説明

殺虫香及びその製造方法と用途

本発明は、殺虫活性成分として、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル−1R−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、即ち一般式(X)で示されるメペルフルスリンを、0.002重量%〜5.0重量%含有する殺虫香を提供する。本発明の殺虫香は蚊、ハエ等の衛生害虫に対して優れた防除効果を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺虫香及びその殺虫香を製造する方法、並びにその殺虫香の用途に関する。
【背景技術】
【0002】
ピレスロイド類化合物が衛生害虫の防除に用いられることは広く知られている。一方、漁村、水産物加工場、ゴミ処理場および畜小屋、家禽小屋等の周辺においてハエの出現に悩まされている。ハエ出現の防止対策として、乳剤、オイル剤、粉末剤などの殺虫剤を使用する以外に、一般家庭ではエアロゾル殺虫剤が広く使用されているが、いわゆる「一回性」の欠点が存在し、持続性の効果が得られない。従って、ハエ取り香の開発が望まれている。即ち、空間処理剤として、効果は数時間持続できるのみならず、拡散性も良くて、開放的な空間においても効率的にハエを駆除できるものである。
【0003】
現在市販されているEs−アレスリン、トランスフルトリンなどを主要な有効成分とする蚊取り線香は使用が便利で、点火後に長時間的に空間処理を保持でき、燃え尽くすまでに、揮発が安定し、効力も安定し、非常に合理的な殺虫方式である。しかし、このような蚊取り線香は一般的にハエに対する効力が弱く、線香中の有効成分の濃度を増やしても、ハエ取り香としては適切なものではない。従って、最適のハエ取り香の有効成分を選択することは重要な課題である。日本特許文献JP10−203905に、2−アリル−3−メチル−シクロペント−2−エン−1−オン−4−イル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレートを有効成分とするハエ取り香が開示されているが、充分な効果が得られていない。中国特許文献CN200810132507.7に、
【数1】


を有効成分とするハエ取り効果を向上させたハエ取り香が開示されているが、強い刺激性臭がある等の欠点が存在する。
【0004】
本発明者は2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル−1R−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートを有効成分として殺虫香を製造し、得られた殺虫香は蚊、ハエに対して優れた防除効果を有すると同時に、従来製品における刺激臭を有する欠点も克服した。屋外、家庭内などの場合の使用に適合する。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、蚊、ハエ等の衛生害虫に対して優れた防除効果を有する殺虫香を提供することにある。
【0006】
本発明のもう一つ目的は、前記新規の殺虫香の製造方法及び用途を提供することにある。
【0007】
本発明の目的は以下の形態により実現する:
【0008】
殺虫活性成分Aとして、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル−1R−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、即ち一般式(X)で示されるメペルフルスリンを、0.002重量%〜5.0重量%含有する殺虫香を提供すること。
【化1】

【0009】
一般式(X)で示される構造の化合物は二種類の単一異性体があって、それぞれは2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル−1R,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、および2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル−1R,シス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートである。従って、前記活性成分Aはそれらのうちいずれか一種であっても、又は任意の割合で混合したそれらの混合物であっても良い。
【0010】
前記殺虫香は殺虫香の総重量の0.002%〜0.2%を占めるC8−C14のアルキルベンゼンスルホン酸カルシウム、及び殺虫香の総重量の0.002%〜0.2%を占めるC8−C14のポリオキシエチレンアルキルエーテルをさらに含有しても良い。C8−C14のアルキルベンゼンスルホン酸カルシウム及びC8−C14のポリオキシエチレンアルキルエーテルは通常の界面活性剤であって、前記殺虫剤を乳液状態に調製するのに用いられる。
【0011】
前記殺虫香は殺虫香の総重量の0.01%〜1.0%を占めるジ−tert−ブチルフェノール類安定剤をさらに含有しても良い。
【0012】
前記ジ−tert−ブチルフェノール類安定剤は、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4−ブチレン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、或いは4,4−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)から選択される一種又は二種以上の混合物である。
【0013】
また、本発明は前記の殺虫香の製造方法を提供する。前記製造方法は、前記活性成分Aと、選択的に添加しうるジ−tert−ブチルフェノール類安定剤とを溶剤に溶解し、一定濃度の溶液に調製した後、予め乾燥・成型した殺虫香基材に直接的に吹き付けし、自然にエアドライし、活性成分Aを0.002重量%〜5.0重量%含有する殺虫香を製造する方法である。
【0014】
前記溶剤はC10−C20の飽和炭化水素溶剤であっても良い。前記C10−C20の飽和炭化水素溶剤は、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカンから選ばれるものであり、混合炭化水素として、D80(ExxonMobil Chemical社、沸点206℃〜243℃)、D100(ExxonMobil Chemical社、沸点223℃〜254℃)、D110(ExxonMobil Chemical社、沸点249℃〜267℃)、D130(ExxonMobil Chemical社、沸点279℃〜313℃)、Isopar−L(ExxonMobil Chemical社、沸点186℃〜201℃),Isopar−M(ExxonMobil Chemical社、沸点223℃〜253℃)などがある。
【0015】
前記の殺虫香の基材は通常の基材であっても良い。一般的に当該基材は助燃剤(有機充填物)及び接着剤により構成される。
【0016】
前記助燃剤としては、例えば、木粉、除虫菊抽出粉、ミカン皮の粉、シュロオイル粉、椰子殻粉、又はクルミ殻粉である植物乾燥粉のような乾燥の植物粗末又は粉末、或いは木炭粉、活性炭粉、又は石炭粉から選択される炭粉、或いはそれらの混合物、が挙げられる。前記の接着剤は、キャッサバ澱粉、トウモロコシ澱粉又は小麦澱粉から選択される澱粉、カゼイン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、或いはポリビニルアルコール及びその混合物の重合体であっても良い。それらは単独又は二種、或いは多種を混合し使用できる。
【0017】
もう一つの前記殺虫香の製造方法であって、
(1)活性成分Aと、C8−C14のアルキルベンゼンスルホン酸カルシウムと、C8−C14のポリオキシエチレンアルキルエーテルと、C10−C20の飽和炭化水素溶剤と、を溶液に調製する工程と、
(2)工程(1)で得られた溶液を水で乳液に希釈した後、殺虫香基材の粉末と均一的にかき混ぜる工程と、
(3)工程(2)で得られた混合物を成型及び乾燥し、最終的に活性成分Aを0.002重量%〜5.0重量%含有する殺虫香を製作する工程と、
を含む製造方法。
【0018】
工程(2)における前記乳液にジ−tert−ブチルフェノール類安定剤をさらに添加することができる。
【0019】
工程(2)における前記希釈用水の使用量の割合は、溶液1重量部に対して、希釈用水が10〜1000重量部であることが好ましい。
【0020】
工程(2)における前記希釈した乳液と基材粉末の混合割合については、0.1〜1.2重量部の希釈した乳液と1重量部の殺虫香基材と混合することが好ましい。
【0021】
必要に応じて、工程(3)の成型過程において更に水を添加し、混練した後、金型、例えばプレス設備、押出機、型押付機、押抜き機等により、得られた混合物を成型させ、長尺状、コイル状等の適切な形状に製作し、成型した混合物を乾燥し、本発明の殺虫香を得ることができる。
【0022】
必要に応じて、殺虫香は1重量%或いはそれ以下の量の着色剤及び/又は防腐剤等をさらに含有することができる。着色剤の例としては、例えば、マラカイトグリーン等の有機顔料が挙げられる。防腐剤の例としては、例えば、安息香酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、p−ヒドロキシ安息香酸、o−フェニルフェノール等の酸、及び上述の物質の塩とエステル、が挙げられる。
【0023】
最終的に製造された殺虫香の一つの好適な形態として、殺虫香の総重量と100%とし、重量%で、0.002〜5.0のメペルフルスリン(活性成分A)、0.002〜0.2のC8−C14のアルキルベンゼンスルホン酸カルシウム、0.002〜0.2のC8−C14のポリオキシエチレンアルキルエーテル、0.01〜1.0のジ−tert−ブチルフェノール類安定剤、0.01〜1.0の他の殺虫活性成分、および1.0以下の着色剤及び/又は防腐剤を含有し、残部は殺虫香基材である。
【0024】
更に、本発明は前記殺虫香の蚊、ハエの防除における使用を提供する。
【0025】
本発明の殺虫香は通常方法により使用されることができる。即ち、本発明の殺虫香は、害虫(例えば、蚊、ハエ等)がよく繁殖するところ又は屋内等で燃え続け、当該殺虫香が燃焼するのにあたって、活性成分が揮発・拡散され、従って害虫が抑えられる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に具体的な実施例を挙げて本発明の形態及び効果を説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。下記の実施例において、特別の説明がない限り、全ての割合及び“部”は重量で計算する。
【0027】
製造実施例1
0.0007gの2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル−1R−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(1R、シス型:1R、トランス型=1:1)を0.1gのD100溶剤オイル(ExxonMobil Chemical社、沸点223℃〜254℃)に溶解させた後、35gの香生地に吹き付けし、48時間をかけて自然にエアドライし、活性成分Aを0.002w/w%含有する本発明の殺虫香Iを得た。
【0028】
製造実施例2
0.014gの2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル−1R,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートを0.5gのD100溶剤オイル(ExxonMobil Chemical社、沸点223℃〜254℃)に溶解させた後、35gの香生地に吹き付けし、48時間をかけて自然にエアドライし、活性成分Aを0.04w/w%含有する本発明の殺虫香IIを得た。
【0029】
製造実施例3
0.28gの2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル−1R,シス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートと、0.08gのBHTとを1gのD100溶剤オイル(ExxonMobil Chemical社、沸点223℃〜254℃)に溶解させた後、35gの香生地に吹き付けし、48時間をかけて自然にエアドライし、活性成分Aを0.8w/w%含有する本発明の殺虫香IIIを得た。
【0030】
製造実施例4
0.71gの2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル−1R−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(1R,シス型:1R,トランス型=5:95)を2gのD100溶剤オイル(ExxonMobil Chemical社、沸点223℃〜254℃)に溶解させた後、35gの香生地に吹き付けし、48時間をかけて自然にエアドライし、活性成分Aを2w/w%含有する本発明の殺虫香IVを得た。
【0031】
製造実施例5
1.44gの2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル−1R−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(1R,シス型:1R,トランス型=70:30)を4gのD100溶剤オイル(ExxonMobil Chemical社、沸点223℃〜254℃)に溶解させた後、35gの線香生地に吹き付けし、48時間をかけて自然にエアドライし、活性成分Aを4w/w%含有する本発明の殺虫香Vを得た。
【0032】
製造実施例6
5部の2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル−1R,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートと、4.5部のドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムと、4.5部のポリオキシエチレンラウリルエーテルと、86部のD100溶剤オイルとを混合し、溶液R1を得た。
10部の2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル−1R−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(1R,シス型:1R,トランス型=30:70)と、4部のアルキルベンゼンスルホン酸カルシウムと、4部のポリオキシエチレンアルキルエーテルと、1部のBHTと、81部のD100溶剤オイルとを混合し、溶液R2を得た。
【0033】
0.4部の溶液R1と49.6部の水を混合し、殺虫香生産用の希釈した乳液を調製した。前記希釈された乳液と、20部の除虫菊抽出粉と、30部の木粉と、10部の水を混合した。得られた混合物を充分に混練し、成型及び乾燥(40℃、6時間)することにより、活性成分Aを0.04w/w%含有する所望の本発明の殺虫香VIを得た。
【0034】
0.4部の溶液R2と49.6部の水を混合し、殺虫香生産用の希釈した乳液を調製した。前記乳液に、0.02部のマラカイトグリーン、0.02部の安息香酸ナトリウムを添加した。上記希釈された乳液と、20部の除虫菊抽出粉と、30部の木粉と、10部の水を混合した。得られた混合物を充分に混練し、成型及び乾燥(40℃、6時間)することにより、活性成分Aを0.08w/w%含有する所望の本発明の殺虫香VIIを得た。
【0035】
比較実施例1
0.014gのアレスリンを0.5gのD100溶剤オイル(ExxonMobil Chemical社、沸点223℃〜254℃)に溶解させた後、35gの香生地に吹き付けし、48時間をかけて自然にエアドライし、アレスリンを0.04w/w%含有する比較用の殺虫香Iを得た。
【0036】
比較実施例2
0.28gのアレスリンを1gのD100溶剤オイル(ExxonMobil Chemical社、沸点223℃〜254℃)に溶解させた後、35gの香生地に吹き付けし、48時間をかけて自然にエアドライし、アレスリンを0.8w/w%含有する比較用の殺虫香IIを得た。
【0037】
比較実施例3
0.28gのジメフルトリン(dimefluthrin)、及び0.08gのBHTを1gのD100溶剤オイル(ExxonMobil Chemical社、沸点223℃〜254℃)に溶解させた後、35gの香生地に吹き付けし、48時間をかけて自然にエアドライし、ジメフルトリンを0.8w/w%含有する比較用の殺虫香IIIを得た。
【0038】
テスト実施例1
GB13917.4−92の方法に従って、本発明の殺虫香II、VI、及び比較用の殺虫香I、IIに対して、蚊の駆除に対する薬理効果を測定した。供試虫は羽化後2〜3日で吸血していないネッタイイエカの雌蚊である。具体的に、蚊吸い取り器で20匹供試虫を吸い取り、密封の円筒試験装置に入れた。任意の試験用殺虫香の一部分を香立てに設置し、点火すると同時に時間を計算した。1分後に殺虫香を別のところに移し、一定の時間毎にノックダウンされた供試虫の数を記録し、KT50を計算した。実験結果を表1に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
試験実施例2
GB13917.4−92の方法に従って、本発明の殺虫香III及び比較用の殺虫香IIIに対して、イエバエに対する室内の薬理効果を測定した。
【0041】
供試用のイエバエは羽化後4日目の成虫であり、雄と雌の割合が半分ずつである。密封の円筒試験装置を使用した。具体的に、供試虫をタンクに入れて、供試虫の活動が正常に回復してから、任意の試験用殺虫香の一部分を香立てに設置し、ハエ取り香に点火し時間を計算した。1分後に殺虫香を別のところに移し、一定の時間毎にノックダウンされた供試虫の数を記録した。実験結果を表2に示す。
【0042】
【表2】

【0043】
以上のテストにより、従来の他の活性成分の殺虫香と比べて、本発明の殺虫香はより顕著な殺虫効果を有することがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺虫活性成分Aとして、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル−1R−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、即ち一般式(X)で示されるメペルフルスリンを、0.002重量%〜5.0重量%含有する殺虫香。
【化2】

【請求項2】
前記活性成分Aが、一般式(X)で示される2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル−1R,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、或いは2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル−1R,シス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートから選択される一種又はそれらの混合物である請求項1に記載の殺虫香。
【請求項3】
殺虫香の総重量の0.002%〜0.2%を占めるC8−C14のアルキルベンゼンスルホン酸カルシウム、及び殺虫香の総重量の0.002%〜0.2%を占めるC8−C14のポリオキシエチレンアルキルエーテルをさらに含有する請求項1に記載の殺虫香。
【請求項4】
殺虫香の総重量の0.1%〜1.0%を占めるジ−tert−ブチルフェノール類安定剤をさらに含有する請求項1に記載の殺虫香。
【請求項5】
前記ジ−tert−ブチルフェノール類安定剤が、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4−ブチレン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、或いは4,4−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)から選択される一種又は二種以上の混合物である請求項4に記載の殺虫香。
【請求項6】
請求項1に記載の殺虫香の製造方法であって、活性成分Aと、選択的に添加しうるジ−tert−ブチルフェノール類安定剤とをC10−C20の飽和炭化水素溶剤に溶解し、一定濃度の溶液に調製した後、予め乾燥・成型した殺虫香基材に直接的に吹き付けし、自然にエアドライし、活性成分Aを0.002重量%〜5.0重量%含有する殺虫香を製造する方法。
【請求項7】
請求項1に記載の殺虫香の製造方法であって、
(1)活性成分Aと、C8−C14のアルキルベンゼンスルホン酸カルシウムと、C8−C14のポリオキシエチレンアルキルエーテルと、C10−C20の飽和炭化水素溶剤と、を溶液に調製する工程と、
(2)工程(1)で得られた溶液を水で乳液に希釈した後、殺虫香基材の粉末と均一的にかき混ぜる工程と、
(3)工程(2)で得られた混合物を成型及び乾燥し、最終的に活性成分Aを0.002重量%〜5.0重量%含有する殺虫香を製作する工程と、
を含む製造方法。
【請求項8】
工程(2)における前記乳液にジ−tert−ブチルフェノール類安定剤をさらに添加することを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
請求項1に記載の殺虫香の蚊、ハエの防除における使用。

【公表番号】特表2012−524819(P2012−524819A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507573(P2012−507573)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【国際出願番号】PCT/CN2009/075014
【国際公開番号】WO2010/124496
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(506121881)江蘇揚農化工股▲ふん▼有限公司 (3)
【出願人】(511257355)江蘇優士化学有限公司 (1)
【氏名又は名称原語表記】YOUTH CHEMICAL CO., LTD.
【Fターム(参考)】