説明

殺菌活性を有するチエノ−ピリミジン化合物

本発明は、殺菌活性を有する式Iのチエノ[2,3−d]−ピリミジン化合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌活性を有するチエノ−ピリミジン化合物の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
殺菌剤は、菌類によって引き起こされる被害から植物を保護する働きをする天然または合成由来の化合物である。しかし、どんな状況においても有用である殺菌剤は存在しない。そのため、より良好な性能を有し、使用が簡単であり、かつコストの安い殺菌剤を作製するための研究がなされている。
【0003】
ドイツ特許第2,654,090号および米国特許第4,146,716号(これらを参照により本明細書に組み込む)は、真菌性、ウイルス性および細菌性の植物の病気を防除するのに有用なチエノ−ピリミジン化合物を開示している。米国特許第4,196,207号(これを参照により本明細書に組み込む)は、動物におけるマダニ類のまん延を防除するのに有用な同様の化合物を開示している。カナダ特許第2,038,521号および欧州特許第447,891号は、殺虫剤、成長調節剤および除草剤として有用なチエノ−ピリミジン誘導体を開示している。英国特許第2043061号は、植物抗真菌性、殺菌性、抗ウイルス性、殺虫性および成長調節性の化合物としてのチエノピリミジン誘導体を開示している。殺菌剤として使用するための様々なチエノ−ピリミジン化合物を教示する他の文献には、日本国特許第1995010712号、同第03063266号、欧州特許第424125号および米国特許第5,141,941号(これらを参照により本明細書に組み込む)が含まれる。チエノ−ピリミジンの薬剤としての使用も米国特許第5,654,307号(これを参照により本明細書に組み込む)に開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、殺菌剤として有用な他のチエノ−ピリミジン化合物の開発が依然として必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、チエノ−ピリミジン、具体的にはチエノ[2,3−d]ピリミジンおよびその殺菌剤としての使用に関する。本発明の化合物は、子嚢菌、担子菌、不完全菌類および卵菌に対する保護を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、式(I)を有する化合物に関する。
【0007】
【化2】


式中、
各R1、R2およびR3はH、ハロゲンおよびアルキルからなる群から独立に選択され、
AはHおよびアルキルからなる群から選択され、
WはNHおよびOからなる群から選択され、
DはO、NHおよびSから選択され、
Eは(−C(O)−)−R’であり、但し、pは0または1であり、R’は、フェニル、フラニル、ピリジニル、ピリジニル−N−オキシド、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、チアゾリル、トリアジニル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チエノピリミジニル、ならびにベンゼン、オキサゾール、イソキサゾール、フラン、チアゾール、ピリミジン、ピリジン、ピロール、ピラジンおよびチオフェンから選択される芳香族環または芳香族複素環と縮合したピリミジンから選択される置換されていてもよい環からなる群から選択され(各環は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシド、アルキルチオ、アルコキシイミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシカルボニル、フェニルカルボニル、ホルミル、ヒドラジドカルボニル、アミドアミノ、ピラゾリル、トリアゾロニル、オキサジアゾリル、フェニル、ピリジニルおよびフェノキシアルキルからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい)、
Bはハロゲン、アルキル、ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から選択され、
nは0〜3の整数であり、
mは0〜4の整数であり、
但し、DがOまたはSであり、Eがフェニルである場合、Eはハロゲンでさらに置換されてはいない。
【0008】
「アルキル」という用語は、別段の指定のない限り、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等を含む、1〜8個の炭素原子(C〜Cアルキル)、好ましくは1〜6個の炭素原子(C〜Cアルキル)、最も好ましくは1〜3個の炭素原子(C〜Cアルキル)を有する分岐していないかまたは分岐した炭素鎖を指す。
【0009】
「アルケニル」または「アルキニル」という用語は、エテニル、プロペニル、ブテニル、イソプロペニル、イソブテニル、プロピニル、ブチニル等を含む、3〜8個の炭素原子、好ましくは3〜6個の炭素原子(C〜C)を有する分岐していないかまたは分岐した炭素鎖を指す。本明細書を通して、「R」という用語は、別段の言及のない限り、C1〜8アルキル、C3〜8アルケニルまたはC3〜8アルキニルからなる基を指す。
【0010】
「アルコキシ」という用語は−OR置換基を指す。
【0011】
「アルコキシカルボニル」という用語は−C(=O)−OR置換基を指す。
【0012】
「アルコキシイミノアルキル」という用語は−R=N−O−R置換基を指す。
【0013】
「アルキルカルボニル」という用語は−C(O)−R置換基を指す。
【0014】
「アルキルスルホニル」という用語は−SO−R置換基を指す。
【0015】
「アルキルスルホキシド」という用語は−S(O)−R置換基を指す。
【0016】
「アルキルチオ」という用語は−S−R置換基を指す。
【0017】
「アミドアミノ」という用語は−N−N−C(O)R置換基を指す。
【0018】
「アミノカルボニル」という用語は−C(O)−NH置換基を指す
【0019】
「シアノ」という用語は−C≡N置換基を指す。
【0020】
「ホルミル」という用語は−CH=O置換基を指す。
【0021】
「ハロアルコキシ」という用語は−OR−X置換基を指す。但し、Rは、式R=C(2n+1)−y(式中、XはCl、F、BrもしくはI、またはその任意の組合せであり、yは0〜2n+1の整数である)に基づくXで置換されていてよい。
【0022】
「ハロアルキル」という用語は、Cl、F、IもしくはBrで置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニル置換基を指す。
【0023】
「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、F、Cl、BrおよびIと定義される1種または複数のハロゲン原子を指す。
【0024】
「ヒドラジドカルボニル」という用語は、RがHまたはC〜Cアルキルである−C(O)−N−N−R(2)を指す。
【0025】
「ヒドロキシカルボニル」という用語は−C(O)−OH置換基を指す。
【0026】
「ニトロ」という用語は−NO置換基を指す。
【0027】
「フェノキシアルキル」という用語は−R−O−フェニル置換基を指す。
【0028】
「フェニルカルボニル」という用語は−C(O)−フェニル置換基を指す。
【0029】
本発明のすべての化合物は殺菌活性を有するが、特定の部類の化合物は、例えばより大きな効能、低い毒性または合成の容易さなどのいくつかの理由にため好ましい。
【0030】
本明細書を通して、式Iの化合物の引用は、式Iの光学異性体および塩、その水和物も含むと解釈されるものとする。特に、Yが分枝鎖アルキル基である場合、そうした化合物はその光学異性体およびラセミ化合物を含むものとする。塩の例には、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩等が含まれる。
【0031】
一実施形態では、本発明の化合物は式Iで表わされ、但し、
R1がハロゲンであり、
R2およびR3がそれぞれHであり、
AがHであり、
WがNHおよびOからなる群から選択され、
DがOであり、
Eがアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルスルホニル、ハロゲン、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシカルボニル、アルコキシカルボニル、ホルミル、ヒドラジドカルボニル、アルコキシイミノ、アルコキシイミノアルキル、ニトロおよびシアノからなる群から選択される1個または複数の基で置換されていてもよい、置換されていてもよいピリジン、ピリジン−N−オキシド、ピリミジン、チアゾールおよびチエノピリミジンからなる群から選択され、
nが1であり、mが0である
化合物である。
【0032】
当業者は、化学結合やひずみエネルギーの規則性が満足されており、かつ、生成物が依然として十分な殺菌活性を示すならば、別段の指定のない限り、さらなる置換が可能であることも理解されよう。
【0033】
本発明の他の実施形態は、植物病原性有機体による攻撃に対する植物の保護、または植物病原性有機体によって侵襲された植物の処置のための式Iの化合物の使用であって、式Iの化合物または前記化合物を含む組成物を、土壌、植物、植物の一部、葉および/または種子に施用することを含む使用である。
【0034】
さらに、本発明の他の実施形態は、式Iの化合物および植物学的に許容される担体材料を含む、植物病原性有機体による攻撃に対する植物の保護、および/または植物病原性有機体によって侵襲された植物の処置に有用な組成物である。
【0035】
その化合物は、化合物として、またはその化合物を含む処方物として、既知の様々な技術のいずれかにより施用される。例えば、化合物は、様々な菌類の防除のために、その植物の商品価値を損なうことなく、根、種子または植物の葉に施用することができる。この材料は、一般に用いられる処方物タイプのいずれかの形態、例えば溶液、粉末、水和性粉末、流動性濃縮物または乳化性濃縮物として施用される。
【0036】
本発明の化合物は、式Iの化合物の1つまたは複数と植物学的に許容される担体を含む処方物の形態で施用されることが好ましい。施用のために、濃縮処方物は水または他の液体に分散させることができ、また処方物は、続いてさらに処理することなく施用できる、粉末状または顆粒状のものであってもよい。処方物は、農薬技術分野で一般的な手順によって調製することができる。
【0037】
本発明は、それによって化合物の1つまたは複数を送達用に処方し、殺菌剤として使用することが可能なすべての媒体を考慮する。一般に、処方物は水性の懸濁液または乳液として施用する。そうした懸濁液または乳液は、通常水和性粉末として知られている固体、あるいは通常乳化性濃縮物、水性懸濁液もしくは懸濁濃縮物として知られている液体である水溶性、水懸濁性または乳化性処方物から作製する。容易に理解されるように、これらの化合物の抗真菌剤としての活性を殆ど妨害することなく所望の有用性がもたらされる限り、これらの化合物を加えることができる任意の材料を用いることができる。
【0038】
圧縮されて水分散性顆粒を形成することができる水和性粉末は、式Iの化合物、不活性担体および界面活性剤の1つまたは複数の密な混合物を含む。水和性粉末中の化合物の濃度は通常、水和性粉末の全重量に対して約10重量%〜約90重量%、より好ましくは約25重量%〜約75重量%である。水和性粉末処方物の調製においては、化合物は、プロフィリット(prophyllite)、タルク、チョーク、石こう、フラー土、ベントナイト、アタパルジャイト、デンプン、カゼイン、グルテン、モンモリロナイト粘土、珪藻土、精製ケイ酸塩または同様のものなどの微粉化した固体と混合することができる。そうした操作においては、一般に微粉化担体および界面活性剤を化合物とブレンドし、粉砕する。
【0039】
式Iの化合物の乳化性濃縮物は、適切な液体中に、好都合な濃度、例えば濃縮物の全重量に対して約10重量%〜約50重量%の化合物を含む。化合物は、水混和性溶媒か、または水非混和性有機溶媒と乳化剤の混合物である不活性担体中に溶解させる。濃縮物は、水中油型乳液の形態の噴霧混合物を形成するように、水や油で希釈することができる。有用な有機溶媒には、芳香族、特に重質芳香族ナフサなどの石油の高沸点のナフタリン留分やオレフィン留分が含まれる。例えば、ロジン誘導体を含むテルペン溶媒、シクロヘキサノンなどの脂肪族ケトン、2−エトキシエタノールなどの複合アルコールなどの他の有機溶媒も用いることができる。
【0040】
本明細書で有利に用いることができる乳化剤は、当業者によって容易に決定される。それらには、種々の非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性の乳化剤、または2つ以上の乳化剤のブレンドが含まれる。乳化性濃縮物を調製するのに有用な非イオン性乳化剤の例には、ポリアルキレングリコールエーテル、エトキシル化アルキルフェノールなどのアルキルおよびアリールフェノール、脂肪族アルコール、脂肪族アミンまたは脂肪酸と、エチレンオキシド、プロピレンオキシドの縮合生成物、ならびにポリオールまたはポリオキシアルキレンで可溶化されたカルボン酸エステルが含まれる。カチオン性乳化剤には、第4アンモニウム化合物や脂肪族アミン塩が含まれる。アニオン性乳化剤には、アルキルアリールスルホン酸の油溶性塩(例えば、カルシウム)、油溶性塩または硫酸化ポリグリコールエーテルおよびリン酸化ポリグリコールエーテルの適切な塩が含まれる。
【0041】
本発明の化合物の乳化性濃縮物を調製するのに用いることができる代表的な有機液体は、キシレン、プロピルベンゼン留分などの芳香族液体;または混合ナフタレン留分、鉱物油、フタル酸ジオクチルなどの置換芳香族有機液体;ケロシン;種々の脂肪酸のジアルキルアミド、特に脂肪族グリコールのジメチルアミド、ならびにジエチレングリコールのn−ブチルエーテル、エチルエーテルまたはメチルエーテル、およびのメチレングリコールメチルエーテルなどのグリコール誘導体等である。乳化性濃縮物の調製には、2つ以上の有機液体の混合物を用いることもできる。好ましい有機液体には、キシレンおよびプロピルベンゼン留分が含まれる。キシレンが最も好ましい。液体処方物には一般に、分散剤と1つまたは複数の化合物の合計重量に対して0.1重量%〜20重量%の量で表面活性分散剤が用いられる。処方物は、他の適合する添加剤、例えば、植物成長調節剤、および農業分野で用いられる他の生物学的に活性な化合物も含むことができる。
【0042】
水性懸濁液は、水性懸濁液の全重量に対して約5〜約50重量%の範囲の濃度で水性媒体中に分散された式Iの1種または複数の水不溶性化合物の懸濁液を含む。懸濁液は、化合物の1つまたは複数を微細に粉砕し、その粉砕された材料を、水や、先に論じた同じ種類のものから選択される界面活性剤を含む媒体中に強力に混ぜ込むことによって調製される。水性媒体の密度および粘度を増大させるために、無機塩や合成または天然のゴムなどの他の成分を加えることもできる。水性混合物を調製し、サンドミル、ボールミルまたはピストン型ホモジナイザーなどの装置でホモジナイズすることによって、同時に粉砕しかつ混合することがしばしば最も効果的である。
【0043】
式Iの化合物は顆粒状処方物として施用することもできる。これは土壌への施用に特に有用である。顆粒状処方物は通常、完全にまたはその大部分が、アタパルガイト、ベントナイト、珪藻岩、粘度または類似の安価な物質などの粗く粉砕された不活性材料からなる不活性担体中に分散された、顆粒状処方物の全重量に対して、約0.5〜約10重量%の化合物を含む。そうした処方物は通常、適切な溶媒中に化合物を溶解し、それを、予め約0.5〜約3mmの範囲の適切な粒子サイズにした顆粒状担体に塗布することによって調製される。適切な溶媒は、大部分または完全に化合物が溶解する溶媒である。そうした処方物は、担体、化合物および溶媒の練り粉またはペーストを作製し、押しつぶし、乾燥して所望の顆粒粒子を得ることによって調製することもできる。
【0044】
式Iの化合物を含む粉末は、粉末状の化合物の1つまたは複数を、例えばカオリン粘土、粉砕火山岩などの適切な粉末状の農業用担体と密に混合することによって調製することができる。その粉末は、適切には粉末の全重量に対して約1重量%〜約10重量%の化合物を含むことができる。
【0045】
目的とする農作物や有機体への化合物の付着、湿潤および浸透を増進させるために、処方物に補助界面活性剤をさらに含めることができる。これらの補助界面活性剤は、処方物の成分として、またはタンクミックスとして用いてもよい。補助界面活性剤の量は一般に、水の噴霧容積に対して0.01容積%〜1.0容積%、好ましくは0.05容積%〜0.5容積%の範囲で変わる。適切な補助界面活性剤には、これらに限定されないが、エトキシル化ノニルフェノール、エトキシル化された合成または天然アルコール、エステルまたはスルホコハク酸の塩、エトキシル化有機シリコーン、エトキシル化脂肪族アミン、および界面活性剤の鉱物油または植物油とのブレンドが含まれる。
【0046】
処方物は、他の殺虫性化合物を含む組合せを含んでいてもよい。そうした追加の殺虫性化合物は、施用のために選択された媒体中で本発明の化合物と適合性があり、かつ本発明の化合物の活性に対して拮抗しない殺菌剤、殺虫剤、抗線虫剤、ダニ殺虫剤、節足動物駆除剤、殺菌剤またはその組合せであってよい。したがって、このような実施形態では、そうした他の殺虫性化合物は、同じかまたは異なった殺菌用補助的毒物として用いられる。その組合せにおいて、式Iの化合物と殺虫性化合物は一般に1:100〜100:1の重量比で存在することができる。
【0047】
本発明の化合物を他の殺菌剤と混合して、その殺菌性混合物および相乗的混合物を形成させることもできる。本発明の殺菌性化合物はしばしば、より広範囲の望ましくない病気を防除するために、1種または複数の他の殺菌剤と併用して施用される。他の殺菌剤と併用する場合、本明細書で特許請求する化合物は、他の殺菌剤と一緒に処方するか、他の殺菌剤とタンク混合するか、または他の殺菌剤と逐次的に施用することができる。そうした他の殺菌剤には、2−(チオシアナトメチルチオ)−ベンゾチアゾール、2−フェニルフェノール、8−ヒドロキシキノリン硫酸塩、アンチマイシン、アンペロミセス、キスカリス、アザコナゾール、アゾキシストロビン、枯草菌(Bacillus subtilis)、ベナラキシル、ベノミル、ベンチアバリカルブイソプロピル、ベンジルアミノベンゼン−スルホン酸(BABS)塩、重炭酸塩、ビフェニル、ビスメルチアゾール(bismerthiazol)、ビテルタノール、ブラストサイジン−S、ホウ砂、ボルドー液、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリメート、多硫化カルシウム、カプタホル、キャプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、カルボン、クロロネブ、クロロタロニル、クロゾリネート、コニオチリウムミニタンス、水酸化銅、オクタン酸銅、塩基性塩化銅、硫酸銅、硫酸銅(三塩基性)、亜酸化銅、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ダゾメット、デバカルブ、ジアンモニウムエチレンビス−(ジチオカルバメート)、ジクロフルアニド、ジクロロフェン、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフェンゾコートイオン、ジフルメトリム、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、ジノブトン、ジノカップ、ジフェニルアミン、ジチアノン、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ、ドジン、ドジン(遊離塩基)、エジフェンホス、エネストロビン、エポキシコナゾール、エタボキサム、エトキシキン、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェンアミドン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンチン、酢酸フェンチン、フェンチンヒドロキシド、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルモルフ、フルオピコリド、フルオルイミド、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルトラニル、フルトリアフォル、ホルペット、ホルムアルデヒド、ホセチル、ホセチル−アルミニウム、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、グアザチン、酢酸グアザチン、GY−81、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、硫酸イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イミノクタジン三酢酸塩、イミノクタジントリス(アルベシル酸塩)、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソプロチオラン、カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩一水和物、クレソキシムメチル、マンコッパー、マンコゼブ、マンジプロパミド、マネブ、メパニピリム、メプロニル、塩化第2水銀、酸化第2水銀、塩化第1水銀、メタラキシル、メフェノキサム、メタラキシル−M、メタム、メタム−アンモニウム、メタム−カリウム、メタム−ナトリウム、メトコナゾール、メタスルホカルブ、ヨウ化メチル、メチルイソチオシアナート、メチラム、メトミノストロビン、メトラフェノン、ミルディオマイシン、ミクロブタニル、ナバム、ニトロタール−イソプロピル、ヌアリモル、オクチリノン、オフレース、オレイン酸(脂肪酸)、オリサストロビン、オキサジキシル、オキシン銅、オキシポコナゾールフマル酸塩、オキシカルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンタクロロフェノール、ペンタクロロフェニルラウレート、ペンチオピラド、酢酸フェニル水銀、ホスホン酸、フタリド、ピコキシストロビン、ポリオキシンB、ポリオキシン、ポリオクソリム、炭酸水素カリウム、カリウムヒドロキシキノリン硫酸塩、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロパモカルブ塩酸塩、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラゾホス、ピリブチカルブ、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピロキロン、キノクラミン、キノキシフェン、キントゼン、オオイタドリ抽出物(Reynoutria sachalinensis extract)、シルチオファム、シメコナゾール、ナトリウム2−フェニルフェノキシド、重炭酸ナトリウム、ナトリウムペンタクロロフェノキシド、スピロキサミン、イオウ、SYP−Z071、SYP−048、タール油、テブコナゾール、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネートメチルチラム、チアジニル、トルクロホスメチル、トリルフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、バリダマイシン、ビンクロゾリ、ジネブ、ジラム、ゾキサミド、キャンディダ・オレオフィラ(Candida oleophila)、フサリウムオキシスポルム(Fusarium oxysporum)、グリオクラディウム属(Gliocladium spp.)、カミカワタケ(Phlebiopsis gigantean)、ストレプトミセス・グリセオビリジス(Streptomyces griseoviridis)、トリコデルマ属(Trichoderma spp.)、(RS)−N−(3,5−ジクロロフェニル)−2−(メトキシメチル)−スクシンイミド、1,2−ジクロロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフルオロアセトン一水和物、1−クロロ−2,4−ジニトロナフタレン、1−クロロ−2−ニトロプロパン、2−(2−ヘプタデシル−2−イミダゾリン−1−イル)エタノール、2,3−ジヒドロ−5−フェニル−1,4−ジチ−イン1,1,4,4−テトラオキシド、2−メトキシエチルマーキュリーアセテート、2−メトキシエチルマーキュリークロリド、2−メトキシエチルマーキュリーシリケート、3−(4−クロロフェニル)−5−メチルロダニン、4−(2−ニトロプロパ−1−エンイル)フェニルチオシアナテム(4−(2−nitroprop−1−enyl)phenyl thiocyanateme):アムプロピルホス、アニラジン、アジチラム、多硫化バリウム、Bayer32394、ベノダニル、ベンキノックス、ベンタルロン、ベンザマクリル;ベンザマクリルイソブチル、ベンズアモルフ、ビナパクリル、ビス(メチル水銀)硫酸塩、ビス(トリブチルスズ)オキシド、ブチオベート、カドミウム・カルシウム・銅・亜鉛・クロム酸塩・硫酸塩、カルバモルフ、CECA、クロベンチアゾン、クロラニホルメタン、クロルフェナゾール、クロロキノックス、クリムバゾール、カッパービス(3−フェニルサリシレート)、カッパージンククロメート、クフラネブ、キュプリックヒドラジニウムサルフェート(cupric hydrazinium sulfate)、クプロバム、シクラフラミド、シペンダゾール、シプロフラム、デカフェンチン、ジクロン、ジクロゾリン、ジクロブトラゾール、ジメチリモール、ジノクトン、ジノスルホン、ジノテルボン、ジピリチオン、ジタリムホス、ドジシン(dodicin)、ドラゾキソロン、EBP、ESBP、エタコナゾール、エテム、エチリム(ethirim)、フェナミノスルフ、フェナパニル、フェニトロパン、フルオトリマゾール、フルカルバニル、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、フルメシクロックス、フロファネート、グリオジン、グリセオフルビン、ハラクリネート、Hercules3944、ヘキシルチオホス、ICIA0858、イソパンホス(isopamphos)、イソバレジオン、メベニル、メカルビンジド、メタゾキソロン、メトフロキサム、メチルマーキュリージシアンジアミド、メトスルホバックス、ミルネブ、ムコクロロ酸無水物、ミクロゾリン、N−3,5−ジクロロフェニル−スクシンイミド、N−3−ニトロフェニルイタコンイミド、ナタマイシン、N−エチルメルクリオ−4−トルエンスルホンアニリド、ニッケルビス(ジメチルジチオカルバメート)、OCH、フェニルマーキュリージメチルジチオカルバメート、硝酸フェニル水銀、ホスダイフェン、プロチオカルブ;プロチオカルブ塩酸塩、ピラカルボリド、ピリジニトリル、ピロキシクロア、ピロキシフル、キナセトール;キナセトールサルフェート、キナザミド、キンコナゾール、ラベンザゾール、サリチルアニリド、SSF−109、スルトロペン(sultropen)、テコラム、チアジフルオール、チシオフェン、チオクロルフェンフィム、チオファナート、チオキノックス、チオキシミド、トリアミホス、トリアリモール、トリアズブチル、トリクラミド、ウルバシド(urbacid)、XRD−563およびザリラミド、IK−1140、NC−224ならびにその任意の組合せが含まれる。
【0048】
さらに、本発明の化合物は、施用のために選択された媒体中で本発明の化合物と適合性があり、かつ本発明の化合物の活性に対して拮抗しない殺虫剤、抗線虫剤、ダニ殺虫剤、節足動物駆除剤、殺菌剤またはその組合せを含む他の殺虫剤と混合して、その殺菌性混合物および相乗的混合物を形成させることができる。本発明の殺菌性化合物はしばしば、より広範囲の望ましくない害虫を防除するために、1種または複数の他の殺虫剤と併用して施用される。殺虫剤と併用する場合、本明細書で特許請求する化合物は、他の殺虫剤と一緒に処方するか、他の殺虫剤とタンク混合するか、または他の殺虫剤と逐次的に施用することができる。典型的な殺虫剤には、これらに限定されないが、アロサミジンおよびスリンギエンシン(thuringiensin)などの抗生殺虫剤;スピノサドなどの大環状ラクトン殺虫剤;アバメクチン、ドラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチンおよびセラメクチンなどのアベルメクチン殺虫剤;レピメクチン、ミルベメクチン、ミルベマイシンオキシムおよびモキシデクチンなどのミルベマイシン殺虫剤;ヒ酸カルシウム、アセト亜ヒ酸銅、ヒ酸銅、ヒ酸鉛、亜ヒ酸カリウムおよび亜ヒ酸ナトリウムなどのヒ素殺虫剤;アナバシン、アザディラクチン、d−リモネン、ニコチン、ピレトリン類、シネリン類、シネリンI、シネリンII、ジャスモリンI、ジャスモリンII、ピレトリンI、ピレトリンII、クアッシア、ロテノン、リアニアおよびサバジラなどの植物性殺虫剤;ベンジオカルブおよびカルバリルなどのカルバメート殺虫剤;ベンフラカルブ、カルボフラン、カルボスルファン、デカルボフラン(decarbofuran)およびフラチオカルブなどのベンゾフラニルメチルカルバメート殺虫剤;ジメチルカルバメート殺虫剤、ジミタン(dimitan)、ジメチラン、ヒキンカルブ(hyquincarb)およびピリミカルブ;アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、メソミル、ニトリラカルブ(nitrilacarb)、オキサミル、タジムカルブ(tazimcarb)、チオカルボキシム(thiocarboxime)、チオジカルブおよびチオファノックスなどのオキシムカルバメート殺虫剤;アリキシカルブ、アミノカルブ、ブフェンカルブ、ブタカルブ(butacarb)、カーバノレート、クロエトカルブ、ジクレシル、ジオキサカルブ、EMPC、エチオフェンカルブ、フェネタカルブ(fenethacarb)、フェノブカルブ、イソプロカルブ、メチオカルブ、メトルカルブ、メキサカルベート、プロマシル、プロメカルブ、プロポキスル、トリメタカルブ、XMCおよびキシリルカルブなどのフェニルメチルカルバメート殺虫剤;ジネックス、ジノプロップ(dinoprop)、ジノサムおよびDNOCなどのジニトロフェノール殺虫剤;ヘキサフルオロケイ酸バリウム、クリオライト、フッ化ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウムおよびスルフルラミドなどのフッ素殺虫剤;アミトラズ、クロルジメホルム、ホルメタネートおよびホルムパラネート(formparanate)などのホルムアミジン殺虫剤;アクリロニトリル、二硫化炭素、四塩化炭素、クロロホルム、クロロピクリン、パラ−ジクロロベンゼン、1,2−ジクロロプロパン、ギ酸エチル、二臭化エチレン、二塩化エチレン、エチレンオキシド、シアン化水素、ヨードメタン、臭化メチル、メチルクロロホルム、塩化メチレン、ナフタレン、ホスフィン、フッ化スルフリルおよびテトラクロロエタンなどの燻蒸殺虫剤;ホウ砂、多硫化カルシウム、オレイン酸銅、塩化第1水銀、チオシアン酸カリウムおよびチオシアン酸ナトリウムなどの無機系殺虫剤;ビストリフルロン、ブプロフェジン、クロルフルアズロン、シロマジン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、ペンフルロン、テフルベンズロンおよびトリフルムロンなどのキチン合成阻害剤;エポフェノナン、フェノキシカルブ、ヒドロプレン、キノプレン、メトプレン、ピリプロキシフェンおよびトリプレンなどの幼若ホルモン類似体;幼若ホルモンI、幼若ホルモンIIおよび幼若ホルモンIIIなどの幼若ホルモン;クロマフェノジド、ハロフェノジド、メトキシフェノジドおよびテブフェノジなどの脱皮ホルモンアゴニスト;α−エクジソンおよびエクジステロンなどの脱皮ホルモン;ジオフェノランなどの脱皮阻害剤;プレコセンI、プレコセンIIおよびプレコセンIIIなどのプレコセン類;ジシクラニルなどの未分類の昆虫成長調節剤;ベンスルタップ、カルタップ、チオシクラムおよびチオスルタップなどのネライストキシン類似殺虫剤;フロニカミドなどのニコチノイド殺虫剤;クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリドおよびチアメトキサムなどのニトログアニジン殺虫剤;ニテンピラムおよびニチアジンなどのニトロメチレン殺虫剤;アセタミプリド、イミダクロプリド、ニテンピラムおよびチアクロプリドなどのピリジルメチル−アミン殺虫剤;ブロモ−DDT、カンフェクロール、DDT、pp’−DDT、エチル−DDD、HCH、γ−HCH、リンデン、メトキシクロール、ペンタクロロフェノールおよびTDEなどの有機塩素系殺虫剤;アルドリン、ブロモシクレン、クロルビシクレン、クロルデン、クロルデコン、ディルドリン、ジロール(dilor)、エンドスルファン、エンドリン、HEOD、ヘプタクロル、HHDN、イソベンザン、イソドリン、ケレバンおよびマイレックスなどのシクロジエン殺虫剤;ブロムフェンビンホス、クロルフェンビンホス、クロトキシホス、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメチルビンホス、ホスピレート、ヘプテノホス、メトクロトホス(methocrotophos)、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、ナフタロホス、ホスファミドン、プロパホス、TEPPおよびテトラクロルビンホスなどの有機リン系殺虫剤;ジオキサベンゾホス、ホスメチランおよび]フェントエートなどの有機チオリン系殺虫剤;アセチオン(acethion)、アミトン、カズサホス、クロルエトキシホス、クロルメホス、デメフィオン、デメフィオン−O、デメフィオン−S、デメトン、デメトン−O、デメトン−S、デメトン−メチル、デメトン−O−メチル、デメトン−S−メチル、デメトン−S−メチルスルホン、ジスルホトン、エチオン、エトプロホス、IPSP、イソチオエート、マラチオン、メタクリホス、オキシデメトン−メチル、オキシデプロポス、オキシジスルホトン、ホレート、スルホテップ、テルブホスおよびチオメトンなどの脂肪族有機チオリン系殺虫剤;アミジチオン、シアントエート(cyanthoate)、ジメトエート、エトエート−メチル、ホルモチオン、メカルバム、オメトエート、プロトエート、ソファミド(sophamide)およびバミドチオンなどの脂肪族アミド有機チオリン系殺虫剤;クロルホキシム、ホキシムおよびホキシム−メチルなどのオキシム有機チオリン系殺虫剤;アザメチオホス、クマホス、クミトエート(coumithoate)、ジオキサチオン、エンドチオン、メナゾン、モルホチオン、ホサロン、ピラクロホス、ピリダフェンチオンおよびキノチオン(quinothion)などの複素環有機チオリン系殺虫剤;ジチクロホス(dithicrofos)およびチクロホス(thicrofos)などのベンゾチオピラン有機チオリン系殺虫剤;アジンホス−エチルおよびアジンホス−メチルなどのベンゾトリアジン有機チオリン系殺虫剤;ジアリホスおよびホスメットなどのイソインドール有機チオリン系殺虫剤;イソキサチオンおよびゾラプロホスなどのイソキサゾール有機チオリン系殺虫剤;クロルプラゾホス(chlorprazophos)およびピラゾホスなどのピラゾロピリミジン有機チオリン系殺虫剤;クロルピリホスおよびクロルピリホス−メチルなどのピリジン有機チオリン系殺虫剤;ブタチオホス、ダイアジノン、エトリムホス、リリムホス(lirimfos)、ピリミホス−エチル、ピリミホス−メチル、プリミドホス(primidophos)、ピリミテート(pyrimitate)およびテブピリムホスなどのピリミジン有機チオリン系殺虫剤;キナルホスおよびキナルホス−メチルなどのキノキサリン有機チオリン系殺虫剤;アチダチオン(athidathion)、リチダチオン(lythidathion)、メチダチオンおよびプロチダチオン(prothidathion)などのチアジアゾール有機チオリン系殺虫剤;イサゾホスおよびトリアゾホスなどのトリアゾール有機チオリン系殺虫剤;アゾトエート(azothoate)、ブロモホス、ブロモホス−エチル、カルボフェノチオン、クロルチオホス、シアノホス、サイチオアート、ジカプトン、ジクロフェンチオン、エタホス(etaphos)、ファムフール、フェンクロルホス、フェニトロチオン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フェンチオン−エチル、ヘテロホス(heterophos)、ヨードフェンホス、メスルフェンホス、パラチオン、パラチオン−メチル、フェンカプトン、ホスニクロール(phosnichlor)、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、テメホス、トリクロルメタホス(trichlormetaphos)−3およびトリフェノホス(trifenofos)などのフェニル有機チオリン系殺虫剤;ブトネートおよびトリクロルホンなどのホスホン酸系殺虫剤;メカルホン(mecarphon)などのホスホノチオエート殺虫剤;フォノフォスおよびトリクロロナートなどのフェニルエチルホスホノチオエート殺虫剤;シアノフェンホス、EPNおよびレプトホスなどのフェニルフェニルホスホノチオエート殺虫剤;クルホメート、フェナミホス、フォスチエタン、メホスホラン、ホスホランおよびピリメタホス(pirimetaphos)などのホスホロアミダート殺虫剤;アセフェート、イソカルボホス、イソフェンホス、メタミドホスおよびプロペタンホスなどのホスホルアミドチオエート殺虫剤;ジメフォックス、マジドクス(mazidox)、ミパホクス(mipafox)およびシュラーダンなどのホスホロジアミド殺虫剤;インドキサカルブなどのオキサジアジン殺虫剤;ジアリホス、ホスメットおよびテトラメトリンなどのフタルイミド殺虫剤;アセトプロール、エチプロール、フィプロニル、ピラフルプロール、ピリプロール、テブフェンピラド、トルフェンピラドおよびバニリプロールなどのピラゾール殺虫剤;アクリナトリン、アレスリン、ビオアレスリン、バルトリン、ビフェントリン、ビオエタノメトリン、シクレトリン、シクロプロトリン、シフルトリン、β−シフルトリン、シハロトリン、γ−シハロトリン、λ−シハロトリン、シペルメトリン、α−シペルメトリン、β−シペルメトリン、θ−シペルメトリン、ζ−シペルメトリン、シフェノトリン、デルタメトリン、ジメフルトリン、ジメトリン、エンペントリン、フェンフルトリン、フェンピリトリン、フェンプロパトリン、フェンバレラート、エスフェンバレレート、フルシトリネート、フルバリネート、τ−フルバリネート、フレトリン、イミプロスリン、メトフルトリン、ペルメトリン、バイオペルメトリン、トランスペルメトリン、フェノトリン、プラレスリン、プロフルトリン、ピレスメトリン、レスメトリン、ビオレスメトリン、シスメトリン、テフルトリン、テラレトリン、テトラメトリン、トラロメトリンおよびトランスフルトリンなどのピレスロイドエステル殺虫剤;エトフェンプロックス、フルフェンプロックス、ハルフェンプロックス、プロトリフェンブテおよびシラフルオフェンなどのピレスロイドエーテル殺虫剤;フルフェネリムおよびピリミジフェンなどのピリミジアミン殺虫剤;クロルフェナピルなどのピロール殺虫剤;スピロメシフェンなどのテトロン酸殺虫剤;ジアフェンチウロンなどのチオ尿素殺虫剤;フルコフロンおよびスルコフロンなどの尿素殺虫剤;ならびに、クロサンテル、クロタミトン、EXD、フェナザフロール、フェノキサクリム、フルベンジアミド、ヒドラメチルノン、イソプロチ
オラン、マロノベン(malonoben)、メタフルミゾン、メトキサジアゾン、ニフルリジド、ピリダベン、ピリダリル、ラフォキサニド、トリアラテンおよびトリアザメートなどの未分類殺虫剤、およびその任意の組合せが含まれる。
【0049】
本発明の他の実施形態は、真菌の攻撃の防除または防止のための方法である。本発明の方法は、殺菌上有効な量の式Iの化合物の1つまたは複数を、土壌、植物、根、葉、種子もしくは真菌の遺伝子座、またはその中での侵襲を防止しようとする遺伝子座に施用する(例えば穀物用植物またはブドウ植物に施用する)ことを含む。化合物は、殺菌性のレベルではあるが低い植物毒性しか示さないで種々の植物を処置するのに適している。化合物は、保護するか、かつ/または根絶させる形の両方に有用である。
【0050】
これらの化合物は、特に農業での使用に著しい殺菌効果を有することが分かった。化合物の多くは、農作物や園芸植物に用いるのに特に効果的である。
【0051】
当業者は、上記菌類に対する化合物の効能が、殺菌剤としての化合物の一般的な有用性を確立するものであることを理解されよう。
【0052】
化合物は、殺菌剤として広範囲の効能を有している。施用される活性物質の正確な量は、施用される具体的な活性物質のだけでなく、具体的な所望の作用、防除すべき真菌の種およびその成長の段階、ならびに化合物が接触することになる植物または他の産物の部分にも依存する。したがって、化合物およびその化合物を含む処方物がすべて、同様の濃度でまたは同一の真菌種に対して、同等に効果的であるとは限らない。
【0053】
化合物は、病気を阻止し、かつ植物学的に許容される量で植物に用いるのが効果的である。「病気を阻止し、かつ植物学的に許容される量」という用語は、防除したい植物の病気を殺生するかまたは阻止するが、植物に対しては殆ど有害でない化合物の量を指す。その量は、一般に約0.1〜約1000ppm(100万分の1)であり、1〜500ppmが好ましい。必要とされる正確な化合物濃度は、防除される真菌の病気、用いる処方物の種類、施用方法、具体的な植物種、気候条件等によって変わる。適切な施用速度は、一般に約0.10〜約4ポンド/エーカー(平方メートル当たり約0.01〜0.45グラム(g/m))の範囲である。
【0054】
本明細書での教示を理解するのに当業者に明らかであるように、目的とする効果を失うことなく、本明細書で示す任意の範囲および所望の値を拡大または変更することができる。
【実施例】
【0055】
本発明の化合物は概ね2つの方法のうちの1つにより調製する。第1の方法では、適切なヒドロキシフェニルアルキルアミンAを5−クロロ−4−ハロチエノ[2,3−d]ピリミジンB(X=Br、Cl、FまたはH)とカップリングさせて構造Cの中間体を得る。次いで、これらを適切な求電子試薬(E)と反応させて最終化合物Dを得る。
【0056】
【化3】

【0057】
第2の方法では、適切なヒドロキシフェニルアルキルアミンA(R=Hまたは保護基)を適切な求電子試薬(E)と反応させて構造Eの中間体を得る。次いで、これらをB(必要なら最初に脱保護する)とカップリングさせて
【0058】
【化4】


最終化合物Dを得る。
【0059】
殆どの場合、第1の方法が好ましい方法である。必要なら、遠位の環(E)での他の試みを実施することができる。
【0060】
カップリング段階では通常、プロセスを容易にし、かつこの段階で発生する酸を中和させるために1〜4当量の塩基を用いる。塩基の例には、これらに限定されないが、ピリジン、トリエチルアミン、炭酸カリウム等が含まれる。溶媒の例には、これらに限定されないが、ピリジン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エタノール、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン等が含まれる。反応は一般に、用いる方法に応じて、20〜150℃の温度で実施する。本発明で用いる中間体は、市販されているか、または文献で知られているかもしくは本明細書で後述するようにして調製される。
【0061】
本発明をさらに説明するために以下の実施例を示す。これらは本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
[実施例]
【0062】
化合物1
5−(クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−{2−[4−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)フェニル]エチル}アミン
DMSO(2mL)中の4,5−ジクロロチエノ[2,3−d]ピリミジン(182mg、(0.89ミリモル)、2−[4−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)フェニル]エチルアミン(250mg、0.89ミリモル)およびトリエチルアミン(5滴)のスラリーを室温で終夜撹拌した。反応物を水(5mL)で希釈し、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。有機層を一緒にし、ブライン(20mL)で洗浄し、脱水した(NaSO)。ろ過し、溶媒を除去して残った残留物を、シリカゲルを用いたクロマトグラフィーにかけ、4:1塩化メチレン/酢酸エチルで溶出させた。生成物画分を一緒にし、ストリッピングして164mgの低純度の灰白色固体が残った。シクロヘキサンから再結晶化させて、純粋な生成物を白色粉末として得た。116mg、0.26ミリモル、29%の収率。
【0063】
化合物2、3、4、5、6は、後述するアミン塩を用いて、実施例1の手順により同様に調製した。
【0064】
化合物7
{2−[4−(5−ブロモピリジン2−イルオキシ)フェニル]エチル}−(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル}アミン
DMSO(2mL)中の4−{2−[(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]エチル}フェノール(200mg、0.65ミリモル)、2−フルオロ−5−ブロモピリジン(115mg、0.65ミリモル)および炭酸カリウム(90mg、0.65ミリモル)の溶液を75℃で終夜撹拌した。混合物をHO(15mL)で希釈した。混合物をEtO(3×15mL)で抽出した。有機物を一緒にし、ブラインで洗浄し、脱水し(NaSO)、シリカゲルでろ過した。溶媒をストリッピングし、残留物をエーテルで磨砕して黄色固体を得た。191mg、0.62ミリモル、95%の収率。
【0065】
化合物8、9、10、12、13、16、17、18、19、20、21、23、24、26、27、28、29、30、31、32、35、36、37、38、39、40、41、43、44、45、46、51、56、57、58、59、60、66、72、73、79、80、82、83、84、85、89、90、91、92、93、95、96、97、98、100、101、106、125、128、129、130、131、132、133を、化合物7の手順と同様にして調製した。
【0066】
化合物71、74、75、76、77は、DMSOをDMFで置き換えて、化合物7の手順に従って調製した。
【0067】
化合物42、49、50、78、81は、炭酸カリウムを水素化ナトリウムで置き換えて、化合物7の手順に従って調製した。
【0068】
化合物47、53、55、61、62は、炭酸カリウムおよびDMSOをトリエチルアミンおよびDMFで置き換えて、化合物7の手順に従って調製した。
【0069】
化合物52、54、63、64、65、68、70、86、87、88、103、111、126は、炭酸カリウムおよびDMSOを水素化ナトリウムおよびDMFで置き換えて、化合物7の手順に従って調製した。
【0070】
化合物94、109、110、112、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123は、炭酸カリウムおよびDMSOをカリウムt−ブトキシドおよびTHFで置き換えて、化合物7の手順に従って調製した。
【0071】
化合物108は、炭酸カリウムおよびDMSOをピリジンおよび塩化メチレンで置き換えて、化合物7の手順に従って調製した。
【0072】
化合物113は、炭酸カリウムおよびDMSOをナトリウムメトキシドおよびメタノールで置き換えて、化合物7の手順に従って調製した。
【0073】
化合物11
4−メトキシ安息香酸4−[2−(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)エチル]フェニルエステル
CHCl(5mL)中の6−メトキシニコチノイルクロリド(343mg、2ミリモル)の溶液を、CHCl(5mL)中の4−{2−[(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]エチル}フェノール(611mg、2ミリモル)およびEtN(1.0g、10ミリモル)の溶液に滴下し、溶液を室温で終夜撹拌した。反応物をCHCl(20mL)で希釈し、HO、1M NaOHおよびブラインで洗浄した。有機物を乾燥し(NaSO)、シリカゲルでろ過した。溶媒をストリッピングして200mgの物質を得た。これをHPLCで精製して48mg、0.11ミリモルを得た。5%の収率。
【0074】
化合物14、15、25を、化合物11の手順を用いて同様に調製した。
【0075】
化合物33
6−{4−[2−(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)エチル]フェノキシ}ニコチン酸N’,N’−ジメチルヒドラジド
塩化チオニル(15mL)中の6−{4−[2−(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)エチル]フェノキシ}ニコチン酸(0.5g、1.1ミリモル)の溶液を1時間還流加熱し、次いで冷却し、真空下で濃縮した。残留物を塩化メチレン(20mL)に取り、N,N−ジメチルヒドラジンで処理した。1時間後、反応物を水(20mL)で洗浄し、脱水した(NaSO)。ろ過し、溶媒を除去して残った残留物を、酢酸エチルから再結晶化させた。0.18g、0.44モル、35%の収率。
【0076】
化合物34
6−{4−[2−(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)エチル]フェノキシ}ピリジン−3−カルバルデヒドO−メチルオキシム
エタノール(10mL)中の6−{4−[2−(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)エチル]フェノキシ}ピリジン−3−カルバルデヒド(0.2g、0.5ミリモル)およびメトキシルアミン塩酸塩(0.2g、2.5ミリモル)の溶液を1時間還流加熱した。冷却後、反応物を水で希釈し、固体をろ取し、空気乾燥して生成物を得た。0.17g、0.4ミリモル、77%の収率。
【0077】
化合物48
1−2−{4−[2−(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)エチル]フェノキシ}チアゾール−5−イル)エタノンO−メトキシム
ジオキサン(2mL)中のケトン46(258mg、0.6ミリモル)、メトキシルアミン塩酸塩(50mg、0.6ミリモル)および酢酸ナトリウム(60mg、0.7ミリモル)の溶液を50℃で終夜加熱した。冷却後、反応物をエーテルで希釈し、水、ブラインで洗浄し、脱水した(NaSO)。これをシリカゲルの小充填物でろ過し、生成物が集まるまでエーテルで溶出させて生成物を得た。55mg、0.12ミリモル、20%の収率。
【0078】
化合物67
(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−{2−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)フェニル]エチル}アミン
マグネチックスターラーを備えたカルーセル(Carousel)反応管に、窒素雰囲気下でDMF(5mL)、3−[2−(5−クロロチエノ[2,3−d]−ピリミジン−4−イルアミノ)エチル]フェノール(678mg、2.2ミリモル)および水素化ナトリウム(オイル中の60%分散液;98mg)を加えた。発泡が鎮まると茶色の溶液が得られた。次いで2−フルオロ−5−トリフルオロメチルピリジン(366mg、2.2ミリモル)を加えた。反応物を40℃で15時間撹拌した。次いで、反応混合物を水(10mL)と酢酸エチル(3×20mL)との間に分配した。一緒にした有機相をペンタン(15mL)で希釈し、水(2×10mL)とブライン(10mL)で逐次洗浄し、次いで脱水し(MgSO)、シリカゲル/セライト(Celite)充填物でろ過した。溶媒の大部分を除去して濃い黄色油状物(1.05g)を得た。これをペンタン(50mL)と激しく撹拌した。ペンタンをデカントして黄褐色固体を得た。その固体を熱ペンタン中で磨砕し、懸濁液を冷却し、吸引ろ過により固体を取り出して生成物を無定形の黄褐色粉末として得た。545mg、1.2ミリモル、55%の収率。mp67〜69℃。
【0079】
化合物69を、化合物67の手順を用いて同様に調製した。
【0080】
化合物84
(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−{2−[4−(6−メトキシピリジン−2−イルオキシ)フェニル]エチル}アミン
メタノール(10mL)中の19(0.34g、0.85ミリモル)の溶液をエチルクロロホーメート(0.11g、0.11ミリモル)で処理し、続いてトリエチルアミン(0.24mL、1.71ミリモル)で処理した。混合物を4時間還流加熱し、次いで追加のエチルクロロホーメート(0.11g、0.11ミリモル)とトリエチルアミン(0.24mL、1.71ミリモル)を加えた。38℃で3日間撹拌後、溶媒を真空下で除去し、残留物をクロロホルム中に溶解させた。有機層を重炭酸ナトリウム飽和水溶液とブラインの1:1溶液で洗浄し、脱水した(NaSO)、ろ過し、溶媒を除去して残った残留物を、シリカゲルを用い、ヘキサン中の25%アセトンで溶出させて精製して、生成物を無色油状物として得た。89mg、0.22ミリモル、25%の収率。
【0081】
化合物99
2−クロロ−N−{4−[2−(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)エチル]フェニル}イソニコチンアミド
2−クロロイソニコチノイルクロリド(0.1g、0.57ミリモル)を、塩化メチレン(20mL)中の2−[(4−アミノフェニル)エチル]−(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミン(0.15g、0.50ミリモル)の溶液に加えるとベージュ色の沈殿物が得られた。ピリジン(0.05g)を加え、得られた溶液を15分間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残留物を水と酢酸エチルとの間に分配した。層を分離し、有機層を真空下で濃縮した。この残留物(0.26g)を最少量の塩化メチレンに取り、ヘキサンを加えて沈殿させた。生成物をろ取し、空気乾燥して黄褐色粉末を得た。0.15g、0.33ミリモル、66%の収率。
【0082】
化合物102
2,2−ジメチルプロピオン酸N’−(6−{4−[2−(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)エチル]フェノキシ}ピリジン−2−イル)−ヒドラジド
無水DMF(4mL)中の4−{2−[(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]エチル}フェノール(0.152g、0.5ミリモル)および5−(tert−ブチル)−3−(6−フルオロピリジン−2−イル)−3H−[1,3,4]オキサジアゾール2−オン(0.119g、0.5ミリモル)の溶液に、鉱油中の60%水素化ナトリウム(30mg、0.75ミリモル)を分割添加した。次いで混合物を100℃で終夜撹拌した。冷却後、反応物をメタノールでクエンチした。溶媒を真空下で除去し、残留物をCHClおよび水の中で磨砕した。有機相を分離し、無水NaSOで脱水し、ろ過、濃縮し、分取HPLCで精製して、脱カルボキシル生成物を茶色の泡状物として得た。16mg、0.03ミリモル、6.5%の収率。
【0083】
化合物104
{2−[4−(6−クロロピリジン−3−イルメトキシ)フェニル]エチル−(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミン
DMSO(2mL)中のNaH60%(65mg、1.6ミリモル)の溶液に、4−{2−[(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]エチル}フェノール(305mg、1ミリモル)を加えた。溶液を30分間撹拌し、次いでDMSO(2mL)中の2−クロロ−5−(クロロメチル)ピリジン(162mg、1ミリモル)の溶液を加えた。溶液を50℃に加熱しながら終夜撹拌した。反応物をHOで希釈し、エーテルで3回抽出した。有機物をブラインで洗浄し、脱水した(NaSO)。ろ過し、溶媒を除去して残った黄色固体を、シリカを用いてクロマトグラフィーにより、ペンタン中の40%酢酸エチルで溶出させて精製して白色固体を得た。210mg、0.55ミリモル、55%の収率。
【0084】
化合物105、107を、化合物104の手順を用いて同様に調製した。
【0085】
化合物124
(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−{2−[3−メトキシ−4−(4−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)フェニル]エチル}アミン
DMSO(3mL)中の60%水素化ナトリウム/オイル分散(31mg、0.78ミリモル)の溶液に、4−{2−[(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]エチル}−2−メトキシフェノール(250mg、0.75ミリモル)を加えた。30分間撹拌した後、2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)ピリジン(141mg、0.78ミリモル)を加え、反応物を80℃で終夜加熱した。反応混合物をHOで希釈し、沈殿物をろ取した。ろ過ケーキをHOで洗浄し、次いでCHCl中に溶解させた。有機物を脱水し(NaSO)、ろ過し、真空下でストリッピングした。固体残留物をエーテルとペンタンの混合物で磨砕して茶色の固体を得た。120mg、0.25ミリモル、33%の収率。
【0086】
化合物127
(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−(2−{4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン−2−イルオキシ)フェニル}エチル)アミン
45mLのパール(Parr)容器に、化合物43(200mg、0.39ミリモル)、炭酸セシウム(253mg、0.78ミリモル)、1,10−フェナントロリン(14mg、0.078ミリモル)、ヨウ化銅(I)(7mg、0.039ミリモル)および2,2,2−トリフルオロエタノール(4mL、0.78ミリモル)をチャージした。反応物を110℃で72時間加熱した。反応物を周囲温度に冷却し、EtOで希釈し、HOで洗浄した。有機物を乾燥し(NaSO)、ろ過し、溶媒を真空下で除去した。残留物を、シリカを用いてクロマトグラフィーにより、石油エーテル中の30%EtOAcで溶出させて生成物を無色油状物として得た。58mg、0.12ミリモル、30%の収率。
【0087】
種々の中間体の合成
4−[2−(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)エチル]フェノールの調製
DMF(5mL)中の4,5−ジクロロチエノ[2,3−d]ピリミジン(0.5g、2.4ミリモル)、トリエチルアミン(0.4g、2.9ミリモル)とトリエチルアミン(0.4g、3.6g、ミリモル)の混合物を、室温で終夜撹拌した。反応物を水(25mL)と酢酸エチル(25mL)との間に分配し、層を分離した。水性部分を追加の酢酸エチル(2×25mL)で抽出し、有機層を一緒にし、水(2×20mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、脱水した(NaSO)。ろ過し、溶媒を除去すると0.5gの茶色の固体が得られた。これを、シリカを用いてクロマトグラフィーにより、40%酢酸エチル/ヘキサンで溶出させて精製して、生成物を薄黄色固体として得た。310mg、1.0ミリモル、42%の収率。
【0088】
以下の化合物を上記手順により調製した。
4−[2−(5−ブロモチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)エチル]フェノール。
4−[2−(チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)エチル]フェノール。
【0089】
3−[2−(5−クロロチエノ[2.3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)エチル]フェノールの調製
機械的撹拌機、凝縮器、滴下漏斗および熱電対温度モニターを備えた250mLの3ッ口丸底フラスコに、窒素雰囲気下で、N,N−ジメチルホルムアミド(75mL)、4,5−ジクロロチエノ[2,3−d]ピリミジン(7.47g、36ミリモル)、3−ヒドロキシフェネチルアミン塩酸塩(5.0g、28.8ミリモル)およびトリエチルアミン(10.7ミリモル)を加えた。これらの試薬を発熱的に混合した後、反応混合物を33℃の温度に上げ、混合物を、25℃に戻しながら終夜撹拌した。次いで、混合物を水に注加し、温かい(60℃)酢酸エチル(5×70mL)で抽出した。一緒にした有機相を水(2×70mL)、ブライン(70mL)で洗浄し、脱水し(MgSO)、シリカゲル/セライト充填物でろ過し、溶媒の大部分を真空下で除去して黄色油状物を得た。この油状物を酢酸エチル(100mL)中に溶解させ、還流加熱し、25℃まで冷却した。黄色結晶性固体が生成した。これを吸引ろ過し、生成物を漏斗上で3時間空気乾燥して6.34g、20.8ミリモルを得た。72%の収率、164〜165℃。
【0090】
2−[(4−アミノフェニル)エチル]−(5−クロロチエノ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミンの調製
THF(60mL)中の4,5−ジクロロチエノ[2,3−d]ピリミジン(0.62g、3ミリモル)、4−アミノフェネチルアミン(0.41g、3ミリモル)および炭酸カリウム(2g、14ミリモル)の混合物を100℃で15分間加熱した。冷却後、固体をろ別し、母液を排除して乾燥させた。残留物を酢酸エチルとエーテルの1:1溶液に取り、希水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。次いで有機相を希塩酸水溶液で2回抽出し、一緒にした水性部分をエーテルで洗浄した。水酸化ナトリウムで水相のpHを9に上げ、次いでエーテルで完全に抽出した。この有機相をろ過し、若干の不溶物を除去して透明な黄色溶液を得た。溶媒を除去して生成物を黄色粉末として得た。580mg、1.9ミリモル、63%の収率。
【0091】
4−[2−(5−クロロチエノ[2.3−d]ピリミジン−4−イルアミノ)エチル]−2−メトキシフェノールの調製
DMF(15mL)中の4,5−ジクロロチエノ[2,3−d]ピリミジン(2.0g、9.8ミリモル)、4−(2−アミノエチル)−2−メトキシフェノール(1.8g、10.7ミリモル)およびトリエチルアミン(1.2g、11.8ミリモル)の溶液を終夜撹拌した。溶液をHOで希釈し、生成物をろ取して灰白色粉末を得た。2.5g、7.4ミリモル、76%の収率。
【0092】
2−[4−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)フェニル]エチルアミンの調製
水素化ナトリウム/60%オイル分散液(0.72mg、18ミリモル)を無水DMF(25mL)中のチラミン(2.1g、15ミリモル)のスラリーに分割添加した。15分後、2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(2.9g、16ミリモル)をそのまま加え、反応物を50℃で3時間加熱した。冷却後、反応物を水(100mL)に注加し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機部分を一緒にし、ブライン(50mL)で洗浄し、脱水した(NaSO)。ろ過し、溶媒を除去すると茶色の残留物が得られた。これは一部固体した。これを最少量の酢酸エチル中で磨砕し、ろ取して生成物を白色固体として得た。3.0g、10.6ミリモル、71%の収率。
【0093】
2−[4−(5−メタンスルホニルピリジン−2−イルオキシ)フェニル]エチルアミンの調製
水素化ナトリウム/60%オイル分散液(202mg、5.0ミリモル)を、5℃で、無水THF(8mL)中のN−boc保護チラミン(1.0g、4.2ミリモル)のスラリーに分割添加した。撹拌を30分間続行し、その間に反応物を室温に温めた。2−クロロ−5−メタンスルホニルピリジン(843mg、4.4ミリモル)を加え、得られたスラリーを終夜撹拌した。水(50mL)を加え、THFの大部分を真空下で除去し、残留物を塩化メチレン(3×50mL)で抽出した。有機物を一緒にし、ブライン(50mL)で洗浄し、脱水した(NaSO)。ろ過し、溶媒を除去すると灰白色粉末、1.7g、4.3ミリモルが得られた。TLC(1:1ヘキサン/酢酸エチル)は痕跡量の不純物の存在を示したが、粗製N−boc材料を次のステップでそのまま用いた。トリフルオロ酢酸(1.5mL、20ミリモル)を、塩化メチレン(12mL)中の上記粗製N−boc保護アミン(785mg、4.2ミリモル)のスラリーに加えた。得られた溶液を4時間撹拌し、次いで溶媒と過剰の試薬を窒素流下で除去して、所望のアミンのトリフルオロ酢酸塩を得た。これをカップリングステップで直ちに使用した。
【0094】
以下の化合物を上記手順により作製した。
2−[4−(5−ニトロピリジン−2−イルオキシ)フェニル]エチルアミン,トリフルオロ酢酸塩。
2−[4−(5−シアノピリジン−2−イルオキシ)フェニル]エチルアミン,トリフルオロ酢酸塩。
2−(4−チアゾール−2−イル−フェニル)エチルアミン,トリフルオロ酢酸塩。
【0095】
4−[4−(2−アミノエチルフェノキシ]安息香酸,tert−ブチルエステルの調製
チラミン(700mg、5.1ミリモル)を、マグネチックスターラーで撹拌されているDMF(20mL)中の水素化カリウム(オイル中の35重量%懸濁液;876mg、7.64ミリモル)に25℃で加えた。発泡を停止させた後、tert−ブチル4−フルオロベンゾエート(1.0g、5.1ミリモル)を加えた。25℃で64時間撹拌した後、反応物を60℃に加温した。48時間後、反応物をブラインに注加し、ヘキサン(3×25mL)および酢酸エチル(2×25mL)で抽出した。有機層を別々に2N NaOH水溶液で洗浄し、乾燥し(NaSO)、次いでプールし、蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(CHCl:Me0H/2:1)で精製して0.98gの透明油状物を得た。
【0096】
5−(4−ピリジル)2−クロロ−1,3,4−チアジアゾールの調製
亜硝酸t−ブチル(3.3mL、42ミリモル)を、アセトニトリル(100mL)中の5−(4−ピリジル)−2−アミノ−1,3,4−チアジアゾール(5.0g、28ミリモル)および塩化(I)銅(3.8g、34ミリモル)の溶液に加え、反応物を5日間撹拌した。エーテルおよび希水酸化ナトリウム水溶液を加え、15分間撹拌した。固形物から液をデカントし、ゼリー状の固体をエーテルで3回以上磨砕した。液をすべて一緒にし、水相を分離した。有機相をブラインで洗浄し、脱水した(NaSO)。ろ過し、溶媒を除去すると生成物が黄褐色固体として得られた。2.4g、12ミリモル、43%の収率。
【0097】
1−(2−クロロチアゾール−5−イル)エタノンの調製
THF(10mL)中の2−クロロチアゾール(2.5g、21ミリモル)の溶液を、THF(70mL)中のn−BuLi(9.2mL、23ミリモル)の冷却した(−75℃)2.5Mヘキサン溶液に滴下した。添加が完了した後、反応混合物を1時間撹拌した。次いで、THF(5mL)中のN−メトキシ−N−メチルアセトアミド(2.4g、23ミリモル)の溶液を加えた。反応物を終夜撹拌し、その間に25℃に加温した。反応物をHOで希釈し、エチルエーテル3回抽出した。有機部分を一緒にし、ブラインで洗浄し、次いで乾燥し(NaSO)、ろ過した。溶媒を除去すると残留物が得られた。これを、シリカを用いてフラッシュクロマトグラフィーにより、ペンタン中の5%EtOで溶出させて精製して、生成物を白色固体として得た。2.5g、15.5ミリモル、73%の収率。
【0098】
2−クロロ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリミジンの調製
DMF(10mL)中の水素化ナトリウム/60%オイル分散液(286mg、7.1ミリモル)の懸濁液に、2,2,2−トリフルオロエタノール(675mg、6.7ミリモル)を加えた。反応混合物を30分間撹拌し、次いでこれを30分かけて2,4−ジクロロピリミジン(1.0g、6.7ミリモル)の溶液に滴下した。次いで溶液を終夜撹拌し、その間に室温に加温した。溶液をHOで希釈し、EtOで3回抽出した。有機物を一緒にし、ブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、シリカゲルでろ過し、エーテルで溶出させた。生成物を半固体として単離した。1.1g、5.2ミリモル、78%の収率。
【0099】
4−ブロモメチル−5−イソプロピルピリミジンの調製
4−メチル−6−イソプロピルピリミジン(3.0g、22ミリモル)を30mlのジクロロメタン中に溶解させ、氷冷塩水中で冷却し、20分かけて臭素(3.8g、24ミリモル)を滴下して処理した。0〜10℃で1時間撹拌した後、混合物を亜硫酸水素ナトリウムの希釈水溶液で処理した。有機相を分離し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し蒸発させた。不安定なブロモ化合物(約85%の純度)をカップリングに直接使用した。
【0100】
4−メチル−6−イソプロピルピリミジンの調製
4−クロロ−5−イソプロピル−6−メチルピリミジン(5.0g、29ミリモル)および酢酸ナトリウム(3.1g、38ミリモル)を、75mlメタノールと混合し、活性炭に担持させた500mgの5%パラジウムで20時間かけて水素化した。触媒をろ別した後、溶媒を蒸発により除去させた。残留物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で処理し、ジエチルエーテルで抽出した。エーテル抽出物を飽和ブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、蒸発させて3.2gを得た(81%の収率)。
【0101】
4−クロロ−5−イソプロピル−6−メチルピリミジンの調製
4−ヒドロキシ−5−イソプロピル−6−メチルピリミジン(12.2g、80ミリモル)を50mlのオキシ塩化リンに加え、約0.1mlDMFで処理した。混合物を60〜70℃に加熱し、2時間撹拌した。冷却後、過剰のPOClを真空下で除去し、残留物を氷に注加し、NaOHとNaHCOを加えて水層のpHを7に調節した。生成物をジクロロメタンに取り、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、乾燥し(NaSO)、蒸発させた。残留物を真空蒸留で精製して8.5gを得た(62%の収率)。
【0102】
4−ヒドロキシ−5−イソプロピル−6−メチルピリミジンの調製
550mlの12%過酸化水素溶液を60℃に加熱した。4−ヒドロキシ−5−イソプロピル−6−メチルピリミジン−2−チオール(50g、0.27モル)を分割添加した。添加速度と外部加熱により、温度を70〜75℃に保持した。添加が終了した後20分で、真空下で約150mlの留出物を取りだした。50%NaOH溶液を加えてpHを7〜8に調節し、溶液を固体NaClで飽和させた。沈殿した生成物を150mlジクロロメタンに取った。ろ過により無機固体を水相から除去し、ろ液をジクロロメタン(4×50mL)で抽出した。一緒にした抽出物を硫酸ナトリウムで脱水し、蒸発させて15.6gを得た(38%の収率)。
【0103】
2−フルオロ−6−ピラゾール−1−イル−ピリジンの調製
水素化ナトリウム/60%オイル分散液(0.80g、20ミリモル)を、DMF(20mL)およびTHF(6mL)中のピラゾール(1.4g、20ミリモル)の溶液に5分かけて加えた。10分後、2,6−ジフルオロピリジン(1.9mL、21ミリモル)を一括添加した。20時間撹拌した後、反応物を水(250mL)で希釈し、エーテル(5×50mL)で抽出した。有機物を一緒にし、水(3×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、脱水した(NaSO)。ろ過し、溶媒を除去すると金色の油状物が得られた。これを逆相液体クロマトグラフィーで精製して、生成物を無色油状物として得た。2.0g、12.3ミリモル、61%の収率。
【0104】
3−(t−ブチル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−6−メタンスルホニルピリジンの調製
3−t−ブチル−5−(6−メチルチオ−2−ピリジニル)−1,2,4−オキサジアゾールを撹拌しながらCHCl(50mL)中に溶解し、mCPBA(2.66g、60%と仮定)を加え、室温で終夜撹拌した。10%炭酸ナトリウム溶液(50mL)を加え、30分間撹拌した。分離後、有機抽出物を2M水酸化ナトリウム溶液(50mL)で2回洗浄し、NaSOで脱水し、減圧下で溶媒を蒸発させて1.1gの3−t−ブチル−5−(6−メチルスルホニル−2−ピリジニル)−1,2,4−オキサジアゾールを白色固体として得た。m.p.165〜167℃。
【0105】
3−(t−ブチル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−6−メタンスルファニルピリジンの調製
3−t−ブチル−5−(6−クロロ−2−ピリジニル)−1,2,4−オキサジアゾール(1.2g)をt−ブタノール(15mL)中で撹拌し、ナトリウムメタンチオラート(0.31g)を加え、50℃で終夜撹拌した。追加のナトリウムメタンチオラート(0.10g)を加え、反応物を3時間還流加熱した。冷却したら、混合物を氷に注加し、50%EtOAc/ヘキサンの混合物で抽出した。有機抽出物を水とブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、減圧下で蒸発させて透明油状物を得た。これを静置して結晶化させて1.23gの3−t−ブチル−5−(6−メチルチオ−2−ピリジニル)−1,2,4−オキサジアゾールを白色固体として得た。m.p.62〜64℃。
【0106】
3−(t−ブチル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−6−クロロピリジンの調製
t−ブチルアミドキシム(1.16g)を撹拌しながらトルエン(60mL)中に溶解し、トリエチルアミン(2.0g)を加え、続いてトルエン(10mL中の6−クロロ−2−ピリジニルカルボニルクロリド(1.76g)の溶液を加えた。混合物を終夜撹拌し、次いでディーンスターク(Dean Stark)条件下で4時間加熱し、冷却し、蒸発させて乾燥した。残留物を、シリカゲルを用いてクロマトグラフィー(ヘキサン中の1〜10%EtOAc)で精製して3−t−ブチル−5−(6−クロロ−2−ピリジニル)−1,2,4−オキサジアゾールを白色固体として得た。m.p.103〜104℃。
【0107】
5−(tert−ブチル)−3−(6−フルオロピリジン−2−イル)−3Η−[1,3,4]オキサジアゾール−2−オンの調製
これを、Giacobbe,T.J.J.Heterocyclic Chem.1978年、15、1221頁の方法により、2,6−ジフルオロピリジンを用いて調製した。
【0108】
5−ジフルオロメトキシ−3−メチル−2−メタンスルホニルピリジンの調製
固体の3−クロロ過安息香酸(60%、18.1g、68.6ミリモル)を、塩化メチレン(200mL)中の5−ジフルオロメトキシ−3−メチル−2−メチルスルファニルピリジン(6.4g、31.2ミリモル)の冷却(6℃)溶液に1時間かけて分割添加した。反応物を終夜撹拌し、その間に室温に加温した。1N水酸化ナトリウム水溶液(65mL)を分割添加してpHを約6に上げた。重炭酸ナトリウム飽和水溶液(60mL)を加えて水相のpHを約8に上げた。10%亜硫酸ナトリウム水溶液を加え、10分間撹拌した後、層を分離した。水層を塩化メチレン(50mL)で抽出し、有機層を一緒にし、ブラインで洗浄し、脱水した(NaSO)。ろ過し、溶媒を除去すると透明油状物8gが得られた。これを、シリカを用いてクロマトグラフィーにより、塩化メチレン中の1.5容積%アセトニトリルで溶出させて精製して生成物を得た。6.3g、26.6ミリモル85%の収率。
【0109】
5−ジフルオロメトキシ−3−メチル−2−メチルスルファニルピリジンの調製
固体の水酸化ナトリウム(9.3g、232ミリモル)を、1,4−ジオキサン(75mL)および水(25mL)の中の5−メチル−6−メチルスルファニルピリジン−3−オル(7.2g、46.4ミリモル)の撹拌溶液に一括添加し、発熱させて50℃にした。次いでクロロジフルオロメタン(13g、150ミリモル)を9分間かけて反応液中に急速にバブリングさせて徐々に発熱させ、75℃にした。反応物を室温に冷却した後、エーテル(100mL)と水(100mL)で希釈し、層を分離した。有機相を水(6×100mL)、ブラインで抽出し、脱水した(NaSO)。ろ過し、溶媒を除去すると茶色の油状物8.3gが得られた。これを、シリカを用いてクロマトグラフィーにより、1:1塩化メチレン/ヘキサンで溶出させて精製して有機液体を得た。5.8g、28.3ミリモル、61%の収率。
【0110】
5−メチル−6−メチルスルファニルピリジン−3−オルの調製
20重量%硫酸水溶液(170mL)中の5−アミノ−3−メチル−2−メチルスルファニルピリジン(20.3g、132ミリモル)のスラリーを氷/塩の水浴で−2℃冷却した。水(30mL)中の亜硝酸ナトリウム(9.1g、132ミリモル)溶液を滴下した。内温は1℃未満に保持した。さらに20分間撹拌した後、反応混合物を、急速に撹拌している熱い(100℃)20重量%硫酸の水溶液(330mL)中に注意深く分割注加した。撹拌を10分間続行し、次いで混合物を室温に冷却した。反応物を塩化メチレン(3×200mL)で洗浄し、次いで50重量%水酸化ナトリウム水溶液(約160mL)で水層のpHを4〜5(冷却して)に上げた。白色固体と赤茶色の油状物からなる沈殿物が生成した。追加の20重量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを6に上げ、さらなる沈殿物/油状物が生成した。混合物を冷却し、ろ過し、白色固体を集めた。着色油状物の大部分は母液中に留まった。集めた固体を5%水酸化ナトリウム水溶液(300mL)に取り、エーテル(2×100mL)で洗浄して不純物と未反応原料を除去した。次いで水性部分を活性炭で処理し、セライトでろ過し、氷酢酸でpHを5〜6に調節した。沈殿物をろ取し、真空下で乾燥して灰白色粉末を得た。14g、90ミリモル、68%の収率。
【0111】
5−アミノ−3−メチル−2−メチルスルファニルピリジンの調製
3−メチル−2−メタンスルファニル−5−ニトロピリジン(25.0g、136ミリモル)を、水(250mL)の中での鉄粉(27g、483ミリモル、3.5当量)と塩化アンモニウム(10.0g、187ミリモル)の機械的に撹拌されている加熱(70℃)スラリーに5gの増分で加えた。45分後、熱い反応混合物をセライト床でろ過した。セライト床を水で十分濯ぎ、次いで塩化メチレンで金色が見えなくなるまで濯いだ。室温に冷却後、層を分離し、水相を塩化メチレン(2×250mL)で抽出した。有機部分を一緒にし、容積を約1リットルまで減少させ、ブラインで洗浄し、脱水した(NaSO)。ろ過し、溶媒を除去すると茶色の液体が得られた。これは徐々に固化した。20.4g、132ミリモル、97%の収率。
【0112】
化合物1〜133を以下の表Iに示す。
【0113】
【表1】























【0114】
本発明の化合物は、特に農業用の使用で著しい殺菌効果を有していることが分かった。化合物の多くは、農作物や園芸植物に用いるのが特に効果的である。
【0115】
具体的には、化合物は、有用な植物性作物に感染する様々な望ましくない菌類を効果的に防除する。例えば以下の代表的な菌種、すなわち、キュウリの炭疽病{キュウリ炭疽病菌(Collatotrichum lagenarium)−COLLLA}、小麦の斑点病{イネ科斑点病菌(Cochliobolus sativus)−COCHSA}、イモチ病{イネいもち病菌(Magnaporthe grisea)−PYRIOR}、トマトやジャガイモの疫病{トマト疫病菌(Phytophthora infestans)−PHYTIN}、小麦の赤さび病{コムギ赤さび病菌(Puccinia recondita tritici)−PUCCRT}、小麦のうどんこ病{イネ科植物うどんこ病菌(Erysiphe graminis)−ERYSGT}、キュウリうどんこ病{うどんこ病菌(Eiysiphe cichoracearum)−ERYSCI}、小麦の葉枯病{葉枯病菌(Septoria tritici)−SEPTTR};および小麦のふ枯病{コムギふ枯病菌(Septoria nodorum)−LEPTNO}を含む様々な菌類に対して活性が実証された。
【0116】
当業者は、上記菌類に対する化合物の効能が、殺菌剤としての化合物の一般的な有用性を確立するものであることを理解されよう。
【0117】
生物学的試験
効果的な殺菌剤としての化合物の活性は、化合物を植物に施用し、真菌による病気の防除具合を観察して測定した。化合物を、10容積%アセトン+90容積%Triton X水(脱塩水99.99重量%+0.01重量%Triton X100)中に200ppmの濃度で処方して、「処方した試験化合物」を得た。いくつかの場合、化合物を、10容積%アセトン+90容積%Triton X水(脱塩水99.99重量%+0.01重量%Triton X100)中に、200ppmではなく100、75または8.3ppmの濃度で処方して、「処方した試験化合物」を得た。植物の病気を防除する能力について、化合物を、1日間の保護剤試験(IDP)または2日間の処置(curative)試験(2DC)で試験した。処方した試験化合物は、約1500L/haの噴霧容積を送り出す2つの対向する空気式霧化ノズルを備えた回転式噴霧器を用いて植物に施用した。翌日、真菌の胞子を植物に植菌し(IDP)、次いで、病気の進行を助長する環境でインキュベートした。いくつかの場合、化合物を、2日間の処置試験で植物の病気を防除する能力について試験した。化合物の施用2日前に真菌の胞子を植物に植菌し、化合物の施用前と施用後の両方(2DC)で、病気の進行を助長する環境でインキュベートした。すべての種類の試験について、病気の進行の速度に応じて、4日〜28日後に病気の重症度を評価した。
【0118】
本発明の化合物の殺菌効果を測定するために、実験室で以下の実験を実施した。
【0119】
小麦の赤さび病(病原体、コムギ赤さび病菌=Puccinia triticina:Bayer code PUCCRT):小麦植物(variety Yuma)を、ピートのより少ない土壌をベースとした(soil−less peat−based)鉢植え混合物(Metromix)中で、苗木が第一葉を完全に拡げるまで種子から成長させた。各ポットに3〜8本の苗木を入れた。これらの植物に、処方した試験化合物を、それらが湿潤するまで噴霧させた。翌日、その葉にコムギ赤さび病菌の水性胞子懸濁液を植菌し、植物を高湿度下で終夜保持して胞子を発芽させ、葉に感染させた。次いで、植物を温室に移し、続いて無処置のコントロール植物上で病気を進行させた。
【0120】
キュウリ炭疽病(病原体、キュウリ炭疽病菌;Bayer code COLLLA):キュウリ植物(variety Bush Champion)を、ピートのより少ない土壌をベースとした鉢植え混合物(Metromix)中で、第一本葉が20〜80%拡がるまで種子から成長させた。各ポットに1本の苗木を入れた。これらの植物に、処方した試験化合物を、それらが湿潤するまで噴霧させた。翌日、その葉にキュウリ炭疽病菌の水性胞子懸濁液を植菌し、植物を高湿度下で1日間保持して胞子を発芽させ、葉に感染させた。次いで、植物を栽培箱に移し、続いて無処置のコントロール植物上で病気を進行させた。
【0121】
キュウリうどんこ病(病原体、うどんこ病菌:Bayer code ERYSCI):キュウリ植物(variety Bush Champion)を、ピートのより少ない土壌をベースとした鉢植え混合物(Metromix)中で、第一本葉が20〜80%拡がるまで種子から成長させた。各ポットに1本の苗木を入れた。これらの植物に、処方した試験化合物を、それらが湿潤するまで噴霧させた。翌日、その葉にうどんこ病胞子(ミリリットル当たり約50,000個の胞子)の水性胞子懸濁液を植菌した。次いで、温室中で植物をインキュベートし、続いて無処置のコントロール植物上で病気を進行させた。
【0122】
小麦のふ枯病{病原体、ふ枯病菌(Leptosphaeria nodorum)−Stasnospora nodorum:Baver code LEPTNO):小麦植物(variety Yuma}を、50%殺菌した土壌/50%非土壌ミックス中で、苗木の第一葉が完全に拡がるまで種子から成長させた。各ポットに3〜20本の苗木を入れた。これらの植物に、処方した試験化合物を、それらが湿潤するまで噴霧させた。翌日(または、2日間の処置試験のための施用2日前に)、その葉にふ枯病菌の水性胞子懸濁液を植菌し、植物を高湿度下で保持して(暗いデューチャンバー中で1日、続いて明るいデューチャンバー中で4〜7日間)、胞子を発芽させ、葉に感染させた。次いで、植物を温室に移し、続いて無処置のコントロール植物上で病気を進行させた。
【0123】
トマト疫病(病原体、トマト疫病菌;Baver code PHYTIN):トマト植物(variety Outdoor Girl or Rutgers)を、ピートのより少ない土壌をベースとした鉢植え混合物(Metromix)中で、第二本葉が30〜100%拡がるまで種子から成長させた。各ポットに1本の苗木を入れた。これらの植物に、処方した試験化合物を、それらが湿潤するまで噴霧させた。翌日、その葉にトマト疫病菌(の胞子嚢と遊走子の水性懸濁液を植菌し、植物を高湿度下で1日間保持して胞子嚢と遊走子を発芽させ、葉に感染させた。次いで、植物を栽培箱に移し、続いて無処置のコントロール植物上で病気を進行させた。
【0124】
イモチ病(病原体、イネいもち病菌=Pyricularia oryzae:Bayer code PYRIOR):稲(variety M202)を、ピートのより少ない土壌をベースとした鉢植え混合物(Metromix)中で、苗木が第二葉を部分的にまたは完全に拡げるまで種子から成長させた。各ポットに5〜20本の苗木を入れた。これらの植物に、処方した試験化合物を、それらが湿潤するまで噴霧させた。翌日、その葉にいもち病菌の水性胞子懸濁液を植菌し、植物を高湿度下で終夜保持して胞子を発芽させ、葉に感染させた。次いで、植物を22〜24℃の栽培箱に移し、続いて無処置のコントロール植物上で病気を進行させた。
【0125】
小麦の葉枯病菌(Mycosphaerella graminicola − Septoria tritici:Bayer code SEPTTR):小麦植物(variety Monon or Yuma) を温室で、50%殺菌した土壌/50%非土壌ミックス中で、第一本葉が完全に拡がるまで種子から成長させた。苗木はポット当たり3〜8本であった。これらの植物に、処方した試験化合物を、それらが湿潤するまで噴霧させた。翌日(または、2日間の処置試験のための施用2日前に)、その葉に葉枯れ病(Septoria tritici)の水性胞子懸濁液を植菌し、植物を高湿度下で保持して(暗いデューチャンバー中で1日、続いて明るいデューチャンバー中で4〜7日間)、胞子を発芽させ、葉に感染させた。次いで、植物を温室に移し、続いて無処置のコントロール植物上で病気を進行させた。
【0126】
以下の表は、これらの実験で評価した、本発明の典型的な化合物の活性を示す。病気を防除する際の試験化合物の有効性を、処置した植物での病気の重症度で測定し、次いでその重症度を、無処置の植菌植物での病気のレベルに対する防除%に変換した。
【0127】
表II:化合物の殺菌剤としての活性。データは、所与の化合物を植物の葉に200ppmで施用した場合に、そのレベルで所与の病気が防除されたレベルである。いくつかの場合(表には記していない)、化合物を、100ppm、75ppmまたは8.3ppmで植物に施用した。処置した1日後に、真菌を植物に植菌した。いくつかの場合(表には記していない)、処置する2日前に植物に真菌を植菌した。
【0128】
【表2】








200ppmでの活性(75ppmで試験したSEPTTRを除いて)
*=0〜49防除%;
**=50〜79防除%;
***=80〜100防除%
“a”は100ppmで化合物を試験したことを示す
“b”は75ppmで化合物を試験したことを示す
“c”は8.3ppmで化合物を試験したことを示す
試験していないことを示す

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)を有する化合物
【化1】


[式中、
各R1、R2およびR3はH、ハロゲンおよびアルキルからなる群から独立に選択され、
AはHおよびアルキルからなる群から選択され、
WはNHおよびOからなる群から選択され、
DはO、NHおよびSから選択され、
Eは(−C(O)−)−R’であり、但し、pは0または1であり、R’はフェニル、フラニル、ピリジニル、ピリジニル−N−オキシド、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、チアゾリル、トリアジニル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チエノピリミジニル、ならびにベンゼン、オキサゾール、イソキサゾール、フラン、チアゾール、ピリミジン、ピリジン、ピロール、ピラジンおよびチオフェンから選択される芳香族環または芳香族複素環と縮合したピリミジンから選択される置換されていてもよい環からなる群から選択され(各環は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、アルキルスルホニル、アルキルスルホキシド、アルキルチオ、アルコキシイミノアルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシカルボニル、フェニルカルボニル、ホルミル、ヒドラジドカルボニル、アミドアミノ、ピラゾリル、トリアゾロニル、オキサジアゾリル、フェニル、ピリジニルおよびフェノキシアルキルからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい)、
Bはハロゲン、アルキル、ハロアルキルおよびハロアルコキシからなる群から選択され、
nは0〜3の整数であり、
mは0〜4の整数であり、
但し、DがOまたはSであり、Eがフェニルである場合、Eはハロゲンでさらに置換されてはいない]。
【請求項2】
R1がハロゲンであり、
R2およびR3がそれぞれHであり、
AがHであり、
WがNHおよびOからなる群から選択され、
DがOであり、
Eがアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルスルホニル、ハロゲン、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、ヒドロキシカルボニル、アルコキシカルボニル、ホルミル、ヒドラジドカルボニル、アルコキシイミノ、アルコキシイミノアルキル、ニトロおよびシアノからなる群から選択される1個または複数の基で置換されていてもよい、置換されていてもよいピリジン、ピリジン−N−オキシド、ピリミジン、チアゾールおよびチエノピリミジンからなる群から選択され、
nが1であり、mが0である、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R1がClであり、R2がHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
WがNHであり、AがHであり、DがOである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
pが0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
土壌、植物、根、葉、種子もしくは真菌の遺伝子座、またはその中での侵襲を防止しようとする遺伝子座に、殺菌上有効な量の請求項1に記載の化合物の1つまたは複数を施用することを含む、真菌の攻撃を防除または防止する方法。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物および植物学的に許容される担体材料を含む真菌の攻撃を防除または防止するための殺菌性組成物。

【公表番号】特表2009−512688(P2009−512688A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536556(P2008−536556)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/038144
【国際公開番号】WO2007/046809
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(501035309)ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー (197)
【Fターム(参考)】