説明

水処理装置および給湯機

【課題】水の溶解成分を吸着する水処理装置を提供する。
【解決手段】水に溶解しているイオンを吸着する陽・陰イオン交換体16、17と、表裏に極性の異なる陽・陰イオン交換体16、17を配置し水を解離して吸着したイオンを脱離するイオン交換膜と、イオン交換膜に電圧を印加する2つの電極15a、15bと、2つの電極15a、15bとイオン交換膜を配するハウジング18と、電極15a、15bに電圧を供給する電源(図示せず)とを有し、陽・陰イオン交換体16、17が吸着したイオンを脱離する際は、ハウジング18の内容積と等量の水を供給するようにしたもので、陽・陰イオン交換体16、17が吸着したイオンを脱離した後再度イオンを吸着する際、電極15a、15b間の電流値が増大することがないので、水の電気分解が生じる可能性がなく、処理水を導く流路にガスが溜まる可能性がない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水に溶解しているイオンを吸着する水処理装置および前記水処理装置を備えた給湯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の水処理装置は、図2に示すような構成であった(例えば、特許文献1参照)。以下、その構成について説明する。
【0003】
図2は、従来の水処理装置の構成図である。
【0004】
図2において、従来の水処理装置は、電気透析を行うための一対の電極21、22と、陽イオン交換膜23と、陰イオン交換膜24を有し、電極21が陰極、電極22が陽極となるように電圧が印加される。Cl、NOイオンをOHイオンと交換する陰イオン交換樹脂25、Mg2+、Ca2+イオンをHイオンと交換する陽イオン交換樹脂26、陽イオン交換樹脂26に吸着されなかったMg2+、Ca2+を濃縮した水を排出できる排出口27、セル内を分割するイオンが通過可能な隔膜28を配置している。
【0005】
以上のように構成された従来の水処理装置の動作を説明する。
【0006】
軟水化を行う際は、陰、陽イオン交換樹脂25、26によるイオン交換と、電気透析手段による電気透析作用とが同時に行われる。浴槽水wは吸水口29から循環ポンプ30により吸引され、流路31、32、33に分流される。
【0007】
まず、イオン交換による軟水化について説明する。流路32に分流された浴槽水wは、隔膜28でセル内を仕切られた希釈室34、35に分流される。希釈室35には、陽イオン交換樹脂26が充填されており、陽イオン交換樹脂26により浴槽水w中の硬度成分であるCa2+やMg2+がHにイオン交換される。
【0008】
また、希釈室34には陰イオン交換樹脂25が充填されており、浴槽水w中の陰イオンであるClやNOイオンがOHにイオン交換され、樹脂を流出させない網36を通り、切換え弁37および切換え弁38を通って合流し、そして、イオン交換された浴槽水wは吐出口40より浴槽39に還流される。
【0009】
次に、電気透析による軟水化について説明する。陽イオン交換膜23を介して浴槽水w中の硬度成分であるCa2+やMg2+が電気透析力により濃縮室41に移動し、切換え弁42を通って排出口27より排出される。また、陰イオン交換膜24を介して、浴槽水w中の陰イオンであるCl、HClO、SO2−等の陰イオンが濃縮室43に移動し、切換え弁44を通って、排出口27より排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−340863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前記従来の水処理装置の構成では、イオンを脱離した後にイオンを含む水がケーシング内に残留するために、ケーシング内の導電率が高くなり、電極間を流れる
電流値が増大し、水が電気分解して水素ガスおよび酸素ガスが発生するという課題があった。
【0012】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、イオン交換体が吸着したイオンを脱離した後再度イオンを吸着する際、電極間の電流値が増大したり、水の電気分解が生じる可能性がなく、また処理水を導く流路にガスが溜まる可能性がない、水処理装置および給湯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記従来の課題を解決するために、本発明の水処理装置は、水に溶解しているイオンを吸着するイオン交換体と、表裏に極性の異なる前記イオン交換体を配置し水を解離して吸着したイオンを脱離するイオン交換膜と、前記イオン交換膜に電圧を印加する少なくとも2つの電極と、前記2つの電極と前記イオン交換膜を配するハウジングと、前記電極に電圧を供給する電源とを有し、前記イオン交換体が吸着したイオンを脱離する際は、前記ハウジングの内容積と等量の水を供給するようにしたもので、イオン交換体が吸着したイオンを脱離した後再度イオンを吸着する際、電極間の電流値が増大することがないので、水の電気分解が生じる可能性がなく、処理水を導く流路にガスが溜まる可能性がない。
【0014】
また、本発明の給湯機は、請求項1に記載の水処理装置と、水や湯を蓄える貯湯タンクとを有し、前記水処理装置が前記貯湯タンクに導かれる水を処理した後に、イオン交換体が吸着したイオンを脱離する際に、ハウジングの容積と等量の水を供給するようにしたもので、貯湯タンクに導かれる処理水は、水の電気分解ガスを含むことがなく、貯湯タンクにガスが溜まる可能性がない。
【0015】
また、本発明の給湯機は、請求項1に記載の水処理装置と、水を加熱し湯を製造する加熱手段とを有し、前記水処理装置が前記加熱手段に導かれる水を処理した後に、イオン交換体が吸着したイオンを脱離する際に、ハウジングの容積と等量の水を供給するようにしたもので、加熱手段に導かれる処理水は、水の電気分解ガスを含むことがなく、加熱手段により処理水に溶解したガスが水から分離して気泡に成長する際に水の電気分解ガスを含有しない。
【発明の効果】
【0016】
本発明の水処理装置および給湯機は、水の電気分解を生じることがないので、流路にガスが溜まることが原理的になく、安全な製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態における水処理装置を備えた給湯機の構成図
【図2】従来の給湯機の構成図
【発明を実施するための形態】
【0018】
第1の発明は、水に溶解しているイオンを吸着するイオン交換体と、表裏に極性の異なる前記イオン交換体を配置し水を解離して吸着したイオンを脱離するイオン交換膜と、前記イオン交換膜に電圧を印加する少なくとも2つの電極と、前記2つの電極と前記イオン交換膜を配するハウジングと、前記電極に電圧を供給する電源とを有し、前記イオン交換体が吸着したイオンを脱離する際は、前記ハウジングの内容積と等量の水を供給するようにしたもので、イオン交換体が吸着したイオンを脱離した後再度イオンを吸着する際、電極間の電流値が増大することがないので、水の電気分解が生じる可能性がなく、処理水を導く流路にガスが溜まる可能性がない。
【0019】
第2の発明は、請求項1に記載の水処理装置と、水や湯を蓄える貯湯タンクとを有し、
前記水処理装置が前記貯湯タンクに導かれる水を処理した後に、イオン交換体が吸着したイオンを脱離する際に、ハウジングの容積と等量の水を供給するようにしたもので、貯湯タンクに導かれる処理水は、水の電気分解ガスを含むことがなく、貯湯タンクにガスが溜まる可能性がない。
【0020】
第3の発明は、請求項1に記載の水処理装置と、水を加熱し湯を製造する加熱手段とを有し、前記水処理装置が前記加熱手段に導かれる水を処理した後に、イオン交換体が吸着したイオンを脱離する際に、ハウジングの容積と等量の水を供給するようにしたもので、加熱手段に導かれる処理水は、水の電気分解ガスを含むことがなく、加熱手段により処理水に溶解したガスが水から分離して気泡に成長する際に水の電気分解ガスを含有しない。
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における水処理装置を備えた給湯機の構成図である。
図1において、1は、水と製造した湯を蓄える貯湯タンクで、水道水、工業用水、地下水等の水源から供給される原水ラインに原水流路2により接続されており、原水流路2の水は、水の不溶物を分離除去する粗ろ過手段3に導かれている。原水流路2は、貯湯タンク1へ通じるタンク流路4と、給水流路5に分岐している。
【0023】
本実施の形態における水処理装置6は、貯湯タンク1の水が、処理水流路7でポンプ8により圧送されており、三方弁9は、水処理装置6により処理した水を、熱交換器からなる加熱手段10に通じる熱交流路11と、給湯機から排出される排水流路12とに分岐している。
【0024】
加熱手段10により生成された湯は、貯湯流路13により貯湯タンク1へ送られる。貯湯タンク1の湯は、給湯流路14により送られ、給水流路5の水と混合して出湯する。
【0025】
次に、本実施の形態における水処理装置6の構成について、さらに詳しく説明する。
【0026】
水処理装置6は、対向する1組の電極15a、15bと、水に溶解している陽イオンを吸着する陽イオン交換体16と水に溶解している陰イオンを吸着する陰イオン交換体17とが、表裏に極性が異なるよう張り合わせたイオン交換膜から構成されている。18は、電極15a、15b、陽イオン交換体16、陰イオン交換体17を収納するハウジングである。
【0027】
イオン交換膜は、電極15a、15b間に複数枚積層しており、平板状の対向した電極15a、15b間に平面上にイオン交換膜を積層、また、半径の異なる同心円柱状の対向した電極15a、15b間に同心円状や螺旋状にイオン交換膜を積層してもよい。
【0028】
各イオン交換体は、スチレンまたはジビニルベンゼンの重合体または共重合体高分子を基本骨格とし、陽イオン交換体16は、スルホン酸基またはアクリル酸やメタクリル酸等のカルボン酸基を導入しており、陰イオン交換体17は、第4級アンモニウム基または第1〜3級アミノ基を導入している。
【0029】
各イオン交換体をイオン交換膜に成形するさい、各イオン交換体を、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂に混練分散させることで、膜の成形性が向上することができる。表裏に極性が異なるようイオン交換体を張り合わせたイオン交換膜は、バイポーラ
膜と呼ばれ、電圧を印加することでイオン交換体の界面で水の解離が促進されるので、低電圧で水の解離を行うことができる。
【0030】
以上のように構成された本実施の形態における水処理装置を備えた給湯機について、以下その動作、作用を説明する。
【0031】
通常、貯湯タンク1は、湯および水で満たされており、原水ラインの水圧がかかっている。給湯機から出湯する際は、給水流路5の水と、水がタンク流路4を通り貯湯タンクに流入することで貯湯タンク1から押し出した給湯経路14の湯とを、任意の温度になるよう混合して出湯する。
【0032】
水処理装置6は、水中に溶解しているイオンを各イオン交換体で吸着する際と、各イオン交換体に吸着したイオンを脱離する際とで、動作が異なるので、まず、水処理装置6が水中のイオンを各イオン交換体で吸着する際について説明する。
【0033】
水処理装置6が水中に溶解しているイオンを吸着する際は、ポンプ8を駆動し、貯湯タンク1内の水を処理水流路7により吸引し、水処理装置6へ圧送する。水処理装置6で処理された水は、三方弁9で熱交流路11に切換えられ、加熱手段10へ送られる。
【0034】
水処理装置6では、水中に溶解した陽イオンCa、Mg、Na、Mn、Fe等の各イオンは、陽イオン交換体16で水素イオンに、水中に溶解した陰イオンCl、炭酸、硫酸、硝酸等の各イオンは、陰イオン交換体17で水酸化物イオンにそれぞれイオン交換することで、水中に溶解している各種イオンを各イオン交換体に吸着する。
【0035】
各イオン交換体がイオンを吸着する際、イオン交換膜の陽イオン交換体16側の電極15aを陽極、陰イオン交換体17側の電極15bを陰極となるよう図示しない電源で電圧を印加することで、水処理装置6内のイオンが各イオン交換体に移動するので、各イオン交換体のイオン吸着速度を増加させることができる。
【0036】
その際、水分子が電気分解し、水素分子と酸素分子を生成する水の理論分解電圧は1.226Vであるので、水の分解電圧未満の電圧を印加することで、水素ガスおよび酸素ガスが発生することなく水に溶解しているイオンを各イオン交換体で効率的に吸着することができる。
【0037】
水処理装置6で、水に溶解しているイオンを吸着することで、加熱手段10で昇温する際、CaやMgの硬度成分が析出することによる加熱手段10の閉塞や加熱効率の低下、陰イオンによる腐食の促進等を防止することができる。
【0038】
また、pHの偏った水を処理した場合は、酸性の場合は、アニオン種を水酸化物イオンに、塩基性の場合はカチオン種を水素イオンにそれぞれ交換することで、中性の水に近づけることができるので、水処理装置6により処理した水は、pHによる腐食を防止することができる。
【0039】
また、水の分解電圧未満の電圧を印加していることで、処理水は、水の分解ガスを含有しておらず、加熱手段10により加熱され気体の溶解度が低下した場合であっても、水の分解ガスは生成されず、貯湯タンク1および貯湯流路13、給湯流路14などに蓄積することがない。
【0040】
なお、水処理装置6で水に溶解しているイオンを吸着する際に、電極15a、15b間に電圧を印加しなくてもよい。各イオン交換体が水に溶解しているイオンを吸着する作用
に変わりはなく、処理水に水の分解ガスを含有しない効果も変わらない。
【0041】
次に、水処理装置6が、各イオン交換体に吸着したイオンを脱離する際の動作、作用を説明する。
【0042】
各イオン交換体がイオンを脱離する際は、処理水流路7により水処理装置6に導かれた水は、水処理装置6で処理された後、三方弁9で切換えられ、排水流路12を通って給湯機から排出される。水処理装置6では、イオン交換膜の陽イオン交換体16側の電極15aを陰極、陰イオン交換体17側の電極15bを陽極となるよう電圧を印加する。
【0043】
水分子が水素イオンと水酸化物イオンに解離する水の理論解離電圧は0.828Vであるので、水の解離電圧以上の電圧を印加することで、イオン交換膜の陽イオン交換体16と陰イオン交換体17の界面で水が解離し、各イオン交換体に吸着したイオンと交換し脱離することで、各イオン交換体が再生する。印加電圧を水の分解電圧未満にすることで、処理水は、水の分解ガスを含有しないので、給湯機から排出する間の排水流路12に溶存ガスが成長して気泡となり溜まることを防止することができる。
【0044】
なお、排水流路12の配管径を細くし、排水流路12の流速を十分に増加し、排水流路12内に気泡が滞留しないようにすることで、水の分解ガスが排水流路12に溜まることを防止することができる。このように、水の分解ガスを確実に給湯機から排出できることから、水を解離し各イオン交換体を再生するのに十分な電流を与えることができ、再生効率を向上させることができるので、再生時間を短縮し、再生排水を低減することができる。
【0045】
次に粗ろ過手段3について説明する。
【0046】
水処理装置6は、水に溶解しているイオンを各イオン交換体で確実に吸着するため、イオン交換膜が近接した状態で積層することが望ましが、イオン交換膜の間が僅少であるため、不溶物が堆積する可能性がある。粗ろ過手段3の除去性能は、イオン交換膜の間隔と同様またはより細かな不溶物を除去することができるようにする必要がある。
【0047】
粗ろ過手段3は、糸巻きフィルタ、プリーツフィルタ、中空糸フィルタ等の精密ろ過(MF)により形成し、原水に含まれる砂や鉄さび等の不溶性物質をろ過除去する。配置場所は、給湯機の貯湯タンク1に導かれる水、および給湯機から出湯する湯の全てを処理することが可能な、原水流路に設置することが望ましい。
【0048】
以上のように粗ろ過手段3を設けることにより、給湯機から出湯した先の流路や湯を取出す蛇口(図示せず)に不溶物が混入したり詰まったりすることがなく、また、貯湯タンク1内を清浄に保つことができる。
【0049】
なお、粗ろ過手段3を処理水流路7に設置してもよい。原水に不溶物が多く含まれていて、粗ろ過手段3が短時間で閉塞してしまい洗浄や取替え等のメンテナンスが頻繁に発生するような場合は、処理水流路7で水処理装置6に導かれる水のみを処理することで給湯機全体としてメンテナンスの頻度を減らすことができる。
【0050】
なお、給湯機の加熱手段10は、ヒートポンプ式、ガス加熱式、電気加熱式等、限定されることなく自由に選択することができる。
【0051】
なお、上記実施の形態では、処理水流路7と排水流路12を切換えるために三方弁9を用いているが、流路の切換えは三方弁9に限定されることはなく、流路の開閉を行う二方
の電磁弁等を複数組み合わせて、流路の切換えを行うことができれば構わない。
【0052】
このように本実施の形態における水処理装置は、水に溶解しているイオンを各イオン交換体で吸着、また、電圧を印加することで水を解離させ吸着したイオンを脱離し各イオン交換体を再生することができる。
【0053】
なお、本実施の形態では、陽イオン交換体16、陰イオン交換体17が吸着したイオンを脱離する際に、ハウジング18の内容積と等量の水を供給するようにしている、これにより、陽、陰イオン交換体16、17が吸着したイオンを脱離した後再度イオンを吸着する際、電極15a、15b間の電流値が増大することがないので、水の電気分解が生じる可能性がなく、処理水を導く流路にガスが溜まる可能性がない。
【0054】
また、水処理装置6が貯湯タンク1に導かれる水を処理した後に、陽・陰イオン交換体16、17が吸着したイオンを脱離する際に、ハウジング18の容積と等量の水を供給するようにしているので、貯湯タンク1に導かれる処理水は、水の電気分解ガスを含むことがなく、貯湯タンク1にガスが溜まる可能性がない。
【0055】
また、水処理装置6が加熱手段10に導かれる水を処理した後に、陽・陰イオン交換体16、17が吸着したイオンを脱離する際に、ハウジング18の容積と等量の水を供給するようにしているので、加熱手段10に導かれる処理水は、水の電気分解ガスを含むことがなく、加熱手段10により処理水に溶解したガスが水から分離して気泡に成長する際に、水の電気分解ガスを含有することがない。
【0056】
また、交互に吸着脱離運転を行うことで、使用者は、メンテナンスすることなく連続的にイオンを除去した処理水を利用することができ、また、得られる処理水は、水の分解ガスを含まないことから安全である。
【0057】
また、給湯機の信頼性および寿命を向上させることができ、さらに高硬度地域や井戸水等の機器に過酷な原水に対しても適応することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上のように、本発明にかかる水処理装置および給湯機は、原水の溶解イオンを吸着除去することができ、また得られた処理水は水の分解ガスを含まないことから、家庭用、産業用に制限されることなく、安全な処理水を利用する水処理システムに適応することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 貯湯タンク
6 水処理装置
10 加熱手段
15a、15b 電極
16 陽イオン交換体(イオン交換体)
17 陰イオン交換体(イオン交換体)
18 ハウジング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水に溶解しているイオンを吸着するイオン交換体と、表裏に極性の異なる前記イオン交換体を配置し水を解離して吸着したイオンを脱離するイオン交換膜と、前記イオン交換膜に電圧を印加する少なくとも2つの電極と、前記2つの電極と前記イオン交換膜を配するハウジングと、前記電極に電圧を供給する電源とを有し、前記イオン交換体が吸着したイオンを脱離する際は、前記ハウジングの内容積と等量の水を供給するようにした水処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の水処理装置と、水や湯を蓄える貯湯タンクとを有し、前記水処理装置が前記貯湯タンクに導かれる水を処理した後に、イオン交換体が吸着したイオンを脱離する際に、ハウジングの容積と等量の水を供給するようにした給湯機。
【請求項3】
請求項1に記載の水処理装置と、水を加熱し湯を製造する加熱手段とを有し、前記水処理装置が前記加熱手段に導かれる水を処理した後に、イオン交換体が吸着したイオンを脱離する際に、ハウジングの容積と等量の水を供給するようにした給湯機。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−11344(P2012−11344A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151794(P2010−151794)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】