毛髪化粧料組成物
【課題】ヘアダイやパーマ等による化学的ダメージを受けた毛髪に対して優れた修復効果、コンディショニング効果を与える毛髪化粧料組成物の提供。
【解決手段】下式で示されるカチオン界面活性剤を０．０１〜５．０重量％含有する毛髪化粧料組成物。特に、平均分子量が７０００ダルトンとすることが好ましい。
【解決手段】下式で示されるカチオン界面活性剤を０．０１〜５．０重量％含有する毛髪化粧料組成物。特に、平均分子量が７０００ダルトンとすることが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ヘアコンディショナー、トリートメント、スタイリング剤、ヘアクリーム等の毛髪化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、消費者のヘアーケア意識の向上に伴い、毛髪化粧料のコンディショニング効果に対する要望が多様化してきている。特にヘアダイやパーマ等の化学的なダメージからくるまとまりの悪さ、櫛通りの悪さ、艶の悪さの改善が、重要な要望の１つとなってきている。従来、毛髪化粧料には毛髪に光沢や滑らかさを付与する目的でシリコーン油、エステル油、炭化水素油等の油分を可溶化もしくは乳化して用いられる。特に、シリコーン油は近年多用されているものである。しかしながら、毛髪に優れた艶を与えるものの、ダメージからくるまとまりの悪さを修復する効果としては十分とは言えない。また、毛髪に滑らかさを付与する目的で、低分子量の四級アンモニウム塩型のカチオン界面活性剤も多用されているが、これによっても、必ずしも十分に満足できる毛髪のまとまりが得られるとは言えなかった。蛋白加水分解物と高分子量のジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン或いは、アミン変性又はアンモニウム変性高分子量シリコーン等を併用した毛髪化粧料や蛋白加水分解物をシリル化した製品を配合した毛髪化粧料が提供されているが、このような高分子量のシリコーン類を用いても、毛髪ダメージからくるまとまりの悪さを修復する効果において、満足できるものであるとは言いがたい。
【特許文献１】特開２０００−２６４８１９
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
本発明は損傷した毛髪に対し、光沢、耐湿性の付与、静電気による浮つき低減、ちぢれの低減等の優れたコンディショニング効果を与えるなどの特性を毛髪化粧料に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
従来、ダメージ毛髪表面に収着し毛髪の質感を向上させる目的でカチオン界面活性剤を多用した施術は公知の事実であるが、カチオン界面活性剤を種々検討した結果、化学式１の高分子量の４級化カチオン型界面活性剤を配合することで、毛髪に良好な光沢、耐湿性を与え、ヘアダイやパーマ等による化学的なダメージを低減し、静電気による浮つき低減、ちぢれ、絡まりの低減等の優れたコンディショニング効果を与える良好な効果を見出し、本発明を開発するに至った。
【発明の効果】
【０００５】
化学式１の高分子量４級化カチオン界面活性剤を配合することによりヘアダイやパーマ等による化学的な毛髪ダメージを毛髪外部から補修する。静電気による浮つき低減、絡まりの低減等の優れたコンディショニング効果を与える、また、湿気の影響を減らし、扱いやすく、縮れを抑える毛髪の耐湿性因子を向上させる、毛髪に良好な光沢を与える、等の特性をヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアクリーム、スタイリング剤等の毛髪化粧料に提供する。また、毛髪化粧料の繰り返し使用におけるビルドアップも抑制する。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００６】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される高分子量４級化カチオン界面活性剤としてはクローダジャパン株式会社が販売しているラスタープレックスが挙げられる。ラスタープレックス：化学式１のカチオン界面活性剤（平均分子量＝７０００ダルトン）７０％、ジプロピレングリコール３０％の混合物。
本発明の毛髪化粧料に於ける添加量は０．０１〜５．０重量％。好ましくは０．５〜３．０重量％である。
【０００７】
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、前記必須成分の他に、界面活性剤、天然油脂、鉱物油、合成エステル、保湿剤、皮膜形成剤、酸化防止剤、防腐剤、香料等を配合することが可能である。
【実施例】
【０００８】
次に本発明を実施例及び比較例によって更に具体的かつ詳細に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されない。なお、以下に記載する数値はいずれも重量％である。
【０００９】
表−１の処方でトリートメント処方を調整し、毛髪のつや、感触、まとまり,保持性の評価結果を表−２にまとめた。ラスタープレックスを配合したトリートメントは、市販品の四級アンモニウム塩型のカチオン界面活性剤、高分子量ジメチルポリシロキサン、加水分解ケラチンに比べ毛髪のつや、感触が向上し、まとまりがあるなどの良好な結果が得られた。毛髪ダメージの補修効果によって、毛髪の特性が著しく改善されたことがわかる。
【００１０】
【表−１】
【００１１】
【表−２】
【００１２】
評価項目
毛髪の光沢の評価 ：
あらかじめダメージを受けた毛髪を長さ１５cm、５ｇに調整した毛束を用意する。その毛束に調整したトリートメントを２ｇ塗布して2分間放置する。2分後に毛束を温水で濯いで、ドライヤーで乾燥後、温度２５℃、湿度４５％の環境下に２４時間放置後目視で毛髪の光沢を評価した。
◎ 光沢がある。毛髪に輝きがあるように見える
○ 光沢があるように見える。
△ あまり光沢がない
× 光沢がない。
感触の評価 ：
あらかじめダメージを受けた毛髪を長さ１５cm、５ｇに調整した毛束を用意する。その毛束に調整したトリートメントを２ｇ塗布して2分間放置する。2分後に毛束を温水で濯いで、ドライヤーで乾燥後、温度２５℃、湿度４５％の環境下に２４時間放置後の毛髪の感触を評価した。
評価 評価指標
◎ やわらかくて感触がよい。
○ なめらかだが、少しごわつきを感じる。
△ 若干ごわつきを感じる。
× なめらかではない。
まとまりの評価 ：
あらかじめダメージを受けた毛髪を長さ１５cm、５ｇに調整した毛束を用意する。その毛束に調整したトリートメントを２ｇ塗布して2分間放置する。2分後に毛束を温水で濯いで、ドライヤーで乾燥後、温度２５℃、湿度３５％の環境下に２４時間放置後、１０回くし通しを行い、毛束のまとまりを評価した。
評価 評価基準
◎ 浮つき、ちぢれがなく、まとまりがとても良い。
○ 浮つき、ちぢれがほとんどなく、まとまりが良い。
△ 浮つき、ちぢれが少しあり、まとまりが良くない。
× 浮つき、ちぢれがあり、まとまりが悪い。
【００１３】
表−３の処方でスタイリング処方を調整し、毛髪の耐湿性の評価結果を表−４にまとめた。ラスタープレックスを配合したシャンプーは、カチオンポリマーを配合したものに比べ毛髪の耐湿性が向上していることがわかる。
【００１４】
【表−３】
【００１５】
【表−４】
【００１６】
評価項目
毛髪の耐湿性の評価 ：
カーリー毛髪５ｇの毛束を用意する。その毛束に表―３の処方のシャンプー１ｇを添加し、洗った後水道水で５分間リンス、タオルドライし、相対湿度５０％、温度２０−２５度で一晩放置し、毛髪の広がりを測定、次に相対湿度８０％、温度２０−２５度で一晩放置し、毛髪の広がりを測定。５０％から８０％湿度への変化に伴う毛束の広がりの増加をコントロール（比較例７）と比較する。
◎ コントロールの８０−９０％
○ コントロールの９０−１００％
△ コントロールの１００−１０５％
× コントロールの１０５％以上
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ヘアコンディショナー、トリートメント、スタイリング剤、ヘアクリーム等の毛髪化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、消費者のヘアーケア意識の向上に伴い、毛髪化粧料のコンディショニング効果に対する要望が多様化してきている。特にヘアダイやパーマ等の化学的なダメージからくるまとまりの悪さ、櫛通りの悪さ、艶の悪さの改善が、重要な要望の１つとなってきている。従来、毛髪化粧料には毛髪に光沢や滑らかさを付与する目的でシリコーン油、エステル油、炭化水素油等の油分を可溶化もしくは乳化して用いられる。特に、シリコーン油は近年多用されているものである。しかしながら、毛髪に優れた艶を与えるものの、ダメージからくるまとまりの悪さを修復する効果としては十分とは言えない。また、毛髪に滑らかさを付与する目的で、低分子量の四級アンモニウム塩型のカチオン界面活性剤も多用されているが、これによっても、必ずしも十分に満足できる毛髪のまとまりが得られるとは言えなかった。蛋白加水分解物と高分子量のジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン或いは、アミン変性又はアンモニウム変性高分子量シリコーン等を併用した毛髪化粧料や蛋白加水分解物をシリル化した製品を配合した毛髪化粧料が提供されているが、このような高分子量のシリコーン類を用いても、毛髪ダメージからくるまとまりの悪さを修復する効果において、満足できるものであるとは言いがたい。
【特許文献１】特開２０００−２６４８１９
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
本発明は損傷した毛髪に対し、光沢、耐湿性の付与、静電気による浮つき低減、ちぢれの低減等の優れたコンディショニング効果を与えるなどの特性を毛髪化粧料に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
従来、ダメージ毛髪表面に収着し毛髪の質感を向上させる目的でカチオン界面活性剤を多用した施術は公知の事実であるが、カチオン界面活性剤を種々検討した結果、化学式１の高分子量の４級化カチオン型界面活性剤を配合することで、毛髪に良好な光沢、耐湿性を与え、ヘアダイやパーマ等による化学的なダメージを低減し、静電気による浮つき低減、ちぢれ、絡まりの低減等の優れたコンディショニング効果を与える良好な効果を見出し、本発明を開発するに至った。
【発明の効果】
【０００５】
化学式１の高分子量４級化カチオン界面活性剤を配合することによりヘアダイやパーマ等による化学的な毛髪ダメージを毛髪外部から補修する。静電気による浮つき低減、絡まりの低減等の優れたコンディショニング効果を与える、また、湿気の影響を減らし、扱いやすく、縮れを抑える毛髪の耐湿性因子を向上させる、毛髪に良好な光沢を与える、等の特性をヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアクリーム、スタイリング剤等の毛髪化粧料に提供する。また、毛髪化粧料の繰り返し使用におけるビルドアップも抑制する。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００６】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される高分子量４級化カチオン界面活性剤としてはクローダジャパン株式会社が販売しているラスタープレックスが挙げられる。ラスタープレックス：化学式１のカチオン界面活性剤（平均分子量＝７０００ダルトン）７０％、ジプロピレングリコール３０％の混合物。
本発明の毛髪化粧料に於ける添加量は０．０１〜５．０重量％。好ましくは０．５〜３．０重量％である。
【０００７】
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、前記必須成分の他に、界面活性剤、天然油脂、鉱物油、合成エステル、保湿剤、皮膜形成剤、酸化防止剤、防腐剤、香料等を配合することが可能である。
【実施例】
【０００８】
次に本発明を実施例及び比較例によって更に具体的かつ詳細に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されない。なお、以下に記載する数値はいずれも重量％である。
【０００９】
表−１の処方でトリートメント処方を調整し、毛髪のつや、感触、まとまり,保持性の評価結果を表−２にまとめた。ラスタープレックスを配合したトリートメントは、市販品の四級アンモニウム塩型のカチオン界面活性剤、高分子量ジメチルポリシロキサン、加水分解ケラチンに比べ毛髪のつや、感触が向上し、まとまりがあるなどの良好な結果が得られた。毛髪ダメージの補修効果によって、毛髪の特性が著しく改善されたことがわかる。
【００１０】
【表−１】
【００１１】
【表−２】
【００１２】
評価項目
毛髪の光沢の評価 ：
あらかじめダメージを受けた毛髪を長さ１５cm、５ｇに調整した毛束を用意する。その毛束に調整したトリートメントを２ｇ塗布して2分間放置する。2分後に毛束を温水で濯いで、ドライヤーで乾燥後、温度２５℃、湿度４５％の環境下に２４時間放置後目視で毛髪の光沢を評価した。
◎ 光沢がある。毛髪に輝きがあるように見える
○ 光沢があるように見える。
△ あまり光沢がない
× 光沢がない。
感触の評価 ：
あらかじめダメージを受けた毛髪を長さ１５cm、５ｇに調整した毛束を用意する。その毛束に調整したトリートメントを２ｇ塗布して2分間放置する。2分後に毛束を温水で濯いで、ドライヤーで乾燥後、温度２５℃、湿度４５％の環境下に２４時間放置後の毛髪の感触を評価した。
評価 評価指標
◎ やわらかくて感触がよい。
○ なめらかだが、少しごわつきを感じる。
△ 若干ごわつきを感じる。
× なめらかではない。
まとまりの評価 ：
あらかじめダメージを受けた毛髪を長さ１５cm、５ｇに調整した毛束を用意する。その毛束に調整したトリートメントを２ｇ塗布して2分間放置する。2分後に毛束を温水で濯いで、ドライヤーで乾燥後、温度２５℃、湿度３５％の環境下に２４時間放置後、１０回くし通しを行い、毛束のまとまりを評価した。
評価 評価基準
◎ 浮つき、ちぢれがなく、まとまりがとても良い。
○ 浮つき、ちぢれがほとんどなく、まとまりが良い。
△ 浮つき、ちぢれが少しあり、まとまりが良くない。
× 浮つき、ちぢれがあり、まとまりが悪い。
【００１３】
表−３の処方でスタイリング処方を調整し、毛髪の耐湿性の評価結果を表−４にまとめた。ラスタープレックスを配合したシャンプーは、カチオンポリマーを配合したものに比べ毛髪の耐湿性が向上していることがわかる。
【００１４】
【表−３】
【００１５】
【表−４】
【００１６】
評価項目
毛髪の耐湿性の評価 ：
カーリー毛髪５ｇの毛束を用意する。その毛束に表―３の処方のシャンプー１ｇを添加し、洗った後水道水で５分間リンス、タオルドライし、相対湿度５０％、温度２０−２５度で一晩放置し、毛髪の広がりを測定、次に相対湿度８０％、温度２０−２５度で一晩放置し、毛髪の広がりを測定。５０％から８０％湿度への変化に伴う毛束の広がりの増加をコントロール（比較例７）と比較する。
◎ コントロールの８０−９０％
○ コントロールの９０−１００％
△ コントロールの１００−１０５％
× コントロールの１０５％以上
【特許請求の範囲】
【請求項１】
化学式１で示されるカチオン界面活性剤を０．０１〜５．０重量％含有する毛髪化粧料組成物。
【化１】
【請求項２】
化学式１で示されるカチオン界面活性剤の平均分子量が７０００ダルトンであることを特徴とする請求項１記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項１】
化学式１で示されるカチオン界面活性剤を０．０１〜５．０重量％含有する毛髪化粧料組成物。
【化１】
【請求項２】
化学式１で示されるカチオン界面活性剤の平均分子量が７０００ダルトンであることを特徴とする請求項１記載の毛髪化粧料組成物。
【公開番号】特開２００７−３２０９１５（Ｐ２００７−３２０９１５Ａ）
【公開日】平成１９年１２月１３日（２００７．１２．１３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−１５３８０８（Ｐ２００６−１５３８０８）
【出願日】平成１８年６月１日（２００６．６．１）
【出願人】（０００１０４９９５）クローダジャパン株式会社 (35)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年１２月１３日（２００７．１２．１３）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年６月１日（２００６．６．１）
【出願人】（０００１０４９９５）クローダジャパン株式会社 (35)
【Ｆターム（参考）】
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