説明

水中カット造粒装置

【課題】水中カット造粒装置において、搬送水を高所へ揚水させることに伴って生じる位置エネルギーを回収し、再利用できるようにすることで、省エネルギー化を図るようにする。
【解決手段】ダイから押し出される溶融樹脂を水室11内でカッタにより切断してペレットにする切断装置2と、この切断装置2の水室11から搬送水と共に下流へ送り出されたペレットを搬送水から分離する分離装置3と、この分離装置3の下方に設置されて分離装置3から排出された搬送水を貯留するタンク4とを有すると共に、このタンク4と前記水室11との間で搬送水を循環させるように循環経路が形成されている水中カット造粒装置1において、水室11の下流側に形成されている戻り側循環経路に、この経路内を上から下へ流れ落ちる搬送水のエネルギーで発電する水力発電装置10が設けられたものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂ペレットを製造する水中カット造粒装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水中カット造粒装置は、切断装置と、この切断装置よりも高い位置に設置された分離装置と、この分離装置の下方に設置されたタンクとを有している。これら切断装置、分離装置、タンクの相互間は給水接続されており、水中カット造粒装置の全体として、水の循環経路が形成されるようになっている(例えば、特許文献1等参照)。
切断装置は、樹脂混練機から加圧供給される溶融樹脂を水室内で細かく切断して、ペレットにする。このペレットは水と共に水室から排出され、分離装置へと送り出される。分離装置は、切断装置の水室から水と共に送り出されたペレットを、水から分離するためのものである。また、タンクは、分離装置から排出された水を暫時的に貯留する。タンクを出た水は、所定の温度まで冷却された後、再び切断装置の水室へと供給されるようになっている。
【0003】
なお、切断装置から分離装置へと送られる水は、ペレットを搬送する作用があるために搬送水と呼ばれているが、以下では、水中カット造粒装置の全体として循環する水を、全て(即ち、分離装置からタンク、及び切断装置へと戻される水を含んで)搬送水と呼ぶことにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−110777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した如く、切断装置よりも分離装置の設置位置を高くしているのは、切断装置の水室内でキャビテーションが発生するのを防止(背圧を付与)し、また搬送水の搬送距離をある程度、長くして水温を可及的に冷却させることなどが理由である。
このため分離装置は、切断装置が設置された建物の上層階など、切断装置よりも高所となる位置に設置され、結果として分離装置とタンクとの高低差も大きくなっている。例えば、切断装置の水室から分離装置へ向けて吐出される水量が600m3/hを超えるような大型の水中カット造粒装置では、分離装置からタンクまでの高低差が20〜30mにも及ぶことがある。
【0006】
従来、分離装置からタンクへ送られる搬送水からは、何らエネルギーの回収はされておらず、ここに位置エネルギーの無駄が生じていた。
一方、切断装置の水室内は、溶融樹脂の切断に好適となるように、おおよそ50℃〜80℃程度で一定になるように制御されている。従って、切断装置の水室から(分離装置へ向けて)吐出される搬送水の水温は、90℃又はそれ以上の温度となっている。
【0007】
そのため、この搬送水をタンク経由で再び切断装置の水室へと供給する経路途中に冷却装置(熱交換器)を設置して、搬送水の温度を50℃程度まで冷却していた。この熱交換器で放熱されることになる熱量、すなわち、搬送水が切断装置の水室内で溶融樹脂から吸収した熱量は、何ら利用されておらず、ここに熱エネルギーの無駄が生じていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、搬送水が高所に揚水されたことで生じている位置エネルギーや、搬送水が溶融樹脂から吸収した熱エネルギーなどを回収して再利用できるようにすることで、省エネルギー化が図れるようにした水中カット造粒装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る水中カット造粒装置は、ダイから押し出される溶融樹脂を水室内でカッタにより切断してペレットにする切断装置と、この切断装置の水室から搬送水と共に下流へ送り出されたペレットを搬送水から分離する分離装置と、この分離装置の下方に設置されて分離装置から排出された搬送水を貯留するタンクとを有すると共に、このタンクと前記水室との間で搬送水を循環させるように循環経路が形成されている水中カット造粒装置において、前記水室の下流側に形成されている戻り側循環経路に、該経路内を上から下へ流れ落ちる搬送水のエネルギーで発電する水力発電装置及び該経路内にある搬送水の有する熱量を元に発電を行う熱電発電装置の少なくとも一方が設けられていることを特徴とする。
【0009】
水力発電装置は、例えば、高所設置の分離装置からその下方に設置されたタンクへ向けて搬送水が流下する経路などへ設けることができる。この水力発電装置を具備した構成とすれば、上から下へ流れ落ちる搬送水のエネルギーにより、この水力発電装置において発電が行われることになる。従って、発電された電気を種々の用途に使用することができ、エネルギーの有効利用となる。
【0010】
一方、熱電発電装置は、水室の下流側であって好ましくは水室の出口に近い経路へ設けるとよいが、水室の下流側に形成される経路内、すなわち水室の出口を起点とし、この水室よりも下流側に設けられるポンプの入口を終点とする戻り側循環経路であれば、設置箇所を特に詳細に限定されるものではない。この熱電発電装置を具備した構成とすれば、搬送水の有する熱量から、この熱電発電装置において発電が行われることになる。従って、発電された電気を種々の用途に使用することができ、エネルギーの有効利用となる。
【0011】
言うまでもなく、水力発電装置及び熱電発電装置の両方を具備した構成とすれば、上から下へ流れ落ちる搬送水のエネルギーと、搬送水の有する熱量との両方から、発電が可能となり、更なるエネルギーの有効利用ができる。
前記熱電発電装置が、前記戻り側循環経路を構成する配管又はタンクに取り付けられる熱電素子であるものとすればよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る水中カット造粒装置は、搬送水が高所に揚水されたことで生じる位置エネルギーや、搬送水が溶融樹脂から吸収した熱エネルギーなどを回収して再利用できるものであり、その結果として省エネルギー化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る水中カット造粒装置の第1実施形態を模式的に示した側面図である。
【図2】本発明に係る水中カット造粒装置の第2実施形態を模式的に示した側面図である。
【図3】本発明に係る水中カット造粒装置の第3実施形態を模式的に示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る水中カット造粒装置1の第1実施形態を示している。
この水中カット造粒装置1は、切断装置2と、分離装置3と、タンク4とを有している。分離装置3は、切断装置2よりも高い位置に設置されている。また、この分離装置3の下方にタンク4が設置され、タンク4の出側にポンプ20が設置されている。
【0015】
切断装置2の出側と分離装置3の入側との相互間は第1配管5によって接続されており、分離装置3の出側とタンク4の入側との相互間は第2配管6によって接続されており、タンク4の出側とポンプ20の入側との相互間は第3配管7によって接続されており、ポンプ20の出側と切断装置2の入側との相互間は第4配管8によって接続されている。
このようにこの水中カット造粒装置1は、装置全体(切断装置2、分離装置3及びタンク4)が、搬送水を循環させることのできる循環経路として形成されたものである。
【0016】
そして、切断装置2の出側とポンプ20の入側との間、すなわち戻り側循環経路中における上下間、更に言えば、分離装置3の出側とタンク4の入側との上下間(第2配管6の経路中)に、上から下への搬送水の流れで発電する水力発電装置10が設けられている。
次に、各装置の構成を詳しく説明する。
切断装置2はハウジング12を有しており、このハウジング12の内部には水室11が形成されるようになっている。このハウジング12の一方側は、水室11内に面するようにして設けられたダイ(図示略)によって構成されており、またハウジング12の他方側には、水室11内でダイへ向けて進退可能で且つ回転可能なカッタ(図示略)が設けられている。ダイは略円板状であって、貫通する多数のノズルがほぼ等間隔に設けられている。このダイの一次側には、ギヤポンプや押出機等の樹脂供給装置13が接続されている。また、この樹脂供給装置13がギヤポンプの場合には、更に一次側に樹脂混練機14が連結されている。
【0017】
従って、樹脂混練機14により溶融され、且つ混練された溶融樹脂が、樹脂供給装置13を経て切断装置2側へ供給されると、切断装置2の水室11内では、ダイの各ノズルから溶融樹脂が一定の断面形状を保持しつつ連続的に吐出され、この溶融樹脂が、回転するカッタにより細かく切断されてペレットとされる。このペレットは、水と共に水室11から第1配管5を介して分離装置3へと送り出される。
【0018】
これら切断装置2、樹脂供給装置13及び樹脂混練機14などは、例えば建物の1階に互いに同じ高さで設置されている。
分離装置3は、搬送水は通すが、ペレットは通さない程度のスリットや選別孔などが多数形成された選別部15を有した水槽とされており、選別部15の二次側や槽下端部に、搬送水だけを排出する出口部3a,3bが設けられている。
【0019】
従って、切断装置2の水室11から搬送水と共に送り出されたペレットは、この分離装置3にて搬送水から分離されることになる。選別部15にて分離されたペレットは、この分離装置3の近傍に設置されたペレット乾燥機16へと送られ、乾燥される。一方で、ペレットが分離除去された後の搬送水は、分離装置3の出側(出口部3a,3b)から第2配管6を介してタンク4へ向けて排出される。
【0020】
この分離装置3は、前記したように切断装置2よりも高く設置されている。例えば、切断装置2が建物の1階に設置されている場合に、この分離装置3は同じ建物の2階又はそれよりも上層階に設置される。この分離装置3が切断装置2よりも高く設置されていることで、切断装置2の出側と分離装置3の入側との相互間を接続している第1配管5中の搬送水を介して、切断装置2の水室11内に背圧が付与されるようになる。そのため、この水室11内でキャビテーションが発生することは防止される。また第1配管5による搬送距離を利用して、搬送水が放熱(冷却)される。
【0021】
タンク4は、分離装置3から排出された搬送水を暫時的に貯留するためのものである。このタンク4は、前記したように分離装置3の下方、例えば、分離装置3に対して20〜30m下方となるように設置されている。
なお、このタンク4の出側と切断装置2の入側との相互間を接続している第3配管7(戻り側循環経路の一部)及び第4配管8(送り側循環経路)の経路中には、ポンプ20と熱交換器21とが設けられている。言うまでもなく、ポンプ20は搬送水に送水圧を付与するところであり、熱交換器21は搬送水を冷却する冷却装置である。熱交換器21では水冷方式などが採用されており、90℃程度の搬送水をおおよそ50℃程度まで冷却する。
【0022】
また、ポンプ20の出側と切断装置2の入側との相互間を接続している第4配管8には、その経路途中に三方弁25が設けられている。この三方弁25とタンク4との相互間も、第4配管8とは別に、第5配管26によって接続されている。
この三方弁25において、第4配管8を連通状態にしてタンク4の出側から、ポンプ20を介して切断装置2の水室11へ搬送水を供給するようにした場合には、熱交換器21により冷却された後(50℃程度)の搬送水が水室11へ供給され、切断装置2により切断が開始される。これに対し、三方弁25を切り換えて第5配管26からタンク4に搬送水を戻し、切断装置2の水室11へ搬送水を供給しないようにした場合に、切断装置2による切断は停止する。このような三方弁25の切り換えを必要に応じて行って、水室11内への搬送水の供給と停止を行う。
【0023】
水力発電装置10は、分離装置3から排出されてタンク4へ向けて流下する搬送水の流れを受けて回転する水車(図示略)を備えたもので、この水車の回転で発電機(図示略)を回転駆動させ、この発電機によって発電する構成となっている。
水車の回転を安定させ、場合によっては可変制御するための調速機(図示略)を、水車の回転支持部に設けるのが好適である。また、発電機により発電された電気の位相、周波数、電圧などを所定のものとし、外部に戻すための回生装置30を発電機に対して接続した構成にしておけばよい。
【0024】
なお、回生装置30によって取り出される電気(直流又は交流)の活用方法は何ら限定されるものではない。例えば、水中カット造粒装置1において、各種制御用の電力として利用してもよいし、周辺機器への駆動電力、建物内の照明や空調用電力として利用してもよい。勿論、送電施設へ回帰させる(いわゆる電力会社への売電をする)ようにしてもよい。
【0025】
次に、水中カット造粒装置1の動作について説明する。
いま、タンク4に貯留されている搬送水が、ポンプ20によって、送り側循環経路である第4配管8を介して切断装置2の水室11へ供給されているとする。また、樹脂混練機14及び樹脂供給装置13を経て溶融樹脂が切断装置2へ供給され、切断装置2の水室11内でペレットが製造されているものとする。
【0026】
水室11内の温度は、熱交換器21を経由して冷却された搬送水の温度と、切断装置2の水室11内で溶融樹脂から吸収される温度と、更に、熱交換器21の一次冷却水側の配管CWに設けられた温度調節弁27により、第3配管7上に設置した温度センサー28及び温度制御器29を用いて管理される温度とによって、溶融樹脂の切断に最適な温度(50℃〜80℃)に保持されている。
【0027】
従って、切断装置2のから吐出される搬送水の温度も、90℃程度で安定したものとなっている。
水室11内で製造されたペレットは搬送水と共に水室11から送り出される。ペレットを含む搬送水は、第1配管5に導かれて分離装置3が設置された高さまで揚水され、そのうえでこの分離装置3へと送り込まれることになる。
【0028】
この搬送水が分離装置3内を通過することで、搬送水からペレットが分離され、その後、ペレットだけがペレット乾燥機16へと送られ、乾燥される。一方で、ペレットを分離された後の搬送水は、分離装置3の出側(出口部3a,3b)から第2配管6を介してタンク4へ向けて排出(流下)される。
この第2配管6を流下する搬送水は、タンク4に至る前に水力発電装置10内を通り、この水力発電装置10が備える水車を回転駆動させる。そのため、この水力発電装置10において発電される。
【0029】
水力発電装置10には回生装置30が電気的に接続されており、水力発電装置10で発電された電気は、回生装置30で位相、周波数、電圧などが整えられた後、各種の電源として供給されることになる。
この水力発電装置10による発電の具体例は次のようになる。
タンク4と分離装置3との高低差Hが25(m)の場合であって、第1配管5内を流れる搬送水の水量Qを約0.194(m3/sec)すなわち700(m3/h)とするとき、水力発電装置10の出力P(kW)を次式により求める。
【0030】
P=9.8×Q×H×μG×μT
但し:μGは発電装置効率、μTは水車効率である。
ここではμG×μT=0.85を採用する。
【0031】
結果、水力発電装置10により約40kWの出力が得られることが判る。
以上の説明から明かなように、本第1実施形態の水中カット造粒装置1では、分離装置3からタンク4へ向けて送られる(流下する)搬送水の流れによって水力発電装置10が発電する構成である。従って、この水力発電装置10で発電された電気を種々の用途に使用することができる。
【0032】
すなわち、本第1実施形態の水中カット造粒装置1では、切断装置2から高所設置の分離装置3へ向けて搬送水を揚水させることに伴って生じる搬送水の位置エネルギーについて、その有効利用が図られる。
[第2実施形態]
図2は、本発明に係る水中カット造粒装置1の第2実施形態を示している。
【0033】
この第2実施形態では、第1実施形態の構成に加えて、更に、熱電発電装置40が設けられたものとなっている。
熱電発電装置40は、搬送水の有する熱量を元に発電を行うためのものであって、例えば、熱電素子により構成されている。
この熱電発電装置40は、切断装置2(水室11)の出側とポンプ20の入側との間であれば、特に、その設置位置が限定されるものではない。第2実施形態では、切断装置2の水室11に可及的に近い配置とするために、第1配管5において切断装置2側から上方へ立ち上がる部分に、この熱電発電装置40を配置している。このようにすることで、水室11内で溶融樹脂から吸収した熱を最大限に発電に利用できることになる。
【0034】
熱電発電装置40は、第1配管5の外周面に接触させる状態で配備させるのが好適である。
その理由は、熱電発電装置40を第1配管5の内部へ設けた場合には、シール構造の複雑化等により第1配管5内の管路抵抗が大きくなったり、搬送水内の樹脂滓の溜まりによるプロセスへの悪影響が懸念されたり、熱電発電装置40のメンテナンスが面倒になったり、熱電発電装置40が水分により腐食や短絡などを起こしやすくなったりするためである。すなわち、熱電発電装置40を第1配管5の外部へ設けることで、これらの不具合を防止できる。但し、これらの不具合を確実に回避できる構造を採用する場合には、熱電発電装置40を第1配管5の内部(搬送水に接触する配置)に設けてもよい。
【0035】
この熱電発電装置40には変換装置41が電気的に接続されており、熱電発電装置40で発電された電気は、変換装置41で位相、周波数、電圧などが整えられた後、各種の電源として供給されることになる。
このように、第2実施形態の水中カット造粒装置1では、水力発電装置10だけでなく、搬送水の有する熱量を元に発電を行う熱電発電装置40をも設けた構成である。従って、この熱電発電装置40で発電された電気をも種々の用途に使用することができる。
【0036】
すなわち、本第2実施形態の水中カット造粒装置1では、切断装置2から高所設置の分離装置3へ向けて搬送水を揚水させることに伴って生じる搬送水の位置エネルギーについて、その有効利用が図られていると共に、尚かつ、切断装置2の水室11内で搬送水が溶融樹脂から吸収した熱エネルギーについて、その有効利用が図られているものである。
なお、熱エネルギーの有効利用について、換言すれば、搬送水をタンク4に貯留している間の放熱や、タンク4の下流側にて熱交換器21で搬送水を冷却させることに伴う熱エネルギーの損失を、事前に回収したものということができる。
[第3実施形態]
図3は、本発明に係る水中カット造粒装置1の第3実施形態を示している。
【0037】
この第3実施形態では、切断装置2(水室11)の出側とポンプ20の入側との間に、熱電発電装置40のみが設けられたものとなっている。
このように、水力発電装置10を省略し熱電発電装置40のみを設けた構成とするだけでも、搬送水に生じた熱エネルギーの有効利用が図られるものである。なお、熱電発電装置40を配備するだけであるために、その配備位置は分離装置3とタンク4との相互間(第2配管6の中途部)や、タンク4自体や、タンク4とポンプ20との相互間(第3配管7の中途部)などとしてもよい。
【0038】
なお、タンク4は大量の搬送水を貯留しているので、タンク4自体に熱電発電装置40を取り付けることで、タンク4に貯留している間のタンク4からの放熱に伴う熱エネルギーの損失を効果的に回収することができる。
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
【0039】
例えば、水中カット造粒装置1、および水中カット造粒装置1の各構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
水力発電装置10において、分離装置3とタンク4との相互間における設置高さは、特に限定されるものではない。また、この水力発電装置10や回生装置30の細部構造、出力などは、限定されない。
【0040】
切断装置2における水室11の出側から、分離装置3を経ないでタンク4の入側へ搬送水を導くようなバイパス配管(戻り側循環経路に含まれる)を設けることが可能である。このようなバイパス配管を設ける場合には、このバイパス配管に水力発電装置10や熱電発電装置40を設けることが可能である。
熱電発電装置40や変換装置41の細部構造、出力などは、限定されない。
【符号の説明】
【0041】
1 水中カット造粒装置
2 切断装置
3 分離装置
4 タンク
10 水力発電装置
11 水室
13 樹脂供給装置
14 樹脂混練機
40 熱電発電装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイから押し出される溶融樹脂を水室内でカッタにより切断してペレットにする切断装置と、この切断装置の水室から搬送水と共に下流へ送り出されたペレットを搬送水から分離する分離装置と、この分離装置の下方に設置されて分離装置から排出された搬送水を貯留するタンクとを有すると共に、このタンクと前記水室との間で搬送水を循環させるように循環経路が形成されている水中カット造粒装置において、
前記水室の下流側に形成されている戻り側循環経路に、該経路内を上から下へ流れ落ちる搬送水のエネルギーで発電する水力発電装置及び該経路内にある搬送水の有する熱量を元に発電を行う熱電発電装置の少なくとも一方が設けられていることを特徴とする水中カット造粒装置。
【請求項2】
前記熱電発電装置が、前記戻り側循環経路を構成する配管又はタンクに取り付けられる熱電素子であることを特徴とする請求項1に記載の水中カット造粒装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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