説明

毛髪化粧料

【課題】毛髪をストレートにする効果とストレート持続力に優れ、またストレートアイロンのすべりを改善し、熱による毛髪を保護し、自然な光沢としなやかさを与え、べたつきがなく、更にスプレー特性に優れた毛髪化粧料に関する。
【解決手段】カチオン性界面活性剤と、25℃で液状の脂肪酸多価アルコールエステルと、特定のポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・アルキレン・メチルポリシロキサン共重合体を含有するエアゾール原液と噴射剤とを、エアゾール原液/噴射剤=60/40〜90/10(質量比)の比率で配合することを特徴とする毛髪化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪をストレートにすることを目的として使用されるストレートアイロン前に使用し、毛髪をストレートにする効果とストレート持続力に優れ、またストレートアイロンのすべりを改善し、熱による毛髪を保護し、自然な光沢としなやかさを与え、べたつきがなく、更にスプレー特性に優れた毛髪化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ヘアスタイルは多様化しており、特に10代、20代の若年層においてはさらさらと風になびく様なストレートヘアに憧れ、それを目的として、様々な毛髪化粧料が使用されている。例えばヘアージェル、ヘアークリーム、ヘアーフォーム、ヘアーローションなどが挙げられ、これらは一般にシリコーン油、エステル油、炭化水素油などの油分や、被膜形成能を有する高分子化合物がストレート効果を発揮する成分として配合されている。これらの成分の中でも、毛髪の手触り感やツヤを付与する目的で、シリコーン油に代表される液状油分が汎用されている。カチオン界面活性剤とシリコーン樹脂を配合することによって、毛髪の枝毛部分を効率良く接着させることができる毛髪化粧料(特許文献1参照。)、植物タンパク誘導体と、カチオン性界面活性剤と、シリコーンとを含有することを特徴とする毛髪処理剤(特許文献2参照。)、カチオン性界面活性剤とマレイン酸変性エステルガムとシリコーンオイルとを含有してなることを特徴とする毛髪化粧料(特許文献3参照。)によって、毛髪に使用した後の仕上がり時に良好な滑らかさ及びしっとり感を毛髪に付与する効果が開示されている。しかしながら、これらのシリコーンを含有した組成物は、ツヤや手触りにおいては優れているものの、毛髪を実際にストレートにする効果に乏しく、特に毛髪に均一に塗布することができず、これらの毛髪化粧料では、毛髪を綺麗なストレートにすることが不十分であった。
従来市販されている毛髪化粧料では、ストレート効果が不十分なことから、美容院でストレートパーマ施術を行ったり、或いはストレートアイロン(ストレートにするための熱器具)を使用することが流行している。ストレートアイロンは140〜180℃の熱によって毛髪のタンパク質を変性させて癖付けを行う方法であるが、その高温の熱によって毛髪損傷が発生し、枝毛や切毛の発生を加速し、またストレートアイロンによるストレート毛の持続力も1日程度である。そのため、アイロン処理を繰り返す必要があり、この繰り返しによって更に毛髪損傷が進行するなどの問題点を有していた。
また、市販の毛髪化粧料や上記発明の化粧料をストレートアイロン施術前に塗布して使用しても、毛髪をストレートにする効果や持続力が弱く、毛髪の損傷に対して十分満足できるものではなく、さらにストレートアイロンのすべりが悪くなって、かえって毛髪を損傷を促進し、アイロンがムラになるという問題点があった。そのため、ストレートアイロン使用時に、毛髪を傷めることなくストレート効果を増強し、また使用することにより今まで以上にストレートヘアの持続性が向上し、かつ自然な光沢としなやかさを与え、べたつきのない毛髪化粧料が強く求められていた。
【0003】
【特許文献1】特開平5−238920号公報
【特許文献2】特開平4−139113号公報
【特許文献3】特開2001−10931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的とするところは、毛髪をストレートにすることを目的として使用されるストレートアイロン施術時に使用し、毛髪をストレートにする効果及びストレート持続力に優れ、またアイロンの熱より毛髪を保護し、自然な光沢としなやかさを与え、べたつきがなく、更にスプレー特性に優れた毛髪化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
即ち、本発明の請求項1は、以下の成分(A)〜(C)
(A)カチオン性界面活性剤
(B)25℃で液状の脂肪酸多価アルコールエステル
(C)一般式1:
【化1】

(式中、R1およびR2はメチル基または一部がフェニル基を表し、mは2〜5の整数、xは0〜50の整数、yは0〜50の整数、pは5〜300の整数、qは2〜40の整数を表す。)で表されるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・アルキレン・メチルポリシロキサン共重合体
を含有するエアゾール原液と、噴射剤とを、エアゾール原液/噴射剤=60/40〜90/10(質量比)の比率で配合することを特徴とする毛髪化粧料である。
また、本発明の請求2は、エアゾール容器のノズルから直接毛髪にスプレー状に噴射して毛髪に泡状で付着させることを特徴とする請求項1記載の毛髪化粧料である。
【発明の効果】
【0006】
本発明者等は、上記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、カチオン性界面活性剤と、25℃で液状の脂肪酸多価アルコールエステルと、特定のポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・アルキレン・メチルポリシロキサン共重合体からなるエアゾール原液を噴射剤とを、エアゾール原液/噴射剤=60/40〜90/10(質量比)の比率で含有した毛髪化粧料が、ストレートアイロン処理時に毛髪に噴霧することにより、毛髪をストレートにする効果及びストレート持続力に優れ、またアイロンの熱より毛髪を保護し、自然な光沢としなやかさを与え、べたつきがなく、更にスプレー特性に優れた特徴を見出して本発明を完成するに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について詳述する。
【0008】
本発明で用いられる成分(A)のカチオン性界面活性剤は、水に溶解してイオン解離をする親水基が陽イオンとなる界面活性剤であり、毛髪の柔軟性やコンディショニング性、また本発明においてはストレートアイロンのすべり摩擦性を改善するものである。カチオン性界面活性剤としては、長鎖アルキルアミンの無機酸または有機酸塩、高級脂肪酸とジアミンを縮合した脂肪酸アミドアミンの無機酸または有機酸塩、高級脂肪酸にアルカノールアミンを反応させたエステル含有3級アミンの無機酸または有機酸塩、第4級アンモニウム塩が挙げられ、これらの中でも、第4級アンモニウム塩が好ましく、具体例としては下記一般式2で表される。
【0009】
【化2】

【0010】
(上式中、R3〜R6のうちいずれか1個または2個は炭素数8〜24のアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基またはヒドロキシアルケニル基を表し、残りは、炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基又はベンジル基を表し、Xはハロゲン原子又は炭素数1〜3のアルキル硫酸基を表す)で示される。上記一般式2のR3〜R6のうちいずれか1個又は2個 の炭素数8〜24のアルキル基は、例えばセチル基、ステアリル基、ベヘニル基、12−ヒドロキシステアリル基等であり、炭素数16〜22のアルキル基が好ましく、特に好ましいものとしてはセチル基、ステアリル基及びベヘニル基が挙げられる。残りの炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基又はベンジル基は、好ましいものとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基及びヒドロキシエチル基が挙げられる。Xのハロゲン原子は、好ましくは塩素原子又は臭素原子である。
【0011】
前記一般式2で示される第4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、及びセチルトリエチルアンモニウムメチルサルフェート等を挙げることができる。その中でも特に、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、及び塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム並びにこれらの混合物が好ましい。
【0012】
これらのカチオン性界面活性剤は、それぞれ単独で用いることができるし、また2種以上混合して用いることができる。また、これらのカチオン性界面活性剤の配合量はエアゾール原液中に好ましくは0.1〜10質量%(以下、%と略す。)、更に好ましくは、0.3〜5%の範囲である。カチオン性界面活性剤の配合量が0.1%未満の場合、毛髪に噴霧したときに泡状とならず、ストレートアイロンのすべりの改善が見られない場合があり、また、10%を超えると、毛髪に吸着する量が多くなりすぎ、感触上不都合が生じたり、毛髪上の泡が消えないなど問題点を生じる。
【0013】
本発明に用いられる成分(B)の25℃で液状の脂肪酸多価アルコールエステルは、脂肪酸と多価アルコールのエステルであり、脂肪酸としては、炭素数12〜25の直鎖又は分岐の脂肪酸が用いられ、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が用いられる。また、エステル体としては、部分エステルとフルエステルが挙げられるが、25℃で液状を示すものとしてフルエステルが好ましい。これら脂肪酸多価アルコールエステルの具体例としては、ジオレイン酸エチレングリコール、ジオクタン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリン酸グリセリル、トリ2ーエチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリ2ーエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール等が挙げら
れる。
これら中でも、ジオレイン酸エチレングリコール、ジオクタン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等のエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールとのエステルが特に好ましい。
【0014】
本発明において、これらの25℃で液状の油性成分は、それぞれ単独で用いることができるし、また2種以上混合して用いることができ、その配合量はエアゾール原液中に好ましくは0.1〜10%であり、更に好ましくは0.5〜5%である。0.1%未満では毛髪の損傷防止効果やストレート効果に劣り、また10%を超えて配合すると、べたつきを生じ好ましくない。
【0015】
本発明の(C)成分であるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・アルキレン・メチルポリシロキサン共重合体は、一般式1で示され、R1およびR2はメチル基または一部がフェニル基を表し、mは2〜5の整数、xは0〜50の整数、yは0〜50の整数、pは5〜300の整数、qは2〜40の整数であり、性状は常温で軟質ゴム状から流動性のある粘性で、25℃において500〜5,000万mm2/sの粘度を示すものである。具体的には、ポリオキシエチレン・アルキレン・ジメチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・アルキレン・ジメチルポリシロキサン共重合体、ポリシリコーン−13などがあげられる。これらポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・アルキレン・メチルポリシロキサン共重合体の中でも、毛髪に対する親和性と仕上がり感の観点から、非水溶性のポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・ブチレン・メチルポリシロキサン共重合体が好ましい。また、これらは市販されており、例示すると、日本ユニカー社製のFZ−2203、FZ−2207、FZ−2222、FZ−2231、FZ−2232、FZ−2234、FZ−2233、FZ−2235、FZ−2236、FZ−2237、FZ−2238、FZ−2239等のABN SILWETシリーズがあげられる。
本発明においては、これらポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・アルキレン・メチルポリシロキサン共重合体は、それぞれ単独で用いることができるし、また2種以上混合して用いることができ、その配合量は、毛髪化粧料の総量を基準として通常0.01〜10%であり、好ましくは、0.1〜5%である。0.01%未満では十分なストレート効果が得られず、10%を超えると毛髪へ不均一に付着して、ごわつきやべたつきを生じ好ましくない場合がある。
【0016】
尚、本発明の毛髪化粧料のエアゾール原液においては、上記必須成分の他に、必要により、一般に毛髪化粧料に用いられている各種の成分、例えば、水、界面活性剤、高分子化合物、油脂類、粉体、シリコーン類、pH調整剤、保湿剤、紫外線吸収剤、紫外線分散剤、色素、液状アルコール、植物エキス、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、薬剤、香料等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0017】
本発明の毛髪化粧料においては、エアゾール原液を噴射するために噴射剤を使用する。噴射剤としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン等を主成分とする液化石油ガス(LPG)等の炭化水素類、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、炭酸ガス、窒素ガス、酸素等の圧縮ガスが挙げられる。
これらの噴射剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用する事ができ、エアゾール原液と噴射剤の配合比率(質量比率)は、エアゾール原液/噴射剤=70/30〜90/10が好ましく、更に好ましくは、70/30〜90/10の範囲である。エアゾール原液の配合比率が60%未満の場合は、細かくなって拡散し、ストレート効果を発揮する機能が劣り、また、エアゾール原液の配合比が90%を超えると、均一なスプレーと
ならず、毛髪にムラになって塗布され、本発明の機能を発揮しない。
【0018】
本発明において、噴射量の調整は、エアゾール原液の組成、噴射剤との配合比率、噴射ボタンの噴口形状などにより異なるが、主としてバルブ孔径(ステム孔径、ハウジング孔径)や噴射ボタンの孔径を適宜調整することにより行うことができる。但し、ステム孔径を大きくすると均一なスプレーを得ることが困難になるので、十分にハウジング孔径を大きくすることが有効である。
【0019】
また、本発明の毛髪化粧料は、常法により製造することができる。例えば、成分(A)〜(C)と、必要に応じて更に他の添加剤とを、混合分散、乳化等の製造工程によってエアゾール原液を調整し、そのエアゾール原液を噴射剤と共にエアゾール耐圧容器に充填する。また、噴射の形態は、スプレー状、ミスト状、フォーム状など一般的なエアゾール剤の噴出形態をとり、ストレートアイロンを使用する前に塗布する整髪料、トリートメント、シャンプー、リンス等の毛髪用化粧料として用いられる。また、化粧料以外にも衣服用スプレー剤、カーワックスなどの硬質表面剤、動物用化粧料等に用いることができる。
【実施例】
【0020】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらの実施例により本発明の技術範囲が限定されるものではない。尚、実施例に記載の各種試験(噴射特性、ストレートアイロンのすべり性、ストレート効果、ストレート持続効果、つや、しなやかさ、べたつき)に関する試験法を下記に示す。
【0021】
(1)噴射特性試験
実施例および比較例の毛髪化粧料にスプレーボタンを装着し、毛髪(10g、20cm)に向けて噴射し、10名の専門パネルを対象に噴射状態(霧の細かさ、塗布の均一性、塗布時の泡)を観察し、下記に示す判断基準により評価を行った。
【0022】
判定基準
◎:パネルの8名以上が噴射状態について良いと判断
○:パネルの6名以上8名未満が噴射状態について良いと判断
△:パネルの4名以上6名未満が噴射状態について良いと判断
×:パネルの5名以上が噴射状態について悪いと判断
【0023】
(2)ストレートアイロンのすべり性試験
市販のパーマ剤を用いてウェーブ処理を施した毛髪(10g、20cm)に実施例および比較例の毛髪化粧料を3g噴霧し、10名の専門パネルを対象にストレートアイロン(富士パッケージ社製、ヘアーアイロン・ヴィーナス)を用いて、150℃にてアイロン操作を行い、すべり具合を評価し、下記に示す判断基準により評価を行った。
【0024】
判定基準
◎:パネルの8名以上がすべりについて良いと判断
○:パネルの6名以上8名未満がすべりについて良いと判断
△:パネルの4名以上6名未満がすべりについて良いと判断
×:パネルの5名未満がすべりについて悪いと判断
【0025】
(3)ストレート効果試験
市販のパーマ剤を用いてウェーブ処理を施した毛髪(10g、20cm)に実施例および比較例の毛髪化粧料を3g塗布し、ついで市販のストレートアイロン(富士パッケージ社製ヘアーアイロン・ヴィーナス)を用いて、150℃にてアイロン操作を行った。その後、10名の専門パネルを対象にストレートアイロン処理後の毛髪のストレート状態を観察
し、、下記に示す判断基準により評価を行った。
【0026】
判定基準
◎:パネルの8名以上がストレートな状態が良いと判断
○:パネルの6名以上8名未満がストレートな状態が良いと判断
△:パネルの4名以上6名未満がストレートな状態が良いと判断
×:パネルの5名未満がストレートな状態が悪いと判断
【0027】
(4)ストレート保持性試験
上記のストレートアイロン処理後の毛髪について、市販のシャンプーを用いての洗浄、ドライヤー乾燥を5回繰り返し、再度毛髪のストレート状態を10名の専門パネルにて観察し、下記に示す判断基準により評価を行った。
【0028】
判定基準
◎:パネルの8名以上がストレートな状態が保持されていると判断
○:パネルの6名以上8名未満がストレートな状態が保持されていると判断
△:パネルの4名以上6名未満がストレートな状態が保持されていると判断
×:パネルの5名以上がストレートな状態が保持されていないと判断
【0029】
(5)官能試験
20名の専門パネルを対象に実施例および比較例の毛髪化粧料を使用してもらい、次にストレートアイロン操作を実施し、毛髪のつや、しなやかさ、べたつきのなさの各項目について官能試験を行い、下記に示す判定基準により評価を行った。
【0030】
判定基準
1.つや
◎:パネルの15名以上が自然な光沢であると判断
○:パネルの10名以上15名未満が自然な光沢であると判断
△:パネルの5名以上10名未満が自然な光沢であると判断
×:パネルの15名以上が自然な光沢でないと判断
2.しなやかさ
◎:パネルの15名以上がしなやかであると判断
○:パネルの10名以上15名未満がしなやかであると判断
△:パネルの5名以上10名未満がしなやかであると判断
×:パネルの15名以上がしなやかでないと判断
3.べたつき
◎:パネルの15名以上がべたつきがないと判断
○:パネルの10名以上15名未満がべたつきがないと判断
△:パネルの5名以上10名未満がべたつきがないと判断
×:パネルの15名以上がべたつくと判断
【0031】
実施例1〜9、比較例1〜8
表1に示す処方の毛髪化粧料を常法に従って作成し、前記の諸試験を実施して評価を行った。その結果を併せて表1に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
表1から明らかなように、本発明の毛髪化粧料は、比較例と比べて明らかに噴射特性、ストレートアイロンのすべり性、ストレート効果、ストレート持続効果、つや、しなやかさ、べたつきに関する試験のいずれの評価においても優れていた。
【0034】
以下、本発明毛髪化粧料のその他の処方例を実施例として挙げる。なお、これらの実施例の毛髪化粧料についても、上記の噴射特性、ストレートアイロンのすべり性、ストレート効果、ストレート持続効果、つや、しなやかさ、べたつきを検討したところ、いずれの実施例においても、優れた特性を有しており良好であった。
【0035】
実施例10 フォームミスト
<エアゾール原液>
配合量(%)
(1)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.3
(2)ジカプリン酸プロピレングリコール 1.5
(3)ポリ(オキシエチレン)・ブチレン・メチルポリシロキサン共重合体
(FZ−2250、日本ユニカー社製) 3.0
(4)プロピレングリコール 1.0
(5)グリセリン 0.5
(6)ジイソステアリン酸ポリグリセリル 0.5
(7)セタノール 1.0
(8)香料 0.1
(9)サボンソウ抽出液 0.1
(10)加水分解コムギ末 0.1
(11)加水分解コラーゲン 0.1
(12)精製水 0.1
<ガス充填>
配合量(%)
(13)エアゾール原液 80.0
(14)噴射剤(ジメチルエーテル) 15.0
(15)噴射剤(液化石油ガス) 5.0
【0036】
(製法)(1)〜(8)を80℃にて均一に混合溶解させ、(9)〜(12)を80℃にて混合したものを加えて乳化し、室温まで冷却してエアゾール原液(13)を得た。エアゾール原液をエアゾール缶に充填し、バルブ装着後、(14)および(15)の噴射剤を充填し、ボタンを装着しててミスト状に噴出されるフォームミストを調製した。
【0037】
実施例11 スプレーミスト
<エアゾール原液>
配合量(%)
(1)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.5
(2)塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 0.2
(3)ジカプリン酸プロピレングリコール 0.5
(4)ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 0.5
(5)ポリ(オキシエチレン)・ブチレン・メチルポリシロキサン共重合体
(FZ−2250、日本ユニカー社製) 1.0
(6)1,3−ブチレングリコール 1.0
(7)ステアリルアルコール 1.3
(8)香料 0.1
(9)加水分解シルク液 0.1
(10)加水分解ダイズ 0.1
(11)プロモイスS−700SIG(成和化成社製) 0.1
(12)精製水 94.6
<ガス充填>
配合量(%)
(13)エアゾール原液 75.0
(14)噴射剤(ジメチルエーテル) 25.0
【0038】
(製法)(1)〜(8)を80℃にて均一に混合溶解させ、(9)〜(12)を80℃にて混合したものを加えて乳化し、室温まで冷却してエアゾール原液(13)を得た。エアゾール原液をエアゾール缶に充填し、バルブ装着後、(14)の噴射剤を充填し、ボタンを装着してミスト状に噴出されるスプレーミストを調製した。
【0039】
実施例12 スプレーミスト
<エアゾール原液>
配合量(%)
(1)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1.0
(2)ジカプリン酸プロピレングリコール 2.0
(3)ポリ(オキシエチレン)・ブチレン・メチルポリシロキサン共重合体
(FZ−2250、日本ユニカー社製) 1.0
(4)ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・ブチレン・メチルポリ
シロキサン共重合体(FZ−2222、日本ユニカー社製)1.0
(5)イソプレングリコール 1.0
(6)1,3−ブチレングリコール 1.0
(7)ステアリルアルコール 2.0
(8)香料 0.1
(9)真珠蛋白抽出液 0.5
(10)ヘアロールUC−4(三洋化成社製) 0.5
(11)精製水 89.9
(12)95度変性エタノール 10.0
<ガス充填>
配合量(%)
(13)エアゾール原液 75.0
(14)噴射剤(液化石油ガス) 10.0
(15)噴射剤(ジメチルエーテル) 10.0
【0040】
(製法)(1)〜(8)を80℃にて均一に混合溶解させ、(9)〜(11)を80℃にて混合したものを加えて乳化し、室温まで冷却した後、(12)を加えて均一に混合分散しエアゾール原液(13)を得た。エアゾール原液をエアゾール缶に充填し、バルブ装着後、(14)および(15)の噴射剤を充填し、ボタンを装着してミスト状に噴出されるスプレーミストを調製した。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上記載の如く、本発明が毛髪をストレートにする効果とストレート持続力に優れ、またストレートアイロンのすべりを改善し、熱による毛髪を保護し、自然な光沢としなやかさを与え、べたつきがなく、更にスプレー特性に優れた毛髪化粧料を提供することは明らかである。







【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分(A)〜(C)
(A)カチオン性界面活性剤
(B)25℃で液状の脂肪酸多価アルコールエステル
(C)一般式1:
【化1】

(式中、R1およびR2はメチル基または一部がフェニル基を表し、mは2〜5の整数、xは0〜50の整数、yは0〜50の整数、pは5〜300の整数、qは2〜40の整数を表す。)で表されるポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・アルキレン・メチルポリシロキサン共重合体
を含有するエアゾール原液と噴射剤とを、エアゾール原液/噴射剤=60/40〜90/10(質量比)の比率で配合することを特徴とする毛髪化粧料。
【請求項2】
エアゾール容器のノズルから直接毛髪にスプレー状に噴射して毛髪に泡状で付着させることを特徴とする請求項1記載の毛髪化粧料。


【公開番号】特開2006−28114(P2006−28114A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−211095(P2004−211095)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000000952)カネボウ株式会社 (120)
【Fターム(参考)】