説明

水を用いた空気負イオン発生装置

【課題】 水を用いた空気負イオン発生装置において、湿度の要求量に応じて制御を可能にした装置を提供する。
【解決手段】
使用する水を純水化して水の電気伝導率を10μS/cm以下に規制し、共振係数の違う複数の超音波振動子を用い、それぞれを超音波振動子の共振周波数に共振させた発信周波数で駆動すると共に、ミスト分離機構の内部水を含む全体容積を容積共振させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気負イオン(従来マイナスイオンと解説されていた)を発生する装置に関し、詳しくは水を利用したイオン化霧による大量の空気負イオンを発生させると共に湿度も制御する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大気中の負イオンと正イオンの比率は同程度といわれているが、環境の変化に伴い近年においては正イオンの数が増え大気中のイオンバランスが崩れている。この弊害を回避するため、負イオンと正イオンのバランスのとれた環境下に身を置くことによって疲労回復効果、血液の浄化効果、精神安定効果、抵抗力の増進効果、自律神経調整効果等の医療効果を得られることが広く知られている。
これらの知見に基づいて育毛装置や健康増進器具が提案されており、空気負イオンの発生方法には、高圧コロナ放電を用いるもの、紫外線を用いるもの、放射線を用いるもの、水を利用するもの等がある。本発明はこの内の水を利用して負イオンの濃度を高める方法に属するものである。
【0003】
特許文献1には、風化珊瑚粉を焼成する珊瑚焼成手段Bがあり、珊瑚セラミックカートリッジ1と水を入れる脱着水容器2があり、上記の珊瑚焼成手段により造成した珊瑚セラミック1aを水流入口3からの水Wと反応させ、その水Wをアルカリイオン化する。さらに、超音波発振器6があり、上記の脱着水容器2内で上記の珊瑚セラミック1aを水Wと反応させ作られたアルカリイオン水にその振動力を与える。最後に、ファン7が、上記の超音波発振器6により放出された負イオン空気Aに風力を与える超音波振動力利用珊瑚セラミックの機能生理活性負イオン空気発生装置が提案されている。この方法は霧化部に超音波振動子を用い、水から直接ミストを分離すると共に発生したミストの大、中を分離できる優れた方法であるが、水をアルカリイオン化(pH7.4〜7.8)する工程により負イオン空気発生が抑制される問題点がある。また、単体の超音波振動子に対して、振動力を与える超音波発振器の周波数が1.6〜2.8MHZの広帯域では振動子と発振器が非共振状態となり運用効率が低下する問題点もある。
【0004】
特許文献2には、珊瑚利用負イオン発生手段10からの負イオンが導管21と負イオン放出頭髪カプセル22からなる負イオン振りかけ手段20へ送られる。上記負イオン発生手段10は、着脱水容器12aに収納された珊瑚セラミック粒集合体11aを超音波発信器13の超音波振動で水と反応させアルカリイオン水を作る。この超音波発信器13は、このイオン水にも超音波振動を与え、このイオン水を負イオンの霧滴Aにする。負イオン霧滴収納室14a内に設けられた円筒14cにより形成された負イオン霧滴通路14bを、フアンFが上記負イオン霧滴Aを螺旋状に送風し、負イオンを頭髪に放出する育毛装置が提案されている。この方法は負イオン放出頭髪カプセルにより霧滴が拡散されるのを防止する効果はあるが、特許文献1同様に珊瑚利用によるアルカリイオン水を原料に負イオンを発生させているため負イオンの発生量を減少させてしまう問題点がある。また、特許文献1同様に、単体の超音波振動子に対して振動力を与える超音波発振器の周波数が1.6〜2.8MHZの広帯域では振動子と発振器が非共振状態となり運用効率が低下する問題点もある。
【0005】
特許文献3には、水槽3と、ミスト出口4と、送風ファン5と、水槽3に装着される超音波振動子6とを備えている。超音波振動子6の駆動周波数は2〜4.7MHzに設定して、水槽3内部の空気中にミストを生成させると同時に、マイナスイオンを生成するマイナスイオン生成方法とマイナスイオン発生装置が提案されている。この方法も霧化部に超音波振動子を用い水から直接ミストを製造する。また、2個の超音波振動子を駆動しミストを生成させると同時に、マイナスイオンを生成する優れた方法であるが、ミストの分離工程を含まないため発生したミストの大、中、小を含む全てのミストを放出してしまう問題点がある。また、特許文献1、2同様に、単体の超音波振動子に対して振動力を与える超音波発振器の周波数が2〜4.7MHZの広帯域では振動子と発振器が非共振状態となり運用効率が低下する問題点もある。
【0006】
特許文献4には、超音波振動子より発生する超音波により原液を霧化蒸散させることにより、加熱調理時に発生する煙と香りと同じ疑似煙と疑似香を発生させ、この疑似煙と疑似香を調理台上に噴出させる超音波霧化装置において、超音波振動子より発生する液柱を囲繞するための逆円錐形状のトラップを吊設し、上記液体漕の一側には空気取り入れ口を、他側には調理台上に開口する気体の噴出口を配設したことを特徴とする疑似演出による食品等の販売装置に使用する超音波霧化装置が提案されている。使用目的は違うが小型で扁平な装置でありミストが微細である点は優れた方法であるが、空気負イオンを生成する装置ではないため特化した機能追求が求められていた。
【0007】
これら従来の水を媒体としたイオン発生方法は、高圧コロナ放電を用いるものの問題点であるオゾンの発生がなく、紫外線を用いるものの問題点であるイオン発生量を克服し、放射線を用いるものの問題点である被爆の問題を解決できる優れた方法であるが、上記の如く個々の問題点を抱えていた。
【0008】
特許文献の装置には、超音波振動子が用いられており超音波振動による加湿器と同じ原理の応用製品である。そして、超音波振動子を用いた製品の超音波霧化ユニットとして1.6MHZと2.4MHZのユニットが供給されている。また、従来の超音波霧化ユニットの霧粒子径は3μm〜5μmとされている。超音波素子は固有の共振周波数を持っているので1.6MHZと2.4MHZの周波数が印加されている。しかし、水を媒体としたイオン発生での霧の粒子径は1μm以下が理想の粒子径といわれているため適正な周波数での運用が求められていた。
【0009】
そして従来の水を媒体としたイオン発生方法は、供給される水の電気伝導率に対する負イオンの発生には着眼されていない。また、超音波振動子を利用して空気負イオンを生成する方法での共振周波数にも着眼されていないため発生する空気負イオン量には限度があり、また空気負イオンを発生させるには複雑な構造の装置を必要とするなどの問題点も残されている。
【0010】
【特許文献1】特開2000−227239号公報
【特許文献2】特開2006−239209号公報
【特許文献3】特開2003−322369号公報
【特許文献4】特開2005−106909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
四季を通じて空気負イオンを室内で使用する場合や、育毛装置や健康増進器具に使用する場合には、空気負イオンの量、使用環境の水分率(湿度)が重要な要素となる。室内で使用する場合、冬期には加湿を必要とするが夏期には不要となる。また、育毛装置では30%〜40%の湿度が要求され、健康増進器具では60%〜70%の高い湿度を要求する場合もある。そこで本発明は、ぞれぞれに特化した超音波振動子を選定し、使用目的に合わせ最適な共振係数で駆動する空気負イオン発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために請求項1に記載した水を用いた空気負イオン発生装置は、水を用いた微細霧による空気負イオン発生と湿度を制御する装置において、使用する水を純水化して水の電気伝導率を10μS/cm以下に規制し水の持つ帯電エネルギーを誘導し、超音波振動子の共振周波数に共振させた発信周波数で駆動すると共に超音波振動子の共振定数に合わせた水深に調整され、内部水を含む全体容積を容積共振定数に合わせたミスト分離機構を有した空気負イオン発生と湿度を制御する独立したユニットを同一容器内に設置し、それぞれのユニットにより得られた空気負イオンを大量に含んだ微細霧と湿度を調整する微細霧を容器内で攪拌混合し、大量の空気負イオンを発生させると共に湿度の制御も行うことを特徴としている。
【0013】
この発明に使用する水は、同発明者がP2006−NA1(平成18年12月7日提出)として提案したもので、水の電気抵抗率(電気伝導率)に注目した結果、通常の水道水では抵抗率4,000Ω・cmから5,000Ω・cm(100μS/cm)程度であるのに対し、超純水では抵抗率10MΩ・cmから18MΩ・cm(0.1μS/cm)程度となり絶縁体に近づく。この状態の水は、流動させるだけでも水の中で静電現象が発生し、水はマイナスに帯電し近傍の樹脂容器がプラスに帯電する。
【0014】
マイナスに帯電した水は、超音波振動子の振動により水を微細化するためのburst(破裂・爆裂・破砕)エネルギーや、cavity(空所)エネルギーが加わると、種類や強さに応じた加速度的な付加帯電現象を誘発し、霧化と同時に大量の空気負イオンを発生させることとなる。超音波素子は固有の共振周波数を持っているので、加湿器用の超音波霧化ユニットを用いる場合には、1.6MHZの振動子には1.6MHZの発信周波数を印加し湿度を制御する微細霧(平均粒子径4μm)を発生させ、2.4MHZの振動子には2.4MHZの発信周波数を印加し空気負イオンを大量に含む微細霧(平均粒子径3μm)を発生させる。
【0015】
発生する微細霧の平均粒子径は、印加する周波数に依存し周波数が高くなるほど粒子径は小さくなるが、水を微細化するためのエネルギーは1.6MHZ付近で最大値を示し周波数が高くなるほど低下する。そこで、共振定数により変化する水を微細化するためのエネルギーの大きさに合わせミスト分離機構の台座高を調整し内部水を含む全体容積を容積共振定数に合わせ、共振定数に適合する水深と内部水を含む全体容積を決定している。
【0016】
請求項2に記載の水を用いた空気負イオン発生装置は、水を用いた微細霧による空気負イオン発生させる装置において、使用する水を純水化して水の電気伝導率を1μS/cm以下に規制し水の持つ帯電エネルギーを誘導し、超音波振動子の共振周波数より上限にずらした発信周波数で駆動すると共に発信周波数の共振定数に合わせた水深に調整され内部水を含む全体容積を容積共振させたミスト分離機構を有し、大量の空気負イオンを発生させると共に平均粒子径を小型化し微細霧の発生総量を抑え湿度の上昇を抑制することを特徴としている。
【0017】
この発明は、超音波振動子の共振特性と水の持つ帯電エネルギーの誘導に注目した結果であり、超音波振動子の振動により発生する微細霧の平均粒子径は、印加する周波数に依存し周波数が高くなるほど粒子径は小さくなることから、加湿器用の超音波霧化ユニットを用いる場合には2.4MHZの振動子を用いる。そこで、超音波振動子の共振特性に注目すると最大エネルギー密度は2.4MHZの発信周波数で駆動した場合であり、振動エネルギー密度の低下も考慮した実用域では4.0MHZ付近までが実用的なエネルギー密度となる。そこで4.0MHZまで発信周波数を上限にずらして駆動することにより理想の粒子径(1μm以下)に近づける。また、4.0MHZまで発信周波数を上限にずらして駆動することにより生じたエネルギー密度の低下を純水化率を引き上げ水の電気伝導率を1μS/cm以下に規制して静電現象が発生し易い環境を作り補っている。
【0018】
請求項3に記載の水を用いた空気負イオン発生装置は、水を用いた微細霧による空気負イオン発生させる装置において、空気負イオン発生専用の超音波振動子としての超音波素子の固有の共振周波数が3.8MHZ〜4.2MHZの範囲で設定されていることを特徴としている。
【0019】
この発明は理想の粒子径(1μm以下)に近づけるための対策であるが、ミスト分離機構の内部水を含む全体容積が少なくなり共振定数に適合する水深と内部水を含む全体容積の調整が困難になり効率低下を招く等の諸問題があり、3.8MHZ〜4.2MHZの範囲での設定は総合的バランスを考慮した超音波素子の共振周波数であり、超音波素子の共振周波数に適合する周波数が印加される。
【0020】
請求項4に記載の水を用いた空気負イオン発生装置は、前記装置に、薬効成分やリラックス成分の付加された水から霧を発生させる超音波振動子を備えた別の発生機構を追加させたことを特徴としている。
【0021】
この発明は空気負イオン発生と湿度を制御する装置又は空気負イオンを発生する装置に薬効成分やリラックス成分の付加された霧を追加させるものであるが、純水化した空気負イオン化ミストの発生源水に薬効成分やリラックス成分の混合は電気伝導率の上昇をまねく。そこで、空気負イオン発生装置の容器とは隔離された別の霧を発生させる超音波振動子を備えた容器を追加し、空気負イオン発生と湿度を制御する装置又は空気負イオンを発生する装置から得られた合成霧又は空気負イオンと混合する。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように請求項1の発明によれば、使用する水を純水化して水の電気伝導率を10μS/cm以下に規制して水がマイナスに帯電し易い状況を作り出し、水の中で静電現象を発生させると共に1.6MHZの振動子(湿度制御用微細霧)と2.4MHZの振動子(空気負イオン発生用微細霧)を共振周波数で駆動することにより最大効率で駆動し、さらに振動子の共振定数に適合する水深と内部水の容量に合わせた台座を持つミスト分離機構内でも内部水を含む全体容積を振動子の共振定数に適合させ容積共振させることにより、従来の発生方法に比べ高い効率で空気負イオンを発生させることができる。
【0023】
請求項2の発明によれば、振動子の駆動周波数を上限にずらし、微細霧の平均粒子径を小さくし理想の粒子径(1μm以下)に近づけ、微細霧の発生総量を抑え湿度の上昇を抑制する。そして、発信周波数を上限にずらして駆動することにより生じた振動エネルギー密度の低下を純水化率を引き上げ水の電気伝導率を1μS/cm以下に規制して静電現象が発生し易い環境を作り補っているので、従来の発生装置における平均粒子径を小さくした場合の効率低下を防止できる。
【0024】
請求項3の発明によれば、空気負イオン発生専用の超音波振動子(共振周波数が3.8MHZ〜4.2MHZ)を用いているため、理想の粒子径(1μm以下)に近づくと共に発信周波数を上限にずらして駆動することにより生じるエネルギー密度の低下もなく、ミスト分離機構の内部水を含む全体容積の調整も容易で、純水化率を引き上げ水の電気伝導率を1μS/cm以下に規制する問題を解消できる。
【0025】
請求項4の発明によれば、空気負イオン発生と湿度を制御する装置又は空気負イオンを発生する装置とは別の超音波振動子を備えた発生機構を追加しているので、電気伝導率の上昇による空気負イオン発生量の低下を解消できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図1〜図4を参照して詳細に説明する。図1は実施例1で使用する本発明の水を用いた空気負イオン発生装置の構造を示す断面図、図2はミスト分離機構の上面図と側面の断面図、図3は実施例2、実施例3で使用する本発明の水を用いた空気負イオン発生装置の構造を示す断面図、図4は本発明の薬効成分やリラックス成分を発生する超音波振動子を備えた別の発生機構を示す断面図である。
【0027】
実施例1として健康増進器具等に使用する場合、図1示す空気負イオン発生装置を使用する。空気負イオン発生装置の容器1には、空気負イオン発生用の超音波振動子A2と湿度制御用の超音波振動子B3とそれぞれの超音波振動子専用に設けられたミスト分離機構A4とミスト分離機構B5と空気取り入れ口6と空気負イオンの放出口7と純水化された水の供給口8が設けられている。
【0028】
水の供給口8より純水化された水9を供給し、発信回路A10より超音波振動子A2及び発信回路B11より超音波振動子B3に共振周波数を印加し振動子を駆動すると、純水化された水9が振動エネルギーにより略円錐形状の液柱A12と液柱B13を発生する。この液柱A12と液柱B13は振動により千切れ大小さまざまな液滴を生み出す。大きい液滴はミスト分離機構A4又はミスト分離機構B5の逆円錐型の筒の内壁にぶつかると自重が重いため水に戻される。しかし、小さい液滴は逆円錐型の筒の内壁にぶつかっても自重が軽いため内壁と水との空間A14又は内壁と水との空間B15に漂い充満する。充満に伴い内圧が僅かであるが上昇するため、最小径の微細霧だけが矢印の方向A16又は矢印の方向B17へと流れ、ミスト分離機構A4とミスト分離機構B5の逆円錐型の筒下部の水の返し部に設けた頂点の穴A18又は頂点の穴B19を通過することになる。
【0029】
空気負イオン化ミストの発生源は、純水化して電気伝導率を10μS/cm以下に規制することにより水がマイナスに帯電し易い状況を作り出され、純水化された水9として水の供給口8より供給され水位22を保っている。純水化された水9は、図2のミスト分離機構A4とミスト分離機構B5の逆円錐型の筒下部の水の返し部A20又は筒下部の水の返し部B21の外周より下部に連結された円筒型の台座A23又は円筒型の台座B24に設けられた穴A25又は穴B26を通過し、矢印A27又は矢印B28のように円筒型の台座A23又は円筒型の台座B24内に進入する。進入した純水化された水9は上記の如く作用を受ける。そして、頂点の穴A18又は頂点の穴B19より発生する微細霧は負に帯電した微細霧と湿度調整用微細霧として空間29に漂う。
【0030】
空間29に漂う微細霧は、空気取り入れ口6より圧送される空気の流れ30に誘導されミスト分離機構A4とミスト分離機構B5と容器1との空間29内で攪拌混合され、空気負イオンと湿度調整霧が合成された合成霧31として容器1の空気負イオンの放出口7より放出される。必要な合成霧31の量は空気取り入れ口6に流入される空気の流れ30の量で調整される。
【0031】
空気負イオン発生用の超音波振動子A2と湿度制御用の超音波振動子B3を同時に駆動するのは空気負イオンの他に湿度も要求される場合で、通常の動作では空気負イオン発生用の超音波振動子A2を最大電力で駆動し、湿度制御用の超音波振動子B3を30%〜100%の範囲で電力可変して合成霧31を得るのである。
【0032】
実施例2として湿度の増加を抑制した装置等に使用する場合、図3示す空気負イオン発生装置を使用する。空気負イオン発生装置の容器1には、空気負イオン発生用の超音波振動子A2とミスト分離機構A4と空気取り入れ口6と空気負イオンの放出口7と純水化された水の供給口8が設けられている。
【0033】
水の供給口8より純水化された水9を供給し、発信回路A10より電力(周波数4.0MHZ)を超音波振動子A2(2.4MHZ振動子)に供給すると、純水化された水9が振動エネルギーにより略円錐形状の液柱A12を発生する。この液柱A12は振動により千切れ大小さまざまな液滴を生み出す。大きい液滴はミスト分離機構A4の逆円錐型の筒の内壁にぶつかると自重が重いため水に戻される。しかし、小さい液滴は逆円錐型の筒の内壁にぶつかっても自重が軽いため内壁と水との空間A14に漂い充満する。充満に伴い内圧が僅かであるが上昇するため、最小径の微細霧だけが矢印の方向A16へと流れ、ミスト分離機構A4の逆円錐型の筒下部の水の返し部に設けた頂点の穴A18を通過することになる。この実施例では2.4MHZの超音波振動子A2に対し、発信回路A10より印加する電力の周波数を4.0MHZに設定し上限にずらし、微細霧の平均粒子径を理想の粒子径(1μm以下)に近づけているため、振動エネルギー密度の低下が起こり総発生量は低下する。
【0034】
空気負イオン化ミストの発生源は、純水化して電気伝導率を1μS/cm以下に規制することにより、水が10μS/cm以下に規制された場合よりさらにマイナスに帯電し易い状況を作り出され、純水化された水9として水の供給口8より供給され水位22を保っている。純水化された水9は、図2のミスト分離機構A4の逆円錐型の筒下部の水の返し部A20の外周より下部に連結された円筒型の台座A23に設けられた穴A25を通過し、矢印A27のように円筒型の台座A23内に進入する。進入した純水化された水9は上記の如く作用を受ける。そして頂点の穴A18より発生する微細霧は負に帯電した微細霧として空間29に漂う。また空間29に漂う微細霧の量は、マイナスに帯電し易い状況を作り出されいるため超音波振動子の振動エネルギー密度の低下を補える量を確保できる。
【0035】
空間29に漂う微細霧は、空気取り入れ口6より圧送される空気の流れ30に誘導されミスト分離機構A4と容器1との空間29内で攪拌混合され、空気負イオン32として容器1の空気負イオンの放出口7より放出される。必要な空気負イオン32の量は空気取り入れ口6に流入される空気の流れ30の量で調整される。
【0036】
空気負イオン発生用の超音波振動子A2の発信周波数を上限にずらして駆動するのは、湿度の増加を抑制する目的で使用し、かつ、加湿器用の超音波霧化ユニットの2.4MHZの振動子を用いる場合で、微細霧の平均粒子径を小さくし理想の粒子径(1μm以下)に近づけ微細霧の相対量を減らし、水の純水化率を上げ、水の中で静電現象が発生し易い状況を作り水をマイナスに積極的に帯電させ、僅かな振動エネルギーで空気負イオンの発生量を確保すると共に湿度の増加を抑制するのである。
【0037】
実施例3として育毛装置等30%〜40%の湿度が要求される空気負イオンを用いる場合、図3示す空気負イオン発生装置を使用する。空気負イオン発生装置の容器1には、空気負イオン発生用の超音波振動子A2とミスト分離機構A4と空気取り入れ口6と空気負イオンの放出口7と純水化された水の供給口8が設けられている。
【0038】
水の供給口8より純水化された水9を供給し、発信回路A10より電力(3.8MHZ〜4.2MHZの単周波数)を超音波振動子A2(電力の単周波数に共振する振動子)に供給すると、純水化された水9が振動エネルギーにより略円錐形状の液柱A12を発生する。この液柱A12は振動により千切れ大小さまざまな液滴を生み出す。大きい液滴はミスト分離機構A4の逆円錐型の筒の内壁にぶつかると自重が重いため水に戻される。しかし、小さい液滴は逆円錐型の筒の内壁にぶつかっても自重が軽いため内壁と水との空間A14に漂い充満する。充満に伴い内圧が僅かであるが上昇するため、最小径の微細霧だけが矢印の方向A16へと流れ、ミスト分離機構A4の逆円錐型の筒下部の水の返し部に設けた頂点の穴A18を通過することになる。この実施例では4.0MHZの超音波振動子A2に対し、発信回路A10より印加する電力の周波数も4.0MHZに設定した超音波素子の共振周波数に適合する周波数が印加されるので、微細霧の平均粒子径は小さくなり理想の粒子径(1μm以下)に近づくと共に、振動エネルギー密度の低下も発生しない。
【0039】
空気負イオン化ミストの発生源は、純水化して電気伝導率を10μS/cm以下に規制することにより水がマイナスに帯電し易い状況を作り出され、純水化された水9として水の供給口8より供給され水位22を保っている。純水化された水9は、図2のミスト分離機構A4の逆円錐型の筒下部の水の返し部A20の外周より下部に連結された円筒型の台座A23に設けられた穴A25を通過し、矢印A27のように円筒型の台座A23内に進入する。進入した純水化された水9は上記の如く作用を受ける。そして、頂点の穴A18より発生する微細霧は負に帯電した微細霧として空間29に漂う。
【0040】
空間29に漂う微細霧は、空気取り入れ口6より圧送される空気の流れ30に誘導されミスト分離機構A4と容器1との空間29内で攪拌混合され、空気負イオン32として容器1の空気負イオンの放出口7より放出される。必要な空気負イオン32の量は空気取り入れ口6に流入される空気の流れ30の量で調整される。
【0041】
空気負イオン発生用の超音波振動子A2と発信周波数を4.0MHZ(中心周波数)に設定して駆動するのは、微細霧の相対量を減らすことなく、かつ、微細霧の平均粒子径を小さくし理想の粒子径(1μm以下)に近づける場合で、小径の微細霧を大量に消費する装置に使用される。尚、4.0MHZ(中心周波数)の超音波素子は空気負イオン発生専用に設計したものである。
【0042】
図4は本発明の薬効成分やリラックス成分を発生する超音波振動子を備えた別の発生機構を示す断面図であり、薬効成分やリラックス成分の微細霧発生装置の容器1には、薬効成分やリラックス成分の微細霧発生用の超音波振動子B3とミスト分離機構B5と空気取り入れ口6と薬効成分やリラックス成分の放出口7と薬効成分やリラックス成分の混合された水の供給口8が設けられている。
【0043】
水の供給口8より薬効成分やリラックス成分の混合された水34を供給し、発信回路B11より超音波振動子B3に共振周波数を印加し振動子を駆動すると、薬効成分やリラックス成分の混合された水34が振動エネルギーにより略円錐形状の液柱B13を発生する。この液柱B13は振動により千切れ大小さまざまな液滴を生み出す。大きい液滴はミスト分離機構B5の逆円錐型の筒の内壁にぶつかると自重が重いため水に戻される。しかし、小さい液滴は逆円錐型の筒の内壁にぶつかっても自重が軽いため内壁と水との空間B15に漂い充満する。充満に伴い内圧が僅かであるが上昇するため、最小径の微細霧だけが矢印の方向B17へと流れ、ミスト分離機構B5の逆円錐型の筒下部の水の返し部に設けた頂点の穴B19を通過することになる。
【0044】
薬効成分やリラックス成分ミストの発生源は、薬効成分やリラックス成分の混合された水34として水の供給口8より供給され水位22を保っている。薬効成分やリラックス成分の混合された水34は、図2のミスト分離機構B5の逆円錐型の筒下部の水の返し部B21の外周より下部に連結された円筒型の台座B24に設けられた穴B26を通過し、矢印B28のように円筒型の台座B24内に進入する。進入した薬効成分やリラックス成分の混合された水34は上記の如く作用を受ける。そして、頂点の穴B19より発生する微細霧は薬効成分やリラックス成分を含んだ微細霧として空間29に漂う。
【0045】
空間29に漂う微細霧は、空気取り入れ口6より圧送される空気の流れ30に誘導されミスト分離機構B5と容器1との空間29内で攪拌混合され、薬効成分やリラックス成分を含んだ微細霧33として容器1の薬効成分やリラックス成分の放出口7より放出される。必要な薬効成分やリラックス成分を含んだ微細霧33の量は空気取り入れ口6に流入される空気の流れ30の量で調整される。
【0046】
空気負イオンを用いた育毛装置等に薬効成分を付加したい場合や、空気負イオンを用いた健康増進器具等にリラックス成分を付加したい場合には、空気負イオン32又は、空気負イオンと湿度調整霧が合成された合成霧31と薬効成分やリラックス成分を含んだ微細霧33と混合して使用するのである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例1で使用する水を用いた空気負イオン発生装置の構造を示す断面図である。
【図2】本発明のミスト分離機構の上面図と側面の断面図である。
【図3】本発明の実施例2、実施例3で使用する水を用いた空気負イオン発生装置の構造を示す断面図である。
【図4】本発明の薬効成分やリラックス成分を発生する超音波振動子を備えた別の発生機構を示す断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 容器
2 超音波振動子A
3 超音波振動子B
4 ミスト分離機構A
5 ミスト分離機構B
6 空気取り入れ口
7 放出口
8 水の供給口
9 純水化された水
10 発信回路A
11 発信回路B
12 液柱A
13 液柱B
14 内壁と水との空間A
15 内壁と水との空間B
16 矢印の方向A
17 矢印の方向B
18 頂点の穴A
19 頂点の穴B
20 水の返し部A
21 水の返し部B
22 水位
23 台座A
24 台座B
25 穴A
26 穴B
27 矢印A
28 矢印B
29 空間
30 空気の流れ
31 合成霧
32 空気負イオン
33 薬効成分やリラックス成分を含んだ微細霧
34 薬効成分やリラックス成分の混合された水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を用いた微細霧による空気負イオン発生と湿度を制御する装置において、使用する水を純水化して水の電気伝導率を10μS/cm以下に規制し水の持つ帯電エネルギーを誘導し、超音波振動子の共振周波数に共振させた発信周波数で駆動すると共に超音波振動子の共振定数に合わせた水深に調整され、内部水を含む全体容積を容積共振定数に合わせたミスト分離機構を有した空気負イオン発生と湿度を制御する独立したユニットを同一容器内に設置し、それぞれのユニットにより得られた空気負イオンを大量に含んだ微細霧と湿度を調整する微細霧を容器内で攪拌混合し、大量の空気負イオンを発生させると共に湿度の制御も行うことを特徴とする水を用いた空気負イオン発生装置。
【請求項2】
水を用いた微細霧による空気負イオン発生させる装置において、使用する水を純水化して水の電気伝導率を1μS/cm以下に規制し水の持つ帯電エネルギーを誘導し、超音波振動子の共振周波数より上限にずらした発信周波数で駆動すると共に発信周波数の共振定数に合わせた水深に調整され内部水を含む全体容積を容積共振させたミスト分離機構を有し、大量の空気負イオンを発生させると共に平均粒子径を小型化し微細霧の発生総量を抑え湿度の上昇を抑制することを特徴とする水を用いた空気負イオン発生装置。
【請求項3】
水を用いた微細霧による空気負イオン発生させる装置において、空気負イオン発生専用の超音波振動子としての超音波素子の固有の共振周波数が3.8MHZ〜4.2MHZの範囲で設定されていることを特徴とする請求項1、請求項2に記載の水を用いた空気負イオン発生装置。
【請求項4】
前記装置に、薬効成分やリラックス成分の付加された水から霧を発生させる超音波振動子を備えた別の発生機構を追加させたことを特徴とする請求項1、請求項2に記載の水を用いた空気負イオン発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−39701(P2009−39701A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−226952(P2007−226952)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【出願人】(503311782)
【出願人】(504009712)
【出願人】(507293103)
【出願人】(507293114)
【Fターム(参考)】