気液混合流体の計量混合装置及び計量混合方法
【課題】気液混合流体を正確に計量し、所定の比率で混合できる計量混合装置及びその計量混合方法を提供することを目的とする。
【解決手段】媒質に気体が含有されてなる圧縮性感度の異なる圧力領域を有する気液混合流体を、計量して混合するための計量混合装置は、気液混合流体及び他の流体をそれぞれ収容するタンク1,2と、各流体を、別々の経路10,12を介して圧送する定量吐出ポンプ3,4と、各流体が合流する合流部5と、合流部5よりも下流側で、各流体を混合する無駆動型の混合装置6と、合流部5よりも上流側で、気液混合流体と他の流体との混合比を確認する混合比確認経路7,8とを備え、各流体を混合装置6で混合する動作時における合流部5、及び、気液混合流体及び他の流体の混合比を確認する動作時における混合比確認経路7,8での圧力が、気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内となるよう設計されている。
【解決手段】媒質に気体が含有されてなる圧縮性感度の異なる圧力領域を有する気液混合流体を、計量して混合するための計量混合装置は、気液混合流体及び他の流体をそれぞれ収容するタンク1,2と、各流体を、別々の経路10,12を介して圧送する定量吐出ポンプ3,4と、各流体が合流する合流部5と、合流部5よりも下流側で、各流体を混合する無駆動型の混合装置6と、合流部5よりも上流側で、気液混合流体と他の流体との混合比を確認する混合比確認経路7,8とを備え、各流体を混合装置6で混合する動作時における合流部5、及び、気液混合流体及び他の流体の混合比を確認する動作時における混合比確認経路7,8での圧力が、気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内となるよう設計されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気液混合流体の計量混合装置及び計量混合方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
塗料や接着剤などには、複数の液体を混合させて使用するものがある。このような複数の液体を混合させる装置として特許文献1に記載のような混合装置が使用されている。特許文献1に記載の混合装置は、別々のタンクに収納された2種類の液体(主剤及び硬化剤)を、ポンプを用いて所定量吐出させて圧送し、無駆動型の混合装置で混合するものである。
【0003】
複数の液体を混合させて使用する場合、使用する液体の種類や組み合わせによって固有の混合比が存在する。従って、複数の液体は該固有の混合比に従って混合される。一般に、混合させて使用する液体は粘性を有する。そのため、混合させて使用する液体は、容積計量形の計量方法やコリオリ流量計などによって計量され、混合比が決定される。
【0004】
混合比を決定した後、各液体は混合部へと圧送されて所定の比率で混合される。液体を圧送する際には、液体に圧力をかける必要があり、使用される液体の粘性が高いほど、液体に付加される圧力は高くなる。
【0005】
このように混合された材料は、航空機の構成部材のシーラントなどに適用される。航空機の分野では、構造材の軽量化を目的として、液体材料として気液混合流体を用いる場合がある。「気液混合流体」とは、媒質に微小な気体が含有された流体である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭58−150462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
気液混合流体は、外力によって容積が変化するという特性があり、該変化は、媒質のみの場合と比べて大きい。気液混合流体は、付加される圧力が上がると容積が減少し、付加される圧力が下がると容積が増大する。そのため、気液混合流体を圧送させた場合、容積計量形の計量方法では気液混合流体を正確に計量できない。コリオリ流量計を用いた場合は、高粘度材料の取り扱いや、少量の取り扱いでの使用が難しい。そのため、現状の技術では、気液混合流体を正確に計量し、所定の比率で混合させることが困難である。
【0008】
手作業によって圧力を付加させずに混合させることが考えられるが、品質が安定しない、製造コストが高くなるなどの課題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、気液混合流体を正確に計量し、所定の比率で混合できる計量混合装置及びその計量混合方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、媒質に気体が含有されてなる圧縮性感度の異なる圧力領域を有する気液混合流体を、計量して混合するための計量混合装置であって、前記気液混合流体及び他の流体をそれぞれ収容するタンクと、前記気液混合流体及び前記他の流体を、別々の経路を介して圧送する定量吐出ポンプと、前記気液混合流体と他の流体とが合流する合流部と、前記合流部よりも下流側で、前記気液混合流体及び前記他の流体を混合する無駆動型の混合装置と、前記合流部よりも上流側で、前記気液混合流体と前記他の流体との混合比を確認する混合比確認経路と、を備え、前記気液混合流体及び前記他の流体を前記混合装置で混合する動作時における前記合流部、及び、前記気液混合流体及び前記他の流体の混合比を確認する動作時における前記混合比確認経路での圧力が、前記気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内となるよう設計された気液混合流体の計量混合装置を提供する。
【0011】
本発明において混合される気液混合流体は、加圧された際に、気液混合流体に含まれる気体の特性に支配されて圧縮される第1圧力領域と、気液混合流体の媒質の特性に支配されて圧縮される第2圧力領域とを有する。第2圧力領域は、第1圧力領域も高い。第1圧力領域及び第2圧力領域において、気液混合流体の変位量は、付加された圧力に略比例する。第2圧力領域の圧縮性感度は、第1圧力領域の圧縮性感度よりも低い。
本発明によれば、混合装置運転時の合流部及び混合比確認経路での圧力を、気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内となるように設計されているため、体積変動の少ない状態で混合または混合比の確認を行うことができる。
【0012】
上記発明の一態様において、前記定量吐出ポンプの入口の圧力を前記気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内となるよう設計されることが好ましい。
【0013】
定量吐出ポンプの入口の圧力を当該圧力領域の範囲内とすることで、定量ポンプ内も気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内とすることが可能となる。それによって、気液混合流体をより正確に計量できるようになる。
【0014】
上記発明の一態様において、前記混合装置の下流側、及び、前記混合比確認経路に、圧損要素を設けることが好ましい。
【0015】
当該箇所に圧損要素を設けることで、定量吐出ポンプ出口から圧損要素までの間の圧力を高めることができる。それによって、混合時における合流部、及び、混合比確認時における混合比確認経路での圧力を、気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内とすることが可能となる。
【0016】
上記発明の一態様において、前記タンクと前記定量吐出ポンプとの間に、圧送ポンプを設けることが好ましい。
【0017】
当該箇所に圧送ポンプを設けることで、定量吐出ポンプを所定の圧力で作動させることができる。すなわち、定量ポンプ内を気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内とすることが可能となる。それによって、気液混合流体をより正確に計量できるようになる。
【0018】
本発明は、媒質に気体が含有されてなる圧縮性感度の異なる圧力領域を有する気液混合流体を、計量して混合する計量混合方法であって、タンクに収容された前記気液混合流体及び他の流体を、定量吐出ポンプによって別々の経路を介して圧送し、合流部で合流させる前に、混合比確認経路に導いてそれぞれ計量して混合比を決定する混合比決定工程と、タンクに収容された前記気液混合流体及び他の流体を、定量吐出ポンプによって別々の経路を介して圧送し、合流部で合流させた後、無駆動型の混合装置で混合させる混合工程と、を備え、前記混合比決定工程中における混合比確認経路での圧力、及び前記混合工程中における前記合流部での圧力を、前記気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内とする気液混合流体の計量混合方法を提供する。
【0019】
上記発明によれば、混合装置運転時の合流部及び混合比確認経路での圧力を、気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内とすることで、体積変動の少ない状態で混合または混合比の確認を行うことができる。
【0020】
上記発明の一態様において、前記混合比決定工程及び混合工程において、前記定量吐出ポンプの入口の圧力を前記気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内とすることが好ましい。
【0021】
定量吐出ポンプの入口の圧力を当該圧力領域の範囲内とすることで、定量ポンプ内も気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内とすることが可能となる。それによって、気液混合流体をより正確に計量できるようになる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、合流部および混合比確認経路の圧力を所定の範囲内とすることで、体積変動の少ない状態で気液混合流体を計量及び混合することができる。それによって、合流部で合流する気液混合流体と、混合比確認経路で計量される気液混合流体との体積が略等しくなるため、確認された混合比を、実際に混合される気液混合流体と他の流体との混合比に反映させることのできる計量混合装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る混合吐出装置のフロー図である。
【図2】主剤、硬化剤それぞれを加圧した場合の圧縮変位量を示す図である。
【図3】圧縮量計量の方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係る混合吐出装置について、図1を用いて説明する。
図1は、実施形態に係る混合吐出装置100のフロー図である。
【0025】
混合吐出装置100は、主剤タンク1、硬化剤タンク2、主剤定量吐出ポンプ3、硬化剤定量吐出ポンプ4、合流部5、混合装置6、混合比確認経路7,8、及び重量計9を備えている。
【0026】
主剤タンク1には、主剤が収容されている。主剤は、気液混合流体とされ、媒質に微小な気体が分散して含有されている。媒質は、ポリサルファイド系、シリコン系、及びウレタン系などの樹脂材料とされる。気体は、空気、酸素、窒素及び二酸化炭素などとされる。例えば、気液混合流体として、PPG社製のPR−1776M B−2のような樹脂材料に発泡剤もしくはマイクロビーズなどを添加して微小な気体を包含させて調製された流体が用いられる。なお、気液混合流体には、意図せず媒質に気体が包含された流体も含まれる。
【0027】
図2に、PR−1776M B−2の主剤、硬化剤それぞれを加圧した場合の圧縮変位量を示す。主剤は意図した微小な気体が包含された、気液混合流体である。硬化剤は、意図せず媒質に気体が包含された流体である。各気液混合流体を、それぞれシリンダ(直径:30mm)に、高さ10mmで充填し、一方向から圧力(0.1MPa〜15MPa)を付加し、圧縮量を計測した(図3)。
【0028】
図2によれば、各気液混合流体は、加圧力の上昇にともなって変位量も増加した。気液混合流体の加圧力に対する変位量の変化の傾き、すなわち、気液混合流体の圧縮性感度は、第1圧力領域(0.1MPa〜2MPa)と第2圧力領域(2MPa〜15MPa)とで異なっていた。第1圧力領域において、気液混合流体は、加圧力に対し略比例して変位した。第2圧力領域においても、気液混合流体は、加圧力に対して略比例して変位したが、その傾きは、第1圧力領域よりも大きかった。上記結果から、第2圧力領域の範囲内、本実施例では2MPa以上の圧力を付加した気液混合流体の体積変動は小さくなることが確認された。
【0029】
空気を含有したポリサルファイドの圧縮変形量をシミュレートした。シミュレートは、空気を12体積%含有したポリサルファイドを、シリンダ(直径:30mm)に、高さ10mmで充填し、一方向から圧力(0.1MPa〜100MPa)を付加したものとして実施した。結果を表1に示す。空気の体積は、状態方程式(温度一定)から算出した。
【0030】
【表1】
【0031】
表1によれば、空気を含有したポリサルファイドの圧縮変形の推移は、図2の結果と同様の傾向を示した。空気を含有したポリサルファイドの圧縮変形量は、2MPaよりも低い圧力領域では空気の特性に支配されており、2MPa以上の圧力領域ではポリサルファイドの特性に支配されていた。
状態方程式(温度一定)に従えば、加圧力を0.1MPaから2MPaへ増加させることで、空気の体積は95%減少する。
上記結果によれば、気液混合流体を第2圧力領域の範囲内で加圧することで、包含される気体の体積変動を飽和状態とすることができる。
【0032】
硬化剤タンク2には、硬化剤(他の流体)が収容されている。硬化剤は、主剤へ添加することで硬化反応が生じる流体であれば良く、使用される主剤に応じて適宜選択される。
【0033】
主剤タンク1には、主剤定量吐出ポンプ3が接続されている。主剤定量吐出ポンプ3には、主剤を吐出する吐出口が備えられ、吐出口には主剤を圧送するための主剤圧送経路10が接続されている。
主剤タンク1と主剤定量吐出ポンプ3との間には、圧送ポンプ11が設けられていることが好ましい。
【0034】
硬化剤タンク2には、硬化剤定量吐出ポンプ4が接続されている。硬化剤定量吐出ポンプ4には、硬化剤を吐出する吐出口が備えられ、吐出口には硬化剤を圧送するための硬化剤圧送経路12が接続されている。
硬化剤タンク2と硬化剤定量吐出ポンプ4との間には、圧送ポンプ13が設けられていることが好ましい。
【0035】
主剤定量吐出ポンプ3及び硬化剤定量吐出ポンプ4は、連結リンク14に連結されている。連結リンク14は、一端部15が軸支され、他端が動力であるエアモータ16で駆動される。主剤定量吐出ポンプ3及び硬化剤定量吐出ポンプ4は、連結リンク14の他端を駆動させることで、主剤タンク1及び硬化剤タンク2からそれぞれ主剤及び硬化剤を定量吐出することができる。主剤定量吐出ポンプ3及び硬化剤定量吐出ポンプ4は、連結リンク14に連結する際の軸支点からの距離を変えることで、吐出量を調整することができる。例えば、軸支点からの距離を短くすれば、吐出量も減少する。
【0036】
主剤圧送経路10及び硬化剤圧送経路12は、合流部5で合流される。合流部5には、逆止弁17が設けられている。図1では、逆止弁17が合流点Aの硬化剤圧送経路側に設けられているが、逆止弁17を設ける位置はこれに限定されず、合流点Aの主剤圧送経路10側、または合流点Aの両経路10,12側などに設けられていても良い。
【0037】
合流部5の下流側には、無駆動型の混合装置6が接続されている。無駆動型の混合装置6としては、スタティックミキサーが挙げられる。スタティックミキサーは、駆動部のない静止型混合器(ラインミキサー)であり、ミキサー内にエレメントを備えている。ミキサー内に入った流体は、エレメントにより順次撹拌混合される。
【0038】
混合装置6よりも下流側には、吐出口18が設けられ、大気開放されている。混合装置6と吐出口18の間には、圧損要素19が設けられている。圧損要素19は、絞り弁などの流量調整弁とされる。
【0039】
混合比確認経路7,8は、合流部5よりも上流側で、主剤圧送経路10及び硬化剤圧送経路12にそれぞれ接続されている。接続部分には、主剤及び硬化剤の流れを主剤圧送経路10及び硬化剤圧送経路12から混合比確認経路へと切り替え可能にバルブ20,21,22,23が設けられている。混合比確認経路7,8の途中には、それぞれ圧損要素24,25が設けられている。圧損要素24,25は、絞り弁などの流量調整弁とされる。
混合比確認経路7,8の圧損要素24,25よりも下流側の端部は、吐出口26,27となっており、大気開放されている。
【0040】
次に、計量混合装置100を用いた気液混合流体の計量混合方法について説明する。本実施形態に係る気液混合流体の計量混合方法は、混合比決定工程と、混合工程と、を備えている。
【0041】
(混合比決定工程)
バルブ22,23を閉め、バルブ20,21を開放する。
エアモータ23に空気を供給し、連結リンク14の他端を往復運動させることで、主剤定量吐出ポンプ3及び硬化剤定量吐出ポンプ4によって、主剤タンク1及び硬化剤タンク2に収容された主剤及び硬化剤を吐出させ、それぞれ主剤圧送経路10,12へと圧送する。
【0042】
各タンク1,2と各定量吐出ポンプ3,4との間に圧送ポンプ11,13を設ける場合は、主剤タンク1及び硬化剤タンク2に収容された主剤及び硬化剤は、該圧送ポンプ11,13によって、所定圧力に昇圧されて定量吐出ポンプ3,4に供給される。所定圧力は、主剤の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内とする。主剤としてPR−1776M B−2を用いる場合、主剤及び硬化剤は、2MPa以上の圧力で定量吐出ポンプ3,4に供給されると良い。
【0043】
圧送された主剤及び硬化剤は、それぞれ混合比確認経路7,8に導かれる。混合比確認経路7,8には圧損要素24,25が設けられているため、混合比確認経路7,8の圧力は、主剤の圧縮性感度が低い方の圧力領域(第2圧力領域)の範囲内とすることができる。
【0044】
圧損要素24,25を経由した主剤及び硬化剤は、吐出口26,27から吐出され、重量計9にてそれぞれ重量を計量される。該計量結果に基づき、主剤及び硬化剤が所定の比率となるように、定量吐出ポンプ3,4の連結リンクへの連結位置を調整する。
【0045】
(混合工程)
バルブ20,21を閉め、バルブ22,23を開放する。
混合比決定工程と同様に、主剤及び硬化剤をそれぞれ主剤圧送経路10,12へと圧送する。
【0046】
圧送された主剤及び硬化剤は、合流部5で合流される。混合装置よりも下流側には圧損要素19が設けられているため、合流部5での圧力は、主剤の圧縮性感度が低い方の圧力領域(第2圧力領域)の範囲内とすることができる。
【0047】
合流した主剤及び硬化剤は、混合装置にて混合され、圧損要素19を介して吐出口18から吐出される。
吐出された混合材料は、カートリッジに充填された後、ガンに装着されて、航空機のシーラントなどに適用される。
【0048】
上記構成の計量混合装置100によれば、主剤及び硬化剤は、圧縮された状態で計量、及び混合されるが、体積変動が少ない状態であるため、混合比の計量を精度良く行うことができるとともに、確認した混合比が反映された比率で混合することが可能となる。
【符号の説明】
【0049】
1 主剤タンク
2 硬化剤タンク
3 主剤定量吐出ポンプ
4 硬化剤定量吐出ポンプ
5 合流部
6 混合装置
7,8 混合比確認経路
9 重量計
10 主剤圧送経路
11,13 圧送ポンプ
12 硬化剤圧送経路
14 連結リング
15 一端部(連結リング)
16 エアモータ
17 逆止弁
18,26,27 吐出口
19,24,25 圧損要素
20,21,22,23,31 バルブ
28,29 圧力計
30 レギュレータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、気液混合流体の計量混合装置及び計量混合方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
塗料や接着剤などには、複数の液体を混合させて使用するものがある。このような複数の液体を混合させる装置として特許文献1に記載のような混合装置が使用されている。特許文献1に記載の混合装置は、別々のタンクに収納された2種類の液体(主剤及び硬化剤)を、ポンプを用いて所定量吐出させて圧送し、無駆動型の混合装置で混合するものである。
【0003】
複数の液体を混合させて使用する場合、使用する液体の種類や組み合わせによって固有の混合比が存在する。従って、複数の液体は該固有の混合比に従って混合される。一般に、混合させて使用する液体は粘性を有する。そのため、混合させて使用する液体は、容積計量形の計量方法やコリオリ流量計などによって計量され、混合比が決定される。
【0004】
混合比を決定した後、各液体は混合部へと圧送されて所定の比率で混合される。液体を圧送する際には、液体に圧力をかける必要があり、使用される液体の粘性が高いほど、液体に付加される圧力は高くなる。
【0005】
このように混合された材料は、航空機の構成部材のシーラントなどに適用される。航空機の分野では、構造材の軽量化を目的として、液体材料として気液混合流体を用いる場合がある。「気液混合流体」とは、媒質に微小な気体が含有された流体である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭58−150462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
気液混合流体は、外力によって容積が変化するという特性があり、該変化は、媒質のみの場合と比べて大きい。気液混合流体は、付加される圧力が上がると容積が減少し、付加される圧力が下がると容積が増大する。そのため、気液混合流体を圧送させた場合、容積計量形の計量方法では気液混合流体を正確に計量できない。コリオリ流量計を用いた場合は、高粘度材料の取り扱いや、少量の取り扱いでの使用が難しい。そのため、現状の技術では、気液混合流体を正確に計量し、所定の比率で混合させることが困難である。
【0008】
手作業によって圧力を付加させずに混合させることが考えられるが、品質が安定しない、製造コストが高くなるなどの課題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、気液混合流体を正確に計量し、所定の比率で混合できる計量混合装置及びその計量混合方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、媒質に気体が含有されてなる圧縮性感度の異なる圧力領域を有する気液混合流体を、計量して混合するための計量混合装置であって、前記気液混合流体及び他の流体をそれぞれ収容するタンクと、前記気液混合流体及び前記他の流体を、別々の経路を介して圧送する定量吐出ポンプと、前記気液混合流体と他の流体とが合流する合流部と、前記合流部よりも下流側で、前記気液混合流体及び前記他の流体を混合する無駆動型の混合装置と、前記合流部よりも上流側で、前記気液混合流体と前記他の流体との混合比を確認する混合比確認経路と、を備え、前記気液混合流体及び前記他の流体を前記混合装置で混合する動作時における前記合流部、及び、前記気液混合流体及び前記他の流体の混合比を確認する動作時における前記混合比確認経路での圧力が、前記気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内となるよう設計された気液混合流体の計量混合装置を提供する。
【0011】
本発明において混合される気液混合流体は、加圧された際に、気液混合流体に含まれる気体の特性に支配されて圧縮される第1圧力領域と、気液混合流体の媒質の特性に支配されて圧縮される第2圧力領域とを有する。第2圧力領域は、第1圧力領域も高い。第1圧力領域及び第2圧力領域において、気液混合流体の変位量は、付加された圧力に略比例する。第2圧力領域の圧縮性感度は、第1圧力領域の圧縮性感度よりも低い。
本発明によれば、混合装置運転時の合流部及び混合比確認経路での圧力を、気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内となるように設計されているため、体積変動の少ない状態で混合または混合比の確認を行うことができる。
【0012】
上記発明の一態様において、前記定量吐出ポンプの入口の圧力を前記気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内となるよう設計されることが好ましい。
【0013】
定量吐出ポンプの入口の圧力を当該圧力領域の範囲内とすることで、定量ポンプ内も気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内とすることが可能となる。それによって、気液混合流体をより正確に計量できるようになる。
【0014】
上記発明の一態様において、前記混合装置の下流側、及び、前記混合比確認経路に、圧損要素を設けることが好ましい。
【0015】
当該箇所に圧損要素を設けることで、定量吐出ポンプ出口から圧損要素までの間の圧力を高めることができる。それによって、混合時における合流部、及び、混合比確認時における混合比確認経路での圧力を、気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内とすることが可能となる。
【0016】
上記発明の一態様において、前記タンクと前記定量吐出ポンプとの間に、圧送ポンプを設けることが好ましい。
【0017】
当該箇所に圧送ポンプを設けることで、定量吐出ポンプを所定の圧力で作動させることができる。すなわち、定量ポンプ内を気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内とすることが可能となる。それによって、気液混合流体をより正確に計量できるようになる。
【0018】
本発明は、媒質に気体が含有されてなる圧縮性感度の異なる圧力領域を有する気液混合流体を、計量して混合する計量混合方法であって、タンクに収容された前記気液混合流体及び他の流体を、定量吐出ポンプによって別々の経路を介して圧送し、合流部で合流させる前に、混合比確認経路に導いてそれぞれ計量して混合比を決定する混合比決定工程と、タンクに収容された前記気液混合流体及び他の流体を、定量吐出ポンプによって別々の経路を介して圧送し、合流部で合流させた後、無駆動型の混合装置で混合させる混合工程と、を備え、前記混合比決定工程中における混合比確認経路での圧力、及び前記混合工程中における前記合流部での圧力を、前記気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内とする気液混合流体の計量混合方法を提供する。
【0019】
上記発明によれば、混合装置運転時の合流部及び混合比確認経路での圧力を、気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内とすることで、体積変動の少ない状態で混合または混合比の確認を行うことができる。
【0020】
上記発明の一態様において、前記混合比決定工程及び混合工程において、前記定量吐出ポンプの入口の圧力を前記気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内とすることが好ましい。
【0021】
定量吐出ポンプの入口の圧力を当該圧力領域の範囲内とすることで、定量ポンプ内も気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内とすることが可能となる。それによって、気液混合流体をより正確に計量できるようになる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、合流部および混合比確認経路の圧力を所定の範囲内とすることで、体積変動の少ない状態で気液混合流体を計量及び混合することができる。それによって、合流部で合流する気液混合流体と、混合比確認経路で計量される気液混合流体との体積が略等しくなるため、確認された混合比を、実際に混合される気液混合流体と他の流体との混合比に反映させることのできる計量混合装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る混合吐出装置のフロー図である。
【図2】主剤、硬化剤それぞれを加圧した場合の圧縮変位量を示す図である。
【図3】圧縮量計量の方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係る混合吐出装置について、図1を用いて説明する。
図1は、実施形態に係る混合吐出装置100のフロー図である。
【0025】
混合吐出装置100は、主剤タンク1、硬化剤タンク2、主剤定量吐出ポンプ3、硬化剤定量吐出ポンプ4、合流部5、混合装置6、混合比確認経路7,8、及び重量計9を備えている。
【0026】
主剤タンク1には、主剤が収容されている。主剤は、気液混合流体とされ、媒質に微小な気体が分散して含有されている。媒質は、ポリサルファイド系、シリコン系、及びウレタン系などの樹脂材料とされる。気体は、空気、酸素、窒素及び二酸化炭素などとされる。例えば、気液混合流体として、PPG社製のPR−1776M B−2のような樹脂材料に発泡剤もしくはマイクロビーズなどを添加して微小な気体を包含させて調製された流体が用いられる。なお、気液混合流体には、意図せず媒質に気体が包含された流体も含まれる。
【0027】
図2に、PR−1776M B−2の主剤、硬化剤それぞれを加圧した場合の圧縮変位量を示す。主剤は意図した微小な気体が包含された、気液混合流体である。硬化剤は、意図せず媒質に気体が包含された流体である。各気液混合流体を、それぞれシリンダ(直径:30mm)に、高さ10mmで充填し、一方向から圧力(0.1MPa〜15MPa)を付加し、圧縮量を計測した(図3)。
【0028】
図2によれば、各気液混合流体は、加圧力の上昇にともなって変位量も増加した。気液混合流体の加圧力に対する変位量の変化の傾き、すなわち、気液混合流体の圧縮性感度は、第1圧力領域(0.1MPa〜2MPa)と第2圧力領域(2MPa〜15MPa)とで異なっていた。第1圧力領域において、気液混合流体は、加圧力に対し略比例して変位した。第2圧力領域においても、気液混合流体は、加圧力に対して略比例して変位したが、その傾きは、第1圧力領域よりも大きかった。上記結果から、第2圧力領域の範囲内、本実施例では2MPa以上の圧力を付加した気液混合流体の体積変動は小さくなることが確認された。
【0029】
空気を含有したポリサルファイドの圧縮変形量をシミュレートした。シミュレートは、空気を12体積%含有したポリサルファイドを、シリンダ(直径:30mm)に、高さ10mmで充填し、一方向から圧力(0.1MPa〜100MPa)を付加したものとして実施した。結果を表1に示す。空気の体積は、状態方程式(温度一定)から算出した。
【0030】
【表1】
【0031】
表1によれば、空気を含有したポリサルファイドの圧縮変形の推移は、図2の結果と同様の傾向を示した。空気を含有したポリサルファイドの圧縮変形量は、2MPaよりも低い圧力領域では空気の特性に支配されており、2MPa以上の圧力領域ではポリサルファイドの特性に支配されていた。
状態方程式(温度一定)に従えば、加圧力を0.1MPaから2MPaへ増加させることで、空気の体積は95%減少する。
上記結果によれば、気液混合流体を第2圧力領域の範囲内で加圧することで、包含される気体の体積変動を飽和状態とすることができる。
【0032】
硬化剤タンク2には、硬化剤(他の流体)が収容されている。硬化剤は、主剤へ添加することで硬化反応が生じる流体であれば良く、使用される主剤に応じて適宜選択される。
【0033】
主剤タンク1には、主剤定量吐出ポンプ3が接続されている。主剤定量吐出ポンプ3には、主剤を吐出する吐出口が備えられ、吐出口には主剤を圧送するための主剤圧送経路10が接続されている。
主剤タンク1と主剤定量吐出ポンプ3との間には、圧送ポンプ11が設けられていることが好ましい。
【0034】
硬化剤タンク2には、硬化剤定量吐出ポンプ4が接続されている。硬化剤定量吐出ポンプ4には、硬化剤を吐出する吐出口が備えられ、吐出口には硬化剤を圧送するための硬化剤圧送経路12が接続されている。
硬化剤タンク2と硬化剤定量吐出ポンプ4との間には、圧送ポンプ13が設けられていることが好ましい。
【0035】
主剤定量吐出ポンプ3及び硬化剤定量吐出ポンプ4は、連結リンク14に連結されている。連結リンク14は、一端部15が軸支され、他端が動力であるエアモータ16で駆動される。主剤定量吐出ポンプ3及び硬化剤定量吐出ポンプ4は、連結リンク14の他端を駆動させることで、主剤タンク1及び硬化剤タンク2からそれぞれ主剤及び硬化剤を定量吐出することができる。主剤定量吐出ポンプ3及び硬化剤定量吐出ポンプ4は、連結リンク14に連結する際の軸支点からの距離を変えることで、吐出量を調整することができる。例えば、軸支点からの距離を短くすれば、吐出量も減少する。
【0036】
主剤圧送経路10及び硬化剤圧送経路12は、合流部5で合流される。合流部5には、逆止弁17が設けられている。図1では、逆止弁17が合流点Aの硬化剤圧送経路側に設けられているが、逆止弁17を設ける位置はこれに限定されず、合流点Aの主剤圧送経路10側、または合流点Aの両経路10,12側などに設けられていても良い。
【0037】
合流部5の下流側には、無駆動型の混合装置6が接続されている。無駆動型の混合装置6としては、スタティックミキサーが挙げられる。スタティックミキサーは、駆動部のない静止型混合器(ラインミキサー)であり、ミキサー内にエレメントを備えている。ミキサー内に入った流体は、エレメントにより順次撹拌混合される。
【0038】
混合装置6よりも下流側には、吐出口18が設けられ、大気開放されている。混合装置6と吐出口18の間には、圧損要素19が設けられている。圧損要素19は、絞り弁などの流量調整弁とされる。
【0039】
混合比確認経路7,8は、合流部5よりも上流側で、主剤圧送経路10及び硬化剤圧送経路12にそれぞれ接続されている。接続部分には、主剤及び硬化剤の流れを主剤圧送経路10及び硬化剤圧送経路12から混合比確認経路へと切り替え可能にバルブ20,21,22,23が設けられている。混合比確認経路7,8の途中には、それぞれ圧損要素24,25が設けられている。圧損要素24,25は、絞り弁などの流量調整弁とされる。
混合比確認経路7,8の圧損要素24,25よりも下流側の端部は、吐出口26,27となっており、大気開放されている。
【0040】
次に、計量混合装置100を用いた気液混合流体の計量混合方法について説明する。本実施形態に係る気液混合流体の計量混合方法は、混合比決定工程と、混合工程と、を備えている。
【0041】
(混合比決定工程)
バルブ22,23を閉め、バルブ20,21を開放する。
エアモータ23に空気を供給し、連結リンク14の他端を往復運動させることで、主剤定量吐出ポンプ3及び硬化剤定量吐出ポンプ4によって、主剤タンク1及び硬化剤タンク2に収容された主剤及び硬化剤を吐出させ、それぞれ主剤圧送経路10,12へと圧送する。
【0042】
各タンク1,2と各定量吐出ポンプ3,4との間に圧送ポンプ11,13を設ける場合は、主剤タンク1及び硬化剤タンク2に収容された主剤及び硬化剤は、該圧送ポンプ11,13によって、所定圧力に昇圧されて定量吐出ポンプ3,4に供給される。所定圧力は、主剤の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内とする。主剤としてPR−1776M B−2を用いる場合、主剤及び硬化剤は、2MPa以上の圧力で定量吐出ポンプ3,4に供給されると良い。
【0043】
圧送された主剤及び硬化剤は、それぞれ混合比確認経路7,8に導かれる。混合比確認経路7,8には圧損要素24,25が設けられているため、混合比確認経路7,8の圧力は、主剤の圧縮性感度が低い方の圧力領域(第2圧力領域)の範囲内とすることができる。
【0044】
圧損要素24,25を経由した主剤及び硬化剤は、吐出口26,27から吐出され、重量計9にてそれぞれ重量を計量される。該計量結果に基づき、主剤及び硬化剤が所定の比率となるように、定量吐出ポンプ3,4の連結リンクへの連結位置を調整する。
【0045】
(混合工程)
バルブ20,21を閉め、バルブ22,23を開放する。
混合比決定工程と同様に、主剤及び硬化剤をそれぞれ主剤圧送経路10,12へと圧送する。
【0046】
圧送された主剤及び硬化剤は、合流部5で合流される。混合装置よりも下流側には圧損要素19が設けられているため、合流部5での圧力は、主剤の圧縮性感度が低い方の圧力領域(第2圧力領域)の範囲内とすることができる。
【0047】
合流した主剤及び硬化剤は、混合装置にて混合され、圧損要素19を介して吐出口18から吐出される。
吐出された混合材料は、カートリッジに充填された後、ガンに装着されて、航空機のシーラントなどに適用される。
【0048】
上記構成の計量混合装置100によれば、主剤及び硬化剤は、圧縮された状態で計量、及び混合されるが、体積変動が少ない状態であるため、混合比の計量を精度良く行うことができるとともに、確認した混合比が反映された比率で混合することが可能となる。
【符号の説明】
【0049】
1 主剤タンク
2 硬化剤タンク
3 主剤定量吐出ポンプ
4 硬化剤定量吐出ポンプ
5 合流部
6 混合装置
7,8 混合比確認経路
9 重量計
10 主剤圧送経路
11,13 圧送ポンプ
12 硬化剤圧送経路
14 連結リング
15 一端部(連結リング)
16 エアモータ
17 逆止弁
18,26,27 吐出口
19,24,25 圧損要素
20,21,22,23,31 バルブ
28,29 圧力計
30 レギュレータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒質に気体が含有されてなる圧縮性感度の異なる圧力領域を有する気液混合流体を、計量して混合するための計量混合装置であって、
前記気液混合流体及び他の流体をそれぞれ収容するタンクと、
前記気液混合流体及び前記他の流体を、別々の経路を介して圧送する定量吐出ポンプと、
前記気液混合流体と他の流体とが合流する合流部と、
前記合流部よりも下流側で、前記気液混合流体及び前記他の流体を混合する無駆動型の混合装置と、
前記合流部よりも上流側で、前記気液混合流体と前記他の流体との混合比を確認する混合比確認経路と、
を備え、
前記気液混合流体及び前記他の流体を前記混合装置で混合する動作時における前記合流部、及び、前記気液混合流体及び前記他の流体の混合比を確認する動作時における前記混合比確認経路での圧力が、前記気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内となるよう設計された気液混合流体の計量混合装置。
【請求項2】
前記定量吐出ポンプの入口の圧力を前記気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内となるよう設計された請求項1に記載の気液混合流体の計量混合装置。
【請求項3】
前記混合装置の下流側、及び、前記混合比確認経路に、圧損要素を設けた請求項1または請求項2に記載の気液混合流体の計量混合装置。
【請求項4】
前記タンクと前記定量吐出ポンプとの間に、圧送ポンプを設けた請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の気液混合流体の計量混合装置。
【請求項5】
媒質に気体が含有されてなる圧縮性感度の異なる圧力領域を有する気液混合流体を、計量して混合する計量混合方法であって、
タンクに収容された前記気液混合流体及び他の流体を、定量吐出ポンプによって別々の経路を介して圧送し、合流部で合流させる前に、混合比確認経路に導いてそれぞれ計量して混合比を決定する混合比決定工程と、
タンクに収容された前記気液混合流体及び他の流体を、定量吐出ポンプによって別々の経路を介して圧送し、合流部で合流させた後、無駆動型の混合装置で混合させる混合工程と、
を備え、
前記混合比決定工程中における混合比確認経路での圧力、及び前記混合工程中における前記合流部での圧力を、前記気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内とする気液混合流体の計量混合方法。
【請求項6】
前記混合比決定工程及び混合工程において、前記定量吐出ポンプの入口の圧力を前記気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内とする請求項5に記載の気液混合流体の計量混合方法。
【請求項1】
媒質に気体が含有されてなる圧縮性感度の異なる圧力領域を有する気液混合流体を、計量して混合するための計量混合装置であって、
前記気液混合流体及び他の流体をそれぞれ収容するタンクと、
前記気液混合流体及び前記他の流体を、別々の経路を介して圧送する定量吐出ポンプと、
前記気液混合流体と他の流体とが合流する合流部と、
前記合流部よりも下流側で、前記気液混合流体及び前記他の流体を混合する無駆動型の混合装置と、
前記合流部よりも上流側で、前記気液混合流体と前記他の流体との混合比を確認する混合比確認経路と、
を備え、
前記気液混合流体及び前記他の流体を前記混合装置で混合する動作時における前記合流部、及び、前記気液混合流体及び前記他の流体の混合比を確認する動作時における前記混合比確認経路での圧力が、前記気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内となるよう設計された気液混合流体の計量混合装置。
【請求項2】
前記定量吐出ポンプの入口の圧力を前記気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内となるよう設計された請求項1に記載の気液混合流体の計量混合装置。
【請求項3】
前記混合装置の下流側、及び、前記混合比確認経路に、圧損要素を設けた請求項1または請求項2に記載の気液混合流体の計量混合装置。
【請求項4】
前記タンクと前記定量吐出ポンプとの間に、圧送ポンプを設けた請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の気液混合流体の計量混合装置。
【請求項5】
媒質に気体が含有されてなる圧縮性感度の異なる圧力領域を有する気液混合流体を、計量して混合する計量混合方法であって、
タンクに収容された前記気液混合流体及び他の流体を、定量吐出ポンプによって別々の経路を介して圧送し、合流部で合流させる前に、混合比確認経路に導いてそれぞれ計量して混合比を決定する混合比決定工程と、
タンクに収容された前記気液混合流体及び他の流体を、定量吐出ポンプによって別々の経路を介して圧送し、合流部で合流させた後、無駆動型の混合装置で混合させる混合工程と、
を備え、
前記混合比決定工程中における混合比確認経路での圧力、及び前記混合工程中における前記合流部での圧力を、前記気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内とする気液混合流体の計量混合方法。
【請求項6】
前記混合比決定工程及び混合工程において、前記定量吐出ポンプの入口の圧力を前記気液混合流体の圧縮性感度が低い方の圧力領域の範囲内とする請求項5に記載の気液混合流体の計量混合方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2012−166177(P2012−166177A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31427(P2011−31427)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(505182904)パイルスジャパン株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(505182904)パイルスジャパン株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
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