説明

殺虫剤組成物

本発明は、節足動物害虫、特に昆虫を駆除するのに適した、ゲル物質又は固体物質の形態の新規な殺虫剤組成物に関する。ゲル又は固体の形態の殺虫剤組成物は、(i)0.001〜50重量%の、節足動物害虫に対して活性を有する少なくとも1種の殺虫性化合物、(ii)0.5〜20重量%の、ポリマーPの1g当たり少なくとも100gの脱イオン水に対する吸収能力を有する少なくとも1種の超吸収性ポリマーP、及び(iii)5〜94.5重量%の、水と異なる少なくとも1種の賦形剤物質、及び(iv)5〜94.5重量%の水[ここで、重量%は組成物の総重量に基づく]を含有する。本発明はまた、節足動物害虫を駆除するための本明細書に記載の殺虫剤組成物の使用、並びに本明細書に記載のゲル組成物を、直接に又は水希釈液として、節足動物害虫が前記組成物と接触する場所に施用することを含む節足動物害虫を駆除する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、節足動物害虫、特に昆虫を駆除するのに適した、ゲル物質又は固体物質の形態の新規な殺虫剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
節足動物害虫、特に昆虫及びクモ形類のクラスの害虫は、生育中及び収穫後の作物に打撃を与え、木造住宅及び商業建築を攻撃し、これが食糧供給及び資産に与える経済的損失は大きい。またこれは、ヒト、動物及び植物疾患の媒介生物としても働き、衛生的な問題を引き起こす。従って、有効な害虫防除方法の提供に多大な努力が費やされている。これらの方法の大部分は、防除すべき害虫の代謝を妨げる有機化合物の施用に依存している。有効な防除のためには、その害虫が、活性化合物又はその代謝物質と接触するか又は摂食をもすることが必要である。そのため、活性有機化合物は、害虫の活性化合物との接触又は防除対象害虫による活性化合物の取り込みを確実にするように製剤化し、施用する必要がある。
【0003】
植物保護においては、殺虫性化合物は、大部分が、殺虫性化合物の均一な散布のために水性噴霧ブロス又は粉末として施用されている。水性噴霧液は一般に、適当な殺虫剤濃縮製剤を希釈することによって得られる。殺虫性化合物の大部分は水に不溶であるため、濃縮製剤は、相当量の界面活性剤を含んでいる。界面活性剤の存在のために、降雨によって殺虫性化合物が浸出し、活性及び/又は有効性が損なわれる。
【0004】
殺虫性化合物の他の施用形態としては、殺虫性化合物の防除対象害虫との接触又はそれによる摂食が実現されるように、害虫が出現すると予想される場所に直接施用される固体又はゲル様製剤が挙げられる。天然では、施用された製剤は、製剤の経年劣化(aging)及び有効性の損失を導くことの多い気候条件に晒される。
【0005】
WO 91/07972号は、水、殺昆虫活性を有する成分、及び有効量のカラギナン(水及び殺昆虫活性成分がゲルを形成できるようにするため)を含む、昆虫駆除用のゲルタイプの餌製剤を記載している。
【0006】
WO 97/11602号は、水和-ゲル化可能な物質と、1-アリールピラゾールの群から選択される活性成分とを含む昆虫防除用のゲル餌を開示している。ゲル化可能な物質は、ジェランガム、カラギナン、寒天、ゼラチン、ジェルトンガム、キサンタンガム、ローカストガム、多糖ガムから選択される。
【0007】
WO 2006/055275号は、1種以上のネオニコチノイド系、1種以上のゲル化剤及び1種以上の誘引剤を含有する、ハエ駆除用のゲル製剤を開示しており、このゲルは、ブルックフィールド降伏値50〜1000及びブルックフィールド粘度20000〜200000mPa.s.を有する。ゲル化剤としては、デンプン、ジェランガム、ジェルトンガム、カラギナンガム、寒天、カゼイン、ゼラチン、イナゴガム(ローカストガム)、キサンタンガム、多糖ガム、フィココロイド、ポリアクリレートポリマー、半合成セルロース誘導体、例えばカルボキシメチル-セルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシビニレート、ベントナイト、ケイ酸塩及びコロイドシリカが示唆されており、特に好ましいものとして、キサンタンガム、並びにRhodopol G及びCarbopol EZ-2タイプの水溶性ポリアクリレートポリマーが示されている。
【0008】
上述のゲル製剤の活性は、製剤の経年劣化時に有効性の相当量の損失が起こるため、特に長期活性について十分なものではない。
【0009】
WO 89/12450号は、その重量の100倍の水を吸収可能な少なくとも1種の超吸収性ポリマー、及び少なくとも1種の殺昆虫性又は殺害虫性化合物を含む、陸生昆虫又は害虫集団を防除するための殺昆虫剤送達組成物を開示している。超吸収性ポリマーは、殺虫性化合物の組み込み又は封入のために機能する。この文献は、直接施用される製剤の経年劣化の問題についても、また殺虫性化合物を噴霧可能な液体として施用する場合の浸出(leaching)の問題についても対処するものではない。さらに、WO 89/12450号に開示される組成物は、これらの問題に関して十分なものではない。
【0010】
DE 10124297は、活性化合物の植物毒性を低下させるために植物に対する栄養素培地中に使用するのに適している超吸収性ポリマーを含む植物保護用活性化合物の製剤を開示している。この製剤は、超吸収性ポリマー及び活性化合物を水の存在下で混練することにより得られる。これらの製剤の有効性は完全に満足できるほどではない。この文献は、浸出及び経年劣化に関連する問題を扱っていない。
【0011】
DE 10157350は、超吸収性ポリマー及び活性成分を水の存在下で混練することにより得られる超吸収性ポリマーを含む活性化合物の製剤を開示している。試験にかけられた製剤は殺菌剤を含有している。これらの組成物の有効性は完全に満足できるほどではない。この文献は、浸出及び経年劣化に関連する問題を扱っていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、従来技術の問題点を克服する、直接に又は水性噴霧溶液として施用可能な殺虫剤組成物を提供することである。特に、殺虫性化合物の活性を高め、及び/又は経年劣化若しくは浸出を低減する組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の及びさらなる目的が、少なくとも1種の殺虫性化合物に加えて、0.5〜20重量%の、ポリマーPの1g当たり少なくとも100gの脱イオン水に対する吸収能力を有する少なくとも1種の超吸収性ポリマーP、5〜94.5重量%の、水と異なる少なくとも1種の賦形剤物質、及び5〜94.5重量%の水を含有する、ゲル又は固体の形態の殺虫剤組成物によって達成することができ、担体物質が超吸収性ポリマーP及び水と一緒にゲル様又は固体特性を有する殺虫剤組成物を提供するという驚くべき知見を得た。
【0014】
従って、本発明は、
(i)0.001〜50重量%の、節足動物害虫に対して活性を有する少なくとも1種の殺虫性化合物、
(ii)0.5〜20重量%の、ポリマーPの1g当たり少なくとも100gの脱イオン水に対する吸収能力を有する少なくとも1種の超吸収性ポリマーP、及び
(iii)5〜94.5重量%の、水と異なる少なくとも1種の賦形剤物質、及び
(iv)5〜94.5重量%の水
[ここで、重量%は組成物の総重量に基づく]
を含有する、ゲル又は固体の形態の殺虫剤組成物に関する。
【0015】
本発明はまた、節足動物害虫を駆除するための本明細書に記載の殺虫剤組成物の使用、並びに本明細書に記載のゲル組成物を、直接に又は水希釈液として、節足動物害虫が前記組成物と接触する場所に施用することを含む節足動物害虫を駆除する方法に関する。
【0016】
本発明の組成物は、固体又はゲル様特性を有する。この組成物の特性は、主に、組成物中に存在する、賦形剤物質と超吸収性ポリマーP及び水との相互作用によってもたらされる。本発明の組成物は、特に従来のゲルタイプ又は固体製剤と比較して、優れた長期持続性殺虫活性を提供する。さらに本発明の組成物は、従来の殺虫性化合物製剤と比較して高い活性を有するため、殺虫性化合物の施用率を低減することができる。また、本発明の組成物は、従来の液体製剤と比較して良好な貯蔵安定性を示す。特に、貯蔵時の活性物質の分離を示すことがない。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明においては、殺虫剤組成物は、節足動物害虫に対して活性を有する少なくとも1種の殺虫性化合物を含む。一般的に、殺虫性化合物は、150〜1000ダルトンの範囲の分子量を有する非重合有機化合物である。適当な殺虫性化合物は、室温で固体又は液体である。
【0018】
本発明に係る殺虫剤組成物は、少なくとも1種の節足動物害虫、特に少なくとも1種の昆虫種に対して活性を有する、少なくとも1種の活性化合物(例えば1、2、3又は4種の異なる活性化合物)を、組成物の総重量に基づいて、好ましくは0.01〜20重量%、特に0.01〜10重量%、特には0.02〜5重量%で含む。この化合物は、当然ながら、2以上の昆虫種に対する活性が得られるように選択することも可能である。
【0019】
本発明の組成物に適当な殺虫性化合物には以下のものが含まれるが、これらに限定されない:
A.1. 有機(チオ)ホスフェート系:
例えば、アセフェート、アザメチホス、アジンホス-メチル、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クロルフェンビンホス、ジアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ジスルホトン、エチオン、フェニトロチオン、フェンチオン、イソキサチオン、マラチオン、メタミドホス、メチダチオン、メチル-パラチオン、メビンホス、モノクロトホス、オキシデメトン-メチル、パラオキソン、パラチオン、フェントエート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホレート、ホキシム、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、テトラクロルビンホス、テルブホス、トリアゾホス、トリクロルホン;
【0020】
A.2. カルバメート系:
例えば、アラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、フェノキシカルブ、フラチオカルブ、メチオカルブ、メトミル、オキサミル、ピリミカルブ、プロポクスル、チオジカルブ、トリアザメート;
【0021】
A.3. ピレスロイド系:
例えば、アレトリン、ビフェントリン、シフルトリン、シハロトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、デルタメトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロクス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、イミプロトリン、ラムダ-シハロトリン、ペルメトリン、プラレトリン、ピレトリンI及びII、レスメトリン、シラフルオフェン、タウ-フルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、プロフルトリン、ジメフルトリン;
【0022】
A.4. 成長調節物質:
a) キチン合成インヒビター:
例えば、ベンゾイル尿素:クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン;ブプロフェジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール、クロフェンタジン;
b) エクジソン拮抗物質:
例えば、ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、アザジラクチン;
c) ジュベノイド:
例えば、ピリプロキシフェン、メトプレン、フェノキシカルブ;
d) 脂質生合成インヒビター:
例えば、スピロジクロフェン、スピロメシフェン又はスピロテトラマト;
【0023】
A.5. ニコチン受容体作動/拮抗化合物(ニコチノイド殺虫剤又はネオニコチノイド):
例えば、クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラム、アセタミプリド、チアクロプリド、又は式P1のトリアゾール化合物:
【化1】

【0024】
A.6. GABA拮抗化合物:
例えば、アセトプロール、エンドスルファン、エチプロール、フィプロニル、バニリプロール、ピラフルプロール、ピリプロール、又は式P2のフェニルピラゾール化合物(5-アミノ-3-(アミノチオカルボニル)-1-(2,6-ジクロロ-4-トリフルオロメチルフェニル)-4-(トリフルオロメチルスルフィニル)-ピラゾール):
【化2】

【0025】
及び後述する式P5の化合物、特に式P5a及びP5bの化合物;
【0026】
A.7. 大環状ラクトン殺虫剤:
アバメクチン、エマメクチン、ミルベメクチン、レピメクチン、スピノサド、式P3の化合物(CAS番号187166-40-1):
【化3】

【0027】
A.8. ミトコンドリア複合体I電子伝達インヒビター(METI I化合物):
例えばフェナザキン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、フルフェネリム;
A.9. ミトコンドリア複合体II及び/又は複合体III電子伝達インヒビター(METI II及びIII化合物):
例えばアセキノシル、フルアシプリム、ヒドラメチルノン;
A.10. 脱共役化合物:
例えばクロルフェナピル;
【0028】
A.11. 酸化的リン酸化インヒビター化合物:
シヘキサチン、ジアフェンチウロン、酸化フェンブタスズ、プロパルギット;
A.12. 脱皮阻害化合物:
例えばシロマジン;
A.13. 混合機能オキシダーゼインヒビター化合物:
例えばピペロニルブトキシド;
A.14. ナトリウムチャネルブロッカー化合物:
例えばインドキサカルブ、メタフルミゾン;
【0029】
A.15. その他:
ベンクロチアズ、ビフェナゼート、カルタップ、フロニカミド、ピリダリル、ピメトロジン、硫黄、チオシクラム、フルベンジアミド、シエノピラフェン、フルピラゾホス、シフルメトフェン、アミドフルメト、式P4のアミノキナゾリノン化合物(1-アセチル-2-オキソ-3-(ピリジン-3-イルメチル)アミノ-6-ヘプタフルオロプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロキナゾリン):
【化4】

【0030】
式P5の化合物:
【化5】

【0031】
[式中、
X及びYは各々独立してハロゲン(特に、塩素)であり、
Wはハロゲン又はC1-C2-ハロアルキル(特に、チオフルオロメチル)であり、
R1は各々が1、2、3、4又は5個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル又はC3-C6-シクロアルキル(特に、R1はメチル又はエチル)であり、
R2及びR3はC1-C6-アルキル(特に、メチル)であるか、又は隣接炭素原子と一緒になって1、2若しくは3個のハロゲン原子を有していてもよいC3-C6-シクロアルキル部分(特に、2,2-ジクロロシクロプロピル及び2,2-ジブロモシクロプロピルを含めたシクロプロピル部分)を形成していてもよく、
R4は水素又はC1-C6-アルキル(特に水素、メチル又はエチル)である。];
例えば、下記の式P5a及びP5bの化合物:
【化6】

【0032】
並びに、式P6のアントラニルアミド化合物:
【化7】

【0033】
[式中、
A1はCH3、Cl、Br、Iであり、
XはC-H、C-Cl、C-F又はNであり、
Y’はF、Cl又はBrであり、
Y”はF、Cl又はCF3であり、
B1は水素、Cl、Br、I、CNであり、
B2はCl、Br、CF3、OCH2CF3、OCF2Hであり、
RBは水素、CH3又はCH(CH3)2である。];
並びに、JP 2002 284608号、WO 02/89579号、WO 02/90320号、WO 02/90321号、WO 04/06677号、WO 04/20399号、又はJP 2004 99597号に記載されているマロノニトリル化合物。
【0034】
適当な殺虫性化合物は微生物、例えばバシラス・チュリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)、バシラス・テネブリオニス(Bacillus tenebrionis)及び枯草菌(Bacillus subtilis)をも含む。
【0035】
適当な殺虫性化合物は、他の刊行物の中で「The Pesticide Manual」、13th Edition, British Crop Protection Council (2003)に記載されている。式P2のチアミド及びその製造は、WO 98/28279号に記載されている。レピメクチオンは、Agro Project, PJB Publications Ltd, November 2004から公知である。ベンクロチアズ及びその製造は、EP-A 454621に記載されている。メチダチオン及びパラオキソン並びにその製造は、Farm Chemicals Handbook, Volume 88, Meister Publishing Company, 2001に記載されている。アセトプロール及びその製造は、WO 98/28277号に記載されている。メタフルミゾン及びその製造は、EP-A 462 456に記載されている。フルピラゾホスは、Pesticide Science 54, 1988, p. 237-243及び米国特許第4822779号に記載されている。ピラフルプロール及びその製造は、JP 2002193709及びWO 01/00614号に記載されている。ピリプロール及びその製造は、WO 98/45274号及び米国特許第6335357号に記載されている。アミドフルメト及びその製造は、米国特許第6221890号及びJP 21010907に記載されている。フルフェネリム及びその製造は、WO 03/007717号及びWO 03/007718号に記載されている。シフルメトフェン及びその製造は、WO 04/080180号に記載されている。式P5の化合物は、例えばEP-A 604798に記載されている。式P6のアントラニルアミド及びその製造は、WO 01/70671号、WO 02/48137号、WO 03/24222号、WO 03/15518号、WO 04/67528号、WO 04/33468号、及びWO 05/118552号に記載されている。
【0036】
好ましい組成物は、ピレスロイド系、GABA拮抗化合物、ナトリウムチャネルブロッカー化合物、ニコチン受容体作動/拮抗化合物、式P5の化合物、式P6の化合物、及び脱共役化合物の群から選択される少なくとも1種の殺昆虫性化合物を含有する。特に好ましい組成物は、ビフェントリン、テフルトリン、α-シペルメトリン又はラムダシハロトリン、エチプロール、ピリプロール及びフィプロニル、メタフルミゾン、アセタミプリド、クロチアニジン、イミダクロプリド、ニテンピラム、チアクロプリド、チアメトキサム、ジノテフラン(dinetofuran)、式P5の化合物、特に式P5a又はP5bの化合物、式P6の化合物、及びクロルフェナピルからなる群より選択される少なくとも1種の殺昆虫性化合物を含有する。
【0037】
好ましい実施形態において、殺虫剤組成物は、プレスロイド系の群から、特にビフェントリン、テフルトリン、α-シペルメトリン又はラムダシハロトリンから選択される少なくとも1種の殺虫性化合物を含有する。
【0038】
別の好ましい実施形態において、殺虫剤組成物は、GABA拮抗化合物の群から、特にエチプロール、ピリプロール及びフィプロニルから選択される少なくとも1種の殺虫性化合物を含有する。この実施形態において、殺虫剤組成物は、式P5の化合物から選択される少なくとも1種の殺虫性化合物、特に式P5a又はP5bの化合物を含有する。
【0039】
さらに好ましい実施形態において、殺虫剤組成物は、ナトリウムチャネルブロッカー化合物の群から選択される少なくとも1種の殺虫性化合物、特にメタフルミゾンを含有する。
【0040】
さらに好ましい実施形態において、殺虫剤組成物は、ニコチン受容体作動/拮抗化合物の群、特にアセタミプリド、クロチアニジン、イミダクロプリド、ニテンピラム、チアクロプリド、チアメトキサム及びジノテフランから選択される少なくとも1種の殺虫性化合物を含有する。
【0041】
本発明のさらに好ましい実施形態において、殺虫剤組成物は、本明細書に記載する少なくとも1種の式P5の化合物、特に式P5a又はP5bの化合物を含有する。
【0042】
本発明のさらに好ましい実施形態において、殺虫剤組成物は、本明細書に記載する少なくとも1種の式P6の化合物を含有する。
【0043】
本発明のさらに好ましい実施形態において、殺虫剤組成物は、少なくとも1種の脱共役化合物、特にクロルフェナピルを含有する。
【0044】
本発明に係る殺虫剤組成物は、少なくとも1種の超吸収性ポリマーを、組成物の総重量に基づいて、好ましくは0.5〜20重量%、特に0.8〜10重量%、特には1〜5重量%で含有する。
【0045】
活性成分の種類に応じて、組成物を、多数の節足動物害虫、例えば昆虫及びクモ形類を駆除するために用いることができる。
【0046】
これらは、昆虫害虫、例えば以下の目の昆虫害虫を駆除するために特に有用である:
鱗翅類(鱗翅目)、例えば、タマナヤガ(アグロチス・イプシロン(Agrotis ypsilon))、カブラヤガ(アグロチス・セゲツム(Agrotis segetum))、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンチカルシア・ゲンマタリス(Anticarsia gemmatalis)、リンゴヒメシンクイ(アルギレスチア・コンジュゲラ(Argyresthia conjugella))、ガマキンウワバ(オートグラファ・ガンマ(Autographa gamma))、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエシア・ムリナナ(Cacoecia murinana)、カプア・レチクラナ(Capua reticulana)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、トウヒノシントメハマキ(コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana))、コリストネウラ・オクシデンタリス(Choristoneura occidentalis)、アワヨトウ(シルフィス・ウニプンクタ(Cirphis unipuncta))、コドリンガ(シジア・ポモネラ(Cydia pomonella))、デンドロリムス・ピニ(Dendrolimus pini)、アメリカウリノメイガ(ジアファニア・ニチダリス(Diaphania nitidalis))、サウスウエスタンコーンボーラー(ジアトラエア・グランジオセラ(Diatraea grandiosella))、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)、エラスモパルプス・リグノセルス(Elasmopalpus lignosellus)、ユーポエシリア・アンビグエラ(Eupoecilia ambiguella)、エベトリア・ボウリアナ(Evetria bouliana)、フェルチア・スブテラネア(Feltia subterranea)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、グラホリタ・フネブラナ(Grapholitha funebrana)、グラホリタ・モレスタ(Grapholitha molesta)、ヘリオチス・アルミゲラ(Heliothis armigera)、ヘリオチス・ビレセンス(Heliothis virescens)、ヘリオチス・ゼア(Heliothis zea)、ヘルラ・ウンダリス(Hellula undalis)、ヒベルニア・デホリアリア(Hibernia defoliaria)、ヒファントリア・クネア(Hyphantria cunea)、ヒポノメウタ・マリネルス(Hyponomeuta malinellus)、ケイフェリア・リコペルシセラ(Keiferia lycopersicella)、ランブジナ・フィセラリア(Lambdina fiscellaria)、ラフィグマ・エキシグア(Laphygma exigua)、ロイコプテラ・コフェエラ(Leucoptera coffeella)、ロイコプテラ・シテラ(Leucoptera scitella)、リトコレチス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、ロベシア・ボトラナ(Lobesia botrana)、ロキソステージ・スチクチカリス(Loxostege sticticalis)、リマントリア・ジスパル(Lymantria dispar)、リマントリア・モナカ(Lymantria monacha)、リオネチア・クレルケラ(Lyonetia clerkella)、マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria)、マメストラ・ブラッシカエ(Mamestra brassicae)、オルギイア・プソイドツガタ(Orgyia pseudotsugata)、オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)、パノリス・フランメア(Panolis flammea)、ペクチノホラ・ゴッシピエラ(Pectinophora gossypiella)、ペリドロマ・サウシア(Peridroma saucia)、ファレラ・ブセファラ(Phalera bucephala)、フトリマエア・オペルクレラ(Phthorimaea operculella)、フィロクニスチス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)、ピエリス・ブラッシカ(Pieris brassicae)、プラチペナ・スカブラ(Plathypena scabra)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、プソイドプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、リアシオニア・フルストラナ(Rhyacionia frustrana)、スクロビパルプラ・アブソルタ(Scrobipalpula absoluta)、シトトロガ・セレアレラ(Sitotroga cerealella)、スパルガノチス・ピレリアナ(Sparganothis pilleriana)、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)、スポドプテラ・リットラリス(Spodoptera littoralis)、スポドプテラ・リツラ(Spodoptera litura)、タウマトポエア・ピチオカンパ(Thaumatopoea pityocampa)、トルトリキス・ビリダナ(Tortrix viridana)、トリコプルシアニ(Trichoplusiani)、及びゼイラフェラ・カナデンシス(Zeiraphera canadensis)、
【0047】
甲虫類(鞘翅目)、例えば、アグリルス・シヌアツス(Agrilus sinuatus)、アグリオテス・リネアツス(Agriotes lineatus)、アグリオテス・オブスクルス(Agriotes obscurus)、アンフィマルス・ソルスチチアリス(Amphimallus solstitialis)、アニサンドルス・ジスパル(Anisandrus dispar)、アントノムス・グランジス(Anthonomus grandis)、アントノムス・ポモルム(Anthonomus pomorum)、アフトナ・オイフォリダエ(Aphthona euphoridae)、アトウス・ヘモロイダリス(Athous haemorrhoidalis)、アトマリア・リネアリス(Atomaria linearis)、ブラストファグス・ピニペルダ(Blastophagus piniperda)、ブリトファガ・ウンダタ(Blitophaga undata)、ブルクス・ルフィマヌス(Bruchus rufimanus)、ブルクス・ピソルム(Bruchus pisorum)、ブルクス・レンチス(Bruchus lentis)、ビクチスクス・ベツラ(Byctiscus betulae)、カッシダ・ネブロサ(Cassida nebulosa)、セロトマ・トリフルカタ(Cerotoma trifurcata)、セトニア・アウラタ(Cetonia aurata)、コイトリンクス・アッシミリス(Ceuthorrhynchus assimilis)、コイトリンクス・ナピ(Ceuthorrhynchus napi)、カエトクネマ・チビアリス(Chaetocnema tibialis)、コノデルス・ベスペルチヌス(Conoderus vespertinus)、クリオセリス・アスパラギ(Crioceris asparagi)、クテニセラspp.(Ctenicera ssp.)、ジアブロチカ・ロンギコルニス(Diabrotica longicornis)、ジアブロチカ・セミプンクタタ(Diabrotica semipunctata)、ジアブロチカ・12-プンクタタ(Diabrotica 12-punctata)、ジアブロチカ・スペシオサ(Diabrotica speciosa)、ウエスタンコーンルートワーム(ジアブロチカ・ビルギフェラ(Diabrotica virgifera))、エピラクナ・バリベスチス(Epilachna varivestis)、エピトリキス・ヒルチペンニス(Epitrix hirtipennis)、ユーチノボトルス・ブラシリエンシス(Eutinobothrus brasiliensis)、ヒロビウス・アビエチス(Hylobius abietis)、ヒペラ・ブルンネイペンニス(Hypera brunneipennis)、ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica)、イプス・チポグラフス(Ips typographus)、レマ・ビリネアタ(Lema bilineata)、レマ・メラノプス(Lema melanopus)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リモニウス・カリホルニクス(Limonius californicus)、リッソロプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)、メラノツス・コンムニス(Melanotus communis)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・ヒッポカスタニ(Melolontha hippocastani)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae)、オルチオリンクス・スルカツス(Ortiorrhynchus sulcatus)、オチオリンクス・オバツス(Otiorrhynchus ovatus)、ファエドン・コクレアリエ(Phaedon cochleariae)、フィロビウス・ピリ(Phyllobius pyri)、フィロトレタ・クリソセファラ(Phyllotreta chrysocephala)、フィロファガsp.(Phyllophaga sp.)、フィロペルタ・ホルチコラ(Phyllopertha horticola)、フィロトレタ・ネモルム(Phyllotreta nemorum)、フィロトレタ・ストリオラタ(Phyllotreta striolata)、ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica)、シトナ・リネアツス(Sitona lineatus)、及びシトフィルス・グラナリア(Sitophilus granaria)、
【0048】
ハエ、カ(双翅目)、例えば、アエデス・アエギプチ(Aedes aegypti)、アエデス・アルボピクツス(Aedes albopictus)、アエデス・ベキサンス(Aedes vexans)、アナストレファ・ルデンス(Anastrepha ludens)、アノフェレス・マクリペンニス(Anopheles maculipennis)、アノフェレス・クルシアンス(Anopheles crucians)、アノフェレス・アルビマヌス(Anopheles albimanus)、アノフェレス・ガンビア(Anopheles gambiae)、アノフェレス・フレボルニ(Anopheles freeborni)、アノフェレス・ロイコスフィルス(Anopheles leucosphyrus)、アノフェレス・ミニムス(Anopheles minimus)、アノフェレス・クアドリマクラツス(Anopheles quadrimaculatus)、オリーブミバエ(バクトセラ・オレア(bactrocera olea))、カリフォラ・ビシナ(Calliphora vicina)、チチュウカイミバエ(セラチチス・カピタタ(Ceratitis capitata))、クリソミア・ベッジアナ(Chrysomya bezziana)、クリソミア・ホミニボラキス(Chrysomya hominivorax)、クリソミア・マセラリア(Chrysomya macellaria)、クリソプス・ジスカリス(Chrysops discalis)、クリソプス・シラセア(Chrysops silacea)、クリソプス・アトランチクス(Chrysops atlanticus)、コクリオミア・ホミニボラクス(Cochliomyia hominivorax)、コンタリニア・ソルギコラ(Contarinia sorghicola)、コルジルオビア・アントロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、クリコイデス・フレンス(Culicoides furens)、クレックス・ピピエンス(Culex pipiens)、クレックス・ニグリパルプス(Culex nigripalpus)、クレックス・キンクエファスシアツス(Culex quinquefasciatus)、クレックス・タルサリス(Culex tarsalis)、クリセタ・イノルナタ(Culiseta inornata)、クリセタ・メラヌラ(Culiseta melanura)、ダクス・ククルビタ(Dacus cucurbitae)、ダクス・オレア(Dacus oleae)、ダシネウラ・ブラッシカ(Dasineura brassicae)、デリア・アンチクエ(Delia antique)、デリア・コアルクタタ(Delia coarctata)、デリア・プラツラ(Delia platura)、デリア・ラディカム(Delia radicum)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、ファンニア・カニクラリス(Fannia canicularis)、ゲオミザ・トリプンクタタ(Geomyza tripunctata)、ガステロフィルス・インテスチナリス(Gasterophilus intestinalis)、グロッシナ・モルシタンス(Glossina morsitans)、グロッシナ・パルパリス(Glossina palpalis)、グロッシナ・フスシペス(Glossina fuscipes)、グロッシナ・タキノイデス(Glossina tachinoides)、ハエマトビア・イリタンス(Haematobia irritans)、ハプロジプロシス・エクエストリス(Haplodiplosis equestris)、ヒッペラテスspp.(Hippelates spp.)、ヒレミア・プラツラ(Hylemyia platura)、ヒポデルマ・リネアタ(Hypoderma lineata)、レプトコノプス・トレンス(Leptoconops torrens)、リリオマイザ・サティバ(Liriomyza sativae)、リリオマイザ・トリホリイ(Liriomyza trifolii)、ルシリア・カプリナ(Lucilia caprina)、ルシリア・クプリナ(Lucilia cuprina)、ルシリア・セリカタ(Lucilia sericata)、リコリア・ペクトラリス(Lycoria pectoralis)、マンソニア・チチラヌス(Mansonia titillanus)、マイエチオラ・デストルクトル(Mayetiola destructor)、ムスカ・ドメスチカ(Musca domestica)、ムシナ・スタブランス(Muscina stabulans)、オエストルス・オビス(Oestrus ovis)、オポマイザ・フロルム(Opomyza florum)、オシネラ・フリット(Oscinella frit)、ペゴミア・ヒソシアミ(Pegomya hysocyami)、ホルビア・アンチクア(Phorbia antiqua)、ホルビア・ブラッシカ(Phorbia brassicae)、ホルビア・コアルクタタ(Phorbia coarctata)、フレボトムス・アルゲンチペス(Phlebotomus argentipes)、プソロフォラ・コロンビア(Psorophora columbiae)、プシラ・ロサ(Psila rosae)、プソロフォラ・ディスカラ(Psorophora discolor)、プロシムリウム・ミクスタム(Prosimulium mixtum)、ラゴレチス・セラシ(Rhagoletis cerasi)、ラゴレチス・ポモネラ(Rhagoletis pomonella)、サルコファガ・ヘモロイダリス(Sarcophaga haemorrhoidalis)、サルコファガsp.(Sarcophaga sp.)、シムリウム・ビッタツム(Simulium vittatum)、ストモキシス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)、タバヌス・ボビヌス(Tabanus bovinus)、タバヌス・アトラツス(Tabanus atratus)、及びタバヌス・リネオラ(Tabanus lineola)、タバヌス・シミリス(Tabanus similis)、チプラ・オレラセア(Tipula oleracea)、及びチプラ・パルドサ(Tipula paludosa)、
【0049】
アザミウマ(総翅目)、例えば、ジクロモトリプス・コルベッチ(Dichromothrips corbetti)、ジクロモトリプスspp.(Dichromothrips spp.)、フランクリニエラ・フスカ(Frankliniella fusca)、フランクリニエラ・オクシデンタリス(Frankliniella occidentalis)、フランクリニエラ・トリチシ(Frankliniella tritici)、シルトトリプス・シトリ(Scirtothrips citri)、トリプス・オリザ(Thrips oryzae)、トリプス・パルミ(Thrips palmi)及びトリプス・タバシ(Thrips tabaci)、
【0050】
シロアリ(等翅目)、例えば、カロテルメス・フラビコリス(Calotermes flavicollis)、ロイコテルメス・フラビペス(Leucotermes flavipes)、ヘテロテルメス・アウレウス(Heterotermes aureus)、レチクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)、レチクリテルメス・ヴァルジニクス(Reticulitermes virginicus)、レチクリテルメス・ルシフグス(Reticulitermes lucifugus)、テルメス・ナタレンシス(Termes natalensis)、及びコプトテルメス・フォルモサヌス(Coptotermes formosanus)、
【0051】
ゴキブリ(ゴキブリ目)、例えば、チャバネゴキブリ(ブラッテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica))、ブラッテラ・アサヒナ(Blattella asahinae)、ペリプラネタ・アメリカナ(Periplaneta americana)、ペリプラネタ・ジャポニカ(Periplaneta japonica)、ペリプラネタ・ブルネア(Periplaneta brunnea)、ペリプラネタ・フリギノサ(Periplaneta fuligginosa)、ペリプラネタ・オーストララシア(Periplaneta australasiae)、及びブラッテラ・オリエンタリス(Blattella orientalis)、
【0052】
昆虫(半翅目)、例えば、アクロステルヌム・ヒラレ(Acrosternum hilare)、ブリスス・ロイコプテルス(Blissus leucopterus)、シルトペルチス・ノタツス(Cyrtopeltis notatus)、ジスデルクス・シングラツス(Dysdercus cingulatus)、ジスデルクス・インテルメディウス(Dysdercus intermedius)、ユリガステル・インテグリセプス(Eurygaster integriceps)、ユスキスツス・インピクチベントリス(Euschistus impictiventris)、レプトグロッスス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、リグス・リネオラリス(Lygus lineolaris)、リグス・プラテンシス(Lygus pratensis)、ネザラ・ビリズラ(Nezara viridula)、ピエスマ・クアドラタ(Piesma quadrata)、ソルベア・インスラリス(Solubea insularis)、チアンタ・ペルジトル(Thyanta perditor)、アクリトシフォン・オノブリキス(Acyrthosiphon onobrychis)、アデルゲス・ラリシス(Adelges laricis)、アフィデュラ・ナスツルチイ(Aphidula nasturtii)、マメクロアブラムシ(アフィス・ファバエ(Aphis fabae))、アフィス・フォルベシ(Aphis forbesi)、アフィス・ポミ(Aphis pomi)、アフィス・ゴシピ(Aphis gossypii)、アフィス・グロスラリアエ(Aphis grossulariae)、アフィス・シュネイデリ(Aphis schneideri)、アフィス・スピラエコラ(Aphis spiraecola)、アフィス・サンブシ(Aphis sambuci)、アクリトシフォン・ピスム(Acyrthosiphon pisum)、アウラコルスム・ソラニ(Aulacorthum solani)、ベミシア・アルゲンチホリイ(Bemisia argentifolii)、ブラシカウダス・カルデュイ(Brachycaudus cardui)、ブラシカウダス・ヘリクリシ(Brachycaudus helichrysi)、ブラシカウダス・ペルシカエ(Brachycaudus persicae)、ブラシカウダス・プルニコラ(Brachycaudus prunicola)、ブレビコリネ・ブラシカエ(Brevicoryne brassicae)、カピトフォルス・ホルニ(Capitophorus horni)、セロシファ・ゴシピ(Cerosipha gossypii)、カエトシフォン・フラガエフォリイ(Chaetosiphon fragaefolii)、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ドレイフシア・ノルドマニアナ(Dreyfusia nordmannianae)、ドレイフシア・ピセア(Dreyfusia piceae)、ジサフィス・ラディコラ(Dysaphis radicola)、ジサウラコルスム・シュードソラニ(Dysaulacorthum pseudosolani)、ジサフィス・プランタギネア(Dysaphis plantaginea)、ジサフィス・ピリ(Dysaphis pyri)、エンポアスカ・ファバエ(Empoasca fabae)、ヒアロプテルス・プルニ(Hyalopterus pruni)、ヒペロミズス・ラクツカエ(Hyperomyzus lactucae)、マクロシフム・アベナエ(Macrosiphum avenae)、マクロシフム・ユーホルビアエ(Macrosiphum euphorbiae)、マクロシフム・ロサエ(Macrosiphon rosae)、メゴウラ・ビシアエ(Megoura viciae)、メラノフィス・ピラリウス(Melanaphis pyrarius)、メトポロフィウム・ジロズム(Metopolophium dirhodum)、ミズス・ペルシカエ(Myzus persicae)、ミズス・アスカロニカス(Myzus ascalonicus)、ミズス・セラシ(Myzus cerasi)、ミズス・ヴァリアンス(Myzus varians)、ナソノビア・リビスニグリ(Nasonovia ribis-nigri)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、ペムフィガス・ブルサリウス(Pemphigus bursarius)、パーキンシエラ・サッカリシダ(Perkinsiella saccharicida)、ホロドン・フムリ(Phorodon humuli)、プシラ・マリ(Psylla mali)、プシラ・ピリ(Psylla piri)、ロパロミズス・アスカロニカス(Rhopalomyzus ascalonicus)、ロパロシフム・マイジス(Rhopalosiphum maidis)、ロパロシフム・パディ(Rhopalosiphum padi)、ロパロシフム・インセルツム(Rhopalosiphum insertum)、サッパフィス・マラ(Sappaphis mala)、サッパフィス・マリ(Sappaphis mali)、シザフィス・グラミナム(Schizaphis graminum)、シゾネウラ・ラヌジノサ(Schizoneura lanuginosa)、シトビオン・アベナエ(Sitobion avenae)、トリアロイロデス・バポラリオラム(Trialeurodes vaporariorum)、トキソプテラ・オーランチアンド(Toxoptera aurantiiand)、ビテウス・ビチフォリイ(Viteus vitifolii)、シメックス・レクツラリウス(Cimex lectularius)、シメックス・ヘミプテルス(Cimex hemipterus)、レデュヴィウス・セニリス(Reduvius senilis)、トリアトマspp.(Triatoma spp.)、及びアリルス・クリタツス(Arilus critatus)、
【0053】
アリ、ハナバチ、カリバチ、ハバチ(膜翅目)、例えば、アタリア・ロサエ(Athalia rosae)、アッタ・セファロテス(Atta cephalotes)、アッタ・セファロテス(Atta cephalotes)、アッタ・ラエヴィガタ(Atta laevigata)、アッタ・ロブスタ(Atta robusta)、アッタ・セキスデンス(Atta sexdens)、アッタ・テキサナ(Atta texana)、クレマトガスターspp.(Crematogaster spp.)、ホプロカンパ・ミヌタ(Hoplocampa minuta)、ホプロカンパ・テスツジネア(Hoplocampa testudinea)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ソレノプシス・ゲミナタ(Solenopsis geminata)、ソレノプシス・インビクタ(Solenopsis invicta)、ソレノプシス・リクテリ(Solenopsis richteri)、ソレノプシス・キシロニ(Solenopsis xyloni)、ポゴノミルメクス・バルバツス(Pogonomyrmex barbatus)、ポゴノミルメクス・カリフォルニクス(Pogonomyrmex californicus)、フェイドール・メガセファラ(Pheidole megacephala)、ダシムティラ・オクシデンタリス(Dasymutilla occidentalis)、ボンブスspp.(Bombus spp.)、ヴェスプラ・スクアモサ(Vespula squamosa)、パラヴェスプラ・ブルガリス(Paravespula vulgaris)、パラヴェスプラ・ペンシルバニカ(Paravespula pennsylvanica)、パラヴェスプラ・ゲルマニカ(Paravespula germanica)、ドリコベスプラ・マクラタ(Dolichovespula maculata)、ヴェスパ・クラブロ(Vespa crabro)、ポリステス・ルビギノサ(Polistes rubiginosa)、カンポノタス・フロリダヌス(Camponotus floridanus)、及びリネピテマ・フミレ(Linepithema humile)、
【0054】
コオロギ、グラスホッパー、バッタ(直翅目)、例えば、アケタ・ドメスチカ(Acheta domestica)、グリロタルパ・グリロタルパ(Gryllotalpa gryllotalpa)、ロクスタ・ミグラトリア(Locusta migratoria)、メラノプルス・ビヴィタツス(Melanoplus bivittatus)、メラノプルス・フェムルルブルム(Melanoplus femurrubrum)、メラノプルス・メキシカヌス(Melanoplus mexicanus)、メラノプルス・サングイニペス(Melanoplus sanguinipes)、メラノプルス・スプレツス(Melanoplus spretus)、ノマダクリス・セプテンファシアタ(Nomadacris septemfasciata)、スキストセルカ・アメリカナ(Schistocerca americana)、スキストセルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria)、ドシオスタウルス・マロカヌス(Dociostaurus maroccanus)、タキシネス・アシナモルス(Tachycines asynamorus)、オエダレウス・セネガレンシス(Oedaleus senegalensis)、ゾノゼルス・ヴァリエガツス(Zonozerus variegatus)、ヒエログリフス・ダガネンシス(Hieroglyphus daganensis)、クラウサリア・アングリフェラ(Kraussaria angulifera)、カリプタムス・イタリクス(Calliptamus italicus)、コルトイケテス・テルミニフェラ(Chortoicetes terminifera)、及びロクスタナ・パルダリナ(Locustana pardalina)、
【0055】
ハサミムシ(革翅目)、例えば、フォルフィクラ・オーリクラリア(forficula auricularia)、
【0056】
セイヨウシミ、マダラシミ(総尾目)、例えば、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)、及びテルモビア・ドメスチカ(Thermobia domestica)、
【0057】
シラミ(シラミ目)、例えば、ペディクルス・ヒューマヌス・キャピティス(Pediculus humanus capitis)、ペディクルス・ヒューマヌス・コルポリス(Pediculus humanus corporis)、プチルス・プビス(Pthirus pubis)、ヘマトピヌス・ユーリステルヌス(Haematopinus eurysternus)、ヘマトピヌス・スイス(Haematopinus suis)、リノグナツス・ビツリ(Linognathus vituli)、ボビコラ・ボビス(Bovicola bovis)、メノポン・ガリナエ(Menopon gallinae)、メナカンツス・ストラミネウス(Menacanthus stramineus)、及びソレノポテス・カピラツス(Solenopotes capillatus)、
ノミ(隠翅目)、例えば、クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)、クテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)、ゼノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)、プレックス・イリタンス(Pulex irritans)、ツンガ・ペネトランス(Tunga penetrans)、及びノソフィルス・ファスキアツス(Nosopsyllus fasciatus)。
【0058】
それらは同様に、節足動物害虫(クモ形類)、例えば以下に示す科の節足動物害虫を防除するのに有用である:ヒメダニ科(Argasidae)、マダニ科(Ixodidae)、及びヒゼンダニ科(Sarcoptidae)のもの、例えば、アンブリオンマ・アメリカヌム(Amblyomma americanum)、アンブリオンマ・ヴァリエガツム(Amblyomma variegatum)、アンブリオンマ・マクラツム(Ambryomma maculatum)、アルガス・ペルシクス(Argas persicus)、ボオフィルス・アンヌラツス(Boophilus annulatus)、ボオフィルス・デコロラツス(Boophilus decoloratus)、ボオフィルス・ミクロプルス(Boophilus microplus)、デルマセントル・シルバルム(Dermacentor silvarum)、デルマセントル・アンダーソニ(Dermacentror andersoni)、デルマセントル・ヴァリアビリス(Dermacentor variabilis)、ヒアロンマ・トルンカツム(Hyalomma truncatum)、イキソデス・リシヌス(Ixodes ricinus)、イキソデス・ルビクンズス(Ixodes rubicundus)、イキソデス・スカプラリス(Ixodes scapularis)、イキソデス・ホロシクルス(Ixodes holocyclus)、イキソデス・パシフィカス(Ixodes pacificus)、オルニトドルス・モウバタ(Ornithodorus moubata)、オルニトドルス・ヘルムシ(Ornithodorus hermsi)、オルニトドルス・ツリカタ(Ornithodorus turicata)、オルニトニスス・バコティ(Ornithonyssus bacoti)、オトビウス・メグニニ(Otobius megnini)、デルマニスス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、プソロプテス・オビス(Psoroptes ovis)、リピセファルス・サングイネウス(Rhipicephalus sanguineus)、リピセファルス・アッペンジクラツス(Rhipicephalus appendiculatus)、リピセファルス・エベルトシ(Rhipicephalus evertsi)、サルコプテス・スカビエイ(Sarcoptes scabiei);フシダニ科の種(Eriophyidae spp.)、例えば、アクルス・スクレクテンダリ(Aculus schlechtendali)、フィロコプトラタ・オレイボラ(Phyllocoptrata oleivora)、及びエリオフィエス・シェルドニ(Eriophyes sheldoni);並びに、ホコリダニ科の種(Tarsonemidae spp.)、例えば、フィトネムス・パリズス(Phytonemus pallidus)及びポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus);ヒメハダニ科の種(Tenuipalpidae spp.)、例えば、ブレビパルプス・ホエニシス(Brevipalpus phoenicis);ハダニ科の種(Tetranychidae spp.)、例えば、テトラニクス・シンナバリヌス(Tetranychus cinnabarinus)、テトラニクス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai)、テトラニクス・パシフィクス(Tetranychus pacificus)、テトラニクス・テラリウス(Tetranychus telarius)及びテトラニクス・ウルチカエ(Tetranychus urticae)、パノニクス・ウルミ(Panonychus ulmi)、パノニクス・シトリ(Panonychus citri)、及びオリゴニクス・プラテンシス(oligonychus pratensis);真正クモ目(Araneida)、例えば、ラトロデクタス・マクタンス(Latrodectus mactans)、及びロクソスケレス・レクルサ(Loxosceles reclusa)。
【0059】
これらは同様に、多足類害虫(多足類)、例として、ムカデ類の目(ムカデ鋼)、例えばスクチゲラ・コレオプトラータ(Scutigera coleoptrata)、及びヤスデ類の目(ヤスデ鋼)、例えばナルセウスspp.(Narceus spp.)を駆除するためにも有用である。
【0060】
本発明の好ましい実施形態において、殺虫性化合物は、以下の目から選択される少なくとも1種の昆虫種に対して活性を有する化合物から選択される:膜翅目、ゴキブリ目(特にゴキブリ科及びチャバネゴキブリ科)、等翅目、双翅目及び鱗翅目。本発明の別の好ましい実施形態において、殺虫性化合物は、以下の目から選択される、植物に害を与える昆虫種の少なくとも1種に対して活性を有する化合物から選択される:膜翅目、等翅目、双翅目、鞘翅目及び鱗翅目。
【0061】
特に好ましい実施形態において、殺虫性化合物は、鞘翅目の種、特にコーンルートワーム(diabrotica)の種に対して活性を有する化合物から選択される。
【0062】
さらに特に好ましい実施形態において、殺虫性化合物は、ゴキブリの種に対して活性を有する化合物から選択される。
【0063】
さらに特に好ましい実施形態において、殺虫性化合物は、双翅目の種、特にセラティティスspp.、例えばチチュウカイミバエ(ceratitis capitata)、及びバクトロセラ種、例えばオリーブミバエ(bactrocera olea)に対して活性を有する化合物から選択される。
【0064】
当業者はこのような化合物に精通しており、特定の標的生物に対して活性を有する化合物の種類を認識している。
【0065】
超吸収性ポリマーは、固体であり、親水性であり、水に溶解せず、自重の数倍の水又は水溶液を吸収することができるため、水を含有するポリマーゲルを形成する、公知の合成有機ポリマーである。本発明の超吸収性ポリマーは通常、超吸収性ポリマー1重量部あたり少なくとも100重量部の水(25℃、pH7.5、1バールでの脱イオン水)を吸収することができる。超吸収性ポリマーが吸収することのできる水又は水溶液の量は吸収能力又は最大吸収とも称されている。本発明の目的で、脱イオン水(25℃、pH7.5、1バール)に対する吸収能力が、超吸収性ポリマー1g当たり少なくとも150g、例えば150〜500g/g、特に200〜500g/g、より好ましくは300〜500g/g超吸収性ポリマーである超吸収性ポリマーが好ましい。本発明の目的で、0.1重量%塩化ナトリウム水溶液(25℃、pH7.5、1バール)に対する吸収能力が、超吸収性ポリマー1g当たり少なくとも100g、特に100〜300g/g超吸収性ポリマーである超吸収性ポリマーが好ましい。最大吸収又は吸収能力は、例えばF. L. Buchholz et al. "Modern Superabsorbent Polymer Technology", Wiley-VCH 1998, p. 153(吸収能力法)、又はEP 993 337の実施例6から公知の慣用方法により測定することができる。
【0066】
好ましい超吸収性ポリマーは、最大吸収の60%に達するのに要する時間が最大で20分、特に1〜10分という適度の膨潤速度を有するもの、すなわち超吸収剤である。これらの値は、F. L. Buchholz et al.,前掲, p. 154(膨潤速度論法)に記載されている標準方法に従って測定され得る。
【0067】
超吸収性ポリマーは非イオン性又はイオン性架橋ポリマーであり得る。本発明の目的で、超吸収性ポリマーを架橋アニオン性超吸収性ポリマー、特に共有結合による架橋アニオン性超吸収性ポリマーから選択することが好ましい。適当な超吸収性ポリマーの考察は、例えばF. L. Buchholz et al.,前掲, p. 11-14に記載されている。
【0068】
架橋アニオン性超吸収性ポリマーは、水中で中和され得るアニオン性官能基又は酸性基、例えばスルホン酸基(SO3H又はSO3-)、ホスホン酸基(PO3H2又はPO32-)、又はカルボン酸基(CO2H又はCO2-)を含む架橋ポリマーである。これらのポリマーは、原則としてモノエチレン性不飽和酸性モノマー及び架橋モノマーを、場合によりグラフト化基剤の存在下、場合により更なる中性モノエチレン性不飽和モノマーの存在下で共重合することにより得られる。好ましい超吸収性ポリマーにおいて、カルボン酸基は酸性基の少なくとも80モル%、特に少なくとも95モル%を占めている。
【0069】
適当な酸性モノマーには、好ましくは3〜8個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和モノ-及びジカルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α-クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸及びフマル酸);4〜10個、好ましくは4〜6個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノエステル、例えばマレイン酸のモノエステル(例えば、マレイン酸モノメチル);モノエチレン性不飽和スルホン酸及びホスホン酸(例えば、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、アクリル酸スルホエチル、メタクリル酸スルホエチル、アクリル酸スルホプロピル、メタクリル酸スルホプロピル、2-ヒドロキシ-3-アクリロイルオキシプロピルスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロピルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸及びアリルホスホン酸)、並びにこれらの酸の塩(特に、ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩)が含まれる。酸性モノマーは、酸性形態のアニオン性超吸収性ポリマーに基づいて、超吸収性ポリマーの通常少なくとも15重量%、好ましくは少なくとも20重量%(例えば、15〜99.9重量%、特に20〜99.8重量%)を占めている。
【0070】
重合酸性モノマーが少なくとも1つのモノエチレン性不飽和カルボン酸CA又はその塩を含む架橋アニオン性超吸収性ポリマーが好ましい。モノエチレン性不飽和カルボン酸CA又はその塩が重合酸性モノマーの総量の少なくとも80モル%、特に少なくとも95モル%を占めていることが好ましい。
【0071】
有用な架橋モノマーには、分子中に少なくとも2個(例えば、2、3、4又は5個)のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物が含まれる。これらの化合物は架橋剤モノマーとも称されている。架橋剤モノマーの例は、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、各々が106〜8500、好ましくは400〜2000の分子量を有するポリエチレングリコールから誘導されるポリエチレングリコールジアクリレート及びポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、アリルメタクリレート、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーのジアクリレート及びジメタクリレート、ジ-、トリ-、テトラ-又はペンタアクリル化又は-メタクリル化多価アルコール(例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール又はジペンタエリトリトール)、モノエチレン性不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和アルコール(例えば、アリルアルコール、シクロヘキセノール及びジシクロペンテニルアルコール)のエステル(例えば、アリルアクリレート及びアリルメタクリレート)、トリアリルアミン、ジアルキルジアリルアンモニウムハライド(例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド及びジエチルジアリルアンモニウムクロリド)、テトラアリルエチレンジアミン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、106〜4000の分子量を有するポリエチレングリコールのポリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル、1モルのエチレングリコールジグリシジルエーテル又はポリエチレングリコールジグリシジルエーテルと2モルのペンタエリトリトールトリアリルエーテル又はアリルアルコールの反応生成物、並びにジビニルエチレン尿素である。架橋剤モノマーの量は、酸性形態の超吸収性ポリマーの重量に基づいて、好ましくは0.1〜10重量%、特に0.2〜5重量%の範囲である。
【0072】
適当なグラフト化基剤は天然又は合成起源のものであり得る。これらには、オリゴ糖及び多糖(例えば、デンプン)、すなわちコーン(トウモロコシ)デンプン、ジャガイモデンプン、小麦デンプン、コメデンプン、タピオカデンプン、ソルガムデンプン、マニオカデンプン、エンドウマメデンプン又はその混合物からなる群から選択される天然デンプン、加工デンプン、デンプン分解産物(例えば、酸化、酵素又は加水分解により分解させたデンプン)、デキストリン(例えば、ばい焼デキストリン)、並びに低オリゴ糖及び多糖(例えば、4〜8環員を有するシクロデキストリン)が含まれる。有用なオリゴ糖及び多糖には、セルロース、デンプン及びセルロース誘導体も含まれる。グラフト化基剤としてポリビニルアルコール、N-ビニルピロリドンのホモ-及びコポリマー、ポリアミン、ポリアミド、親水性ポリエステル又はポリアルキレンオキシド、特にポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドを使用することも可能である。グラフト化基剤の量は、酸性形態の超吸収性ポリマーの重量の50重量%以下(例えば、1〜50重量%)であり得る。好ましい実施形態において、グラフト化基剤の量は、酸性形態の超吸収性ポリマーの重量の10重量%未満であるか、又はグラフト化基剤は実質的に存在しない(<1%重量%)。
【0073】
超吸収性ポリマーを形成するモノマーは、酸性基を持たない中性のモノエチレン性不飽和モノマーをも含み得る。モノエチレン性親水性モノマー、すなわち25℃、1バールで少なくとも80g/lの水溶解度を有するモノマーの例には、モノエチレン性モノカルボン酸のヒドロキシアルキルエステル、例えばヒドロキシアルキルアクリレート及びメタクリレート(例えば、ヒドロキシエチルアクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレート)、モノエチレン性モノカルボン酸のアミド(例えば、アクリルアミド及びメタクリルアミド)、ポリエーテル基を有するモノマー(例えば、ポリエチレングリコールのビニル、アリル及びメタリルエーテル)、並びにモノエチレン性モノカルボン酸とポリエーテルのエステル(例えば、ポリエチレングリコールアクリレート及びポリエチレングリコールメタクリレート)が含まれる。本発明の好ましい実施形態において、中性モノマーは酸性形態の超吸収性ポリマーの10〜84.9重量%、特に20〜79.9重量%を占めている。
【0074】
好ましいアニオン性超吸収性ポリマーは適度な電荷密度を有している。すなわち、超吸収性ポリマー中の酸性基の量は、酸性形態の超吸収性ポリマーの重量に基づいて、好ましくは0.1〜1.1モル/100g超吸収性ポリマー、特に0.2〜1モル/100g超吸収性ポリマーである。
【0075】
本発明の非常に好ましい実施形態において、超吸収性ポリマーは、少なくとも1つのモノエチレン性不飽和カルボン酸CA又はその塩、及び少なくとも1つのモノエチレン性不飽和酸のアミド(モノマーAM)を含むエチレン性不飽和モノマーMの架橋コポリマー又はグラフトコポリマーである。
【0076】
適当なモノエチレン性不飽和カルボン酸CAは、3〜8個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和モノカルボン酸(例えば、アクリル酸及びメタクリル酸)、並びに4〜8個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和ジカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸)を含む。モノエチレン性不飽和カルボン酸CAの適当な塩はアルカリ金属塩及びアンモニウム塩、特にカリウム塩又はナトリウム塩を含む。好ましいモノエチレン性不飽和カルボン酸CAには、3〜8個の炭素原子を有するモノカルボン酸(特に、アクリル酸及びメタクリル酸)並びにその塩(特に、そのアルカリ金属塩)、より好ましくはアクリル酸のアルカリ金属塩、特にアクリル酸のナトリウム塩及びカリウム塩が含まれる。
【0077】
適当なモノエチレン性不飽和酸のアミドは、3〜8個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和モノカルボン酸のアミド、特にアクリルアミド及びメタクリルアミドである。
【0078】
この実施形態において、超吸収性ポリマーは共有結合による架橋コポリマーである、すなわち超吸収性ポリマーは、重合モノマーCA及びAMに加えて、重合架橋モノマーを、酸性形態の超吸収性ポリマーに基づいて好ましくは0.1〜10重量%、特に0.2〜5重量%の量で含有しており、モノマーAM及びCAの合計量が、酸性形態の超吸収性ポリマーに基づいて少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、特には90〜99.9%を構成する。
【0079】
カルボン酸CA及びアミドAMは、超吸収性ポリマーを形成するエチレン性不飽和モノマーMの好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%を占める。
【0080】
特定の好ましい実施形態において、モノマーMは、モノマーMの総重量に基づいて、アクリル酸又はその塩(特に、そのアルカリ金属塩)、より好ましくはアクリル酸のカリウム塩と、アクリルアミドの混合物を少なくとも90重量%で含む。
【0081】
特に、超吸収性ポリマーは、
−(酸性形態で計算して)15〜89.9重量%、特に20〜79.8重量%の少なくとも1種のカルボン酸CA又はその塩、好ましくはアクリル酸又はその塩(特に、そのアルカリ金属塩)、より好ましくはアクリル酸のカリウム塩、
−10〜84.9重量%、特に20〜79.8重量%の少なくとも1種のアミドAM、好ましくは3〜8個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和モノカルボン酸のアミド、特にアクリルアミド、及び
−0.1〜10重量%、特に0.2〜5重量%の少なくとも1種の架橋剤モノマー
を重合形態で含み、重量%は酸性形態の超吸収性ポリマーを基準とし、モノマーAM及びCAの量は超吸収性ポリマーを形成するモノマーの少なくとも90%(例えば、90〜99.9%)を占めているか、あるいはモノマーAM及びCAの合計量が、酸性形態の超吸収性ポリマーを基準として少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、特には90〜99.9%を構成する。
【0082】
このタイプの適当な超吸収性ポリマーは、例えば米国特許第4,417,992号、米国特許第3,669,103号及びWO 01/25493号から当業界で公知である。これらの超吸収性ポリマーは、例えばフランスのSNF SA.からAquasorb(登録商標)、例えば3500 Sの商標でも市販されている。
【0083】
本発明の別の非常に好ましい実施形態において、超吸収性ポリマーは、モノマーMの総量に基づいて、少なくとも1つのモノエチレン性不飽和カルボン酸CA、好ましくはアクリル酸と少なくとも1つのモノエチレン性不飽和カルボン酸CAのアルカリ金属塩、好ましくはそのカリウム塩又はナトリウム塩、より好ましくはアクリル酸のカリウム塩又はナトリウム塩の混合物を少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%で含む、エチレン性不飽和モノマーMの架橋コポリマー又はグラフトコポリマーである。この実施形態において、超吸収性ポリマーは好ましくは共有結合による架橋コポリマーである。すなわち、超吸収性ポリマーが、重合カルボン酸CA及びCAの塩に加えて、重合架橋モノマーを、酸性形態の超吸収性ポリマーに基づいて好ましくは0.1〜10重量%、特に0.2〜5重量%の量で含有しており、カルボン酸CA及びCAの塩の合計量が、酸性形態の超吸収性ポリマーに基づいて少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、特には90〜99.9%を構成する。
【0084】
特に、この実施形態の超吸収性ポリマーは、
−15〜89.9重量%、特に20〜79.8重量%の少なくとも1種のカルボン酸CA、好ましくはアクリル酸、
−(酸性形態で計算して)10〜84.9重量%、特に20〜79.8重量%の少なくとも1種の又はその塩(特に、そのアルカリ金属塩)、より好ましくはアクリル酸のカリウム塩、及び
−0.1〜10重量%、特に0.2〜5重量%の少なくとも1つの架橋剤モノマー
を重合形態で含み、重量%は酸性形態の超吸収性ポリマーを基準とし、カルボン酸CA及びCAの塩の量は、超吸収性ポリマーを形成するモノマーの少なくとも90%(例えば、90〜99.9%)を占めているか、あるいはカルボン酸CA及びCAの塩の合計量が、酸性形態の超吸収性ポリマーを基準として少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、特には90〜99.9%を構成する。
【0085】
このタイプの適当な超吸収性ポリマーは、例えばBASF AGからLuquasorb(登録商標)、例えばLuquasorb(登録商標)1010の商標で市販されている。
【0086】
通常、超吸収性ポリマーは、粉末形態で組成物の製造に用いられる。好ましくは、超吸収性ポリマー粒子の平均粒子サイズは0.5mmを超えず、好ましくは0.3mmを超えない。平均粒子サイズは、顕微鏡又は篩分け分析により測定され得る直径の重量平均である。
【0087】
本発明の一実施形態において、殺虫剤組成物を製造するために使用される超吸収性ポリマーは表面架橋されているポリマー粒子の形態である(上に掲載されているF.L. Buchholz, pp. 97-103及びここに引用されている文献参照)。表面架橋されているポリマー粒子では、超吸収性ポリマー顆粒の表面域中の官能基の幾つかが多官能性化合物との反応により架橋されている。表面架橋は共有結合性又はイオン性架橋であり得る。別の実施形態において、超吸収性ポリマー粒子は表面架橋を有しない。
【0088】
本発明において、殺虫剤組成物はさらに、少なくとも1種の賦形剤物質(水とは異なり、当然ながら殺虫性化合物及び超吸収性ポリマーPとも異なる)を含有する。賦形剤物質は一般に、液体、固体又は半固体(例えばペースト状)の物質から選択され、水及び超吸収性ポリマーPと一緒に、ゲル様又は固体特性を有する殺虫剤組成物を提供する。賦形剤物質の量は、組成物の総重量に基づいて、好ましくは10〜89.5重量%、特に15〜84.5重量%であり、より好ましくは20〜79.5重量%である。
【0089】
賦形剤物質は一般に、有機若しくは無機物質であってもよいし、又は有機及び無機物質の混合物であってもよく、賦形剤物質は、固体、液体又は半固体であり、それ自体は殺虫活性がないか又は顕著には示さない。当然ながら、賦形剤物質は、水、殺虫性化合物及び超吸収性ポリマーとは異なる。
【0090】
賦形剤物質は、好ましくは、固体、液体又は半固体の有機物質であり、それ自体は殺虫活性がないか又は顕著には示さない。適当な賦形剤物質としては、特に殺虫性化合物のゲル製剤中に存在する有機物質が挙げられる。典型的な賦形剤の例は、誘引剤、製剤助剤(すなわち、慣用の殺虫剤製剤に通常存在する有機物質)、組成物のpH調整手段、及び不活性担体物質である。典型的な賦形剤としては、誘引剤、及びまた製剤助剤(すなわち、慣用の殺虫剤製剤に通常存在する有機物質)、並びに場合により、組成物のpH調整手段がある。しかしながら、賦形剤物質はまた、不活性担体物質(有機又は無機のいずれでもよい)を含む。
【0091】
好ましくは、賦形剤物質は、組成物が防除すべき害虫を誘引するような少なくとも1種の物質を含む。そのような成分はまた誘引剤とも呼ばれる。誘引剤は、以下の1又は複数の方法で作用することができる非殺虫性物質である:a)組成物又は組成物で処理した物質に近づくよう昆虫を誘い出す;b)組成物又は組成物で処理した物質に触れるよう昆虫を誘い出す;c)組成物又は組成物で処理した物質を摂取するよう昆虫を誘い出す;及びd)組成物又は組成物で処理した物質に戻るよう昆虫を誘い出す。適当な誘引剤としては、非食餌誘引剤及び食餌誘引剤(摂食刺激剤とも呼ばれる)がある。
【0092】
適当な非食餌誘引剤は、通常は揮発性物質である。揮発性誘引剤は、おとりとして機能し、それらの種類は、公知の方法で防除しようとする害虫に応じて異なる。非食餌誘引剤としては、以下のものが挙げられる:
・生物信号化学物質(セミオケミカル)、例えばフェロモン、特に性フェロモン及び集合フェロモン、カイロモン、並びに
・天然又は合成起源の香味料。
【0093】
適当なセミオケミカルは、例えばhttp://pherobase.com、及びT.D. Wyatt, Pheromones and Animal Behaviour: Communication by Smell and Taste, Cambridge 2003: Cambridge University Pressから理解することができる。例としては、5〜10個の炭素原子を有する揮発性アルカノール及びアルケノール、5〜10個の炭素原子を有する揮発性アルカナール及びアルケナール、6〜10個の炭素原子を有するアルカノン、1,7-ジオキサスピロノナン、及び3-又は4-ヒドロキシ-1,7-ジオキサスピロウンデカン、ベンジルアルコール、Z-(9)-トリコセン(ムスカルーレ)、ヘネイコセン、ジアセチル、5〜10個の炭素原子を有するアルカン酸、例えばカプリル酸、ラウリル酸、α-ピネン、メチルユージノール、エチルドデカノエート、tert-ブチル 4-(又は5-)クロロ-2-メチルシクロヘキサン-カルボキシレート、ミクレノン(mycrenone)及びククルビタシンが挙げられる。適当な香味料としては、肉フレーバー、酵母フレーバー、魚介フレーバー、ミルクフレーバー、バターフレーバー、チーズフレーバー、タマネギフレーバー、並びにフルーツフレーバー、例えばリンゴ、アンズ、バナナ、ブラックベリー、サクランボ、スグリ、グーズベリー、ブドウ、グレープフルーツ、ラズベリー及びイチゴのフレーバーが挙げられる。
【0094】
本発明の非常に好ましい実施形態において、組成物はククルビタシンを含有する。ククルビタシンは、組成物中にそのまま含まれてもよいし、又は適当な植物抽出物の形態、例えばメロン果汁エキスとして含まれてもよい。このような抽出物は、例えばInvite(登録商標)、Slam(登録商標)、又はCidetrak(登録商標)、として市販されている。
【0095】
適当な摂食刺激剤としては以下が挙げられる:
・動物タンパク質及び植物タンパク質を含むタンパク質、例えば、肉粉、魚粉、魚エキス、魚介、魚介エキス、又は血粉、昆虫部分、コオロギ粉、酵母エキス、卵黄、タンパク質加水分解物、酵母自己消化物、グルテン加水分解物などの形態のもの;
・炭水化物及び水素化炭水化物、特に単糖及び二糖、例えばグルコース、アラビノース、フルクトース、マンノース、スクロース(ショ糖)、ラクトース、ガラクトース、マルトース、マルトトリオース、マルトテトロース、マルトペントース、又はこれらの混合物、例えば糖蜜、コーンシロップ、メープルシロップ、転化糖及びハチミツ;多糖、例えばデンプン、例としてジャガイモデンプン、コーンスターチ、及びデンプンベースの物質、例えば穀粉(例:小麦粉、トウモロコシ粉、麦芽粉、米粉、米糠)、ペクチン、及びグリセロール、水素化単糖及びオリゴ糖(糖アルコール)、例えばキシリトール、ソルビトール、マンニトール、イソマルトロース、トレハロース及びマルチトール、並びにマルチトール含有シロップ;
・脂肪及び油、例えば植物油、例としてトウモロコシ油、オリーブ油、カラウェー油、亜麻仁油、キャノーラ油、ピーナッツ油、菜種油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、動物起源の脂肪及び油、例えば魚ベースの油、そしてまた上記の脂肪及び油から誘導される脂肪酸。
【0096】
上述の誘引剤はまた、揮発性物質及び摂食刺激剤、例えば果汁、果実シロップ及び果実エキス、有機物質の腐食(decay)部分、例えば果実、作物、植物、動物、昆虫又はその特定の部分の腐食部分、を含む複合混合物の形態で存在することも可能である。
【0097】
誘引剤の総量は、一般に組成物の1〜80重量%、特に組成物の5〜70重量%、より好ましくは組成物の10〜60重量%の範囲である。特に、本発明の組成物は、少なくとも1種の非食餌誘引剤及び少なくとも1種の摂食刺激剤を含む。非食餌誘引剤(セミオケミカル及び香味料)の量は、一般に組成物の0.0001〜10重量%、特に0.001〜1重量%である。摂食刺激剤の量は、一般に組成物の1〜80重量%、特に組成物の5〜70重量%、より好ましくは組成物の10〜60重量%である。
【0098】
好ましい実施形態において、組成物は、炭水化物及び水素化炭水化物の群より選択される少なくとも1種の摂食刺激剤、特に、単糖又はオリゴ糖、穀粉及び糖アルコール、そして場合によりデンプン又はペクチンから選択される少なくとも1種の物質、を含む。炭水化物物質及び/又は水素化炭水化物が存在する場合には、その量は、組成物の1〜50重量%、特に3〜30重量%である。本発明の好ましい実施形態において、組成物は、少なくとも1種の炭水化物、特に少なくとも1種の単糖若しくはオリゴ糖及び/又は少なくとも1種の穀粉と、少なくとも1種の水素化炭水化物、特に少なくとも1種の糖アルコール(ソルビトール又はマルチトールなど)の混合物を含む。
【0099】
本発明の好ましい実施形態において、組成物は、脂肪酸、脂肪酸のジ及びトリグリセリド、脂肪アルコール及びこれらの混合物から選択される少なくとも1種の疎水性物質を含有する。疎水性物質は、好ましくは、天然起源のもの、例えば植物又は動物起源の脂肪及び油及び脂肪酸であり、特に摂食刺激剤として言及しているものである。本明細書で使用される「脂肪酸」という用語は、飽和であってもよいし又は1、2若しくは3個のエチレン性二重結合を有していてもよい、10〜22個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸を指す。「脂肪アルコール」という用語は、10〜22個の炭素原子を有するアルカノールを指す。疎水性物質は、好ましくは、天然起源の脂肪酸のトリグリセリド、例えば植物又は動物起源の脂肪及び油、例としてトウモロコシ油、亜麻仁油、ヒマワリ油、ピーナッツ油、菜種油、オリーブ油、ピーナッツバター、ゴマ油から選択される。疎水性物質が存在する場合には、その量は、一般的に1〜50重量%、特に3〜30重量%である。疎水性物質は、部分的に又は完全に、3〜10個の炭素原子を有するジ又はポリオールと置き換えられてもよい。
【0100】
本発明の好ましい実施形態において、組成物は、動物又は植物起源のいずれでもよい、少なくとも1種のタンパク質物質を含む。タンパク質物質が存在する場合には、その量は、組成物の1〜50重量%、特に2〜20重量%の範囲である。
【0101】
本発明の組成物はまた、組成物又はそれから得られる水希釈液のpH調整手段を含んでもよい。適当なpH調整手段には、緩衝剤、塩基、特に酸がある。
【0102】
適当な酸としては、有機酸及び無機酸、特に有機カルボン酸(クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、ピルビン酸、グリコール酸等)などが挙げられる。この量は、一般的に組成物の総重量に基づいて2重量%を超えることはない。酸は、特に0.01〜2重量%、より好ましくは0.1〜1重量%の範囲の量で存在する。
【0103】
更に、殺虫剤組成物は製剤助剤(添加剤)、すなわち慣用の殺虫剤製剤中に存在しているか又はその特性を改変するために殺虫剤製剤中に配合されている化合物を含んでもよい。製剤助剤の量は、組成物の総重量に基づいて通常20重量%以下又は10重量%以下である。多くの場合、製剤助剤は組成物の総重量に基づいて0.01〜20重量%、特に0.1〜10重量%の範囲の量で存在している。
【0104】
適当な製剤助剤(添加剤)には、
a)分散剤、湿潤剤及び乳化剤などの界面活性剤、
b)有機溶媒、
c)脱泡剤(消泡剤)、
d)増粘剤、
e)保存剤、
f)染料又は顔料、並びに
g)忌避剤
が含まれる。
【0105】
界面活性剤は非イオン性、アニオン性、カチオン性又は両性のいずれでもよい。本発明の液体製剤中に含めてもよい適当な界面活性剤は、例えば"McCutcheon's Detergents and Emulsifiers Annual", MC Publishing Corp., Ridgewood, NJ, USA 1981;H. Stache, "Tensid-Taschenbuch", 2nd ed., C. Hanser, Munich, Vienna, 1981;M. and J. Ash, "Encyclopedia of Surfactants", vol. I-III, Chemical Publishing Co., New York, NY, USA 1980-1981に開示されている。界面活性剤の量は、組成物を直接施用するか否か、すなわち即時使用ゲル(ready to use gel)の形態に応じて異なる。即時使用ゲルにおいては、界面活性剤の量は、組成物の総重量(ただし、摂食刺激剤に含まれる界面活性化合物は除かれ、また脂肪酸は除かれる)に基づいて通常1重量%未満であり得る。水希釈可能な組成物においては、界面活性剤の量は、組成物の総重量に基づいて通常0.1〜10重量%、特に0.2〜5重量%である。
【0106】
適当な界面活性剤には、
(a1)アニオン性界面活性剤、例えば通常アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩の形態、特にナトリウム、カリウム、カルシウム又はアンモニウム塩の形態の、
−アルキルスルホネート(例えば、ラウリルスルホネート又はイソトリデシルスルホネート)、
−アルキルスルフェート、特に脂肪アルコールスルフェート(例えば、ラウリルスルフェート、イソトリデシルスルフェート、セチルスルフェート、ステアリルスルフェート)、
−アリール-及びアルキルアリールスルホネート(例えば、ナフチルスルホネート、ジブチルナフチルスルホネート、ドデシルジフェニルエーテルスルホネート、クミルスルホネート、ノニルベンゼンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート)、
−脂肪酸及び脂肪酸エステルのスルホネート、
−脂肪酸及び脂肪酸エステルのスルフェート、
−アルコキシル化アルカノールのスルフェート(例えば、エトキシル化ラウリルアルコールのスルフェート)、
−アルコキシル化アルキルフェノールのスルフェート、
−アルキルホスフェート、C8-C16アルキルホスフェート、
−ジアルキルホスフェート、C8-C16ジアルキルホスフェート、
−スルホコハク酸のジアルキルエステル(例えば、ジオクチルスルホスクシネート)、
−アシルサルコシネート、
−脂肪酸(例えば、ステアレート)、
−アシルグルタメート、及び
−リグニンスルホネート;
(a2)非イオン性界面活性剤、例えば
−アルコキシル化アルカノール、特にエトキシル化脂肪アルコール及びエトキシル化オキソアルコール(例えば、エトキシル化ラウリルアルコール、エトキシル化イソトリデカノール、エトキシル化セチルアルコール、エトキシル化ステアリルアルコール)及びそのエステル(例えば、アセテート)、
−アルコキシル化アルキルフェノール(例えば、エトキシル化ノニルフェニル、エトキシル化ドデシルフェニル、エトキシル化イソトリデシルフェノール)及びそのエステル(例えば、アセテート)、
−アルキルグルコシド及びアルキルポリグルコシド、
−コポリマー、特にエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー、
−エトキシル化アルキルグルコシド及びアルキルポリグルコシド、
−エトキシル化脂肪アミン、
−エトキシル化脂肪酸、
−部分エステル、例えば脂肪酸とグリセリン又はソルビタンのモノ-、ジ-及びトリエステル(例えば、グリセリンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリステアレート)、
−脂肪酸とグリセリン又はソルビタンのエトキシル化部分エステル(例えば、エトキシル化グリセリンモノステアレート)、
−植物油又は獣脂のエトキシレート(例えば、コーン油エトキシレート、ヒマシ油エトキシレート、獣油エトキシレート)、
−脂肪アミン、脂肪アミド又は脂肪酸ジエタノールアミドのエトキシレート;
(a3)カチオン性界面活性剤、例えば
−第4級アンモニウム化合物、特にアルキルトリメチルアンモニウム塩及びジアルキルジメチルアンモニウム塩(例えば、ハライド、スルフェート及びアルキルスルフェート)、
−ピリジニウム塩、特にアルキルピリジニウム塩(例えば、ハライド、スルフェート及びC1-C4-アルキルスルフェート)、並びに
−イミダゾリニウム塩、特にN,N’-ジアルキルイミダゾリニウム塩(例えば、ハライド、スルフェート及びメトキシスルフェート)
が含まれる。
【0107】
界面活性剤に関して、本明細書中で使用されている用語「アルキル」は他に定義されていない限り、4〜30個、好ましくは6〜22個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐状アルキル基、例えばn-ヘキシル、1-メチルペンチル、n-ヘプチル、n-オクチル、2-エチルヘキシル、n-ノニル、n-デシル、1-メチルノニル、2-プロピルヘプチル、n-ドデシル、1-メチルドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-ヘプタデシル、n-オクタデシル、n-ノナデシル、n-エイコシル等である。用語「アルコキシル化」及び「アルコキシレート」は、OH-官能基が、オリゴアルキレンオキシド基を形成するように、アルキレンオキシド、特にC2-C4-アルキレンオキシド、好ましくはエチレンオキシド又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合物と反応していることを意味する。また、用語「エトキシル化」は、OH-官能基が、オリゴエチレンオキシド基を形成するように、エチレンオキシドと反応していることを意味する。アルコキシル化(又はエトキシル化)度はアルキレンオキシド(エチレンオキシド)反復単位の平均数を指し、通常1〜50、高頻度には1〜30、特に2〜20の範囲である。界面活性剤の量は、殺虫剤組成物の総重量に基づいて、好ましくは5重量%以下であり、組成物の総重量に基づいて0.001〜5重量%、特には0.01〜3重量%、或いは組成物中に存在する殺虫性化合物の総重量に基づいて1〜100重量%、特に5〜50重量%であり得る。
【0108】
有機溶媒としては、1バールにおいて最大250℃の沸点を有する有機液体が含まれる。有機溶媒としては、炭化水素溶媒、例えば芳香族溶媒類(例えば、Solvesso製品、キシレン)、パラフィン類(例えば、鉱油留分)、並びに脂肪族溶媒:アルコール類、例としてC1-C6-アルカノール(例えばメタノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール)及びC2-C6-ポリオール類、特にエチレングリコール及びプロピレングリコールなどのグリコール類;C3-C6-ケトン類(例えばアセトン、シクロヘキサノン);C4-C6-ラクトン類(例えばγ-ブチロラクトン)、C4-C6-ラクタム類及びC1-C8-アルキル-C4-C6-ラクタム類、そして特にピロリドン及びN-(C1-C8-アルキル)ピロリドン(例えばN-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、N-オクチルピロリドン)、C1-C4-脂肪酸とC1-C8-アルカノール類又はC2-C6-ポリオール類とのエステル、特にそれらの酢酸エステル(例えばグリコールアセテート及びグリコールジアセテート);スルホキシド類、例としてジメチルスルホキシド;C1-C4-カルボン酸のジメチルアミドが挙げられる。溶媒の量は、組成物の総重量に基づいて通常10重量%以下である。例えば、組成物は、凍結抑制添加剤としてアルコールを含有してもよい。アルコールの量は、組成物の0.5〜10重量%である。
【0109】
適当な脱泡剤には、ポリシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン)及びワックスが含まれる。脱泡剤の量は、組成物(例えば水希釈可能な組成物)の総重量に基づいて通常1重量%以下であり、脱泡剤は0.001〜1重量%、特に0.001〜0.8重量%の範囲の量で存在し得る。
【0110】
適当な増粘剤(シックナー)には、無機増粘剤(例えば、クレー、水和ケイ酸マグネシウム)、並びに有機増粘剤、例えば多糖ガム、例としてジェランガム、ジュルトングガム、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、ローカストガム、寒天、水溶性ポリアクリレートポリマー、ポリビニルアルコール、水溶性ペプチド(カゼイン又はゼラチンなど)、及びセルロース誘導体(カルボキシメチルセルロースなど)が含まれる。増粘剤の量は、組成物(例えば水希釈可能な組成物)の総重量に基づいて通常1重量%以下であり、増粘剤は0.001〜1重量%、特に0.001〜0.8重量%の範囲の量で存在し得る。
【0111】
本発明の製剤の微生物損害を防止するのに適した保存剤には、ホルムアルデヒド、p-ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル、安息香酸ナトリウム、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、o-フェニルフェノール、チアゾリノン(例えば、ベンズイソチアゾリノン、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリノン)、ペンタクロロフェノール、2,4-ジクロロベンジルアルコール及びその混合物が含まれる。保存剤の量は、組成物の総重量に基づいて通常0.1重量%以下である。
【0112】
適当な顔料又は染料には、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー80、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー13、ピグメントレッド112、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:1、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド53:1、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ5、ピグメントグリーン36、ピグメントグリーン7、ピグメントホワイト6、ピグメントブラウン25、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット49、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド14、アシッドブルー9、アシッドイエロー23、ベーシックレッド10、ベーシックレッド108が含まれる。染料及び/又は顔料の量は、水を除く組成物の総重量に基づいて通常1重量%以下であり、染料又は顔料は0.001〜1重量%、特に0.01〜0.5重量%の範囲の量で存在し得る。
【0113】
好適な忌避剤が、脊椎動物、例えば鳥類、両生類、爬虫類又は温血動物、特に人間による摂取を避けるために存在してもよい。忌避剤は、即時使用(ready to use)ゲル中に通常存在するであろう。好適な忌避剤は苦味剤、例えば安息香酸デナトニウム(安息香酸N-ベンジル-2-(2,6-ジメチルフェニルアミノ)-N,N-ジエチル-2-オキソエタナミニウム)、及び辛い物質、例えばギニア・コショウである。
【0114】
好適な担体は、特に、固体の殺虫剤製剤の調製に通常使用される固体の有機又は無機物質であり、例えば、無機質土壌、例えばシリカゲル、ケイ酸塩、タルク、カオリン、アタクレイ(attaclay)、石灰岩、生石灰、チョーク、ボーラス(bole)、黄土、粘土(クレイ)、苦灰石、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕した合成材料;肥料、例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素;並びに植物起源の産物、例えばセルロース粉、樹皮粉、木材粉及び堅果殻粉である。不活性担体の量は一般に組成物の50重量%以下であり、そして、特に殺虫剤組成物の30%又は10%以下であろう。一実施形態においては、かかる不活性賦形剤は存在しない。
【0115】
本発明の組成物は水も含有する。水の量は、好ましくは、10〜84.5重量%、特に15〜74.5重量%、そしてより好ましくは20〜69.5重量%である。水の量は、ゲル様又は固体特性を与えるように選択する。
【0116】
本発明の好ましい一実施形態においては、組成物を、即時使用ゲルとして製剤する。即時使用ゲルを直接施用し、従って、節足動物害虫が本発明のゲル組成物と接触する場所への容易な散布が可能になるように製剤化する。
【0117】
通常、即時使用ゲルは、即時使用ゲルを含有する好適なデバイスを利用して施用する。好適な手段は、カートリッジディスペンサー、圧壊性チューブなどである。ゲルはまた、駆除する害虫が進入できる餌箱に入れておいてもよい。それ故に、本発明はまた、本発明の即時使用ゲルを含有するカートリッジディスペンサー、カートリッジ、シリンジ、餌箱又は圧壊性チューブなどのデバイスにも関する。
【0118】
本発明に係る即時使用ゲルにおいて、賦形剤物質はしばしば、疎水性成分、特に、脂肪若しくは油、又はそれらと前記アルカノール若しくはポリオールとの混合物を含有する。疎水性成分の量は前記の通りであり、特に、即時使用ゲルの1〜50重量%、より好ましくは3〜30重量%である。
【0119】
即時使用ゲルは、特に、ヒト又は家畜の居住地に生息することが多い昆虫を駆除するのに好適である。即時使用ゲルは、特に、膜翅目、ゴキブリ目、等翅目、双翅目及び鱗翅目、特にチャバネゴキブリ科(blattelidae)及び/又はゴキブリ科(blattidae)の昆虫を駆除するのに有用である。
【0120】
本発明の他の実施形態においては、組成物は水希釈可能なゲル又は固体、特に水希釈可能なゲルの形態である。本発明のゲルは水で容易に希釈して、活性成分が均一に分布した実質的に均質な水性噴霧ブロスを得ることができる。
【0121】
かかる水希釈可能なゲル又は固体は、通常、希釈液中の殺虫性化合物の均一な分布を安定化するために、少なくとも1種の界面活性剤を先に示した量で含有する。
【0122】
好ましくは、水希釈可能なゲルはまた、少なくとも1種の酸、より好ましくは少なくとも1種の先に記載した有機カルボン酸、例えば、クエン酸、リンゴ酸、ピルビン酸及びグリコール酸からなる群より選択されるカルボン酸も含有する。カルボン酸の量は、好ましくは、水希釈可能なゲル又は固体の0.1〜5重量%である。
【0123】
好ましくは、水希釈可能なゲルは、本明細書に定義した脂肪成分を小量しか又は全く含有しない。特に、脂肪成分の量は水希釈可能なゲルの3重量%以下であろう。水希釈可能なゲルにおいて、誘引剤は、好ましくは、果実、果汁、果実エキス又は果汁エキス、単糖類又は二糖類、水素化単糖類又は二糖類、及び水溶性タンパク質源、例えばタンパク質加水分解物又は酵母自己消化物の群からの少なくとも1種の摂食刺激剤を含む。水希釈可能なゲルはまた、当然ながら1種以上のセミオケミカルを含んでもよい。
【0124】
水希釈可能なゲルは特に、植物に害を与える害虫、特に吸引する、穿孔する、又は咬む昆虫(刺咬昆虫)、例えば膜翅目、等翅目、双翅目、鞘翅目及び鱗翅目の昆虫を駆除するために、特に双翅目及び鞘翅目の昆虫を駆除するために使用される。
【0125】
本発明の組成物は慣用の製剤技法により容易に調製することができる。
【0126】
一般に、賦形剤及び任意に水を混合装置に予め供給し、殺虫性化合物の慣用の製剤を加え、それらの成分を混合する。それから組成物のさらなる成分を加えてもよい。超吸収性ポリマーを、この過程の任意の段階で加えることができる。好ましくは、賦形剤、少なくとも水の一部分と超吸収性ポリマーを予め充填し、殺虫性化合物の製剤をこれに混合しながら加える。それから、任意にさらなる水及びさらなる成分、例えば酸、染料又は顔料を加えてもよい。
【0127】
次いで、成分をホモジナイズしてゲル製剤を得る。その後、ゲル製剤をパッケージングするか、又は、即時使用ゲルの場合には、例えば直接施用するために好適なデバイス、又は直接施用するデバイス用のカートリッジに仕上げてもよい。
【0128】
前記の通り、本発明の組成物は、節足動物害虫、特に昆虫を駆除するために有用である。それ故に、本発明はまた、本発明の組成物を、節足動物害虫が本組成物と接触する場所に施用することを含む、節足動物害虫を駆除する方法に関する。
【0129】
本発明の組成物が即時使用ゲルの形態である場合、前記組成物を、害虫が出現してゲル組成物と接触すると思われる場所に直接施用する。例えば、即時使用ゲルを、シリンジ又はカートリッジ注入器などの好適なデバイスを用いて、駆除する害虫の孵化場所若しくは抱卵巣中に注入するか、あるいは駆除する害虫が動き周ると思われる場所、例えば、建物の一部分、例えば、害虫が出現すると思われる部屋(台所、食品保存室)の床、換気及び吸気ダクト、さらにまた前記害虫による損傷に対して保護する必要のある植物の部分にも施用することができる。特に前記組成物を、害虫が集まり又は生殖する区域、例えば、屑入れ、生ごみ捨て場、廃物置場、埋立地などに施用することができる。また、即時使用ゲルを餌箱又は給餌器又はライナーに装填し、そして餌箱又は給餌器又はライナーを、駆除する害虫が出現するか又は集まると思われる場所、例えば、駆除する害虫が動き周る場所又は駆除する害虫による侵入及び損傷に対して保護する植物若しくは物品の近くに置くことも可能である。
【0130】
水希釈可能なゲル又は固体の場合、組成物を水希釈液として施用する、すなわち、組成物を水で希釈して、活性成分を含有する噴霧可能な水性液を得る(希釈により得た水性液はまた、水性噴霧ブロス又は水希釈液とも呼ぶこととする)。組成物を希釈するために用いる水量(体積基準で)は通常、組成物の体積の少なくとも1倍、しばしば少なくとも5倍、好ましくは少なくとも10倍、より好ましくは少なくとも50倍、特に少なくとも100倍である。水量は勿論、水性噴霧ブロス中の活性成分の所望の濃度に依存し、これはまた、公知のように活性成分と駆除する害虫に応じて異なる。しかし、ほとんどの場合、本発明の組成物は増加した活性を与えるので、施用率の低減が可能になることを考慮すべきである。しばしば、本発明の組成物は、慣用の製剤を用いる時に必要な施用率の少なくとも20%、特に少なくとも50%の施用率の低減を可能にする。一般に、水希釈液中の殺虫剤濃度は1〜3000mg/L、特に10〜2000mg/Lの範囲でありうる。
【0131】
水分散性ゲル若しくは固体の希釈により得られる水性噴霧ブロスは一般に、生育する植物を、植物に害を与える害虫、特に植物に害を与える昆虫による攻撃又は侵襲から保護するために使用しうる。防除を達成するためには、水性噴霧ブロスを、節足動物害虫が前記組成物と接触する場所に施用する。通常、水性噴霧ブロスは駆除する害虫の生息地に施用され、それは植物若しくは植物自体の一部分、例えば、茎、根及び葉、又は防除する植物周囲の土壌であってもよい。好ましくは水希釈液を、保護する植物の一部分に施用する。しかし、水性噴霧ブロスを、駆除する害虫の繁殖地に施用することも可能である。
【0132】
本発明の組成物はまた、非生活用品、特に木製材料、例えばボード、フェンス、枕木など、及び建築物、例えば家屋、離れ家、工場、建築材料、家具、皮革、天然若しくは合成繊維、プラスチック材料、電線及びケーブルの絶縁体を、これらの材料を損傷すると思われる害虫、例えば、アリ及びシロアリから保護するために使用することもできる。組成物はまた、アリ及びシロアリが作物又は人類に害を与えるのを防除するために使用することもできる(例えば、害虫が家屋及び公共施設に進入する場合)。効果的な防除を達成するために、組成物を、直接に又は水性噴霧液として施用してもよい。組成物を直接施用してもよいが、材料の効果的な保護を達成するために周囲の土壌表面に又は床下土壌中に施用してもよい。
【0133】
ここで、本発明を次の実施例によってさらに詳しく説明する。
【0134】
I.出発材料
超吸収性ポリマーSAP1:400g/gのDI(脱イオン)水を吸水する能力及び0.3mm未満の粒径を有する、アクリル酸カリウムとアクリルアミドの架橋コポリマーの粉末(Aquasorb 3005 S、SNF FLOERGER, Andrezieux, France)。
超吸収性ポリマーSAP2:240g/gのDI水を吸水する能力及び0.1mm未満の粒径を有する、アクリル酸カリウムとアクリル酸の架橋コポリマーの粉末(Luqasorb(登録商標)1010、BASF Aktiengesellschaft, Germany)。
【0135】
殺虫剤製剤P1:100g/Lのα-シペルメトリン、5.2g/Lの界面活性剤、5.72g/Lのキサンタンガム、1.04g/Lの消泡剤、0.2g/Lのテトラブチルアンモニウムブロミド、0.2g/Lのリン酸、1.54g/Lの殺生物剤、154.4g/Lのプロピレングリコール及び水(100重量%まで加える)を含有する、α-シペルメトリンの懸濁液濃縮物。
殺虫剤製剤P2:240g/Lのメタフルミゾン、10.8g/Lの(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)コポリマー(EO/POポリマー)、97.4gの界面活性剤混合物、54.1g/Lのプロピレングリコール、5.4g/Lの消泡剤、1.1g/lの殺生物剤、1.7g/Lのキサンタンガム及び水(1Lまで加える)を含有する、水性懸濁液濃縮物。
殺虫剤製剤P3:化合物P5a、界面活性剤混合物、増粘剤、殺生物剤、消泡剤及び水(1Lまで加える)を含有する、水性懸濁液濃縮物。
殺虫剤製剤P4:約75重量%の化合物P5a、11重量%の界面活性剤混合物及び24重量%のカオリン粘土を含有する、粉末。
殺虫剤製剤P5:約25重量%の化合物P5a、45重量%のプロピレンカーボネート及び30重量%のEO/PO-ブロックコポリマーを含有する、希釈可能な濃縮物。
殺虫剤製剤P6:化合物P5、界面活性剤混合物、炭化水素の混合物及び水を含有する、マイクロエマルジョン濃縮物。
【0136】
市販のククルビタシン含有組成物:単糖及び二糖も含有する水性メロン果汁エキス(Invite、販売元:Florida Food Products USA)。
162g/Lの単糖及び二糖を含有する市販の赤ブドウ果汁。
【0137】
誘引剤組成物AtC 1:44重量%の加水分解トウモロコシグルテン及び56重量%の不活性成分を含有するトウモロコシグルテン加水分解物:Nu-Lure(販売元:Miller Chemicals and Fertilizer Corp. PA USA.)。
誘引剤組成物AtC 2:醸造酵母由来の食品グレード酵母自己消化物:酵母自己消化物SPA400(販売元:Halcyons Proteins Pty Ltd. Australia)。
誘引剤組成物AtC 3:タンパク質加水分解物:Buminal(販売元:Bayer AG)。
誘引剤組成物AtC 4:tert-ブチル4-(又は5-)クロロ-2-メチルシクロヘキサンカルボキシレート:Capilure(販売元:Oecos Herfordshire UK Company)。
誘引剤組成物AtC 5:メチルユージノール、純度>95%(販売元:Bronson & Jacobs Pty Ltd. Australia)。
【0138】
脂肪化学品:5〜25重量%のグリセリン、5〜25重量%のプロピレングリコール、5〜25重量%のヘキシレングリコール、5〜25重量%のオレイン酸、5〜20重量%のトウモロコシ油、5〜20重量%の菜種油、5〜20重量%の亜麻仁油及び5〜20重量%の大豆油の混合物。
ゲル化剤:ポリアクリレート増粘剤(Carbopol EZ-2、Novenon Ohio USA)。
【0139】
II.調製実施例
1.1 即時使用ゲルの調製(製剤1.a〜1.eについての一般配合)
a)約22〜32gの脱イオン水を混合容器に充填した。次いで、順に、0.75gのゲル化剤1、17.0gの三温糖及び8.0gのグルコ-マンニトールとグルコ-ソルビトールの市販混合物(イソマルト)を徐々に加え、その混合物を諸成分が溶解するまで攪拌した。次いで、17.8gのコーンスターチ、0.5gのピーナッツバターフレーバー、2.5gの凍結乾燥したニワトリ肝粉及び2.5gの凍結乾燥したコオロギ粉を加え、その混合物を固体材料が液体媒体中で均一に分散するまで攪拌した。次いで、0.2gの市販保存剤(Proxel GXL)及び超吸収性ポリマー粉(SAP)を加え、その混合物を材料が液体媒体中で均一に分散するまで攪拌した。次いで、プロピレングリコール又は油を加え(表1に掲げた量)、その混合物を、実質的に均一なゲルが得られるまで攪拌した。
【0140】
b)50gのジエチレングリコール-n-ブチルエーテルを第2混合容器に予め充填した。攪拌しながら5gの技術グレードのフィプロニル(100%)を加え、その混合物をフィプロニルが完全に溶解するまで攪拌した。次いで、1167gのソルビトール70重量%水溶液を攪拌しながら加えた。次いで0.5gの安息香酸デナトニウムを攪拌しながら加えた。
【0141】
c)ステップb)で得た12.2gのフィプロニル製剤をステップa)で得たゲルに加え、その混合物を実質的に均一なゲルが得られるまで攪拌した。
【0142】
1.2 即時使用ゲルの調製(比較製剤C1及びC2についての一般配合)
比較製剤を製剤1.a〜1.eに記載の通り調製した。しかし超吸収性ポリマーは加えなかった。その代わり、殺生物剤を加えた後にNaOH水溶液を加えた。さらにイソマルトを加えた後にカラギナンを加えた。
【0143】
ゲル製剤の組成を表1に示す(全ての量は重量%として示す)。
【表1】

【0144】
1.3 即時使用ゲルの調製(製剤1.f〜1.mについての一般配合)
製剤1.f〜1.mは、殺虫剤製剤P3〜P6と超吸収性ポリマーSAP1を用いて、製剤1.a〜1.eに対して記載したように調製した。ゲル製剤の組成を次の表1a〜1dに示す(全ての量は重量%として示す)。
【0145】

【0146】

【0147】

【0148】

【0149】
2. 水分散性ゲルの調製
一般配合A
50〜60gの脱イオン水を混合容器中に充填した。次いで0.2gの市販保存剤(Proxel GXL)、5gのサトウキビ糖、5gの赤ブドウ果汁及び10gのグリセリンを加え、その混合物を、成分が完全に溶解するまで攪拌した。次いで、殺虫剤製剤P1を加え、その混合物を再び、実質的に均質な分散液が得られるまで攪拌した。次いで、2種の異なる誘引剤組成物を逐次加え、その混合物を再び、実質的に均質な分散液が得られるまで攪拌した。超吸収性ポリマーを徐々に加え、その混合物を、実質的に均質なゲルが得られるまで攪拌した。
【0150】
得られたゲルの組成を表2に示す(全ての量は重量%として示す)。
【表2】

【0151】
一般配合B
30〜40gの脱イオン水を混合容器中に充填した。次いで0.2gの市販保存剤(Proxel GXL)、5gのサトウキビ糖、5gの赤ブドウ果汁及び10gのグリセリンを加え、その混合物を、成分が完全に溶解するまで攪拌した。次いで、殺虫剤製剤P2を加え、その混合物を再び、実質的に均質な分散液が得られるまで攪拌した。次いで、2種の異なる誘引剤組成物を逐次加え、その混合物を再び、実質的に均質な分散液が得られるまで攪拌した。超吸収性ポリマーを徐々に加え、その混合物を、実質的に均質なゲルが得られるまで攪拌した。
【0152】
得られたゲルの組成を表3に示す(全ての量は重量%として示す)。
【表3】

【0153】
一般配合C
混合容器中に68gのククルビタシン含有組成物(メロン果汁エキス、Invite、前記参照)を攪拌しながら加えた。次いで、超吸収性ポリマーとクエン酸を順に加え、その混合物を、実質的に均質なゲルが得られるまで混合した。そのゲルに、9.7若しくは4.9gの殺虫剤製剤P1(又は13.6若しくは6.8gの殺虫剤製剤P2)及び5gのプロピレングリコールを加え、その混合物を、実質的に均質なゲルが得られるまで攪拌した。
【0154】
得られたゲルの組成を表4a及び4bに示す。
【表4】

【0155】
III.生物学的試験
1.ゴキブリに対する活性(組成物1.a〜1.e)
研究室実験を実施し、代わりの食餌源の存在(選択試験)のもとでの、II.1に記載した即時使用ゲルの、成虫雄チャバネゴキブリ(Blattella germanica)を駆除する効力を比較した。
【0156】
餌を研究室で1、2又は3か月間、次の手順で経年劣化(aging)させた:約0.03g又はそれぞれのゲルを、多用量塗布機を用いてVWRポリスチレン秤量皿(ミクロサイズ)に塗布した。こうして調製した餌皿を、トレイ上に置き、これを研究室内の最下段のキャビネット内に置いた。餌は常暗で約22℃にて維持した。
【0157】
バイオアッセイについては、試験を開始する前に、ゴキブリを24時間絶食させた(シェルターと水を与えるが食餌を与えない)。同じ処置を3回繰り返し、各回に20匹のゴキブリを用いて繰り返した。換気口付きの蓋を備えたプラスチック製ゴキブリ箱を試験場に用いた。試験場の頂部3〜4cmをワセリンと鉱油により処理してゴキブリが逃げられないようにした。必要に応じて水を与えた。ゴキブリを箱に入れて24時間絶食させた後に、餌を与えた。約0.03グラムのゲルを含有する秤量皿を箱内に置いた。箱を22℃に維持して毎日ゴキブリの死滅率を観察した。ゴキブリ死滅率を毎日記録し、死滅した個体は取り除いた。結果を表5a、5b及び5cに示す。
【表5】

【0158】

【0159】

【0160】
2.オリーブミバエ(Bactrocera Oleae)の嗅覚応答
水希釈液を噴霧した、切除されたオリーブ小枝に対する成虫オリーブミバエ(B. oleae)の嗅覚応答を、風洞型オルファクトメーターを用いて測定した。噴霧した小枝を風洞型オルファクトメーター中に移し、これらに対する成虫オリーブミバエの応答を評価した。
【0161】
製剤を水希釈液として施用した。製剤2.a〜2.f及び3.a〜3.fは水を用いて比1:10v/vで希釈した。製剤P1は水を用いて比8.3:1000v/vで希釈した。製剤P2は水を用いて比34.7:1000v/vで希釈した。希釈液を樹齢2年の鉢植えオリーブ樹に噴霧した。噴霧施用は大容量バックアップ噴霧器により実施し、枝に液滴が滴るまで噴霧した。噴霧した後、樹木を非加熱温室に移して維持した。温室の側面窓は開放して試験場の適当な換気を確保した。噴霧後のある特定の時間間隔(0、3及び7日)に、処理したオリーブの樹の小枝を切除して、バイオアッセイ用の研究室に移した。
【0162】
バイオアッセイはプレキシガラス製の風洞型オルファクトメーター(olfactometer)で行った。オルファクトメーターは、プレキシガラス製の矩形のケージ(2m長さ×0.6m巾×0.6m高さ)であり、2つ向かい合う小側面のそれぞれに大気の流通が可能な円筒状開口部を備える。円筒状開口部は、ハエがオルファクトメーターから逃げないように、ワイヤスクリーンで覆われている。新鮮な大気は換気扇(ケージの風上の開口部に接続された)によってケージ中に吸い込まれ、フレキシブルアルミニウム管(風下の開口部に接続された)を介して外側へ通過する。ケージの上側は、プレキシガラスカバーの2つの円筒状開口部を有し、チャンバのそれぞれの末端から15cmに位置して、ハエとオリーブ小枝のチャンバ内部への移動を容易にする。チャンバ内の風上末端から25cmに円筒状ワイヤスクリーンケージを配置した(直径15cm、高さ40cm)。ケージの側面はTungel Foot接着剤で覆った。ワイヤスクリーン内部に、試験製品を噴霧したオリーブ小枝を置いた。4〜5のオリーブ小枝(10〜20cm長)をワイヤスクリーンケージの中央に垂直に固定した。
【0163】
バイオアッセイに用いた成虫ハエは卵から発生し、オリーブ果実内で成熟し、研究室内の木製スクリーンケージ内で25±2℃で16:8 LDの光期間、液体食餌(水:糖:酵母加水分解物、5:3:1の混合物)を用いて維持した。試験の24時間前に、成虫用食餌をケージから取り除いて、ハエは結晶糖及び水だけを摂取した。それぞれのバイオアッセイについては、20匹の成虫オリーブハエ(雄10匹と雌10匹)、10〜20日齢を用いた。ハエを最初にガラスバイアル中に吸い込んだ。バイアルの頂部をナイロンメッシュで閉じた。次いで、ハエの入ったバイアルを、風洞の風下の昆虫放出点に移した。ハエを10分間風洞条件に順化させた後にボトルから放出した。順化期間中、風洞の風上末端のファンを運転した。
【0164】
バイオアッセイについては、20匹の成虫雌及び雄ハエ(10〜15日齢)を風下末端でオルファクトメーター・チャンバ中へ放った。半時間後、換気ファンをスタートして、空気をチャンバ内に送り、噴霧したオリーブ小枝を取り付けたワイヤスクリーンを通してその空気をハエに向けて流し、そして末端開放口を通して研究室外側に流した。チャンバ内の空気速度は0.5〜0.9 m/秒で変化した。ファンの運転は、10分毎にスイッチオン及びオフするタイムコントローラーによって調節した。バイオアッセイ中の室温は26℃〜28℃で、相対湿度は39〜60%で変化した。
【0165】
ケージにハエを移して12時間後に、噴霧したオリーブ小枝に応答して、ケージの接着剤付き側面に捕捉されたハエの数を評価した。ケージの側面に捕捉されたハエの数のパーセントを、色々な試験製品に対するハエの相対的応答の指数として用いた。バイオアッセイの終わりに、オリーブ小枝を取り付けたスクリーンケージを風洞から取り出して接着剤上に捕捉されたハエの数(すなわち、餌となった枝に惹きつけられたハエ)を記録した。風洞の側面、ワイヤメッシュ及びファンブレードをエタノールを用いて完全に洗浄し、部屋を適当に曝気した後に、次のバイオアッセイを実施した。
【0166】
水を噴霧したオリーブ小枝に対するハエの応答を対照処理として用いた。
【0167】
試験は、噴霧後3〜5時間、噴霧後3日、噴霧後7日に実施した。その結果を表6a、6b及び6cに示す。
【表6】

【0168】

【0169】

【0170】
3.チチュウカイ・ミバエ(Ceratitis capitata)に対する活性
試験する組成物を10倍の水で(体積基準で)希釈した。得られた希釈液の1mlを25%の濃度で円型濾紙(直径9cm)に塗布した(C及びD試験では0.5mlを塗布した)。処理した円型濾紙をペトリ皿上に置いた。Ceratitis capitataの5個体をそれぞれに置いた。ペトリ皿を閉じて、死滅率をT+1、T+6、T+24及びT+48時間で4回の試験で登録した。この試験を4回行った。ハエの齢は、4日齢であった試験Aを除くと、2日齢であった。結果を表7a〜7dに示す。
【表7】

【0171】

【0172】

【0173】

【0174】
4.成虫ウエスタンコーンルートワーム(Diabrotica virgifera)に対する活性
適当な数のトウモロコシ植物を有する別々の12m×200mの菜園(1ヘクタール当たり約80,000〜90,000植物を密植)において圃場試験として試験を行った。植物はコーンルートワーム成虫による平均的な侵襲を示した。各製剤1Lを水34Lで希釈することにより、水性噴霧液を調製した。植物に水性噴霧液を用いて35 l/haの施用率で噴霧した。施用はトウモロコシ植物のVT段階(出穂段階)に行った。生存コーンルートワーム個体の数を、2 DAT(処理後日数)及び7 DATで数え、無処理対照菜園の同じ時間におけるコーンルートワーム個体数と比較した。これらの数から効力を、Abbotの式:
E = 100×(1 - x/y)
x = 処理した菜園における昆虫個体数
y = 無処理の菜園における昆虫個体数
により計算した。
【0175】
活性成分の施用率とその結果を次の表8に示す。
【表8】

【0176】
5. ゴキブリに対する活性(組成物 1.f〜1.m)
研究室実験を実施して、代わりの食餌源の存在(選択試験)のもとで、II.1.2に記載した即時使用ゲルの、成虫雄チャバネゴキブリ(Blattella germanica)を駆除する効力を比較した。
【0177】
餌を研究室で1、2、3又は4週間、それぞれ、次の手順により経年劣化させた。約0.5g又はそれぞれのゲルを多用量塗布機用いて、VWRポリスチレン秤量皿(ミクロサイズ)に塗布した。こうして調製した餌皿をトレイ上に置き、これを研究室内の最下段のキャビネット内に置いた。餌は常暗で約22℃にて維持した。
【0178】
バイオアッセイについては、ゴキブリを24時間絶食した(シェルターと水を与えたが食餌は与えなかった)後、試験を開始した。それぞれ同じ処理を3回、1回毎に5匹のゴキブリに対して繰り返した。使い捨てプラスチック容器を試験場として用いた。試験場の頂部3〜4cmはワセリンと鉱油により処理してゴキブリが逃げられないようにした。容器には水に浸漬したワタ芯を置いた。ゴキブリを箱に入れて24時間絶食した後に餌を入れた。約0.5グラムのゲルを含有する秤量皿を箱に入れた。その箱を22℃に維持し、毎日ゴキブリの死滅率を観察した。ゴキブリ死滅率を4時間後及び1日後に記録し、死滅した個体は取り除いた。結果を表9a、9b、9c及び9dに示す。
【表9】

【0179】

【0180】

【0181】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)0.001〜50重量%の、節足動物害虫に対して活性を有する少なくとも1種の殺虫性化合物、
(ii)0.5〜20重量%の、ポリマーPの1g当たり少なくとも100gの脱イオン水に対する吸収能力を有する少なくとも1種の超吸収性ポリマーP、及び
(iii)5〜94.5重量%の、水と異なる少なくとも1種の賦形剤物質、及び
(iv)5〜94.5重量%の水
[ここで、重量%は組成物の総重量に基づく]
を含有する、ゲル又は固体の形態の殺虫剤組成物。
【請求項2】
賦形剤物質が誘引剤を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項3】
賦形剤物質が摂食刺激剤を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
摂食刺激剤が少なくとも1種の食用炭水化物及び/又は少なくとも1種の食用水素化炭水化物を含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
賦形剤物質が天然の油及び脂肪、脂肪酸、脂肪アルコール並びにそれらの混合物から選択される疎水性成分を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
超吸収性ポリマーPがエチレン性不飽和モノマーMの架橋コポリマーであって、前記モノマーMが少なくとも90重量%(モノマーMの総重量基準で)の少なくとも1種のモノエチレン性不飽和カルボン酸CAを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
モノマーMが、少なくとも90重量%(モノマーMの総重量基準で)の少なくとも1種のモノエチレン性不飽和カルボン酸CA、又は、少なくとも1種のモノエチレン性不飽和カルボン酸CA若しくはその塩と少なくとも1種のモノエチレン性不飽和酸のアミドAMとの混合物を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
モノマーMが少なくとも90重量%(モノマーMの総重量基準で)のアクリル酸又はそのアルカリ金属塩とアクリルアミドとの混合物を含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
モノマーMが少なくとも90重量%(モノマーMの総重量基準で)のアクリル酸とアクリル酸のアルカリ金属塩との混合物を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも1種の殺虫性化合物が、
・成長調節物質、
・ニコチノイド殺虫剤、
・有機(チオ)ホスフェート系、
・カルバメート系、
・ピレスロイド系、
・GABA拮抗化合物、
・大環状ラクトン殺虫剤、
・ミトコンドリア複合体I電子伝達インヒビター、
・ミトコンドリア複合体III電子伝達インヒビター、
・脱共役化合物、
・酸化的リン酸化インヒビター化合物、
・脱皮阻害化合物、
・混合機能オキシダーゼインヒビター化合物、
・ナトリウムチャネルブロッカー化合物、
・式P5の化合物:
【化1】

[式中、
X及びYはそれぞれ独立してハロゲンであり、
Wはハロゲン又はC1〜C2-ハロアルキルであり、
R1はC1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、C1〜C4-アルコキシ-C1〜C4-アルキル又はC3〜C6-シクロアルキルであって、それぞれが1、2、3、4又は5個のハロゲン原子により置換されていてもよく、
R2及びR3はC1〜C6-アルキルであるか、又は隣接する炭素原子と一緒に1、2若しくは3個のハロゲン原子を保持してもよいC3〜C6-シクロアルキル部分を形成してもよく、
R4は水素又はC1〜C6-アルキルである。]、
及びその農学的に許容される塩;
・式P6のアントラニルアミド化合物:
【化2】

[式中、
A1はCH3、Cl、Br、Iであり、
XはC-H、C-Cl、C-F又はNであり、
Y'はF、Cl、又はBrであり、
Y''はF、Cl、又はCF3であり、
B1は水素、Cl、Br、I、CNであり、
B2はCl、Br、CF3、OCH2CF3、OCF2Hであり、
RBは水素、CH3又はCH(CH3)2である。];
ベンクロチアズ、ビフェナゼート、カルタップ、フロニカミド、ピリダリル、ピメトロジン、硫黄、チオシクラム、フルベンジアミド、シエノピラフェン、フルピラゾホス、シフルメトフェン、アミドフルメト、1-アセチル-2-オキソ-3-(ピリジン-3-イルメチル)アミノ-6-ヘプタフルオロプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロキナゾリン及びマロジニトリル化合物
からなる群より選択される、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
水希釈可能なゲル又は固体の形態の、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
殺虫性化合物と異なる酸を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
少なくとも1種の界面活性剤を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
即時使用ゲルの形態の、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
節足動物害虫を駆除するための、先行する請求項のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物を、直接に又は水希釈液の形態で、節足動物害虫が前記組成物と接触する場所に施用することを含む、節足動物害虫を駆除する方法。
【請求項17】
組成物を直接に、即時使用ゲルの形態で施用する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
節足動物害虫が膜翅目、ゴキブリ目、等翅目、双翅目及び鱗翅目から選択される昆虫である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
組成物を施用する場所が建物の一部分である、請求項17又は18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
請求項14に記載の即時使用ゲル組成物を含有するデバイス。
【請求項21】
希釈した水性噴霧可能殺虫剤組成物を調製するための、請求項11に記載の殺虫剤組成物の使用。
【請求項22】
請求項11〜13のいずれか1項に記載の組成物を水で希釈することにより得られる希釈した水性噴霧可能殺虫剤組成物を、節足動物害虫が前記組成物と接触する場所に施用することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
組成物を施用する場所が植物若しくは植物の一部分又は植物周囲の土壌である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
節足動物害虫が植物に害を与える昆虫である、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
昆虫が膜翅目、等翅目、双翅目、鞘翅目及び鱗翅目から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
昆虫が刺咬昆虫(piercing and chewing insect)から選択される、請求項24に記載の方法。

【公表番号】特表2010−503638(P2010−503638A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527825(P2009−527825)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/059657
【国際公開番号】WO2008/031870
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】