殺虫装置
【課題】光源の光で昆虫を引き寄せて電撃で殺虫する殺虫装置において、光源として異なる波長領域にピークを持つ複数のLED素子を備えることで、補虫効果の高い差中装置を提供する。
【解決手段】LEDユニット200は波長領域に対する相対強度のピークが互いに異なる複数のLED素子を有する。殺虫装置1000はLEDユニット200として複数の内側LEDユニット200bと複数の外側LEDユニット200aとを備えている。内側LEDユニット200bと、電撃格子150と、ガード部140とが、最も内側に位置する内側LEDユニット200bから電撃格子150、最も外側に位置するガード部140の順に入れ子状に配置されている。内側EDユニット200bは電撃格子150からガード部140に向かう方向に光を放射し、外側LEDユニット200aは、ガード部140に配置され、内側LEDユニット200bから遠ざかる方向に光を放射する。
【解決手段】LEDユニット200は波長領域に対する相対強度のピークが互いに異なる複数のLED素子を有する。殺虫装置1000はLEDユニット200として複数の内側LEDユニット200bと複数の外側LEDユニット200aとを備えている。内側LEDユニット200bと、電撃格子150と、ガード部140とが、最も内側に位置する内側LEDユニット200bから電撃格子150、最も外側に位置するガード部140の順に入れ子状に配置されている。内側EDユニット200bは電撃格子150からガード部140に向かう方向に光を放射し、外側LEDユニット200aは、ガード部140に配置され、内側LEDユニット200bから遠ざかる方向に光を放射する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光源の光によって昆虫を引き寄せて、電撃によって殺虫する殺虫装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昆虫は紫外線に集まる習性があり、それを利用した補虫用の紫外放射蛍光ランプを搭載した捕虫、および殺虫装置がある(例えば、特許文献1〜3)。
【0003】
また、調光装置にてLEDの光色をコントロールする方法がある(例えば、特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3092007号公報
【特許文献2】実用新案登録第3092394号公報
【特許文献3】特開2001−86916号公報
【特許文献4】特開2004−201519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
昆虫の種類によって集まる波長は異なる。紫外放射蛍光ランプは、おもに360nm付近の波長のみにピークを持つため、異なる波長に集まる虫へは補虫効果が得られなかった。
【0006】
本発明は、異なる波長領域にピークを持つ複数の光源を備えることで、補虫効果を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の殺虫装置は、
光源の光によって昆虫を引き寄せて、電撃によって殺虫する殺虫装置において、
波長領域に対する発光スペクトルの相対強度のピークが互いに異なる複数のLED素子を少なくとも有するLEDユニットを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
複数の波長にピークを持つLEDを組み合わせた発光装置を有することにより、紫外放射蛍光ランプでは放射できなかった波長を放射し、より多くの種類の昆虫を集めることが可能となり、補虫効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1の殺虫装置1000の斜視図。
【図2】図1に示す殺虫装置1000の縦断面図。
【図3】図1に示す殺虫装置1000の横断面図。
【図4】図1に示す殺虫装置1000の分解斜視図。
【図5】実施の形態1のLEDユニット200を示す斜視図及び側面図。
【図6】実施の形態1のLEDユニット200の分解斜視図。
【図7】実施の形態1のLEDユニット200の基板220へのLED素子配置を示す斜視図。
【図8】図4に示す支柱部130と内側LEDユニット200bとの斜視図。
【図9】実施の形態1の昆虫の種類による集まりやすい波長との関係を示す表。
【図10】実施の形態2の殺虫装置1000の横断面図。
【図11】実施の形態3の殺虫装置の回路ユニット300のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1〜図9を参照して実施の形態1を説明する。
図1は、実施の形態1の殺虫装置1000の外形斜視図である。
図2は、殺虫装置1000の縦面図である。
図3は、殺虫装置1000の横断面図である。
図4は、殺虫装置1000の分解斜視図である。
【0011】
(殺虫装置1000)
殺虫装置1000は、器具本体100と、この器具本体100の外周及び中央部に取り付けられる12個のLEDユニット200(8個の外側LEDユニット200a、4個の内側LEDユニット200b)とを備える。なお、LEDユニット200という場合は外側LEDユニット200a、内側LEDユニット200bの両方を意味する。
【0012】
(器具本体100)
器具本体100は、図1、図4に示すように、上本体110と、虫を受ける下本体120と、ほぼ中央に配置され、上本体110と下本体120とを接続する支柱部130と、上本体110と下本体120との間かつ外周を覆う格子状のガード部140と、支柱部130とガード部140との間の位置に設けられる電撃格子150とを備える。
【0013】
図5は、LEDユニット200の斜視図(a)及び側面図(b)である。
図6は、LEDユニット200の分解斜視図である。
図7は、LEDユニット200の基板220へのLED素子配置を示す斜視図である。
【0014】
(殺虫装置1000の構造)
殺虫装置1000は、複数のLEDユニット200を備えている。LEDユニット200は、波長領域に対する発光スペクトルの相対強度のピークが互いに異なる複数のLED素子を少なくも有する。市販品としては、例えば、「http://www.nitride.co.jp/products/chip.htm1,(2010.6.7現在アクセス可能)」、「http://www.nichia.co.jp/jp/product/uvled.html,(2010.6.7現在アクセス可能)」にあるようなLEDを用いることができる。図4に示すように、殺虫装置1000は、LEDユニット200として、内側に配置される複数の内側LEDユニット200bと、外側に配置される複数の外側LEDユニット200aを備えている。殺虫装置1000では、内側LEDユニット200bと、電撃格子150と、ガード部140とが、最も内側に位置する内側LEDユニット200bから電撃格子150、最も外側に位置するガード部140の順に「入れ子状」に配置されている。内側LEDユニット200bは電撃格子150からガード部140に向かう方向に光を放射する。外側LEDユニット200aは、ガード部140に配置され、内側LEDユニット200bから遠ざかる方向に光を放射する。
図1、図2等に示すように、内側LEDユニット200bは、下方から上方に向かってLED素子が列状に並べられた、下方から上方に向かう長尺形状である。電撃格子150は、内側LEDユニット200bの長手方向(上下方向)の周囲を囲んでいる。ガード部140は、内側LEDユニット200bの長手方向の周囲となる電撃格子150の周囲を囲んでいる。外側LEDユニット200aは、ガード部140に配置された状態で、下方から上方に向かってLED素子が列状に並べられた、内側LEDユニット200bの長手方向である下方から上方に向かう長尺形状である。
【0015】
(LEDユニット200)
LEDユニット200は、図6、図7に示すように、波長のピークの異なる複数のLED素子210a〜210fと、LED素子210が実装される基板220と、LED素子210と基板220の実装面を覆うように取り付けられるカバー230とを備える。なおLED素子210というときはLED素子210a〜210fを意味する。
【0016】
このLEDユニット200は、図3、図4に示すように、12個のうち8個(外側LEDユニット200a)が、ガード部140に取り付けられ、残り4個(内側LEDユニット200b)が、支柱部130に取り付けられる。
【0017】
LEDユニット200(基板220)に実装されるLED素子210は、波長に対する発光スペクトルの相対強度のピークが異なっている。LED素子210が放射する発光スペクトルの相対強度がピークとなる波長は、例えば、345nm、350nm、540nmなどである。図6の場合では、例えばLED素子210a,210bが波長ピーク345nmであり、LED素子210c,210dが波長ピーク350nmであり、LED素子210e,210fが波長ピーク540nmである。あるは、LED素子210a〜210fの波長のピークが全て異なるようにLED素子を選定してもよい。
【0018】
このように、光源として、LED素子210を用いた場合、放射する波長のピークの異なるLEDをLEDユニット200に搭載する。
【0019】
(電撃格子150)
電撃格子150は、内側LEDユニット200bの周囲を囲む格子状に形成され、LEDユニット200の光に引き寄せられた虫が触れたときに、虫に電撃を加えて殺虫する。
【0020】
(ガード部140)
ガード部140は、電撃格子150を囲む格子状に形成され、電撃格子150への人体の接触をガードする。ガード部140が内側LEDユニット200bを覆うことになるので、内側LEDユニット200bの発する光の一部はガード部140で遮られる。
【0021】
そこで、ガード部140に外側LEDユニット200aを組み込むことで、より効果的に殺虫装置1000の外方に光を放射することができる。
【0022】
次に、殺虫装置の機能について説明する。
図8は、内側LEDユニット200bと支柱部130との分解斜視図である。殺虫装置1000の中心部に位置する電撃格子150に昆虫を集めるために、内側LEDユニット200bを、電撃格子150の内側に配置する。
【0023】
殺虫装置1000の外側LEDユニット200aにて昆虫を広範囲から集め、電撃格子150の内側の内側LEDユニット220bにて、集まった昆虫を殺虫装置1000の内部へ誘導し、電撃格子150に昆虫を接触させ、殺虫する。
【0024】
このように、ガード部140に外側LEDユニット200aを取り付けることで、全方位(ほぼ360°の外方)に照射でき、昆虫を殺虫装置1000に集めることができる。
【0025】
また、支柱部130に内側LEDユニット200bを取り付けることで、殺虫装置1000の内側から全方向(ほぼ360°の外方)に光を照射でき、昆虫をさらに殺虫装置1000内に誘導し、殺虫装置1000の内側に集まった昆虫を電撃格子150に接触させることができる。
【0026】
図9は、昆虫の種類による集まりやすい波長を示す表(出典:例えば特開2001−161253号公報、段落[0004]、オオタバコガについては、照明学会全国大会講演論文集 37.254.20040804 http://ci.nii.ac.jp/vol_issue/nels/ANl0170820/ISS0000392135_ja.html)を示す。
【0027】
この図9に基づいて、LEDユニット200を構成するLED素子210の波長のピークを異なるものとする。すなわち昆虫の複眼に合わせた分光感度とすることによって、効率的に昆虫を殺虫装置1000に集めることができる。
【0028】
また、外側LEDユニット200aおよび内側LEDユニット200bを構成するLED素子210a、210b、210c、210d、210e、210fをそれぞれ異なる波長にピークを持つLED素子にして、殺虫装置1000に対して、これらLED素子210a〜210fが垂直となるように設置することにより、全方向から効率よく昆虫を集めることができる。
【0029】
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1に対して、支柱部130−2の形状と、支柱部130−2に取り付けられる内側LEDユニット200bの数とが異なる。
【0030】
図10は、実施の形態2の殺虫装置1000の横断面図である。図10は図3に対応する。支柱部130−2は横断面が八角形である。
【0031】
実施の形態2の殺虫装置1000は、器具本体100と、この器具本体100の外周及び中央部に取り付けられる16個のLEDユニット200(8個の外側LEDユニット200a、8個の内側LEDユニット200b)とを備える。
【0032】
器具本体100は、上本体110と、虫を受ける下本体120と、ほぼ中央に配置され、上本体110と下本体120とを接続する支柱部130−2と、上本体110と下本体120との間かつ外周を覆う格子状のガード部140と、支柱部130−2とガード部140との間の位置に設けられる電撃格子150と、を備える。
【0033】
支柱部130−2には、8つの内側LEDユニット200bが取り付けられる。取り付けられる内側LEDユニット200bは、ガード部140に取り付けられる外側LEDユニット200aに対して、互い違い(影にならないよう)に配置する。つまり図10の横断面図で見た場合に、内側LEDユニット200bの最も配光強度の大きい方向であるX方向が外側LEDユニット200aの間になるように、内側LEDユニット200bは支柱部130−2に配置される。
【0034】
このように、外側LEDユニット200aの影にならないように内側LEDユニット200bを殺虫装置1000内に配置するので、内側LEDユニット200bが発する光が、外側LEDユニット200aの影にならず、効率的に昆虫を誘虫することができ、昆虫を電撃格子150に接触させることができる。
【0035】
実施の形態3.
実施の形態3は、実施の形態1または実施の形態2の殺虫装置1000の器具構造に、外側LEDユニット200a、内側LEDユニット200bの点灯状態を制御するコントローラ部340(発光制御部)を備える。
【0036】
図11は、実施の形態3を示す殺虫装置1000に内蔵される回路ユニット300のブロック図である。
【0037】
殺虫装置1000の回路ユニット300は、外側LEDユニット200aを点灯する外側点灯回路部310Aと、内側LEDユニット200bを点灯する内側点灯回路部320Bと、電撃格子150を動作させる電源部330と、外側点灯回路部310Aと内側点灯回路部320Bを制御するコントローラ部340と、を備える。
【0038】
コントローラ部340は、外側点灯装置設定部341Aと、内側点灯設定部342Bとを備える。
【0039】
外側点灯装置設定部341Aは、外側動作切替部341A−1と、外側時間設定部341A−2とを備える。
【0040】
外側動作切替部341A−1は、常時点灯状態か、所定時間ごとに点灯−消灯(または100%点灯−25%点灯)とを切り替えるタイマ点灯状態かを設定する。
【0041】
外側時間設定部341A−2は、外側動作切替部341A−1の設定がタイマ点灯状態のときの、外側LEDユニット200aの点灯時間と消灯時間(または、100%点灯時間と25%点灯時間)を設定する。
【0042】
(内側点灯設定部342B)
内側点灯設定部342Bは、内側動作切替部342B−1と、内側時間設定部342B−2とを備える。
【0043】
内側動作切替部342B−1は、常時点灯状態か、所定時間ごとに点灯−消灯(または100%点灯−25%点灯)とを切り替えるタイマ点灯状態かを設定する。
【0044】
内側時間設定部342B−2は、内側動作切替部342B−1の設定がタイマ点灯状態のときの、内側LEDユニット200bの点灯時間と消灯時間(または、100%点灯時間と25%点灯時間)を設定する。
【0045】
次に、殺虫装置の動作について説明する。
【0046】
外側LEDユニット200aの点灯状態は、例えば、外側動作切替部341A−1の設定と外側時間設定部341A−2によって、ガード部140に取り付けられる外側LEDユニット200aを15秒点灯させ、その後、外側LEDユニット200aを5秒消灯させる。
【0047】
内側LEDユニット200bは、例えば、内側動作切替部342A−1の設定によって、内側LEDユニット200bの点灯状態を常時点灯状態とする。
【0048】
このように、外側LEDユニット200aを所定時間点灯させることで、昆虫を殺虫装置に誘引するとともに、外側LEDユニット200aを所定時間消灯させることで、外側LEDユニット200aに誘引された昆虫を内側LEDユニット200bによって、殺虫装置1000内に誘引し易くなる。つまり、外側LEDユニット200aを消灯させて、内側LEDユニット200bを点灯させることで、外側LEDユニット200aに滞留している昆虫を、殺虫装置1000の内側に誘引させることができる。
【0049】
このように、殺虫装置1000にコントローラ部340を設け、ガード部140に配置される外側LEDユニット200aの点灯状態を点灯−消灯に切り替える(あるいは、明滅させる)ことによって、殺虫装置1000の近くに昆虫を引き寄せる機能と、殺虫装置1000の近くに引き寄せた昆虫をさらに殺虫装置1000の内側に引き寄せ、電撃格子150に昆虫を接触させる効果を高める。
【0050】
また、外側LEDユニット200aが点灯している間、内側LEDユニット200bを消灯させ、外側LEDユニット200aが消灯している間、内側LEDユニット200bを点灯させるように、内側動作切替部342B−1、内側時間設定部342B−2を設定してもよい。
【0051】
また、電撃格子150の内側に配置する内側LEDユニット200bは、殺虫装置1000の周囲に集まった昆虫を確実に内側へ引き込むため、例えばガード部140に配置された外側LEDユニット200aの光出力よりも、内側LEDユニット200bの光出力を高くすると、さらに殺虫効果を高めることができる。
【符号の説明】
【0052】
1000 殺虫装置、100 器具本体、110 上本体、120 下本体、130,130−2 支柱部、140 ガード部、150 電撃格子、200 LEDユニット、210 LED素子、220 基板、230 カバー、200a 外側LEDユニット、200b 内側LEDユニット、300 回路ユニット、310A 外側点灯回路部、320B 内側点灯回路部、330 電源部、340 コントローラ部、341A 外側点灯装置設定部、342B 内側点灯設定部、341A−1 外側動作切替部、341A−2 外側時間設定部、342B−1 内側動作切替部、342B−2 内側時間設定部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、光源の光によって昆虫を引き寄せて、電撃によって殺虫する殺虫装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昆虫は紫外線に集まる習性があり、それを利用した補虫用の紫外放射蛍光ランプを搭載した捕虫、および殺虫装置がある(例えば、特許文献1〜3)。
【0003】
また、調光装置にてLEDの光色をコントロールする方法がある(例えば、特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3092007号公報
【特許文献2】実用新案登録第3092394号公報
【特許文献3】特開2001−86916号公報
【特許文献4】特開2004−201519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
昆虫の種類によって集まる波長は異なる。紫外放射蛍光ランプは、おもに360nm付近の波長のみにピークを持つため、異なる波長に集まる虫へは補虫効果が得られなかった。
【0006】
本発明は、異なる波長領域にピークを持つ複数の光源を備えることで、補虫効果を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の殺虫装置は、
光源の光によって昆虫を引き寄せて、電撃によって殺虫する殺虫装置において、
波長領域に対する発光スペクトルの相対強度のピークが互いに異なる複数のLED素子を少なくとも有するLEDユニットを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
複数の波長にピークを持つLEDを組み合わせた発光装置を有することにより、紫外放射蛍光ランプでは放射できなかった波長を放射し、より多くの種類の昆虫を集めることが可能となり、補虫効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1の殺虫装置1000の斜視図。
【図2】図1に示す殺虫装置1000の縦断面図。
【図3】図1に示す殺虫装置1000の横断面図。
【図4】図1に示す殺虫装置1000の分解斜視図。
【図5】実施の形態1のLEDユニット200を示す斜視図及び側面図。
【図6】実施の形態1のLEDユニット200の分解斜視図。
【図7】実施の形態1のLEDユニット200の基板220へのLED素子配置を示す斜視図。
【図8】図4に示す支柱部130と内側LEDユニット200bとの斜視図。
【図9】実施の形態1の昆虫の種類による集まりやすい波長との関係を示す表。
【図10】実施の形態2の殺虫装置1000の横断面図。
【図11】実施の形態3の殺虫装置の回路ユニット300のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1〜図9を参照して実施の形態1を説明する。
図1は、実施の形態1の殺虫装置1000の外形斜視図である。
図2は、殺虫装置1000の縦面図である。
図3は、殺虫装置1000の横断面図である。
図4は、殺虫装置1000の分解斜視図である。
【0011】
(殺虫装置1000)
殺虫装置1000は、器具本体100と、この器具本体100の外周及び中央部に取り付けられる12個のLEDユニット200(8個の外側LEDユニット200a、4個の内側LEDユニット200b)とを備える。なお、LEDユニット200という場合は外側LEDユニット200a、内側LEDユニット200bの両方を意味する。
【0012】
(器具本体100)
器具本体100は、図1、図4に示すように、上本体110と、虫を受ける下本体120と、ほぼ中央に配置され、上本体110と下本体120とを接続する支柱部130と、上本体110と下本体120との間かつ外周を覆う格子状のガード部140と、支柱部130とガード部140との間の位置に設けられる電撃格子150とを備える。
【0013】
図5は、LEDユニット200の斜視図(a)及び側面図(b)である。
図6は、LEDユニット200の分解斜視図である。
図7は、LEDユニット200の基板220へのLED素子配置を示す斜視図である。
【0014】
(殺虫装置1000の構造)
殺虫装置1000は、複数のLEDユニット200を備えている。LEDユニット200は、波長領域に対する発光スペクトルの相対強度のピークが互いに異なる複数のLED素子を少なくも有する。市販品としては、例えば、「http://www.nitride.co.jp/products/chip.htm1,(2010.6.7現在アクセス可能)」、「http://www.nichia.co.jp/jp/product/uvled.html,(2010.6.7現在アクセス可能)」にあるようなLEDを用いることができる。図4に示すように、殺虫装置1000は、LEDユニット200として、内側に配置される複数の内側LEDユニット200bと、外側に配置される複数の外側LEDユニット200aを備えている。殺虫装置1000では、内側LEDユニット200bと、電撃格子150と、ガード部140とが、最も内側に位置する内側LEDユニット200bから電撃格子150、最も外側に位置するガード部140の順に「入れ子状」に配置されている。内側LEDユニット200bは電撃格子150からガード部140に向かう方向に光を放射する。外側LEDユニット200aは、ガード部140に配置され、内側LEDユニット200bから遠ざかる方向に光を放射する。
図1、図2等に示すように、内側LEDユニット200bは、下方から上方に向かってLED素子が列状に並べられた、下方から上方に向かう長尺形状である。電撃格子150は、内側LEDユニット200bの長手方向(上下方向)の周囲を囲んでいる。ガード部140は、内側LEDユニット200bの長手方向の周囲となる電撃格子150の周囲を囲んでいる。外側LEDユニット200aは、ガード部140に配置された状態で、下方から上方に向かってLED素子が列状に並べられた、内側LEDユニット200bの長手方向である下方から上方に向かう長尺形状である。
【0015】
(LEDユニット200)
LEDユニット200は、図6、図7に示すように、波長のピークの異なる複数のLED素子210a〜210fと、LED素子210が実装される基板220と、LED素子210と基板220の実装面を覆うように取り付けられるカバー230とを備える。なおLED素子210というときはLED素子210a〜210fを意味する。
【0016】
このLEDユニット200は、図3、図4に示すように、12個のうち8個(外側LEDユニット200a)が、ガード部140に取り付けられ、残り4個(内側LEDユニット200b)が、支柱部130に取り付けられる。
【0017】
LEDユニット200(基板220)に実装されるLED素子210は、波長に対する発光スペクトルの相対強度のピークが異なっている。LED素子210が放射する発光スペクトルの相対強度がピークとなる波長は、例えば、345nm、350nm、540nmなどである。図6の場合では、例えばLED素子210a,210bが波長ピーク345nmであり、LED素子210c,210dが波長ピーク350nmであり、LED素子210e,210fが波長ピーク540nmである。あるは、LED素子210a〜210fの波長のピークが全て異なるようにLED素子を選定してもよい。
【0018】
このように、光源として、LED素子210を用いた場合、放射する波長のピークの異なるLEDをLEDユニット200に搭載する。
【0019】
(電撃格子150)
電撃格子150は、内側LEDユニット200bの周囲を囲む格子状に形成され、LEDユニット200の光に引き寄せられた虫が触れたときに、虫に電撃を加えて殺虫する。
【0020】
(ガード部140)
ガード部140は、電撃格子150を囲む格子状に形成され、電撃格子150への人体の接触をガードする。ガード部140が内側LEDユニット200bを覆うことになるので、内側LEDユニット200bの発する光の一部はガード部140で遮られる。
【0021】
そこで、ガード部140に外側LEDユニット200aを組み込むことで、より効果的に殺虫装置1000の外方に光を放射することができる。
【0022】
次に、殺虫装置の機能について説明する。
図8は、内側LEDユニット200bと支柱部130との分解斜視図である。殺虫装置1000の中心部に位置する電撃格子150に昆虫を集めるために、内側LEDユニット200bを、電撃格子150の内側に配置する。
【0023】
殺虫装置1000の外側LEDユニット200aにて昆虫を広範囲から集め、電撃格子150の内側の内側LEDユニット220bにて、集まった昆虫を殺虫装置1000の内部へ誘導し、電撃格子150に昆虫を接触させ、殺虫する。
【0024】
このように、ガード部140に外側LEDユニット200aを取り付けることで、全方位(ほぼ360°の外方)に照射でき、昆虫を殺虫装置1000に集めることができる。
【0025】
また、支柱部130に内側LEDユニット200bを取り付けることで、殺虫装置1000の内側から全方向(ほぼ360°の外方)に光を照射でき、昆虫をさらに殺虫装置1000内に誘導し、殺虫装置1000の内側に集まった昆虫を電撃格子150に接触させることができる。
【0026】
図9は、昆虫の種類による集まりやすい波長を示す表(出典:例えば特開2001−161253号公報、段落[0004]、オオタバコガについては、照明学会全国大会講演論文集 37.254.20040804 http://ci.nii.ac.jp/vol_issue/nels/ANl0170820/ISS0000392135_ja.html)を示す。
【0027】
この図9に基づいて、LEDユニット200を構成するLED素子210の波長のピークを異なるものとする。すなわち昆虫の複眼に合わせた分光感度とすることによって、効率的に昆虫を殺虫装置1000に集めることができる。
【0028】
また、外側LEDユニット200aおよび内側LEDユニット200bを構成するLED素子210a、210b、210c、210d、210e、210fをそれぞれ異なる波長にピークを持つLED素子にして、殺虫装置1000に対して、これらLED素子210a〜210fが垂直となるように設置することにより、全方向から効率よく昆虫を集めることができる。
【0029】
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1に対して、支柱部130−2の形状と、支柱部130−2に取り付けられる内側LEDユニット200bの数とが異なる。
【0030】
図10は、実施の形態2の殺虫装置1000の横断面図である。図10は図3に対応する。支柱部130−2は横断面が八角形である。
【0031】
実施の形態2の殺虫装置1000は、器具本体100と、この器具本体100の外周及び中央部に取り付けられる16個のLEDユニット200(8個の外側LEDユニット200a、8個の内側LEDユニット200b)とを備える。
【0032】
器具本体100は、上本体110と、虫を受ける下本体120と、ほぼ中央に配置され、上本体110と下本体120とを接続する支柱部130−2と、上本体110と下本体120との間かつ外周を覆う格子状のガード部140と、支柱部130−2とガード部140との間の位置に設けられる電撃格子150と、を備える。
【0033】
支柱部130−2には、8つの内側LEDユニット200bが取り付けられる。取り付けられる内側LEDユニット200bは、ガード部140に取り付けられる外側LEDユニット200aに対して、互い違い(影にならないよう)に配置する。つまり図10の横断面図で見た場合に、内側LEDユニット200bの最も配光強度の大きい方向であるX方向が外側LEDユニット200aの間になるように、内側LEDユニット200bは支柱部130−2に配置される。
【0034】
このように、外側LEDユニット200aの影にならないように内側LEDユニット200bを殺虫装置1000内に配置するので、内側LEDユニット200bが発する光が、外側LEDユニット200aの影にならず、効率的に昆虫を誘虫することができ、昆虫を電撃格子150に接触させることができる。
【0035】
実施の形態3.
実施の形態3は、実施の形態1または実施の形態2の殺虫装置1000の器具構造に、外側LEDユニット200a、内側LEDユニット200bの点灯状態を制御するコントローラ部340(発光制御部)を備える。
【0036】
図11は、実施の形態3を示す殺虫装置1000に内蔵される回路ユニット300のブロック図である。
【0037】
殺虫装置1000の回路ユニット300は、外側LEDユニット200aを点灯する外側点灯回路部310Aと、内側LEDユニット200bを点灯する内側点灯回路部320Bと、電撃格子150を動作させる電源部330と、外側点灯回路部310Aと内側点灯回路部320Bを制御するコントローラ部340と、を備える。
【0038】
コントローラ部340は、外側点灯装置設定部341Aと、内側点灯設定部342Bとを備える。
【0039】
外側点灯装置設定部341Aは、外側動作切替部341A−1と、外側時間設定部341A−2とを備える。
【0040】
外側動作切替部341A−1は、常時点灯状態か、所定時間ごとに点灯−消灯(または100%点灯−25%点灯)とを切り替えるタイマ点灯状態かを設定する。
【0041】
外側時間設定部341A−2は、外側動作切替部341A−1の設定がタイマ点灯状態のときの、外側LEDユニット200aの点灯時間と消灯時間(または、100%点灯時間と25%点灯時間)を設定する。
【0042】
(内側点灯設定部342B)
内側点灯設定部342Bは、内側動作切替部342B−1と、内側時間設定部342B−2とを備える。
【0043】
内側動作切替部342B−1は、常時点灯状態か、所定時間ごとに点灯−消灯(または100%点灯−25%点灯)とを切り替えるタイマ点灯状態かを設定する。
【0044】
内側時間設定部342B−2は、内側動作切替部342B−1の設定がタイマ点灯状態のときの、内側LEDユニット200bの点灯時間と消灯時間(または、100%点灯時間と25%点灯時間)を設定する。
【0045】
次に、殺虫装置の動作について説明する。
【0046】
外側LEDユニット200aの点灯状態は、例えば、外側動作切替部341A−1の設定と外側時間設定部341A−2によって、ガード部140に取り付けられる外側LEDユニット200aを15秒点灯させ、その後、外側LEDユニット200aを5秒消灯させる。
【0047】
内側LEDユニット200bは、例えば、内側動作切替部342A−1の設定によって、内側LEDユニット200bの点灯状態を常時点灯状態とする。
【0048】
このように、外側LEDユニット200aを所定時間点灯させることで、昆虫を殺虫装置に誘引するとともに、外側LEDユニット200aを所定時間消灯させることで、外側LEDユニット200aに誘引された昆虫を内側LEDユニット200bによって、殺虫装置1000内に誘引し易くなる。つまり、外側LEDユニット200aを消灯させて、内側LEDユニット200bを点灯させることで、外側LEDユニット200aに滞留している昆虫を、殺虫装置1000の内側に誘引させることができる。
【0049】
このように、殺虫装置1000にコントローラ部340を設け、ガード部140に配置される外側LEDユニット200aの点灯状態を点灯−消灯に切り替える(あるいは、明滅させる)ことによって、殺虫装置1000の近くに昆虫を引き寄せる機能と、殺虫装置1000の近くに引き寄せた昆虫をさらに殺虫装置1000の内側に引き寄せ、電撃格子150に昆虫を接触させる効果を高める。
【0050】
また、外側LEDユニット200aが点灯している間、内側LEDユニット200bを消灯させ、外側LEDユニット200aが消灯している間、内側LEDユニット200bを点灯させるように、内側動作切替部342B−1、内側時間設定部342B−2を設定してもよい。
【0051】
また、電撃格子150の内側に配置する内側LEDユニット200bは、殺虫装置1000の周囲に集まった昆虫を確実に内側へ引き込むため、例えばガード部140に配置された外側LEDユニット200aの光出力よりも、内側LEDユニット200bの光出力を高くすると、さらに殺虫効果を高めることができる。
【符号の説明】
【0052】
1000 殺虫装置、100 器具本体、110 上本体、120 下本体、130,130−2 支柱部、140 ガード部、150 電撃格子、200 LEDユニット、210 LED素子、220 基板、230 カバー、200a 外側LEDユニット、200b 内側LEDユニット、300 回路ユニット、310A 外側点灯回路部、320B 内側点灯回路部、330 電源部、340 コントローラ部、341A 外側点灯装置設定部、342B 内側点灯設定部、341A−1 外側動作切替部、341A−2 外側時間設定部、342B−1 内側動作切替部、342B−2 内側時間設定部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源の光によって昆虫を引き寄せて、電撃によって殺虫する殺虫装置において、
波長領域に対する発光スペクトルの相対強度のピークが互いに異なる複数のLED素子を少なくとも有するLEDユニットを備えたことを特徴とする殺虫装置。
【請求項2】
前記LEDユニットである第1LEDユニットと、
前記第1LEDユニットの周囲を囲む格子状に形成され、接触した昆虫に電撃を加えて殺虫する電撃格子と、
前記LEDユニットである第2LEDユニットであって、前記電撃格子の外側に配置された第2LEDユニットと
を備えたことを特徴とする請求項1記載の殺虫装置。
【請求項3】
前記殺虫装置は、さらに、
前記電撃格子を囲む格子状に形成され、前記電撃格子への人体の接触をガードするガード部を備え、
前記第1LEDユニットは、
前記電撃格子から前記ガード部に向かう外側方向に光を放射し、
前記第2LEDユニットは、
前記ガード部に配置され、前記第1LEDユニットから遠ざかる外側方向に光を放射することを特徴とする請求項2記載の殺虫装置。
【請求項4】
前記第1LEDユニットは、
下方から上方に向かって前記LED素子が列状に並べられた、下方から上方に向かう長尺形状であり、
前記電撃格子は、
前記第1LEDユニットの長手方向の周囲を囲み、
前記ガード部は、
前記第1LEDユニットの長手方向の周囲となる前記電撃格子の周囲を囲み、
前記第2LEDユニットは、
前記ガード部に配置された状態で、下方から上方に向かって前記LED素子が列状に並べられた、前記第1LEDユニットの長手方向である下方から上方に向かう長尺形状であることを特徴とする請求項3記載の殺虫装置。
【請求項5】
前記殺虫装置は、
前記第1LEDユニットと前記第2LEDユニットとの少なくとも一方の光出力を、周期的に変化させる発光制御部を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の殺虫装置。
【請求項6】
前記発光制御部は、
前記第1LEDユニットを第2LEDユニットよりも大きい光出力に制御することを特徴とする請求項5記載の殺虫装置。
【請求項1】
光源の光によって昆虫を引き寄せて、電撃によって殺虫する殺虫装置において、
波長領域に対する発光スペクトルの相対強度のピークが互いに異なる複数のLED素子を少なくとも有するLEDユニットを備えたことを特徴とする殺虫装置。
【請求項2】
前記LEDユニットである第1LEDユニットと、
前記第1LEDユニットの周囲を囲む格子状に形成され、接触した昆虫に電撃を加えて殺虫する電撃格子と、
前記LEDユニットである第2LEDユニットであって、前記電撃格子の外側に配置された第2LEDユニットと
を備えたことを特徴とする請求項1記載の殺虫装置。
【請求項3】
前記殺虫装置は、さらに、
前記電撃格子を囲む格子状に形成され、前記電撃格子への人体の接触をガードするガード部を備え、
前記第1LEDユニットは、
前記電撃格子から前記ガード部に向かう外側方向に光を放射し、
前記第2LEDユニットは、
前記ガード部に配置され、前記第1LEDユニットから遠ざかる外側方向に光を放射することを特徴とする請求項2記載の殺虫装置。
【請求項4】
前記第1LEDユニットは、
下方から上方に向かって前記LED素子が列状に並べられた、下方から上方に向かう長尺形状であり、
前記電撃格子は、
前記第1LEDユニットの長手方向の周囲を囲み、
前記ガード部は、
前記第1LEDユニットの長手方向の周囲となる前記電撃格子の周囲を囲み、
前記第2LEDユニットは、
前記ガード部に配置された状態で、下方から上方に向かって前記LED素子が列状に並べられた、前記第1LEDユニットの長手方向である下方から上方に向かう長尺形状であることを特徴とする請求項3記載の殺虫装置。
【請求項5】
前記殺虫装置は、
前記第1LEDユニットと前記第2LEDユニットとの少なくとも一方の光出力を、周期的に変化させる発光制御部を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の殺虫装置。
【請求項6】
前記発光制御部は、
前記第1LEDユニットを第2LEDユニットよりも大きい光出力に制御することを特徴とする請求項5記載の殺虫装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−254714(P2011−254714A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129628(P2010−129628)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】
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