説明

気体試料採取装置

【課題】試料から揮発した成分を含む試料ガスを連続的又は間欠的に繰り返し採取して分析する動作を長期間に亘り実行できるようにする。
【解決手段】試料2を収容した密閉容器1に所定流量の希釈ガスを供給する補給ガス流路14と、ポンプ6動作により容器1から試料ガスを吸引する試料ガス管路16上に直接希釈ガスを導入する希釈ガス流路15を設ける。容器1から吸引された試料ガスは希釈ガスで希釈されて成分濃度が低下して分析装置3に導入されるため、元の成分濃度が高過ぎても分析装置3での測定レンジオーバーとなることを回避できる。一方、容器1から吸引された試料ガスに見合う量だけ希釈ガスが新たに容器1内に補給されるため、容器1内のガス量は減らず、回数制限なく繰り返し測定が行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体状、液体状、粉体状などの試料から揮発する成分を採取してにおい測定装置などの分析装置に導入するための気体試料採取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体試料や固体試料から揮発する成分をガスクロマトグラフ、ガス分析装置、におい測定装置などの各種分析装置に導入するための試料採取装置として、従来、ヘッドスペースサンプラが広く利用されている。ヘッドスペースサンプラを用いた試料採取法では、液体試料や固体試料などを密封容器内に収容し、該試料から揮発する成分が混じった容器内のガスをシリンジや該容器に接続したサンプルチューブなどにより吸引して分析装置に供給するようになっている(例えば特許文献1など参照)。
【0003】
しかしながら、上記のような従来のヘッドスペースサンプラでは次のような幾つかの問題がある。
(1)ヘッドスペース容器の容量以上のヘッドスペースガスを調製することはできないから、同じ気体試料を繰り返し吸引したい場合でも、上記容量によって吸引回数が制限されてしまう。そのため、例えば試料の時間的な変性や変化に伴う成分の変化などを測定したい場合でも、十分な変化を捉えられないおそれがある。
【0004】
(2)特定のガスの存在条件下で試料が発酵や反応を生じた結果、発生する気体試料を分析したい場合、始めに容器内に収容した特定のガスが消費されてしまうとそれ以上発酵や反応が進まなくなる。そのため、これが制約となって十分な分析結果を得られない場合がある。
【0005】
(3)サンプルチューブを介してヘッドスペース容器と分析装置とを直結した場合、容器から採取されたガス中の試料成分の濃度が高すぎて分析装置の測定レンジを超えてしまうことがあり、そうした場合には正確な分析が行えない。さらにまた、容器から採取されるガス中の試料成分濃度はコントロールできないため、濃度と検出信号との関係を示す検量線の作成などには利用することができない。
【0006】
【特許文献1】特開2007−10313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その第1の目的は、繰り返しの吸引回数の制限をなくすことにより、長期間に亘る繰り返し連続測定を行うことができるような気体試料採取装置を提供することにある。
【0008】
また本発明の第2の目的は、特定ガスの存在下で起こる反応などで発生する成分の測定についても、長期間に亘り繰り返し行うことができる気体試料採取装置を提供することにある。
【0009】
また本発明の第3の目的は、容器内での成分濃度が分析装置の測定レンジを超えるほど高い場合でも支障なく測定を行うことができる気体試料採取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために成された本発明は、試料から発生する気体成分を含む試料ガスを採取して連続的又は間欠的に分析装置に導入するための気体試料採取装置であって、
a)試料を密閉収納した容器と、
b)前記分析装置による吸引動作に応じて、前記容器内の上部空間の試料ガスを該容器から取り出して前記分析装置に送出するための試料ガス流路と、
c)前記試料ガス流路を通して試料ガスが吸引されるときに、少なくともその吸引流量に相当する流量の希釈ガスを前記試料ガス流路とは別の流路であるガス補給流路を通して前記容器内に送り込むガス補給手段と、
を備えることを特徴としている。
【0011】
ここで、ガス補給手段は、希釈ガスのガス源やガス流路のほか、流量を調整するための流量制御部、ガスの流通の有無を制御するバルブなどを含んで構成されるものとすることができる。
【0012】
本発明に係る気体試料採取装置では、試料から揮発した試料成分が容器内に充満した状態で分析装置の吸引動作が例えば所定時間だけ行われると、その間に試料ガス流路を通して容器内の所定量の試料ガスが吸引されて分析装置に導入される。一方、これに伴い密閉された容器内のガス量は減少するが、少なくともその吸引流量に相当する流量の希釈ガスがガス補給手段により容器内に送給される。なお、このガス補給手段によるガスの補給は連続的であってもよいし間欠的であってもよい。希釈ガスの補給によって容器内のガス量(又はガス圧)は先の吸引動作前の状態にほぼ戻るため、再び試料から揮発する成分を含んで試料ガスとなる。
【発明の効果】
【0013】
このようにして本発明に係る気体試料採取装置によれば、試料ガスの主体である任意の希釈ガスを補給し続けながら、長期間に亘って容器内に収容された試料から揮発する各種成分の分析を連続的に行うことができる。従って、例えば試料の経時的な変性や変化に伴う試料成分の変化などを測定したい場合に、特に好適である。
【0014】
また、希釈ガスは、例えば特定成分を添加した空気や特定ガスなど、必要に応じて任意のガスを用いることができる。従って、例えば特定のガスの存在の下で、或いは特定のガスが存在しない条件の下で、試料の変性、腐敗、分解、反応などが進行して発生する成分を分析するような場合に、それら現象の進行を円滑に行って目的とする成分を長期間に亘って測定することが可能となる。
【0015】
また本発明に係る気体試料採取装置の一態様として、前記ガス補給流路を通して供給される希釈ガスを分岐して前記試料ガス流路の途中に送り込む希釈用流路をさらに備え、前記分析装置による吸引動作に応じて、前記容器から吸引した試料ガスを前記希釈用流路を通して供給した希釈ガスで希釈して送出するようにした構成とすることができる。
【0016】
なお、この構成では、希釈用流路を通して試料ガス流路に送り込む希釈ガスの流量と、ガス補給流路を通して容器に送り込む希釈ガスの流量とをそれぞれ独立に調節可能な流量制御部を備えることが望ましい。また、両者の流量の比を調節できるようにしてもよい。
【0017】
上記構成によれば、容器内から吸引される試料ガス中の試料成分の濃度が高過ぎる場合でも、これを適宜希釈し濃度を下げて分析装置に送り込むことができる。これにより、分析装置での測定レンジをオーバーして結果が飽和するような事態を回避することができ、分析の正確性や信頼性の向上に寄与する。また、希釈用流路を通して試料ガス流路に送り込む希釈ガスの流量を多段階に調節可能な構成としておけば、分析装置に導入する試料ガスの成分濃度を多段階に調整することができるので、検量線の作成などに利用することが可能となる。
【0018】
なお、分析装置による試料ガスの吸引が行われていないときには、希釈用流路を通した希釈ガスの送給を止めるようにしてもよいが、希釈ガスを流し続け、この希釈ガスが試料ガス流路を逆流して容器内に吐き出されるようにするとよい。これによれば、試料ガス流路において希釈用流路の接続部と容器側の末端部との間の壁面に付着した、前回の測定時の試料成分を希釈ガスの流れによってその壁面から離脱させて容器内に戻すことができる。これにより、コンタミネーションが軽減される。
【0019】
また本発明に係る気体試料採取装置の一態様として、前記容器内の試料ガスを大気中に漏出させる漏出流路をさらに備え、前記ガス補給手段は前記漏出流路を通した前記容器内からの漏出流量に相当する流量の希釈ガスをさらに加えて前記ガス補給流路を通して前記容器内に送り込む構成としてもよい。
【0020】
例えば、分析装置としてにおい測定装置を用い、試料が発するにおいを測定するような場合には、機器分析と並行して人間の官能による評価を行いたいようなことがよくある。上記構成では、漏出流路を経て容器内の試料ガスが漏れ出して来るから、これを人間が直接嗅ぐことにより官能評価を行うことができる。また、人間が嗅ぐ代わりに他の分析装置、例えばガスクロマトグラフなどに漏出した試料ガスを導入することで、別の分析装置による分析を同時並行的に進めることもできる。
【0021】
例えば、試料が発酵、腐敗、化学変化などの変性や変化により試料成分を発するものである場合、分析の正確性を高めるにはそうした変性や変化の際の条件をできるだけ一定に維持するのが好ましい場合がある。例えばガス圧がそうした条件の1つである場合には、容器内のガス圧を一定に維持しながら希釈ガスを容器内に送ることが好ましいから、容器内のガス圧を検出するガス圧検出手段と、その検出圧に基づいて前記容器内に供給する希釈ガスの流量を制御する制御手段と、をさらに備える構成とするとよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の一実施例である気体試料採取装置について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施例による気体試料採取装置のブロック構成図、図2及び図3はこの気体試料採取装置の動作を説明するための構成図である。
【0023】
密閉可能な容器1内に試料2が収容され、本実施例の気体試料採取装置10は、容器1内の上部空間にある、試料2から発する試料成分を含む試料ガスを採取して分析装置3に導入する。分析装置3は、試料ガスを吸引するポンプ6と、ポンプ6により吸引された試料ガス中の試料成分に対する物理的或いは化学的な測定を行う測定部4と、該測定部4やポンプ6を制御する制御部5を含む。分析装置3としては様々なものが考え得るが、ここでは一例として、分析装置3は例えば本願出願人が特許3882720号公報等で提案しているにおい測定装置であるとする。
【0024】
気体試料採取装置10は、容器1中に一端が挿入される管路として、試料ガス管路16、補給ガス管路14、及び漏出ガス管路17を有し、試料ガス管路16の他端は分析装置3の試料ガス導入口7に接続されている。漏出ガス管路17の他端は大気に開放した官能評価用サンプル排出口29となっており、漏出ガス管路17には抵抗管28が配設されている。補給ガス管路14にも抵抗管25が配設され、該管路14の他端は分岐部18において、希釈ガス管路15、第1補助ガス供給管路12、第2補助ガス供給管路13の一端に接続されている。希釈ガス管路15には手動により流量調節が可能なニードル弁26と流量計27とが配設され、その他端は試料ガス管路16の途中に接続されている。第1補助ガス供給管路12にはマスフローコントローラ(MFC)20と流量計21とが配設され、第2補助ガス供給管路13にはストップ弁22とマスフローコントローラ(MFC)23と流量計24とが配設され、両管路12、13の他端は希釈ガスボンベ8に一端が接続された希釈ガス供給管路11の他端に接続されている。ストップ弁22は電磁弁であり、分析装置3の制御部5から制御信号を受ける制御部30によりその開閉が制御される。
【0025】
分析装置3は例えば1時間毎など所定時間t間隔で、つまり間欠的に試料2から発するにおいを分析するような測定動作を行うものとする。制御部5は所定時間tが経過する毎に1回、或る一定時間、例えば1分間、ポンプ6を動作させることで容器1内の試料ガスを吸引し、測定部4はその試料ガスに含まれる試料成分を検出し、その検出信号を解析処理することによりにおい検出結果を出力する。即ち、分析装置3は間欠的に試料ガスを吸引する。制御部5はポンプ6のオン/オフ信号を制御信号として制御部30に送る。分析装置3により試料ガスが吸引されていないとき、及び、吸引されているときの気体試料採取装置10におけるガスの流れをそれぞれ説明する。
【0026】
(1)分析装置3による試料ガス非吸引時
図2は、分析装置3により試料ガスが吸引されていないときの気体試料採取装置10におけるガスの流れを示す概略図である。このとき、ポンプ6はオフされており、制御部30によりストップ弁22は閉鎖される。従って、第2補助ガス供給管路13を通してガスは流れず、ガスの流れの観点から第2補助ガス供給管路13はないものとみなすことができる(それ故に図2では管路を点線で示している)。
【0027】
希釈ガスボンベ8のガス供給口のガス圧は容器1内のガス圧よりも十分に高いから、図2に示すように、希釈ガスは希釈ガスボンベ8から希釈ガス供給管路11、第1補助ガス供給管路12を経て流れ、分岐部18において補給ガス管路14、希釈ガス管路15に分岐する。なお、ここではニードル弁26は適宜の流量が得られるように開放されている(完全には閉じられていない)ものとする。補給ガス管路14に流れた希釈ガスは容器1内に吐き出され、他方、希釈ガス管路15に流れたガスは試料ガス管路16を経て、後述のように試料ガス供給時とは逆向きに流れて容器1内に吐き出される。このときに、容器1内に供給されるガスの流量はマスフローコントローラ20の流量設定値で決まる。また、補給ガス管路14と希釈ガス管路15とを流れる試料ガスの流量比は、主として抵抗管25とニードル弁26の流れ抵抗の比で決まる。
【0028】
上記のように連続的に供給される希釈ガスによって容器1内のガス圧は大気圧よりも高い正圧に維持される。そのため、漏出ガス管路17の両端の圧力差と抵抗管28の流れ抵抗により決まる流量で以て容器1内の試料ガスは漏出ガス管路17を通って流れ出し、官能評価用サンプル排出口29から大気中に吐き出される。例えば分析者や評価者が試料ガスのにおいの官能評価を行ったり或いはにおいの確認を行ったりする場合には、官能評価用サンプル排出口29から吐き出される試料ガスのにおいを鼻で嗅ぐようにすればよい。
【0029】
基本的には(試料2から発生するガス成分の量が容器1内のガス容量に比べて十分に小さければ)、漏出ガス管路17を通って容器1内から流出する試料ガスの流量に見合うようにマスフローコントローラ20の流量設定値を決めることにより、容器1内を常に正圧で且つほぼ一定のガス圧に維持することができる。ここではこの流量がγ[mL/min]であるとする。また、試料2が特定のガスが存在する雰囲気の下で測定対象の試料成分を発する場合、例えば腐敗や発酵などの化学的変化に伴うにおいの変化を測定したいような場合には、希釈ガスに酸素など、そうした化学的変化に必要なガス成分を混合するとよい。一般的に、希釈ガスとして酸素が必要な場合には高純度空気(エアーairと呼ばれる)、酸素が不要又は酸素が妨害になる場合には窒素ガスを希釈ガスとして用いるとよい。
【0030】
(2)分析装置3による試料ガス吸引時
図3は、分析装置3により試料ガスが吸引されているときの気体試料採取装置10におけるガスの流れを示す図である。このとき、ポンプ6はオンされており、制御部30によりストップ弁22は開放される。従って、第1補助ガス供給管路12、第2補助ガス供給管路13の両方を通して並行的に希釈ガスは流れ、分岐部18で一旦合流し、それから補給ガス管路14、希釈ガス管路15に分岐する。このときに供給される希釈ガスの合計流量はマスフローコントローラ20、23のそれぞれの流量設定値で決まる。
【0031】
ポンプ6が作動して試料ガス管路16を通して容器1から試料ガスが吸引されるが、このとき希釈ガス管路15を通して流れる希釈ガスは試料ガス管路16に入り上記試料ガスに混じって分析装置3に向かって流れる。これにより、試料ガスは希釈ガス管路15から流れ込む希釈ガスにより希釈され、つまりオンライン希釈されて分析装置3に導入される。
【0032】
ポンプ6の吸引流量はそのポンプ6の特性により決まっており、ここでは流量がβ[mL/min]であるとする。このとき、第2補助ガス供給管路13を通して流れるガスの流量がβ[mL/min]となるようにマスフローコントローラ23を調整しておく。また、第1補助ガス供給管路12を通して流れるガス流量は試料ガス非吸引時と同じであるからγ[mL/min]である。希釈ガス管路15を通して流量α[mL/min]の希釈ガスが流れ、一方、補給ガス管路14には(β−α)+γ[mL/min]の流量の希釈ガスが流れる。上述のように分析装置3に導入されるガス流量は決まっているから、試料ガス管路16を通して流量が(β−α)[mL/min]である試料ガスが容器1内から吸引され、希釈ガス管路15を通して供給される希釈ガスが混合されて流量がβ[mL/min]になって分析装置3に吸引される。
【0033】
即ち、容器1内の試料ガスは希釈されて分析装置3に導入されることになり、そのときの希釈率は(β−α)/βとなる。補給ガス管路14の流れ抵抗は一定であるから、ニードル弁26の絞り量(流れ抵抗)を調節することで、補給ガス管路14と希釈ガス管路15に流れるガス流量の比を変えることができ、それによって希釈率も調整することが可能である。一方、補給ガス管路14を通して容器1内には上記のようなガス吸引によって減少した量の希釈ガス及び漏出ガス管路17を通して排出される量に相当する希釈ガスが補給されるため、容器1内のガス量をほぼ一定に維持することができる。
【0034】
上記構成の気体試料採取装置の具体的な用途の一例として、試料2を牛乳とヨーグルト菌との混合物とし、その発酵過程におけるにおいをにおい測定装置で測定するようにすることができる。この場合、ヨーグルト菌の発酵には酸素が必要であるから、希釈ガスとしては高純度空気を用いるとよい。但し、乾燥した希釈ガスでは試料2が乾燥するおそれがあるため、高純度空気に対し適宜の水蒸気を付加する加湿手段又は調湿手段を例えば希釈ガス供給管路11上に設けるとよい。このとき、上記各流量としては、例えばα=100[mL/min]、β=165[mL/min]、γ=30[mL/min]と設定することができる。もちろん、各流量はこれに限るものではなく、例えば官能評価用サンプル排出口29を使用しない場合に、これを閉塞してγ=0としてもよい。
【0035】
次に図4により、本発明に係る気体試料採取装置の変形例を説明する。図4において図1と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を略す。
【0036】
上記実施例では、基本的に、容器1から吸引された試料ガス量に見合う量の希釈ガスが補給されるが、容器1内のガス圧がほぼ一定になることが保証されるとは限らない。何故なら、場合によっては試料2から発生するガスの量が容器1内のガス量に比べて無視できないからである。そこで、容器1内のガス圧を一定にする条件の下での試料ガスを採取して分析を行いたい場合には、図4の構成が好ましい。この構成では、漏出ガス管路17の抵抗管28の上流側(容器1に近い側)に圧力センサ41を設け、この圧力センサ41によるモニタ圧を制御部40に入力する。圧力センサ41によるモニタ圧は容器1内のガス圧とほぼ同じであるとみなせるから、制御部40はそのモニタ圧が所定値に保たれるようにマスフローコントローラ20、23によるガス流量を制御する。これにより、容器1内のガス圧を一定に維持することができる。
【0037】
また、上記実施例は本発明の一例であって、本発明の趣旨の範囲で適宜変更や修正を加えても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施例による気体試料採取装置のブロック構成図。
【図2】本実施例による気体試料採取装置の動作を説明するための概略図。
【図3】本実施例による気体試料採取装置の動作を説明するための概略図。
【図4】本発明の変形例による気体試料採取装置のブロック構成図。
【符号の説明】
【0039】
1…容器
2…試料
3…分析装置
4…測定部
5…制御部
6…ポンプ
7…試料ガス導入口
8…希釈ガスボンベ
10…気体試料採取装置
11…希釈ガス供給管路
12…第1補助ガス供給管路
13…第2補助ガス供給管路
14…補給ガス管路
15…希釈ガス管路
16…試料ガス管路
17…漏出ガス管路
18…分岐部
20、23…マスフローコントローラ(MFC)
21、24、27…流量計
22…ストップ弁
25、28…抵抗管
26…ニードル弁
29…官能評価用サンプル排出口
30…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料から発生する気体成分を含む試料ガスを採取して連続的又は間欠的に分析装置に導入するための気体試料採取装置であって、
a)試料を密閉収納した容器と、
b)前記分析装置による吸引動作に応じて、前記容器内の上部空間の試料ガスを該容器から取り出して前記分析装置に送出するための試料ガス流路と、
c)前記試料ガス流路を通して試料ガスが吸引されるときに、少なくともその吸引流量に相当する流量の希釈ガスを前記試料ガス流路とは別の流路であるガス補給流路を通して前記容器内に送り込むガス補給手段と、
を備えることを特徴とする気体試料採取装置。
【請求項2】
前記ガス補給流路を通して供給される希釈ガスを分岐して前記試料ガス流路の途中に送り込む希釈用流路をさらに備え、前記分析装置による吸引動作に応じて、前記容器から吸引した試料ガスを前記希釈用流路を通して供給した希釈ガスで希釈して送出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の気体試料採取装置。
【請求項3】
前記容器内の試料ガスを大気中に漏出させる漏出流路をさらに備え、前記ガス補給手段は前記漏出流路を通した前記容器内からの漏出流量に相当する流量の希釈ガスをさらに加えて前記ガス補給流路を通して前記容器内に送り込むことを特徴とする請求項1又は2に記載の気体試料採取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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