蓋挿入装置44が設けられた残渣排出管13と残渣受容器20A周りの正面図、図4(b)は図4(a)の平面図、図4(c)は図4(b)のC−C線断面図である。
【0052】
図4(a)〜図4(c)に示すように、子蓋挿入装置44は、防塵カバー30に隣接して或いは昇降装置27の下流側のコンベア24上に設けられる支持台45上に設けられた子蓋入れカセット46と、その子蓋入れカセット46にガイドされて、支持台45上と残渣受容器20Aの上面板25A上を摺動する子蓋スライド板47と、支持台45に設けられ、子蓋スライド板47を摺動するための子蓋挿入シリンダ48とから構成される。子蓋入れカセット46は、複数枚の子蓋41を収容するカセット部49と子蓋スライド板47を案内すべく覆うガイド部50とからなる。
【0053】
この子蓋挿入装置44は、子蓋スライド板47の先端47aが、子蓋41と係合するように円弧状に形成され、常時は、カセット部49に収容された子蓋41の後方の支持台45上に位置するように子蓋挿入シリンダ48が伸長された位置にされ、残渣受容器20A内に残渣19が充填され、受口25が残渣排出ノズル18から外された後に、子蓋挿入シリンダ48が縮退されることで、カセット部49内の子蓋41を、上面板25Aに沿って受口25に移動し、子蓋41が受口25上に位置したときに自重で落ちて閉蓋できるようになっている。
【0054】
このように、残渣受容器20A内に残渣19が充填された直後に子蓋挿入装置44で受口25を子蓋41で閉じることで、蓋21Aを閉じるまでの間に受口25が開放状態となって残渣19が飛散したり、残渣19の炭化物が燃焼するなどのリスクを抑えることが可能となる。
【0055】
子蓋挿入装置44の支持台45は、昇降装置27に一体に取り付けるようにしても、或いは、防塵カバー30に隣接した位置で、昇降装置27で、受口25が残渣排出ノズル18から切り離された位置まで下げられたときに、その残渣受容器20Aの上面板25Aと同じレベルとなる位置に固定して設けるようにしても、或いは移動可能に設けるようにしてもいずれでもよい。
【0056】
この子蓋挿入装置44は、残渣排出ノズル18の周囲に取り付ける防塵カバー30と干渉しない位置に設けるとよい。
【0057】
なお、残渣受容器20Aへの空気(酸素)流入防止を確実にするために子蓋41の周囲へ窒素ガスパージを行うようにしてもよい。
【0058】
また図4では、下部バルブは、図3で説明したロータリーバルブの代わりにスライドバルブ17Sとしている以外は残渣排出管13の構成は図3と同じである。
【0059】
この実施の形態においては、子蓋挿入装置44により、子蓋41が受口25に嵌め込まれた後は、昇降装置27を更に下げて、図1で説明したローラコンベア24と同じ位置とし、その状態で昇降装置27からローラコンベア24に移動し、図5で説明したキャップ状の蓋21Aを蓋取付け機にて取り付け、更に図1で説明したように検査室29まで移動する。
【0060】
このように、残渣受容器20Aの受口25に子蓋41を供給する子蓋挿入装置44から子蓋41を、残渣充填毎に1枚ずつ送り込んで子蓋41で受口25を閉じることで、残渣19を充填後の受口25が開放状態となることを防止できる。
【符号の説明】
【0061】
18 残渣排出ノズル
20 残渣受容器
25 受口
30 防塵カバー
31 フィルタ
32 排気手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性物資を減容化するガス化装置に、下端に残渣排出ノズルが形成された残渣排出管を接続し、前記ガス化装置内の残渣を、残渣排出管から残渣排出ノズルを介して残渣受容器に充填する残渣回収装置において、前記残渣排出管に、残渣を計量する残渣受タンクを接続し、前記残渣受タンクの上下の残渣排出管にバルブを接続すると共に上部のバルブを、上下二段のダブルドアバルブで構成したことを特徴とする残渣回収装置。
【請求項2】
前記残渣受容器を搬送するコンベアには、前記残渣排出ノズル直下に位置して昇降装置が設けられ、その昇降装置で、前記残渣受容器が上昇されて、前記残渣受容器の受口が前記残渣排出ノズルに嵌め合わされる請求項1に記載の残渣回収装置。
【請求項3】
前記残渣受タンクには、残渣のブリッジブレーカが設けられる請求項1記載の残渣回収装置。
【請求項4】
前記残渣排出ノズルに隣接して或いは、昇降装置の下流側のコンベア上には、残渣充填後の残渣受容器の受口に子蓋を被せる子蓋挿入装置が設けられる請求項2記載の残渣回収装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate