説明

水処理システム

【課題】水質の悪化した原水や処理水を系外に排出することができる水処理システムを提供すること。
【解決手段】水処理システムは、原水ラインと、濾過処理装置と、処理水ラインと、原水ブローラインと、原水ブローライン開閉弁17と、濾過処理装置用ブローラインと、過処理装置用ブローライン開閉弁22と、処理水ブローラインと、処理水ブローライン開閉弁24と、原水用水質計12と、処理水用水質計18と、原水W1の水質が所定の水質を満たしていない場合に、開閉弁17を開弁し、原水W1の水質が所定の水質を満たしている場合に、開閉弁17を閉弁する第1制御手段31と、処理水W2の水質が所定の水質を満たしていない場合に、開閉弁22及び/又は開閉弁24を開弁し、処理水W2の水質が所定の水質を満たしている場合に、開閉弁22及び開閉弁24を閉弁する第2制御手段32と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原水に含まれる懸濁物質を濾材により捕捉して処理水を製造する濾過処理装置を備えた水処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、地下水等の原水に含まれる懸濁物質(例えば、微粒子、有機物、溶存鉄の酸化析出物等)を濾材により捕捉して処理水を製造する濾過処理装置を備えた水処理システムが提供されている(例えば、特許文献1,2参照)。ところで、このような水処理システムの濾過処理中に、様々な原因により原水の水質や処理水の水質が悪化する場合がある。そのため、従来の水処理システムは、原水や処理水の水質が悪化すると、処理水ラインを遮断し、ユーザへの処理水の供給を中止するように構成されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−191014号公報
【特許文献2】特開2003−190973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、原水や処理水の供給ラインが遮断されても、水質の悪化した原水が原水の供給ライン内に滞留したり、水質の悪化した処理水が濾過塔内や処理水ライン内に滞留したりする。そのため、水処理システムの濾過処理が再開されたときに、水質の悪化した処理水がユーザに供給されてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、水質の悪化した原水や処理水を系外に排出することができる水処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、原水が流通する原水ラインと、前記原水ラインの下流側の端部に設けられ、原水に含まれる懸濁物質を濾材により捕捉して処理水を製造する濾過処理装置と、前記濾過処理装置に接続され、該濾過処理装置によって製造された処理水が流通する処理水ラインと、前記原水ラインに接続され、該原水ラインを流通する原水を系外に排出する原水ブローラインと、前記原水ブローラインに設けられ、該原水ブローラインを開閉する原水ブローライン開閉弁と、前記濾過処理装置に接続され、該濾過処理装置の内部を流通する濾過処理装置流通水を系外に排出する濾過処理装置用ブローラインと、前記濾過処理装置用ブローラインに設けられ、該濾過処理装置用ブローラインを開閉する濾過処理装置用ブローライン開閉弁と、前記処理水ラインに接続され、該処理水ラインを流通する処理水を系外に排出する処理水ブローラインと、前記処理水ブローラインに設けられ、該処理水ブローラインを開閉する処理水ブローライン開閉弁と、前記原水ラインを流通する原水の水質を計測する原水用水質計と、前記処理水ラインを流通する処理水の水質を計測する処理水用水質計と、前記原水用水質計によって計測された原水の水質が所定の水質を満たしていない場合に、前記原水ブローライン開閉弁を開弁し、前記原水用水質計によって計測された原水の水質が所定の水質を満たしている場合に、前記原水ブローライン開閉弁を閉弁する第1制御手段と、前記処理水用水質計によって計測された処理水の水質が所定の水質を満たしていない場合に、前記濾過処理装置用ブローライン開閉弁及び/又は前記処理水ブローライン開閉弁を開弁し、前記処理水用水質計によって計測された処理水の水質が所定の水質を満たしている場合に、前記濾過処理装置用ブローライン開閉弁及び前記処理水ブローライン開閉弁を閉弁する第2制御手段と、を備える水処理システムに関する。
【0007】
また、前記原水ブローライン開閉弁の開弁経過時間を計測する第1開弁経過時間計測手段と、前記濾過処理装置用ブローライン開閉弁及び/又は前記処理水ブローライン開閉弁の開弁経過時間を計測する第2開弁経過時間計測手段と、を更に備え、前記第1制御手段は、前記原水用水質計によって計測された原水の水質が所定の水質を満たしておらず、かつ、前記第1開弁経過時間計測手段によって計測された開弁経過時間が所定時間以上である場合には、前記原水ブローライン開閉弁を閉弁し、前記第2制御手段は、前記処理水用水質計によって計測された処理水の水質が所定の水質を満たしておらず、かつ、前記第2開弁経過時間計測手段によって計測された開弁経過時間が所定時間以上である場合には、前記濾過処理装置用ブローライン開閉弁及び前記処理水ブローライン開閉弁を閉弁することが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、水質の悪化した原水や処理水を系外に排出することができる水処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態の水処理システム1を示す構成図である。
【図2】本実施形態の水処理システム1の制御に係る機能ブロック図である。
【図3】本実施形態の水処理システム1の制御を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態の水処理システム1の制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態の水処理システム1を示す構成図である。
【0011】
図1に示すように、本発明の第1実施形態の水処理システム1は、地下水等の原水W1が流通する原水ラインL1と、原水ポンプ2と、原水バルブ3と、原水W1に含まれる懸濁物質を濾材(図示せず)により捕捉して処理水W2を製造する濾過処理装置4と、処理水W2が流通する処理水ラインL2と、給水バルブ7と、処理水タンク8と、処理水配給ラインL3と、処理水配給ポンプ9と、逆洗水供給ラインL5と、原水ブローラインL6と、原水ブローバルブ17と、濾過処理装置用ブローラインL7と、濾過処理装置用ブローバルブ22と、処理水ブローラインL8と、処理水ブローバルブ24と、バックアップ給水ラインLbと、薬剤添加装置11と、原水用水質計12と、処理水用水質計18と、流量計19と、制御装置30と、を主体に構成されている。
なお、本明細書でいう「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
【0012】
原水ラインL1の上流側の端部は、原水W1の供給源(図示せず)に接続されている。原水ラインL1の下流側の端部は、濾過処理装置4(後述のコントロールバルブ6)に接続されている。
原水ポンプ2は、原水ラインL1に設けられている。原水ポンプ2は、地下水等の原水W1を濾過処理装置4に向けて送出する。原水ポンプ2は、制御装置30(後述)によって運転(駆動及び停止)を制御される。
原水バルブ3は、原水ラインL1に設けられ、原水ラインL1を開閉する。原水バルブ3は、制御装置30(後述)によって開閉を制御される。
【0013】
また、原水ラインL1は、添加点J1において、薬剤添加装置11によって所定の薬剤が添加されるようになっている。薬剤添加装置11は、下流側の濾過処理装置4(後述)において懸濁物質を除去するために、所定の薬剤を添加するものである。薬剤は、凝集剤や酸化剤であり、濾過処理装置4の濾過方法に応じて、適宜選択される。薬剤の詳細については、後述する。
【0014】
薬剤添加装置11は、薬剤貯留部11aと、薬剤添加ポンプ11bと、を備える。薬剤貯留部11aは、薬剤を貯留する。薬剤添加ポンプ11bは、原水ラインL1の添加点J1において、薬剤貯留部11aに貯留された薬剤を原水W1に送出し、添加する。薬剤添加ポンプ11bは、制御装置30(後述)によって運転(駆動及び停止)を制御される。
【0015】
原水ラインL1の計測点J2には、原水用水質計12が接続されている。
原水用水質計12は、原水ラインL1を流通する原水W1の水質(例えば、濁度等)を計測するものである。原水用水質計12は、制御装置30(後述)と接続されている。原水用水質計12によって計測された信号は、制御装置30に入力される。
原水ラインL1の合流点J3には、逆洗水供給ラインL5(後述)が合流している。
【0016】
原水ラインL1の分岐点J4からは、原水ブローラインL6が分岐している。この分岐点J4は、原水ラインL1における原水ポンプ2の下流側、かつ、濾過処理装置4の上流側に位置している。また、分岐点J4は、原水バルブ3の上流側に位置している。
【0017】
原水ブローラインL6は、原水ラインL1の分岐点J4に接続され、原水ラインL1を流通する原水W1を系外に排出する。以下、本明細書においては、所定の条件下において、原水W1を系外に排出することを、適宜、「原水W1のブローを実施する」ともいう。
【0018】
原水ブローラインL6には、原水ブローライン開閉弁としての原水ブローバルブ17が設けられている。原水ブローバルブ17は、原水ブローラインL6を開閉する。原水ブローバルブ17は、制御装置30(後述)と接続されている。原水ブローバルブ17は、制御装置30によって開閉を制御される。
【0019】
濾過処理装置4は、原水ラインL1の下流側の端部に設けられ、原水W1に含まれる懸濁物質を濾材(図示せず)により捕捉することにより処理水W2を製造する。通常、この濾過工程によって処理水W2が製造される。濾過処理装置4は、内部に濾材を有する濾過塔5と、コントロールバルブ6と、排水ラインL4と、を備え、濾材を定期的に洗浄(逆洗浄工程及び水洗工程を実施)できるように構成されている。
【0020】
つまり、逆洗浄工程時には、逆洗水供給ラインL5(後述)を介して濾材に洗浄水(本実施形態においては、処理水W2である。以下、適宜、「逆洗水」ということもある)が供給され、濾材によって捕捉された懸濁物質が洗浄水と共に系外へ排出されるように構成されている。水洗工程時には、逆洗浄された濾材を濯ぐために、濾材に濯ぎ水(本実施形態においては、原水W1)が供給され、濾材を濯いだ濯ぎ水が系外へ排出されるように構成されている。
【0021】
濾過塔5は、懸濁物質を濾過するための濾材(図示せず)をその内部に有する。
コントロールバルブ6は、濾過塔5に対して流入又は流出する水(原水W1、処理水W2、濾材洗浄時の逆洗水や濯ぎ水等)の流路を制御する。コントロールバルブ6は、制御装置30(後述)によって開閉を制御される。
排水ラインL4は、コントロールバルブ6に接続され、後述する濾材洗浄時の逆洗水(処理水W2)や濾材水洗時の濯ぎ水(原水W1)等を系外に排出する。
【0022】
濾過処理装置4は、処理水タンク8から逆洗水供給ラインL5を介して供給される処理水W2によって、逆洗浄可能に構成されている。逆洗水供給ラインL5は、上流側の端部が処理水タンク8に接続され、下流側の端部が原水ラインL1の合流点J3に合流している。合流点J3は、原水バルブ3の下流側に位置している。
【0023】
逆洗水供給ラインL5には、逆洗水を送出する逆洗水供給ポンプ15と、逆洗水供給ラインL5を開閉する逆洗バルブ16と、が設けられている。逆洗水供給ポンプ15は、制御装置30(後述)と接続されており、制御装置30によって運転(駆動及び停止)を制御される。逆洗バルブ16は、制御装置30(後述)と接続されており、制御装置30によって開閉を制御される。
【0024】
濾過処理装置4は、原水W1中の除去対象物質に応じて種々選択される。濾過処理装置4の例として、例えば、次のような砂濾過装置、除鉄除マンガン装置及び活性炭濾過装置を挙げることができる。これらの装置は、いずれも原水W1に含まれる懸濁物質を濾材の篩効果により捕捉して除去可能なものである。
【0025】
砂濾過装置は、原水W1に含まれる微粒子等の懸濁物質を濾材(図示せず)により捕捉して除去するものである。砂濾過装置としては、例えば、硅石等の粗粒濾材と、アンスラサイト、濾過砂等の細粒濾材と、から形成された濾材層(図示せず)を有する塔式のものが挙げられる。濾過処理装置4として、砂濾過装置が使用される場合には、原水W1に含まれる懸濁物質を凝集(フロック化)させて除去し易くする必要がある。そのため、濾過塔の上流側に配置された薬剤添加装置11によって、凝集剤を添加する。凝集剤としては、例えば、無機系凝集剤を用いることができ、具体的には、ポリ塩化アルミニウム(PAC)や硫酸アルミニウム等が挙げられる。
【0026】
除鉄除マンガン装置は、原水W1に含まれる微粒子等の懸濁物質と共に、溶存鉄及び溶存マンガンを濾材(図示せず)により捕捉して除去するものであり、この濾材が充填された濾過塔を備えている。濾材には、通常、粒子状のマンガンシャモットやマンガンゼオライトが使用される。また、濾過処理装置4として、除鉄除マンガン装置が使用される場合には、原水W1に含まれる溶存鉄及び溶存マンガンを酸化してから除去する。そのため、濾過塔の上流側に配置された薬剤添加装置11によって、酸化剤(例えば、次亜塩素酸ナトリウム)を添加する。
【0027】
具体的には、原水W1に含まれる溶存鉄は、上記酸化剤の作用により酸化され、不溶性の水酸化第一鉄を経て水酸化第二鉄へと変化(すなわち、懸濁物質化)し、上記濾材によって濾過される。原水W1に含まれる溶存マンガンは、上記酸化剤の作用により上記濾材と接触したときに、酸化が進行し、濾材によって吸着され除去される。
【0028】
活性炭濾過装置は、原水W1に含まれる懸濁物質と共に、有機物、色度成分及び臭気成分等の不純物を吸着材からなる濾材で除去するものであり、この吸着材が充填された濾過塔を備えている。吸着材には、通常、粒子状又は繊維状の活性炭が使用される。
なお、活性炭濾過装置は、上記砂濾過装置及び/又は除鉄除マンガン装置と併用してもよい。その場合、活性炭濾過装置を、上記砂濾過装置及び/又は除鉄除マンガン装置の下流側に配置することが好ましい。このように配置することにより、例えば、除鉄除マンガン装置を通過した酸化剤由来の残留塩素を、活性炭濾過装置によって分解できるからである。
【0029】
以上のように構成された濾過処理装置4には、処理水ラインL2及び濾過処理装置用ブローラインL7が接続されている。
先ず、処理水ラインL2及び処理水ラインL2に関連する構成要素について説明し、濾過処理装置用ブローラインL7については、後述する。
【0030】
処理水ラインL2の上流側の端部は、濾過処理装置4(コントロールバルブ6)に接続されている。処理水ラインL2の下流側の端部は、処理水タンク8に接続されている。処理水ラインL2は、濾過処理装置4によって製造された処理水W2が流通する。
処理水ラインL2には、給水バルブ7が設けられている。給水バルブ7は、処理水ラインL2を開閉する。給水バルブ7は、制御装置30(後述)と接続されており、制御装置30によって開閉を制御される。
【0031】
また、処理水ラインL2には、計測点J5において、処理水用水質計18が接続されている。処理水用水質計18は、処理水ラインL2を流通する処理水W2の水質(例えば、濁度又は色度等)を計測するものである。処理水用水質計18は、制御装置30(後述)と接続されている。処理水用水質計18によって計測された信号は、制御装置30に入力され、この制御装置30によって処理水W2の水質が判定されるようになっている。
【0032】
また、処理水ラインL2には、計測点J6において、流量計19が接続されている。流量計19は、処理水ラインL2を流通する処理水W2の流量を計測するものである。流量計19は、制御装置30(後述)と接続されている。流量計19によって計測された信号は、制御装置30に入力され、この制御装置30によって処理水W2の流量が算出されるようになっている。
【0033】
また、処理水ラインL2の分岐点J7からは、処理水ブローラインL8が分岐している。この分岐点J7は、処理水ラインL2における濾過処理装置4の下流側、かつ、給水バルブ7の上流側に位置している。
【0034】
処理水ブローラインL8は、処理水ラインL2の分岐点J7に接続され、処理水ラインL2を流通する処理水W2を系外に排出する。以下、本明細書においては、所定の条件下において、処理水W2を系外に排出することを、適宜、「処理水W2のブローを実施する」ともいう。
【0035】
処理水ブローラインL8には、処理水ブローライン開閉弁としての処理水ブローバルブ24が設けられている。処理水ブローバルブ24は、処理水ブローラインL8を開閉する。処理水ブローバルブ24は、制御装置30(後述)と接続されており、制御装置30によって開閉を制御される。
【0036】
処理水タンク8は、処理水ラインL2の下流側の端部に接続され、処理水ラインL2を介して導入された処理水W2を貯留するものである。
処理水タンク8は、水位計8aを備えている。水位計8aは、処理水タンク8に貯留された処理水W2の水位を計測する。水位計8aは、制御装置30(後述)と接続されている。水位計8aによって計測された信号は、制御装置30に入力され、この制御装置30によって、処理水タンク8の水位が算出されるようになっている。
【0037】
本実施形態においては、処理水W2の配給要求時には、後述する処理水配給ポンプ9が稼働されることにより、処理水タンク8内の処理水W2が需要箇所(図示せず)に配給される。そのため、制御装置30は、水位計8aによって処理水タンク8の減水及び満水を検出することによって、濾過工程時に、処理水W2の給水開始タイミング及び給水停止タイミング(すなわち、原水ポンプ2の駆動及び停止タイミング)を判断することができる。
【0038】
また、処理水タンク8には、バックアップ給水ラインLbが接続されている。バックアップ給水ラインLbは、処理水タンク8における処理水W2の貯留量が、処理水W2の需要量に対して不足する場合等において、別系統の水処理システム等で製造された処理水や上水等からなるバックアップ水Wbを、処理水タンク8に供給するためのものである。
【0039】
バックアップ給水ラインLbには、バックアップ給水バルブ26が設けられている。バックアップ給水バルブ26は、バックアップ給水ラインLbを開閉する。バックアップ給水バルブ26は、制御装置30(後述)と接続されており、制御装置30によって開閉を制御される。
【0040】
処理水配給ラインL3は、処理水W2が流通可能に構成されている。処理水配給ラインL3の上流側の端部は、処理水タンク8に接続されている。処理水配給ラインL3の下流側の端部は、処理水W2の需要箇所(図示せず)に接続されている。
処理水配給ラインL3には、処理水配給ポンプ9が設けられている。処理水配給ポンプ9は、処理水タンク8からの処理水W2を、下流側の需要箇所に送出する。処理水配給ポンプ9は、制御装置30(後述)と接続されており、制御装置30によって運転(駆動及び停止)を制御される。
【0041】
次に、濾過処理装置用ブローラインL7について説明する。濾過処理装置用ブローラインL7は、濾過処理装置4の濾過塔5に接続され、濾過塔5の内部を流通する濾過処理装置流通水Wrを系外に排出するものである。以下、本明細書においては、所定の条件下において、濾過処理装置流通水Wrを系外に排出することを、適宜、「濾過処理装置流通水Wrのブローを実施する」ともいう。
ここで、濾過処理装置流通水Wrとは、原水W1(濾過塔5の内部に導入され、かつ、濾過処理される前の原水W1)及び処理水W2(濾過塔5の内部に存在し、かつ、処理水ラインL2に排出される前の処理水W2)の両方をいう。
【0042】
濾過処理装置用ブローラインL7には、濾過処理装置用ブローライン開閉弁としての濾過処理装置用ブローバルブ22が設けられている。濾過処理装置用ブローバルブ22は、濾過処理装置用ブローラインL7を開閉する。濾過処理装置用ブローバルブ22は、制御装置30(後述)と接続されており、制御装置30によって開閉を制御される。
【0043】
次に、図2を参照して、第1実施形態の水処理システム1の制御に係る機能について説明する。図2は、第1実施形態の水処理システム1の制御に係る機能ブロック図である。
制御装置30は、第1実施形態の水処理システム1における各部を制御する。図2に示すように、制御装置30は、例えば、原水ポンプ2、処理水配給ポンプ9、薬剤添加ポンプ11b、逆洗水供給ポンプ15、原水バルブ3、コントロールバルブ6、給水バルブ7、逆洗バルブ16、バックアップ給水バルブ26、原水ブローバルブ17、濾過処理装置用ブローバルブ22及び処理水ブローバルブ24に電気的に接続される。
【0044】
また、制御装置30は、水処理システム1における各計測装置に電気的に接続され、各計測装置から計測情報を受信する。計測装置は、例えば、流量計19、水位計8a、処理水用水質計18及び原水用水質計12である。
【0045】
制御装置30は、第1制御部31(第1制御手段)と、第2制御部32(第2制御手段)と、第1開弁経過時間計測部33(第1開弁経過時間計測手段)と、第2開弁経過時間計測部34(第2開弁経過時間計測手段)と、メモリ部45と、を備える。メモリ部45については、後述する。
第1制御部31は、原水用水質計12によって計測された原水W1の水質が所定の水質を満たしていない場合に、原水ブローバルブ17を開弁する。また、第1制御部31は、原水用水質計12によって計測された原水W1の水質が所定の水質を満たしている場合に、原水ブローバルブ17を閉弁する。
【0046】
第2制御部32は、処理水用水質計18によって計測された処理水W2の水質が所定の水質を満たしていない場合に、濾過処理装置用ブローバルブ22及び/又は処理水ブローバルブ24を開弁する。また、第2制御部32は、処理水用水質計18によって計測された処理水W2の水質が、所定の水質を満たしている場合に、濾過処理装置用ブローバルブ22及び処理水ブローバルブ24を閉弁する。
【0047】
第1開弁経過時間計測部33は、原水ブローバルブ17の開弁経過時間tw1を計測する。第2開弁経過時間計測部34は、濾過処理装置用ブローバルブ22及び/又は処理水ブローバルブ24の開弁経過時間tw2を計測する。
【0048】
また、第1制御部31は、原水用水質計12によって計測された原水W1の水質が所定の水質を満たしておらず、かつ、第1開弁経過時間計測部33によって計測された開弁経過時間tw1(積算値)が所定時間T1以上である場合には、原水ブローバルブ17を閉弁する。ここで、所定時間T1とは、原水W1の水質が所定の水質に戻らない場合に、原水ブローバルブ17を開弁状態にしておくことができる時間の閾値(上限値)である。
【0049】
また、第2制御部32は、処理水用水質計18によって計測された処理水W2の水質が所定の水質を満たしておらず、かつ、前記第2開弁経過時間計測部34によって計測された開弁経過時間tw2(積算値)が所定時間T2以上である場合には、濾過処理装置用ブローバルブ22及び/又は処理水ブローバルブ24を閉弁する。ここで、所定時間T2とは、処理水W2の水質が所定の水質に戻らない場合に、濾過処理装置用ブローバルブ22及び/又は処理水ブローバルブ24を開弁状態にしておくことができる時間の閾値(上限値)である。
【0050】
メモリ部45は、水処理システム1の制御に必要な制御プログラムや各種データ等を記憶する。具体的には、メモリ部45は、水処理システム1の制御に必要な各種機能を動作させる制御プログラム、前記各計測装置によって計測された各種計測データ(例えば、流量計19による流量データ、原水用水質計12及び処理水用水質計18によって計測された水質データ、開弁経過時間tw1,tw2)、各種閾値(例えば、水質の所定の閾値)等を記憶する。
【0051】
次に、本実施形態の水処理システム1の基本動作について図1を参照しながら説明する。先ず、原水ブローラインL6、濾過処理装置用ブローラインL7及び処理水ブローラインL8から原水W1や処理水W2のブローを実施しない、通常運転時の動作について説明する。つまり、原水W1や処理水W2が、所定の水質を満たしている場合の動作について説明する。
【0052】
通常運転時の濾過工程の場合、濾過処理装置4のコントロールバルブ6が濾過工程用の流路に設定されていると共に、原水ブローバルブ17、濾過処理装置用ブローバルブ22及び処理水ブローバルブ24は、閉弁されている。処理水W2の配給要求があると、制御装置30によって処理水配給ポンプ9が稼働されることにより、処理水タンク8に貯留された処理水W2が下流側の需要箇所に送出される(配給開始)。そして、水位計8aにより処理水タンク8の減水が検出されると、制御装置30によって、原水ラインL1における原水ポンプ2及び薬剤添加ポンプ11bが稼働されると共に、原水バルブ3が開弁される。また、制御装置30によって、処理水ラインL2の給水バルブ7が開弁される。この場合、逆洗水供給ラインL5における逆洗水供給ポンプ15は、稼働されず、逆洗バルブ16は閉弁されたままとなっている。
【0053】
原水W1は、原水ポンプ2によって原水ラインL1に供給される。そして、添加点J1において、薬剤添加装置11によって所定の薬剤が添加される。また、原水ラインL1においては、原水用水質計12によって原水W1の水質が計測される。
薬剤が添加された原水W1は、濾過処理装置4のコントロールバルブ6を介して濾過塔5の内部に導入される。濾過塔5においては、原水W1が上記濾材層に対して下降するように流される。これにより、原水W1に含まれる懸濁物質が濾材により捕捉され、処理水W2が製造される。製造された処理水W2は、コントロールバルブ6を介して処理水ラインL2に流通され、処理水タンク8に貯留される。
【0054】
処理水ラインL2においては、処理水用水質計18によって処理水W2の水質が計測されると共に、流量計19によって処理水W2の流量が計測される。これらの計測情報は、制御装置30によって受信される。
処理水W2の配給要求がなくなると、制御装置30によって処理水配給ポンプ9が停止される(配給停止)。続いて、水位計8aにより処理水タンク8の満水が検出されると、制御装置30によって、原水ラインL1における原水ポンプ2及び薬剤添加ポンプ11bが停止されると共に、原水バルブ3が閉弁される。また、制御装置30によって、処理水ラインL2の給水バルブ7が閉弁される。
【0055】
なお、制御装置30によって、処理水タンク8における処理水W2の水位が、所定の下限値になったと判定された場合には、制御装置30によって、バックアップ給水ラインLbのバックアップ給水バルブ26が開弁される。これにより、バックアップ水Wbが、処理水タンク8に補給される。
【0056】
次に、濾過処理装置4の洗浄工程(逆洗浄工程及び水洗工程)について説明する。
逆洗浄工程時には、制御装置30によって、原水ラインL1における原水ポンプ2が停止されると共に、原水バルブ3が閉弁され、かつ、濾過処理装置4のコントロールバルブ6が逆洗浄工程用の流路に設定される。また、制御装置30によって、処理水ラインL2の給水バルブ7が閉弁されると共に、逆洗水供給ラインL5における逆洗水供給ポンプ15が稼働され、逆洗バルブ16が開弁される。これにより、濾過塔5において、処理水W2が上記濾材層に対して上昇するように流され、濾材が展開される。洗浄後の逆洗水は、排水ラインL4を介して、系外に排出される。
【0057】
また、水洗工程時には、制御装置30によって、原水ラインL1における原水ポンプ2が稼働されると共に、原水バルブ3が開弁され、かつ、濾過処理装置4のコントロールバルブ6が水洗工程用の流路に設定される。また、制御装置30によって、処理水ラインL2の給水バルブ7が閉弁状態を維持されると共に、逆洗水供給ラインL5における逆洗水供給ポンプ15が停止され、逆洗バルブ16が閉弁される。これにより、濾過塔5において、濯ぎ水としての原水W1が上記濾材層に対して下降するように流され、濾材が濯がれる。水洗後の濯ぎ水は、排水ラインL4を介して、系外に排出される。
【0058】
次に、本実施形態の特徴部分である原水W1、濾過処理装置流通水Wr及び処理水W2の各ブロー制御について図3及び図4を参照しながら説明する。図3及び図4は、本実施形態の水処理システム1の制御を示すフローチャートである。本制御が実施される際、給水バルブ7は、閉弁され、処理水W2の処理水タンク8への供給は、停止されるものとする。処理水W2の需要量に対して、処理水タンク8に貯留された処理水W2が不足する場合には、バックアップ水Wbが、バックアップ給水ラインLbから、適宜、供給される。
図3に示すように、ステップST1において、第1制御部31は、原水用水質計12によって原水W1の水質を計測し、ステップST2へ進む。
【0059】
ステップST2において、第1制御部31は、ステップST1において計測された原水W1の水質が、所定の水質を満たしていないかどうかを判定する。
原水W1の水質が、所定の水質を満たしていない(YES)場合には、ステップST3へ進む。一方、原水W1の水質が、所定の水質を満たしている(NO)場合には、ステップST6へ進む。
【0060】
ステップST3において、第1制御部31は、原水ブローバルブ17を開弁し、ステップST4へ進む。これにより、原水ラインL1を流通する原水W1は、原水ブローラインL6を介して系外に排出される。従って、水質の悪化した原水W1が濾過塔5の内部に流入することを防止することができる。
【0061】
ステップST4において、第1開弁経過時間計測部33は、原水ブローバルブ17の開弁経過時間tw1を計測し、ステップST5へ進む。
【0062】
ステップST5において、第1制御部31は、ステップST4において計測された開弁経過時間tw1が、所定時間T1以上であるか否かを判定する。開弁経過時間tw1が所定時間T1以上である(YES)場合には、ステップST6へ進む。一方、開弁経過時間tw1が所定時間T1以上でない(NO)場合には、ステップST1に戻り、ステップST1からステップST5までの制御を繰り返す。
【0063】
ステップST6において、第1制御部31は、原水ブローバルブ17を閉弁し、ステップST7へ進む。つまり、原水ブローバルブ17を開弁状態にしておくことができる時間の上限までに、原水W1の水質が所定の水質まで戻らない場合には、原水ブローバルブ17を閉弁することにより、原水W1の垂れ流しを防止することができる。
【0064】
ステップST7において、第1開弁経過時間計測部33は、開弁経過時間tw1をゼロにリセットし、ステップST8へ進む。
【0065】
図4に示すように、ステップST8において、第2制御部32は、処理水用水質計18によって処理水W2の水質を計測し、ステップST9へ進む。
【0066】
ステップST9において、第2制御部32は、ステップST8において計測された処理水W2の水質が、所定の水質を満たしていないかどうかを判定する。
処理水W2の水質が、所定の水質を満たしていない(YES)場合には、ステップST10へ進む。一方、処理水W2の水質が、所定の水質を満たしている(NO)場合には、ステップST13へ進む。
【0067】
ステップST10において、第2制御部32は、濾過処理装置用ブローバルブ22及び/又は処理水ブローバルブ24を開弁し、ステップST11へ進む。これにより、濾過塔5の内部の濾過処理装置流通水Wrは、濾過処理装置用ブローラインL7を介して系外に排出(ブロー)される。また、処理水ラインL2を流通する処理水W2は、処理水ブローラインL8を介して系外に排出(ブロー)される。
【0068】
従って、水質の悪化した濾過処理装置流通水Wrが濾過塔5の内部に滞留することを防止することができる。また、水質の悪化した処理水W2が処理水タンク8に供給されることを防止することができる。
【0069】
なお、ステップST10においては、所定の水質の処理水W2を安定して確保する観点から、濾過処理装置用ブローバルブ22及び処理水ブローバルブ24を同時に開弁するのが好ましいが、いずれか一方を開弁することもできる。
【0070】
処理水ラインL2の上流側(例えば、コントロールバルブ6と処理水ラインL2の接続点近傍)に処理水用水質計18を設けた場合には、水質の悪化した濾過処理装置流通水Wrが処理水ラインL2に流出する前に水質異常を検知できる。このため、濾過処理装置用ブローバルブ22のみを開弁しても、水質の悪化した処理水W2が供給されることを防止できる。
【0071】
また、処理水ラインL2の下流側(例えば、処理水ラインL2と処理水タンク8の接続点近傍)に処理水用水質計18を設けた場合には、水質の悪化した濾過処理装置流通水Wr及び処理水W2が処理水タンク8に流入する前に水質異常を検知できる。このため、処理水ブローバルブ24のみを開弁しても、水質の悪化した濾過処理装置流通水Wr及び処理水W2が供給されることを防止できる。
【0072】
ステップST11において、第2開弁経過時間計測部34は、濾過処理装置用ブローバルブ22及び/又は処理水ブローバルブ24の開弁経過時間tw2を計測し、ステップST12へ進む。
【0073】
ステップST12において、第2制御部32は、ステップST11において計測された開弁経過時間tw2が、所定時間T2以上であるか否かを判定する。開弁経過時間tw2が所定時間T2以上である(YES)場合には、ステップST13へ進む。一方、開弁経過時間tw2が所定時間T2以上でない(NO)場合には、ステップST8に戻り、ステップST8からステップST12までの制御を繰り返す。
【0074】
ステップST13において、第2制御部32は、濾過処理装置用ブローバルブ22及び処理水ブローバルブ24を閉弁し、ステップST14へ進む。つまり、濾過処理装置用ブローバルブ22及び処理水ブローバルブ24を開弁状態にしておくことができる時間の上限までに、処理水W2の水質が所定の水質まで戻らない場合には、濾過処理装置用ブローバルブ22及び処理水ブローバルブ24を閉弁することにより、濾過処理装置流通水Wr及び処理水W2の垂れ流しを防止することができる。
【0075】
ステップST14において、第2開弁経過時間計測部34は、開弁経過時間tw2をゼロにリセットし、本制御を終了する。これにより、通常の濾過工程に迅速に復帰することができる。
【0076】
以上に説明した本実施形態の水処理システム1によれば、以下に示す各効果が奏される。
本実施形態の水処理システム1は、原水ラインL1と、濾過処理装置4と、処理水ラインL2と、原水ブローラインL6と、原水ブローバルブ17と、濾過処理装置用ブローラインL7と、濾過処理装置用ブローバルブ22と、処理水ブローラインL8と、処理水ブローバルブ24と、原水用水質計12と、処理水用水質計18と、制御装置30と、を備える。制御装置30は、第1制御部31と、第2制御部32と、を備える。
【0077】
第1制御部31は、原水W1の水質が所定の水質を満たしていない場合に、原水ブローバルブ17を開弁する。また、第1制御部31は、原水W1の水質が所定の水質を満たしている場合に、原水ブローバルブ17を閉弁する。
そのため、原水ラインL1を流通する原水W1を、原水ブローラインL6を介して系外に排出することができる。従って、水質の悪化した原水W1が濾過塔5の内部に流入することを防止することができる。
【0078】
また、第2制御部32は、処理水W2の水質が所定の水質を満たしていない場合に、濾過処理装置用ブローバルブ22及び/又は処理水ブローバルブ24を開弁する。また、第2制御部32は、処理水W2の水質が所定の水質を満たしている場合に、濾過処理装置用ブローバルブ22及び処理水ブローバルブ24を閉弁する。
【0079】
そのため、濾過塔5の内部の濾過処理装置流通水Wrを、濾過処理装置用ブローラインL7を介して系外に排出することができる。また、処理水ラインL2を流通する処理水W2を、処理水ブローラインL8を介して系外に排出することができる。従って、水質の悪化した濾過処理装置流通水Wrが濾過塔5の内部に滞留することを防止することができる。また、水質の悪化した処理水W2が処理水タンク8に供給されることを防止することができる。
【0080】
また、本実施形態の水処理システム1においては、原水ブローバルブ17の開弁経過時間tw1を計測する第1開弁経過時間計測部33と、濾過処理装置用ブローバルブ22及び/又は処理水ブローバルブ24の開弁経過時間tw2を計測する第2開弁経過時間計測部34と、を更に備える。
【0081】
第1制御部31は、原水W1の水質が所定の水質を満たしておらず、かつ、開弁経過時間tw1が所定時間T1以上である場合には、原水ブローバルブ17を閉弁する。そのため、原水W1の垂れ流しを防止することができる。
【0082】
また、第2制御部32は、処理水W2の水質が所定の水質を満たしておらず、かつ、開弁経過時間tw2が所定時間T2以上である場合には、濾過処理装置用ブローバルブ22及び処理水ブローバルブ24を閉弁する。そのため、濾過処理装置流通水Wr及び処理水W2の垂れ流しを防止することができる。
【0083】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、濾過処理装置用ブローラインL7は、濾過塔5に接続された独立のラインとして説明したが、排水ラインL4と兼用することもできる。すなわち、濾過処理装置用ブローバルブ22をコントロールバルブ6内の所定のバルブ機構と兼用することができる。このような構成では、コントロールバルブ6を水洗工程用の流路に設定することにより、濾過処理装置流通水Wrのみを排水ラインL4を介してブローすることが可能になる。
【符号の説明】
【0084】
1 水処理システム
4 濾過処理装置
12 原水用水質計
17 原水ブローバルブ(原水ブローライン開閉弁)
18 処理水用水質計
22 濾過処理装置用ブローバルブ(過処理装置用ブローライン開閉弁)
24 処理水ブローバルブ(処理水ブローライン開閉弁)
30 制御装置
31 第1制御部(第1制御手段)
32 第2制御部(第2制御手段)
33 第1開弁経過時間計測部(第1開弁経過時間計測手段)
34 第2開弁経過時間計測部(第2開弁経過時間計測手段)
L1 原水ライン
L2 処理水ライン
L6 原水ブローライン
L7 濾過処理装置用ブローライン
L8 処理水ブローライン
W1 原水
W2 処理水
Wr 濾過処理装置流通水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水が流通する原水ラインと、
前記原水ラインの下流側の端部に設けられ、原水に含まれる懸濁物質を濾材により捕捉して処理水を製造する濾過処理装置と、
前記濾過処理装置に接続され、該濾過処理装置によって製造された処理水が流通する処理水ラインと、
前記原水ラインに接続され、該原水ラインを流通する原水を系外に排出する原水ブローラインと、
前記原水ブローラインに設けられ、該原水ブローラインを開閉する原水ブローライン開閉弁と、
前記濾過処理装置に接続され、該濾過処理装置の内部を流通する濾過処理装置流通水を系外に排出する濾過処理装置用ブローラインと、
前記濾過処理装置用ブローラインに設けられ、該濾過処理装置用ブローラインを開閉する濾過処理装置用ブローライン開閉弁と、
前記処理水ラインに接続され、該処理水ラインを流通する処理水を系外に排出する処理水ブローラインと、
前記処理水ブローラインに設けられ、該処理水ブローラインを開閉する処理水ブローライン開閉弁と、
前記原水ラインを流通する原水の水質を計測する原水用水質計と、
前記処理水ラインを流通する処理水の水質を計測する処理水用水質計と、
前記原水用水質計によって計測された原水の水質が所定の水質を満たしていない場合に、前記原水ブローライン開閉弁を開弁し、前記原水用水質計によって計測された原水の水質が所定の水質を満たしている場合に、前記原水ブローライン開閉弁を閉弁する第1制御手段と、
前記処理水用水質計によって計測された処理水の水質が所定の水質を満たしていない場合に、前記濾過処理装置用ブローライン開閉弁及び/又は前記処理水ブローライン開閉弁を開弁し、前記処理水用水質計によって計測された処理水の水質が所定の水質を満たしている場合に、前記濾過処理装置用ブローライン開閉弁及び前記処理水ブローライン開閉弁を閉弁する第2制御手段と、
を備える水処理システム。
【請求項2】
前記原水ブローライン開閉弁の開弁経過時間を計測する第1開弁経過時間計測手段と、
前記濾過処理装置用ブローライン開閉弁及び/又は前記処理水ブローライン開閉弁の開弁経過時間を計測する第2開弁経過時間計測手段と、を更に備え、
前記第1制御手段は、前記原水用水質計によって計測された原水の水質が所定の水質を満たしておらず、かつ、前記第1開弁経過時間計測手段によって計測された開弁経過時間が所定時間以上である場合には、前記原水ブローライン開閉弁を閉弁し、
前記第2制御手段は、前記処理水用水質計によって計測された処理水の水質が所定の水質を満たしておらず、かつ、前記第2開弁経過時間計測手段によって計測された開弁経過時間が所定時間以上である場合には、前記濾過処理装置用ブローライン開閉弁及び前記処理水ブローライン開閉弁を閉弁する請求項1に記載の水処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−173079(P2011−173079A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40138(P2010−40138)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【Fターム(参考)】