説明

気体吸着媒体及びこれを備える吸着ポンプ装置

【課題】ガス吸着媒体及びこれを備える吸着ポンプ装置を提供する。ガス吸着媒体は、化学結合に関与しない余分の電子を含みイオン価が変化する物質で形成される層が互いに離隔されている多層の層状構造を有する。吸着ポンプ装置は、このガス吸着媒体を備える。気体吸着媒体は、各層の間に空間を確保することによって、広い表面積を確保することが可能であり、気体吸着能力の効率性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体吸着媒体及びこれを備える吸着ポンプ装置に関する。より詳細には、気体吸着のための表面積を充分に確保し、気体吸着能力の効率性を改善させた気体吸着媒体、及びこれを備える吸着ポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、吸着ポンプは、チャンバー内の気体を極低温に冷却、凝縮して捕集する動作を用いて真空度を低く維持させる超高真空用真空ポンプを意味する。
【0003】
従来、このような吸着ポンプに吸着性の高い木炭及び活性炭を積層し、真空チャンバーに分布する気体を捕集する方法を利用した。
【0004】
また、高効率の吸着ポンプを構成するためには、木炭及び活性炭のように、捕集性に優れた媒体を利用すれば、ポンプの性能を向上させることができる。
【0005】
したがって、木炭及び活性炭より捕集能力に優れ且つ脱着程度が低い媒体を利用すれば、高真空を容易に得ることができ、このような媒体に関する研究がこの分野において多く進行されている。
【0006】
これより、本発明者らは、吸着媒体を研究しつつ、化学結合に関与しない余分の電子を有する物質を利用して互いに離隔された多層の層状構造で吸着媒体を形成する場合、優れた吸着効率を発揮することができることを知見し、本発明に至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、気体吸着のための表面積を充分に確保し、気体吸着能力の効率性を改善させることができる気体吸着媒体、及びこれを備える吸着ポンプ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面としては、化学結合に関与しない余分の電子を含みイオン価が変化する物質で形成される層が互いに離隔されている多層の層状構造を有する、気体吸着媒体を提供する。
【0009】
また、本発明の他の側面としては、化学結合に関与しない余分の電子を含みイオン価が変化する物質で形成される層が互いに離隔されている多層の層状構造を有する気体吸着媒体を備える、気体吸着装置を提供する。
【発明の効果】
【0010】
前述のような構成を含む本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
【0011】
第一に、本発明による層状構造を有する気体吸着媒体の構造上、各層の間に空間を確保することによって、広い表面積を確保することが可能であり、気体吸着能力の効率性を向上させることができる。
【0012】
第二に、層状構造を有する気体吸着媒体において、各層の間が容易に吸脱着可能な物質であらかじめ満たされていて、気体吸着のために満たされている物質を真空及び加熱を通じて脱着させることによって、気体が吸着しようとする空間を容易に形成し、気体吸着能力を高めることができると共に、気体吸着媒体をリサイクルすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態による気体吸着媒体の構造を示す図である。
【図2a】バナジウム五酸化物ナノワイヤー結晶質の構造を示す図である。
【図2b】バナジウム五酸化物ナノワイヤー結晶質の構造を示す図である。
【図3】本発明の実験例によるバナジウム五酸化物ナノワイヤー結晶質を熱重量分析法(TGA)で分析した結果図である。
【図4】水素吸着量を測定する質量分析機の構成を示す構成図である。
【図5】本発明の実験例によるバナジウム五酸化物ナノワイヤー結晶質の水素吸着特性を示す結果図である。
【図6】本発明の実施例による気体吸着媒体を利用した吸着ポンプを示す構成図である。
【図7】本発明の実施例で合成されたバナジウム五酸化物の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の例示的な実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は以下の例示的な実施形態に限定されず、多様な形態で実施することができる。したがって、本発明の例示的な実施形態は、本発明を開示するために提供され、本発明の範囲について当技術分野の通常の知識を有する者に情報を十分に提供する。また、明細書を通して、同様の要素には同様の参照番号を付す。
【0015】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態による気体吸着媒体では、イオン価が変化する物質120が互いに離隔されて層状構造を形成する。
【0016】
この場合、イオン価が変化する物質120は、化学結合に関与しない余分の電子を有しており、また、その構造が同じ結晶質が連続的に分布するものではなく、2つ以上の構造が互いに連結されている状態、すなわち非対称な構造を有することによって、余分の電子を有してもよい。
【0017】
本発明において、気体吸着媒体110は、多層構造を有する物質120を意味する。例えば、図1に示されたように、薄膜形態の構造を有する物質120である場合、物質120の層と層の間に空き空間130を有する。
【0018】
このように物質120内の空き空間130は、一般的に広く知られた層状構造を有する黒鉛のような物質でも存在するが、黒鉛の場合には、炭素の結合が安定した形態で存在するので、水素のように吸着しようとする物質が吸着されて空き空間に吸着されるとしても、容易に脱着され、吸着媒体として機能することができない。
【0019】
したがって、本発明の吸着の技術的原理は、化学結合を形成している構造物において、欠陥やその他の要因によって発生する余分の電子を利用して電気的及び化学的引力によって水素を含む吸着しようとする物質を吸着させることにある。
【0020】
一例として、バナジウムのような遷移金属が結晶を形成しながら層状構造を有する場合、化学結合が形成されるとき、その層状構造に存在するバナジウムは、それらの結合が酸素との結合とどんな形態で存在するかによって、5価または4価の形態を有する。このようなバナジウムイオン価の変化によってバナジウムと酸素間の結合がいずれか1つの部分で欠陥を有しているとき、余分の電子は、浮遊するようになり、このような電子は、外部で注入される分子や原子、すなわち吸着しようとする物質を容易に吸着しようとする特性を呈するようになる。また、バナジウム酸化物の場合、その構造がピラミッド形態の結晶質を有するが、これらのピラミッド結晶質が連続的に分布するものではなく、互いにずれた形態で存在し、バナジウム酸化物が非対称な構造を有するようになる。このような非対称性は、さらに他の余分の電子を有することができる効果を発揮する。
【0021】
しかし、バナジウム層の間の距離がマイクロメートルのように広い場合には、存在する化学結合が次の層間に影響を与える程度に強くないため、余分の電子を有する不安定な化学結合は、隣接の他の化学結合と相反して消える効果を有する。しかも、層と層の間の距離が長い場合、吸着される物質の吸着力より離脱しようとする力が強く作用し、吸着力が低下するようになる。すなわち、層間に物質が吸着されている場合には、両方の層でそれぞれ与えられる引力によって吸着力が高くなるが、層間の距離が長くなれば、層間、すなわち2つの層による引力は、ほぼ1つの層による引力に低減し、吸着力が低くなる。
【0022】
例えば、バナジウムのような元素は、酸素と結合するとき、それらの結合に対する均衡は、Vの場合には+3価を、VOの場合には+4価を有する。また、結合によってVの場合には、バナジウムが+4価と+5価で任意の割合で存在するようになる。このような任意の割合で均衡を取った場合には、それらのイオン価が変化する程度によって余分の電子が残るようになり、これらが吸着される物質を捕集する引力として作用するようになる。
【0023】
したがって、イオン価が変化しながら余分の電子を有する物質が層状構造を形成するとき、余分の電子を有する物質によって吸着しようとする物質を容易に吸着することができる。また、層状構造を有する物質間の引力によって吸着された物質は、強い化学結合を形成するものではないため、脱着も容易に行われることができる。すなわち、物質と吸着対象物間の結合は、共有結合、ファンデルワールス結合、イオン結合、水素結合または金属結合であるため、容易に脱着可能である。
【0024】
一方、空気を含む物質が吸着されることができる空間の確保は、非常に重要である。このような空間の確保は、イオン価が変化する物質が互いに離隔されて層状構造を有しているとき、充分に可能になり、このような空間で吸着しようとする物質がそれらのイオン価に依存して化学結合を形成する。この際、化学結合は、共有結合、ファンデルワールス結合、イオン結合、水素結合または金属結合を含む。
【0025】
このように、吸着しようとする物質を吸着するための気体吸着媒体110に使用される物質は、多層を構成するすべての層が同一の物質で形成されるか、または互いに異なる物質、例えば2つ以上の異なる物質で形成されることができる。
【0026】
この際、気体吸着媒体110の層を形成する物質120としては、ナノワイヤー結晶質を使用することができ、このようなナノワイヤー結晶質は、ナノ薄膜、ペレット、バルクまたはフィルム形状で形成されることができる。
【0027】
また、ナノワイヤー結晶質は、500nmより小さく、好ましくは、100nmより小さい、少なくとも1つの断面の寸法を含み、10より大きく、好ましくは50より大きく、さらに好ましくは100より大きい縦横比(長さ:幅)を有する。これら断面積のサイズは、10平方ナノメートルより大きく、100平方センチメートルより小さい。
【0028】
また、ナノワイヤー結晶質は、半導体ナノ物質、遷移金属と結合された化合物、及び遷移金属酸化物から選択されるいずれか1つの物質で形成することができる。
【0029】
この場合、半導体ナノ物質は、Si、Ge、Sn、Se、Te、B、C(ダイヤモンドを含む)、P、B−C、B−P(BP6)、B−Si、Si−C、Si−Ge、Si−Sn、Ge−Sn、SiC、BN/BP/BAs、AlN/AlP/AlAs/AlSb、GaN/GaP/GaAs/GaSb、InN/InP/InAs/InSb、BN/BP/BAs、AlN/AlP/AlAs/AlSb、GaN/GaP/GaAs/GaSb、InN/InP/InAs/InSb、ZnO/ZnS/ZnSe/ZnTe、CdS/CdSe/CdTe、HgS/HgSe/HgTe、BeS/BeSe/BeTe/MgS/MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、CuF、CuCl、CuBr、CuI、AgF、AgCl、AgBr、AgI、BeSiN、CaCN、ZnGeP、CdSnAs、ZnSnSb、CuGeP、CuSi、(Cu、Ag)(Al、Ga、In、Ti、Fe)(S、Se、Te)、Si、Ge、Al、(Al、Ga、In)(S、Se、Te)、AlCO、及びこれらのうち2個以上の組み合わせを含む群から選択されるいずれか1つを含むことができる。
【0030】
遷移金属としては、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、AuまたはHgを使用することができる。例えば、吸着しようとする物質が水素の場合、遷移金属はPtまたはPdのような元素と結合された化合物を形成することができる。
【0031】
また、遷移金属と結合された化合物は、Niが結合された化合物(例えば、LaNi、MnNi、MgNi)、Tiが結合された化合物(例えば、TiMn、TiV、TiFe、TiCo、TiVCr、TiVMn)、Cuが結合された化合物(例えば、MgCu)、Zrが結合された化合物(例えば、ZrMn、ZrV)、Liが結合された化合物(例えば、LiAl)などのように遷移金属がその他の物質または遷移金属と結合して安定する形態で存在する化合物から選択されるいずれか1つを含むことができる。
【0032】
遷移金属酸化物は、酸化バナジウム、例えばVO、V、Vのような組成比を有することができ、これらのイオン価が余分のイオン価で形成されることができる条件ならいずれの組成比でも可能である。
【0033】
PtまたはPdのような元素と結合された化合物は、水素と容易に反応するPtやPdのような元素が遷移金属、酸素などと結合された物質と結合された化合物から選択されるいずれか1つを含むことができる。一例として、水素センサーのようにPtやPdのような物質は、水素を吸着してセンサーとして使用されるが、吸着材としては使用されない。しかし、このような化合物が層状構造である場合、吸着が可能であり、また、遷移金属のような物質が余分の電子対を有している場合、PtやPdのような物質に空気を含むガスのような物質が吸着されるとき、吸着されるエネルギーを高めて、脱着される割合を低減することができる。また、Tiのように酸化しやすい物質を前述のような構造で形成させた場合、酸化による吸着と余分の電子による効果を同時に適用し、吸着を容易にすることができる。
【0034】
一方、前述のような遷移金属と結合された化合物及び遷移金属酸化物には、不純物イオンドーピングを通じてそれらの構造及びイオン価を形成させることができ、これらのドーピングは、試料の合成時にも可能であり、合成した後に、遷移金属イオンを利用したイオン注入工程を利用したドーピングも可能である。
【0035】
一例として、バナジウム五酸化物ナノワイヤーの場合には、試料の合成時にそれらの吸着能力を高めるために、PtやPdを含む物質が分子形態で存在する物質を一緒に注入することによって、層状構造の層または層間にドーピングが行われるようにすることもできる。
【0036】
例えば、図2a及び図2bに示すように、バナジウム五酸化物ナノワイヤー構造を参照すれば、バナジウム五酸化物ナノワイヤー結晶質220の間に試料の合成時に含まれた水230が構成されていることが分かる。この際、バナジウム五酸化物ナノワイヤー結晶質220の層間距離tは、約0.67nm程度になり、バナジウム五酸化物ナノワイヤー結晶質220の厚さは、約0.48nm程度になる。このようなバナジウム五酸化物ナノワイヤー結晶質220の層間距離tは、水230が捕集または脱着されるときに調節されるようになる。ここで、バナジウム五酸化物ナノワイヤー結晶質220の層間距離tは、両層のいずれにおいても引力が作用するように近くなければならないし、その距離が数百ナノメートル以上の場合には、その引力がほとんどない。したがって、バナジウム五酸化物ナノワイヤー結晶質220の層間距離tは、100nm以下、好ましくは、0.1〜100nmに維持しなければならない。
【0037】
図2bは、バナジウム五酸化物ナノワイヤー結晶質220が結晶を成して棒形状を有しているものを示す。このような棒形状の結晶質が複数個集まっているバルク形態が吸着しようとする物質を吸着するときに容易である。
【0038】
気体吸着媒体110のナノワイヤー結晶質は、幅W、高さ(または厚さ)d、及び長さLがそれぞれ数十ナノメートル、数ナノメートル、及び数十マイクロメートルであるナノワイヤー結晶質の全てのタイプを含む。
【0039】
一般的な薄膜は、3次元構造の上部に蒸着されるので、薄膜と薄膜の間に新しい物質を吸着するか、挿入することが困難である。これに比べて、その幅が数ナノメートルのナノワイヤー結晶質は、一般的な薄膜に比べて幅が非常に狭いため、吸着しようとする物質をナノワイヤーの間に吸着させようとするとき、顕著に低いエネルギーを要求する。
【0040】
また、本発明の気体吸着媒体110は、幅と高さが数ナノメートルのナノワイヤー結晶質に限定されず、このような幅と高差を有する名のワイヤー結晶質を基本にして層状構造を有する薄膜形態のすべての構造を含む。このような薄膜形態は、1つの層がすべて均一に分布し、その幅が数十ミリメートルから数十センチメートルのサイズを有する薄膜をすべて含む。この際、ナノワイヤー結晶質の幅が数ナノメートルから数十ナノメートルを有し、その単結晶が数ナノメートルの高さを有するとき、水素を含む物質を吸着することができる。
【0041】
また、幅が数十ナノメートルから数十または数百センチメートルの1つの層は、その長さが数十ナノメートルから数百センチメートルまで可能である。ここで、単結晶及び薄膜の厚さ、すなわち層と層の間の距離は、数ナノメートル以下の距離を有しなければならない。この層と層の間の距離は、水素を含む吸着しようとする物質の化学的及び物理的結合が安定的に行われなければならないので、その距離は、数ナノメートル以下でなければならない。仮に、チューブ形態、すなわち中空の円柱形状の場合には、その引力が全体的に均一に分布するので、その直径は、数百ナノメートルまで可能である。
【0042】
また、気体吸着媒体110は、その構造が平板であるものに限定されず、平板の構造が曲げられた形態、内部が空いている円柱形状、または球形状を含む大部分の構造形状で可能である。この際、各構造物は、結晶化された部分がナノメートル以上の表面積を有する結晶質を含むことが好ましい。
【0043】
前述したように、気体吸着媒体110は、多層構造のナノワイヤー結晶質と、それぞれの層の間に吸脱着可能な物質が化学的または物理的に結合されている構造を有する。この際、多層構造のナノワイヤー結晶質は、半導電性または導電性の結晶化された化合物が多重に積層された層状構造を形成したものであって、重畳されたすべての層は、同一の物質よりなることもでき、互いに異なる2つ以上の物質よりなることもできる。例えば、遷移金属及び水素と反応性が良いPtまたはPdのような物質が1つの化合物を形成している場合、これらの電気的特性は、伝導性または半導体性を呈するようになる。このような電気的特性を有する物質を層状構造で配置すれば、気体吸着媒体として機能することができる。
【0044】
ナノワイヤー結晶質が平板構造を有する薄膜を形成する場合、各層間の間隔は、1nm〜100nmが好ましく、丸い形状(円形)を有する場合には、直径が1nm〜1μmであることが好ましい。これは、化学的、物理的引力によって吸着物質を効率的に捕集し吸着を維持することができる距離を意味する。そして、層と層の間を構成するナノワイヤー結晶質は、幅が数ナノメートルから数マイクロメートル、大きくは数十センチメートル以上も可能であり、このサイズに限定されない。また、ナノワイヤー結晶質の高さもそのサイズに限定されない。これは、いろいろな単結晶が結合されて形成される構造でも可能であり、結合されている構造もそのサイズに限定されない。このようなナノワイヤー結晶質構造において層と層の間は、物質が吸着されるとき、層と層の間の距離が変化し、吸着力が強化される。このため、吸着物質が外部に排出される短所が補完される。一例として、バナジウム五酸化物ナノワイヤー結晶質は、気体を含む物質が外部から吸着されるとき、それら結晶質の間の距離が変化する。
【0045】
一方、本発明の気体吸着媒体110の製造方法について以下に説明する。
【0046】
気体吸着媒体110は、金属酸化物、半導体酸化物、遷移金属が結合された化合物、及び遷移金属酸化物から選択されるいずれか1つを利用して形成するか、これらにイオン交換樹脂及び溶媒を追加し混合して形成する。
【0047】
この際、イオン交換樹脂は、金属酸化物または半導体酸化物が成長することを助ける役目をする。また、溶媒は、ナノワイヤー結晶質内に安着され、金属酸化物結晶質、半導体酸化物結晶質または溶媒−金属(または、半導体)酸化物結晶質を含むナノワイヤー結晶質が形成されるようにする。
【0048】
気体吸着媒体110は、ゾルゲル法、スパッタリング法を含む薄膜蒸着方法または化学的物理的蒸着方法で製造することもできる。具体的に、ゾルゲル法を用いて既に形成されたナノワイヤー結晶質をフィルムまたはバルク形態の構造物で製作するか、薄膜形態を直接成長して製造する。すなわち、薄膜を積層して層と層の間に空いている空間を直接形成することができ、または、層と層の間に犠牲層を形成し、試料の製作後に除去して、層と層の間に空き空間を形成する方法も可能である。例えば、後者の場合、気体吸着媒体の製作時に、シリコン酸化膜、またはシリコン窒化膜のような犠牲層を層と層の間に形成し、気体吸着媒体を製作した後、犠牲層をエッチング工程を利用して除去する。
【0049】
また、気体吸着媒体110は、相互の凝集力、すなわちナノワイヤー結晶質と、ナノワイヤー結晶質とを凝集する能力を高めるために、ナノ粒子、分子またはポリマーを利用してバルク形態で製作することもできる。
【0050】
一方、多層構造のナノワイヤー結晶質は、ナノ薄膜、ペレットまたはフィルム形状などの構造を成している。これら構造のうちナノ薄膜形態は、スピンコーティング法、スポイトまたはピペットを利用した吸着方式、圧力をかけてペレットを形成する方法、または層と層を多重に形成するスプレー法を含む方法のうちいずれか1つの方法で形成する。
【0051】
具体的に、ナノワイヤー結晶質とナノワイヤー化合物が溶媒に含まれている場合、溶媒をすべて蒸発または除去した後、ナノワイヤー結晶質とナノワイヤー化合物を構造体内に入れて加圧してペレット形態の構造物を製作するか、ナノワイヤー結晶質とナノワイヤー化合物が溶媒中に含まれている場合、これを濾紙を含めた濾過装置に通過させて溶媒を濾過する方式でフィルム形状の構造体を製作するか、またはスピンコーティング法、スポイトまたはピペットを利用した吸着方式またはスプレー法などを利用してナノ薄膜を形成することができる。
【0052】
スピンコーティングを利用した方法は、ナノワイヤー結晶質をスポンジのような多孔性物質または網構造の物質に吸着または付着させる方法である。この際、スピンコーティング回数を適切に増加させて、複合的積層構造を有する薄膜を製作することができる。具体的に、多孔性物質にナノワイヤー結晶質を吸着させた後、その上部に他の多孔性物質を積層させた後、さらにナノワイヤー結晶質をスピンコーティングする方法で製作する。
【0053】
スプレー法は、多孔性物質または網構造の物質にナノワイヤー結晶質を噴射して薄膜を製作する。この際、スピンコーティング方法と同様に、多孔性物質にナノワイヤー結晶質を噴射して吸着させ、その上部にさらに他の多孔性物質を積層させた後、さらにナノワイヤー結晶質を噴射して製作する。
【0054】
一方、気体吸着媒体110は、安定した構造で多層構造のナノワイヤー結晶質を形成するために、隣り合う層が互いに支持されるようにナノワイヤー結晶質の間に吸脱着可能な物質(例えば、水分子)を含むことができる。この際、吸脱着可能な物質は、化学結合や物理的結合を通じてナノワイヤー結晶質と結合される。このように、多層構造のナノワイヤー結晶質は、各層の間にその他非結晶質及び吸脱着が可能な物質が結合されている場合、熱処理工程を通じてこれらの結合を分解し、吸脱着が可能な物質をナノワイヤー結晶質から脱離させることができ、このような吸脱着可能な物質の脱離によって生成された層間の空き空間に水素を含む吸着しようとする物質を吸着することができる。
【0055】
また、多層構造のナノワイヤー結晶質の間に水素を含む吸着しようとする物質が吸着されるようにするために、ナノワイヤー結晶質の表面に表面処理をすることもできる。この際、表面処理では、シラン基、アミン基またはカルボキシル基を有する分子を使用することができる。例えば、シラン基を有する分子は、APTES(アミノプロピルトリエトキシシラン)、APTMS(アミノプロピルトリメトキシシラン)を使用することができ、これら分子は、ナノワイヤー結晶質の表面に処理され、ナノワイヤー結晶質とナノワイヤー結晶質との間の引力を増加させて、ナノワイヤー結晶質が容易に結集されるように助けることによって、試料を安定に維持するようにする。
【0056】
また、ナノワイヤー結晶質を表面処理する方法以外に、吸着力を増大させるために、ナノワイヤー結晶質の形成工程時に追加される溶媒に表面積が大きい物質を混合することもできる。この際、表面積が大きい物質は、そのサイズが数ナノメートルから数千マイクロメートルの表面積を有する物質、例えば、1平方nm〜1000平方μmの表面積を有する物質であって、これら物質には、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリエチレンのようなポリマー、炭素ナノチューブ、伝導性及び非伝導性ナノワイヤー及びペンタセン、ナフタレンのような有機物などのナノドット形態などが含まれる。このような物質がナノワイヤー結晶質の合成時に溶媒に混合されれば、合成されたナノワイヤー結晶質の凝集力と表面積が増加し、吸着しようとする物質の吸着容量を増加させることができる。例えば、ポリピロールを使用する場合、ポリピロールは、電気化学的方法を利用してナノサイズの物質を製作することができるので、ポリピロールの合成時にナノワイヤーを注入して合成すれば、ナノワイヤー−ポリピロール化合物が結晶化され、ナノワイヤー結晶質間の凝集力が強くなり、このため、吸着しようとする物質が吸着されたときには、ポリピロールの表面張力によって物質の脱着が難しくなる。
【0057】
また、本発明は、前述の気体吸着媒体を備える気体吸着ポンプを提供する。本発明による気体吸着媒体を利用した吸着ポンプの例を図6に示す。
【0058】
図6に示された吸着ポンプは、冷凍機630と、冷凍機630上に備えられた冷却パネル620と、冷却パネル620上に備えられたナノワイヤー吸着媒体610とを含む。
【0059】
図6による吸着ポンプは、冷凍機630から伝達される冷却が冷却パネル620に伝達され、このように伝達された冷却がナノワイヤー吸着媒体610を冷却させて、周囲に分布する気体分子を吸着する。
【実施例】
【0060】
気体吸着媒体の製造
(バナジウムナノワイヤー結晶質の製造)
メタバナジン酸アンモニウム0.4gとイオン交換樹脂4gを一緒に80mLの蒸留水に入れ、72時間以上放置し、ナノワイヤーを合成した。割合を一定に調節すれば、時間が経つにつれてゾル形態の物質がゲル形態の物質に変わって、ナノワイヤーが形成される。蒸留水に含まれているナノワイヤーとナノワイヤー化合物を濾過装置に通過させて蒸留水を除去した後、フィルム形状の構造体を製作した。
【0061】
合成されたバナジウム五酸化物結晶質の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図7に示す。図7に示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真は、ナノワイヤーをシリコン酸化物基板上に滴下した後、走査型電子顕微鏡チャンバーに挿入して得たものである。結果から分かるように、ナノワイヤーの網構造がナノワイヤー結晶質によって形成されている。
【0062】
(実験例)
バナジウムナノワイヤー結晶質の吸着量測定
本実験例では、実施例で製造されたバナジウム五酸化物を気体吸着媒体として含む気体吸着装置の気体吸着量を分析するために、熱重量分析法(TGA)を使用して実験し、その結果を図3に示す。この際、実験方法は、温度による重さ(重量比)の変化を測定し、試料の組成分析及び熱安定性に関する情報を提供し、本実験では、気体が吸着されていない状態で、気体の吸着量が最大どれほどの重量%(W%)になることができるかを調べるために、気体が吸着される以前に吸脱着可能な物質で満たされていた気体吸着媒体の質量と、吸脱着可能な物質がすべて除去された時の気体吸着媒体の質量とを比較し、気体の最大吸着量を測定した。
【0063】
図3に示すように、バナジウムナノワイヤー結晶質が含まれていた溶媒をすべて除去した状態で、バナジウムナノワイヤー結晶質をTGA分析機に挿入し、温度を0℃から700℃まで上げた結果、バナジウムナノワイヤー結晶質の質量は、500℃近くで最初100重量%から75重量%まで減少したことが分かる。これは、バナジウムナノワイヤー結晶質に吸着されていた水が排出され、バナジウムナノワイヤー結晶質のみ存在するときの質量が最初の気体吸着媒体の質量の75重量%であることを意味し、このような結果は、気体を気体吸着媒体質量の最大25重量%まで吸着することができることを示す。また、これは、既に満たされていた水を完全に除去したときの質量の変化を意味する。これは、試料の製作時に入っていた水の量を示すものであり、これから、バナジウムナノワイヤーは、空気中でも水分子を良好に捕集することを示す。すなわち、一般的な吸着ポンプで空気中に浮遊する水を良好に吸収することができることを示す。これは、吸着ポンプ及びその他ポンプを利用して真空を作るために最も至急に必要な水の除去に最も効率的に適用されることができる。
【0064】
一方、気体吸着のための吸着ポンプは、真空状態でその微細な分子量によって除去しにくい水素を除去することも役目である。このために、水素吸着の特性をバナジウムナノワイヤーを利用して行った。
【0065】
気体吸着媒体に吸着された水素吸着量を測定する方法には、様々なものが知られている。ここでは、質量分析機、すなわち、QCM(Quartz Crystal Microvalance)装置を利用して水素吸着量を測定した。QCM装置の構成を図4に示す。
【0066】
図4を参照すれば、QCM装置は、2つの電極420(1つの電極は410の後方にある)と、電極420の間に介在された石英振動子410とを含む。その動作原理は、次の通りである。両方の電極420に交流電圧ACを印加し、石英振動子410を振動させ、これにより、共鳴が起きる振動数を決定する原理よりなる。ここで、石英振動子410の共鳴振動数は9MHzであり、当該共鳴振動数で石英振動子410上に質量を有する物体が載置されれば、固有共鳴振動数が変化する。この際、共鳴振動数の変化量は、質量変化と密接な関係を有する。すなわち、Dm=−1.068Df(ng)で表される。“1.068Df”は、使用した石英の特性に関連する定数であり、単位は、ナノグラムで表される。
【0067】
このようなQCM装置に吸着量を分析しようとする気体吸着媒体を載置し、振動子を利用して振動を加えて、それらの応答特性を測定する。このようなQCM装置を加熱及び冷却させることができ、真空を作ることができるチャンバー内に配置し、外部でそれらの特性を測定する。この際、周波数が減少すれば、質量が増加することを意味し、周波数が増加すれば、質量が減少することを意味する。
【0068】
(水素吸着量分析)
図5は、水素吸着量を分析したグラフであって、X軸は、時間であり、Y軸は、周波数である。
【0069】
図5を参照すれば、「領域A」では、図4のQCM装置に載置された試料を温度20℃、圧力1×10−3Torrに維持しつつ測定した周波数であり、「領域B」では、試料を同一の真空度で100℃に温度を上げた区間であり、「領域C」では、同一の温度、すなわち100℃で圧力を11.3atmに上げた区間であり、「領域D」では、同一の圧力、すなわち11.3atmで温度を20℃に下った区間であり、「領域E」では、20℃で圧力を20気圧に上げた区間であり、「領域F」では、同一の温度(20℃)で圧力を1.6×10−3Torrに下げた区間である。このような測定は、気体吸着能力を分析するときに容易である。すなわち、同一の圧力で温度を100℃から20℃に下げた時に変化する質量変化、すなわち「区間I」から吸着される気体の量を分析することができる。このような測定を通じて得られた水素の温度による吸着量は、2.6wt%である。すなわち、全体吸着質量が占める割合がナノワイヤーの質量と吸着質量の合計に対して2.6wt%であることが分かる。これから、吸着量が温度変化に敏感であることが分かる。これは、吸着ポンプで使用する極低温での吸着に容易に使用することができるようにする。また、図5の結果から、同一の温度で圧力の変化は「区間II」のように吸着がさらに容易に行われることが分かる。
【0070】
本発明の技術的思想は、好ましい実施形態において具体的に説明されたが、前述の実施形態は、その制限のためのものではないことに注意すべきである。特に、本発明は、バナジウム五酸化物ナノワイヤー結晶質を具体的な例として説明したが、本発明の気体吸着媒体はバナジウム五酸化物ナノワイヤー結晶質にのみ限定されない。前述したように、遷移金属とその他金属及び元素との結合によって形成された吸着媒体、これらの結晶質よりなるバルク形態の吸着媒体、及びPtまたはPdと化学的に結合する化合物は、すべて含まれ、ただこれらの結晶が多層構造、すなわち層と層の間に空間を確保することができる構造では、すべて成立する。また、試料の合成時に容易に排出される物質が含まれている構造も可能であり、合成後に除去される構造も可能である。また、本発明は、この技術分野の通常の知識を有する者なら本発明の技術思想から逸脱しない範囲内で多様な変更が可能であることを理解することができる。
【符号の説明】
【0071】
110 気体吸着媒体
120 イオン価が変化する物質ナノワイヤー結晶質
130 空き空間
210 気体吸着媒体
220 バナジウム五酸化物ナノワイヤー結晶質
230 水
410 石英振動子
420 電極
430 ナノワイヤー
610 ナノワイヤー吸着物質
620 冷却パネル
630 冷凍機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学結合に関与しない余分の電子を含みイオン価が変化する物質で形成される層が互いに離隔されている多層の層状構造を有する、気体吸着媒体。
【請求項2】
前記多層の層状構造において、各層の間には、吸脱着が可能な分子形態の物質が前記イオン価が変化する物質と化学的または物理的に結合されている、請求項1に記載の気体吸着媒体。
【請求項3】
前記多層の層状構造において、各層は、互いに同一の物質で形成され、または互いに異なる物質で形成される、請求項1に記載の気体吸着媒体。
【請求項4】
前記多層の層状構造において、各層は、互いに0.1nm乃至100nmで離隔されている、請求項1に記載の気体吸着媒体。
【請求項5】
前記イオン価が変化する物質は、2つ以上の構造が互いに連結されて非対称な構造を有する、請求項1に記載の気体吸着媒体。
【請求項6】
前記イオン価が変化する物質は、ナノワイヤー結晶質である、請求項1に記載の気体吸着媒体。
【請求項7】
前記ナノワイヤー結晶質は、半導体ナノワイヤー物質、遷移金属が結合された化合物、及び遷移金属酸化物よりなる群から選択されるいずれか1つで形成される、請求項6に記載の気体吸着媒体。
【請求項8】
前記半導体ナノ物質は、Si、Ge、Sn、Se、Te、B、C(ダイヤモンドを含む)、P、B−C、B−P(BP6)、B−Si、Si−C、Si−Ge、Si−Sn、Ge−Sn、SiC、BN/BP/BAs、AlN/AlP/AlAs/AlSb、GaN/GaP/GaAs/GaSb、InN/InP/InAs/InSb、BN/BP/BAs、AlN/AlP/AlAs/AlSb、GaN/GaP/GaAs/GaSb、InN/InP/InAs/InSb、ZnO/ZnS/ZnSe/ZnTe、CdS/CdSe/CdTe、HgS/HgSe/HgTe、BeS/BeSe/BeTe/MgS/MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、CuF、CuCl、CuBr、CuI、AgF、AgCl、AgBr、AgI、BeSiN、CaCN、ZnGeP、CdSnAs、ZnSnSb、CuGeP、CuSi、(Cu、Ag)(Al、Ga、In、Ti、Fe)(S、Se、Te)、Si、Ge、Al、(Al、Ga、In)(S、Se、Te)、AlCO、及びこれらのうち2個以上の組み合わせよりなる群から選択されるいずれか1つを有する、請求項7に記載の気体吸着媒体。
【請求項9】
前記遷移金属は、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、及びHgから選択されるいずれか1つである、請求項7に記載の気体吸着媒体。
【請求項10】
前記遷移金属が結合された化合物は、LaNi、MmNi、MgNi、TiMn、TiV、TiFe、TiCo、TiVCr、TiVMn、MgCu、ZrMn、ZrV、及びLiAlから選択されるいずれか1つである、請求項7に記載の気体吸着媒体。
【請求項11】
前記遷移金属酸化物は、酸化バナジウムである、請求項7に記載の気体吸着媒体。
【請求項12】
前記酸化バナジウムは、VO、V、及びVから選択されるいずれか1つである、請求項11に記載の気体吸着媒体。
【請求項13】
前記ナノワイヤー結晶質は、ナノ薄膜、ペレット、バルク、またはフィルム形状である、請求項7に記載の気体吸着媒体。
【請求項14】
前記ナノワイヤー結晶質は、イオン注入を通じてイオンがドーピングされる、請求項7に記載の気体吸着媒体。
【請求項15】
前記イオンは、遷移金属から選択されるいずれか1つである、請求項14に記載の気体吸着媒体。
【請求項16】
前記ナノワイヤー結晶質は、イオン交換樹脂及び溶媒をさらに追加して形成される、請求項7に記載の気体吸着媒体。
【請求項17】
前記溶媒には、表面積が1平方ナノメートル乃至1000平方マイクロメートルの物質が混合される、請求項16に記載の気体吸着媒体。
【請求項18】
前記溶媒には、炭素ナノチューブ、伝導性ナノワイヤー、非伝導性ナノワイヤー、及び有機物よりなる群から選択されるいずれか1つのナノドット形態の物質が混合される、請求項16に記載の気体吸着媒体。
【請求項19】
前記溶媒には、ポリピロール、ポリアセチレン、及びポリエチレンよりなる群から選択される1つ以上のポリマーが混合される、請求項16に記載の気体吸着媒体。
【請求項20】
前記ナノワイヤー結晶質は、シラン基を有する分子、アミン基を有する分子、及びカルボキシル基を有する分子よりなる群から選択されるいずれか1つの分子を利用して表面処理される、請求項7に記載の気体吸着媒体。
【請求項21】
前記シラン基を有する分子は、アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)またはアミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)である、請求項20に記載の気体吸着媒体。
【請求項22】
請求項1に記載の気体吸着媒体を備える、吸着ポンプ。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−502037(P2011−502037A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530916(P2010−530916)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【国際出願番号】PCT/KR2008/003053
【国際公開番号】WO2009/069868
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【Fターム(参考)】