説明

毛髪のための器具および製剤

ヘッドと、噴霧器と、そのための電力供給装置と、使用中噴霧器によって毛髪に塗布される組成物を収容するリザーバとを備える整髪器具であって、組成物は、13以下の平均炭素鎖長を有する炭化水素を含む溶液と、有益剤とを含み、組成物は、25°Cで4.5cSt以下の粘度を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整髪器具およびそれと共に使用するための製剤に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明は、整髪器具からの有益剤、特にシリコーンの付着問題を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0003】
したがって、本発明は、ヘッドと、噴霧器と、そのための電力供給装置と、使用中、噴霧器によって毛髪に塗布される組成物を収容するリザーバとを備える整髪器具を提供し、組成物は、13以下の平均炭素鎖長を有する炭化水素を含む溶液と、有益剤とを含み、このとき、組成物は、25°Cで5cSt以下の粘度を有する。
【0004】
好ましくは、ヘッドは、剛毛または歯状支持部のものであり、より好ましくは、器具は、くしまたはブラシである。最も好ましくは、器具はブラシである。
【0005】
噴霧器は、当技術分野で知られているものから選択される。好ましくは、噴霧器は、剛性リングによって画定されたガーゼと、噴霧される組成物を収容するためのリザーバと、電力供給装置に接続された回路とを備える。そのような噴霧器は、Aerogen(R)から市販されている。
【0006】
好ましくは、ガーゼは、リザーバに対して出っ張っている。これは、使用中、噴霧される流体の毛髪方向への移動を改良する。
【0007】
好ましくは、噴霧器は、ヘッド内に位置しており、ヘッドはまた、使用中、噴霧される流体を毛髪に放出するための開口も備える。好ましくは、開口は、ヘッド内の穴または長穴である。好ましい実施形態では、複数の開口が存在する。
【0008】
器具がブラシである場合、開口は、ブラシヘッド上の中央に位置することが好ましい。より好ましくは開口は、剛毛によって取り囲まれる。2つ以上の開口が存在する場合、これらは、好ましくは、噴霧されるものの均一な放出をもたらすためにブラシヘッド上に対称に配置される。
【0009】
器具がくしである場合、くしヘッド上に均一に位置する複数の開口が存在することが好ましい。
【0010】
好ましくは、噴霧器は、器具内のチャンバ内に位置しており、チャンバは、チャネルによって外部に連結される。
【0011】
好ましくは、器具は、電力源を収容するハンドルを備える。あるいは、電力源は、別個のものでもよく、器具は、主電源から供給されてよい。
【0012】
リザーバ内に収容される組成物は、13以下の平均炭素鎖長を有する炭化水素を含む。
【0013】
有益剤は、保湿剤、抗しわ剤、毛髪栄養剤など、香料、シリコーンオイル、ワックス、高級脂肪酸、エッセンシャルオイル、脂質、皮膚冷却材、ビタミン、日焼け止め剤、グリセリン、ヘアスタイリングポリマー、着色剤、ヘアコンディショナー、毛髪成長促進剤、ビタミン、ヘアーストレート剤、毛髪成長刺激剤、脱毛阻害剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗炎症剤、かゆみ止め剤、皮脂抑制剤、日焼け止め剤およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0014】
有益剤は、好ましくは、シリコーンである。
【0015】
適切なシリコーンは、ポリオルガノシロキサン、特にCTFA指定のジメチコーンを有するポリジメチルシロキサンを含む。
【0016】
シリコーンが、25℃で1000cStを下回る粘度、より好ましくは700cStを下回る粘度、より好ましくは25°Cで500cStを下回る粘度を有すれば好ましい。350以下の粘度を備えたシリコーンが特に好ましい。
【0017】
必要とされる粘度を有する適切なシリコーンは、Dow Corning、Wacker、GE and Clearcoから入手可能である。これらのシリコーンの例は、DC200 ex Dow、Wacker AK350、およびClearcoからの純正Silicone Fluid 350cSt(食品等級)である。
【0018】
好ましくは、組成物内のシリコーンの総レベルは、2重量%を下回り、より好ましくは1重量%以下である。
【0019】
本発明と共に使用される炭化水素は、13以下の平均炭化水素鎖長を有し、好ましくは、炭化水素鎖は、6を上回る平均鎖長を有し、より好ましくは、炭化水素は、8から12の平均鎖長を有する。適切な一次溶媒は、イソドデカンおよびイソパラフィアンH(C9−12)(アイソパーH)を含む。
【0020】
本発明の一部の態様では、溶媒システムは、少なくとも2つの成分を含むことができる。この溶媒混合物において使用されるのに適切な二次溶媒は、シクロペンタシロキサン、パルミチン酸イソプロピル、およびミリスチン酸イソプロピルを含む。二次溶媒のレベルは、溶媒混合物の20重量%を超えてはならず、好ましくは、二次溶媒のレベルは、10重量%を超えてはならない
この組成物内に存在する炭化水素は、好ましくは、それらが有益剤を可溶化することができるレベルで存在する。好ましくは、炭化水素のレベルは、全組成の80重量%を上回り、より好ましくは90重量%を上回り、最も好ましくは95重量%を上回る。
【0021】
最終組成物の粘度は、25°Cで4.5cSt以下であり、より好ましくは25°Cで4cSt以下である。好ましくは、粘度は、25°Cで1.5cSt以上であり、より好ましくは2cStを上回る。
【0022】
このシステムを用いて塗布される組成物が、塗布後に毛髪上に残され、すぐに(塗布10分以内に)洗い流されない場合が好ましい。そのような生成物は、洗い流さない組成物として知られている。
【0023】
本発明は、次に、以下の非限定的な図を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明によるブラシの概略断面図である。
【図2a】本発明によるブラシの平面図である。
【図2b】本発明によるブラシの平面図である。
【図2c】本発明によるブラシの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
詳細には、図1は、電力供給装置3を収容するハンドル2に連結されたブラシヘッド1を示している。ヘッド1は、ガーゼ7用の支持体5と、毛髪ケア組成物を収容するリザーバ6とからなる噴霧器10を収容する。ブラシヘッド1はまた、そこに従属する剛毛8と、噴霧される毛髪ケア組成物の放出のためのヘッド1内の開口9とを有する。
【0026】
図2は、本発明による開口の3つの実施形態を示している。図2aは、ブラシヘッドの中央を下方向に通り、剛毛8によってすべての側部が取り囲まれている開口9を備えたブラシヘッド1を示している。図2bでは、均一に離間され、ブラシ(図示せず)のほぼ長手方向の軸に垂直な3つの開口が存在している。図2cでは、3つのダイアモンド形状の開口の2本線として配置された6つの開口が存在している。
【0027】
以下の非限定的な例は、本発明の利点を示している。
【0028】
Xgの組成物が、図1の器具のリザーバ内に置かれた。器具は、そこから出現する霧が、毛髪上に付着するように置かれた。器具は、リザーバが空になるまで作動された。毛髪上に付着されたシリコーンの量が、標準的なX線蛍光技術を用いて測定された。
【0029】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドと、噴霧器と、そのための電力供給装置と、使用中噴霧器によって毛髪に塗布される組成物を収容するリザーバとを備える整髪器具であって、組成物が、13以下の平均炭素鎖長を有する炭化水素を含む溶液と、有益剤とを含み、組成物が、25°Cで4.5cSt以下の粘度を有する、器具。
【請求項2】
有益剤が、シリコーンである、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
シリコーンが、25°Cで500cStを下回る粘度を有する、請求項3に記載の器具。
【請求項4】
組成物内のシリコーンの総レベルが、1重量%以下である、請求項2または3に記載の器具。
【請求項5】
炭化水素が、8から12の平均鎖長を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の器具。
【請求項6】
ヘッドが、剛毛または歯状支持部ヘッドである、請求項1から5のいずれか一項に記載の整髪器具。
【請求項7】
ブラシである請求項1から6のいずれか一項に記載の器具。
【請求項8】
噴霧器が、剛性リングによって画定されたガーゼと、噴霧される組成物を収容するためのリザーバと、電力供給装置に接続された回路とを備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の整髪器具。
【請求項9】
ガーゼが、リザーバに対して出っ張っている、請求項8に記載の器具。
【請求項10】
噴霧器が、ヘッド内に位置しており、ヘッドはまた、使用中、噴霧される流体を毛髪上に放出するための開口も備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の器具。
【請求項11】
電力供給装置を収容するハンドルを備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の器具。
【請求項12】
毛髪有益剤を毛髪上に付着するための方法であって、
i)13以下の平均炭素鎖長を有する炭化水素と、有益剤とを含む組成物を形成するステップであって、組成物が、25°Cで5cSt未満の粘度を有する、ステップと、
ii)製剤を請求項1から11のいずれか一項で説明された機器を用いて噴霧するステップとを含む、方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【公表番号】特表2012−504988(P2012−504988A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530428(P2011−530428)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059941
【国際公開番号】WO2010/040577
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】