説明

水及びインスタント食品から飲料を調製する装置のための較正構成

本発明は、異なる種類のインスタント食品のために水及びインスタント食品から飲料を調製するよう較正される装置を較正するための較正構成(10)に関する。較正構成は、設定を装置内に入力するための入力手段(20)を含み、前記設定は、装置に特定のインスタント食品種類の計量分配情報を提供し、それによって、装置が適切な量の前記インスタント食品を計量分配することを可能にし、それぞれのインスタント食品種類のための設定を提供するための変換手段(15)を含む。変換手段(15)及び入力手段(20)は、ブランドと無関係に機能し、即ち、インスタント食品種類の又はある他の種類表示を使用せず或いは参照しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる種類のインスタント食品のために、水及びインスタント食品から飲料を調製し得る装置を較正するための較正構成に関する。
【背景技術】
【0002】
これらの装置は、普通、インスタント食品を貯蔵するための貯槽と、貯槽からインスタント食品を計量分配するための計量分配装置と、水を計量分配するための他の計量分配装置と、所望の混合比率に従ってインスタント食品及び水の計量分配量を制御するためのコントローラとを含む。そのような混合比率は、例えば、使用されるインスタント食品の種類、或いは、年齢及び/又は重量のような、意図される消費者の詳細に依存して、異なり得る。一般的には、推奨される混合比率は、インスタント食品と共に供給される、特別なスクープのような供給者固有量において表現される。これらのスクープは、混合比率が、多数のスクープ、例えば、2スクープの水毎に1スクープのインスタント食品で表現され得るような寸法とされる。結果的に、使用者は、誤差敏感測定又は較正を遂行する必要がない。推奨量のスクープを投与すれば十分である。あらゆるインスタント食品種類は、異なる組成、密度、特殊質量、及び/又は、栄養濃度を特色とし得るので、付随するスクープの寸法は、相応して異なり得る。故に、各供給者は、インスタント食品の特殊容積又は質量に対応する、その独自の特殊寸法を備える、その独自のスクープを有する。この容積又は質量は、国際単位又は他の一般単位で開示されないことが多い。故に、本発明に従った装置を使用する場合、異なる種類のインスタント食品が使用されるときにはいつでも、計量分配されるべきインスタント食品の正しい量を装置に教えるために、装置は較正される必要がある。幾つかの較正構成が従来技術において提案されている。
【0003】
例えば、US2005/0178799では、装置製造業者は、市場で入手可能な最も大衆的なインスタント食品に関して、どの量のインスタント食品が供給者固有スクープに対応するかを決定する。この情報は、装置内に事前プログラムされる。所望のインスタント食品種類を入力するために、入力手段が提供される。代替的に、製造業者は、適切な設定が添付された、全ての入手可能なインスタント食品種類を列挙した表を提供し得る。次に、前記設定は、入力手段を介して装置内に入力され得る。
【0004】
この既知の較正構成は、使用者が正しい食品種類及び設定をそれぞれ選択するならば、使用が容易であり、誰でも扱える。しかしながら、インスタント食品種類の使用者の選択は、装置内に事前プログラムされたものに限定される。新しい食品が市場に入るとき、この新しい種類は装置内に現れないか或いは表上にないので、既知の較正構成は使用され得ない。より厄介なことは、既存のインスタント食品種類の組成が変更される状況である。そのような場合には、事前プログラムされる計量分配情報はもはや有効ではないが、変更に無知な使用者は普段通りに較正し、間違った量のインスタント食品が計量分配され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の較正手段が直面した問題が克服され或いは少なくとも軽減されると同時に、その利点が維持された、改良された較正手段を備える上述の種類の装置を提供することが本発明の目的である。より具体的には、新しい或いは一新されたインスタント食品を含むあらゆるインスタント食品のために容易、正確、且つ、誰でも扱える較正を可能にする較正手段を備える装置を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
その目的を達成するために、本発明に従う較正構成は、変換手段と、入力手段とを含み、入力手段は、装置に設定を入力するために配置され、その設定は、装置に正しい量のインスタント食品を計量分配するのに必要な情報をもたらし、変換手段は、特定の種類のインスタント食品のための正しい設定をもたらすよう配置される。較正構成は、変換手段及び入力手段の両者がブランドと無関係に機能する、即ち、インスタント食品のブランド又はある他の名前表示を使用せず或いは参照しない点で特徴付けられる。
【0007】
代わりに、変換手段は、供給者によって処方されるようなインスタント食品の量、例えば、供給者によって与えられる投与指示に従う1回の供給者固有スクープ又は多数のスクープの含有量で充填されるべき測定工具を使用する。
【0008】
本発明の1つの実施態様によれば、測定工具は、装置互換単位、即ち、インスタント食品を計量分配するときに装置によって使用される容積単位又は重量単位で較正され得る。そのような場合には、測定工具によって得られる設定は、例えばキーボードのような適切に構成された入力手段を介して装置内に入力され得る数値である。入力情報は、装置互換単位で表現される供給者固有投与を表すので、装置は、正しい量のインスタント食品を計量分配するのに必要とされる全ての情報を有する。この実施態様を用いるならば、装置は、上記に議論された従来技術較正構成で必要とされたように、如何なる計量分配情報でも事前プログラムされる必要がない。結果的に、較正構成は、既存のインスタント食品に限定されず、その投与速度が変換手段の構成範囲、即ち、測定工具の測定範囲内にあるならば、市場に進入するあらゆる新しい或いは変更された食品種類を取扱い得る。さらに、較正は、極めて正確に、即ち、測定工具が許容する読出し目盛と同じぐらい正確に行われ得る。
【0009】
代替的な実施態様によれば、測定工具は、例えば、文字、数字、又は、絵文字のような記号で較正され得る。各記号は、装置内に事前プログラムされる特定の計量分配値に関連付けられる。入力手段は、測定工具と同じ記号を特色とするよう構成され得ることによって、使用者が変換工具によって提供される構成に対応する記号を選択することを可能にする。新しい又は変更されたインスタント食品種類が市場に進入するときには、変換手段に供給者使用に従ったインスタント食品の量を供給し、対応する記号を読み出せば十分である。使用者に従来的な工具を用いてこの測定操作を遂行させる代わりに、それはインスタント食品の供給者によって遂行され得る。供給者は、例えば、包装上、使用説明書内、スクープ上、或いは、例えば、インスタント食品と共に供給されるバーコード、チップ等のような、ある他の適切なデータ担体上に設定(記号)を印刷することによって、引き続きこの設定を使用者に連絡し得る。
【0010】
上記の較正構成は、事前プログラムされた計量分配値を使用するが、それは、新しい或いは変更された食品の計量分配特性が装置内に事前プログラムされた計量分配値の範囲内にあるならば、装置を再プログラムする必要なしに、市場に進入する全ての新しい或いは変更された食品を取扱い得る。もちろん、最低及び最大の計量分配量がしばしば使用されないことをこれが意味するとしても、この範囲は必要と信じられるほど大きく選択され得る。
【0011】
本発明の有利な特徴によれば、入力手段は、前記変換手段から設定(値又は記号)を自動的に読み出し且つ装置内に前記設定を入力するよう、読取り手段を備え得る。これは使用の容易性を増大し、(入力)誤差を減少し得ることによって、較正構成を実質的に誰でも扱えるようにする。
【0012】
さらなる詳細において、変換手段の測定工具は、測定カップとして形成され得る。そのような測定カップを用いるならば、装置は容積測定単位で直ちに較正され得ることによって、インスタント食品が容積制御に基づき計量分配されることを可能にする。計量分配装置の容積計量分配特性、即ち、計量分配動作毎に計量分配される容量は、一般的には、あらゆるインスタント食品種類のために同じである。例えば、特定のオーガの1回転は、あらゆる種類のインスタント食品のために実質的に同じである特定容量のインスタント食品を計量分配する。結果的に、前記容積計量分配特性が決定されるや否や、計量分配作用、例えば、計量分配装置の回転の数を単に制御することによって、如何なる所望の容積も計量分配することが可能である。センサは必要とされない。従って、計量分配構成は、比較的単純、低価格でありながら、正確であり得る。
【0013】
本発明は、さらに、水及びインスタント食品から飲料を調製するための装置に関し、装置は、本発明に従った較正手段と協働するよう構成される。より具体的には、装置は、本発明に従った変換手段と協働し得る適切な入力手段を備え得る。
【0014】
本発明の他の特徴によれば、装置は、調製される飲料を受容するために使用される容器を認識するための認識手段を備え得る。そのような容器は、例えば、乳児ボトル、紅茶又は珈琲カップ、魔法ビン等であり得る。その場合には、装置は、例えば、容器の高さのような位置、又は、調製される飲料の量を調節し得る。
【0015】
容器は、認識プロセスを促進し得る識別手段を備え得る。識別手段は、装置がそれに基づきその調製プロセスに適合し得るさらなる情報を含み得る。
【0016】
本発明に従った較正構成のさらなる有利な実施態様及びそれを備える装置が、従属項中に示され、本発明の例示的な実施態様が付属図面を参照して記載される以下の記載から明瞭になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に従った飲料調製装置の一般的な構成を示す概略図である。
【図2】本発明に従った一組の協働する較正手段を示す概略図であり、変換入力手段を表している。
【図3】本発明に従った一組の協働する較正手段を示す概略図であり、変換工具を表している。
【図4】他の組の協働する較正手段を示す概略図である。
【図5】他の組の協働する較正手段を示す概略図である。
【図6】識別手段を備える一連の容器、具体的には、乳児ボトルの一例を示す概略図である。
【図7】本発明に従った較正構成の他の実施態様を示す概略図である。
【図8】インスタント食品供給ユニットの計量分配比率を供給ユニットの貯槽内のインスタント食品レベルに対して示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この記載において、本発明は、水及び調合乳(フォーミュラ)からミルク、具体的には、乳児ミルクを調製するための装置に関して説明される。しかしながら、本発明は、液体、及び、例えば、薬剤、食品補給剤(サプリメント)、ビタミン等のような少なくとも1つのインスタント食品から飲料を調製するための他の機器にも適用可能である。インスタント食品は、様々な形態で、例えば、粉末形態、研削状態、又は、顆粒形態で供給され得る。
【0019】
図1に従った装置1は、水供給ユニット2と、調合乳供給ユニット3と、所望比率に従った水及び調合乳の供給を制御するための制御ユニット4と、供給される水及び調合乳を混合するための混合ユニット5とを含む。
【0020】
水供給ユニット2は、水槽7又は水幹線から所定量の水を計量分配するための第一計量分配装置6を含み得る。さらに、バクテリアのような望ましくない微生物を除去し或いは不活性化するために、処理区域8が提供され得る。処理区域8は、例えば、水を殺菌する加熱手段9、1つ又はそれよりも多くのフィルタ、(UV−)放射線源、電気パルス発生器、及び/又は、化学処理手段を含み得る。さらに、水を所望温度に至らせるために、加熱及び/又は冷却手段9,11が設けられ得る。
【0021】
調合乳供給ユニット3は、貯槽12と、貯槽12から調合乳を計量分配するための第二計量分配装置14とを含み得る。第二計量分配装置14の計量分配作用は、例えば、容量制御或いは重量制御され得る。後者の場合には、実際の計量分配重量を検証するために、重量センサが設けられ得る。容量に対して制御されるとき、計量分配される容量は、あらゆる調合乳毎に実質的に同じである、即ち、調合乳種類と実質的に無関係である。従って、計量分配作用毎に計量分配される容量は、1つの種類の調合乳のために、使用前に決定され得る。結果的に、全ての他の種類の計量分配は、センサを必要とせずに制御され得る。
【0022】
第二計量分配装置14は、例えば、貯槽12の出口開口13付近に配置されるオーガを含み得る。貯槽12は、例えば、その内容が参照によってここに組み込まれる、本出願人の“Apparatus for preparing baby milk from instant formula”と題する欧州特許出願第06114225.3中に記載され且つ図示されるように、実質的に一定な調合乳の供給をオーガに提供するために、撹拌手段及び/又は掻取り手段(図示せず)を備え得る。本出願人は、そのような構成を用いることで、各オーガ回転で計量分配される容量は、あらゆる調合乳のために正に実質的に類似することを発見した。よって、計量分配される容量は、オーガ回転の数を制御することによって、例えば、エンコーダを用いて、例えば、前記回転を計数することによって、或いは、所定時間の間に所定速度でオーガを回転させることによって制御され得る。もちろん、他の計量分配構造も実現可能である。第二計量分配装置14は、例えば、ピストン又は吸引手段を含み得る。
【0023】
混合ユニット5は、水及び調合乳を混合するための適切な混合手段を備える、装置1内の混合室を含み得る。代替的に、混合は、装置1の外側で、例えば、乳児ボトル30内で行われ得る。
【0024】
そのような乳児ボトル30、又は、より一般的には、調製飲料を受容するための容器は、様々な形状及びサイズで供給されるので、装置1は、様々容器を認識する認識手段を備え得る。そのような認識手段のお陰で、例えば、装置1に適切な混合ルート及び/又は認識される容器の形状及び/又はサイズに適する混合手段を選択させることが可能であり得る。代替的に、装置1は、問題の容器30が注文された量の飲料を保持するのに十分な大きさであるか否かを検証し得る。また、例えば、容器の位置を調節するために、容器指示手段を調節することが可能である。例えば、容器30は、その充填開口を装置1の排出開口の直ぐ下に位置付けるよう下げられ或いは持ち上げられ得る。
【0025】
認識を促進するために、ボトル30は、図8に示されるような、識別手段32を備え得る。識別手段32は、ボトルの供給者によってボトル30上に設けられ得るが、代替的に、使用者が彼の選択する1つ又はそれよりも多くの容器に取付け得る別個の素子として、装置1と共に設けられ得る。識別手段32は、例えば、標識、記号、浮出し、バーコード、RFタグ、チップ、又は、類似物を含み得るが、全ての場合において、そのサイズ、形状等のような容器に関する情報を含み得る。一例が図8中に示されており、そこでは、識別手段32は、容器の底部に設けられる多数の実質的に同一のノッチを含む。数は容器の高さと共に増大し、よって、前記高さに関する情報を提供する。
【0026】
認識手段32が識別手段32を位置付けるのを助けるために、前記識別手段は、好ましくは、明確な場所の上に提供される。適切な場所は、例えば、前述されたように、ボトル30の底部である。何故ならば、ボトルがどのような形状又はサイズを有するとしても、底部は常に容易に局所化され得るからである。識別手段32の種類に依存して、識別手段は、無接触であってもなくてもよい。認識手段は、例えば、光学、電子、及び/又は、磁気センサを含み得る。
【0027】
上記認識手段及び識別手段は、それらの用途において、本発明に従った装置に限定されず、有利に、容器が流体で充填されるべき如何なる装置、具体的には、容器が乳児ボトルであり得る乳児ミルクを調製するための装置にも適用され得る。
【0028】
制御ユニット4は、使用者が、例えば、可能であれば、供給されるべき幼児の体重、年齢、及び/又は、供給スキームに関連して、調製されるべき飲料の量や、消費温度、使用されるべき成分、それらの濃度、安全警報を引き起こすための閾値、較正支持情報等のような使用者の個人的な好みに関する情報を入力し且つ記憶することを可能にするために、メモリ16と、キーボード、タッチスクリーン、及び/又は、ダイアルのようなユーザーインターフェース18とを含み得る。この情報は、装置1内に事前プログラムされ得るし、且つ/或いは、具体的なセッションの前に使用者によって入力され得る。
【0029】
装置1は、さらに、異なる種類の調合乳のための装置1の較正を可能にするために、本発明に従った較正構成10の一部を備える。較正構成10は、調合乳固有計量分配情報を装置互換計量分配情報に変換するための変換手段15と、変換された情報を装置1内に入力するための入力手段20とを含む。入力手段20は、例えば、図1に示されるように、制御ユニット4のユーザーインターフェース18の一部を形成し得る。
【0030】
1つの実施態様によれば、変換手段15は、図3に示されるように、測定カップ24を含み得る。測定カップは管形状であり得るし、好ましくは、充填を容易化するために、漏斗形状開放端部を含む。管状部分24は目盛25を備える。目盛りの個々の等級は記号で印され、所与の実施態様では、文字A−Hで印されている。各記号は、装置互換単位で制御ユニット4内に事前プログラムされた特定容量を示す。入力手段20は、一連の使用者調節可能な設定22を含み、それらは、図2に示されるように、同じ記号A−Hで印されている。
【0031】
較正は、以下のように遂行され得る。新しい種類の調合乳を使用するとき、使用者は、特定量の調合乳で測定工具15を充填するよう指示される。この量は、数回のスクープ(ケース1)として或いは調合乳供給者によって処方される特定の量の水毎の数回のスクープ(ケース2)として特定され得る。いずれの場合においても、使用されるべきスクープは、調合乳供給者によって提供されるようなスクープである。
【0032】
次に、使用者は、変換手段15内の調合乳レベルに対応する等級を読み出し、対応する設定22を選択することによってこの情報を装置1内に入力することが求められる。
【0033】
調合乳量が数回のスクープとして特定されるケース1の場合には、装置1は1回のスクープの量を知る。較正を完了するために、混合昼値が入力される必要がある。この混合比率は、例えば、(水及び調合乳の)スクープとして表現されて調合乳の包装に印刷され得る。代替的に、水量は、mlのような従来的な容積測定単位で表現され得る。この混合比率を装置1内に入力するために、ユーザーインターフェース18は、図2に示されるような第二入力手段26を備え得る。第二入力手段の選択可能な設定は、事前プログラムされる混合比率に対応する。もちろん、他の実施態様も可能である。
【0034】
ケース2の場合には、較正を完了する2つの選択肢がある。特定量の水が装置1によって処方され、その場合には、混合比率は使用者によって投与される調合乳の量に含まれるので、追加情報は必要とされない。或いは、使用者は、調合乳供給者によって調合乳包装上に処方される特定量の水に対応する調合乳量を投与するよう指示され得る。装置1はこの特定量の水を知らないので、較正を完了するために、この情報は入力される必要がある。再び、この目的のために、適切な第二入力手段が設けられ得る。
【0035】
供給者のスクープの量が決定され得る精度を増大するために、使用者は、例えば、投与又は読出しにおける不正確性が平均化されることを可能にするよう、1回よりも多くのスクープで測定装置15を充填するよう指示され得る。
【0036】
精度をさらに一層増大するために、使用者は、調合乳の代わりに水で測定工具15を充填するよう指示され得る。平坦な水レベル(水位)は、ありがちな不規則な調合乳レベルよりも正確に読み出され得る。その上、それは調合乳の損失及び/又は較正中の溢れに起因する装置1の汚染を防止する。
【0037】
使用者に測定カップ24を充填させ且つレベルA−Hを読み出させる代わりに、この測定は、それぞれの調合乳種類の供給者によって遂行され得る。その場合には、彼らは、調合乳の包装上に関連する設定A−Hを印刷し、それによって、前記包装を本発明に従った変換手段に転換し得る。
【0038】
各設定A−Hは、供給者の1回のスクープの量を表し得る。これは上記に議論されたケース1と同等である。較正を完了するために、使用者は、包装上に列挙される設定に加えて、所望の変換比率を入力しなければならない。代替的に、設定A−Hは、混合比率を表し得る。較正を完了するために、その場合には、使用者は、設定A−Hを入力すれば十分である。両方の場合において、使用者の関与は最小限化され、それは誰でも扱える較正ルーチンを可能にする。また、使用者に提供される設定A−Hは、常に最新である。何故ならば、調合乳の組成が変更されるや否や、供給者は、新しい設定を決定するよう調合乳を再較正し、相応して包装上の情報を調節するからである。
【0039】
もちろん、設定情報A−Hは、包装以外の他の担体(carrier)、例えば、スクープ、使用説明書にも適用され得るし、或いは、バーコード、チップ、RFタグ、又は、類似物においても適用され得る。後者の場合には、入力手段は、前記記憶される設定情報を読み出し得る自動読取り手段を含み得る。結果的に、較正は殆ど自動的に行われ得る。使用者は、スクープ又は包装を読取り手段の読取り範囲内に保持すれば十分である。
【0040】
図4及び5は、本発明に従った代替的な較正構成10を示している。同等の構成部品は、100だけ増分された同等の参照番号で指し示されている。この実施態様では、変換手段115は、測定管124を含み、それは図3に示されるものと同等であるが、目盛りを備えない。入力手段120は、測定管124を積極的に取り付けるための治具(jig)と、容積測定単位に匹敵する装置内の前記管124の充填レベルを自動的に読み出すための読取り手段123とを含む。読取り手段123は、例えば、高さセンサを含み得る。
【0041】
使用者に対する較正指示は、図2及び3の較正構成10を参照して記載されたものと類似し得る。即ち、使用者は、装置101が1回のスクープの量を決定し得るよう、1回又は数回のスクープで管124を充填するよう指示され得る。較正を完了するために、その場合には、使用者は、スクープで表現される所望の混合比率を入力し得る。代替的に、使用者は、混合比率に従って特定量の水のために必要とされる混合乳の量で管124を充填するよう指示され得る。そこでは、この水の量は、装置によって或いは調合乳供給者によって特定され得る。後者の場合には、使用者は、混合比率が決定されるのを可能にするために、装置101内にこの値を入力する必要がある。もちろん、その目的を達成するために、装置101は、適切な入力手段を備え得る。
【0042】
図7は、図1の装置中で使用され得るインスタント食品供給ユニット203と、本発明に従った較正構成210の実施態様を示している。同等の構成部品は、200だけ増分された同等の参照番号で指し示されている。インスタント食品供給ユニット203は、貯槽212と、貯槽から所望量のインスタント食品を計量分配するための計量分配装置214とを含む。計量分配装置214は、例えば、オーガ又はスクリュフィーダを含み得る。較正構成210は、変換手段215、具体的には、貯槽212と、入力手段220、具体的には、秤量ユニット215とを含む。
【0043】
秤量ユニット215は、供給ユニット203、即ち、貯槽212及び計量分配装置214の重量を測定するよう構成される。代替的に、秤量ユニット215は、貯槽212のみの重量を測定するよう構成され得る。秤量ユニット215は、例えば、ロードセル(load cell)のような、如何なる適切な力変換器(force transducer)をも含み得る。好ましくは、秤量ユニット215は、過装填から保護される。これは、例えば、変形が特定限界値に達したときにロードセルのさらなる変形を阻止するストッパ(図示せず)を用いて機械的に達成され得る。
【0044】
使用中、供給ユニット203の重量は、インスタント食品が貯槽212に加えられ且つ/或いはそこから計量分配されるに応じて変化する。貯槽212及び計量分配装置214の重量は変化しない。秤量ユニット215は、インスタント食品によって引き起こされる重量変化だけを測定するよう、この死重量のために較正され得る。
【0045】
上記の較正構成210を用いるならば、装置1は二段階で較正され得る。第一段階において、装置1は、インスタント食品の1回のスクープの重量を知らされる。この重量は、インスタント食品の供給者によって特定され得る。そのような場合には、重量情報は、例えば、ユーザーインターフェース18を介して、手動で装置1内に簡単に入力され得る。代替的に、1回のスクープの重量は、使用者にインスタント食品のスクープを貯槽212内に加えさせることによって、較正構成210の助けを受けて決定され得る。結果として得られる重量の増大は、秤量ユニット215によって測定され得る。精度を増大するために、この較正段階は、互いに直ぐ後に或いは特定の時間間隔で、2回以上反復され得る。代替的に或いは追加的に、使用者は、較正構成210がより正確であり得る平均スクープ重量を計算することを可能にするよう、数回のスクープを追加するよう指示され得る。スクープの数は、事前決定され得るし、或いは、較正構成210自体によって決定され得る。後者の選択肢は、以下のように実現され得る。構成210は、各スクープによって引き起こされる重量の増大のような段階を計数することによってスクープの数を計数する計数器を備え得る。次に、あらゆるスクープを用いて、スクープ毎の平均重量が再計算される。さらに、前記平均重量の周りの偏差が計算される。一般的には、この偏差はスクープの数が増大するのに応じて減少する。この偏差が特定の事前設定値より下に降下するとき、較正構成210は、使用者にスクープを追加することを停止するよう指示し得る。このようにして、第一較正段階が、特定レベルの精度で遂行されることが保証される。
【0046】
第二較正段階では、計量分配装置214の計量分配速度が決定され、それは、例えば、もし計量分配装置214がオーガ又はスクリュフィーダを含むならば、ターン(即ち、回転)毎の特定の計量分配重量で表現され得る。計量分配速度は、使用者に十分なインスタント食品で貯槽212を充填させることによって決定され得る。次に、スクリュフィーダ214は、特定数の回転、例えば、30回転のために動作される。秤量ユニット215は、付随する貯槽212の重量損失を記録する。これらのデータを用いて、回転毎の重量が計算され得る。スクープ毎の重量(段階1)及び計量分配装置214の計量分配速度(段階2)が既知となるや否や、スクープ毎の計量分配のために必要とされる回転の数が決定され得る。もちろん、もし第二計量分配装置214が、例えば、ピストン−シリンダ又は吸引手段のような異なる計量分配手段を含むならば、この第二較正段階は相応して適合され得る。そのような場合には、ピストンは、例えば、特定距離に亘って変位され得るし、或いは、吸引手段は、特定量の時間の間に動作され得る。引き続き、計量分配された量のインスタント食品が秤量され、動作パラメータ(即ち、それぞれピストン変位及び動作時間)に相関され得る。
【0047】
所望であれば、第二段階は、幾分標準的なインスタント食品のために、供給ユニット203又は装置の製造業者によって遂行され得る。次に、(動作パラメータ毎の重量又は質量で表現される)この段階の結果は、装置1内に事前設定される。この事前設定値は(問題のインスタント食品の密度に依存して)食品固有であるので、前記設定は、あらゆるインスタント食品のために正確であり得ない。しかしながら、殆どの場合には、それは合理的な第一近似をもたらす。秤量ユニット215に第一計量分配セッション中の重量の実際の減少を測定させることによって、事前設定工場設定は、次の計量分配セッションのためのより正確なもので矯正され得る。もちろん、インスタント食品の密度特性は、例えば、貯槽212がより空になることで、或いは、貯槽212内の湿度が変化することで、時間と共に僅かに変化し得るので、そのような矯正は、あらゆる後続のセッションのために起こり得る。同じ理由のために、そのような矯正は、第二較正段階が工場作成ではなく、以下に記載される方法で、家で、使用者の場所で遂行される場合にも起こり得る。
【0048】
正確な較正の他に、図7に従った構成210は、幾つかの他の利点をもたらす。1つには、この構成210を用いるならば、どの量のインスタント食品が実際に計量分配されるかを検証することが可能である。これは、飲料が特定の栄養値を保有する或いは特定量の薬剤を保有することが意図される場合には、かなり重要であり得る。もし実際の計量分配値が標的値から逸脱するならば、使用者は知らされ得る。追加的に(或いは代替的に)、後続セッションのために計量分配されるべき量は、前の過大投与又は過小投与を補償するために調節され得る。
【0049】
さらに、秤量ユニット215は、計量分配装置214が、所望量のインスタント食品を計量分配するよう、フィードバックループを介して制御されることを可能にするために、インスタント食品の計量分配量を継続的に監視するよう構成され得る。
【0050】
代替的に、秤量ユニット215は、具体的には、計量分配セッションの直ぐ前及びその直ぐ後、即ち、計量分配装置214が休止しているときに貯槽重量を測定することによって、別個の時間間隔で計量分配量を測定するよう構成され得る。そのような計量の方法は、測定値が計量分配装置214の動力学によって妨げられない、故に、極めて正確であり得るという利点をもたらす。次に、これらの測定データは、例えば、フィードフォワード制御ループを介して次の計量分配セッションのための計量分配装置214の設定を矯正するために使用され得る。
【0051】
好適実施態様によれば、測定される計量分配データは記憶され、傾向を特定するために評価され得る。これらのデータから、例えば、スクリュフィーダ214の回転毎に計量分配される重量又は質量が、図8に示されるように、貯槽212内のインスタント食品のレベルと共に変化することが分かり得る。次に、この情報は、計量分配装置214に所望量のインスタント食品を計量分配させるのに必要なスクリュフィーダの回転の数を予測するために使用され得る。よって、測定データは、計量分配装置214のフィードフォワード制御のための学習曲線として働き得る。1つの計量分配誤差が全ての後続の計量分配作用に影響を及ぼすことを防止するために、フィルタ又は制動機構が含められ得る。それは、例えば、後続の計量分配セッションの間のスクリュ回転の数が2よりも多いスクリュ回転によって互いに異なり得ないことを保証し得る。
【0052】
さらに、秤量ユニット215は、貯槽212が殆ど空であるとき、即ち、インスタント食品重量が特定の最小閾値より下に降下するときを合図し得る。その場合には、ユニット215は、使用者に装置1を再充填するよう指示し得る。別個のレベルの表示器は必要とされない。最小閾値は幾つかの影響を考慮して設定され得る。例えば、(図8に示されるような)前述の傾向から、計量分配装置214を正しく機能させるために、どの最小含有レベルが必要とされるか、例えば、最大含有レベルの10分の1が決定され得る。次に、この最小制御レベルは、装置1が調製し得る最大給仕を調製するために必要とされるインスタント食品の量で増大され得る。代替的に、装置1は、どれぐらいの飲料を使用者が調製することを欲しているかを確認し、それを行うためにどれぐらいのインスタント食品が必要とされるかを計算し、且つ、前記最小含有レベルに加えて、そのような量が存在するかを検証し得る。もし実際の含有レベルが所要レベルよりも下であるならば、使用者は貯槽212を再充填するよう指示され得るし、飲料調製プロセスは貯槽212が実際に再充填されるまで中断され得る。
【0053】
上記されたようなそれぞれの較正構成は、それぞれ少なくとも以下の利点をもたらす。
− 較正は、容量に基づき得る。結果的に、調合乳の計量分配も容量に基づくことができ、センサが不要であるという利点をもたらす。
− 較正は、事前プログラムされた情報を使用することができ、それは、事前プログラムされた情報を変化させずに、様々な調合乳種類の組成及び計量分配特性が変化し得る方法で、ブランドと独立した設定に関連付けられる。
− 較正は極めて簡単に或いは少なくとも使用者側で誤差敏感計算なしに行われ得る。使用者は、せいぜい、装置なしに飲料を調製するときに彼がいずれにせよ行わなければならないであろう動作を遂行することが求められるだけである。
− 較正は、正確に行われ得る。使用者によって遂行されるべき動作は、調合乳の代わりに水を使用することによって、並びに/或いは、偶発的な不正確性が平均化されるよう、使用者に1回ではなく複数のスクープを投与させることによって、増大された精度を有し得る。
【0054】
本発明は、本記載及び図面中に提示される例示的な実施態様に如何様にも限定されない。図示され且つ記載される実施態様の(一部の)全ての組み合わせが、この記載内に組み込まれるべきことが明確に理解され、本発明の範囲内にあることが明確に理解される。その上、請求項によって略述されるような本発明の範囲内で多くの変形が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる種類のインスタント食品のために水及びインスタント食品から飲料を調製するよう構成される装置を較正するための較正構成であって、
前記装置に設定を入力するための入力手段を含み、前記設定は、前記装置に特定のインスタント食品種類の計量分配情報を提供し、それによって、前記装置が適切な量の前記インスタント食品を計量分配することを可能にし、
それぞれのインスタント食品種類のための前記設定を提供するための変換手段を含み、
前記変換手段及び前記入力手段は、ブランドと無関係に機能する、即ち、前記インスタント食品種類又はある他の種類の表示を使用しない或いは言及しないことを特徴とする、
較正構成。
【請求項2】
前記設定は、それぞれの記号によって表され、各記号は、装置互換計量分配単位で前記装置内に事前プログラムされた特定の計量分配量に対応する、請求項1に記載の較正構成。
【請求項3】
前記変換手段は、装置互換計量分配単位で較正される測定カップを含む、請求項1又は2に記載の較正構成。
【請求項4】
前記変換手段は、その目盛が前記それぞれの設定に対応する測定カップを含む、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の較正構成。
【請求項5】
前記変換手段は、例えば、包装、マニュアル、投与工具、チップ、バーコード、RFタグ、又は、前記インスタント食品と共に供給されるある他の用具のようなデータ担体を含み、前記データ担体は、前記インスタント食品のための適切な設定を備える、請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の較正構成。
【請求項6】
前記入力手段は、前記変換手段から設定を自動的に読み出すための読取り手段を含む、請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の較正構成。
【請求項7】
前記設定によって提供される前記計量分配情報は、容積制御された計量分配を可能にするために、容積測定単位で表現される、請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の較正構成。
【請求項8】
前記変換手段は、インスタント食品貯槽を含み、前記入力手段は、前記貯槽に追加される或いは前記貯槽から計量分配されるインスタント食品に引き起こされる前記貯槽の重量の変動を測定するよう較正される秤量ユニットを含む、請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の較正構成。
【請求項9】
前記入力手段は、変化のような段階、具体的には、前記測定される貯槽重量の増大のような段階を識別するための記号処理手段と、前記変化のような段階を計数するための手段とをさらに含む、請求項8に記載の較正構成。
【請求項10】
重量変化のようなあらゆる段階のための平均重量変化、並びに、該平均重量変化付近の変動を計算するための計算手段を含み、それらの計算される変動を閾値値と比較するためのコンパレータをさらに含む、請求項9に記載の較正構成。
【請求項11】
前記秤量ユニットは、前記貯槽重量を継続的に測定するよう構成され、前記測定データは、計量分配装置を制御するようフィードバック制御ループ内で使用され、前記貯槽から所望量のインスタント食品を計量分配する、請求項8乃至10のうちのいずれか1項に記載の較正構成。
【請求項12】
前記秤量ユニットは、インスタント食品の実際の計量分配量を測定するために、計量分配手段が休止しているときに、インスタント食品が貯槽から計量分配される直ぐ前及び後の前記貯槽重量を測定するよう構成され、前記測定データは、計量分配装置に前記貯槽から所望量のインスタント食品を計量分配させるよう、後続の計量分配セッションで使用される、請求項8乃至10のうちのいずれか1項に記載の較正構成。
【請求項13】
前記貯槽内の含有量レベルが所定の値よりも下に降下するときに使用者に合図を送るよう構成される、請求項8乃至12のうちのいずれか1項に記載の較正構成。
【請求項14】
水及びインスタント食品から飲料を調製するための装置であって、
貯槽と、該貯槽からインスタント食品を計量分配するための計量分配装置とを含む、計量分配ユニットと、請求項1乃至13のうちのいずれか1項に記載の入力手段の機能を有し且つ請求項1乃至13のうちのいずれか1項に記載の変換手段と協働するよう構成される入力手段とを含む、
装置。
【請求項15】
乳児ボトルのような、調製される飲料を受容することが意図される容器を認識するための認識手段を含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記認識手段は、前記容器に設けられる識別手段に基づき前記容器を認識するよう設計される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記識別手段は、前記容器に関する情報を含み、前記認識手段は、そのような情報を読み取るよう構成される、請求項16に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−508946(P2010−508946A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535872(P2009−535872)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【国際出願番号】PCT/IB2007/054590
【国際公開番号】WO2008/059432
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】