説明

水の改質機能を有するウォーターサーバー

【課題】ウォーターサーバーを改良して、飲料水を一層美味しくするとともに、含有されているミネラル分の消化吸収を良くする。
【解決手段】
冷水蛇口4及び/又は温水蛇口5に接続されている給水管11の周囲に環状永久磁石12を設けて、飲料水に磁界を作用させる。また,給水ボトル3付近に環状永久磁石13を設けて、飲料水に磁界を作用させる。磁界の作用によって飲料水の水分子は水素結合が弱められて口あたりが良くなり、爽やかでまろやかな美味しい水になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウォーターサーバーに係り、飲用に供される水を改質して口あたりを良くする(喉ごしを爽やかにし、所謂まろやかにする)技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図2は従来一般に用いられているウォーターサーバー2の外観を描いた正面図である。なお、本発明を適用してもウォーターサーバーの外観にはほとんど現れない。
一般の上水道水よりも良質の水が給水ボトル3に入れて供給され、ウォーターサーバー2は該給水ボトルを載置して保持する。
ウォーターサーバー2の中には、冷却機を備えた冷水タンク及びヒーターを備えた温水タンク(本図2において、共に隠れている)が設けられていて、手動操作レバー6を操作すると冷水蛇口4から冷水が、温水蛇口5から温水が、それぞれ所望のごとく注ぎ出される。
【0003】
ウォーターサービスにおいては、温度制御機能や注水,注湯機能が確実に行われることの外、水が旨いこと、清潔で衛生的であること、及びミネラル分が健康維持に適正であること等が望まれる。
これらの要望を満たすためには、高品質の原水が供給されることと、ウォーターサーバーの機能が優れていることとが必要である。
原水には大別して、水道水等を濾過した後にミネラルを添加するとともに味を整えたRO水と、地下の正常な水を採取した天然水とがあり、一般に天然水の方が良質である。
ウォーターサーバーの立場から見れば、OR水はその短所を補うように、天然水はその長所を一層発揮し得るように、飲料水の品質を改良することが望まれる。
【0004】
ウォーターサーバーの改良進歩については、水の物性科学が基礎となる。これについては多数の研究論文が発表されているが、平易に解説したものに北野康著水の科学(非特許文献1)等が有る。
また、衛生管理のメンティナンスを容易ならしめるとともに装置を小型化したウォーターサーバー(特許文献1)が提案されている。
また、構成パーツ数を減少させてコストダウンを図ったウォーターサーバー(特許文献2)も提案されている。
しかし、原水の味をより良くしたり、含有ミネラルの吸収を良くするといった飲料水の品質を向上させる工夫改良は未だ為されていない。
【特許文献1】 特開2005−132422号公報
【特許文献2】 特開2003−206060号公報
【非特許文献1】 北野康著「水の科学」日本放送出版協会、1995年1月25日出版
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みて為されたものであって、その目的とするところは、原水の味をより良くし、かつ含有ミネラルの吸収を良くする機能を備えたウォーターサーバーを提供するにある。
ただし本発明において「味」とは,舌による味覚として認識される「甘酸辛渋苦」ではない。
化学的な「水」は本来無味無臭であって味覚では感じ取れないものてある。本発明においては水の口当たり,喉ごし,まろやかさ,爽やかさ,といった総合官能的な感性を主眼として、これを改質する。いわば広義の味(水の旨さ、美味しさ)を良くしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、水に関して多年研究を重ねた結果、飲料水に磁界を印加することによって広義の味が良くなることを確認した。この現象は経験的事実である。その理由は次のように考えられる。
図4は、非特許文献1として挙げた北野康著「水の科学」(1995年1月25日日本放送出版協会から出版)を引用したものである。符号1A,1Bを付して示したのはそれぞれ水分子であって、1個の酸素原子Oに対して2個の水素原子Hが結合している。
【0007】
前記双方の水分子1A,1Bは相互に自由に運動できる状態ではなく、水分子1Aの水素原子Hと水分子1Bの酸素原子Oとが間隔寸法0.177nmで水素結合している。双方の酸素原子間の間隔寸法は0.276nmである。
上記水素結合は、イオン結合に比して遥かに弱い力であるが、これに因って水に粘性を生じているものと考えられている(北野康著「水の科学」による)。
先に述べたように、飲料水に磁界を印加すると総合官能的な味が良くなることが本発明者によって確認されている。駒沢大学教授杉田博士の説によれば、磁界によって水素結合が弱まり、水分子が小さくなったと見做すことができる。
上記「水分子が小さくなると見做す」というのは比喩的な表現であり、水分子間の水素結合が弱くなって水分子相互の束縛が緩やかになって粘性が減少することを意味していると解せられる。
また、水素結合の緩解に伴って、溶解しているミネラル分の消化吸収が良くなると考えられる。
【0008】
上述の原理に基づく具体的な構成として請求項1の発明に係るウォーターサーバーは、(図1参照)給水ボトル(3)を載置して水の供給を受ける手段と、
水を大気温よりも低温に保つ冷水タンク(8)、及び/又は、水を大気温よりも高温に保つ温水タンク(9)と、
冷水タンク、及び/又は温水タンク内の水を導いて流出させる給水管(11)と、
給水管の先端部に接続されていて、水路開閉弁機能を有する蛇口(4,5)と、を具備しているウォーターサーバー(2)において、
前記の給水管(11)を経て蛇口(4,5)から流出する水の流路付近に磁石(12)が設けられていて、水の流路内に磁界(磁力線)が形成されるように構成したことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明に係るウォーターサーバーの構成は、(図1参照)給水ボトル(3)を載置して水の供給を受ける手段と、
水を気温よりも低温に保つ冷水タンク(8)、及び/又は、水を気温よりも高温に保つ温水タンク(9)と、
冷水タンク、及び/又は温水タンク内の水を導いて流出させる給水管(11)と、
給水管の先端部に接続されていて、開閉弁機能を有する蛇口(4,5)と、を具備しているウォーターサーバー(2)において、
前記給水ボトル(3)に近接せしめて磁石(13)が設けられていて、該給水ボトル内に蓄えられている水の中に磁界(磁力線)が形成されるようになっていることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明に係るウォーターサーバーの構成は、前記請求項1または請求項2の発明装置の構成要件に加えて、(図3(A),(B)参照)前記磁石(12)が環状の永久磁石であって、水の流路を取り巻いており、
水の流路内に形成されている磁力線と、水の流動方向とが、ほぼ平行であることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明に係るウォーターサーバーの構成は、前記請求項1または請求項2の発明装置の構成要件に加えて、(図3(C)参照)前記の磁石が、複数個の棒形永久磁石(14)によって構成されており、
水の流路内に形成されている磁力線と、水の流動方向とが、ほぼ平行であることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明に係るウォーターサーバーの構成は、前記請求項1または請求項2の発明装置の構成要件に加えて、(図3(D)参照)前記の磁石が、一対の馬蹄形永久磁石(15)によって構成されており、
水の流路内に形成されている磁力線と、水の流動方向とが、ほぼ直交していることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明に係るウォーターサーバーの構成は、前記請求項1または請求項2の発明装置の構成要件に加えて、(図3(E)参照)前記の磁石が、多極環状の磁石(16)によって構成されており、
水の流路内に形成されている磁力線と、水の流線とが、ほぼ直交していることを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明に係るウォーターサーバーの構成は、前記請求項6の発明装置の構成要件に加えて、
前記環状電磁石の通電が、前記蛇口(4,5)の開閉作動に連動されるようになっていて、開弁操作に連動して、通水期間中たけ通電・磁化されるようになっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明に係るウォーターサーバーを適用すると、蛇口から流れ出る飲料水が磁界を通過する際、該磁界の作用によって水素結合を弱められるので、喉ごしが良く爽やかで“旨い”と感じられるようになる。
その上、水素結合が緩解されるため、含有しているミネラル分の吸収が良くなって健康増進に有効である。
【0016】
請求項2の発明に係るウォーターサーバーを適用すると、給水ボトルに蓄えられている飲料水が磁力線の作用によって水素結合を弱められるので、喉ごしが良くなり、爽やかで“旨い”と感じられる水になる。
その上、水素結合が緩解されるため、含有しているミネラル分の吸収が良くなって健康増進に有効である。
【0017】
請求項3の発明に係るウォーターサーバーを、前記請求項1または請求項2の発明装置に併せて適用すると、
市販の環状永久磁石を利用して給水管の中に強力な磁界を形成することができ、しかも磁界形成にエネルギーを消費しない。
【0018】
請求項4の発明に係るウォーターサーバーを、前記請求項1または請求項2の発明装置に併せて適用すると、
複数個の棒形磁石を給水管の周囲に配列することにより、1個の環状磁石と同様に機能する。
従って前記請求項3の発明装置と同様の作用効果を奏する。その上、既設の給水管に対して磁石を配置する工事の作業性が良い。
しかも、太い給水管に対しても細い給水管に対しても、同一形状寸法の棒形磁石を適用することができ、構成部品の互換性が優れている。
【0019】
請求項5の発明に係るウォーターサーバーを、前記請求項1の発明装置に併せて適用すると、最も普遍的に市販供給されている馬蹄形磁石を用いて給水管内に磁界を形成することができて好都合である。
その上、既設の給水管に対して磁石を配置する工事の作業性が良い。
しかも、太い給水管に対しても細い給水管に対しても、同一形状寸法の馬蹄形磁石を適用することができ、構成部品の互換性が優れている。
【0020】
請求項6の発明に係るウォーターサーバーを、前記請求項1の発明装置に併せて適用すると、多極環状の磁石によって、給水管に直交する多数の磁界を形成するので、単極の環状磁石では得られないような強力な磁界により飲料水を高度に改質して旨くすることができる。
【0021】
請求項7の発明に係るウォーターサーバーを前記請求項6の発明装置に併せて適用すると、多極環状の磁石を電磁石で構成するので、永久磁石では得られない強力な磁界を形成することができ、給水管を流通する飲料水を瞬時に改質して旨い水にすることができる。
電磁石は永久磁石に比して電力を消費する。しかし本請求項7の構成においては、蛇口の弁を開いている間だけ通電し、平常時は通電しないので消費電力量は極めて少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は本発明に係るウォーターサーバーの1実施形態を模式的に描いた斜視図である。
基本的な構造と作用原理とが分かり易いように模式化して描いてあるので、写実的な投影図ではない。
給水ボトル3内の水は給水マニホールド10を経て冷水タンク8と温水タンク9とに導かれて蓄えられる。
図示を省略するが上記冷水タンク8は冷却機を、温水タンク9はヒーターを、それぞれ備えていて、冷水や温水(湯)を提供する。
冷水の温度や温水の温度は、ユーザーの嗜好に応じて適宜に設定することができる。
本発明において冷水とは環境大気温度よりも低温の水をいい、温水とは環境大気温度よりも高温の水をいうものとする。
【0023】
冷水タンク8内の冷水は給水管11を経てカップ7に注がれる。該給水管の先端部に、開閉弁機能を有する冷水蛇口4や温水蛇口5が接続されていて、手動操作レバー6を指先で操作すると注水(注湯)されるようになっている。
温水蛇口5に接続されている給水管の途中に公知の給茶器(図示省略)を設置すると、熱いお茶をサービスするように構成することもできる
なお本実施形態においては、冷水タンク8および温水タンク9が蛇口(4,5)よりも下方に位置していて、その中の冷水,温水を加圧して蛇口まで送給するようになっているが、本図1は製図と読図とを容易ならしめるため、模式的に、自然流下するように描いてある(冷水タンク8の設置位置や温水タンク9の設置位置は本発明の必須構成要件ではない)。
【0024】
前記給水管11は、環状永久磁石12に挿通されている。給水管と環状永久磁石とを抽出して拡大すると図3(A)のごとくである。その断面を図3(B)に示す。
N極から出た磁力線は湾曲してS極に返る。磁力線の一部分は給水管11内を、該給水管とほぼ平行に通過している。
このため(図1参照)冷水蛇口4または温水蛇口5から注がれる水は、磁界の中を、磁力線と平行に流動して磁力作用を受け、水素結合が弱められた「旨い水」になる。また、含まれているミネラル分の消化吸収が良くなる。
【0025】
図3(C)は、前記と異なる実施形態を示す。
図3(A),(B)は、1本の給水管11に対して1個の環状永久磁石を用いたが、図3(C)においては、1本の給水管11の周囲に複数個(本例ては8個)の棒形永久磁石14を配列してある。
このように構成しても前例におけると同じく、給水管内に、これと平行な磁力線を生じるので、前例と同様の作用効果が得られる。
【0026】
先に説明した図3(A)の構造では「環状永久磁石12の中へ給水管11を挿通する」という作業を必要としたのに比して、図3(C)の構造では既設の給水管を動かさずに、その周囲に棒形永久磁石14を配列することができるので好都合である。
すなわち、既製のウォーターサーバーに対し本発明を適用して改良する工事を、迅速かつ容易に遂行することができる。
【0027】
図3(D)は更に異なる実施形態を示す。本図は給水管11に垂直な面で切断して描いてある。
前記の実施形態に比して異なるところは、環状磁石ではなく馬蹄形磁石を用いたことである。その結果、磁力線は給水管11に対して平行とならず、ほぼ直交する。しかし、磁界による飲料水改質効果は同様である。
本実施形態によれば、最も普遍的に供給市販されている馬蹄形磁石を利用するので、強力な磁石を安価に購入して使用することができる。
さらに、既製の馬蹄形永久磁石15を購入して、比較的太い給水管に装着することもでき、比較的細い給水管に装着することもできる。
なお、本図3(D)の実施形態の変形例として、馬蹄形永久磁石15を設置する姿勢を変えることにより、磁力線の方向を給水管とほぼ平行ならしめることもでき、給水管に対して斜交させることもできる。
【0028】
給水管内部に形成させる磁力線を更に強力ならしめるために改良した例を図3(E)に示す。給水管11の周囲に多極環状電磁石16を配設してある。この多極環状電磁石は、直流電動機の固定子と類似の部材であって、4個の電磁石を筒状ヨークの内周に配置して構成されている。
電磁石を用いることにより、永久磁石よりも強力な磁界が得られるので、飲料水改質効果も大きい。
【0029】
電磁石を用いると、電力供給手段(電源やコード)を必要とし、電気エネルギーを消費する。しかし、次に説明する理由により大きい短所にはならない。
a.ウォーターサーバーは、冷水を作り出すための冷却機や温水を作り出すためのヒーターを備えているので、本来的に給電設備を必要とする。従って、電磁石専用の電源を新たに設ける必要は無い。
b.(図1参照)環状永久磁石12が役立つのは、冷水蛇口4または温水蛇口5が開かれて飲料水が通過する期間だけである。
従って、上記環状永久磁石1に代えて電磁石を設けた場合、該電磁石に常時通電するには及ばない。手動操作レバー6と連動させて開弁時だけ通電すれは足りる。このため、消費電力量は微小である。
【0030】
図1を参照して以上に説明した実施形態は、冷水蛇口4または温水蛇口5の付近に磁石を設けた。これと異なる実施形態として、本図1に仮想線(鎖線)で描いた環状永久磁石13を設けることにより、給水ボトル3内の水に磁界を形成しても良い。
磁界の作用によって給水ボトル3内の飲料水が改質されて美味しくなる。
磁石を蛇口付近に設けても、給水ボトル付近に設けても、「磁界により水の水素結合を弱めて口あたりをまろやかにする」という作用原理は同様である。
【0031】
磁石を蛇口付近に設けるという構成と、磁石を給水ボトル付近に設けるという構成とは、その技術的思想において大きく異なる。
(図1参照)給水管11を流通しながら環状永久磁石12で改質される水は、磁界内を瞬時に通過する。このため、磁界の作用を受ける時間が短い。その代り、改質されてから短時間の内に飲用に供される。
これに比して、給水ボトル3の中で環状永久磁石13の磁界により改質される水は、磁界の作用を受ける時間が長い。その代り、改質されてから飲用に供されるまでの経過時間が長い。
【0032】
給水管11の周囲に磁石を設ける方式は、瞬間改質して直ちに飲んでしまうというスピード決着型であり、給水ボトル3の付近に磁石を設ける方式は、じっくり時間をかけて十分に改質して蓄えておくという貯蓄型である。いずれが優れているかは一概に言い切れないし、1基のウォーターサーバーの給水管11に環状永久磁石12を設け、かつ、給水ボトル3付近に環状永久磁石13を設けることもできる。
なお、図示を省略するが貯蓄型の変形例として、冷水タンク8や温水タンク9に磁石を設置することもでき、本発明の技術的範囲に属する。
【0033】
図5は、前掲の図1と異なる実施形態の要部を描いた模式図である。
給水ボトル3は倒立させて設置され、その口の部分を水室17に差し込まれている。
該水室内は、給水ボトル3から供給された良質の飲料水で満たされる。その下方に冷水タンク8が、更にその下方に温水タンク9が、それぞれ配置されている。
水室17と冷水タンク8との間はバッフル板18で仕切られており、前記水室17内の飲料水は冷水タンク8と温水タンク9との双方に供給される。
【0034】
前記冷水タンク8にはクーラーのコイル(冷却管)8aが設けられていて、内部の水を適温(通常摂氏5度〜12度)に保つ。
また、前記温水タンク9内には電気ヒーター9aが設けられていて、内部の水を適温(通常摂氏80度〜90度)に保っている。
これらの温度は任意に設定することができ、当該ウォーターサーバーの設置条件や使用者の特性に合わせて調節される。
【0035】
前記冷水タンク8には、給水管11を介して冷水蛇口4が接続されており、前記温水タンク9には給水管11を介して温水蛇口5が接続されている。これにより、手動操作レバー6を操作することによって冷,温任意に、適温の飲料水が注ぎ出される。
前記給水管11を貫通せしめて、その周囲に環状永久磁石12が配置されている。このため、注ぎ出される飲料水は環状永久磁石13の磁界内を流通し改質されて、口あたりのまろやかな美味しい水となり、しかも飲料水に溶け込んでいるミネラル分の消化吸収が促進されて健康増進に有効である。
【0036】
給水管11の周囲に配置した環状永久磁石12に併せて、もしくは該環状永久磁石12に代えて、環状永久磁石13が給水ボトル3の付近に設置されている。これにより給水ボトル3内の飲料水は、磁界の作用を受けて口あたりがまろやかで爽やかな美味しい水となり、しかも飲料水に溶け込んでいるミネラル分の消化吸収が促進されて健康増進に有効である。
この実施形態によると、クーラーやヒーターに電力を消費するが、水質改良のために別段のエネルギーを消費することは無い。
【0037】
図5の実施形態について、給水管11の周囲に配置した環状永久磁石12に代えて電磁石(図示省略)を用いることもできる。電磁石は電力を消費するが、その消費電力量は僅少であって、ヒーターやクーラーの電力消費に比して無視することができ、経済的負担もゼロと見做し得る。
本実施形態においては、給水管11の周囲および/または給水ボトル3の付近に磁石を配置したが、その変形例として冷水タンク8の付近もしくはその内部に磁石を配置し、または温水タンク9の付近もしくはその内部に磁石を配置しても、同様の作用効果を得ることができる。これらの変形例は本発明の主要な構成を適用したものであって、本発明の技術的範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】 本発明に係るウォーターサーバーの基本的構成を説明するために示したもので、1実施形態を模式的に描いた斜視図
【図2】 ウォーターサーバーの従来例を描いた外観正面図であって、本発明を適用した場合も同様である。
【図3】 本発明における磁石の実施形態4種類を示し、(A)は環状永久磁石の設置状態を模式的に描いた斜視図、(B)は上記実施形態の断面図、(C)は多数の棒形永久磁石を配列した状態を模式的に描いた斜視図、(D)は一対の馬蹄形永久磁石を配置した状態の模式的な断面図、(E)は給水管の周囲に多極環状電磁石を配置した状態の模式的な断面図
【図4】 磁界によって水が改質される原理を説明するために示したもので、2個の水分子が水素結合している状態の模式図
【図5】 前掲の図1と異なる実施形態に係るウォーターサーバーを模式的に描いた部分断面斜視図
【符号の説明】
【0039】
1A,1B…水分子
2…ウォーターサーバー
3…給水ボトル
4…冷水蛇口
5…温水蛇口
6…手動操作レバー
7…カップ
8…冷水タンク
8a…クーラーコイル
9…温水タンク
9a…ヒーター
10…給水マニホールド
11…給水管
12…給水管の周囲に設けた環状永久磁石
13…給水ボトルの付近に設けた環状永久磁石
14…棒形永久磁石
15…馬蹄形永久磁石
16…多極環状電磁石
17…水室
18…バッフル板
19…ドレン管
H…水素原子
N…磁石の北極
O…酸素原子
S…磁石の南極
θ…水分子内における水素原子相互のなす角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水ボトルを載置して水の供給を受ける手段と、
水を気温よりも低温に保つ冷水タンク、及び/又は、水を気温よりも高温に保つ温水タンクと、
冷水タンク、及び/又は温水タンク内の水を導いて流出させる給水管と、
給水管の先端部に接続されていて、開閉弁機能を有する蛇口と、を具備しているウォーターサーバーにおいて、
前記の給水管を経て蛇口から流出する水の流路付近に磁石が設けられていて、水の流路内に磁力線が形成されていることを特徴とする、水の改質機能を有するウォーターサーバー。
【請求項2】
給水ボトルを載置して水の供給を受ける手段と、
水を気温よりも低温に保つ冷水タンク、及び/又は、水を気温よりも高温に保つ温水タンクと、
冷水タンク、及び/又は温水タンク内の水を導いて流出させる給水管と、
給水管の先端部に接続されていて、開閉弁機能を有する蛇口と、を具備しているウォーターサーバーにおいて、
前記給水ボトルに近接せしめて磁石が設けられていて、該給水ボトル内に蓄えられている水の中に磁力線が形成されていることを特徴とする、水の改質機能を有するウォーターサーバー。
【請求項3】
前記の磁石が環状の永久磁石であって、水の流路を取り巻いており、
水の流路内に形成されている磁力線と、水の流動方向とが、ほぼ平行であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載した、水の改質機能を有するウォーターサーバー。
【請求項4】
前記の磁石が、複数個の棒形永久磁石によって構成されており、
水の流路内に形成されている磁力線と、水の流線とが、ほぼ平行であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載した、水の改質機能を有するウォーターサーバー。
【請求項5】
前記の磁石が、一対の馬蹄形永久磁石によって構成されており、
水の流路内に形成されている磁力線と、水の流線とが、ほぼ直交していることを特徴とする、請求項1に記載した、水の改質機能を有するウォーターサーバー。
【請求項6】
前記の磁石が、多極環状の磁石によって構成されており、
水の流路内に形成されている磁力線と、水の流線とが、ほぼ直交していることを特徴とする、請求項1に記載した、水の改質機能を有するウォーターサーバー。
【請求項7】
前記環状電磁石の通電が、前記蛇口の開閉作動に連動されるようになっていて、開弁操作に連動して通電されるようになっていることを特徴とする、請求項6に記載した水の改質機能を有するウォーターサーバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−210667(P2007−210667A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−60164(P2006−60164)
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【出願人】(502316393)ヘルシーウォーター株式会社 (6)
【Fターム(参考)】