水中呼吸装置で使用される呼気弁
シュノーケルなどの水中呼吸装置は、呼気弁を備えることができる。呼気弁は、水中での呼吸の全体の動作を少なくするために、水中呼吸装置の使用者の気道内に末端呼気正圧を生じさせるように構成されている。呼気弁は、呼気ポートを画定するプレートを備えている。呼気弁はまた、プレートの表面に対して密封可能であり、呼気ポートを密封することが可能であるような寸法をしており、またそのように位置決めされた可撓性膜を備えている。可撓性膜は、可撓性膜が呼気ポートを密封する密封位置を有するように構成されており、それによって呼気がシュノーケルから実質的に逃げない。可撓性膜はまた、呼気がシュノーケルから逃げる非密封位置を有するように構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2006年5月18日出願の「水中呼吸装置で使用される呼気弁」という名称の米国実用特許出願(番号不明)の特典を請求する。本出願はまた、2005年5月21日出願の「スキューバ機器と組み合わされた弁、バッフル、短いシュノーケル、ステルスシュノーケル、シュノーケル機器」という名称の米国仮特許出願第60/683,477号の特典および利益を請求する。本出願はまた、2005年10月19日出願の「シュノーケル弁」という名称の米国仮特許出願第60/728,193号の特典および利益を請求する。これらの出願はそれぞれ、全体を本明細書に明らかに援用する。
【0002】
本発明は概して、水中呼吸装置に関し、より詳細には、使用者の気道内に末端呼気正圧を生じさせるように構成された水中呼吸装置で使用する呼気弁に関する。
【背景技術】
【0003】
水中呼吸装置により、使用者の口および/または鼻が水中に沈められた後でさえも使用者が呼吸し続けることが可能になる。スキューバおよびスヌーバ呼吸装置などのいくつかの水中呼吸装置は、潜水した使用者に圧縮空気容器からの空気を提供するように構成されている。従来のシュノーケルなどの他の水中呼吸装置は、使用者に大気からの空気を提供するように構成されている。
【0004】
従来のシュノーケルは普通、これを通して空気を大気から吸入することができる呼吸導管を備えている。呼吸導管は普通、2つの端部で構成されている。シュノーケルの一端部は、水面上に留まることを意図している。シュノーケルのもう一端部は、水面下に沈まされることを意図している。沈まされることを意図している呼吸導管の端部は、一般にマウスピースを含む。実際、使用者は自分の口内にマウスピースの一部を挿入し、それによって使用者の気道と呼吸導管の間にシールを作り出す。使用者はその後、呼吸導管のもう一端部を水面上に維持しながら自分の口およびマウスピースを水中に沈め、それによって使用者は潜水しながら大気を吸入することが可能になる。同時に、呼吸導管は使用者が、使用者の口とマウスピースの間のシールを破断することなく使用者の口を通して吸入することを可能にする。普通、使用者によって吸入される空気は、使用者がこれを通して大気を吸入する同じ呼吸導管を通してシュノーケルから出る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のシュノーケルを使用している間に使用者が直面する可能性がある1つの問題は、使用者が潜水する周囲水の圧縮力による大きな疲労である。通常の吸入および呼気中、使用者は肺を膨張かつ収縮させる労力を費やす。しかし、使用者が潜水する場合、使用者の肺の周りの周囲水の圧縮力は、使用者に自分の肺を膨張させるために普通より大きな労力を費やさせ、使用者に自分の肺を収縮させるために普通より少ない労力を費やさせる傾向がある。この少ない労力の呼気は、それぞれの大きな労力の吸気の間に時間が少なくなるように使用者に通常より早く息を吐き出させ、より頻繁な吸入につながる。より頻繁な吸入は、使用者を通常の吸入および呼気中より早く疲労させ、より小さな機能肺能力による呼吸困難、および肺が完全に拡張しない障害である肺拡張不全の可能性につながることがある。
【0006】
従来のシュノーケルを使用している間に使用者が直面する可能性がある別の問題は、シュノーケルの呼吸導管に水が存在することによる呼吸困難である。水は時に、呼吸導管の一方または両方の端部を通して従来のシュノーケルに入る可能性がある。この水は、水が呼吸導管内の空気水の通過に干渉する、かつ/または水が使用者によって吸引される状態まで堆積する場合に呼吸困難を生じさせる可能性がある。加えて、シュノーケルの呼吸導管内の水の存在は、吸気および/または呼気中に空気が水を通過するときに、注意をそらさせる水がゴボゴボ流れる騒音または泡立つ騒音を生じさせる可能性がある。
【0007】
したがって、上記問題の一部または全てをなくすまたは少なくする水中呼吸装置に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様は、水中呼吸装置で使用することができる呼気弁である。呼気弁は潜在的に、水中での呼吸の全体の動作を少なくするために、水中呼吸装置の使用者の気道内に末端呼気正圧を生じさせるように構成されている。呼気弁は、少なくとも1つのチャンバポートおよび呼気ポートを画定するプレートを備えることができる。少なくとも1つのチャンバポートは、呼気ポートに対向させて位置決めすることができる。呼気弁はまた、プレートの表面に対して密封可能であり、呼気ポートを密封することが可能であるような寸法をしており、またそのように位置決めされた可撓性膜を備えることができる。可撓性膜は、可撓性膜が呼気ポートを密封する密封位置を有するように構成することができ、それによって少なくとも1つのチャンバポートと呼気ポートの間を実質的に空気が流れることができない。可撓性膜はまた、可撓性膜が呼気ポートを密封しない非密封位置を有するように構成することができ、それによって空気は少なくとも1つのチャンバポートと呼気ポートの間を流れることができる。
【0009】
別の態様は、相当に剛性があり、ほぼディスク形状をしているプレートを備えることができる呼気弁である。加えて、呼気弁のプレートの呼気ポートは楕円形状または涙形状のいずれかであってもよい。さらに、呼気弁の可撓性膜は、可撓性膜がヒンジ付領域に沿って屈曲する場合に、一方の側部を開いて、もう一方の側部を密封したままにするように、呼気ポートを2つの側部に分割するように位置決めされたヒンジ付領域を備えることができる。さらに、呼気弁のプレートおよび/または可撓性膜は、プレートと可撓性膜の間に位置決めされ、その上に形成された結節を有することができる。
【0010】
さらに別の態様は、水中呼吸装置の使用者の気道内に末端呼気正圧を生じさせるように構成することができる水中呼吸装置である。水中呼吸装置の使用者の気道内における末端呼気正圧の生成は、水中呼吸の全体の動作を少なくすることができる。水中呼吸装置は、チャンバおよび弁を備えることができる。チャンバは、第1および第2の開口を備えることができる。チャンバは、空気が第1の開口を通してチャンバ内に空気を第1の開口を通して同時に逃がさない方法で呼気されている場合に、空気がこれを通して水中呼吸装置から出ることができるチャンバからの絞られていない通路がないように構成することができ、その結果、呼気された空気がチャンバ内に呼気圧力を作り出す。弁は、チャンバと第2の開口の間の空気流を絞ることができる。弁は、プレートおよび可撓性膜を備えることができる。プレートは、少なくとも1つのチャンバポートおよび呼気ポートを画定することができる。少なくとも1つのチャンバポートは、呼気ポートに対向して位置決めすることができる。第2の開口は、少なくとも1つのチャンバポートおよび呼気ポートを備えることができる。可撓性膜は、プレートの表面に対して密封可能であり、呼気ポートを密封することが可能なような寸法をしており、またそのように位置決めすることができる。可撓性膜は、チャンバ内のあらゆる呼気圧力を含む開力が弁を第1の方向に偏倚させ、閉力が弁を第2の方向に偏倚させるように構成することができ、第1の方向は第2の方向とほぼ反対である。可撓性膜は、可撓性膜が呼気ポートを密封する閉位置を有することができ、それによって呼気ポートを通してチャンバから実質的に空気が放出されない。可撓性膜は、開力が閉力より小さいまたはこれと同じである場合に、閉位置に配置することができる。可撓性膜はまた、可撓性膜が呼気ポートを密封しない開位置を有することもでき、それによって呼気ポートを通してチャンバから空気が放出される。可撓性膜は、開力が閉力を超えた場合に、開位置に配置することができる。
【0011】
別の態様は、水中呼吸装置が第1の開口に連結されたマウスピースを備えることができることである。加えて、水中呼吸装置は呼気ポートに連結された呼気導管を備えることができる。さらに、水中呼吸装置は第1の導管および第2の導管を作り出す隔壁によって分割された呼気導管を備えることができる。第2の導管は、水中呼吸装置を使用する場合に、呼気導管に入るあらゆる水が第2の導管内に集まる傾向があるような寸法をしており、そのように位置決めされている。さらに、可撓性膜はさらに、可撓性膜がヒンジ付領域に沿って屈曲する場合に、第1の導管を開いて、第2の導管を密封したままにするように、隔壁と位置合わせされたヒンジ付領域を備えることができる。さらに、可撓性膜のヒンジ付領域で可撓性膜を屈曲させ、それによって第1の導管だけを開くのに必要な開力は、第1および第2の導管両方を開くように可撓性膜を屈曲させるのに必要な開力より小さい。加えて、閉力は水中呼吸装置の少なくとも一部が水中に沈められた場合に周囲水圧力を含むことができる。さらに、開力は可撓性膜を実質的に第1の方向に偏倚させる可撓性膜に取り付けられた弾性ひもの張力によって作り出された力を含むことができる。さらに、弾性ひもの張力、および得られる開力は手動で調節可能である。
【0012】
さらに別の態様は、水中呼吸装置の使用者の気道内に末端呼気正圧を生じさせるように構成される水中呼吸装置である。使用者の気道内の末端呼気正圧は、水中呼吸の全体の動作を少なくすることができる。水中呼吸装置は、チャンバおよび弁を備えることができる。チャンバは、第1および第2の開口を備えることができる。チャンバは、空気が第1の開口を通してチャンバ内に空気を第1の開口を通して同時に逃がさない方法で呼気されている場合に、空気がこれを通して水中呼吸装置から出ることができるチャンバからの絞られていない通路がないように構成されており、その結果、呼気された空気がチャンバ内に呼気圧力を作り出すことが好ましい。弁は、チャンバと第2の開口の間の空気流を絞るように働くことができる。弁は、チャンバ内のあらゆる呼気圧力が弁を第1の方向に偏倚させ、逆圧が弁を第2の方向に偏倚させるように構成することができる。第1の方向は、第2の方向と実質的に反対であってもよい。弁は、チャンバから第2の開口を通して実質的に空気が放出されない閉位置を有することができる。弁は、チャンバ内のあらゆる呼気圧力が逆圧より小さいまたはこれと同じである場合に閉位置に配置することができる。弁はまた、少なくとも一部の空気がチャンバから第2の開口を通して放出される開位置を有することができる。弁は、チャンバ内のあらゆる呼気圧力が逆圧を超えた場合に開位置に配置することができる。
【0013】
さらに別の態様は、第1の開口に連結されたマウスピースを備えた水中呼吸装置である。加えて、水中呼吸装置は第2の開口に連結された呼気導管を備えることができる。また、逆圧は水中呼吸装置の少なくとも一部が水に沈められた場合に周囲水圧力を含むことができる。さらに、逆圧はまた、1つまたは複数のばねを備えることができる。さらに、水中呼吸装置は第3の開口を備えたチャンバを備えることもでき、ここで弁はさらにチャンバと第3の開口の間の空気流を絞る。弁はさらに、少なくとも一部の空気がチャンバから第2の開口および第3の開口を通して放出されるパージ位置を含むことができる。弁は、チャンバ内のあらゆる呼気圧力が逆圧よりはっきりと大きい場合に、パージ位置に配置することができる。
【0014】
本発明のこれらおよび他の態様、特性および利点は、好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより十分明らかになるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
添付の図面は、本発明の上記および他の態様、利点および特性をさらに明らかにするための好ましい実施形態の図を含んでいる。これらの図は、本発明の好ましい実施形態だけを示しており、その範囲を制限することを意図したものではない。本発明を、添付の図面を使用して追加の特異性および詳細とともに記載かつ説明する。
【0016】
本発明は概して、水中呼吸装置で使用する呼気弁を対象としている。呼気弁は、水中呼吸装置の使用者の気道内に末端呼気正圧を生じさせるように構成されている。しかし、本発明の原理は水中呼吸装置に限るものではない。本開示を鑑みて、本明細書で開示する構造は、使用者の気道内に末端呼気正圧を生じさせることを意図したあらゆる装置に関連してうまく使用することができることが分かるだろう。
【0017】
加えて、呼気弁の説明を助けるために、上部、底部、前部、後部、右側、左側および側部などの語句が添付の図面を説明するのに使用されているが、図面は必ずしも同じ尺度で描かれているわけではない。しかし、本発明は、様々な角度、横道およびさらには上下逆を含む、水中呼吸装置または他の装置内の様々な所望の位置に配置することができることが分かるだろう。水中呼吸装置で使用する呼気弁の詳細な説明は以下の通りである。
【0018】
以下で論じ、添付の図面で示すように、呼気弁はスキューバまたはスヌーバ調整装置、あるいはシュノーケルなどの水中呼吸装置に関連して使用することができる。例えば、呼気弁はシュノーケルの吸気弁に関連して機能することができる、または呼気弁は吸気弁と組み合わせることができる。シュノーケルが単一の呼吸導管のみを備えている、または吸気導管および呼気導管の両方を備えているかどうかに関わらず、呼気弁はシュノーケルの呼吸導管の上部または底部に配置することができる。呼気弁は普通、シュノーケルの使用者が呼気して呼気をシュノーケルから出すことを可能にする場合に開くように構成されている。呼気弁はまた普通、吸気中または呼吸の間などの、シュノーケルの使用者が呼気していない場合に閉じるように構成されている。シュノーケルが吸気導管および呼気導管の両方を備えている場合、閉じた呼気弁は呼気導管からの呼気が吸気管に通過し戻されないようにすることができ、それによって適切な呼気管を通して呼気を運ぶことができる。
【0019】
次に図1Aおよび1Bを参照すると、例示的なシュノーケル1が開示されている。普通、シュノーケル1は吸気導管を通した使用者のマウスピースまでの吸気を容易にし、呼気はマウスピースから呼気導管まで到達し、そこから呼気はシュノーケルから出る。シュノーケル1は、吸気弁および呼気弁を備えている。シュノーケル1はまた、その構造の一部を呼気弁と共有するパージ弁を含む。シュノーケル1が使用される場合、大気は吸気弁内に一方向に、そして吸気導管を通してマウスピースまで流れ、ここで使用者によって吸気される。使用者によって続いて呼気される空気はその後、呼気弁および呼気導管を通して流れ、ここで呼気はシュノーケルから出る。呼気はまた、パージ弁を通してシュノーケル1から出ることもできる。吸気弁、吸気導管、マウスピース、呼気弁、呼気導管、およびパージ弁の例示的な構造に関する追加の詳細は以下の通りである。
【0020】
シュノーケル1は、吸気キャップ7、主管13、連結管19、マウスピース54、チャンバ23を格納する接合部22、呼気導管48、およびパージリザーバ27を含むいくつかの主な構造要素を備えている。パージキャップ50が、シュノーケル1の下端部にある。呼気が通常、シュノーケル1から出る呼気導管出口ポート16が、主管13の上端部の近くにある。
【0021】
より詳細には、図1Bは吸気キャップ7、吸気弁隔膜部材10、主管13、連結管19、および結合部22を開示している。組み合わせた密封アセンブリ6は、組み合わせた密封部材30と、剛性支持ディスク36と、呼気管下側マウント44の密封リング47に対して作用する組み合わせた密封アセンブリ6の機能構成部品である、呼気弁の動的構成部品を柔軟に取り付けるように働く回旋状膜40とを備えている。呼気管48は、図示するようにこの構造の上側面に取り付けられている。呼気管48はその後、主管13と中空の呼気管取付プラグ49の間に挟むことによってその上端部に取り付けられるまで、シュノーケル1の中心チャンバを上に走る。呼気管下側マウント44は、逆さまの図では、外側縁部まで延びているスポークに似ている支持構造46によって結合部22に連結されている。したがって、この支持構造46はこれにわたる、例えば上部から底部までの流体/空気移動を妨げない。パージキャップ50は結合部22の上にねじ込まれ、それによって組み合わせた密封アセンブリ6を固定し、そこでその回旋状膜40がこれらの2つの構造の間に取り付けられる。結合部22はチャンバ23を格納し、そこで呼気圧力が吸気弁および呼気弁の組み合わせによって維持されることが重要である。結合部22内のチャンバ23の最下部はパージリザーバ27と呼ばれる。というのは、飛沫/洪水の水が最初にたまるところであるからである。
【0022】
図2Aは、共に吸気弁を形成する、吸気キャップ7と、いくつかの貫通路8と、吸気弁隔膜部材10とを示している。吸気弁隔膜部材10は、その直径にわたって任意の部分厚さ溝12を有し、図2Bおよび2Cに示す吸気弁アンカ9によってその中心孔11に中心に固定されている。
【0023】
図2Bは、吸気中に起こるような開位置にある弁を示す、吸気キャップ7、および吸気弁隔膜部材10の変形形状の横断面図を示している。全ての吸気は、吸気キャップ7の貫通路8を通って通過して、シュノーケル1に入る。したがって、吸気キャップは吸気導管の第1の部材と考えることができる。吸気弁隔膜部材10は非常に可撓性があり、吸気導管中の気道抵抗への貢献を最小限に抑えるように簡単に変形する。その直径にわたる任意の部分厚さ溝12により、この弁をより効率的なバタフライ式弁として機能させることが可能になる。加えて、吸気キャップ7は、貫通路8が急速吸気流量でさえも気道抵抗への貢献を同様に最小限に抑えるように領域内で組み合わせるような寸法をしている。吸気キャップ7の内部ねじ山55が示されており、図3Aに記載するように主管13上の対応するねじ山と噛み合う。
【0024】
図2Cは図2Bと同様であるが、吸気していない間に起こるようなその平坦な形状の吸気弁隔膜部材10を示している。吸気弁隔膜部材10は自然に、しかし徐々に、弁が強制的に閉じられるまで平らにならない場合に経験するであろう閉音を最小限に抑えるために、弁にわたって圧力勾配が存在しない場合にこの平坦な形状を示す。その後、呼気が起こると、シュノーケル1の底部で呼気弁(図6A、6Bおよび6Cに記載する)に作用する圧力がシュノーケル1内に伝播して、この吸気弁に対して閉圧力を提供するので、弁はしっかり閉じたままである。シュノーケル1が全体的に通常使用位置に配向されており(すなわち、吸気弁が呼気弁より高い状態である)、使用者が積極的に吸気していない限り、この圧力は水が吸気キャップ7を介してシュノーケル1内に入るのを防ぐのに適当である。
【0025】
図3Aは、主管13およびその関連構造の横断面図を示している。吸気キャップ7は、それぞれの構成部品上の噛み合ったセットの内部ねじ山55および外部ねじ山56で主管13の上端部に取り付けられている。吸気弁の示される構造は、図2Bおよび図2Cに対して上に説明した通りである。主管の中心経路14は、吸気弁から吸気を直接受け、それによって吸気導管の第2の機能部材となり、吸気導管は吸気がこれを通して連続的に通過する管および他の中空構造のネットワークとなるように規定されている。呼気管上部マウント15は主管13と一体であり、呼気管48の上端部がこれに対して中空呼気管取付プラグ49によって挟まれる円形外壁を提供する。この設計は効果的に、シュノーケル1の呼気導管48と吸気導管の間の潜在的な空気漏洩をなくし、そうでなければ呼気導管48が吸気導管のこの壁を通過する場合に問題となる可能性がある。呼気導管出口ポート16は、呼気導管48がこれを通してシュノーケル1から出る吸気導管内の開口である。主管13は浸っている間の流体力学的抗力を小さくするようにその下端部に楕円形断面17を有し、吸気キャップ7をねじ取り付けすることを可能にするように、その上端部で円形断面18に移行する。主管13の下端部は、連結管58内の溝と噛み合う主管57上のリブで可撓性連結管19に取り付けられる。
【0026】
図3Bは、主管13の上端部の円形断面18を示し、図3Cは主管13の下端部の楕円形断面17を示している。図3Dは、主管13を通って走る場合の呼気管48も示していることを除いて、図3Aと同一である。
【0027】
図4Aは、リブ付可撓性連結管19の側面図である。外側リブ21は管に径方向支持を提供するが、依然として管が可撓性を有し、屈曲することを可能にする。この屈曲は、シュノーケル1が着用されている間に、特に他の駆動ギヤも同時に使用されている場合に改善された快適性を与える。
【0028】
図4Bは、図4Aでも記載されたリブ付可撓性連結管19の横断面図である。ここでは、吸気導管の第3の機能部材である、この管の中心経路20が示されている。さらに本明細書では、主管13上の対応するリブ57と噛み合う連結管19の上側溝58(図3Aに示す)と、結合部22上のリブ60と噛み合う連結管19の下側溝60(図5Aに示す)とが示されている。
【0029】
図5Aは、結合部22およびその関連構造の展開側面図である。より詳細には、その取付リブ60を備えた連結管マウント24、その取付リブ61を備えたマウスピースマウント25、およびその外部ねじ山64を備えたパージキャップマウント29を含む3つのマウントは、結合部22と一体である。
【0030】
結合部22は、連結管19の中心経路20から吸気を受ける小容量チャンバ23を格納し(図4Bに示す)、それによって吸気導管の第4の機能部材となる。他の実施形態では、チャンバは吸気導管の機能部材ではない可能性がある。このチャンバ23は、マウスピース54から呼気を受ける。このチャンバ23は呼気中に加圧され、使用者の気道に逆圧を機能的に与える。チャンバ23の下側領域はより詳細には、あらゆる捕捉された水がここで最初にたまるので、パージリザーバ27と呼ばれる。
【0031】
結合部22はまた、機能呼気弁およびパージ弁を格納する。好ましい実施形態では、これらの2つの弁は、全体で、組み合わせた密封アセンブリ6と単に呼ばれる、3つの構造要素を共有している。このアセンブリの構造は、図6Aから6Cの好ましい実施形態に対して示されており、呼気弁およびパージ弁の代替実施形態の例が図7および8に別に示されている。
【0032】
呼気管下側マウント44は、そのスポークおよび縁部状支持構造46を介して、呼気管下側マウント44用の結合部のスナップマウントで結合部22に静的に取り付けられている(図6A、6Bおよび6Cに示す)。呼気管下側マウント44は加えて、呼気弁に密封リング47を提供する。このため、この呼気管下側マウント44が呼気をチャンバ23から呼気管48(呼気導管48とも呼ばれる)まで案内する。呼気弁は、組み合わせた密封アセンブリ6および密封リング47の要素からなっており、これらは図6A、6Bおよび6Cでより詳細に説明する。
【0033】
図5Aはまた、対応するマウントで結合部22上にねじ込まれるパージキャップ50を示している。パージキャップ50はまた図では、水圧が呼気弁に作用することを可能にするパージキャップ穿孔52を備えており、パージ弁にわたってパージされる水用の出口を提供する。図5Bは、組み合わせた密封アセンブリ6の展開斜視図である。このアセンブリは、シリコンゴムの組み合わせた密封部材30と、剛性支持ディスク36と、可撓性回旋状膜40とを備えている。
【0034】
一体構造である組み合わせた密封部材30は、呼気弁密封部材31およびパージ弁密封部材32を提供する。好ましい実施形態では、呼気弁密封部材31は、ちょうど最小に開かれている場合に呼気弁にわたって呼気が逃げるので、出口流を非常に徐々に開き、振動を小さくするためにドーム形状をしている。同様に減衰につながる可能性がある他の形状としては、涙形状または円錐形が挙げられる。隣接したパージ弁密封部材32は明らかに、パージ弁密封部材32の裏側から様々な長さで径方向に突出する減衰リブ33を有し、そうでなければパージ中に起こるであろう騒音を少なくするまたはなくすように働く。組み合わせた密封部材30はまた、剛性支持ディスク36へのしっかりした取付けを行う、その中間部周りに取付溝34を有する。中空領域35は、組み合わせた密封部材30を組み立てる目的で圧縮することを可能にし、将来変更を望む場合に、呼気気道圧力65をさらに精製することができる任意のばね68(図6A)用のリセスマウントを提供する。
【0035】
剛性支持ディスク36はいくつかの機能を提供する:呼気弁密封部材31が密封リング47との安定シールを形成することを可能にする組み合わせた密封部材30を支持し(図6A、6Bおよび6Cに示す)、シュノーケル1内で所望の呼気気道圧力65(図6A、6Bおよび6Cに示す)を均衡させるように周囲水圧力66(図6A、6Bおよび6Cに示す)がこれに対して作用する広い表面を提供し、同ディスクの密封表面との近接性を維持するようにパージ弁密封部材32を支持し、パージ弁密封部材32をこれに対して密封することができる円滑な剛性表面を提供する。剛性支持ディスク36内の急速パージ経路39は、気道圧力65が、シュノーケル1内で維持されるより高い呼気気道圧力65を完全に利用して、急速パージ経路39が非常に急速なパージのために開くのに十分な閾値に到達する動的パージ動作中を除いて、パージ弁密封部材32によって閉じられている。剛性支持ディスク36内の中心孔37は、前記部材の取付溝34で組み合わされた密封部材30を支持する。剛性支持ディスク36の外側溝38は、可撓性回旋状膜40の中心アンカ41への取付けを行う。
【0036】
回旋状膜40は、剛性支持ディスク36および組み合わせた密封部材30の軸方向移動を可能にする横断面回旋を有する可撓性環状構造体である。これにより機能的に、呼気弁密封部材31は、密封リング47(図6A、6Bおよび6Cに示す)に対してそのシールを適当に開閉することが可能になり、それによって使用者の浸漬および潜水呼気速度を調整するのに周囲水圧力66を利用する。回旋状膜40は、剛性支持ディスク36にしっかり取り付けるための中心アンカ41と、(図6Aに別に記載した結合部22の)回旋状膜結合溝28、および(図6Aに別に記載したパージキャップ50の)対応する回旋状膜パージキャップ溝51によって画定される空間内にしっかり取り付けるための周面アンカ42を有する。結合部22上のパージキャップ50のねじ取付けは僅かに、この周面アンカ42を圧縮し、これは有利には水がシュノーケル1に入るのを防ぐようにシールを作り出し、パージキャップマウント29のねじ山を係止するのを助ける。
【0037】
図5Cは、図5Bに示す部品の横断面図である。図5Dは、図5Bの部品からなっている、組み合わせた密封アセンブリ6の上面図である。図5Eは、図5Cの部品からなっている、組み合わせた密封アセンブリ6の横断面図である。
【0038】
図6Aは、呼気弁が閉位置にある結合部22の横断面図である。この図で特定されたいくつかのアイテムは、図5Aおよび図5Bに詳細に記載されている。注目すべきは、上から組み合わせた密封アセンブリ6に作用する使用者の気道圧力65は、周囲水圧力66が下から生じさせる内側圧縮力を凌ぐには不十分であることである。したがって、呼気弁密封部材31は密封リング47に対してしっかりした閉塞を行い、呼気流が防止される。回旋状膜40は、軸方向移動の上端部にある剛性支持ディスク36と適合可能である横断面形状を呈する。また、得られる呼気に対する逆圧をさらに精製するのに使用することができる、任意の機械ばね68が示されている。
【0039】
図6Bは、呼気弁が開位置にある結合部22の横断面図である。この図は、図5Dが使用者の気道圧力65が周囲水圧力66を超え、それによって正味の下向き力が組み合わせた密封アセンブリ6に加わって、呼気弁密封部材31を密封リング47に対するその密封位置から取り除く通常の呼気状態を示していることを除いて、図5Cと極めて類似している。流れ矢印67は、チャンバ23を通り、呼気弁にわたり、呼気管48内への空気流の方向を示しており、呼気管48からシュノーケル1から出るように運ばれる。回旋状膜40は、軸方向移動の下端部の近くにある剛性支持ディスク36と適合可能な横断面形状を呈する。
【0040】
図6Cは、パージ弁が開位置にある結合部22の横断面図である。呼気弁も開位置にあることに留意すること。というのは、パージに必要な気道圧力65は通常の呼気に対して余分だからである。図6Aおよび6Bに関して、この図に示した多くのアイテムの説明は、図5Aおよび図5Bにおけるそれらの説明に任される。パージ弁密封部材32は剛性支持ディスク36から離れており、それによってシュノーケル1の内容物を急速パージ経路39を通して除去することが可能になることに留意すること。パージ弁密封部材32は、パージ弁密封部材32を剛性支持ディスク36から変位させるために、気道圧力65が周囲水圧力66よりかなり大きくなくてはならないような形状に成形されたクロージャに対する偏倚を有する。回旋状膜40は、移動の最下端部にある剛性支持ディスク36と適合可能である横断面形状を呈する。
【0041】
図7Aは、組み合わせた密封アセンブリ6の3つの部品を1つの単一成形可撓性ゴム部、可撓性密封部材69と交換した、シュノーケル1の代替実施形態の断面図である。そうする際、結合部75、パージキャップ76、および呼気管下側マウント77は全て、この代替形態に対して変更される。この可撓性密封部材69は、この部材を結合部75およびパージキャップ76に好ましい実施形態に対して前に説明した周面アンカ42と同様の方法で固定するその周面に沿った密封部材アンカ70を有する。可撓性密封部材69はまた、好ましい実施形態に対して前に説明した呼気弁密封部材31の機能性を提供する密封ドーム73構成部品を有する。好ましい実施形態の剛性支持ディスク36は取り除いた。任意の剛性リング74は、追加の機械的支持のためにアコーディオン壁面71のより深い折り目内に配置することができる。パージ動作は、気道圧力65がアコーディオン壁面71を完全に膨張させ、それによってこれらのパージスリット72をダックビル弁(duck bill valve)と同様の方法で開くのに十分になるまで、壁面の成形形状および周囲水の圧縮力により閉じたままであるアコーディオン壁面71の外側折り目内の一連の小さなパージスリット72によって簡単にされる。
【0042】
図7Bは、図6Bの好ましい実施形態の状態と同様に、通常の呼気の状態の図7Aの代替実施形態であり、気道圧力65は呼気に十分であるが、急速パージ動作には不十分である。密封ドーム73は、呼気管密封リング47から離されて、流れ矢印75で示すように呼気をシュノーケル1から出すことを可能にする。
【0043】
図7Cは、図6Cの好ましい実施形態の状態と同様に、パージ動作の状態の図7Aの代替実施形態であり、気道圧力65がパージのための閾値圧力を超える。パージスリット72はここでは、下側および外側シリコンゴム(あるいは、可撓性)アコーディオン壁面71内にあることが明らかである。これらのパージスリット72は、優れたパージ能力を提供するのに十分な圧力で開くが、そうでなければ普通は、通常の呼気動作に対しては閉じたままである。
【0044】
図8は、逆圧用のチャンバ80を同様に含むが、シュノーケル1の底部近くに呼気出口ポート83と、外部呼気管マウント84と、外部呼気管とを有する結合部78のかなり変更した設計を特徴とする、シュノーケル1の別の実施形態を示している。当方の所望の末端呼気正圧に逆圧を与える移動要素は、同軸方向に移動し、密封カップ剛性支持体によって横方向に支持される密封カップ81である。チャンバ内の気道圧力65の力が周囲水圧力66の力を凌ぐ場合、密封カップ81はOリングシール82から離れて、空気が密封カップ81の周面上の空間内に逃げることを可能にし、その後、空気は外部呼気管マウント85を介して外部呼気管86に放出される。摺動シール87は、シュノーケル内の乾燥を維持するのを助ける。
【0045】
図9は、非折畳可能気管を介して、普通のスキューバ調整装置上の呼気通気孔に取り付けられるように変更された、呼気弁の囲み構造の横断面図である。本発明は実際、スキューバダイバーの呼気速度を調整するように機能するので、スキューバダイビングの目的で「呼気調整装置」となる。この装置は、使用者の快適性に応じて、口または胸部レベルで着用することができる。結合部88は、スキューバまたはスヌーバの目的に適応させることができるように、本代替実施形態に対して好ましい実施形態(図5Aから5Dおよび図6Aから6Cに記載する)から短くなっている。さらに、好ましいシュノーケル1の実施形態のマウスピースマウント25は、スキューバには必要ないので、取り除かれた。別個のスキューバ調整装置からの呼気通気孔は、連結管94を介して、リブ90付連結管マウント89に取り付けられている。呼気管92は明らかに短くされ、呼気導管出口ポート95は結合部88まで移動された。チャンバ93は、本明細書で説明するように、優れた呼気圧力を達成するように逆圧チャンバとして働き続けることが重要である。図9はまた、図6Bに記載するように、またスキューバ調整装置またはスヌーバ機器上の呼気通気孔に取り付けられるようになっているような、呼気弁および関連構造の横断面図を含んでいる。図9の呼気管48は明らかに短くなり、結合部22の側壁を通して結合部22から出る。
【0046】
図10Aおよび10Bに開示するように、シュノーケル100は代替呼気弁構成を備えている。シュノーケル100は、吸気弁、主管、連結管、およびマウスピースを含む、図1Aおよび1Bのシュノーケル1と同様の構成部品の多くを含んでいるように構成されている。これらの構成部品は図10Aおよび10Bに示さないが、シュノーケル100は図1Aおよび1Bに開示するように、これらの構成部品が定位置にある状態で機能するように構成されていると理解される。シュノーケル100は吸気導管102を備えている。吸気導管102の外側は、図1Aおよび1Bに示すように、連結管および主管を取り付けることができるリブ104を備えている。空気は、本明細書の別の箇所で開示したように、空気を吸気導管102からではなく吸気導管102内に流すことを可能にする一方向弁である吸気弁を通して吸気管内に入る。空気が一方向弁を通して吸気導管102内に入った後に、空気はチャンバ106に入り、その後、第1の開口108を通して使用者が吸気することができる。マウスピースは、使用者による空気の吸気および呼気を簡単にするように、リブ110を使用して第1の開口108に連結することができる。空気が第1の開口108を通して吸気された後、使用者はその後、第1の開口108を通して空気を呼気してチャンバ106内へ戻すことができる。これを通して空気が吸気導管102に入った吸気弁は一方向弁であるので、チャンバ内に呼気される空気は吸気導管102を通してシュノーケル100から出ることができない。代わりに、呼気はチャンバ106内にたまり、チャンバ106内に呼気圧力を作り出す。
【0047】
例示的なシュノーケル100はまた、弁プレート120および可撓性膜120を備えており、これらは共に呼気弁を形成する。弁プレート120は呼気ポート132を備えている。弁プレート120はまた、図11Dに示すように、2つのチャンバポート134を備えている。可撓性膜130は弁プレート120の縁部に取り付けられており、可撓性膜130が図10Aに開示するように閉位置にある場合に呼気ポート132を密封するように働く。
【0048】
チャンバポート134は呼気ポート132に対向して位置決めされている。この文脈において、かつ特許請求の範囲では、「呼気ポートに対向して位置決めされた少なくとも1つのチャンバポート」という表現は、弁プレート120の実質的に一方側に位置決めされた呼気ポート、および弁プレート120の実質的にもう一方側に位置決めされた少なくとも1つのチャンバポートとして定義されている。この定義を続けて、この定義はチャンバポートが呼気ポートを部分的に囲むように呼気ポートとのチャンバポートのいくつかの重なりがある図11Dおよび13Dに示すような状況を含んでいるが、この定義は図5Bおよび5Dの剛性支持ディスク36で示すような、チャンバポートが呼気ポートを囲んでいるまたは実質的にその周りにある状況を含んでいない。この定義により、可撓性膜130が、チャンバポートの直ぐ下に位置決めされた可撓性膜130の側面で始まる弁プレート120から離れるように次第に剥がれることが可能なる。
【0049】
また、呼気導管128の一部を形成する呼気導管下側マウント122が、図10Aおよび10Bに開示されている。呼気管124は、リブ126で呼気導管下側マウント122に取り付けられている。
【0050】
シュノーケル100が水中に沈められると、シュノーケル100を囲んでいる水の周囲水圧力は、可撓性膜130を弁プレート120に対して押し、それによって呼気ポート132を密封する。使用者がチャンバ106内に呼気する場合、チャンバ106内部にたまる呼気圧力は、弁プレート120のチャンバポート134を通して可撓性膜130に作用する開力140を作り出す。この開力140は、可撓性膜130を第1の方向に偏倚させる。同時に、沈められたシュノーケル100を囲む水の周囲水圧力は、可撓性膜130を第2の位置に偏倚させる閉力150として働く。開力140の第1の方向は、閉力150の第2の方向とほぼ反対である。
【0051】
図10Aに開示するように、閉力150が開力140より大きいまたはこれと同じである場合、可撓性膜130は呼気ポート132を密封し、それによって呼気ポート132を通してチャンバ106から実質的に空気が放出されない。しかし、図10Bに開示するように、開力140が閉力150を超える場合、可撓性膜130は呼気ポート132を密封せず、呼気142はチャンバ106から呼気導管128内に放出される。呼気142が呼気導管128に到達すると、呼気142はシュノーケル100から放出される。
【0052】
図11Aおよび11Bで開示するように、可撓性膜130は任意選択では、可撓性膜130内に一体的に形成され、弁プレート120に対して可撓性膜130を閉じるのに伴なう可能性がある騒音を少なくするように、弁プレート134に対して閉じる可撓性膜130の衝撃を減衰するように働く突起138を備えることができる。図11Cおよび11Dに開示するように、弁プレート120はまた任意選択では、弁プレート120内に一体的に形成され、突起138と実質的に同じ機能を有する突起136を備えることができる。弁プレート120の呼気ポート132はまた任意選択では、呼気ポート132の密封していない部分の寸法を最初極めて小さくし、可撓性膜130が弁プレート120から剥がれるにしたがって次第に大きく成長することができるように、涙形状に形成することができる。図11Dは、弁プレート120内に画定された2つのチャンバポート134を開示しており、3つ以上のチャンバポートと同様に、1つのチャンバポートのみも可能である。
【0053】
図12A〜12Cに開示するように、シュノーケル200は別の代替呼気弁構成を備えている。シュノーケル200は、弁プレート120および可撓性膜130を異なる弁プレート160および異なる可撓性膜180と交換したことを除いて、図10Aおよび10Bのシュノーケル100と同一である。呼気がチャンバ106内に捕捉され、それによってチャンバ106内に呼気圧力を作り出すという事実を含み、シュノーケル100を通したのと同様の方法で空気はシュノーケル200を通して流れる。
【0054】
例示的なシュノーケル200はまた、弁プレート160および可撓性膜180を備えており、これらは共に呼気弁を形成する。弁プレート160は、上側呼気ポート170および下側呼気ポート172に分割される呼気ポートを備えている。弁プレートはまた、図13Dに示すように、3つのチャンバポート166を備えている。可撓性膜180は、弁プレート160の縁部に取り付けられており、図12Aに開示するように、可撓性膜180が閉位置にある場合に上側呼気ポート170および下側呼気ポート170を密封するように働く。また、呼気導管128の一部を形成する呼気導管下側マウント162が、図10Aおよび10Bに開示されている。呼気導管下側マウント162は、下側呼気ポート170に対応する上側導管174、および下側呼気ポート172に対応する下側導管176を作り出す隔壁168によって分割されている。呼気管124は、リブ164で呼気導管下側マウント162に取り付けられている。下側導管176は、シュノーケル200が使用されている場合に、呼気導管128に入るあらゆる水が下側導管176内に集まる傾向があるような寸法をしており、またそのように位置決めされている。同様に、水が呼気導管128の内側表面に沿って濃縮する場合、内側表面の下に走り、下側導管176内に集まる傾向がある。したがって、下側導管176は、呼気導管128に入る水を補足するように働く。
【0055】
シュノーケル200が水中に沈められると、シュノーケル200を囲んでいる水の周囲水圧力は、可撓性膜180を弁プレート120に対して押し、それによって上側呼気ポート170および下側呼気ポート172を密封する。使用者がチャンバ106内に呼気する場合、チャンバ106内部にたまる呼気圧力は、弁プレート160のチャンバポート166を通して可撓性膜180に作用する開力140を作り出す。この開力140は、可撓性膜180を第1の方向に偏倚させる。同時に、沈められたシュノーケル200を囲む水の周囲水圧力は、可撓性膜180を第2の位置に偏倚させる閉力150として働く。開力140の第1の方向は、閉力150の第2の方向とほぼ反対である。
【0056】
図12Aに開示するように、閉力150が開力140より大きいまたはこれと同じである場合、可撓性膜180は呼気ポート132を密封し、それによって呼気ポート132を通してチャンバ106から実質的に空気が放出されない。しかし、図12Bに開示するように、開力140が閉力150を超える場合、可撓性膜180は上側呼気ポート170を密封せず、呼気142はチャンバ106から呼気導管128の上側導管174内に放出される。呼気142が呼気導管128に到達すると、呼気142はシュノーケル200から放出される。
【0057】
可撓性膜180はヒンジ付領域182を備えている。ヒンジ付領域182は、ヒンジ付領域182を可撓性膜180の周辺領域より薄くすることによって、可撓性膜180内に一体的に形成することができる。シュノーケル200内に組み付けられた場合、ヒンジ付領域182は隔壁168と位置合わせされ、それによって図12Bに開示されているように、可撓性膜180がヒンジ付領域182に沿って屈曲すると、上側導管174は開かれる可能性があり、下側導管176は密封されたままである。図12Cに開示されるように、ヒンジ付領域182で可撓性膜180を屈曲させるのに必要な開力140は、上側ポートおよび下側ポートの両方を開くように可撓性膜180を屈曲させるのに必要な開力140より小さい。
【0058】
上側呼気ポート170を開くのに必要なより小さい開力、および下側呼気ポート172を開くのに必要なより大きな開力のこの差により、シュノーケル200の使用者は下側呼気ポート172を開くことなく、上側呼気ポート170を通して通常に呼気することが可能になる。呼気導管128に入るあらゆる水は下側導管176内に集まる傾向があるので、シュノーケル200の呼気弁のこの態様により、使用者はシュノーケルから出る呼気の経路内最小限の液体しかない状態で呼気することが可能になる。呼気弁のこのような態様により、使用者は、開力140を上側呼気ポート170と、下側呼気ポート172の両方を開くのに十分大きくさせるために、通常より強制的に周期的および意図的に呼気することが可能になる。このようなことが起こると、下側導管176内に捕捉されたあらゆる流体は、強制的に呼気された空気によって呼気導管128内を押し上げられ、シュノーケル200から外に出され、それによって呼気導管128から望ましくない流体が取り除かれる。
【0059】
図12A〜12Cと、図13Aおよび13Bの両方で開示されているように、可撓性膜180は任意選択では、可撓性膜180内に一体的に形成され、弁プレート160に対して可撓性膜180を閉じる場合に可撓性膜180の衝撃を減衰するように働く突起184および186を備えることができる。この減衰は、弁プレート160に対して可撓性膜180を閉じるのに伴なう可能性がある騒音を少なくするように働く。より詳細には、突起184は、可撓性膜180が下側呼気ポート172に対して閉じるかつ密封する場合に、突起184が僅かに変形することによって閉動作の衝撃を吸収するように、隔壁168と接触するような寸法および構成をしている。この衝撃吸収は、突起184が存在しない場合よりも小さな騒音につながる。突起186は、上側呼気ポート170の内壁に関して同様の機能を果たす。
【0060】
図13Cおよび13Dに開示するように、上側呼気ポート170および下側呼気ポート172は共に、弁プレート160内に楕円形開口を形成するが、他の形状も可能である。図11Dは、弁プレート160内に画定された3つのチャンバポート166を開示している。チャンバポート166の機能は、単一のチャンバポートによって、または3つ以上のポートによって果たすことができる。
【0061】
図14に開示されているように、調節可能な張力を備えた呼気弁を有するシュノーケル200は、ノブ202と、その周りに弾性ひも206を巻きつけることができるバレル204とを備えている。弾性ひも206は、可撓性膜208に取り付けられている。可撓性膜202の構造および機能は、図10A〜13Dの可撓性膜130および180の構造および機能と同様であってもよい、または本明細書に開示した他の可撓性膜と同様であってもよい。弾性ひも206は、孔210の側部によって可撓性膜208にほぼ垂直に保持されている。
【0062】
ノブ202が一方向に旋回すると、弾性ひも206はバレル204の周りに巻きつき、それによって弾性ひも206の張力を作り出す。弾性ひも206が可撓性膜208に取り付けられているので、弾性ひも206の張力はシュノーケル200内の呼気圧力とほぼ同じ方向に可撓性膜208を偏倚させ、それによって可撓性膜208に作用する開力に寄与する。したがって、弾性ひも206上の張力が増加すると、可撓性膜208を開くのに必要な呼気圧力が減少する。逆に、ノブ202が反対方向に旋回されると、弾性ひも206はバレル204からとれ、それによって弾性ひも206の張力、および可撓性膜208に作用する得られる力140が減少する。したがって、シュノーケル200は、使用者が可撓性膜208の張力を手動で調節することを可能にするノブ200を備えている。
【0063】
本発明を特定の好ましい実施形態に関して説明したが、当業者に自明である他の実施形態も本発明の範囲内にある。したがって、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ規定されることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1A】例示的な組み立てたシュノーケルの正面図である。
【図1B】図1Aのシュノーケルの展開正面図である。
【図2A】共に吸気弁を形成する、図1Aおよび1Bのシュノーケルの吸気キャップおよび吸気弁隔膜部材の上面斜視図である。
【図2B】吸気中に起こるような開位置にある吸気弁を示す、図1Aおよび1Bのシュノーケルの吸気キャップの横断面図である。
【図2C】呼吸停止または呼気中に起こるような閉位置にある吸気弁を示す、図1Aおよび1Bのシュノーケルの吸気キャップの横断面図である。
【図3A】図1Aおよび1Bのシュノーケルの主管、ならびにその関連構造の横断面図である。
【図3B】呼気管が主管内を走り、主管の呼気管上部マウントに取り付けた状態の、図3Aの横断面図である。
【図3C】図1Aおよび1Bのシュノーケルの主管の下端部の楕円断面図である。
【図3D】図1Aおよび1Bのシュノーケルの主管、ならびにその関連構造の横断面図である。
【図4A】図4Aは、図1Aおよび1Bのシュノーケルのリブ付可撓性連結管の側面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aに示す連結管の断面図である。
【図5A】マウスピース、展開呼気弁/パージ弁アセンブリ、および図1Aおよび1Bのシュノーケルのパージキャップとの接合の展開側面図である。
【図5B】呼気弁/パージ弁アセンブリの展開斜視図である。
【図5C】呼気弁/パージ弁アセンブリの展開横断面図である。
【図5D】この呼気弁/パージ弁アセンブリの上面図である。
【図5E】呼気弁/パージ弁アセンブリの崩壊横断面図である。
【図6A】閉位置での呼気弁との接合の横断面図である。
【図6B】通常の呼気中に起こるような、開位置での呼気弁との接合の横断面図である。
【図6C】パージレベルの呼気中に起こるような、開いた急速パージポートとの接合の断面図である。
【図7A】圧縮可能なアコーディオン式壁面を示す、代替呼気弁/パージ弁装置の断面図である。この壁面は、壁面がパージ動作と同様に完全に膨張されていない限り、閉じている下側および外側のアコーディオン壁面内にスリットを有する。
【図7B】パージ弁が閉位置にある状態の、開位置での呼気弁を示す、図7Aと同様の断面図である。
【図7C】開いた呼気弁およびパージ弁の両方を示す、図7Aと同様の断面図である。
【図8】垂直に延びるドーム、および外部に位置決めされた呼気管を示す、代替呼気弁/パージ弁装置の別の断面図である。
【図9】スキューバ調整装置の呼気穴または同等物に取り付けられた、連結管に取り付けられるようになっている場合に、呼気弁を格納する接合の横断面図である。
【図10A】閉位置での代替呼気弁構成の断面図である。
【図10B】開位置での図10Aの呼気弁構成の断面図である。
【図11A】図10Aの呼気弁構成で使用することができる可撓性膜の側面図である。
【図11B】図11Aの可撓性膜の上面斜視図である。
【図11C】図10Aの呼気弁構成で使用することができるディスク形の剛性片の側断面図である。
【図11D】図11Cのディスク形の剛性片の底面図である。
【図12A】弁が閉位置にある、別の代替呼気弁構成の断面図である。
【図12B】弁が一部開位置にある、図12Aの呼気弁構成の断面図である。
【図12C】弁が完全開位置にある、図12Aの呼気弁の断面図である。
【図13A】図12A〜12Cの呼気弁構成で使用することができる可撓性膜の側面図である。
【図13B】図13Aの可撓性膜の上面斜視図である。
【図13C】図12A〜12Cの呼気弁構成で使用することができる、ディスク形の剛性片の側断面図である。
【図13D】図13Cのディスク形の剛性片の底面図である。
【図14】例示的な張力ノブの断面図である。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2006年5月18日出願の「水中呼吸装置で使用される呼気弁」という名称の米国実用特許出願(番号不明)の特典を請求する。本出願はまた、2005年5月21日出願の「スキューバ機器と組み合わされた弁、バッフル、短いシュノーケル、ステルスシュノーケル、シュノーケル機器」という名称の米国仮特許出願第60/683,477号の特典および利益を請求する。本出願はまた、2005年10月19日出願の「シュノーケル弁」という名称の米国仮特許出願第60/728,193号の特典および利益を請求する。これらの出願はそれぞれ、全体を本明細書に明らかに援用する。
【0002】
本発明は概して、水中呼吸装置に関し、より詳細には、使用者の気道内に末端呼気正圧を生じさせるように構成された水中呼吸装置で使用する呼気弁に関する。
【背景技術】
【0003】
水中呼吸装置により、使用者の口および/または鼻が水中に沈められた後でさえも使用者が呼吸し続けることが可能になる。スキューバおよびスヌーバ呼吸装置などのいくつかの水中呼吸装置は、潜水した使用者に圧縮空気容器からの空気を提供するように構成されている。従来のシュノーケルなどの他の水中呼吸装置は、使用者に大気からの空気を提供するように構成されている。
【0004】
従来のシュノーケルは普通、これを通して空気を大気から吸入することができる呼吸導管を備えている。呼吸導管は普通、2つの端部で構成されている。シュノーケルの一端部は、水面上に留まることを意図している。シュノーケルのもう一端部は、水面下に沈まされることを意図している。沈まされることを意図している呼吸導管の端部は、一般にマウスピースを含む。実際、使用者は自分の口内にマウスピースの一部を挿入し、それによって使用者の気道と呼吸導管の間にシールを作り出す。使用者はその後、呼吸導管のもう一端部を水面上に維持しながら自分の口およびマウスピースを水中に沈め、それによって使用者は潜水しながら大気を吸入することが可能になる。同時に、呼吸導管は使用者が、使用者の口とマウスピースの間のシールを破断することなく使用者の口を通して吸入することを可能にする。普通、使用者によって吸入される空気は、使用者がこれを通して大気を吸入する同じ呼吸導管を通してシュノーケルから出る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のシュノーケルを使用している間に使用者が直面する可能性がある1つの問題は、使用者が潜水する周囲水の圧縮力による大きな疲労である。通常の吸入および呼気中、使用者は肺を膨張かつ収縮させる労力を費やす。しかし、使用者が潜水する場合、使用者の肺の周りの周囲水の圧縮力は、使用者に自分の肺を膨張させるために普通より大きな労力を費やさせ、使用者に自分の肺を収縮させるために普通より少ない労力を費やさせる傾向がある。この少ない労力の呼気は、それぞれの大きな労力の吸気の間に時間が少なくなるように使用者に通常より早く息を吐き出させ、より頻繁な吸入につながる。より頻繁な吸入は、使用者を通常の吸入および呼気中より早く疲労させ、より小さな機能肺能力による呼吸困難、および肺が完全に拡張しない障害である肺拡張不全の可能性につながることがある。
【0006】
従来のシュノーケルを使用している間に使用者が直面する可能性がある別の問題は、シュノーケルの呼吸導管に水が存在することによる呼吸困難である。水は時に、呼吸導管の一方または両方の端部を通して従来のシュノーケルに入る可能性がある。この水は、水が呼吸導管内の空気水の通過に干渉する、かつ/または水が使用者によって吸引される状態まで堆積する場合に呼吸困難を生じさせる可能性がある。加えて、シュノーケルの呼吸導管内の水の存在は、吸気および/または呼気中に空気が水を通過するときに、注意をそらさせる水がゴボゴボ流れる騒音または泡立つ騒音を生じさせる可能性がある。
【0007】
したがって、上記問題の一部または全てをなくすまたは少なくする水中呼吸装置に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様は、水中呼吸装置で使用することができる呼気弁である。呼気弁は潜在的に、水中での呼吸の全体の動作を少なくするために、水中呼吸装置の使用者の気道内に末端呼気正圧を生じさせるように構成されている。呼気弁は、少なくとも1つのチャンバポートおよび呼気ポートを画定するプレートを備えることができる。少なくとも1つのチャンバポートは、呼気ポートに対向させて位置決めすることができる。呼気弁はまた、プレートの表面に対して密封可能であり、呼気ポートを密封することが可能であるような寸法をしており、またそのように位置決めされた可撓性膜を備えることができる。可撓性膜は、可撓性膜が呼気ポートを密封する密封位置を有するように構成することができ、それによって少なくとも1つのチャンバポートと呼気ポートの間を実質的に空気が流れることができない。可撓性膜はまた、可撓性膜が呼気ポートを密封しない非密封位置を有するように構成することができ、それによって空気は少なくとも1つのチャンバポートと呼気ポートの間を流れることができる。
【0009】
別の態様は、相当に剛性があり、ほぼディスク形状をしているプレートを備えることができる呼気弁である。加えて、呼気弁のプレートの呼気ポートは楕円形状または涙形状のいずれかであってもよい。さらに、呼気弁の可撓性膜は、可撓性膜がヒンジ付領域に沿って屈曲する場合に、一方の側部を開いて、もう一方の側部を密封したままにするように、呼気ポートを2つの側部に分割するように位置決めされたヒンジ付領域を備えることができる。さらに、呼気弁のプレートおよび/または可撓性膜は、プレートと可撓性膜の間に位置決めされ、その上に形成された結節を有することができる。
【0010】
さらに別の態様は、水中呼吸装置の使用者の気道内に末端呼気正圧を生じさせるように構成することができる水中呼吸装置である。水中呼吸装置の使用者の気道内における末端呼気正圧の生成は、水中呼吸の全体の動作を少なくすることができる。水中呼吸装置は、チャンバおよび弁を備えることができる。チャンバは、第1および第2の開口を備えることができる。チャンバは、空気が第1の開口を通してチャンバ内に空気を第1の開口を通して同時に逃がさない方法で呼気されている場合に、空気がこれを通して水中呼吸装置から出ることができるチャンバからの絞られていない通路がないように構成することができ、その結果、呼気された空気がチャンバ内に呼気圧力を作り出す。弁は、チャンバと第2の開口の間の空気流を絞ることができる。弁は、プレートおよび可撓性膜を備えることができる。プレートは、少なくとも1つのチャンバポートおよび呼気ポートを画定することができる。少なくとも1つのチャンバポートは、呼気ポートに対向して位置決めすることができる。第2の開口は、少なくとも1つのチャンバポートおよび呼気ポートを備えることができる。可撓性膜は、プレートの表面に対して密封可能であり、呼気ポートを密封することが可能なような寸法をしており、またそのように位置決めすることができる。可撓性膜は、チャンバ内のあらゆる呼気圧力を含む開力が弁を第1の方向に偏倚させ、閉力が弁を第2の方向に偏倚させるように構成することができ、第1の方向は第2の方向とほぼ反対である。可撓性膜は、可撓性膜が呼気ポートを密封する閉位置を有することができ、それによって呼気ポートを通してチャンバから実質的に空気が放出されない。可撓性膜は、開力が閉力より小さいまたはこれと同じである場合に、閉位置に配置することができる。可撓性膜はまた、可撓性膜が呼気ポートを密封しない開位置を有することもでき、それによって呼気ポートを通してチャンバから空気が放出される。可撓性膜は、開力が閉力を超えた場合に、開位置に配置することができる。
【0011】
別の態様は、水中呼吸装置が第1の開口に連結されたマウスピースを備えることができることである。加えて、水中呼吸装置は呼気ポートに連結された呼気導管を備えることができる。さらに、水中呼吸装置は第1の導管および第2の導管を作り出す隔壁によって分割された呼気導管を備えることができる。第2の導管は、水中呼吸装置を使用する場合に、呼気導管に入るあらゆる水が第2の導管内に集まる傾向があるような寸法をしており、そのように位置決めされている。さらに、可撓性膜はさらに、可撓性膜がヒンジ付領域に沿って屈曲する場合に、第1の導管を開いて、第2の導管を密封したままにするように、隔壁と位置合わせされたヒンジ付領域を備えることができる。さらに、可撓性膜のヒンジ付領域で可撓性膜を屈曲させ、それによって第1の導管だけを開くのに必要な開力は、第1および第2の導管両方を開くように可撓性膜を屈曲させるのに必要な開力より小さい。加えて、閉力は水中呼吸装置の少なくとも一部が水中に沈められた場合に周囲水圧力を含むことができる。さらに、開力は可撓性膜を実質的に第1の方向に偏倚させる可撓性膜に取り付けられた弾性ひもの張力によって作り出された力を含むことができる。さらに、弾性ひもの張力、および得られる開力は手動で調節可能である。
【0012】
さらに別の態様は、水中呼吸装置の使用者の気道内に末端呼気正圧を生じさせるように構成される水中呼吸装置である。使用者の気道内の末端呼気正圧は、水中呼吸の全体の動作を少なくすることができる。水中呼吸装置は、チャンバおよび弁を備えることができる。チャンバは、第1および第2の開口を備えることができる。チャンバは、空気が第1の開口を通してチャンバ内に空気を第1の開口を通して同時に逃がさない方法で呼気されている場合に、空気がこれを通して水中呼吸装置から出ることができるチャンバからの絞られていない通路がないように構成されており、その結果、呼気された空気がチャンバ内に呼気圧力を作り出すことが好ましい。弁は、チャンバと第2の開口の間の空気流を絞るように働くことができる。弁は、チャンバ内のあらゆる呼気圧力が弁を第1の方向に偏倚させ、逆圧が弁を第2の方向に偏倚させるように構成することができる。第1の方向は、第2の方向と実質的に反対であってもよい。弁は、チャンバから第2の開口を通して実質的に空気が放出されない閉位置を有することができる。弁は、チャンバ内のあらゆる呼気圧力が逆圧より小さいまたはこれと同じである場合に閉位置に配置することができる。弁はまた、少なくとも一部の空気がチャンバから第2の開口を通して放出される開位置を有することができる。弁は、チャンバ内のあらゆる呼気圧力が逆圧を超えた場合に開位置に配置することができる。
【0013】
さらに別の態様は、第1の開口に連結されたマウスピースを備えた水中呼吸装置である。加えて、水中呼吸装置は第2の開口に連結された呼気導管を備えることができる。また、逆圧は水中呼吸装置の少なくとも一部が水に沈められた場合に周囲水圧力を含むことができる。さらに、逆圧はまた、1つまたは複数のばねを備えることができる。さらに、水中呼吸装置は第3の開口を備えたチャンバを備えることもでき、ここで弁はさらにチャンバと第3の開口の間の空気流を絞る。弁はさらに、少なくとも一部の空気がチャンバから第2の開口および第3の開口を通して放出されるパージ位置を含むことができる。弁は、チャンバ内のあらゆる呼気圧力が逆圧よりはっきりと大きい場合に、パージ位置に配置することができる。
【0014】
本発明のこれらおよび他の態様、特性および利点は、好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより十分明らかになるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
添付の図面は、本発明の上記および他の態様、利点および特性をさらに明らかにするための好ましい実施形態の図を含んでいる。これらの図は、本発明の好ましい実施形態だけを示しており、その範囲を制限することを意図したものではない。本発明を、添付の図面を使用して追加の特異性および詳細とともに記載かつ説明する。
【0016】
本発明は概して、水中呼吸装置で使用する呼気弁を対象としている。呼気弁は、水中呼吸装置の使用者の気道内に末端呼気正圧を生じさせるように構成されている。しかし、本発明の原理は水中呼吸装置に限るものではない。本開示を鑑みて、本明細書で開示する構造は、使用者の気道内に末端呼気正圧を生じさせることを意図したあらゆる装置に関連してうまく使用することができることが分かるだろう。
【0017】
加えて、呼気弁の説明を助けるために、上部、底部、前部、後部、右側、左側および側部などの語句が添付の図面を説明するのに使用されているが、図面は必ずしも同じ尺度で描かれているわけではない。しかし、本発明は、様々な角度、横道およびさらには上下逆を含む、水中呼吸装置または他の装置内の様々な所望の位置に配置することができることが分かるだろう。水中呼吸装置で使用する呼気弁の詳細な説明は以下の通りである。
【0018】
以下で論じ、添付の図面で示すように、呼気弁はスキューバまたはスヌーバ調整装置、あるいはシュノーケルなどの水中呼吸装置に関連して使用することができる。例えば、呼気弁はシュノーケルの吸気弁に関連して機能することができる、または呼気弁は吸気弁と組み合わせることができる。シュノーケルが単一の呼吸導管のみを備えている、または吸気導管および呼気導管の両方を備えているかどうかに関わらず、呼気弁はシュノーケルの呼吸導管の上部または底部に配置することができる。呼気弁は普通、シュノーケルの使用者が呼気して呼気をシュノーケルから出すことを可能にする場合に開くように構成されている。呼気弁はまた普通、吸気中または呼吸の間などの、シュノーケルの使用者が呼気していない場合に閉じるように構成されている。シュノーケルが吸気導管および呼気導管の両方を備えている場合、閉じた呼気弁は呼気導管からの呼気が吸気管に通過し戻されないようにすることができ、それによって適切な呼気管を通して呼気を運ぶことができる。
【0019】
次に図1Aおよび1Bを参照すると、例示的なシュノーケル1が開示されている。普通、シュノーケル1は吸気導管を通した使用者のマウスピースまでの吸気を容易にし、呼気はマウスピースから呼気導管まで到達し、そこから呼気はシュノーケルから出る。シュノーケル1は、吸気弁および呼気弁を備えている。シュノーケル1はまた、その構造の一部を呼気弁と共有するパージ弁を含む。シュノーケル1が使用される場合、大気は吸気弁内に一方向に、そして吸気導管を通してマウスピースまで流れ、ここで使用者によって吸気される。使用者によって続いて呼気される空気はその後、呼気弁および呼気導管を通して流れ、ここで呼気はシュノーケルから出る。呼気はまた、パージ弁を通してシュノーケル1から出ることもできる。吸気弁、吸気導管、マウスピース、呼気弁、呼気導管、およびパージ弁の例示的な構造に関する追加の詳細は以下の通りである。
【0020】
シュノーケル1は、吸気キャップ7、主管13、連結管19、マウスピース54、チャンバ23を格納する接合部22、呼気導管48、およびパージリザーバ27を含むいくつかの主な構造要素を備えている。パージキャップ50が、シュノーケル1の下端部にある。呼気が通常、シュノーケル1から出る呼気導管出口ポート16が、主管13の上端部の近くにある。
【0021】
より詳細には、図1Bは吸気キャップ7、吸気弁隔膜部材10、主管13、連結管19、および結合部22を開示している。組み合わせた密封アセンブリ6は、組み合わせた密封部材30と、剛性支持ディスク36と、呼気管下側マウント44の密封リング47に対して作用する組み合わせた密封アセンブリ6の機能構成部品である、呼気弁の動的構成部品を柔軟に取り付けるように働く回旋状膜40とを備えている。呼気管48は、図示するようにこの構造の上側面に取り付けられている。呼気管48はその後、主管13と中空の呼気管取付プラグ49の間に挟むことによってその上端部に取り付けられるまで、シュノーケル1の中心チャンバを上に走る。呼気管下側マウント44は、逆さまの図では、外側縁部まで延びているスポークに似ている支持構造46によって結合部22に連結されている。したがって、この支持構造46はこれにわたる、例えば上部から底部までの流体/空気移動を妨げない。パージキャップ50は結合部22の上にねじ込まれ、それによって組み合わせた密封アセンブリ6を固定し、そこでその回旋状膜40がこれらの2つの構造の間に取り付けられる。結合部22はチャンバ23を格納し、そこで呼気圧力が吸気弁および呼気弁の組み合わせによって維持されることが重要である。結合部22内のチャンバ23の最下部はパージリザーバ27と呼ばれる。というのは、飛沫/洪水の水が最初にたまるところであるからである。
【0022】
図2Aは、共に吸気弁を形成する、吸気キャップ7と、いくつかの貫通路8と、吸気弁隔膜部材10とを示している。吸気弁隔膜部材10は、その直径にわたって任意の部分厚さ溝12を有し、図2Bおよび2Cに示す吸気弁アンカ9によってその中心孔11に中心に固定されている。
【0023】
図2Bは、吸気中に起こるような開位置にある弁を示す、吸気キャップ7、および吸気弁隔膜部材10の変形形状の横断面図を示している。全ての吸気は、吸気キャップ7の貫通路8を通って通過して、シュノーケル1に入る。したがって、吸気キャップは吸気導管の第1の部材と考えることができる。吸気弁隔膜部材10は非常に可撓性があり、吸気導管中の気道抵抗への貢献を最小限に抑えるように簡単に変形する。その直径にわたる任意の部分厚さ溝12により、この弁をより効率的なバタフライ式弁として機能させることが可能になる。加えて、吸気キャップ7は、貫通路8が急速吸気流量でさえも気道抵抗への貢献を同様に最小限に抑えるように領域内で組み合わせるような寸法をしている。吸気キャップ7の内部ねじ山55が示されており、図3Aに記載するように主管13上の対応するねじ山と噛み合う。
【0024】
図2Cは図2Bと同様であるが、吸気していない間に起こるようなその平坦な形状の吸気弁隔膜部材10を示している。吸気弁隔膜部材10は自然に、しかし徐々に、弁が強制的に閉じられるまで平らにならない場合に経験するであろう閉音を最小限に抑えるために、弁にわたって圧力勾配が存在しない場合にこの平坦な形状を示す。その後、呼気が起こると、シュノーケル1の底部で呼気弁(図6A、6Bおよび6Cに記載する)に作用する圧力がシュノーケル1内に伝播して、この吸気弁に対して閉圧力を提供するので、弁はしっかり閉じたままである。シュノーケル1が全体的に通常使用位置に配向されており(すなわち、吸気弁が呼気弁より高い状態である)、使用者が積極的に吸気していない限り、この圧力は水が吸気キャップ7を介してシュノーケル1内に入るのを防ぐのに適当である。
【0025】
図3Aは、主管13およびその関連構造の横断面図を示している。吸気キャップ7は、それぞれの構成部品上の噛み合ったセットの内部ねじ山55および外部ねじ山56で主管13の上端部に取り付けられている。吸気弁の示される構造は、図2Bおよび図2Cに対して上に説明した通りである。主管の中心経路14は、吸気弁から吸気を直接受け、それによって吸気導管の第2の機能部材となり、吸気導管は吸気がこれを通して連続的に通過する管および他の中空構造のネットワークとなるように規定されている。呼気管上部マウント15は主管13と一体であり、呼気管48の上端部がこれに対して中空呼気管取付プラグ49によって挟まれる円形外壁を提供する。この設計は効果的に、シュノーケル1の呼気導管48と吸気導管の間の潜在的な空気漏洩をなくし、そうでなければ呼気導管48が吸気導管のこの壁を通過する場合に問題となる可能性がある。呼気導管出口ポート16は、呼気導管48がこれを通してシュノーケル1から出る吸気導管内の開口である。主管13は浸っている間の流体力学的抗力を小さくするようにその下端部に楕円形断面17を有し、吸気キャップ7をねじ取り付けすることを可能にするように、その上端部で円形断面18に移行する。主管13の下端部は、連結管58内の溝と噛み合う主管57上のリブで可撓性連結管19に取り付けられる。
【0026】
図3Bは、主管13の上端部の円形断面18を示し、図3Cは主管13の下端部の楕円形断面17を示している。図3Dは、主管13を通って走る場合の呼気管48も示していることを除いて、図3Aと同一である。
【0027】
図4Aは、リブ付可撓性連結管19の側面図である。外側リブ21は管に径方向支持を提供するが、依然として管が可撓性を有し、屈曲することを可能にする。この屈曲は、シュノーケル1が着用されている間に、特に他の駆動ギヤも同時に使用されている場合に改善された快適性を与える。
【0028】
図4Bは、図4Aでも記載されたリブ付可撓性連結管19の横断面図である。ここでは、吸気導管の第3の機能部材である、この管の中心経路20が示されている。さらに本明細書では、主管13上の対応するリブ57と噛み合う連結管19の上側溝58(図3Aに示す)と、結合部22上のリブ60と噛み合う連結管19の下側溝60(図5Aに示す)とが示されている。
【0029】
図5Aは、結合部22およびその関連構造の展開側面図である。より詳細には、その取付リブ60を備えた連結管マウント24、その取付リブ61を備えたマウスピースマウント25、およびその外部ねじ山64を備えたパージキャップマウント29を含む3つのマウントは、結合部22と一体である。
【0030】
結合部22は、連結管19の中心経路20から吸気を受ける小容量チャンバ23を格納し(図4Bに示す)、それによって吸気導管の第4の機能部材となる。他の実施形態では、チャンバは吸気導管の機能部材ではない可能性がある。このチャンバ23は、マウスピース54から呼気を受ける。このチャンバ23は呼気中に加圧され、使用者の気道に逆圧を機能的に与える。チャンバ23の下側領域はより詳細には、あらゆる捕捉された水がここで最初にたまるので、パージリザーバ27と呼ばれる。
【0031】
結合部22はまた、機能呼気弁およびパージ弁を格納する。好ましい実施形態では、これらの2つの弁は、全体で、組み合わせた密封アセンブリ6と単に呼ばれる、3つの構造要素を共有している。このアセンブリの構造は、図6Aから6Cの好ましい実施形態に対して示されており、呼気弁およびパージ弁の代替実施形態の例が図7および8に別に示されている。
【0032】
呼気管下側マウント44は、そのスポークおよび縁部状支持構造46を介して、呼気管下側マウント44用の結合部のスナップマウントで結合部22に静的に取り付けられている(図6A、6Bおよび6Cに示す)。呼気管下側マウント44は加えて、呼気弁に密封リング47を提供する。このため、この呼気管下側マウント44が呼気をチャンバ23から呼気管48(呼気導管48とも呼ばれる)まで案内する。呼気弁は、組み合わせた密封アセンブリ6および密封リング47の要素からなっており、これらは図6A、6Bおよび6Cでより詳細に説明する。
【0033】
図5Aはまた、対応するマウントで結合部22上にねじ込まれるパージキャップ50を示している。パージキャップ50はまた図では、水圧が呼気弁に作用することを可能にするパージキャップ穿孔52を備えており、パージ弁にわたってパージされる水用の出口を提供する。図5Bは、組み合わせた密封アセンブリ6の展開斜視図である。このアセンブリは、シリコンゴムの組み合わせた密封部材30と、剛性支持ディスク36と、可撓性回旋状膜40とを備えている。
【0034】
一体構造である組み合わせた密封部材30は、呼気弁密封部材31およびパージ弁密封部材32を提供する。好ましい実施形態では、呼気弁密封部材31は、ちょうど最小に開かれている場合に呼気弁にわたって呼気が逃げるので、出口流を非常に徐々に開き、振動を小さくするためにドーム形状をしている。同様に減衰につながる可能性がある他の形状としては、涙形状または円錐形が挙げられる。隣接したパージ弁密封部材32は明らかに、パージ弁密封部材32の裏側から様々な長さで径方向に突出する減衰リブ33を有し、そうでなければパージ中に起こるであろう騒音を少なくするまたはなくすように働く。組み合わせた密封部材30はまた、剛性支持ディスク36へのしっかりした取付けを行う、その中間部周りに取付溝34を有する。中空領域35は、組み合わせた密封部材30を組み立てる目的で圧縮することを可能にし、将来変更を望む場合に、呼気気道圧力65をさらに精製することができる任意のばね68(図6A)用のリセスマウントを提供する。
【0035】
剛性支持ディスク36はいくつかの機能を提供する:呼気弁密封部材31が密封リング47との安定シールを形成することを可能にする組み合わせた密封部材30を支持し(図6A、6Bおよび6Cに示す)、シュノーケル1内で所望の呼気気道圧力65(図6A、6Bおよび6Cに示す)を均衡させるように周囲水圧力66(図6A、6Bおよび6Cに示す)がこれに対して作用する広い表面を提供し、同ディスクの密封表面との近接性を維持するようにパージ弁密封部材32を支持し、パージ弁密封部材32をこれに対して密封することができる円滑な剛性表面を提供する。剛性支持ディスク36内の急速パージ経路39は、気道圧力65が、シュノーケル1内で維持されるより高い呼気気道圧力65を完全に利用して、急速パージ経路39が非常に急速なパージのために開くのに十分な閾値に到達する動的パージ動作中を除いて、パージ弁密封部材32によって閉じられている。剛性支持ディスク36内の中心孔37は、前記部材の取付溝34で組み合わされた密封部材30を支持する。剛性支持ディスク36の外側溝38は、可撓性回旋状膜40の中心アンカ41への取付けを行う。
【0036】
回旋状膜40は、剛性支持ディスク36および組み合わせた密封部材30の軸方向移動を可能にする横断面回旋を有する可撓性環状構造体である。これにより機能的に、呼気弁密封部材31は、密封リング47(図6A、6Bおよび6Cに示す)に対してそのシールを適当に開閉することが可能になり、それによって使用者の浸漬および潜水呼気速度を調整するのに周囲水圧力66を利用する。回旋状膜40は、剛性支持ディスク36にしっかり取り付けるための中心アンカ41と、(図6Aに別に記載した結合部22の)回旋状膜結合溝28、および(図6Aに別に記載したパージキャップ50の)対応する回旋状膜パージキャップ溝51によって画定される空間内にしっかり取り付けるための周面アンカ42を有する。結合部22上のパージキャップ50のねじ取付けは僅かに、この周面アンカ42を圧縮し、これは有利には水がシュノーケル1に入るのを防ぐようにシールを作り出し、パージキャップマウント29のねじ山を係止するのを助ける。
【0037】
図5Cは、図5Bに示す部品の横断面図である。図5Dは、図5Bの部品からなっている、組み合わせた密封アセンブリ6の上面図である。図5Eは、図5Cの部品からなっている、組み合わせた密封アセンブリ6の横断面図である。
【0038】
図6Aは、呼気弁が閉位置にある結合部22の横断面図である。この図で特定されたいくつかのアイテムは、図5Aおよび図5Bに詳細に記載されている。注目すべきは、上から組み合わせた密封アセンブリ6に作用する使用者の気道圧力65は、周囲水圧力66が下から生じさせる内側圧縮力を凌ぐには不十分であることである。したがって、呼気弁密封部材31は密封リング47に対してしっかりした閉塞を行い、呼気流が防止される。回旋状膜40は、軸方向移動の上端部にある剛性支持ディスク36と適合可能である横断面形状を呈する。また、得られる呼気に対する逆圧をさらに精製するのに使用することができる、任意の機械ばね68が示されている。
【0039】
図6Bは、呼気弁が開位置にある結合部22の横断面図である。この図は、図5Dが使用者の気道圧力65が周囲水圧力66を超え、それによって正味の下向き力が組み合わせた密封アセンブリ6に加わって、呼気弁密封部材31を密封リング47に対するその密封位置から取り除く通常の呼気状態を示していることを除いて、図5Cと極めて類似している。流れ矢印67は、チャンバ23を通り、呼気弁にわたり、呼気管48内への空気流の方向を示しており、呼気管48からシュノーケル1から出るように運ばれる。回旋状膜40は、軸方向移動の下端部の近くにある剛性支持ディスク36と適合可能な横断面形状を呈する。
【0040】
図6Cは、パージ弁が開位置にある結合部22の横断面図である。呼気弁も開位置にあることに留意すること。というのは、パージに必要な気道圧力65は通常の呼気に対して余分だからである。図6Aおよび6Bに関して、この図に示した多くのアイテムの説明は、図5Aおよび図5Bにおけるそれらの説明に任される。パージ弁密封部材32は剛性支持ディスク36から離れており、それによってシュノーケル1の内容物を急速パージ経路39を通して除去することが可能になることに留意すること。パージ弁密封部材32は、パージ弁密封部材32を剛性支持ディスク36から変位させるために、気道圧力65が周囲水圧力66よりかなり大きくなくてはならないような形状に成形されたクロージャに対する偏倚を有する。回旋状膜40は、移動の最下端部にある剛性支持ディスク36と適合可能である横断面形状を呈する。
【0041】
図7Aは、組み合わせた密封アセンブリ6の3つの部品を1つの単一成形可撓性ゴム部、可撓性密封部材69と交換した、シュノーケル1の代替実施形態の断面図である。そうする際、結合部75、パージキャップ76、および呼気管下側マウント77は全て、この代替形態に対して変更される。この可撓性密封部材69は、この部材を結合部75およびパージキャップ76に好ましい実施形態に対して前に説明した周面アンカ42と同様の方法で固定するその周面に沿った密封部材アンカ70を有する。可撓性密封部材69はまた、好ましい実施形態に対して前に説明した呼気弁密封部材31の機能性を提供する密封ドーム73構成部品を有する。好ましい実施形態の剛性支持ディスク36は取り除いた。任意の剛性リング74は、追加の機械的支持のためにアコーディオン壁面71のより深い折り目内に配置することができる。パージ動作は、気道圧力65がアコーディオン壁面71を完全に膨張させ、それによってこれらのパージスリット72をダックビル弁(duck bill valve)と同様の方法で開くのに十分になるまで、壁面の成形形状および周囲水の圧縮力により閉じたままであるアコーディオン壁面71の外側折り目内の一連の小さなパージスリット72によって簡単にされる。
【0042】
図7Bは、図6Bの好ましい実施形態の状態と同様に、通常の呼気の状態の図7Aの代替実施形態であり、気道圧力65は呼気に十分であるが、急速パージ動作には不十分である。密封ドーム73は、呼気管密封リング47から離されて、流れ矢印75で示すように呼気をシュノーケル1から出すことを可能にする。
【0043】
図7Cは、図6Cの好ましい実施形態の状態と同様に、パージ動作の状態の図7Aの代替実施形態であり、気道圧力65がパージのための閾値圧力を超える。パージスリット72はここでは、下側および外側シリコンゴム(あるいは、可撓性)アコーディオン壁面71内にあることが明らかである。これらのパージスリット72は、優れたパージ能力を提供するのに十分な圧力で開くが、そうでなければ普通は、通常の呼気動作に対しては閉じたままである。
【0044】
図8は、逆圧用のチャンバ80を同様に含むが、シュノーケル1の底部近くに呼気出口ポート83と、外部呼気管マウント84と、外部呼気管とを有する結合部78のかなり変更した設計を特徴とする、シュノーケル1の別の実施形態を示している。当方の所望の末端呼気正圧に逆圧を与える移動要素は、同軸方向に移動し、密封カップ剛性支持体によって横方向に支持される密封カップ81である。チャンバ内の気道圧力65の力が周囲水圧力66の力を凌ぐ場合、密封カップ81はOリングシール82から離れて、空気が密封カップ81の周面上の空間内に逃げることを可能にし、その後、空気は外部呼気管マウント85を介して外部呼気管86に放出される。摺動シール87は、シュノーケル内の乾燥を維持するのを助ける。
【0045】
図9は、非折畳可能気管を介して、普通のスキューバ調整装置上の呼気通気孔に取り付けられるように変更された、呼気弁の囲み構造の横断面図である。本発明は実際、スキューバダイバーの呼気速度を調整するように機能するので、スキューバダイビングの目的で「呼気調整装置」となる。この装置は、使用者の快適性に応じて、口または胸部レベルで着用することができる。結合部88は、スキューバまたはスヌーバの目的に適応させることができるように、本代替実施形態に対して好ましい実施形態(図5Aから5Dおよび図6Aから6Cに記載する)から短くなっている。さらに、好ましいシュノーケル1の実施形態のマウスピースマウント25は、スキューバには必要ないので、取り除かれた。別個のスキューバ調整装置からの呼気通気孔は、連結管94を介して、リブ90付連結管マウント89に取り付けられている。呼気管92は明らかに短くされ、呼気導管出口ポート95は結合部88まで移動された。チャンバ93は、本明細書で説明するように、優れた呼気圧力を達成するように逆圧チャンバとして働き続けることが重要である。図9はまた、図6Bに記載するように、またスキューバ調整装置またはスヌーバ機器上の呼気通気孔に取り付けられるようになっているような、呼気弁および関連構造の横断面図を含んでいる。図9の呼気管48は明らかに短くなり、結合部22の側壁を通して結合部22から出る。
【0046】
図10Aおよび10Bに開示するように、シュノーケル100は代替呼気弁構成を備えている。シュノーケル100は、吸気弁、主管、連結管、およびマウスピースを含む、図1Aおよび1Bのシュノーケル1と同様の構成部品の多くを含んでいるように構成されている。これらの構成部品は図10Aおよび10Bに示さないが、シュノーケル100は図1Aおよび1Bに開示するように、これらの構成部品が定位置にある状態で機能するように構成されていると理解される。シュノーケル100は吸気導管102を備えている。吸気導管102の外側は、図1Aおよび1Bに示すように、連結管および主管を取り付けることができるリブ104を備えている。空気は、本明細書の別の箇所で開示したように、空気を吸気導管102からではなく吸気導管102内に流すことを可能にする一方向弁である吸気弁を通して吸気管内に入る。空気が一方向弁を通して吸気導管102内に入った後に、空気はチャンバ106に入り、その後、第1の開口108を通して使用者が吸気することができる。マウスピースは、使用者による空気の吸気および呼気を簡単にするように、リブ110を使用して第1の開口108に連結することができる。空気が第1の開口108を通して吸気された後、使用者はその後、第1の開口108を通して空気を呼気してチャンバ106内へ戻すことができる。これを通して空気が吸気導管102に入った吸気弁は一方向弁であるので、チャンバ内に呼気される空気は吸気導管102を通してシュノーケル100から出ることができない。代わりに、呼気はチャンバ106内にたまり、チャンバ106内に呼気圧力を作り出す。
【0047】
例示的なシュノーケル100はまた、弁プレート120および可撓性膜120を備えており、これらは共に呼気弁を形成する。弁プレート120は呼気ポート132を備えている。弁プレート120はまた、図11Dに示すように、2つのチャンバポート134を備えている。可撓性膜130は弁プレート120の縁部に取り付けられており、可撓性膜130が図10Aに開示するように閉位置にある場合に呼気ポート132を密封するように働く。
【0048】
チャンバポート134は呼気ポート132に対向して位置決めされている。この文脈において、かつ特許請求の範囲では、「呼気ポートに対向して位置決めされた少なくとも1つのチャンバポート」という表現は、弁プレート120の実質的に一方側に位置決めされた呼気ポート、および弁プレート120の実質的にもう一方側に位置決めされた少なくとも1つのチャンバポートとして定義されている。この定義を続けて、この定義はチャンバポートが呼気ポートを部分的に囲むように呼気ポートとのチャンバポートのいくつかの重なりがある図11Dおよび13Dに示すような状況を含んでいるが、この定義は図5Bおよび5Dの剛性支持ディスク36で示すような、チャンバポートが呼気ポートを囲んでいるまたは実質的にその周りにある状況を含んでいない。この定義により、可撓性膜130が、チャンバポートの直ぐ下に位置決めされた可撓性膜130の側面で始まる弁プレート120から離れるように次第に剥がれることが可能なる。
【0049】
また、呼気導管128の一部を形成する呼気導管下側マウント122が、図10Aおよび10Bに開示されている。呼気管124は、リブ126で呼気導管下側マウント122に取り付けられている。
【0050】
シュノーケル100が水中に沈められると、シュノーケル100を囲んでいる水の周囲水圧力は、可撓性膜130を弁プレート120に対して押し、それによって呼気ポート132を密封する。使用者がチャンバ106内に呼気する場合、チャンバ106内部にたまる呼気圧力は、弁プレート120のチャンバポート134を通して可撓性膜130に作用する開力140を作り出す。この開力140は、可撓性膜130を第1の方向に偏倚させる。同時に、沈められたシュノーケル100を囲む水の周囲水圧力は、可撓性膜130を第2の位置に偏倚させる閉力150として働く。開力140の第1の方向は、閉力150の第2の方向とほぼ反対である。
【0051】
図10Aに開示するように、閉力150が開力140より大きいまたはこれと同じである場合、可撓性膜130は呼気ポート132を密封し、それによって呼気ポート132を通してチャンバ106から実質的に空気が放出されない。しかし、図10Bに開示するように、開力140が閉力150を超える場合、可撓性膜130は呼気ポート132を密封せず、呼気142はチャンバ106から呼気導管128内に放出される。呼気142が呼気導管128に到達すると、呼気142はシュノーケル100から放出される。
【0052】
図11Aおよび11Bで開示するように、可撓性膜130は任意選択では、可撓性膜130内に一体的に形成され、弁プレート120に対して可撓性膜130を閉じるのに伴なう可能性がある騒音を少なくするように、弁プレート134に対して閉じる可撓性膜130の衝撃を減衰するように働く突起138を備えることができる。図11Cおよび11Dに開示するように、弁プレート120はまた任意選択では、弁プレート120内に一体的に形成され、突起138と実質的に同じ機能を有する突起136を備えることができる。弁プレート120の呼気ポート132はまた任意選択では、呼気ポート132の密封していない部分の寸法を最初極めて小さくし、可撓性膜130が弁プレート120から剥がれるにしたがって次第に大きく成長することができるように、涙形状に形成することができる。図11Dは、弁プレート120内に画定された2つのチャンバポート134を開示しており、3つ以上のチャンバポートと同様に、1つのチャンバポートのみも可能である。
【0053】
図12A〜12Cに開示するように、シュノーケル200は別の代替呼気弁構成を備えている。シュノーケル200は、弁プレート120および可撓性膜130を異なる弁プレート160および異なる可撓性膜180と交換したことを除いて、図10Aおよび10Bのシュノーケル100と同一である。呼気がチャンバ106内に捕捉され、それによってチャンバ106内に呼気圧力を作り出すという事実を含み、シュノーケル100を通したのと同様の方法で空気はシュノーケル200を通して流れる。
【0054】
例示的なシュノーケル200はまた、弁プレート160および可撓性膜180を備えており、これらは共に呼気弁を形成する。弁プレート160は、上側呼気ポート170および下側呼気ポート172に分割される呼気ポートを備えている。弁プレートはまた、図13Dに示すように、3つのチャンバポート166を備えている。可撓性膜180は、弁プレート160の縁部に取り付けられており、図12Aに開示するように、可撓性膜180が閉位置にある場合に上側呼気ポート170および下側呼気ポート170を密封するように働く。また、呼気導管128の一部を形成する呼気導管下側マウント162が、図10Aおよび10Bに開示されている。呼気導管下側マウント162は、下側呼気ポート170に対応する上側導管174、および下側呼気ポート172に対応する下側導管176を作り出す隔壁168によって分割されている。呼気管124は、リブ164で呼気導管下側マウント162に取り付けられている。下側導管176は、シュノーケル200が使用されている場合に、呼気導管128に入るあらゆる水が下側導管176内に集まる傾向があるような寸法をしており、またそのように位置決めされている。同様に、水が呼気導管128の内側表面に沿って濃縮する場合、内側表面の下に走り、下側導管176内に集まる傾向がある。したがって、下側導管176は、呼気導管128に入る水を補足するように働く。
【0055】
シュノーケル200が水中に沈められると、シュノーケル200を囲んでいる水の周囲水圧力は、可撓性膜180を弁プレート120に対して押し、それによって上側呼気ポート170および下側呼気ポート172を密封する。使用者がチャンバ106内に呼気する場合、チャンバ106内部にたまる呼気圧力は、弁プレート160のチャンバポート166を通して可撓性膜180に作用する開力140を作り出す。この開力140は、可撓性膜180を第1の方向に偏倚させる。同時に、沈められたシュノーケル200を囲む水の周囲水圧力は、可撓性膜180を第2の位置に偏倚させる閉力150として働く。開力140の第1の方向は、閉力150の第2の方向とほぼ反対である。
【0056】
図12Aに開示するように、閉力150が開力140より大きいまたはこれと同じである場合、可撓性膜180は呼気ポート132を密封し、それによって呼気ポート132を通してチャンバ106から実質的に空気が放出されない。しかし、図12Bに開示するように、開力140が閉力150を超える場合、可撓性膜180は上側呼気ポート170を密封せず、呼気142はチャンバ106から呼気導管128の上側導管174内に放出される。呼気142が呼気導管128に到達すると、呼気142はシュノーケル200から放出される。
【0057】
可撓性膜180はヒンジ付領域182を備えている。ヒンジ付領域182は、ヒンジ付領域182を可撓性膜180の周辺領域より薄くすることによって、可撓性膜180内に一体的に形成することができる。シュノーケル200内に組み付けられた場合、ヒンジ付領域182は隔壁168と位置合わせされ、それによって図12Bに開示されているように、可撓性膜180がヒンジ付領域182に沿って屈曲すると、上側導管174は開かれる可能性があり、下側導管176は密封されたままである。図12Cに開示されるように、ヒンジ付領域182で可撓性膜180を屈曲させるのに必要な開力140は、上側ポートおよび下側ポートの両方を開くように可撓性膜180を屈曲させるのに必要な開力140より小さい。
【0058】
上側呼気ポート170を開くのに必要なより小さい開力、および下側呼気ポート172を開くのに必要なより大きな開力のこの差により、シュノーケル200の使用者は下側呼気ポート172を開くことなく、上側呼気ポート170を通して通常に呼気することが可能になる。呼気導管128に入るあらゆる水は下側導管176内に集まる傾向があるので、シュノーケル200の呼気弁のこの態様により、使用者はシュノーケルから出る呼気の経路内最小限の液体しかない状態で呼気することが可能になる。呼気弁のこのような態様により、使用者は、開力140を上側呼気ポート170と、下側呼気ポート172の両方を開くのに十分大きくさせるために、通常より強制的に周期的および意図的に呼気することが可能になる。このようなことが起こると、下側導管176内に捕捉されたあらゆる流体は、強制的に呼気された空気によって呼気導管128内を押し上げられ、シュノーケル200から外に出され、それによって呼気導管128から望ましくない流体が取り除かれる。
【0059】
図12A〜12Cと、図13Aおよび13Bの両方で開示されているように、可撓性膜180は任意選択では、可撓性膜180内に一体的に形成され、弁プレート160に対して可撓性膜180を閉じる場合に可撓性膜180の衝撃を減衰するように働く突起184および186を備えることができる。この減衰は、弁プレート160に対して可撓性膜180を閉じるのに伴なう可能性がある騒音を少なくするように働く。より詳細には、突起184は、可撓性膜180が下側呼気ポート172に対して閉じるかつ密封する場合に、突起184が僅かに変形することによって閉動作の衝撃を吸収するように、隔壁168と接触するような寸法および構成をしている。この衝撃吸収は、突起184が存在しない場合よりも小さな騒音につながる。突起186は、上側呼気ポート170の内壁に関して同様の機能を果たす。
【0060】
図13Cおよび13Dに開示するように、上側呼気ポート170および下側呼気ポート172は共に、弁プレート160内に楕円形開口を形成するが、他の形状も可能である。図11Dは、弁プレート160内に画定された3つのチャンバポート166を開示している。チャンバポート166の機能は、単一のチャンバポートによって、または3つ以上のポートによって果たすことができる。
【0061】
図14に開示されているように、調節可能な張力を備えた呼気弁を有するシュノーケル200は、ノブ202と、その周りに弾性ひも206を巻きつけることができるバレル204とを備えている。弾性ひも206は、可撓性膜208に取り付けられている。可撓性膜202の構造および機能は、図10A〜13Dの可撓性膜130および180の構造および機能と同様であってもよい、または本明細書に開示した他の可撓性膜と同様であってもよい。弾性ひも206は、孔210の側部によって可撓性膜208にほぼ垂直に保持されている。
【0062】
ノブ202が一方向に旋回すると、弾性ひも206はバレル204の周りに巻きつき、それによって弾性ひも206の張力を作り出す。弾性ひも206が可撓性膜208に取り付けられているので、弾性ひも206の張力はシュノーケル200内の呼気圧力とほぼ同じ方向に可撓性膜208を偏倚させ、それによって可撓性膜208に作用する開力に寄与する。したがって、弾性ひも206上の張力が増加すると、可撓性膜208を開くのに必要な呼気圧力が減少する。逆に、ノブ202が反対方向に旋回されると、弾性ひも206はバレル204からとれ、それによって弾性ひも206の張力、および可撓性膜208に作用する得られる力140が減少する。したがって、シュノーケル200は、使用者が可撓性膜208の張力を手動で調節することを可能にするノブ200を備えている。
【0063】
本発明を特定の好ましい実施形態に関して説明したが、当業者に自明である他の実施形態も本発明の範囲内にある。したがって、本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ規定されることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1A】例示的な組み立てたシュノーケルの正面図である。
【図1B】図1Aのシュノーケルの展開正面図である。
【図2A】共に吸気弁を形成する、図1Aおよび1Bのシュノーケルの吸気キャップおよび吸気弁隔膜部材の上面斜視図である。
【図2B】吸気中に起こるような開位置にある吸気弁を示す、図1Aおよび1Bのシュノーケルの吸気キャップの横断面図である。
【図2C】呼吸停止または呼気中に起こるような閉位置にある吸気弁を示す、図1Aおよび1Bのシュノーケルの吸気キャップの横断面図である。
【図3A】図1Aおよび1Bのシュノーケルの主管、ならびにその関連構造の横断面図である。
【図3B】呼気管が主管内を走り、主管の呼気管上部マウントに取り付けた状態の、図3Aの横断面図である。
【図3C】図1Aおよび1Bのシュノーケルの主管の下端部の楕円断面図である。
【図3D】図1Aおよび1Bのシュノーケルの主管、ならびにその関連構造の横断面図である。
【図4A】図4Aは、図1Aおよび1Bのシュノーケルのリブ付可撓性連結管の側面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aに示す連結管の断面図である。
【図5A】マウスピース、展開呼気弁/パージ弁アセンブリ、および図1Aおよび1Bのシュノーケルのパージキャップとの接合の展開側面図である。
【図5B】呼気弁/パージ弁アセンブリの展開斜視図である。
【図5C】呼気弁/パージ弁アセンブリの展開横断面図である。
【図5D】この呼気弁/パージ弁アセンブリの上面図である。
【図5E】呼気弁/パージ弁アセンブリの崩壊横断面図である。
【図6A】閉位置での呼気弁との接合の横断面図である。
【図6B】通常の呼気中に起こるような、開位置での呼気弁との接合の横断面図である。
【図6C】パージレベルの呼気中に起こるような、開いた急速パージポートとの接合の断面図である。
【図7A】圧縮可能なアコーディオン式壁面を示す、代替呼気弁/パージ弁装置の断面図である。この壁面は、壁面がパージ動作と同様に完全に膨張されていない限り、閉じている下側および外側のアコーディオン壁面内にスリットを有する。
【図7B】パージ弁が閉位置にある状態の、開位置での呼気弁を示す、図7Aと同様の断面図である。
【図7C】開いた呼気弁およびパージ弁の両方を示す、図7Aと同様の断面図である。
【図8】垂直に延びるドーム、および外部に位置決めされた呼気管を示す、代替呼気弁/パージ弁装置の別の断面図である。
【図9】スキューバ調整装置の呼気穴または同等物に取り付けられた、連結管に取り付けられるようになっている場合に、呼気弁を格納する接合の横断面図である。
【図10A】閉位置での代替呼気弁構成の断面図である。
【図10B】開位置での図10Aの呼気弁構成の断面図である。
【図11A】図10Aの呼気弁構成で使用することができる可撓性膜の側面図である。
【図11B】図11Aの可撓性膜の上面斜視図である。
【図11C】図10Aの呼気弁構成で使用することができるディスク形の剛性片の側断面図である。
【図11D】図11Cのディスク形の剛性片の底面図である。
【図12A】弁が閉位置にある、別の代替呼気弁構成の断面図である。
【図12B】弁が一部開位置にある、図12Aの呼気弁構成の断面図である。
【図12C】弁が完全開位置にある、図12Aの呼気弁の断面図である。
【図13A】図12A〜12Cの呼気弁構成で使用することができる可撓性膜の側面図である。
【図13B】図13Aの可撓性膜の上面斜視図である。
【図13C】図12A〜12Cの呼気弁構成で使用することができる、ディスク形の剛性片の側断面図である。
【図13D】図13Cのディスク形の剛性片の底面図である。
【図14】例示的な張力ノブの断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中呼吸装置で使用される呼気弁であって、水中での呼吸の全体の動作を少なくするために、前記水中呼吸装置の使用者の気道内に末端呼気正圧を生じさせるように構成された呼気弁において、
少なくとも1つのチャンバポートおよび呼気ポートを画定するプレートであって、前記少なくとも1つのチャンバポートは前記呼気ポートに対向させて位置決めされているプレートと、
前記プレートの表面に対して密封可能であり、前記呼気ポートを密封することが可能であるような寸法をしており、またそのように位置決めされる可撓性膜とを備え、
前記可撓性膜は、
前記少なくとも1つのチャンバポートと前記呼気ポートの間を実質的に空気が流れることができないように、前記可撓性膜が前記呼気ポートを密封する密封位置と、
空気が前記少なくとも1つのチャンバポートと前記呼気ポートの間を流れることができるように、前記可撓性膜が前記呼気ポートを密封しない非密封位置と、
を備えた、呼気弁。
【請求項2】
前記プレートは、実質的に剛性があり、ほぼディスク形状をしている、請求項1に記載の呼気弁。
【請求項3】
前記呼気ポートは、楕円形状または涙形状の一方である、請求項1に記載の呼気弁。
【請求項4】
前記可撓性膜は、前記可撓性膜がヒンジ付領域に沿って屈曲する場合に、一方の側部を開いて、もう一方の側部を密封したままにするように、前記呼気ポートを2つの側部に分割するように位置決めされたヒンジ付領域をさらに備えている、請求項1に記載の呼気弁。
【請求項5】
前記プレートと前記可撓性膜の間に位置決めされ、前記プレートおよび/または前記可撓性膜上に形成された少なくとも1つの突起をさらに備えている、請求項1に記載の呼気弁。
【請求項6】
水中での呼吸の全体の動作を少なくするために、水中呼吸装置の使用者の気道内に末端呼気正圧を生じさせるように構成された水中呼吸装置であって、
第1および第2の開口を備えると共に、空気が前記第1の開口を通してチャンバ内に空気を前記第1の開口を通して同時に逃がすのを制限する方法で呼気されている場合に、空気がこれを通して水中呼吸装置から出ることができるチャンバからの絞られていない通路がなく、その結果、前記呼気された空気がチャンバ内に呼気圧力を作り出すように構成されたチャンバと、
前記チャンバと前記第2の開口の間の空気流を絞る弁とを備え、
前記空気流を絞る弁は、
前記少なくとも1つのチャンバポートおよび前記呼気ポートを画定するプレートであって、前記少なくとも1つのチャンバポートは前記呼気ポートに対向して位置決めされ、前記少なくとも1つのチャンバポートおよび前記呼気ポートは前記第2の開口を画定するプレートと、
前記プレートの表面に対して密封可能であり、前記呼気ポートを密封することが可能なような寸法をしており、またそのように位置決めされた可撓性膜であって、前記チャンバ内のあらゆる呼気圧力を含む開力が前記弁を第1の方向に偏倚させ、閉力が前記弁を第2の方向に偏倚させるように構成され、前記第1の方向は前記第2の方向とほぼ反対である可撓性膜とを備え、
前記可撓性膜は、
前記呼気ポートを通して前記チャンバから実質的に空気が放出されないように前記可撓性膜が前記呼気ポートを密封する閉位置であって、前記可撓性膜が前記開力が前記閉力より小さいまたはこれと同じである場合に閉位置に配置されている閉位置と、
前記呼気ポートを通して前記チャンバから空気が放出されるように可撓性膜が前記呼気ポートを密封しない開位置であって、可撓性膜が前記開力が前記閉力を超えた場合に開位置に配置されている開位置と、
を備えた、水中呼吸装置。
【請求項7】
前記第1の開口に連結されたマウスピースをさらに備えている、請求項6に記載の水中呼吸装置。
【請求項8】
前記呼気ポートに連結された呼気導管をさらに備えている、請求項6に記載の水中呼吸装置。
【請求項9】
前記呼気導管が第1の導管および第2の導管を作り出す隔壁によって分割され、前記第2の導管は水中呼吸装置を使用する場合に、前記呼気導管に入るあらゆる水が前記第2の導管内に集まる傾向があるような寸法をしており、そのように位置決めされている、請求項8に記載の水中呼吸装置。
【請求項10】
前記可撓性膜はさらに、前記可撓性膜がヒンジ付領域に沿って屈曲する場合に、前記第1の導管を開いて、前記第2の導管を密封したままにするように、前記隔壁と位置合わせされたヒンジ付領域を備えている、請求項9に記載の水中呼吸装置。
【請求項11】
前記可撓性膜の前記ヒンジ付領域で前記可撓性膜を屈曲させ、それによって前記第1の導管だけを開くのに必要な前記開力は、前記第1および第2の導管の両方を開くように前記可撓性膜を屈曲させるのに必要な前記開力より小さい、請求項10に記載の水中呼吸装置。
【請求項12】
前記閉力は水中呼吸装置の少なくとも一部が水中に沈められた場合に周囲水圧力を含んでいる、請求項6に記載の水中呼吸装置。
【請求項13】
前記開力はさらに、前記可撓性膜を実質的に前記第1の方向に偏倚させる前記可撓性膜に取り付けられた弾性ひもの張力によって作り出された力を含んでいる、請求項6に記載の水中呼吸装置。
【請求項14】
前記弾性ひもの前記張力、および得られる開力は手動で調節可能である、請求項13に記載の水中呼吸装置。
【請求項1】
水中呼吸装置で使用される呼気弁であって、水中での呼吸の全体の動作を少なくするために、前記水中呼吸装置の使用者の気道内に末端呼気正圧を生じさせるように構成された呼気弁において、
少なくとも1つのチャンバポートおよび呼気ポートを画定するプレートであって、前記少なくとも1つのチャンバポートは前記呼気ポートに対向させて位置決めされているプレートと、
前記プレートの表面に対して密封可能であり、前記呼気ポートを密封することが可能であるような寸法をしており、またそのように位置決めされる可撓性膜とを備え、
前記可撓性膜は、
前記少なくとも1つのチャンバポートと前記呼気ポートの間を実質的に空気が流れることができないように、前記可撓性膜が前記呼気ポートを密封する密封位置と、
空気が前記少なくとも1つのチャンバポートと前記呼気ポートの間を流れることができるように、前記可撓性膜が前記呼気ポートを密封しない非密封位置と、
を備えた、呼気弁。
【請求項2】
前記プレートは、実質的に剛性があり、ほぼディスク形状をしている、請求項1に記載の呼気弁。
【請求項3】
前記呼気ポートは、楕円形状または涙形状の一方である、請求項1に記載の呼気弁。
【請求項4】
前記可撓性膜は、前記可撓性膜がヒンジ付領域に沿って屈曲する場合に、一方の側部を開いて、もう一方の側部を密封したままにするように、前記呼気ポートを2つの側部に分割するように位置決めされたヒンジ付領域をさらに備えている、請求項1に記載の呼気弁。
【請求項5】
前記プレートと前記可撓性膜の間に位置決めされ、前記プレートおよび/または前記可撓性膜上に形成された少なくとも1つの突起をさらに備えている、請求項1に記載の呼気弁。
【請求項6】
水中での呼吸の全体の動作を少なくするために、水中呼吸装置の使用者の気道内に末端呼気正圧を生じさせるように構成された水中呼吸装置であって、
第1および第2の開口を備えると共に、空気が前記第1の開口を通してチャンバ内に空気を前記第1の開口を通して同時に逃がすのを制限する方法で呼気されている場合に、空気がこれを通して水中呼吸装置から出ることができるチャンバからの絞られていない通路がなく、その結果、前記呼気された空気がチャンバ内に呼気圧力を作り出すように構成されたチャンバと、
前記チャンバと前記第2の開口の間の空気流を絞る弁とを備え、
前記空気流を絞る弁は、
前記少なくとも1つのチャンバポートおよび前記呼気ポートを画定するプレートであって、前記少なくとも1つのチャンバポートは前記呼気ポートに対向して位置決めされ、前記少なくとも1つのチャンバポートおよび前記呼気ポートは前記第2の開口を画定するプレートと、
前記プレートの表面に対して密封可能であり、前記呼気ポートを密封することが可能なような寸法をしており、またそのように位置決めされた可撓性膜であって、前記チャンバ内のあらゆる呼気圧力を含む開力が前記弁を第1の方向に偏倚させ、閉力が前記弁を第2の方向に偏倚させるように構成され、前記第1の方向は前記第2の方向とほぼ反対である可撓性膜とを備え、
前記可撓性膜は、
前記呼気ポートを通して前記チャンバから実質的に空気が放出されないように前記可撓性膜が前記呼気ポートを密封する閉位置であって、前記可撓性膜が前記開力が前記閉力より小さいまたはこれと同じである場合に閉位置に配置されている閉位置と、
前記呼気ポートを通して前記チャンバから空気が放出されるように可撓性膜が前記呼気ポートを密封しない開位置であって、可撓性膜が前記開力が前記閉力を超えた場合に開位置に配置されている開位置と、
を備えた、水中呼吸装置。
【請求項7】
前記第1の開口に連結されたマウスピースをさらに備えている、請求項6に記載の水中呼吸装置。
【請求項8】
前記呼気ポートに連結された呼気導管をさらに備えている、請求項6に記載の水中呼吸装置。
【請求項9】
前記呼気導管が第1の導管および第2の導管を作り出す隔壁によって分割され、前記第2の導管は水中呼吸装置を使用する場合に、前記呼気導管に入るあらゆる水が前記第2の導管内に集まる傾向があるような寸法をしており、そのように位置決めされている、請求項8に記載の水中呼吸装置。
【請求項10】
前記可撓性膜はさらに、前記可撓性膜がヒンジ付領域に沿って屈曲する場合に、前記第1の導管を開いて、前記第2の導管を密封したままにするように、前記隔壁と位置合わせされたヒンジ付領域を備えている、請求項9に記載の水中呼吸装置。
【請求項11】
前記可撓性膜の前記ヒンジ付領域で前記可撓性膜を屈曲させ、それによって前記第1の導管だけを開くのに必要な前記開力は、前記第1および第2の導管の両方を開くように前記可撓性膜を屈曲させるのに必要な前記開力より小さい、請求項10に記載の水中呼吸装置。
【請求項12】
前記閉力は水中呼吸装置の少なくとも一部が水中に沈められた場合に周囲水圧力を含んでいる、請求項6に記載の水中呼吸装置。
【請求項13】
前記開力はさらに、前記可撓性膜を実質的に前記第1の方向に偏倚させる前記可撓性膜に取り付けられた弾性ひもの張力によって作り出された力を含んでいる、請求項6に記載の水中呼吸装置。
【請求項14】
前記弾性ひもの前記張力、および得られる開力は手動で調節可能である、請求項13に記載の水中呼吸装置。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14】
【公表番号】特表2008−540256(P2008−540256A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513573(P2008−513573)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/019659
【国際公開番号】WO2006/127557
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(507385006)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/019659
【国際公開番号】WO2006/127557
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(507385006)
【Fターム(参考)】
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