説明

殺菌効果を有する置換複素環式アミド

式(I)


(式中、記号は明細書に示した意味を有する。)で示されるアミド、該物質の製造方法、望ましくない微生物を防除するための該物質の使用、並びに式(IIIa)及び(IIIb)(式中、記号は明細書に示した意味を有する。)で示される中間体生成物が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミド類、この複数の製造方法及びこの有害生物を防除するための使用に関する。
【背景技術】
【0002】
殺菌性を有するアミド類は、例えば特開2001−348378号明細書から知られている。しかし、ある場合には、これらの化合物の殺菌作用を高める余地がある。
【0003】
しかし、最新の殺菌剤についてなされる生態学的及び経済的要求が、例えば活性スペクトル、毒性、選択性、施用量、残留物の形成及び好ましい製造に関して絶えず高まりつつあり、さらにまた例えば抵抗性について問題があり得るという理由から、少なくともある分野では、従来の殺菌剤よりも利点を有する新規な殺菌剤を開発する必要が絶え間なく存在している。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、式(I)
【0005】
【化13】

〔式中、
、R及びRは、同一であるか又は異なり、互いに独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロを表すか、
いずれの場合にも1から8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル又はアルキルスルホニルを表すか;
いずれの場合にも2から6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルケニル、アルキニル、アルケニルオキシ又はアルキニルオキシを表すか;
いずれの場合にも1から6個の炭素原子と1から13個の同一又は異なるハロゲン原子を有する直鎖又は分枝鎖のハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、ハロアルキルスルフィニル又はハロアルキルスルホニルを表すか;
いずれの場合にも2から6個の炭素原子と1から13個の同一又は異なるハロゲン原子を有する直鎖又は分枝鎖のハロアルケニル又はハロアルケニルオキシを表すか;
いずれの場合にも個々のアルキル部分に1から6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシイミノアルキル又はアルコキシイミノアルキルを表すか;
3から6個の炭素原子を有するシクロアルキルを表し、
(但し、R、R及びRは、同時に水素を表さないものとする。)、又は
とRは、これらを結合している炭素原子と一緒になって炭素環を形成し、
Hetは非置換又は置換5員芳香族複素環を表し、
は水素、ハロゲン、1から8個の炭素原子を有するアルキル、2から8個の炭素原子を有するアルケニル又はアルキニル、又は1から8個の炭素原子と1から9個のハロゲン原子を有するハロアルキルを表し、
及びRは、同一であるか又は異なり、互いに独立して非置換であるか又はいずれの場合にもハロゲンもしくはシアノで置換されたアルキル、いずれの場合にもそれぞれのアルキル鎖に1から8個の炭素原子を有するアルコキシアルキル、又はいずれの場合にも2から8個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、又は3から8個の炭素原子を有するシクロアルキルを表すか、又はアルキル鎖に1から8個の炭素原子を有する非置換又は置換アリールアルキルを表し、
Aはアルカンジイル又はシクロアルカンジイルを表し、及び
Yは酸素又は硫黄を表す。〕
で示される新規化合物を提供する。
【0006】
前記の定義において、飽和又は不飽和炭化水素鎖、例えばアルキル、アルカンジイル、アルケニル又はアルキニルは、アルコキシ、アルキルチオ又はアルキルアミノにおけるようにヘテロ原子との組み合わせにおける場合を含め、いずれの場合にも直鎖又は分枝鎖である。
【0007】
ハロゲンは、一般に弗素、塩素、臭素又はヨウ素、好ましくは弗素、塩素又は臭素、特に弗素又は塩素を表す。
【0008】
アリールは、芳香族単環式又は多環式炭化水素環、例えばフェニル、ナフチル、アントラニル、フェナントリル、好ましくはフェニル又はナフチル、特にフェニルを表す。
【0009】
シクロアルキルは、適切ならば別の炭素環と融合又は架橋した環と一緒になって多環式環系を形成する飽和炭素環化合物を表す。
【0010】
シクロアルケニルは、少なくとも1個の二重結合を含有し、適切ならば別の炭素環と融合又は架橋した環と一緒になって多環式環系を形成する炭素環化合物を表す。
【0011】
また、式(I)で示される新規アミドが有害生物に対して高活性であり、特に強い殺菌作用を有することが見出された。
【0012】
適切ならば、本発明の化合物は、種々の可能な異性体、特に立体異性体、例えばE及びZ異性体、シス又はトランス異性体、トレオ及びエリトロ異性体、並びに光学異性体の混合物として存在する。記載又は特許請求されるものは、E及びZ異性体の両方、並びにトレオ及びエリトロ異性体の両方、光学異性体、並びにこれらの異性体の混合物、互変異性体異性体である。
【0013】
本発明は、好ましくは、式(Ia)
【0014】
【化14】

〔式中、
、R及びRは、同一であるか又は異なり、互いに独立して水素、弗素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、メトキシ、エトキシ、n−もしくはi−プロポキシ、メチルチオ、エチルチオ、n−もしくはi−プロピルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メチルスルホニルもしくはエチルスルホニル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロクロロメトキシ、トリフルオロエトキシ、ジフルオロメチルチオ、ジフルオロクロロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルスルフィニルもしくはトリフルオロメチルスルホニル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アセチル、プロピオニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヒドロキシイミノメチル、ヒドロキシイミノエチル、メトキシイミノメチル、エトキシイミノメチル、メトキシイミノエチル又はエトキシイミノエチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表すか、又は
とRは、これらを結合している炭素原子と一緒になって5又は6員炭素環を形成し、
(但し、R、R及びRは、同時に水素を表さないものとする。)、
4aは水素、弗素、塩素、臭素、シアノ、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、アリル、プロパルギル又はトリフルオロメチルを表し、
及びRは、同一であるか又は異なり、互いに独立してメチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチルを表すか、
アリル、メチルアリル、クロトニル、プロピニルもしくはブチニル又はシアノメチルを表すか、
又は場合により水素、弗素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、メトキシ、エトキシ、n−もしくはi−プロポキシ、メチルチオ、エチルチオ、n−もしくはi−プロピルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メチルスルホニル又はエチルスルホニル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロクロロメトキシ、トリフルオロエトキシ、ジフルオロメチルチオ、ジフルオロクロロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルスルフィニル又はトリフルオロメチルスルホニル、アセチル、プロピオニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヒドロキシイミノメチル、ヒドロキシイミノエチル、メトキシイミノメチル、エトキシイミノメチル、メトキシイミノエチル又はエトキシイミノエチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルで置換されていてもよいベンジルを表し、
Aはメタンジイル、エタン−1,1−ジイル、エタン−1,2−ジイル、プロパン−1,1−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−2,2−ジイル、ブタン−1,1−ジイル、ブタン−1,2−ジイル、ブタン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ブタン−2,2−ジイル、ブタン−2,3−ジイル、1,1−ジエチルエタン−1,2−ジイル、シクロプロパン−1,1−ジイル又はシクロプロパン−1,2−ジイルを表し、
Yは酸素又は硫黄を表し、及び
は酸素、硫黄又はN−R7aを表す(但し、
7aは水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)。〕
で示される化合物を提供する。
【0015】
同様に、本発明は、好ましくは式(Ib)
【0016】
【化15】

〔式中、
A、R、R、R、R、R及びYは、式(Ia)でA、R、R、R、R、R及びYについて好ましいと述べた定義と同じように定義した通りであり、
4bは水素、弗素、塩素、臭素、シアノ、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、アリル、プロパルギル又はトリフルオロメチルを表し、
は酸素、硫黄又はN−R7bを表す(但し、
7bはメチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)。〕
で示される化合物を提供する。
【0017】
本発明は、さらにまた、好ましくは式(Ic)
【0018】
【化16】

〔式中、
A、R、R、R、R、R及びYは、式(Ia)でA、R、R、R、R、R及びYについて好ましいと述べた定義と同じように定義した通りであり、
4cは水素、弗素、塩素、臭素、シアノ、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、アリル、プロパルギル又はトリフルオロメチルを表し、
は酸素、硫黄又はN−R7cを表す(但し、
7cは水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)。〕
で示される化合物を提供する。
【0019】
本発明は、さらにまた、好ましくは式(Id)
【0020】
【化17】

〔式中、
A、R、R、R、R、R及びYは、式(Ia)でA、R、R、R、R、R及びYについて好ましいと述べた定義と同じように定義した通りであり、
4dは水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表し、
は酸素、硫黄又はN−R7dを表す(但し、
7dはメチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す)〕
で示される化合物を提供する。
【0021】
本発明は、さらにまた、好ましくは式(Ie)
【0022】
【化18】

〔式中、
A、R、R、R、R、R及びYは、式(Ia)でA、R、R、R、R、R及びYについて好ましいと述べた定義と同じように定義した通りであり、
は酸素、硫黄又はN−R7eを表す(但し、
7eは水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)。〕
で示される化合物を提供する。
【0023】
本発明は、さらにまた、好ましくは式(If)
【0024】
【化19】

〔式中、
A、R、R、R、R、R及びYは、式(Ia)でA、R、R、R、R、R及びYについて好ましいと述べた定義と同じように定義した通りであり、
は酸素、硫黄又はN−R7fを表す(但し、
7fは水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)。〕
で示される化合物を提供する。
【0025】
本発明は、さらにまた、好ましくは式(Ig)
【0026】
【化20】

〔式中、
A、R、R、R、R、R及びYは、式(Ia)でA、R、R、R、R、R及びYについて好ましいと述べた定義と同じように定義した通りであり、
は酸素、硫黄又はN−R7gを表す(但し、
7gはメチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)。〕
で示される化合物を提供する。
【0027】
式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)、(If)、(Ig)において、A、R、R、R、R、R及びYは、次の特に好ましい意味を有する:
、R及びRは、同一であるか又は異なり、互いに独立して、特に好ましくは、水素、弗素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、メトキシ、エトキシ、n−もしくはi−プロポキシ、メチルチオ、エチルチオ、n−もしくはi−プロピルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メチルスルホニル又はエチルスルホニル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロクロロメトキシ、トリフルオロエトキシ、ジフルオロメチルチオ、ジフルオロクロロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルスルフィニル又はトリフルオロメチルスルホニル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アセチル、プロピオニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヒドロキシイミノメチル、ヒドロキシイミノエチル、メトキシイミノメチル、エトキシイミノメチル、メトキシイミノエチル又はエトキシイミノエチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表すか、又は
とRは、これらを結合している炭素原子と一緒になって5又は6員炭素環を形成する。
【0028】
、R及びRは、同時に水素を表さないものとする。
【0029】
Aは、特に好ましくは、メタンジイル、エタン−1,1−ジイル、エタン−1,2−ジイル、プロパン−1,1−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル又はプロパン−2,2−ジイルを表す。
【0030】
Yは、特に好ましくは、酸素又は硫黄を表す。
【0031】
及びRは、同一であるか又は異なり、互いに独立して、特に好ましくは、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、アリル、メチルアリル、クロトニル、プロピニル又はブチニル又はシアノメチルを表す。
【0032】
式(Ia)において、
4aは、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ヘプチル、トリフルオロメチル、塩素又はシアノを表し、及び
は、特に好ましくは、酸素、硫黄又はN−R7aを表す(但し、
7aは、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)。
【0033】
式(Ib)において、
4bは、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、トリフルオロメチル、塩素又はシアノを表し、及び
は、特に好ましくは、酸素、硫黄又はN−R7bを表す(但し、
7bは、特に好ましくは、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)。
【0034】
式(Ic)において、
4cは、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ヘプチル、トリフルオロメチル、塩素又はシアノを表し、及び
は、特に好ましくは、酸素、硫黄又はN−R7cを表す(但し、
7cは、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)。
【0035】
式(Id)において、
4dは、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ヘプチル、トリフルオロメチル、塩素又はシアノを表し、及び
は、特に好ましくは、酸素、硫黄又はN−R7dを表す(但し、
7dは、特に好ましくは、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)。
【0036】
式(Ie)において、
は、特に好ましくは、酸素、硫黄又はN−R7eを表す(但し、
7eは、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す)。
【0037】
式(If)において、
は、特に好ましくは、酸素、硫黄又はN−R7fを表す(但し、
7fは、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)。
【0038】
式(Ig)において、
は、特に好ましくは、酸素、硫黄又はN−R7gを表す(但し、
7gは、特に好ましくは、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)。
【0039】
前記に示した一般的な基又は好ましい基の定義は、式(I)で示される最終生成物と、同様にいずれの場合にも製造に必要とされる出発原料又は中間体との両方に適用される。
【0040】
これらの基について、種々の基の具体的な組み合わせ又は好ましい組み合わせにおいて具体的に示した基の定義は、それぞれの示した組み合わせと関係なく、別の好ましい範囲の基の定義で置換される。
【0041】
最後に、式(I)で示されるアミドが、
a)一般式(II)
【0042】
【化21】

(式中、
、R、R及びRは、前記で定義した通りであり、Tはヒドロキシ、ハロゲン又はアルコキシを表す。)
で示されるカルボン酸誘導体を、一般式(III)
【0043】
【化22】

(式中、
、R及びAは、前記で定義した通りである。)
で示されるアミン又はこの酸付加複合体と、適切ならば酸受容体の存在下で、適切ならば縮合剤の存在下で、適切ならば触媒の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させると得られるか、又は
b)Yが酸素である場合の式(I)で示されるアミドを、硫化剤と、適切ならば希釈剤の存在下で反応させると得られることが見出された。
【0044】
例えば、出発原料として3−(4−クロロフェニル)−5−メチルイソオキサゾール−4−カルボニルクロリドと(4−エトキシ−3−メトキシベンジル)アミンを使用すると、本発明の方法(a)の経路は、下記の式のスキームで説明することができる:
【0045】
【化23】

【0046】
式(II)は、本発明の方法a)を実施するための出発原料として必要なカルボン酸誘導体の一般的な定義を提供する。この式(II)において、R、R、R及びRは、好ましくは及び特に、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連してR、R、R及びRはについて好ましい及び特に好ましいとそれぞれ既に述べてある意味を有する;Tは、好ましくは1から4個の炭素原子を有するアルコキシ、特にメトキシ又はエトキシを表すか、ヒドロキシ又は塩素を表す。
【0047】
式(II)で示される出発原料は、公知である及び/又はそれ自体公知の方法で製造することができる〔例えば、J.Org.Chem.27(1962)4305;L.Chem.Soc.(1963)5838;J.Chem.Soc.(1963)5845;Chem.Ber.106,3275(1973);米国特許第3,479,365号明細書;米国特許第3,551,440号明細書;J.Org.Chem.(1967)32(10)3132;Tetrahedron 25,(1969),389;Synthetic Com.(1987),17(2),165;欧州特許第352581号明細書;欧州特許第352581号明細書;欧州特許第1186598号明細書;Bioor. & Medicinal Chem.Lett.,11(5),641(2001);特開2001−1011060号明細書;特開2001−1011059号明細書;欧州特許第352581号明細書;Tet.Lett.23(2),235(1982);J.of Org.Chem.55(13),4011(1990);欧州特許第352581号明細書;欧州特許第3252581号明細書;Synthesis,(1),64(1996);英国特許第1,058,384号明細書;米国特許第3,257,411号明細書;J.Am.Chem.Soc.(1969),89(21),5462;J.Org.Chem.(1967),27,4305;米国特許第4,380,465号明細書;Chem.Ber.105,(1972)196;Tetrahedron Letters 17,(1971),1281;国際公開第WO95/04724号明細書;スイス国特許第502365号明細書;欧州特許第785193号明細書;Heterocycles(2000),53(1),159;Aust.J.Chem.(1994),47,1375;Bulletin des Soc.Chim.Belges(1996),105(1),33;Bulletin des Soc.Chim.Belges(1996),105(4),189参照〕。
【0048】
式(III)は、本発明の方法a)を実施するために出発原料としてさらに必要なアミンの一般的な定義を提供する。この式(III)において、A、R及びRは、好ましくは及び特に、本発明の化合物の説明に関連して、R及びRについて好ましい及び特に好ましいとそれぞれ既に述べてある意味を有する。
【0049】
式(III)で示されるアミンの幾つかは、合成用の公知の有機化学物質である及び/又はそれ自体公知の方法で製造することができる。
【0050】
式(III−a)
【0051】
【化24】

(式中、
A及びRは前記で定義した通りであり、Rはアリル、プロパルギル、2−ブチニル又はシアノメチルを表す。)
及び式(III−b)
【0052】
【化25】

(式中、
A及びRは前記で定義した通りであり、Rはアリル、プロパルギル、2−ブチニル又はシアノメチルを表す。)
で示されるアミンは、新規であり、本発明の主題の一部である。
【0053】
式(III−a)及び式(III−b)で示されるアミンは、一般式(IV−a)
【0054】
【化26】

(式中、
A及びRは前記で定義した通りである。)
で示されるヒドロキシル化合物又は一般式(IV−b)
【0055】
【化27】

(式中、
A及びRは前記で定義した通りである。)
で示されるヒドロキシル化合物を、塩化アリル、臭化アリル又は塩化プロパルギル、臭化プロパルギル又はヨウ化プロパルギル、塩化2−ブチニル、臭化2−ブチニル又はヨウ化2−ブチニル、又はクロロアセトニトリル、ブロモアセトニトリル又はヨウ化アセトニトリルと、適切ならば例えばアセトニトリルのような希釈剤の存在下で、及び適切ならば例えば炭酸カリウムのような酸受容体の存在下で反応させると得られる。
【0056】
アルキル化に先立って、式(IV−a)及び(IV−b)で示される化合物のアミノ基には、適切ならば、慣用の方法を使用して例えばt−ブトキシカルボニルのようなアミンに慣用の保護基が提供される。このようにして、式(IV−a)又は(IV−b
【0057】
【化28】

(式中、
及びRは前記で定義した通りであり、PGは保護基を表す。)
で示される化合物が形成される。
【0058】
式(III−a)又は(III−b
【0059】
【化29】

(式中、
、R、PG、並びにR及びRは、前記で定義した通りである。)
で示される化合物を最初に生成するアルキル化反応の後に、保護基を慣用の方法を使用して再度除去する(製造例も参照)。
【0060】
例えば、出発原料として4−(アミノメチル)−2−メトキシフェノールと臭化アリルを使用すると、本発明の方法c)の経路は、下記の式のスキームで説明することができる。
【0061】
【化30】

【0062】
式(IV−a)は、本発明の方法c)を実施するための出発原料として必要なヒドロキシル化合物の一般的な定義を提供する。この式(IV−a)において、Rは、好ましくは及び特に、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、Rについて好ましい及び特に好ましいとそれぞれ既に述べてある意味を有する。
【0063】
式(IV−a)のヒドロキシル化合物は、市販の合成用化学物質であるか又は公知の方法で製造することができる〔例えば、J.Chem.Soc.127(1925)560及びJ.Amer.Chem.Soc.72(1950),2781;特開平11−130739号明細書又はドイツ国特許19958165号明細書参照〕。
【0064】
式(IV−b)は、本発明の方法c)を実施するための別の出発原料として必要なヒドロキシル化合物の一般的な定義を提供する。この式(IV−b)において、Rは、好ましくは及び特に、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、Rについて好ましい及び特に好ましいとそれぞれ既に述べてある意味を有する。
【0065】
式(IV−b)で示されるヒドロキシル化合物は、市販の合成用化学物質であるか又は公知の方法で得ることができる〔例えば、ドイツ特許出願公開第4322065号明細書;J.Org.Chem.,53(5),1064−71(1988);Synth.Comm.7(1),71−8(1977)参照〕。
【0066】
本発明の方法c)を実施するための出発原料としてさらに必要な化合物、塩化アリル、臭化アリル又はヨウ化アリル、塩化プロパルギル、臭化プロパルギル又はヨウ化プロパルギル、塩化2−ブチニル、臭化2−ブチニル又はヨウ化2−ブチニル、又はクロロアセトニトリル、ブロモアセトニトリル又はヨードアセトニトリルは、一般的な慣用の合成用化学物質である。
【0067】
例えば、出発原料として3−(4−クロロフェニル)−N−(4−エトキシ−3−メトキシベンジル)−5−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミドと五硫化リンを使用すると、本発明の方法b)の経路は、下記の式のスキームで説明することができる。
【0068】
【化31】

【0069】
本発明の方法b)を実施するための出発原料として必要なアミドは、本発明の化合物であり、本発明の方法a)に従って得ることができる。
【0070】
本発明の方法b)を実施するのに適した加硫化剤は、炭素に結合した酸素原子を硫黄原子に交換することができる全ての試薬、例えば硫化水素、五硫化リン又はローソン(Lawesson)試薬である。
【0071】
硫化水素、五硫化リン又はローソン(Lawesson)試薬は、市販の合成用化学物質である。
【0072】
本発明の方法a)は、適切ならば、希釈剤の存在下で実施される。適切な希釈剤は、水及び有機溶媒である。これらの希釈剤としては、特に脂肪族、脂環式又は芳香族の場合によってハロゲン置換されていてもよい炭化水素、例えばベンジン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン又はエチレングリコールジメチルエーテルもしくはエチレングリコールジエチルエーテル;ケトン類、例えばアセトン、ブタノン又はメチルイソブチルケトン;ニトリル類、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;エステル類、例えば酢酸メチル又は酢酸エチル、スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド、アルコール類、例えばメタノール、エタノール、n−もしくはi−プロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、これらと水又は純水との混合物が挙げられる。
【0073】
本発明の方法a)は、適切ならば、適切な酸受容体の存在下で実施される。適切な酸受容体は、全ての慣用の無機及び有機塩基である。これらの無機及び有機塩基としては、例えばアルカリ土類金属又はアルカリ金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコキシド、酢酸塩、炭酸塩又は炭酸水素塩、例えば水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸アンモニウム、及び三級アミン、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)が挙げられる。
【0074】
本発明の方法a)は、適切ならば、適切な縮合剤の存在下で実施される。適切な縮合剤は、このようなアミド化反応に慣用される全ての縮合剤である。前記の酸ハロゲン化物、例えばホスゲン、三臭化リン、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン又は塩化チオニル;前記の酸無水物、例えばクロロギ酸エチル、クロロギ酸メチル、クロロギ酸イソブチル又はメタンスルホニルクロリド;カルボジイミド、例えばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、又は他の慣用の縮合剤、例えば五酸化リン、ポリリン酸、N,N’−カルボニル−ジイミダゾール、2−エトキシ−N−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)又はトリフェニルホスフィン/四塩化炭素を、例として挙げ得る。
【0075】
本発明の方法a)は、適切ならば、触媒の存在下で実施される。4−ジメチルアミノピリジン、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール又はジメチルホルムアミドを、例として挙げ得る。
【0076】
本発明の方法a)を実施する場合には、反応温度は、比較的広い範囲の中で変化させることができる。一般に、該方法は−50℃から+150℃、好ましくは−20℃から150℃の間の温度で実施される。
【0077】
本発明の方法a)を実施する場合には、式(II)で示されるカルボン酸誘導体1モル当たり、アミンを一般的には1から5モル、好ましくは1.0から2.5モル使用する。
【0078】
本発明の方法a)は、2工程法で実施することもできる。この場合は、一般式(II)で示されるカルボン酸誘導体を、最初に活性化された形に転化させ、次の工程で一般式(III)で示されるアミンと反応させて、本発明の一般式(I)で示されるアミドを得る。
【0079】
一般式(II)で示されるカルボン酸誘導体の適切な活性化された形は、全てのカルボキシ活性化誘導体、例えば酸ハロゲン化物、好ましくは酸塩化物、酸アジド、さらにまた対称及び混成酸無水物、例えば混成o−アルキルカルボン酸無水物、さらにまた活性化エステル、例えばp−ニトロフェニルエステル又はN−ヒドロキシコハク酸イミドエステル、及び縮合剤との付加物、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド又はカルボン酸のインサイチュで生成させた活性化された形である。
【0080】
本発明の方法b)を実施するのに適した希釈剤は、全ての不活性有機溶媒である。不活性有機溶媒としては、好ましくは脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素、例えば石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;ハロゲン化炭化水素、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシメタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソールが挙げられる。
【0081】
本発明の方法b)を実施する場合には、反応温度は、比較的広い範囲の中で変化させることができる。一般に、該方法は0℃から150℃の温度、好ましくは0℃から80℃の温度で実施される。
【0082】
式(I)で示される本発明の化合物を製造するために本発明の方法b)を実施する場合には、式中のYが酸素である場合の式(I)で示されるアミド1モル当たり、加硫化剤を一般的には0.1から15モル、好ましくは0.5から8モル使用する。
【0083】
反応の実施並びに後処理及び反応生成物の単離は、公知の方法で実施される(製造例も参照)。
【0084】
本発明の方法は、一般的に常圧下で実施される。しかし、加圧下又は減圧下で、一般的には0.1から10バールで操作することもできる。
【0085】
反応の実施並びに後処理及び反応生成物の単離は、公知の方法で実施される
本発明の化合物は、強い殺菌活性を有し、作物の保護及び種々の物質の保護において、真菌類及び細菌類などの望ましくない微生物の防除に使用できる。
【0086】
殺菌剤すなわち殺真菌剤は、作物保護においてネコブカビ類(Plasmodiophoromycetes)、卵菌類(Oomycetes)、ツボカビ類(Chytridiomycetes)、接合菌類(Zygomycetes)、子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)及び不完全菌類(Deuteromycetes)を防除するのに使用できる。
【0087】
殺細菌剤は、作物保護においてシュードモナス科(Pseudomonadaceae)、リゾビウム科(Rhizobiaceae)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、コリネバクテリウム科(Corynebacteriaceae)及びストレプトマイセス科(Streptomycetaceae)の細菌を防除するのに使用できる。
【0088】
真菌性及び細菌性の病気を引き起こすある種の病原体であって前記に挙げた一般的名称に入る病原体を例として挙げ得るが、これらに限定されるものではない:
キサントモナス(Xanthomonas)種、例えばイネ白葉枯病菌(Xanthomonas campestris pv. oryzae);
シュードモナス(Pseudomonas)種、例えばウリ科植物の斑点細菌病菌(Pseudomonas syringae pv. lachrymans);
エルウィニア(Erwinia)種、例えば火傷病菌(Erwinia amylovora);
ピシウム(Pythium)種、例えば苗腐病菌(Pythium ultimum);
フィトホトラ(Phytophothora)種、例えばトマト、ジャガイモの疫病菌(Phytophthora infestans);
ニセツユカビ(Pseudoperonospora)種、例えばホップ疫病菌(Pseudoperonospora humuli)又はウリ科植物のべと病菌(Pseudoperonospora cubensis);
タンジクツユカビ(Plasmopara)種、例えばブドウのべと病菌(Plasmopara viticola);
ブレミア(Bremia)種、例えばレタスべと病菌(Bremia lactucae);
ツユカビ(Peronospora)種、例えばエンドウべと病菌(Peronospora pisi)又はナタネべと病菌(P. brassicae);
ウドンコカビ(Erysiphe)種、例えばオオムギうどんこ病菌(Erysiphe graminis);
スファエロセカ(Sphaerotheca)種、例えばうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea);
ポドスフェラ(Podosphaera)種、例えばリンゴうどんこ病菌(Podosphaera leucotricha);
ベンツリア(Venturia)種、例えばリンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis);
ピレノホーラ(Pyrenophora)種、例えばオオムギの網斑病菌(Pyrenophora teres)又は斑葉病菌(P.graminea)〔分生胞子体:Drechslera属菌、syn:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)属菌〕;
コクリオボルス(Cochliobolus)種、例えばムギ類斑点病菌(Cochliobolus sativus)〔分生胞子体:Drechslera属菌、syn:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)属菌〕;
ウロミケス(Uromyces)種、例えばマメ類さび病菌(Uromyces appendiculatus);
プクキニア(Puccinia)種、例えばコムギ、ライムギの赤さび病菌(Puccinia recondita);
スクレロチニア(Sclerotinia)種、例えば菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum);
チレチア(Tilletia)種、例えばコムギなまぐさ黒穂病菌(Tilletia caries);
クロボキン(Ustilago)種、例えばオオムギ裸黒穂病菌(Ustilago nuda)又はエンバク裸黒穂病菌(Ustilago avenae);
ペリキュラリア(Pellicularia)種、例えばイネ紋枯病菌(Pellicularia sasakii);
ピリキュラリア(Pyricularia)種、例えばイネいもち病菌(Pyricularia oryzae);
フザリウム(Fusarium)種、例えばフザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum);
ボトリチス(Botrytis)種、例えば灰色かび病菌(Botrytis cinerea);
セプトリア(Septoria)種、例えばコムギふ枯病菌(Septoria nodorum);
レプトスフェリア(Leptosphaeria)種、例えばコムギふ枯病菌(Leptosphaeria nodorum);
セルコスポラ(Cercospora)種、例えば褐斑病菌(Cercospora canescens);
アルタナリア(Alternaria)種、例えばナタネ黒斑病(Alternaria brassicae);及び
シュードセルコスポレラ(Pseudocercosporella)種、例えばコムギ眼紋病菌(Pseudocercosporella herpotrichoides)。
【0089】
本発明の活性化合物はまた、植物において強力な強化作用も示す。従って、本発明の活性化合物は、望ましくない微生物による攻撃に対して植物の内部防御を結集するのに適している。
【0090】
本明細書において、植物強化(抵抗性誘導)化合物とは、処理植物がこの後に望ましくない微生物を接種された場合にこれらの微生物に対して実質的な抵抗性を示すように植物の防御系を刺激することができる物質を意味すると理解されるべきである。
【0091】
この場合に、望ましくない微生物とは、植物病原性の真菌、細菌及びウイルスを意味すると理解されるべきである。従って、本発明の化合物は、処理後のある一定の期間内、前記の病原体による攻撃から植物を保護するのに使用できる。この保護が達成される期間は、一般に活性化合物による植物の処理後1から10日間、好ましくは1から7日間に及ぶ。
【0092】
活性化合物が植物の病気を防除するのに必要な濃度で植物に十分に許容されるということは、植物の地上部分、繁殖ストック及び種子、並びに土壌の処理を可能にする。
【0093】
本発明の活性化合物は、ブドウ栽培において及び果樹及び野菜の栽培において病害、例えばアルタナリア(Alternaria)種、疫病菌(Phytophothora)種及びタンジクツユカビ(Plasmopara)種の防除に特に良い結果を伴って使用できる。
【0094】
本発明の活性化合物はまた、作物の収量を高めるのに適している。また、本発明の活性化合物は低下した毒性を示し、植物に十分に許容される。
【0095】
適切ならば、本発明の活性化合物は、ある一定の濃度及び施用量で、除草剤として植物の生長を調節するために及び動物害虫を防除するために使用することもできる。適切ならば、本発明の活性化合物はまた、別の活性化合物の合成において中間体及び前駆物質としても使用することもできる。
【0096】
本発明によれば、全ての植物及び植物部分を処理することができる。植物とは、本明細書では全ての植物及び植物群、例えば望ましい及び望ましくない野生植物又は作物植物(天然産の作物植物を含む)を意味すると理解されるべきである。作物植物は、慣用の育種法及び最適化法によって又はバイオテクノロジー法及び遺伝子工学法によって、又はこれらの方法の組み合わせによって得ることができる植物、例えばトランスジェニック植物であることができ、また例えば植物育種家法によって保護できる又は保護できない植物変種であることができる。植物の部分とは、植物の全ての地上部分及び地下部分並びに器官、例えば新芽、葉、花及び根を意味すると理解されるべきであり、この挙げ得る例は、葉、針状葉、茎、幹、花、子実体、果実及び種子、並びに根、塊茎及び地下茎である。また、植物部分としては、収穫物並びに栄養及び生殖繁殖材料、例えば苗木、塊茎、地下茎、短匐枝及び種子が挙げられる。
【0097】
活性化合物を用いた本発明による植物及び植物部分の処理は、直接に行うか又は植物及び植物部分の周囲、生育環境又は貯蔵領域に慣用の処理方法により、例えば浸漬、噴霧、蒸発、燻煙、散布、塗布により作用させることによって行い、また繁殖材料の場合、特に種子の場合には一つ又はそれ以上の被覆を施すことによって行う。
【0098】
材料の保護において、本発明の化合物は、望ましくない微生物による感染及び破壊から産業資材を保護するのに使用できる。
【0099】
本明細書において産業資材とは、産業で使用するために製造された非生物材料を意味すると理解される。例えば、本発明の活性化合物によって微生物による変質又は破壊から保護すべきことを目的とする産業資材は、接着剤、糊、紙及び厚紙、織物、皮革、木材、塗料及びプラスチック製品、冷却用潤滑剤、並びに微生物が感染又は破壊し得る他の材料であり得る。微生物の増殖によって損なわれるかもしれない製造プラントの部品、例えば冷却水循環路もまた、保護すべき材料の範囲内に挙げ得る。本発明の範囲内に挙げ得る産業資材は、接着剤、糊、紙及び厚紙、皮革、木材、塗料、冷却用潤滑剤並びに熱媒液であることが好ましく、木材であることが特に好ましい。
【0100】
挙げ得る産業資材を分解又は変質させ得る微生物は、例えば細菌、真菌(カビ菌)、酵母、藻類及びスライム生物である。本発明の活性化合物は、真菌、特に糸状菌、木材変色菌及び木材腐朽菌(担子菌類)に対して及びスライム生物及び藻類に対して作用することが好ましい。
【0101】
下記の属の微生物を例として挙げ得る:
アルタナリア属(Alternaria)、例えばアルタナリア・テヌイス(Alternaria tenuis)、
アスペルギルス属(Aspergillus)、例えばアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、
ケトミウム属(Chaetomium)、例えばケトミウム・グロボーサム(Chaetomium globosum)、
コニオホーラ(Coniophora)属、例えばコニオホーラ・プエタナ(Coniophora puetana)、
レンティナス(Lentinus)属、例えばレンティナス・チグリヌス(Lentinus tigrinus)、
ペニシリウム(Penicillium)属、例えばペニシリウム・グラウクム(Penicillium glaucum)、
ポリポルス(Polyporus)属、例えばポリポルス・バージカラー(Polyporus versicolor)、
アウレオバシジウム(Aureobasidium)属、例えばアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、
スクレロフォーマ(Sclerophoma)属、例えばスクレロフォーマ・ピティオフィラ(Sclerophoma pityophila)、
トリコデルマ(Trichoderma)属、例えばトリコデルマ・ヴィリデ(Trichoderma viride)、
エシェリキア(Escherichia)属、例えば大腸菌(Escherichia coli)、
シュードモナス(Pseudomonas)属、例えば緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、
ブドウ球菌(Staphylococcus)属、例えば黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)。
【0102】
本発明の活性化合物は、この個々の物理的性質及び/又は化学的性質に応じて、慣用の製剤、例えば液剤、乳剤、懸濁剤、粉剤、発泡剤、ペースト剤、粒剤、エーロゾル剤並びに高分子物質及び種子用被覆組成物中の微細カプセル剤に変えることができ、またULV冷却及び加熱煙霧製剤に変えることができる。
【0103】
これらの製剤は、公知の方法で、例えば活性化合物を増量剤、すなわち液状溶媒、加圧液化ガス及び/又は固形担体と、場合によっては界面活性剤、すなわち乳化剤及び/又は分散剤、及び/又は気泡形成剤を用いて混合することにより製造される。使用する増量剤が水である場合には、例えば有機溶媒を補助溶媒として使用することも可能である。本質的に、適切な液状溶媒は、芳香族炭化水素、例えばキシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類、塩素化芳香族炭化水素又は塩素化脂肪族炭化水素、例えばクロロベンゼン類、クロロエチレン類又は塩化メチレン、脂肪族炭化水素、例えばシクロヘキサン又はパラフィン類、例えば石油留分、アルコール類、例えばブタノール又はグリコール及びこれらのエーテル類及びエステル類、ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えばジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシド、又は水である。液化ガス状増量剤又は担体とは、標準温度及び大気圧下でガス状の液体、例えばエーロゾル噴射剤、例えばハロゲン化炭化水素又はブタン、プロパン、窒素及び二酸化炭素を意味すると理解されるべきである。適切な固形担体は、例えば粉砕天然鉱物、例えばカオリン、粘土、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又はケイソウ土、並びに粉砕合成鉱物、例えば微細シリカ、アルミナ及びケイ酸塩である。粒剤に適した固形担体は、例えば破砕及び分別天然石、例えば方解石、軽石、大理石、海泡石及びドロマイトであるか、又は無機及び有機粉末の合成顆粒、並びに有機材料例えばおが屑、ヤシ殻、トウモロコシの穂軸及びタバコの茎の顆粒である。適切な乳化剤及び/又は気泡形成剤は、例えば非イオン性乳化剤及び陰イオン性乳化剤、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、例えばアルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アリールスルホン酸塩類、又はタンパク質加水分解生成物である。適切な分散剤は、例えばリグノ亜硫酸塩廃液及びメチルセルロースである。
【0104】
粘着付与剤、例えばカルボキシメチルセルロース並びに粉末状、顆粒状又はラテックス状の天然及び合成重合体、例えばアラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、又は天然リン脂質、例えばセファリン類及びレシチン類並びに合成リン脂質が前記の製剤に使用できる。他の可能な添加剤は、鉱油及び植物油である。
【0105】
着色剤、例えば無機顔料、例えば酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー、並びに有機染料、例えばアリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに微量栄養素、例えば鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン及び亜鉛の塩を使用できる。
【0106】
前記の製剤は、一般に活性化合物を0.1から95重量%、好ましくは0.5から90重量%含有する。
【0107】
本発明の活性化合物は、そのままで又は製剤で使用できるし、又は公知の殺菌剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤又は殺虫剤との混合物として使用して、例えば活性スペクトルを広げるか又は抵抗性の発現を防止することができる。多くの場合、相乗効果が得られる、すなわち混合物の活性がこの個々の成分の活性よりも高い。
【0108】
適切な混合成分は、例えば、下記の化合物である:
殺菌剤:
2−フェニルフェノール;8−ヒドロキシキノリンサルフェート;アシベンゾラル−S−メチル;アルジモルフ;アミドフルメト;アムプロピルホス;アムプロピルホス・カリウム;アンドプリム(andoprim);アニラジン;アザコナゾール;アゾキシストロビン;ベナラキシル;ベナラキシルM;ベノダニル;ベノミル;ベンチアバリカルブ・イソプロピル;ベンザマクリル;ベンザマクリル・イソブチル;ビラナホス;ビナパクリル;ビフェニル;ビテルタノール;ブラストサイジン・S;ホスカリド;ブロムコナゾール;ブピリメート;ブチオベート;ブチルアミン;多硫化石灰;カプシマイシン(capsimycin);カプタホール;キャプタン;カルベンダジム;カルボキシン;カルプロパミド;カルボン;キノメチオナート;クロベンチアゾン;クロルフェナゾール;クロロネブ;クロロタロニル;クロゾリネート;クロジラコン;シアゾファミド;シフルフェナミド;シモキサニル;シプロコナゾール;シプロジニル;シプロフラム;Dagger G;デバカルブ;ジクロフルアニド;ジクロン;ジクロロフェン;ジクロシメット;ジクロメジン;ジクロラン;ジエトフェンカルブ;ジフェノコナゾール;ジフルメトリム;ジメチリモール;ジメトモルフ;ジモキシストロビン;ジニコナゾール;ジニコナゾール−M;ジノカップ;ジフェニルアミン;ジピリチオン;ジタリムホス;ジチアノン;ドジン;ドラゾキソロン;エジフェンホス;エポキシコナゾール;エタボキサム;エチリモール;エトリジアゾール;ファモキサドン;フェナミドン;フェナパニル;フェナリモール;フェンブコナゾール;フェンフラム;フェンヘキサミド;フェニトロパン;フェノキサニル;フェンピクロニル;フェンプロピジン;フェンプロピモルフ;ファーバム;フルアジナム;フルベンジミン;フルジオキソニル;フルメトオーバー(flumetover);フルモルフ(flumorph);フルオロミド;フルオキサストロビン(fluoxastrobin);フルキンコナゾール;フルルプリミドール;フルシラゾール;フルスルファミド;フルトラニル;フルトリアホール;フォルペット;ホセチル・アルミニウム;ホセチル・ナトリウム;フベリダゾール;フララキシル;フラメトピル;フルカルバニル;フルメシクロックス;グアザチン;ヘキサクロロベンゼン;ヘキサコナゾール;ヒメキサゾール;イマザリル;イミベンコナゾール;イミノクタジン三酢酸塩;イミノクタジン三アルベシル酸塩;ヨードカルブ;イプコナゾール;イプロベンホス;イプロジオン;イプロバリカルブ;イルママイシン;イソプロチオラン;イソバレジオン;カスガマイシン;クレソキシム・メチル;マンコゼブ;マネブ;メフェリムゾン;メパニピリム;メプロニル;メタラキシル;メタラキシル・M;メトコナゾール;メタスルホカルブ;メトフロキサム;メチラム;メトミノストロビン;メトスルホバックス(metsulfovax);ミルディオマイシン;マイクロブタニル;マイクロゾリン;ナタマイシン;ニコビフェン(nicobifen);ニトロタル・イソプロピル;ノビフルムロン;ヌアリモール;オフレース;オリサストロビン;オキサジキシル;オキソリン酸;オキソポコナゾール;オキシカルボキシン;オキシフェンチイン(oxyfenthiin);パクロブトラゾール;ペフラゾエート;ペンコナゾール;ペンシクロン;ホスダイフェン;フサライド;ピコシキストロビン;ピペラリン;ポリオキシン類;ポリオキソリム(polyoxorim);プロベナゾール;プロクロラズ;プロシミドン;プロパモカルブ;プロパノシン(propanosine)・ナトリウム;プロピコナゾール;プロピネブ;プロキナジッド(proquinazid);プロチオコナゾール;ピラクロストロビン;ピラゾホス;ピリフェノックス;ピリメタニル;ピロキロン;ピロキシフル;ピロールニトリン;キンコナゾール;キノキシフェン;キントゼン;シメコナゾール;スピロキサミン;硫黄;テブコナゾール;テクロフタラム;テクナゼン;テトシクラシス;テトラコナゾール;チアベンダゾール;チシオフェン(thicyofen);チフルザミド;チオファネート・メチル;チラム;チオキシミド;トルクロホス・メチル;トリルフルアニド;トリアジメホン;トリアジメノール;トリアズブチル;トリアゾキシド;トリシクラミド;トリシクラゾール;トリデモルフ;トリフロキシストロビン;トリフルミゾール;トリホリン;トリチコナゾール;ウニコナゾール;バリダマイシンA;ビンクロゾリン;ジネブ;ジラム;ゾキサミド;(2S)−N−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド;1−(1−ナフタレニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン;2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン;2−アミノ−4−メチル−N−フェニル−5−チアゾールカルボキサミド;2−クロロ−N−(2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−4−イル)−3−ピリジンカルボキサミド;3,4,5−トリクロロ−2,6−ピリジンジカルボニトリル;アクチノベート(actinovate);シス−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)シクロヘプタノール;1−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル;炭酸水素カリウム;N−(6−メトキシ−3−ピリジニル)−シクロプロパンカルボキサミド;N−ブチル−8−(1,1−ジメチルエチル)−1−オキサスピロ[4.5]デカン−3−アミン;テトラチオカルボン酸ナトリウム;
並びに銅塩及び銅製剤、例えばボルドー液;水酸化銅;ナフテン酸銅;オキシ塩化銅;硫酸銅;クフラネブ;亜酸化銅;マンカッパー;オキシン銅。
殺細菌剤:
ブロモポール、ジクロロフェン、ニトラピリン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、カスガマイシン、オクチリノン、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム、硫酸銅及び他の銅製剤。
殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤:
1.アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害剤
1.1 カーバメート類〔例えば、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アリキシカルブ、アミノカルブ、アザメチホス、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、ブフェンカルブ、ブタカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、クロエトカルブ、クマホス、シアノフェンホス、シアノホス、ジメチラン、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、ホルメタネート、フラチオカルブ、イソプロカルブ、メタム・ナトリウム、メチオカルブ、メソミル、メトルカルブ、オキサミル、ピリミカーブ、プロメカルブ、プロポキスル、チオジカルブ、チオファノックス、トリアザメート、トリメタカルブ、XMC、キシリルカルブ〕
1.2 有機リン酸エステル(例えば、アセフェート、アザメチホス、アジンホス(−メチル、−エチル)、ブロモホス・エチル、ブロムフェンビンホス(−メチル)、ブタチオホス、カズサホス、カルボフェノチオン、クロルエトキシホス、クロルフェンビンホス、クロルメホス、クロルピリホス(−メチル、−エチル)、クマホス、シアノフェンホス、シアノホス、クロルフェンビンホス、ジメトン−S−メチル、ジメトン−S−メチルスルホン、ジアリホス、ダイアジノン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス/DDVP、ジクロトホス、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジオキサベンゾホス、ジスルホトン、EPN、エチオン、エトプロホス、エトリムホス、ファムフル、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フルピラゾホス、ホノホス、ホルモチオン、ホスメチラン、ホスチアゼート、ヘプテノホス、ヨードフェンホス、イプロベンホス、イサゾホス、イソフェンホス、o−サリチル酸イソプロピル、イソキサチオン、マラチオン、メカルバム、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メビンホス、モノクロトホス、ナレッド、オメトエート、オキシジメトン・メチル、パラチオン(−メチル、−エチル)、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホスホカルブ、ホキシム、ピリミホス(−メチル、−エチル)、プロフェノホス、プロパホス、プロペタムホス、プロチオホス、プロトエート、ピラクロホス、ピリダフェンチオン、ピリダチオン、キナルホス、ブチルフォス、スルホテップ、スルプロホス、テブピリムホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、チオメトン、トリアゾホス、トリクロルホン、バミドチオン〕
2.ナトリウムチャネルモジュレーター/電位依存性ナトリウムチャネル遮断剤
2.1 ピレスロイド〔例えば、アクリナトリン、アレスリン(d−シス−トランス、d−トランス)、β−シフルトリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、ビオアレスリン−S−シクロペンチル−異性体、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、クロベパトリン(chlovaporthrin)、シス−シペルメトリン、シス−レスメトリン、シス−ペルメトリン、クロシトリン(clocythrin)、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン(α−、β−、θ−、ζ−)、シフェノトリン、DDT、デルタメトリン、エンペントリン(IR−異性体)、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンフルトリン、フェンプロパトリン、フェンピリトリン、フェンバレレート、フルブロシトリネート、フルシトリネート、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルバリネート、フブフェンプロックス(fubfenprox)、γ−シハロトリン、イミプロトリン、カデスリン、λ−シハロトリン、メトフルトリン、ペルメトリン(シス−、トランス)、フェノトリン(1R−トランス異性体)、プラレスリン、プロフルトリン、プロトリフェンブテ(protrifenbute)、ピレスメトリン、レスメトリン、RU15525、シラフルオフェン、τ−フルバリネート、テフルトリン、テラレスリン、テトラメトリン(IR−異性体)、トラロメトリン、トランスフルトリン、ZXI8901、ピレトリン(ピレトリン)〕
2.2 オキサジアジン類(例えば、インドキサカルブ)
3.アセチルコリン受容体アゴニスト/アンタゴニスト
3.1 クロロニコチニル/ネオニコチノイド(例えば、アセタミプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ニチアニジン、チアクロプリド、チアメトキサム)
3.2 ニコチン、ベンスルタップ、カルタップ
4.アセチルコリン受容体モジュレーター
4.1 スピノシン類(例えば、スピノサド)
5.GABA依存性塩素イオンチャネルのアンタゴニスト
5.1 シクロジエン有機塩素剤(例えば、カンフェクロル、クロルデン、エンドスルファン、γ−HCH、HCH、ヘプタクロル、リンデン、メトキシクロル)
5.2 フィプロール類(例えば、アセトプロール、エチプロール、フィプロニル、バニリプロール)
6.塩素イオンチャネル活性化剤
6.1 メクチン類(例えば、アバメクチン、アベルメクチン、エマメクチン、エマメクチン・安息香酸塩、イベルメクチン、ミルベメクチン、ミルベマイシン)
7.幼若ホルモン模倣薬
(例えば、ジオフェノラン、エポフェノナン、フェノキシカルブ、ハイドロプレン、キノプレン、メトプレン、ピリプロキシフェン、トリプレン)
8.エクジソンアゴニスト/かく乱物質
8.1 ジアシルヒドラジン類(例えば、クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド)
9.キチン生合成阻害剤
9.1 ベンゾイルウレア類〔例えば、ビストリフルロン、クロフルアズロン、ジフルベンズロン、フルアズロン、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、ペンフルロン(penfluron)、テフルベンズロン、トリフルムロン〕
9.2 ブプロフェジン
9.3 シロマジン
10.酸化的リン酸化の阻害剤、ATPかく乱物質
10.1 ジアフェンチウロン
10.2 有機スズ(例えば、アゾシクロチン、シヘキサチン、酸化フェンブタスズ)
11.Hプロトン濃度勾配を中断することによって作用する酸化的リン酸化の脱連結剤
11.1 ピロール類(例えば、クロルフェナピル)
11.2 ジニトロフェノール類(例えば、ビナパクリル、ジノブトン、ジノカップ、DNOC)
12.Site−I電子伝達阻害剤
12.1 METI類(例えば、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド)
12.2 ヒドラメチルノン、
12.3 ジコホル
13.Site−II電子伝達阻害剤
13.1 ロテノン
14.Site−III電子伝達阻害剤
14.1 アセキノシル、フルアクリプリム
15.昆虫腸膜の細菌かく乱物質
バシラス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)株
16.脂肪合成の阻害剤
16.1 テトロン酸類(例えば、スピロジクロフェン、スピロメシフェン)
16.2 テトラミン酸類〔例えば、3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−4−イルエチル=カーボネート(別名:カルボン酸、3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−4−イルエチルエステル、CAS Reg.No.:382608−10−8)及びカルボン酸、シス−3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−4−イルエチルエステル(CAS Reg.No.:203313−25−1)〕
17.カルボキサミド類
(例えば、フロニカミド)
18.オクタオパミン作動性アゴニスト
(例えば、アミトラズ)
19.マグネシウム刺激ATPアーゼの阻害剤
(例えば、プロパルギット)
20.フタルアミド類
〔例えば、N−[1,1−ジメチル−2−(メチルスルホニル)エチル]−3−ヨード−N−[2−メチル−4−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]−1,2−ベンゼンジカルボキサミド(CAS Reg.No.:272451−65−7)、フルベンジアミド〕
21.ネライストキシン類縁体
(例えば、チオシクラムシュウ酸塩、チオサルタップ・ナトリウム塩)
22.生物学的製剤、ホルモン又はフェロモン
〔例えば、アザジラクチン、バチルス(Bacillus)種、ボーベリア(Beauveria)種、コドレモン、メタリジウム(Metharhizium)種、ペシロマイセス(Paecilomyces)種、スリンジエンシン(thuringiensin)、バーティシリウム(Verticillium)種〕
23.未知又は非特異的作用メカニズムを有する活性化合物
23.1 燻蒸剤(例えば、リン化アルミニウム、臭化メチル、弗化スルフリル)
23.2 選択性摂食阻害剤(例えば、クリオライト、フロニカミド、ピメトロジン)
23.3 ダニ成長阻害剤(例えば、クロフェンテジン、エトキサゾール、ヘキシチアゾックス)
23.4 アミドフルメト、ベンクロチアズ(benclothiaz)、ベンゾキシメート、ビフェナゼート、ブロモプロピレート、ブプロフェジン、キノメチオネート、クロルジメホルム、クロルベンジレート、クロルピクリン、クロチアゾベン(clothiazoben)、シクロプレン(cycloprene)、シフルメトフェン、ジシクラニル、フェノキサクリム、フェントリファニル、フルベンジミン、フルフェネリム、フルテンジン(flutenzin)、ゴシプルレ(gossyplure)、ヒドラメチルノン、ジャポニルレ(japonilure)、メトキサジアゾン、鉱油、ピペロニルブトキシド、オレイン酸カリウム、ピラフルプロール、ピリダリル、ピリプロール(pyriprole)、スルフラミド、テトラジホン、テトラサル、トリアラセン、ベルブチン(verbutin)、
また化合物3−メチルフェニルプロピルカーバメート(ツマサイドZ)、化合物3−(5−クロロ−3−ピリジニル)−8−(2,2,2−トリフルオロエチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボニトリル(CAS Reg.No.185982−80−3)及び対応する3−エンド−異性体(CAS Reg.No.185984−60−5)(国際公開第WO96/37494号パンフレット、国際公開第WO98/25923号パンフレット参照)、並びに殺虫活性植物抽出物、線虫、真菌又はウイルスを含有する製剤。
【0109】
除草剤などの他の公知の活性化合物との混合物又は肥料及び生長調節剤、薬害軽減剤及び/又は情報化学物質との混合物も可能である。
【0110】
また、本発明の式(I)で示される化合物は、極めて良好な抗真菌活性も有する。該化合物は、特に皮膚糸状菌及び酵母、糸状菌及び二相性真菌〔例えば、カンジダ種、例えばカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・グラブラータ(Candida glabrata)〕、並びにエピデルモフィトン・フロッコーズム(Epidermophyton floccosum)、アスペルギルス種、例えばアルペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)及びアルペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、白癬菌種、例えばトリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)、ミクロスポルム種、例えばミクロスポルム・カニス(Microsporum canis)及びミクロスポルム・オーズアニー(Microsporum audouinii)に対して極めて広い抗真菌活性を有する。これらの真菌類のリストは、カバーできる真菌スペクトルを決して限定するものではなく、単なる例示のためのものである。
【0111】
本発明の活性化合物は、このままで使用できるし、この製剤の形態で使用できるし又はそれから調製される使用形態、例えばすぐ使用可能な液剤、懸濁剤、水和剤、ペースト剤、水溶剤、粉剤及び粒剤の形態で使用できる。施用は、慣用の方法で、例えば散水、液剤散布、噴霧、散播、散粉、発泡、展着などで実施される。また、本発明の活性化合物は、微量散布法で散布することが可能であるし、又は該活性化合物製剤又は該活性化合物それ自体を土壌に注入することも可能である。また、植物の種子を処理することも可能である。
【0112】
本発明の活性化合物を殺菌剤として使用する場合には、この施用量は施用の種類に応じて比較的幅広い範囲内で変化させ得る。植物の部分の処理に関しては、本発明の活性化合物の施用量は、一般的には0.1から10000g/ha、好ましくは10から1000g/haである。種子粉衣に関しては、本発明の活性化合物の施用量は、一般的には種子1kg当たり0.001から50g、好ましくは種子1kg当たり0.01から10gである。土壌処理に関しては、本発明の活性化合物の施用量は、一般的には0.1から10000g/ha、好ましくは1から5000g/haである。
【0113】
前記で既に述べたように、本発明に従って全ての植物及びこの部分を処理することができる。好ましい実施態様においては、野生植物種及び植物品種、又は慣用の生物学的育種法、例えば異種交配又はプロトプラスト融合法によって得られる植物種及び植物品種、並びにこれらの部分が処理される。別の好ましい実施態様においては、遺伝子工学法を、適切ならば慣用の方法と組み合わせることによって得られるトランスジェニック植物及び植物品種(遺伝子組換え生物)、並びにこれらの部分が処理される。「部分」又は「植物の部分」又は「植物部分」という用語は、前記ですでに説明してある。
【0114】
特に好ましくは、いずれの場合にも市販されているか又は使用されている植物品種の植物が、本発明に従って処理される。植物品種とは、慣用の育種法により、突然変異誘発により又は組換えDNA技術により得られている新規な性質(「形質」)を有する植物と理解される。これらの植物は、栽培品種、変種、生物型又は遺伝子型を取り得る。
【0115】
植物種又は植物品種、この生育場所及び栽培条件(土壌、気候、植物期間、養分)に応じて、本発明の処理はまた、超相加(「相乗」)効果をもたらし得る。従って、例えば、施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は本発明に従って使用できる物質及び組成物の活性の増大、よりよい植物生長、高温又は低温に対する耐性の増大、干ばつ又は水もしくは土壌塩分に対する耐性の増大、開花性能の増大、収穫のより容易さ、熟成の促進、より高い収穫量、よりよい品質及び/又はより高い栄養価の収穫品、収穫品のよりよい貯蔵安定性及び/又は加工性が可能であり、これらは実際に期待されるべきであった効果を上回る。
【0116】
本発明に従って処理されることが好ましいトランスジェニック植物又は植物品種(すなわち、遺伝子工学法によって得られるトランスジェニック植物又は植物品種)としては、遺伝子組換え法においてこれらの植物に特に都合のよい有用な性質(「形質」)を付与した遺伝子材料を受け入れた植物全てが挙げられる。このような性質の例は、よりよい植物生長、高温又は低温に対する耐性の増大、干ばつ又は水もしくは土壌塩分に対する耐性の増大、高められた開花性能、収穫の促進、熟成の促進、より高い収穫量、よりよい品質及び/又はより高い栄養価の収穫品、収穫品のよりよい貯蔵安定性及び/又は加工性である。このような性質の別の例及び特に重視される例は、動物及び微生物害虫、例えば昆虫、ダニ、植物病原性の真菌、細菌及び/又はウイルスに対する植物のよりよい防衛能であり、またある種の除草活性化合物に対する植物の高められた抵抗性である。挙げ得るトランスジェニック植物の例は、重要な作物植物、例えば穀類(コムギ、イネ)、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ、アブラナ及び果樹植物(リンゴ、ナシ、柑橘系果物及びブドウ)であり、特に重要なものはトウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ及びアブラナである。特に重視される形質は、植物内で形成される毒素、特にバチルス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)由来の遺伝物質〔例えば、遺伝子CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIIA、CryIIIA、CryIIIB2、Cry9c、Cry2Ab、Cry2Bb及びCryIF並びにこれらの組み合わせ〕によって植物内で形成される毒素による昆虫、クモ形動物、線虫及びナメクジ並びにカタツムリに対する植物の高められた防衛能である(以下、「Bt植物」という)。また特に重視される形質は、全身獲得抵抗性(SAR)、システミン、フィトアレキシン類、エリシター類及び耐性遺伝子並びにこれらに対応して発現されるタンパク質及び毒素による真菌、細菌及びウイルスに対する植物の高められた防衛能である。さらにまた特に重視される形質は、ある種の除草活性化合物、例えばイミダゾリノン類、スルホニルウレア類、グリホセート又はホスフィノトリシンに対する植物の高められた耐性(例えば、「PAT」遺伝子)である。当該所望の形質を付与する遺伝子は、また、トランスジェニック植物内で相互に組み合わせて存在させ得る。挙げ得る「Bt植物」の例は、トウモロコシ変種、ワタ変種、ダイズ変種及びジャガイモ変種であり、これらは商品名YIELD GARD(登録商標)(例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、Nucoton(登録商標)(ワタ)及びNewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)として販売されている。挙げ得る除草剤抵抗性植物の例は、トウモロコシ変種、ワタ変種及びダイズ変種であり、これらは商品名Roundup Ready(登録商標)(グリホセート抵抗性、例えばトウモロコシ、ワタ、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシン抵抗性、例えばアブラナ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノン抵抗性)及びSTS(登録商標)(スルホニルウレア抵抗性、例えばトウモロコシ)として販売されている。また、挙げ得る除草剤抵抗性植物(除草剤耐性について慣用の方法で栽培された植物)としては、商品名Clearfield(登録商標)(例えばトウモロコシ)として販売されている変種が挙げられる。勿論、これらの説明は、これらの遺伝特性又はさらに開発されるべき遺伝特性を有する植物品種にも適用され、これらの植物は今後開発され及び/又は市販されるであろう。
【0117】
前記に挙げた植物は、本発明の一般式(I)で示される化合物又は活性化合物混合物を用いて特に都合よく処理することができる。また、活性化合物又は混合物について前記で述べた好ましい範囲も、これらの植物の処理に適用される。本明細書に具体的に述べた化合物又は混合物を用いて植物を処理することが特に重要であり得る。
【実施例】
【0118】
本発明の活性化合物の製造及び使用を、以下の実施例において示す。
【0119】
製造例
実施例1
【0120】
【化32】

室温で、3−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4−イソオキサゾールカルボニルクロリド1.285g(5.061ミリモル)を、ジクロロメタン20mlに溶解した4−エトキシ−3−メトキシベンジルアミン塩酸塩1.201g(5.518ミリモル)とトリエチルアミン1.117g(11.035ミリモル)との溶液に加え、この混合物を還流下で1時間攪拌した。得られた混合物を室温まで冷却し、氷水100mlを加え、混合物を濃塩酸で酸性化し、ジクロロメタンを加え、有機相を分離し、水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をイソプロパノールから再結晶した。これにより、融点158℃のN4−(4−エトキシ−3−メトキシベンジル)−3−(4−クロロフェニル)−5−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミドを得た。
【0121】
HPLC:LogP=2.93。
【0122】
また、実施例1と同様にして並びに本発明の製造方法a)及びb)の一般的な説明に従って、以下の表1に記載の式(I)で示される化合物を製造することもできる。
【0123】
【化33】

【0124】
【表1】












【0125】
logP値は、EEC Directive 79/831 Annex V.Aに従ってHPLC(濃度勾配法、アセトニトリル/0.1%水性リン酸)により測定した。
【0126】
式(III)で示される前駆物質の製造
実施例(III−a−1)
【0127】
【化34】

【0128】
方法c)
酢酸エチル50mlに溶解した4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジルアミン塩酸塩4.1g(21.620ミリモル)とトリエチルアミン5mlとの溶液に、ジ−tert−ブチルピロカーボネート4.954g(22.7ミリモル)を加え、得られた混合物を室温で18時間攪拌した。次いで、酢酸エチル100mlを加え、混合物を水50mlで洗浄し、次いで希クエン酸50ml及び炭酸水素ナトリウム溶液50mlで洗浄し、最後に飽和食塩水溶液50mlで洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。
【0129】
これにより、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジルカルバミン酸tert−ブチル(VI−a−1)3.7g(理論値の67%)を得た。
【0130】
HPLC:LogP=1.91。
【0131】
4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジルカルバミン酸tert−ブチル(VI−a−1)3.7g(14.607ミリモル)をアセトン50mlに溶解した溶液に、臭化プロパルギル5.43g(36.519ミリモル)、無水炭酸カリウム5g及びヨウ化カリウム0.15gを加え、得られた混合物を還流下で18時間加熱した。反応混合物を水100mlに加え、エーテル200mlで抽出した。有機相を10%濃度の水酸化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。これにより、4−(プロパルギルオキシ)−3−メトキシベンジルカルバミン酸tert−ブチル(III−a−1)3.2g(理論値の73%)を得た。
【0132】
(HPLC:LogP=2.57)。
【0133】
4−(プロパルギルオキシ)−3−メトキシベンジルカルバミン酸tert−ブチル3.2g(10.984ミリモル)を酢酸エチル50mlに溶解した溶液に、濃塩酸溶液3mlを加え、得られた混合物を室温で18時間攪拌し、生成した沈殿物を濾過した。得られた沈殿物を酢酸エチルで2回洗浄し、減圧下で乾燥した。これにより、4−(プロパルギルオキシ)−3−メトキシベンジルアミン酸塩酸塩(III−a−1)2.0g(理論値の79%)を得た。
【0134】
(HPLC:LogP=0.20)。
【0135】
同様にして及び本発明の製造方法c)の一般的な説明に従って、以下の表2に記載の式(III)で示される化合物を製造することもできる:
【0136】
【化35】

【0137】
【表2】

【0138】
logP値は、EEC Directive 79/831 Annex V.Aに従ってHPLC(濃度勾配法、アセトニトリル/0.1%水性リン酸)により測定した。
【0139】
使用例
実施例A
疫病(トマト)試験/保護試験
溶 媒: アセトン24.5重量部
ジメチルアセトアミド24.5重量部
乳化剤: アルキルアリールポリグリコールエーテル1重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水で所定の濃度に希釈した。
【0140】
保護活性について試験するために、稚苗に、活性化合物の製剤を下記の施用量で噴霧した。噴霧被膜を乾燥した後に、前記稚苗にトマト疫病(Phytophthora infestans)菌の水性胞子懸濁液を接種した。次いで、前記植物を約20℃及び相対大気湿度100%の培養室に入れた。
【0141】
評価は、菌接種後3日目に行った。0%は、対照の効果に対応する効果を意味し、これに対して100%の効果は感染が認められないことを意味する。
【0142】
この試験で、実施例1、24、38、39、40、41、42、46、47、48、50、51、54、58、61、6及び68に挙げた本発明の化合物は、100g/haの施用量で94%以上の効果を示した。
【0143】
実施例B
べと病(ブドウ)試験/保護試験
溶 媒: アセトン24.5重量部
ジメチルアセトアミド24.5重量部
乳化剤: アルキルアリールポリグリコールエーテル1重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を水で所定の濃度に希釈した。
【0144】
保護活性について試験するために、稚苗に、活性化合物の製剤を下記の施用量で噴霧した。噴霧被膜を乾燥した後に、前記稚苗にブドウべと病(Plasmopara viticola)菌の水性胞子懸濁液を接種し、次いで約20℃及び相対大気湿度100%の培養室に1日入れておいた。次いで、前記植物を約21℃及び相対大気湿度約90%の温室に4日間入れた。次いで、植物を湿らせ、培養室に1日入れておいた。
【0145】
評価は、菌接種後6日目に行った。0%は、対照の効果に対応する効果を意味し、これに対して100%の効果は感染が認められないことを意味する。
【0146】
この試験で、実施例1、24、35、36、38、39、40、41、42、43、44、46、47、48、49、50、51、54、56、58、61、62及び68に挙げた本発明の化合物は、100g/haの施用量で90%以上の効果を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

〔式中、
、R及びRは、同一であるか又は異なり、互いに独立して水素、ハロゲン、シアノ、ニトロを表すか、
いずれの場合にも1から8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル又はアルキルスルホニルを表すか;
いずれの場合にも2から6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルケニル、アルキニル、アルケニルオキシ又はアルキニルオキシを表すか;
いずれの場合にも1から6個の炭素原子と1から13個の同一又は異なるハロゲン原子を有する直鎖又は分枝鎖のハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、ハロアルキルスルフィニル又はハロアルキルスルホニルを表すか;
いずれの場合にも2から6個の炭素原子と1から13個の同一又は異なるハロゲン原子を有する直鎖又は分枝鎖のハロアルケニル又はハロアルケニルオキシを表すか;
いずれの場合にも個々のアルキル部分に1から6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシイミノアルキル又はアルコキシイミノアルキルを表すか;
3から6個の炭素原子を有するシクロアルキルを表し
(但し、R、R及びRは、同時に水素を表さないものとする。)、又は
とRは、これらを結合している炭素原子と一緒になって炭素環を形成し、
Hetは非置換又は置換5員芳香族複素環を表し、
は水素、ハロゲン、1から8個の炭素原子を有するアルキル、2から8個の炭素原子を有するアルケニル又はアルキニル、又は1から8個の炭素原子と1から9個のハロゲン原子を有するハロアルキルを表し、
及びRは、同一であるか又は異なり、互いに独立して非置換であるか又はいずれの場合にもハロゲンもしくはシアノで置換されたアルキル、いずれの場合にもそれぞれのアルキル鎖に1から8個の炭素原子を有するアルコキシアルキル、又はいずれの場合にも2から8個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、又は3から8個の炭素原子を有するシクロアルキルを表すか、又はアルキル鎖に1から8個の炭素原子を有する非置換又は置換アリールアルキルを表し、
Aはアルカンジイル又はシクロアルカンジイルを表し、及び
Yは酸素又は硫黄を表す。〕
で示されるアミド。
【請求項2】
a)式(Ia)
【化2】

〔式中、
、R及びRは、同一であるか又は異なり、互いに独立して水素、弗素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、メトキシ、エトキシ、n−もしくはi−プロポキシ、メチルチオ、エチルチオ、n−もしくはi−プロピルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メチルスルホニルもしくはエチルスルホニル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロクロロメトキシ、トリフルオロエトキシ、ジフルオロメチルチオ、ジフルオロクロロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルスルフィニルもしくはトリフルオロメチルスルホニル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アセチル、プロピオニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヒドロキシイミノメチル、ヒドロキシイミノエチル、メトキシイミノメチル、エトキシイミノメチル、メトキシイミノエチル又はエトキシイミノエチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表すか、又は
とRは、これらを結合している炭素原子と一緒になって5又は6員炭素環を形成し、
(但し、R、R及びRは、同時に水素を表さないものとする。)、
4aは水素、弗素、塩素、臭素、シアノ、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、アリル、プロパルギル又はトリフルオロメチルを表し、
及びRは、同一であるか又は異なり、互いに独立してメチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチルを表すか、
アリル、メチルアリル、クロトニル、プロピニルもしくはブチニル又はシアノメチルを表すか、
又は場合により水素、弗素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、メトキシ、エトキシ、n−もしくはi−プロポキシ、メチルチオ、エチルチオ、n−もしくはi−プロピルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メチルスルホニル又はエチルスルホニル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロクロロメトキシ、トリフルオロエトキシ、ジフルオロメチルチオ、ジフルオロクロロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルスルフィニル又はトリフルオロメチルスルホニル、アセチル、プロピオニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヒドロキシイミノメチル、ヒドロキシイミノエチル、メトキシイミノメチル、エトキシイミノメチル、メトキシイミノエチル又はエトキシイミノエチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルで置換されていてもよいベンジルを表し、
Aはメタンジイル、エタン−1,1−ジイル、エタン−1,2−ジイル、プロパン−1,1−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−2,2−ジイル、ブタン−1,1−ジイル、ブタン−1,2−ジイル、ブタン−1,3−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ブタン−2,2−ジイル、ブタン−2,3−ジイル、1,1−ジエチルエタン−1,2−ジイル、シクロプロパン−1,1−ジイル又はシクロプロパン−1,2−ジイルを表し、
Yは酸素又は硫黄を表し、及び
は酸素、硫黄又はN−R7aを表す(但し、
7aは水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)。〕
で示される化合物;
b)式(Ib)
【化3】

〔式中、
A、R、R、R、R、R及びYは、式(Ia)で定義した通りであり、
4bは水素、弗素、塩素、臭素、シアノ、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、アリル、プロパルギル又はトリフルオロメチルを表し、
は酸素、硫黄又はN−R7bを表す(但し、
7bはメチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)。〕
で示される化合物;
c)式(Ic)
【化4】

〔式中、
A、R、R、R、R、R及びYは、式(Ia)で定義した通りであり、
4cは水素、弗素、塩素、臭素、シアノ、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、アリル、プロパルギル又はトリフルオロメチルを表し、
は酸素、硫黄又はN−R7cを表す(但し、
7cは水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)。〕
で示される化合物;
d)式(Id)
【化5】

〔式中、
A、R、R、R、R、R及びYは、式(Ia)で定義した通りであり、
4dは水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表し、
は酸素、硫黄又はN−R7dを表す(但し、
7dはメチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)。〕
で示される化合物;
e)式(Ie)
【化6】

〔式中、
A、R、R、R、R、R及びYは、式(Ia)で定義した通りであり、
は酸素、硫黄又はN−R7eを表す(但し、
7eは水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)。〕
で示される化合物;
f)式(If)
【化7】

〔式中、
A、R、R、R、R、R及びYは、式(Ia)で定義した通りであり、
は酸素、硫黄又はN−R7fを表す(但し、
7fは水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)。〕
で示される化合物;及び
g)式(Ig)
【化8】

〔式中、
A、R、R、R、R、R及びYは、式(Ia)で定義した通りであり、
は酸素、硫黄又はN−R7gを表す(但し、
7gはメチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)。〕
で示される化合物;
の群から選択される、請求項1に記載の式(I)で示される化合物。
【請求項3】
前記記号が以下に定義する通りである:すなわち、
、R及びRが、同一であるか又は異なり、互いに独立して、特に好ましくは、水素、弗素、塩素、臭素、シアノ、ニトロ、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、メトキシ、エトキシ、n−もしくはi−プロポキシ、メチルチオ、エチルチオ、n−もしくはi−プロピルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メチルスルホニルもしくはエチルスルホニル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロクロロメトキシ、トリフルオロエトキシ、ジフルオロメチルチオ、ジフルオロクロロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルスルフィニル又はトリフルオロメチルスルホニル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アセチル、プロピオニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヒドロキシイミノメチル、ヒドロキシイミノエチル、メトキシイミノメチル、エトキシイミノメチル、メトキシイミノエチル又はエトキシイミノエチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表すか、又は
とRが、これらを結合している炭素原子と一緒になって5又は6員炭素環を形成し、
(但し、R、R及びRは、同時に水素を表さないものとする。)、
Aが、特に好ましくは、メタンジイル、エタン−1,1−ジイル、エタン−1,2−ジイル、プロパン−1,1−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル又はプロパン−2,2−ジイルを表し、
Yが、特に好ましくは、酸素を表し、
及びRが、同一であるか又は異なり、互いに独立して、特に好ましくは、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、アリル、メチルアリル、クロトニル、プロピニル又はブチニル又はシアノメチルを表し、
a)式(Ia)において、
4aが水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ヘプチル、トリフルオロメチル、塩素又はシアノを表し、及び
が酸素、硫黄又はN−R7aを表し(但し、
7aは水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)、
b)式(Ib)において、
4bが水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、トリフルオロメチル、塩素又はシアノを表し、及び
が酸素、硫黄又はN−R7bを表し(但し、
7bはメチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)、
c)式(Ic)において、
4cが水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ヘプチル、トリフルオロメチル、塩素又はシアノを表し、及び
が酸素、硫黄又はN−R7cを表し(但し、
7cは水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)、
d)式(Id)において、
4dは水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチル、n−ヘプチル、トリフルオロメチル、塩素又はシアノを表し、及び
が酸素、硫黄又はN−R7dを表し(但し、
7dはメチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)、
e)式(Ie)において、
が酸素、硫黄又はN−R7eを表し(但し、
7eは水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)、
f)式(If)において、
が酸素、硫黄又はN−R7fを表し(但し、
7fは水素、メチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)、
g)式(Ig)において、
が酸素、硫黄又はN−R7gを表す(但し、
7gはメチル、エチル、n−もしくはi−プロピル、n−、i−、s−もしくはt−ブチルを表す。)、
請求項2に記載の式(Ia)から(Ig)で示される化合物。
【請求項4】
式(I)で示されるアミドの製造方法であって、
a)一般式(II)
【化9】

〔式中、
、R、R及びRは、請求項1において式(I)で定義した通りであり、Tはヒドロキシ、ハロゲン又はアルコキシを表す。〕
で示されるカルボン酸誘導体を、一般式(III)
【化10】

〔式中、
、R及びAは、請求項1において式(I)で定義した通りである。〕
で示されるアミン又はその酸付加複合体と、適切ならば酸受容体の存在下で、適切ならば縮合剤の存在下で、適切ならば触媒の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させ、
b)適切ならば〔式(I)のYがSである場合に〕、硫化剤と、適切ならば希釈剤の存在下で反応させる、式(I)で示されるアミドの製造方法。
【請求項5】
請求項1から3の1つ又はそれ以上の請求項に記載の式(I)で示されるアミドの少なくとも1種と増量剤及び/又は界面活性剤とを含有することを特徴とする、望ましくない微生物の防除用組成物。
【請求項6】
望ましくない微生物を防除するための請求項1から3の1つ又はそれ以上の請求項に記載の式(I)で示されるアミドの使用。
【請求項7】
請求項1から3の1つそれ以上の請求項に記載の式(I)で示されるアミドを望ましくない微生物及び/又はこの生息環境に施用することを特徴とする望ましくない微生物の防除方法。
【請求項8】
請求項1から3の1つ又はそれ以上の請求項に記載の式(I)で示されるアミドを増量剤及び/又は界面活性剤と混合することを特徴とする望ましくない微生物の防除用組成物の製造方法。
【請求項9】
式(III−a)
【化11】

〔式中、
A及びRは請求項1において式(I)で定義した通りであり、Rはアリル、プロパルギル、2−ブチニル又はシアノメチルを表す。〕
又は式(III−b)
【化12】

〔式中、
A及びRは請求項1において式(I)で定義した通りであり、Rはアリル、プロパルギル、2−ブチニル又はシアノメチルを表す。〕
で示される化合物。

【公表番号】特表2007−515444(P2007−515444A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546013(P2006−546013)
【出願日】平成16年12月18日(2004.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014453
【国際公開番号】WO2005/066138
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】