水上高架構造物の付替え工法
【課題】水上高架構造物の付替え作業を円滑に行う。
【解決手段】水底地盤Gに打設された杭12とそれに支持される床版14とを含む水上高架構造物16の付替えを行う際に、既設水上高架構造物16の延びる方向に沿って、既設床版14に穿孔を行って開口18を形成する。開口18から既設床版14上に突出ないし同一高さとなるように新設杭20を打設し、新設杭20を橋形クレーン24の設置場所として利用する。橋形クレーン24を、新設杭20を乗り移るようにして移動させながら、橋形クレーン24を用いて、更なる新設杭20の搬入及び打設、既設床版14及び既設杭12の解体及び搬出を行う。その後、橋形クレーン24を、新設杭20を乗り移るようにして移動させながら、新設杭20上に新設床版を設置して、水上高架構造物を再構築する。
【解決手段】水底地盤Gに打設された杭12とそれに支持される床版14とを含む水上高架構造物16の付替えを行う際に、既設水上高架構造物16の延びる方向に沿って、既設床版14に穿孔を行って開口18を形成する。開口18から既設床版14上に突出ないし同一高さとなるように新設杭20を打設し、新設杭20を橋形クレーン24の設置場所として利用する。橋形クレーン24を、新設杭20を乗り移るようにして移動させながら、橋形クレーン24を用いて、更なる新設杭20の搬入及び打設、既設床版14及び既設杭12の解体及び搬出を行う。その後、橋形クレーン24を、新設杭20を乗り移るようにして移動させながら、新設杭20上に新設床版を設置して、水上高架構造物を再構築する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水上高架構造物の付替え工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地盤に打設された杭とそれに支持される床版とを含む高架構造物を構築する際に、その延伸方向へと複数の杭を打設する手法として、杭上に杭打装置を乗せて、杭打装置による杭の打設の進行に伴い、新たに打設されたパイルに杭打装置を移し変える、といった手法が発案されている(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
又、地上に設置された鉄道線路の上方に、高架構造物を構築する手法として、地盤に打設された杭とその上に架設された床版上に、前記床版から水平方向に離間した位置で前記地盤に杭を打設可能な杭打機と、クレーンとを搭載する第1工程と、前記架設された床版上に搭載された杭打機を用いて、前記架設された床版から高架構造物の延長方向に離間する前記地盤上の所定の位置に、前記地盤から上方へ突出した部分を柱として機能させるべく杭を打設する第2工程と、前記クレーンを用いて、前記第2工程で打設された杭に新たな床版を架設する第3工程と、前記第3工程で架設された床版へ前記杭打機と前記クレーンとを移動させる第4工程とを備え、前記第2〜4工程を繰り返して前記高架構造物を延長して構築していく工法が発案されている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭60−156824号公報
【特許文献2】特開昭61−162630号公報
【特許文献3】特開2008−115628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、近年では、高架構造物の老朽化対策や耐震性の強化といった要請から、既存の高架構造物の更新が求められている。しかしながら、用地確保の困難性により、新たなルートに高架構築物を新築することが困難な場合には、既存の高架構造物を解体し、同じ場所に再構築することが必要となる。特に、隣接する既存の構築物の影響を受けて、工区の作業スペースに制限を受けながら、水底地盤に打設された杭とそれに支持される床版とを含む水上高架構造物の付替えを行うケースでは、重機、資材等の搬入や移動が大幅に制限されることとなり、その作業は容易ではない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、少なくとも一部の作業スペースに制限を受ける水上工区における、水上高架構造物の付替え作業を円滑に行うことを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0007】
(1)水底地盤に打設された杭とそれに支持される床版とを含む水上高架構造物の付替えを行う工法であって、既設水上高架構造物の延びる方向に沿って、既設床版に穿孔を行って開口を形成し、該開口から新設杭を打設する作業を複数回繰り返し、該新設杭上を乗り移るようにして移動可能な橋形クレーンを設置し、該橋形クレーンを用いて更なる新設杭の搬入及び打設、既設床版及び既設杭の解体及び搬出を行うことで、既設水上高架構造物の撤去を行う工程と、新設杭上に新設床版を設置して、水上高架構造物を再構築する工程とを、該橋形クレーンの移動と共に行う水上高架構造物の付替え工法(請求項1)。
【0008】
本項に記載の水上高架構造物の付替え工法は、水底地盤に打設された杭とそれに支持される床版とを含む水上高架構造物の付替えを行う際に、既設水上高架構造物の延びる方向に沿って、既設床版に穿孔を行って開口を形成し、該開口から新設杭を打設する作業を複数回繰り返す。この際、新設杭を橋形クレーンの設置場所として利用するべく、新設杭の杭頭部を、既設床版上に突出ないし既設床版と同一高さ(橋形クレーンの設置態様の如何によっては、既設床版よりも低い位置)となるように、新設杭を設置する。そして、複数列打設された新設杭を橋形クレーンの設置場所として利用するものである。しかも、橋形クレーンを、新設杭を乗り移るようにして移動させながら、橋形クレーンを用いて更なる新設杭の搬入及び打設、既設床版及び既設杭の解体及び搬出を行うことで、既設水上高架構造物の撤去を行うものである。その後、橋形クレーンを、新設杭を乗り移るようにして移動させながら、新設杭上に新設床版を設置して、水上高架構造物を再構築することで、工区の一部において作業スペースに制限を受けるような場合であっても、既存の高架構造物と同じ場所に、水上高架構造物を再構築することが可能となる。
【0009】
(2)上記(1)の、前記既設水上高架構造物の除去を行う工程において、既設床版上から穿孔を行って開口を形成し、該開口からその直下の水底地盤に新設杭を打設し、少なくとも前記既設高架構造物の延びる方向に並ぶ二列以上の新設杭に跨る長さを有するレールと、該レール上を移動可能な橋形クレーンとを、隣接する新設杭へと乗り移るようにして移動可能に設置し、該橋形クレーン及びレールの設置後はそれらを適宜移動させながら、既設杭を避けた位置に、既設床版上から穿孔を行って開口を形成し、新設杭を搬入し、該開口からその直下の水底地盤に新設杭を打設する作業、及び、既設床版及び既設杭の解体及び搬出作業を繰り返して、既設水上高架構造物の撤去を行う水上高架構造物の付替え工法(請求項2)。
【0010】
本項に記載の水上高架構造物の付替え工法は、既設水上高架構造物の除去を行う工程において、既設床版上から穿孔を行って開口を形成し、開口からその直下の水底地盤に新設杭を打設して、開口から既設床版上に突出するように新設杭を打設する作業を複数回繰り返す。なお、既設床版上から穿孔を行う位置は、原則として既設杭を避けた位置となる。しかしながら、既設杭と新設杭との打設ピッチ等の関係から、既設杭と一致する位置に新設杭を打設する必要がある場合には、既設杭と一致する位置に穿孔を行い、その直下の既設杭を除去した後に、新設杭を打設する。そして、複数列打設された新設杭を、橋形クレーンのガイド手段であるレールの設置場所として利用するものである。このレールは、少なくとも既設高架構造物の延びる方向に並ぶ二列以上の新設杭に跨る長さを有するものであり、隣接する新設杭へと乗り移るようにしてレールを移動させる際に、少なくとも一列の新設杭にレールが保持された状態で移動を行うことが出来る。そして、橋形クレーン及びレールの設置後は、適宜橋形クレーン及びレールを移動させることで、橋形クレーンの移動範囲を、既設水上高架構造物の延びる方向へとずらしていく。そして、既設杭を避けた位置に、既設床版上から穿孔を行って開口を形成し、新設杭を搬入し、該開口からその直下の水底地盤に新設杭を打設する作業、及び、既設床版及び既設杭の解体及び搬出作業を、橋形クレーンを利用して既設高架構造物の延びる方向に繰り返し、既設水上高架構造物の撤去を行うものである。
【0011】
(3)上記(1)、(2)項の、前記水上高架構造物を再構築する工程において、少なくとも前記既設高架構造物の延びる方向に並ぶ二列以上の新設杭に跨る長さを有するレールを、少なくとも当該二列以上の新設杭上に跨るように設置し、該レールの中間に位置する新設杭とそれに隣接する新設杭との間に受け桁を設置し、該受け桁を用いて新設床版を設置する水上高架構造物の付替え工法(請求項3)。
【0012】
本項に記載の水上高架構造物の付替え工法は、既設水上高架構造物の撤去後の、水上高架構造物を再構築する工程において、少なくとも既設高架構造物の延びる方向に並ぶ二列以上の新設杭に跨る長さを有するレールを、少なくとも当該二列以上の新設杭上に跨るように設置し、橋形クレーンを利用して、レールの中間に位置する新設杭とそれに隣接する新設杭との間に受け桁を設置する。そして、橋形クレーンにより新設床版の構成資材を搬入して、受け桁に新設床版を設置するものである。
【0013】
(4)上記(1)から(3)項において、資材の搬入及び解体物の搬出を、前記橋形クレーンの直下へと台船を乗入れて行う水上高架構造物の付替え工法(請求項4)。
本項に記載の水上高架構造物の付替え工法は、工区が水上であり、既設水上高架構造物の撤去を行う工程と、その後の、水上高架構造物を再構築する工程とにおいて、資材の搬入及び解体物の搬出に、車両を用いることが大幅に制限されるが、その代わりに、橋形クレーンの直下へと乗入れる台船により、水上を介して行うものである。
【0014】
(5)既設水上高架構造物の撤去を行う工程と、その後の水上高架構造物を再構築する工程とを、同一の橋形クレーンを用いて、同時進行する水上高架構造物の付替え工法(請求項5)。
本項に記載の水上高架構造物の付替え工法は、既設水上高架構造物の撤去を行う工程と、その後の水上高架構造物を再構築する工程とを、同一の橋形クレーンを用いて、同時進行することで、橋形クレーンの運用効率を高めるものである。又、条件によっては、工期の短縮に資するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明はこのように構成したので、少なくとも一部の作業スペースに制限を受ける水上工区における、水上高架構造物の付替え作業を円滑に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る水上高架構造物の付替え工法の、既設水上高架構造物の除去工程の第1ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図2】図1に続く第2ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図3】図2に続く第3ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図4】図3に続く第4ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図5】図4に続く第5ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図6】図5に続く第6ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図7】図6に続く第7ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図8】図7に続く第8ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図9】図8に続く第9ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図10】図9に続く第10ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る水上高架構造物の付替え工法の、既設水上高架構造物の再構築工程の第1ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図12】図11に続く第2ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図13】図12に続く第3ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図14】図13に続く第4ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図15】図14に続く第5ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図16】図15に続く第6ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図17】図16に続く第7ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図18】図17に続く第8ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図19】図17に示される、既設水上高架構造物の再構築工程の第7ステップについての、より詳細な説明図であり(a)、(b)は発泡材ブロックの設置工程を示す縦断面図及び平面図、(c)、(d)は場所打ちコンクリート42の打設工程を示す縦断面図及び平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明の実施の形態に係る水上高架構造物の付替え工法は、例えば、運河上に鉄道路線と高架道路とが並行して敷設されているようなケースにおいて、既設の高架道路の付け替えを行う等、作業スペースに制限を受けながら架構造物の付替えを行う必要がある場合に適したものである。図1〜図10は、水底地盤Gに打設された杭(既設杭)12とそれに支持される床版(既設床版)14とを含む既設水上高架構造物16の、撤去を行う工程を示したものであり、図1〜図10に示されたステップを繰り返すことで、工区の全域にわたる既設水上高架構造物の撤去を行うものである。又、図11〜図18は、既設水上高架構造物の撤去後、再構築を行う工程を示したものであり、図11〜図18に示されたステップを繰り返すことで、工区の全域にわたる水上高架構造物(新設)44の再構築を行うものである。
【0018】
なお、説明の便宜上、図1〜図10の各ステップを、既設水上高架構造物16の撤去を行う工程における「ステップ1〜10」とし、図11〜図18の各ステップを、水上高架構造物44の再構築を行う工程における「ステップ1〜8」として、順に説明する。
【0019】
(既設水上高架構造物の撤去工程)
(ステップ1)図1に示されるように、既設水上高架構造物16の延びる方向に沿って、既設床版14に穿孔を行って開口18を形成する。開口18は、既設杭12を避けた位置に、既設床版14上から穿孔を行って形成するものである。そして、開口18からその直下の水底地盤Gに新設杭20を打設する。この際、新設杭20の杭頭部が、開口18から既設床版14上に突出するように打設する。かかる工程を繰り返して、既設高架構造物16の延びる方向に並ぶ、少なくとも二列(図示の例では三列)の新設杭20を打設する。ここまでの、新設杭20の打設に係る作業は、周知の工法により、適宜、既設床版14上から、若しくは、既設水上高架構造物16に隣接する水上から行うこととする。
そして、三列の新設杭20に跨る長さを有するレール22と、レール22上を移動可能な橋形クレーン24とを、隣接する新設杭20へと乗り移るようにして移動可能に設置する。図示の例では、レール22は、既設高架構造物16の延びる方向の四列の新設杭20に跨る長さを有して(図5以降参照)、並行に二本用いられ、橋形クレーン24は、二本のレール22上を移動可能に設置されている。
【0020】
又、図示の例では、既設杭12及び新設杭20共に鋼管杭であり、既設杭12に比べて新設杭20の方が大荷重対応可能な大径のものが用いられ、かつ、既設高架構造物16の延びる方向の設置間隔も、既設杭12に比べて新設杭20の方が大きくなっているが、これらの関係は、施工条件等々を勘案して、適宜決定されるものである。そして、新設杭20の杭頭部に対し、周知のスライド装置26(例えば、特許文献1、2等に記載の装置参照)、キャップ28を介してレール22を設置することで、レール22は、新設杭20上を乗り移るようにして、既設高架構造物16の延びる方向へと移動可能となっている。
又、橋形クレーン24は、新設杭20の搬入及び打設、既設床版14及び既設杭12の解体及び搬出を行うことが可能な、必要最小限の高さを有するものを、レール22に跨るように設置することで、作業スペースに制限を受ける工区での、円滑な運用を可能としている。なお、ここで用いられる橋形クレーン24は、いわゆる天井クレーンの両端の足の長さを、上述の作業スペースの制限に応じて調整したものであり、実質的に両端の足を供えないものも含むものとする。又、トロリの構造は、クラブトロリ式、ロープトロリ式、ホイスト式、マントロリ式等を適宜選択する。更に、施工環境によっては、低床ジブクレーン等も含めるものとする。又、橋形クレーン24のレール22上を移動するための機構についても、周知の機構を採用すれば良い。そして、以後の各作業は、特に言及しない場合でも、適宜、橋形クレーン24が用いられる。図1において、符号30に示される部材は、後述する新規の床版34の荷重を支えるための、床版受けである。
【0021】
(ステップ2)図2に示されるように、既設水上高架構造物16の延びる方向の更に先に、次の新設杭20を打設するための、開口18を穿孔する。
(ステップ3)図3に示されるように、新設した開口18からその直下の水底地盤Gに対し、既設床版14上に杭頭部が突出するようにして、新設杭20を打設する。
(ステップ4)図4に示されるように、新設杭20の杭頭部に、キャップ28を設置する。キャップ28は、スライド装置26を安定して設置すると共に、スライド装置26の高さを調整するためのものである。
(ステップ5)図5に示されるように、ステップ3で打設した新設杭20のキャップ28上に、スライド装置26を設置し、その上方に至るようにレール22をスライドさせ、レール22の先端部をこのスライド装置26により支持する。
(ステップ6)図6に示されるように、既設床版14を搬出が容易な大きさとなるよう切断線CLで切断する。
(ステップ7)図7に示されるように、水面W上から、橋形クレーン24の直下へと台船32を乗入れ、橋形クレーン24を用いて、既設床版14の解体物14Pを台船32に積み込み、工区からの搬出を行う。なお、台船32の使用に代えて、既に構築済みの新設床版上に車両を乗入れて、搬出を行うこととしても良い(以下、台船32の使用時に同様。)。
(ステップ8)図8に示されるように、既設床版14を除去して残った既設杭12を、橋形クレーン24を用いて撤去する。この、撤去した既設杭12についても、図7と同様に、橋形クレーン24を用いて台船32に積み込み、工区からの搬出を行う。
(ステップ9)図9に示されるように、その周囲から既設杭12及び既設床版14が除去された新設杭20に、床版受け30を設置する。このときの資材の搬入は、図7と同様に、橋形クレーン24の直下へと台船32を乗入れ、設置作業にも、橋形クレーン24を用いる。
(ステップ10)図10に示されるように、レール22を、既設水上高架構造物16の延びる方向の更に先にスライドさせ、以後、ステップ1(図1)へと戻る。
【0022】
(水上高架構造物の再構築工程)
(ステップ1)図11に示されるように、三列の新設杭20の杭頭部のキャップ28上に設置したスライド装置26により、レール22を保持した状態で、レール22の進行方向後端部を、新設杭20の保持された新設床版34の先端部に設置したスライド装置26により保持する(新設床版34の構築手順については、以下参照。)。
(ステップ2)図12に示されるように、既に新設床版34が延長された新設杭20の一列先の(レール22の中間に位置する)新設杭20から、スライド装置26及びキャップ28を取り外す。この状態でも、レール22はその他のスライド装置26によって安定保持される。
(ステップ3)図13に示されるように、スライド装置26及びキャップ28が取り外された新設杭20の杭頭部を、新設床版34の設置に適した高さへと調整(切断)する。この新設杭20の切断作業にも、橋形クレーン24を用いる。
(ステップ4)図14に示されるように、既に新設床版34が延長された新設杭20と、その一列先の、高さ調整された新設杭20との間に、受け桁36を設置する。この、受け桁36の設置作業にも、橋形クレーン24を用いる。
(ステップ5)図15に示されるように、水面W上から、橋形クレーン24の直下へと、プレキャスト版38を積み込んだ台船32を乗入れ、橋形クレーン24を用いて、プレキャスト版38を、床版受け30及び受け桁36に据え付けて行く(なお、受け桁36の設置時等にも、同様に台船32が用いられる。)。
(ステップ6)図16に示されるように、受け桁36を設置した二列の新設杭20の間を埋めるように、プレキャスト版38を設置する。
【0023】
(ステップ7)図17に示されるように、プレキャスト版38上に必要な構造(図19)を構築し、新設床版34の完成部分が、二列の新設杭20の距離分だけ延長される。
この際の手順としては、図19(a)(b)に示されるように、プレキャスト版38の上面に、EPS材等の発泡材ブロック40(あるいは耐水ダンボール)を設置する。このとき、各発泡材ブロック40の間に、格子状の隙間を形成するように、各発泡材ブロック40を設置し、格子状の隙間に鉄筋を組む。そして、図19(c)(d)に示されるように、発泡材ブロック40とそれらの格子状の隙間に組まれた鉄筋を埋めるように、場所打ちコンクリート(RC床版)42を打設することで、新設床版34が構築される。このように、プレキャスト場38、発泡材ブロック40とで新設床版34を構築することで、工期の短縮、塩害対策を図り、耐久性を向上させることができる。
(ステップ8)図18に示されるように、レール22の後端部が、延長された新設床版34先端部に位置するようにレール22をスライドさせ、レール22の進行方向後端部を、新設杭20の保持された新設床版34の先端部に設置したスライド装置26により保持し、以後、ステップ1(図11)へと戻る。
【0024】
上記構成をなす、本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。
まず、図1〜図10に示されるように、水底地盤Gに打設された杭12とそれに支持される床版14とを含む水上高架構造物16の付替えを行う際に、既設水上高架構造物16の延びる方向に沿って、既設床版14に穿孔を行って開口18を形成し、開口18から既設床版14上に突出するように新設杭20を打設する作業を複数回繰り返すことで、複数列打設された新設杭20を橋形クレーン24の設置場所として利用するものである。しかも、橋形クレーン24を、新設杭20を乗り移るようにして移動させながら、橋形クレーン24を用いて更なる新設杭20の搬入及び打設、既設床版14及び既設杭12の解体及び搬出を行うことで、既設水上高架構造物16の撤去を行うものである。その後、図11〜図18に示されるように、橋形クレーン24を、新設杭20を乗り移るようにして移動させながら、新設杭20上に新設床版34を設置して、水上高架構造物44を再構築することで、工区の一部において作業スペースに制限を受けるような場合であっても、既存の高架構造物16と同じ場所に、水上高架構造物44を再構築するものである。よって、水上高架構造物の付替え作業を円滑に行うことが可能となる。
【0025】
又、既設水上高架構造物16の除去を行う工程(図1〜図10)において、既設杭12を避けた位置に、既設床版14上から穿孔を行って開口18を形成し、開口18からその直下の水底地盤Gに新設杭20を打設して、開口18から既設床版14上に突出するように新設杭20を打設する作業を複数回繰り返し、複数列打設された新設杭20を、橋形クレーン24のガイド手段であるレール22の設置場所として利用するものである。このレール22は、既設高架構造物16の延びる方向に並ぶ三列の新設杭20に跨る長さを有するものであり、隣接する新設杭20へと乗り移るようにしてレール22を移動させる際に、少なくとも二列の新設杭20にレール22が保持された状態で、安定して移動を行うことが出来る。なお、橋形クレーン24のスライド装置26を強化することで、二列の新設杭20に跨る長さを有するレール22を使用し、隣接する新設杭20へと乗り移るようにしてレール22を移動させる際に、一列の新設杭20にレール22が保持された状態で、安定して移動を行うことが出来る。そして、橋形クレーン24及びレール22の設置後は、適宜橋形クレーン24及びレール22を移動させることで、橋形クレーン24の移動範囲を、既設水上高架構造物16の延びる方向へとずらしていく。以後は、既設杭12を避けた位置に、既設床版14上から穿孔を行って開口18を形成し、新設杭20を搬入し、開口18からその直下の水底地盤Gに新設杭20を打設する作業、及び、既設床版14及び既設杭12の解体及び搬出作業を、橋形クレーン24を利用して既設高架構造物16の延びる方向に繰り返し、既設水上高架構造物16の撤去を行うものである。
【0026】
又、既設水上高架構造物16の撤去後の、水上高架構造物44を再構築する工程(図11〜図18)において、既設高架構造物16の延びる方向に並ぶ三列の新設杭20に跨る長さを有するレール22を、当該三列の新設杭20上に跨るように設置し、橋形クレーン24を利用して、レール22の中間に位置する新設杭20とそれに隣接する新設杭20との間に受け桁36を設置し(図14)、橋形クレーン24により、図19に示される新設床版24の構成資材(プレキャスト版38、発泡材ブロック40、場所打ちコンクリート42)を搬入して、受け桁36に新設床版44を設置するものである。
【0027】
又、既設水上高架構造物16の撤去を行う工程と、その後の、水上高架構造物44を再構築する工程とにおいて、橋形クレーン24の直下へと乗入れる台船32により、水上を介して行うことで、資材の搬入及び解体物の搬出を円滑に行うことが可能である。
なお、本説明では、既設水上高架構造物16の撤去を行う工程(図1〜図10)と、その後の水上高架構造物44を再構築する工程(図11〜図18)とを、別工程として説明したが、適宜、同一の橋形クレーン24を用いて同時進行することで、橋形クレーン24の運用効率を高めることが可能となり、又、条件によっては、工期の短縮に資するものとなる。
【符号の説明】
【0028】
12:既設杭、14:既設床版、16:既設水上高架構造物、18:開口、20:新設杭、22:レール、24:橋形クレーン、26:スライド装置、32:台船、34:新設床版、36:受け桁、38:プレキャスト版、40:発泡材ブロック、42:場所打ちコンクリート、44:水上高架構造物(新設)
【技術分野】
【0001】
本発明は、水上高架構造物の付替え工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地盤に打設された杭とそれに支持される床版とを含む高架構造物を構築する際に、その延伸方向へと複数の杭を打設する手法として、杭上に杭打装置を乗せて、杭打装置による杭の打設の進行に伴い、新たに打設されたパイルに杭打装置を移し変える、といった手法が発案されている(例えば、特許文献1、2)。
【0003】
又、地上に設置された鉄道線路の上方に、高架構造物を構築する手法として、地盤に打設された杭とその上に架設された床版上に、前記床版から水平方向に離間した位置で前記地盤に杭を打設可能な杭打機と、クレーンとを搭載する第1工程と、前記架設された床版上に搭載された杭打機を用いて、前記架設された床版から高架構造物の延長方向に離間する前記地盤上の所定の位置に、前記地盤から上方へ突出した部分を柱として機能させるべく杭を打設する第2工程と、前記クレーンを用いて、前記第2工程で打設された杭に新たな床版を架設する第3工程と、前記第3工程で架設された床版へ前記杭打機と前記クレーンとを移動させる第4工程とを備え、前記第2〜4工程を繰り返して前記高架構造物を延長して構築していく工法が発案されている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭60−156824号公報
【特許文献2】特開昭61−162630号公報
【特許文献3】特開2008−115628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、近年では、高架構造物の老朽化対策や耐震性の強化といった要請から、既存の高架構造物の更新が求められている。しかしながら、用地確保の困難性により、新たなルートに高架構築物を新築することが困難な場合には、既存の高架構造物を解体し、同じ場所に再構築することが必要となる。特に、隣接する既存の構築物の影響を受けて、工区の作業スペースに制限を受けながら、水底地盤に打設された杭とそれに支持される床版とを含む水上高架構造物の付替えを行うケースでは、重機、資材等の搬入や移動が大幅に制限されることとなり、その作業は容易ではない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、少なくとも一部の作業スペースに制限を受ける水上工区における、水上高架構造物の付替え作業を円滑に行うことを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0007】
(1)水底地盤に打設された杭とそれに支持される床版とを含む水上高架構造物の付替えを行う工法であって、既設水上高架構造物の延びる方向に沿って、既設床版に穿孔を行って開口を形成し、該開口から新設杭を打設する作業を複数回繰り返し、該新設杭上を乗り移るようにして移動可能な橋形クレーンを設置し、該橋形クレーンを用いて更なる新設杭の搬入及び打設、既設床版及び既設杭の解体及び搬出を行うことで、既設水上高架構造物の撤去を行う工程と、新設杭上に新設床版を設置して、水上高架構造物を再構築する工程とを、該橋形クレーンの移動と共に行う水上高架構造物の付替え工法(請求項1)。
【0008】
本項に記載の水上高架構造物の付替え工法は、水底地盤に打設された杭とそれに支持される床版とを含む水上高架構造物の付替えを行う際に、既設水上高架構造物の延びる方向に沿って、既設床版に穿孔を行って開口を形成し、該開口から新設杭を打設する作業を複数回繰り返す。この際、新設杭を橋形クレーンの設置場所として利用するべく、新設杭の杭頭部を、既設床版上に突出ないし既設床版と同一高さ(橋形クレーンの設置態様の如何によっては、既設床版よりも低い位置)となるように、新設杭を設置する。そして、複数列打設された新設杭を橋形クレーンの設置場所として利用するものである。しかも、橋形クレーンを、新設杭を乗り移るようにして移動させながら、橋形クレーンを用いて更なる新設杭の搬入及び打設、既設床版及び既設杭の解体及び搬出を行うことで、既設水上高架構造物の撤去を行うものである。その後、橋形クレーンを、新設杭を乗り移るようにして移動させながら、新設杭上に新設床版を設置して、水上高架構造物を再構築することで、工区の一部において作業スペースに制限を受けるような場合であっても、既存の高架構造物と同じ場所に、水上高架構造物を再構築することが可能となる。
【0009】
(2)上記(1)の、前記既設水上高架構造物の除去を行う工程において、既設床版上から穿孔を行って開口を形成し、該開口からその直下の水底地盤に新設杭を打設し、少なくとも前記既設高架構造物の延びる方向に並ぶ二列以上の新設杭に跨る長さを有するレールと、該レール上を移動可能な橋形クレーンとを、隣接する新設杭へと乗り移るようにして移動可能に設置し、該橋形クレーン及びレールの設置後はそれらを適宜移動させながら、既設杭を避けた位置に、既設床版上から穿孔を行って開口を形成し、新設杭を搬入し、該開口からその直下の水底地盤に新設杭を打設する作業、及び、既設床版及び既設杭の解体及び搬出作業を繰り返して、既設水上高架構造物の撤去を行う水上高架構造物の付替え工法(請求項2)。
【0010】
本項に記載の水上高架構造物の付替え工法は、既設水上高架構造物の除去を行う工程において、既設床版上から穿孔を行って開口を形成し、開口からその直下の水底地盤に新設杭を打設して、開口から既設床版上に突出するように新設杭を打設する作業を複数回繰り返す。なお、既設床版上から穿孔を行う位置は、原則として既設杭を避けた位置となる。しかしながら、既設杭と新設杭との打設ピッチ等の関係から、既設杭と一致する位置に新設杭を打設する必要がある場合には、既設杭と一致する位置に穿孔を行い、その直下の既設杭を除去した後に、新設杭を打設する。そして、複数列打設された新設杭を、橋形クレーンのガイド手段であるレールの設置場所として利用するものである。このレールは、少なくとも既設高架構造物の延びる方向に並ぶ二列以上の新設杭に跨る長さを有するものであり、隣接する新設杭へと乗り移るようにしてレールを移動させる際に、少なくとも一列の新設杭にレールが保持された状態で移動を行うことが出来る。そして、橋形クレーン及びレールの設置後は、適宜橋形クレーン及びレールを移動させることで、橋形クレーンの移動範囲を、既設水上高架構造物の延びる方向へとずらしていく。そして、既設杭を避けた位置に、既設床版上から穿孔を行って開口を形成し、新設杭を搬入し、該開口からその直下の水底地盤に新設杭を打設する作業、及び、既設床版及び既設杭の解体及び搬出作業を、橋形クレーンを利用して既設高架構造物の延びる方向に繰り返し、既設水上高架構造物の撤去を行うものである。
【0011】
(3)上記(1)、(2)項の、前記水上高架構造物を再構築する工程において、少なくとも前記既設高架構造物の延びる方向に並ぶ二列以上の新設杭に跨る長さを有するレールを、少なくとも当該二列以上の新設杭上に跨るように設置し、該レールの中間に位置する新設杭とそれに隣接する新設杭との間に受け桁を設置し、該受け桁を用いて新設床版を設置する水上高架構造物の付替え工法(請求項3)。
【0012】
本項に記載の水上高架構造物の付替え工法は、既設水上高架構造物の撤去後の、水上高架構造物を再構築する工程において、少なくとも既設高架構造物の延びる方向に並ぶ二列以上の新設杭に跨る長さを有するレールを、少なくとも当該二列以上の新設杭上に跨るように設置し、橋形クレーンを利用して、レールの中間に位置する新設杭とそれに隣接する新設杭との間に受け桁を設置する。そして、橋形クレーンにより新設床版の構成資材を搬入して、受け桁に新設床版を設置するものである。
【0013】
(4)上記(1)から(3)項において、資材の搬入及び解体物の搬出を、前記橋形クレーンの直下へと台船を乗入れて行う水上高架構造物の付替え工法(請求項4)。
本項に記載の水上高架構造物の付替え工法は、工区が水上であり、既設水上高架構造物の撤去を行う工程と、その後の、水上高架構造物を再構築する工程とにおいて、資材の搬入及び解体物の搬出に、車両を用いることが大幅に制限されるが、その代わりに、橋形クレーンの直下へと乗入れる台船により、水上を介して行うものである。
【0014】
(5)既設水上高架構造物の撤去を行う工程と、その後の水上高架構造物を再構築する工程とを、同一の橋形クレーンを用いて、同時進行する水上高架構造物の付替え工法(請求項5)。
本項に記載の水上高架構造物の付替え工法は、既設水上高架構造物の撤去を行う工程と、その後の水上高架構造物を再構築する工程とを、同一の橋形クレーンを用いて、同時進行することで、橋形クレーンの運用効率を高めるものである。又、条件によっては、工期の短縮に資するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明はこのように構成したので、少なくとも一部の作業スペースに制限を受ける水上工区における、水上高架構造物の付替え作業を円滑に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る水上高架構造物の付替え工法の、既設水上高架構造物の除去工程の第1ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図2】図1に続く第2ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図3】図2に続く第3ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図4】図3に続く第4ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図5】図4に続く第5ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図6】図5に続く第6ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図7】図6に続く第7ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図8】図7に続く第8ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図9】図8に続く第9ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図10】図9に続く第10ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る水上高架構造物の付替え工法の、既設水上高架構造物の再構築工程の第1ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図12】図11に続く第2ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図13】図12に続く第3ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図14】図13に続く第4ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図15】図14に続く第5ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図16】図15に続く第6ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図17】図16に続く第7ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図18】図17に続く第8ステップを示すものであり、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図19】図17に示される、既設水上高架構造物の再構築工程の第7ステップについての、より詳細な説明図であり(a)、(b)は発泡材ブロックの設置工程を示す縦断面図及び平面図、(c)、(d)は場所打ちコンクリート42の打設工程を示す縦断面図及び平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明の実施の形態に係る水上高架構造物の付替え工法は、例えば、運河上に鉄道路線と高架道路とが並行して敷設されているようなケースにおいて、既設の高架道路の付け替えを行う等、作業スペースに制限を受けながら架構造物の付替えを行う必要がある場合に適したものである。図1〜図10は、水底地盤Gに打設された杭(既設杭)12とそれに支持される床版(既設床版)14とを含む既設水上高架構造物16の、撤去を行う工程を示したものであり、図1〜図10に示されたステップを繰り返すことで、工区の全域にわたる既設水上高架構造物の撤去を行うものである。又、図11〜図18は、既設水上高架構造物の撤去後、再構築を行う工程を示したものであり、図11〜図18に示されたステップを繰り返すことで、工区の全域にわたる水上高架構造物(新設)44の再構築を行うものである。
【0018】
なお、説明の便宜上、図1〜図10の各ステップを、既設水上高架構造物16の撤去を行う工程における「ステップ1〜10」とし、図11〜図18の各ステップを、水上高架構造物44の再構築を行う工程における「ステップ1〜8」として、順に説明する。
【0019】
(既設水上高架構造物の撤去工程)
(ステップ1)図1に示されるように、既設水上高架構造物16の延びる方向に沿って、既設床版14に穿孔を行って開口18を形成する。開口18は、既設杭12を避けた位置に、既設床版14上から穿孔を行って形成するものである。そして、開口18からその直下の水底地盤Gに新設杭20を打設する。この際、新設杭20の杭頭部が、開口18から既設床版14上に突出するように打設する。かかる工程を繰り返して、既設高架構造物16の延びる方向に並ぶ、少なくとも二列(図示の例では三列)の新設杭20を打設する。ここまでの、新設杭20の打設に係る作業は、周知の工法により、適宜、既設床版14上から、若しくは、既設水上高架構造物16に隣接する水上から行うこととする。
そして、三列の新設杭20に跨る長さを有するレール22と、レール22上を移動可能な橋形クレーン24とを、隣接する新設杭20へと乗り移るようにして移動可能に設置する。図示の例では、レール22は、既設高架構造物16の延びる方向の四列の新設杭20に跨る長さを有して(図5以降参照)、並行に二本用いられ、橋形クレーン24は、二本のレール22上を移動可能に設置されている。
【0020】
又、図示の例では、既設杭12及び新設杭20共に鋼管杭であり、既設杭12に比べて新設杭20の方が大荷重対応可能な大径のものが用いられ、かつ、既設高架構造物16の延びる方向の設置間隔も、既設杭12に比べて新設杭20の方が大きくなっているが、これらの関係は、施工条件等々を勘案して、適宜決定されるものである。そして、新設杭20の杭頭部に対し、周知のスライド装置26(例えば、特許文献1、2等に記載の装置参照)、キャップ28を介してレール22を設置することで、レール22は、新設杭20上を乗り移るようにして、既設高架構造物16の延びる方向へと移動可能となっている。
又、橋形クレーン24は、新設杭20の搬入及び打設、既設床版14及び既設杭12の解体及び搬出を行うことが可能な、必要最小限の高さを有するものを、レール22に跨るように設置することで、作業スペースに制限を受ける工区での、円滑な運用を可能としている。なお、ここで用いられる橋形クレーン24は、いわゆる天井クレーンの両端の足の長さを、上述の作業スペースの制限に応じて調整したものであり、実質的に両端の足を供えないものも含むものとする。又、トロリの構造は、クラブトロリ式、ロープトロリ式、ホイスト式、マントロリ式等を適宜選択する。更に、施工環境によっては、低床ジブクレーン等も含めるものとする。又、橋形クレーン24のレール22上を移動するための機構についても、周知の機構を採用すれば良い。そして、以後の各作業は、特に言及しない場合でも、適宜、橋形クレーン24が用いられる。図1において、符号30に示される部材は、後述する新規の床版34の荷重を支えるための、床版受けである。
【0021】
(ステップ2)図2に示されるように、既設水上高架構造物16の延びる方向の更に先に、次の新設杭20を打設するための、開口18を穿孔する。
(ステップ3)図3に示されるように、新設した開口18からその直下の水底地盤Gに対し、既設床版14上に杭頭部が突出するようにして、新設杭20を打設する。
(ステップ4)図4に示されるように、新設杭20の杭頭部に、キャップ28を設置する。キャップ28は、スライド装置26を安定して設置すると共に、スライド装置26の高さを調整するためのものである。
(ステップ5)図5に示されるように、ステップ3で打設した新設杭20のキャップ28上に、スライド装置26を設置し、その上方に至るようにレール22をスライドさせ、レール22の先端部をこのスライド装置26により支持する。
(ステップ6)図6に示されるように、既設床版14を搬出が容易な大きさとなるよう切断線CLで切断する。
(ステップ7)図7に示されるように、水面W上から、橋形クレーン24の直下へと台船32を乗入れ、橋形クレーン24を用いて、既設床版14の解体物14Pを台船32に積み込み、工区からの搬出を行う。なお、台船32の使用に代えて、既に構築済みの新設床版上に車両を乗入れて、搬出を行うこととしても良い(以下、台船32の使用時に同様。)。
(ステップ8)図8に示されるように、既設床版14を除去して残った既設杭12を、橋形クレーン24を用いて撤去する。この、撤去した既設杭12についても、図7と同様に、橋形クレーン24を用いて台船32に積み込み、工区からの搬出を行う。
(ステップ9)図9に示されるように、その周囲から既設杭12及び既設床版14が除去された新設杭20に、床版受け30を設置する。このときの資材の搬入は、図7と同様に、橋形クレーン24の直下へと台船32を乗入れ、設置作業にも、橋形クレーン24を用いる。
(ステップ10)図10に示されるように、レール22を、既設水上高架構造物16の延びる方向の更に先にスライドさせ、以後、ステップ1(図1)へと戻る。
【0022】
(水上高架構造物の再構築工程)
(ステップ1)図11に示されるように、三列の新設杭20の杭頭部のキャップ28上に設置したスライド装置26により、レール22を保持した状態で、レール22の進行方向後端部を、新設杭20の保持された新設床版34の先端部に設置したスライド装置26により保持する(新設床版34の構築手順については、以下参照。)。
(ステップ2)図12に示されるように、既に新設床版34が延長された新設杭20の一列先の(レール22の中間に位置する)新設杭20から、スライド装置26及びキャップ28を取り外す。この状態でも、レール22はその他のスライド装置26によって安定保持される。
(ステップ3)図13に示されるように、スライド装置26及びキャップ28が取り外された新設杭20の杭頭部を、新設床版34の設置に適した高さへと調整(切断)する。この新設杭20の切断作業にも、橋形クレーン24を用いる。
(ステップ4)図14に示されるように、既に新設床版34が延長された新設杭20と、その一列先の、高さ調整された新設杭20との間に、受け桁36を設置する。この、受け桁36の設置作業にも、橋形クレーン24を用いる。
(ステップ5)図15に示されるように、水面W上から、橋形クレーン24の直下へと、プレキャスト版38を積み込んだ台船32を乗入れ、橋形クレーン24を用いて、プレキャスト版38を、床版受け30及び受け桁36に据え付けて行く(なお、受け桁36の設置時等にも、同様に台船32が用いられる。)。
(ステップ6)図16に示されるように、受け桁36を設置した二列の新設杭20の間を埋めるように、プレキャスト版38を設置する。
【0023】
(ステップ7)図17に示されるように、プレキャスト版38上に必要な構造(図19)を構築し、新設床版34の完成部分が、二列の新設杭20の距離分だけ延長される。
この際の手順としては、図19(a)(b)に示されるように、プレキャスト版38の上面に、EPS材等の発泡材ブロック40(あるいは耐水ダンボール)を設置する。このとき、各発泡材ブロック40の間に、格子状の隙間を形成するように、各発泡材ブロック40を設置し、格子状の隙間に鉄筋を組む。そして、図19(c)(d)に示されるように、発泡材ブロック40とそれらの格子状の隙間に組まれた鉄筋を埋めるように、場所打ちコンクリート(RC床版)42を打設することで、新設床版34が構築される。このように、プレキャスト場38、発泡材ブロック40とで新設床版34を構築することで、工期の短縮、塩害対策を図り、耐久性を向上させることができる。
(ステップ8)図18に示されるように、レール22の後端部が、延長された新設床版34先端部に位置するようにレール22をスライドさせ、レール22の進行方向後端部を、新設杭20の保持された新設床版34の先端部に設置したスライド装置26により保持し、以後、ステップ1(図11)へと戻る。
【0024】
上記構成をなす、本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。
まず、図1〜図10に示されるように、水底地盤Gに打設された杭12とそれに支持される床版14とを含む水上高架構造物16の付替えを行う際に、既設水上高架構造物16の延びる方向に沿って、既設床版14に穿孔を行って開口18を形成し、開口18から既設床版14上に突出するように新設杭20を打設する作業を複数回繰り返すことで、複数列打設された新設杭20を橋形クレーン24の設置場所として利用するものである。しかも、橋形クレーン24を、新設杭20を乗り移るようにして移動させながら、橋形クレーン24を用いて更なる新設杭20の搬入及び打設、既設床版14及び既設杭12の解体及び搬出を行うことで、既設水上高架構造物16の撤去を行うものである。その後、図11〜図18に示されるように、橋形クレーン24を、新設杭20を乗り移るようにして移動させながら、新設杭20上に新設床版34を設置して、水上高架構造物44を再構築することで、工区の一部において作業スペースに制限を受けるような場合であっても、既存の高架構造物16と同じ場所に、水上高架構造物44を再構築するものである。よって、水上高架構造物の付替え作業を円滑に行うことが可能となる。
【0025】
又、既設水上高架構造物16の除去を行う工程(図1〜図10)において、既設杭12を避けた位置に、既設床版14上から穿孔を行って開口18を形成し、開口18からその直下の水底地盤Gに新設杭20を打設して、開口18から既設床版14上に突出するように新設杭20を打設する作業を複数回繰り返し、複数列打設された新設杭20を、橋形クレーン24のガイド手段であるレール22の設置場所として利用するものである。このレール22は、既設高架構造物16の延びる方向に並ぶ三列の新設杭20に跨る長さを有するものであり、隣接する新設杭20へと乗り移るようにしてレール22を移動させる際に、少なくとも二列の新設杭20にレール22が保持された状態で、安定して移動を行うことが出来る。なお、橋形クレーン24のスライド装置26を強化することで、二列の新設杭20に跨る長さを有するレール22を使用し、隣接する新設杭20へと乗り移るようにしてレール22を移動させる際に、一列の新設杭20にレール22が保持された状態で、安定して移動を行うことが出来る。そして、橋形クレーン24及びレール22の設置後は、適宜橋形クレーン24及びレール22を移動させることで、橋形クレーン24の移動範囲を、既設水上高架構造物16の延びる方向へとずらしていく。以後は、既設杭12を避けた位置に、既設床版14上から穿孔を行って開口18を形成し、新設杭20を搬入し、開口18からその直下の水底地盤Gに新設杭20を打設する作業、及び、既設床版14及び既設杭12の解体及び搬出作業を、橋形クレーン24を利用して既設高架構造物16の延びる方向に繰り返し、既設水上高架構造物16の撤去を行うものである。
【0026】
又、既設水上高架構造物16の撤去後の、水上高架構造物44を再構築する工程(図11〜図18)において、既設高架構造物16の延びる方向に並ぶ三列の新設杭20に跨る長さを有するレール22を、当該三列の新設杭20上に跨るように設置し、橋形クレーン24を利用して、レール22の中間に位置する新設杭20とそれに隣接する新設杭20との間に受け桁36を設置し(図14)、橋形クレーン24により、図19に示される新設床版24の構成資材(プレキャスト版38、発泡材ブロック40、場所打ちコンクリート42)を搬入して、受け桁36に新設床版44を設置するものである。
【0027】
又、既設水上高架構造物16の撤去を行う工程と、その後の、水上高架構造物44を再構築する工程とにおいて、橋形クレーン24の直下へと乗入れる台船32により、水上を介して行うことで、資材の搬入及び解体物の搬出を円滑に行うことが可能である。
なお、本説明では、既設水上高架構造物16の撤去を行う工程(図1〜図10)と、その後の水上高架構造物44を再構築する工程(図11〜図18)とを、別工程として説明したが、適宜、同一の橋形クレーン24を用いて同時進行することで、橋形クレーン24の運用効率を高めることが可能となり、又、条件によっては、工期の短縮に資するものとなる。
【符号の説明】
【0028】
12:既設杭、14:既設床版、16:既設水上高架構造物、18:開口、20:新設杭、22:レール、24:橋形クレーン、26:スライド装置、32:台船、34:新設床版、36:受け桁、38:プレキャスト版、40:発泡材ブロック、42:場所打ちコンクリート、44:水上高架構造物(新設)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水底地盤に打設された杭とそれに支持される床版とを含む水上高架構造物の付替えを行う工法であって、
既設水上高架構造物の延びる方向に沿って、既設床版に穿孔を行って開口を形成し、該開口から新設杭を打設する作業を複数回繰り返し、
該新設杭上を乗り移るようにして移動可能な橋形クレーンを設置し、
該橋形クレーンを用いて更なる新設杭の搬入及び打設、既設床版及び既設杭の解体及び搬出を行うことで、既設水上高架構造物の撤去を行う工程と、
新設杭上に新設床版を設置して、水上高架構造物を再構築する工程とを、
該橋形クレーンの移動と共に行うことを特徴とする水上高架構造物の付替え工法。
【請求項2】
前記既設水上高架構造物の除去を行う工程において、
既設床版上から穿孔を行って開口を形成し、該開口からその直下の水底地盤に新設杭を打設し、少なくとも前記既設高架構造物の延びる方向に並ぶ二列以上の新設杭に跨る長さを有するレールと、該レール上を移動可能な橋形クレーンとを、隣接する新設杭へと乗り移るようにして移動可能に設置し、
該橋形クレーン及びレールの設置後はそれらを適宜移動させながら、既設杭を避けた位置に、既設床版上から穿孔を行って開口を形成し、新設杭を搬入し、該開口からその直下の水底地盤に新設杭を打設する作業、及び、既設床版及び既設杭の解体及び搬出作業を繰り返して、既設水上高架構造物の撤去を行うことを特徴とする請求項1記載の水上高架構造物の付替え工法。
【請求項3】
前記水上高架構造物を再構築する工程において、少なくとも前記既設高架構造物の延びる方向に並ぶ二列以上の新設杭に跨る長さを有するレールを、少なくとも当該二列以上の新設杭又は新設床版上に跨るように設置し、該レールの中間に位置する新設杭とそれに隣接する新設杭との間に受け桁を設置し、該受け桁を用いて新設床版を設置することを特徴とする請求項1又は2記載の水上高架構造物の付替え工法。
【請求項4】
資材の搬入及び解体物の搬出を、前記橋形クレーンの直下へと台船を乗入れて行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の水上高架構造物の付替え工法。
【請求項5】
既設水上高架構造物の撤去を行う工程と、その後の水上高架構造物を再構築する工程とを、同一の橋形クレーンを用いて、同時進行することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の水上高架構造物の付替え工法。
【請求項1】
水底地盤に打設された杭とそれに支持される床版とを含む水上高架構造物の付替えを行う工法であって、
既設水上高架構造物の延びる方向に沿って、既設床版に穿孔を行って開口を形成し、該開口から新設杭を打設する作業を複数回繰り返し、
該新設杭上を乗り移るようにして移動可能な橋形クレーンを設置し、
該橋形クレーンを用いて更なる新設杭の搬入及び打設、既設床版及び既設杭の解体及び搬出を行うことで、既設水上高架構造物の撤去を行う工程と、
新設杭上に新設床版を設置して、水上高架構造物を再構築する工程とを、
該橋形クレーンの移動と共に行うことを特徴とする水上高架構造物の付替え工法。
【請求項2】
前記既設水上高架構造物の除去を行う工程において、
既設床版上から穿孔を行って開口を形成し、該開口からその直下の水底地盤に新設杭を打設し、少なくとも前記既設高架構造物の延びる方向に並ぶ二列以上の新設杭に跨る長さを有するレールと、該レール上を移動可能な橋形クレーンとを、隣接する新設杭へと乗り移るようにして移動可能に設置し、
該橋形クレーン及びレールの設置後はそれらを適宜移動させながら、既設杭を避けた位置に、既設床版上から穿孔を行って開口を形成し、新設杭を搬入し、該開口からその直下の水底地盤に新設杭を打設する作業、及び、既設床版及び既設杭の解体及び搬出作業を繰り返して、既設水上高架構造物の撤去を行うことを特徴とする請求項1記載の水上高架構造物の付替え工法。
【請求項3】
前記水上高架構造物を再構築する工程において、少なくとも前記既設高架構造物の延びる方向に並ぶ二列以上の新設杭に跨る長さを有するレールを、少なくとも当該二列以上の新設杭又は新設床版上に跨るように設置し、該レールの中間に位置する新設杭とそれに隣接する新設杭との間に受け桁を設置し、該受け桁を用いて新設床版を設置することを特徴とする請求項1又は2記載の水上高架構造物の付替え工法。
【請求項4】
資材の搬入及び解体物の搬出を、前記橋形クレーンの直下へと台船を乗入れて行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の水上高架構造物の付替え工法。
【請求項5】
既設水上高架構造物の撤去を行う工程と、その後の水上高架構造物を再構築する工程とを、同一の橋形クレーンを用いて、同時進行することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の水上高架構造物の付替え工法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
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【図6】
【図7】
【図8】
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【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−180678(P2012−180678A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−44136(P2011−44136)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000222668)東洋建設株式会社 (131)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000222668)東洋建設株式会社 (131)
【Fターム(参考)】
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