説明

水含有粉末組成物

a)コアシェル粒子の形での少なくとも1つの粉末、その際コアは、液体水又は液体水性相を含み、かつシェルは疎水性又は疎水化粒子を含み、b)キャリヤー及び b1)少なくとも部分的に水溶性の液体及び/又は b2)水反応性基剤 (それぞれキャリヤー中及び/又はキャリヤー上に位置する)を含有する少なくとも1つの粉末を含む、粉末状の組成物。請求項1に記載の粉末組成物からクリーム状組成物を製造する方法は、圧力、剪断、温度、振動及び/又は溶剤添加の形でのエネルギー入力によって活性化され、その際エネルギー入力は、液体水又は液体水性相をコアシェル材料から放出するために十分であり、液体水又は液体水性相が、実質的に、a)少なくとも部分的に水溶性の液体をキャリヤーから溶解又はフラッシングし、かつ/又はb)キャリヤー中及び/又はキャリヤー上の水反応基剤を活性化し、そして続いてキャリヤーからの活性化によって得られた生成物を溶解又はフラッシングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水含有粉末組成物に、及び該粉末状組成物からクリーム状組成物を製造するための方法に関する。
【0002】
背景技術
高い含水率を有する固体の化粧品配合物、例えばパウダーは、当業者に公知である。いくつかの特許の基礎は、疎水性粉末、例えば疎水性二酸化ケイ素粉末の存在で、水を細かい液滴中に分散し、かつ疎水性材料によって覆い、従って液滴を再結合から妨げることができることについて長く知られている事実である。"ドライウォーター(dry water)"として公知である、高い含水率を有する粉末状の物質は、この方法で形成される(Fine Particles series no. 11 , Evonik Degussa)。"ドライウォーター"を基礎とする化粧品調合物は、Seifen, Fette, Oele, Wachse (SOEFW), 8 (2003)の1〜8頁において記載されている。それらは、皮膚上に塗る場合に液化する易流動性の微粉末である。この原理に基づく、水を含有する、液化可能な粉末組成物は、さらに、いくつかの特許出願及び特許において開示されている。
【0003】
US 4274883号は、湿潤剤3部まで及び水99.9〜5.0部を与えられた場合において、疎水性シリカ0.1〜50部からなる疎水性シリカの水性分散液を開示している。それは、中間工程として、疎水性シリカと、公知の"ドライウォーター相"を有する水とを激しく混合することによって、製造される。前記の場合において、さらに湿潤剤を使用してよく、その場合、"ドライウォーター相"は生じない。疎水性シリカの分散液を、さらなる工程又は材料なしに、ゴムラテックスと混合することができる。
【0004】
DE−A−1467023号は、ドライウォーターの配合のために、純水の代わりに化粧品成分を含有する水溶液の使用を開示している。
【0005】
EP−A−1206928号は、疎水性粒子で被覆された水性ゲルコアを含有する水含有粉末組成物を開示してる。
【0006】
JP 2000−309505号は、少なくとも60m2/gの比表面積を有する疎水性シリカ2〜20質量%及び水中油型エマルション組成物を含む塗布剤によって液体化されている化粧品粉末を開示している。
【0007】
EP−A−1235554号は、水を取り込む疎水的に被覆されたシリカ粒子及び水溶性ポリマーを含有する化粧品又は医薬品の粉末−液体組成物を開示しており、その際該組成物は油1%未満を含有する。
【0008】
EP−A−1386599号は、疎水瀬粉末及び水性成分を、中空容器中に装填してそれらの中で疎水性の閉じ込められた空間を形成し、続いて疎水性中空容器中で高速で撹拌して細かい水性液滴を形成し、そして細かい水性液滴の表面を疎水性粉末で均一に吸収させることを含む、疎水性粉末で被覆した水性成分からなるドライウォーターを製造して、使用時に塗布剤で液化できる粉末状態を形成するための方法を開示している。
【0009】
WO 01/85138号A2は、封入システム中に少なくとも5質量%の水を有する水性液体のコアを含む封入システム、及び安定な封入した粒子を形成するためのコアを覆う封入剤を開示しており、その際封入剤は、コアと接触しコアを覆う少なくとも1つの疎水性粒子の相を含み、コア及び疎水性粒子は、体積加重平均粒径0.05〜25マイクロメートルを有する封入されるシステムを提供し、封入された粒子少なくとも25%は、球状であり、かつそれ自体質量を支持する。
【0010】
EP−A−855177号は、少なくとも80m2/gの比表面積及び少なくとも50%の疎水化の程度を有する0.1〜7質量%のシロキシル化シリカ、5〜40質量%の多価アルコール、50〜94質量%の水及び0.01〜5質量%の白化成分を含む、白化粉末を開示している。
【0011】
WO 2005/058256号は、水50〜95質量%、疎水化二酸化ケイ素粉末、少なくとも1つの化粧品関連活性成分、又は水溶性であり、又は水性媒体中に分散もしくは乳化されてよい添加剤、及び粘度調整剤を含有する、クリーム状又はペースト状の粘稠度の化粧品配合物を開示している。前記は、少なくとも1つの化粧品関連活性成分の溶液又は分散液に、疎水化二酸化ケイ素粉末を撹拌しながら連続的に添加することによって製造され、混合は、ペースト状の粘稠度が得られるまで続けられる。
【0012】
先行技術は水の封入の様な概念を含むが、この概念の問題は、添加特性、例えば添加剤の極性及び鎖長に依存する1〜3質量%の安定した粉末の範囲を維持する場合に添加されうる添加剤の量である。調合物を添加剤0〜30質量%に制限すること、及び添加剤を制限することは、元の概念の実現性を減らす。ガイダンスでさえ、この概念を使用して試された工業は、種々の添加剤又は添加剤量に関する宣言を克服するために使用することができる。
【0013】
発明の詳細な説明
従って、本発明の目的は、前記の困難性を克服する概念を提供することである。前記概念は、化粧品の目的を制限しないが、しかし他の産業、例えばパーソナルケア又は家庭用ケア中への導入を可能にもする。
【0014】
本発明は、
a)コアシェル粒子の形での少なくとも1つの粉末、その際コアは、液体水又は液体水性相を含み、かつシェルは疎水性又は疎水化粒子を含み、
b)キャリヤー及び
b1)少なくとも部分的に水溶性の液体及び/又は
b2)水反応性基剤
(それぞれキャリヤー中及び/又はキャリヤー上に位置する)
を含有する少なくとも1つの粉末
を含む、粉末状の組成物を提供する。
【0015】
水溶性の液体及び水反応性基剤は、キャリヤーに、毛管現象/吸収/吸着によって可逆的に結合され、かつ部分的に又は完全に、液体水又はコアシェル粒子の液体水溶性相によって、キャリヤーからフラッシュ又は溶解させることができる。キャリヤー自体は、水溶性又は水溶性ではなくてよい。
【0016】
本発明による組成物の一部としてのコアシェル粒子は、液体水又は液体の水性相を含む粉末化材料を言うが、しかし個々の水液滴の凝集は、疎水性又は疎水化粒子のシェルによって妨げられる。シェルは、圧力、剪断、温度、振動及び/又は1つ以上の溶剤もしくは1つ以上の界面活性剤の添加によって活性化される場合に、液体水性相又は液体水をコアから放出することができる。コアシェル粒子の種類は、"ドライウォーター"として公知である。水性相は、水性溶液、水性分散液又は水性エマルションであってよい。
【0017】
疎水性粒子は、それ自体疎水性粒子であると解されるのに対し、疎水化粒子は、親水性粒子の表面と疎水性表面改質剤との反応によって得られたものである。通常、共有結合は、粒子の表面での反応基、例えばヒドロキシル基と、表面改質剤の反応基との間で形成される。
【0018】
一般に"疎水性"は、単に小さいか、又は水との相互作用がなく、かつ水との親和性が0以下であることを意味する。メタノール湿潤性は、疎水性の量的測定として使用されてよい。本発明のシェル粒子は、少なくとも40、有利には50〜80、より有利には60〜70のメタノール湿潤性を有するべきである。メタノール湿潤性の測定のために、それぞれの場合において、疎水性又は疎水化粒子の0.2g(±0.0005g)が、透明な遠心管中に秤量される。メタノール10、20、30、40、50、60、70又は80体積%を有するメタノール/水混合物8.0mlを、それぞれの試料に添加する。管を30秒間振盪し、そして2500分-1で5分間遠心した。メタノール湿潤性を、沈降体積が100%であるメタノールの体積パーセントとして定義した。数が大きくなればなるほど、疎水性は高くなる。
【0019】
本発明において使用可能なコアシェル粒子の疎水性又は疎水化シェルは、例えば無機粉末、例えばタルク、カオリン、雲母、セリサイト、ドロマイト、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、フッ素リン灰石、ヒドロキシアパタイト、チタニア、フュームドチタニア、アルミナ及びフュームドアルミナを含む。
【0020】
三次元ネットワーク、凝集構造を形成するこれらの疎水化シリカ粒子の中では、好ましいシェル材料である。シリカは、沈降シリカ又はフュームドシリカであってよく、後者が好ましい。フュームドシリカは、火炎加水分解又は火炎酸化法で得られる。その純度は、99質量%より高く、通常99.8質量%より高い。フュームドシリカは、通常、凝集一次粒子の三次元ネットワークを形成する。フュームドシリカの一次粒子は、それらの表面でヒドロキシル基を有し、かつ無孔である。
【0021】
沈降シリカ及びフュームドシリカ粒子、並びにシェル粒子として適している他の粒子は、続く工程で疎水化される必要がある親水性粒子である。この工程のための方法は、当業者に公知である。
【0022】
適した表面改質剤は、次のシランであってよく、個々に又は混合物として使用されてよい。
オルガノシラン (RO)3Si(Cn2n+1)及び(RO)3Si(Cn2n-1) [式中、R=アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチルであり、n=1〜20である]
オルガノシラン R’x(RO)ySi(Cn2n+1)及びR’x(RO)ySi(Cn2n-1) [式中、R=アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチルであり、R’=アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチルであり、R’=シクロアルキルであり、n=1〜20であり、x+y=3であり、x=1,2であり、y=1,2である]
ハロオルガノシラン X3Si(Cn2n+1)及びX3Si(Cn2n-1) [式中X=Cl、Brであり、n=1〜20である]
ハロオルガノシラン X2(R’)Si(Cn2n+1)及びX2(R’)Si(Cn2n-1) [式中、X=Cl、Brであり、R’=アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチルであり、R’=シクロアルキルであり、n=1〜20である]
ハロオルガノシラン X(R’)2Si(Cn2n+1)及びX(R’)2Si(Cn2n-1) [式中、X=Cl、Brであり、R’=アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチルであり、R’=シクロアルキルであり、n=1〜20である]
オルガノシラン (RO)3Si(CH2m−R’ [式中、R=アルキル、例えばメチル、エチル、プロピルであり、m=0〜20であり、R’=メチル、アリール、例えば−C65、置換されたフェニル基、C49、OCF2−CHF−CF3、C613、OCF2CHF2、Sx−(CH23Si(OR)3である]
オルガノシラン (R’ ’)x(RO)ySi(CH2m−R’ [式中、R’ ’=アルキル、x+y=3であり、シクロアルキル、X=1、2、y=1、2であり、m=0.1〜20であり、R’ ’=メチル、アリール、例えば−C65、置換されたフェニル基、C49、OCF2−CHF−CF3、C613、OCF2CHF2、Sx−(CH23Si(OR)3、SH、NR’R’ ’R’ ’ ’[式中、R’=アルキル、アリールであり、R’ ’=H、アルキル、アリールであり、R’ ’ ’=H、アルキル、アリール、ベンジルである]、C24R’ ’ ’ ’R’ ’ ’ ’ ’[式中、R’ ’ ’ ’=Hアルキルであり、R’ ’ ’ ’ ’=H、アルキルである]である]
ハロオルガノシラン X3Si(CH2m−R’ [式中、X=Cl、Brであり、m=0〜20であり、R’=メチル、アリール、例えばC65、置換されたフェニル基、C49、OCF2−CHF−CF3、C613、OCF2CHF2、Sx−(CH23Si(OR)3[式中、R=メチル、エチル、プロピル、ブチルであり及びX=1又は2である]、SHである]
ハロオルガノシラン RX2Si(CH2mR’ [式中、X=Cl、Brであり、m=0〜20であり、R’=メチル、アリール、例えばC65、置換されたフェニル基、C49、OCF2−CHF−CF3、C613、O−CF2−CHF2、−OOC(CH3)C=CH2、−Sx−(CH23Si(OR)3[式中、R=メチル、エチル、プロピル、ブチルであり及びX=1又は2である]、SHである]
ハロオルガノシラン R2XSi(CH2mR’ [式中、X=Cl、Brであり、m=0〜20であり、R’=メチル、アリール、例えばC65、置換されたフェニル基、C49、OCF2−CHF−CF3、C613、O−CF2−CHF2、−Sx−(CH23Si(OR)3[式中、R=メチル、エチル、プロピル、ブチルであり及びX=1又は2である]、SHである]
シラザン R’R2SiNHSiR2R’、[式中、R、R’=アルキル、ビニル、アリールである]
環状ポリシロキサンD3、D4、D5及びそれらの同族体、その際D3、D4及びD5は、−O−Si(CH32のタイプの3、4又は5単位を有する環状ポリシロキサンを意味し、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサン=D4である
Y−O[[−SiRR’−O]m−[SiR’ ’R’ ’ ’−O]nu−Yのタイプのポリシロキサン又はシリコーン油、[式中、R=アルキルであり、R’=アルキル、アリールであり、R’ ’=アルキル、アリールであり、R’ ’ ’=アルキル、アリールであり、Y=CH3、H、Cz2z+1[式中、z=1〜20である]、Si(CH33、Si(CH32H、Si(CH32OH、Si(CH32(OCH3)、Si(CH32(Cz2z+1)、及びz=1〜20であり、m=0、1、2、3、...であり、n=0、1、2、3、...である]である。
【0023】
表面改質剤として、次の化合物が好ましくてよい:オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ジメチルポリシロキサン、ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン。特に好ましくは、ヘキサメチルジシラザン、オクチルトリエトキシシラン及びジメチルポリシロキサンを使用することが可能である。
【0024】
本発明による粉末状組成物のシェル粒子は、有利には30m2/g〜500m2/g、より有利には100m2/g〜350m2/gのBET表面積を有する疎水化シリカ粒子であってよい。表面改質剤との反応によって、これらの粒子は、炭素の0.1〜15質量%、通常0.5〜5質量%を含有してよい。
【0025】
シェル材料として使用されてよい典型的な例は、
AEROSIL(登録商標)R104(オクタメチルシクロテトラシロキサン;150m2/g;55)、
AEROSIL(登録商標)R106(オクタメチルシクロテトラシロキサン;250m2/g;50)、
AEROSIL(登録商標)R202(ポリジメチルシロキサン;100m2/g;75)、
AEROSIL(登録商標)R805(オクチルシラン;150m2/g;60)、
AEROSIL(登録商標)R812(ヘキサメチルジシラザン;260m2/g;60)、
AEROSIL(登録商標)R812S(ヘキサメチルジシラザン;220m2/g;65)、
AEROSIL(登録商標)R8200(ヘキサメチルジシラザン;150m2/g;65)
である。ちなみに、表示は、表面改質剤、本明細書において得られる方法によって測定されたおよそのBET表面積及びおよそのメタノール湿潤性を言う。
【0026】
特に有用なシェル粒子材料は、BET表面積270〜330m2/gを有する親水性フュームドシリカ粒子とヘキサメチルジシラザンとの反応によって得られた疎水化シリカ粒子である。得られた疎水化シリカ粒子は、BET表面積200〜290m2/g、炭素含有率2〜4質量%、及び少なくとも50、より好ましくは50〜70のメタノール湿潤性を有する。
【0027】
圧縮された形で又は顆粒として、疎水化フュームドシリカ粒子を使用することも有益であってよい。
【0028】
議論されるべきコアシェル粒子の他の部分は、コアである。コアは、それ自体液体水の形で、又は液体水溶液、液体水を含有するエマルションとして、又は水性分散液として、液体水を含む。液体水溶液又はエマルションの場合に分散した又は乳化した材料、又は水性分散液の場合に固体材料が、コアの表面張力を著しく低減せず、シェルの疎水性又は疎水化粒子の湿潤性も引き起こさない。液体水溶液に関して、これは、溶解した材料の10質量%未満、有利には3質量%以下を含まない。
【0029】
コアは、それらがコアの表面張力を低減せず、又はシェルの疎水性もしくは疎水化粒子の湿潤性を生じない限り、典型的に、使用されてよい化粧品、パーソナルケア又は家庭の分野において使用される化合物の10質量%までを含有する液体水性相からなってよい。典型的な例は、少なくとも部分的に水溶性の液体及び/又は水反応性基材を含有するキャリヤーと共に議論される。
【0030】
コアシェル粒子の含水率は、通常、コアシェル粒子に対して、75〜95質量%の範囲である。
【0031】
本発明による粉末状組成物は、少なくとも1つの他の粉末からなるコアシェル粒子に近い粉末からなり、それぞれキャリヤー中及び/又はキャリヤー上に位置する少なくとも部分的に水溶性の液体又は水反応性物質を含有するキャリヤーと定義される。
【0032】
水溶性の液体は、コアシェル粒子が、圧力、剪断、温度、振動及び/又は1つ以上の溶剤もしくは1つ以上の界面活性剤の添加によって活性化される場合に、完全に又は部分的に、コアシェル粒子のコア材料によってキャリヤーからフラッシュ又は溶解されることができる。これは、水溶性の液体が、部分的に又は完全に、水又はコアの水性相によってキャリヤーから溶解されることを意味する。又は、水溶性の液体が、部分的に又は完全に、水又はコアの水性相によってキャリヤーからフラッシュされることができる。
【0033】
同様に、水反応性基材のために適用する。水反応性基材は、水に溶けず、又は少量のみが溶ける材料である。水又は水性相によって活性化される場合に、実質的に又は完全に水溶性である反応生成物に変化する。
【0034】
キャリヤーは、有利には、シリカ、シリカ−金属酸化物、例えばシリカ−アルミナ混合酸化物、シリカ−チタニア混合酸化物、フィロケイ酸塩、デンプン、中空ガラス球、ナイロン、糖、シクロデキストリン及び多糖からなる群から選択される。
【0035】
本発明の特定の一実施態様において、キャリヤーは、フュームドシリカ又は沈降シリカから選択され、その際良好な結果は、親水性の及び疎水化された形で得られる。
【0036】
本発明の他の特定の実施態様において、キャリヤーは、
a)50〜1000m2/g、有利には100〜700m2/g、より有利には150〜500m2/gのBET表面積
b)レーザー回折によって測定された、2〜100μm、有利には3〜20μm、より有利には4〜10μmの粒子サイズd50
c)200〜400、有利には250〜350の、DBP/100gシリカ中でのDBP(ジブチルフタレート)吸収
を有する沈降シリカである。
【0037】
BET表面積は、乾燥後の物質に対して、ISO5794−1、アネックスDによって測定され、粒子サイズd50は、ASTM690−1992によって測定され、かつDBP吸収は、ASTM D 2414によって測定される。
【0038】
沈降シリカの特定のグレードは、400〜500m2/gのBET表面積、4〜6μmの粒子サイズd50、及び300〜350DBP/100gシリカのDBP吸収を有する材料を含む。他の材料も150〜250m2/gのBET表面積、4〜7μmの粒子サイズd50、及び250〜300DBP/100gシリカのDBP吸収を有する。典型的な例は、Evonik Degussa社製のSIPERNAT(登録商標)500 LS及びSIPERNAT(登録商標)22 LSである。
【0039】
少なくとも部分的に水溶性の液体及び/又は反応性基材と、キャリヤーとの質量比は、多数の要因、例えば水溶性の液体の粘度によって、並びに孔サイズ、孔体積及びBET表面積を含むキャリヤーの構造によって決定される。
【0040】
少なくとも部分的に水溶性の液体及び/又は水反応性基材を含むキャリヤーと、コアシェル粒子との質量比は、通常1:1〜1:9である。
【0041】
例えば透過型電子顕微鏡によって測定される、キャリヤー及びコアシェル粒子の平均粒子サイズは、互いに独立して広範囲であってよい。キャリヤーの平均粒子サイズの50〜150%のコアシェル粒子の平均粒子サイズが好ましくてよい。
【0042】
それぞれキャリヤー中及び/又はキャリヤー上の、コアシェル粒子のコア及び/又は少なくとも部分的に水溶性の液体及び/又は水反応性基材の水性相は、UV光保護フィルター、抗酸化剤、湿潤物質、デオドラント、制汗剤活性化合物、生体物質、昆虫忌避活性化合物、漂白剤抗酸化剤、漂白剤、抗菌剤、抗真菌剤、フレーバー、フレグランス、酸、アルカリ、酵素又はそれらの混合物からなる群の少なくとも1つの材料を含む。
【0043】
本発明によるUV光保護フィルターは、室温で液体又は結晶であり、かつ紫外線を吸収でき、長い波長の放射線の形で再度吸収されたエネルギー、例えば熱を放出することができる、有機物質である。UVフィルターは、油溶性又は水溶性であってよい。油溶性物質は、例えば、
− 3−ベンジリデンカンフル及び3−ベンジリデンノルカンフル並びにそれらの誘導体
− 4−アミノ安息香酸誘導体、有利には4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシルエステル、4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−オクチルエステル及び4−(ジメチルアミノ)安息香酸アミルエステル、ケイ皮酸のエステル、有利には4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルエステル、4−メトキシケイ皮酸プロピルエステル、4−メトキシケイ皮酸イソアミルエステル、2−シアノ−3,3−フェニルケイ皮酸2−エチルヘキシルエステル(オクトクリレン)
− サリチル酸のエステル、有利にはサリチル酸2−エチルヘキシルエステル、サリチル酸4−イソプロピルベンジルエステル、サリチル酸ホモメチルエステル
− ベンゾフェノンの誘導体、有利には
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン
2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
− ベンザルマロン酸、有利には4−メトキシベンザルマロン酸ジ−2−エチルヘキシルエステル
− トリアジン誘導体、例えば
2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジン、オクチルトリアゾン、及びジオクチルブタミドトリアゾン
− プロパン−1,3−ジオン、例えば
1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン
である。
【0044】
水溶性物質は、
− 2−フェニルベンジミダゾール−5−スルホン酸、及びアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム及びそれらのグルカンモニウム
− ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、有利には2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸及びその塩
− 3−ベンジリデンカンフルのスルホン酸誘導体、例えば、4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)ベンゾスルホン酸及び2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデンスルホン酸、並びにそれらの塩
である。
【0045】
典型的なUV−Aフィルターは、ベンゾイルメタンの誘導体、例えば、1−(4’−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン1−フェニル−3−(4’−イソプロピルフェニル)−プロパン−1,3−ジオンである。
【0046】
UV−A及びUV−Bフィルターは、混合物で使用されてもよい。特に有利な組合せは、ベンゾイルメタンの誘導体、例えば、ケイ皮酸のエステル、有利には4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルエステル及び/又は4−メトキシケイ皮酸プロピルエステル及び/又は4−メトキシケイ皮酸イソアミルエステルとの組合せで、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン及び2−シアノ−3,3−フェニルケイ皮酸2−エチル−ヘキシルエステル(オクトクリレン)を含む。かかる組合せは、有利には、水溶性フィルター、例えば2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、及びアルキル金属、アルキル土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム及びグルカンモニウムのそれらの塩と合される。
【0047】
挙げられた有機物質に加えて、不溶性光保護顔料、すなわち、それ自体又は疎水化の形での細かい分散金属酸化物粉末、及び塩が、この目的のために可能でもある。適した金属酸化物粉末又は疎水化金属酸化物粉末の例は、二酸化チタン粉末、酸化亜鉛粉末及び/又は元素Si、Ti、Al、Zn、Fe、B、Z及び/又はCeを有するそれらの混合酸化物粉末であってよい。
【0048】
典型的な例は、被覆された二酸化チタン、例えばUV−Titan M212、M262及びX111(Kemira)、AEROXIDE(登録商標)TiO2 P25、PF2、T805及びT817(Evonik Degussa)、Micro Titanium Dioxide MT−150W、MT−100AQ、MT−100SA、MT−100HD、MT−100TV(Tayca)、Eusolex TM T2000(Merck)、Zinc Oxide neutral H&R及びZinc Oxide NDM(Haarmann & Reimer)、並びにZ−Cote及びZ−Cote HP1(BASF)である。
【0049】
分散液、例えばTEGO Sun TAQ 40、疎水化二酸化チタンの40質量%濃度の水性分散液(Evonik Goldschmidt)も、使用することができる。
【0050】
本発明による粉末状組成物のタイプとしての典型的な抗酸化剤は、
− アミノ酸、例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン又はトリプトファン及びそれらの誘導体、
− イミダゾール、例えばウロカニン酸及びそれらの誘導体、
− ペプチド、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシン及びそれらの誘導体、
− カロテノイド、カロテン、アルファ−カロテン、ベータ−カロテン、リコピン及びそれらの誘導体、
− クロロゲン酸及びそれらの誘導体、
− リポ酸及びそれらの誘導体、
− キレート化剤、例えばアルファ−ヒドロキシ−脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、
− アルファ−ヒドロキシ酸、例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸、
− 不飽和脂肪酸及びそれらの誘導体、例えばガンマ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、
− 葉酸及びそれらの誘導体、
− ユビキノン及びユビキノール、並びにそれらの誘導体、
− ビタミンC及び誘導体、例えばアスコルビン酸パルミテート、アスコルビン酸アセテート、
− トコフェロール及び誘導体、例えばビタミンE、ビタミンEアセテート、
− ビタミンA及び誘導チア、例えばビタミンAパルミテート、
− マンノース、及びそれらの誘導体、
− スーパーオキシドジスムターゼ
であってよい。
【0051】
湿潤物質は、エチレングリコール、ブチレングリコール、2,3−ブタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、グルコース、フルクトース、ラクトース、サッカロース、マルトース、マンニトール、マンノース、PEG−4〜PEG−800,例えばPEG−4、PEG−6、PEG−7、PEG−8、PEG−9、PEG−10、PEG−12、PEG−14、PEG−16、PEG−18、PEG−20、ソルビトール、ポリグリセリルソルビトール、尿素、キシリトール、及びそれらの誘導体からなる群から選択されてよい。
【0052】
デオドラント及び制汗薬活性化合物は、
− 収斂金属塩、例えばアルミニウムヒドロクロリド、アルミニウムヒドロキシルアセテート、アルミニウムジルコニウムヒドロクロリド、及び亜鉛塩
− 微生物阻害剤、例えばキトサン、フェノキシエタノール、クロロヘキシジン、グルコネート又は5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)−フェノール
− 酵素阻害剤、例えば
i)クエン酸トリアルキル、例えばクエン酸トリメチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチル、及びクエン酸トリエチル
ii)硫酸ステロール又はリン酸ステロール、例えばレノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロール及びシトステロールの硫酸塩及びリン酸塩
iii)ジカルボン酸及びそれらの誘導体、例えばグルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸及びマロン酸ジエチルエステル
iv)ヒドロキシカルボン酸及びそれらの誘導体、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸又は酒石酸ジエチルエステル、又は
v)4−ヒドロキシ安息香酸及びその塩及びエステル、N−(4−クロロフェニル)−N’−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル(トリクロサン)、4−クロロ−3,5−ジメチル−フェノール、2,2’−メチレン−ビス(6−ブロモ−4−クロロフェノール)、3−メチル−4−(1−メチルエチル)−フェノール、2−ベンゾイル−4−クロロフェノール、3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、クロロヘキサジン、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、チモール、タイム油、オイゲノール、チョウジ油、メントール、ミント油、ファルネソール、フェノキシエタノール、グリセロールモノカプロエート、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート、ジグリセロールモノカプロエート(DMC)、サリチル酸N−アルキルアミド、例えばサリチル酸n−オクチルアミド又はサリチル酸n−デシルアミド
− 吸収体又はにおいマスカー、例えばベンジルアセテート、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート及びベンジルサリチレート、ベンジルエチルエーテル、シトラル、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、イオノン、メチルセドリルケトン、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール、テルピネオール又はテルペン
からなる群から選択される少なくとも1つのものであってよい。
【0053】
生体物質は、トコフェロール、トコフェロールアセテート、トコフェロールパルミテート、アスコルビン酸、(デオキシ)リボ核酸及びそれらの断片化生成物、ベータ−グルカン、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、パントテン酸、フルーツ酸、アルファ−ヒドロキシ酸、アミノ酸、セラミド、シュードセラミド、精油、植物抽出物、例えばサクラ抽出物、バンバラナッツ抽出物、及びビタミン錯体からなる群の少なくとも1つから選択されてよい。
【0054】
昆虫忌避活性化合物は、N,N’−ジエチル−m−トルアミド、1,2−ペンタンジオール、3−(N−n−ブチル−N−アセチル−アミノ)−プロピオン酸エチルエステル及びブチルアセチルアミノプロピオネートからなる群から選択されてよい。
【0055】
本発明に適した漂白剤の例は、ヒドロキノン、過酸化亜鉛、過酸化尿素、過酸化水素及び/又は過酸化有機物である。
【0056】
本発明の特定の一実施態様において、コアシェル粒子のコアは水であり、かつシェルは、BET表面積30〜500m2/gを有する親水性フュームドシリカと反応することによって得られる疎水化フュームドシリカ粒子からなる。
【0057】
さらに、本発明の有利な一実施態様において、疎水化シリカ粒子は、BET表面積270〜330m2/gを有する親水性フュームドシリカと、ヘキサメチルジシラザンとを反応することによって得られ、BET表面積220〜290m2/g及び炭素含有率2〜4質量%及びメタノール湿潤性少なくとも50を有する疎水化フュームドシリカ粒子を提供する。
【0058】
特定の実施態様は、さらに、BET表面積400〜500m2/g、レーザー回折によって測定された粒子サイズd504〜6μm、及びDBP/100g中でのDBP(ジブチルフタレート)吸収300〜350を有する沈降シリカをキャリヤーとして含有してよい。
【0059】
特定の実施態様は、さらに、BET表面積150〜250m2/g、レーザー回折によって測定された粒子サイズd504〜7μm、及びDBP/100g中でのDBP(ジブチルフタレート)吸収250〜300を有する沈降シリカをキャリヤーとして含有してもよい。
【0060】
さらに、特定の実施態様は、それぞれキャリヤー中及び/又はキャリヤー上に位置される、少なくとも部分的に水溶性の液体及び/又は水反応物質、UV光保護フィルター、抗酸化剤、湿潤物質、デオドラント、制汗活性化合物、生体物質、昆虫忌避活性化合物、漂白抗酸化剤、漂白剤、抗菌物質、抗真菌物質、フレーバー、フレグランス、酸、アルカリ、酵素、又はそれらの混合物を含んでよい。
【0061】
本発明の他の目的は、本発明による粉末状組成物から出発する、クリーム状組成物の製造方法である。この粉末状組成物は、圧力、剪断、温度、振動及び/又は溶剤添加の形でのエネルギー入力によって活性化され、その際エネルギー入力は、液体水又は液体水性相をコアシェル材料から放出するために十分であり、液体水又は液体水性相は、実質的に、
a)少なくとも部分的に水溶性の液体をキャリヤーから溶解又はフラッシングし、かつ/又は
b)キャリヤー中及び/又はキャリヤー上の水反応基剤を活性化し、又はキャリヤーからの活性化によって得られた生成物をフラッシングする。
【0062】
"クリーム状"は、クリーム状組成物に対して、より液体の組成物から、よりゲル上の組成物の範囲を意味すると解される。
【0063】
一般的に記載された本発明に関して、さらなる理解を、単なる例示のために提供された特定の実施例を参照することによって得ることができ、範囲を制限するものではない。
【0064】
実施例
実施例1:先行技術による粉末−クリーム−粉末の下地
ドライウォーター調合物を製造するために、脱イオン(DI)水77.5質量%を、KitchenAid混合器モデル#KSB5ER4に、The Dow Chemical Company社製のCarbowax Sentry(登録商標)ポリエチレングリコール400 NF10.48質量%、Chemsil Silicones, Inc.社製のDimethisil(登録商標)DM−20(20cPs)5.27質量%、Kobo社製の酸化鉄顔料、AC−5 Red R516P、AC−5 Yellow LL−100P、AC−5 Black BL−100P、及びAC−5 TiO2 CR−50の1.75質量%と共に添加した。AEROSIL(登録商標)R812Sを、水/PEG/ジメチコン/顔料混合物の上で5.0質量%で添加した。蓋を、混合器上にしっかりと置き、そしてその混合物を、9700RPMで1分間、最も高い設定(液化)で混合した。1分間の混合中に、全体の混合器を、50〜60°の角度で左から右に、10秒の保持期間内で傾けた。
【0065】
その生成物は、約30分後に底部で透明な分離を有する、クリーム/ムースのテクスチャである。PEG及びジメチコンによる方法は失敗した。それというのも安定な慎重な液滴が、疎水性シリカと共に混合した場合に形成されないためである。緩和剤が、水の表面張力を低下し、液滴とAEROSIL(登録商標)R812Sとの間の表面張力を克服することができた。
【0066】
実施例2:本発明による粉末−クリーム−粉末の下地
本発明による新規の粉末−クリーム−粉末の下地を製造するために、PEG/ジメチコン/顔料/DI水希釈駅を、The Dow Chemical Company社製のPEG Sentry(登録商標)ポリエチレングリコール400 NF42.9質量%、Chemsil Silicones社製のDimethisil(登録商標)DM−20(20cPs)21.4質量%、Kobo社製のAC−5酸化鉄顔料7.1質量%を混合することによって製造した。この溶液を、SIPERNAT(登録商標)22LSに、3〜4回の添加工程で、低い剪断混合を使用して、金属スパチュラを使用して手で混合しながら添加した。粉末生成物は、緩和剤/顔料溶液70質量%、液体、及びキャリヤー30質量%からなる混合物で得られた。この粉末生成物は、液体/キャリヤーとも言われる。
【0067】
ドライウォーターを、AEROSIL(登録商標)R812S 5質量%、酸化鉄AC−5顔料20質量%、及びDI水75質量%を添加することによって製造した。蓋を、混合器上にしっかりと置き、そしてその混合物を、9700RPMで1分間、最も高い設定(液化)で混合した。1分間の混合中に、全体の混合器を、50〜60°の角度で左から右に、約10秒の保持期間内で傾けた。
【0068】
液体/キャリヤーの35質量%を、乾燥水混合物65質量%と穏やかに混合して(混転して、軽く混ぜて、又は混ぜ合わせて)、クリーム下地の最終粉末を製造した。
【0069】
そして、この粉末を、プラスチック容器中で貯蔵した。粉末状の組成物は、粉末として製造され、かつそのままでいることができた。
【0070】
実施例3:先行技術の方法による粉末−クリームのビタミンRub
緩和剤13.71質量%、ポリエチレングリコール(The Dow Chemical Company社製のPEG Sentry(登録商標)ポリエチレングリコール400 NF)、ビタミンE(JEEN International Corp.)、DI水78.54質量%、及びAEROSIL(登録商標)R812Sを、秤量し、そしてKitchenAid混合器モデル番号KSB5ER4中に置き、そして最も高いスピード(9700rpm)で1分間混合した。1分間の混合中に、混合器を、45°の角度で右から左に、それぞれの側面で約10秒間の保持時間内で傾けた。
【0071】
最終生成物は、約30分後に底部で透明な分離を有する、クリーム/ムースのテクスチャである。
【0072】
緩和剤及びビタミンによる方法は失敗した。それというのも安定な慎重な液滴が、疎水性シリカと共に混合した場合に形成されないためである。緩和剤及びビタミンが、水の表面張力を低下し、液滴とAEROSIL(登録商標)R812Sとの間の表面張力を克服することができた。
【0073】
実施例4:本発明による粉末−クリームのビタミンRub
ポリエチレングリコール(The Dow Chemical Company社製のPEG Sentry(登録商標)ポリエチレングリコール400 NF)71.4質量%、ビタミンE(JEEN International Corp.)14.3質量%及びDI水14.3質量%の液体混合物を製造した。そして、その液体混合物を、液体混合物64.0質量%を製造するために、キャリヤーとしてSIPERNAT(登録商標)22LS36.0質量%を使用した。その液体混合物を、SIPERNAT(登録商標)22LSに、3〜4回の添加工程で、混合物が均一になるまで低い剪断混合(この場合は手で)を使用して、ゆっくりと添加した。
【0074】
そして得られた粉末(30質量%)を、乾燥水70質量%と緩やかに混合した(混転した、軽く混ぜた、又は混ぜ合わせた)。
【0075】
そして、この粉末を、プラスチック容器中で貯蔵した。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下、
a)コアシェル粒子の形での少なくとも1つの粉末、その際コアは、液体水又は液体水性相を含み、かつシェルは疎水性又は疎水化粒子を含み、
b)キャリヤー及び
b1)少なくとも部分的に水溶性の液体及び/又は
b2)水反応性基剤
(それぞれキャリヤー中及び/又はキャリヤー上に位置する)
を含有する少なくとも1つの粉末
を含む、粉末状組成物。
【請求項2】
前記シェル粒子が、疎水化シリカ粒子を含み、又は疎水化シリカ粒子からなる、請求項1に記載の粉末状組成物。
【請求項3】
前記疎水化シリカ粒子が、凝集したフュームドシリカ粒子である、請求項2に記載の粉末状組成物。
【請求項4】
前記疎水化シリカ粒子が、BET表面積30m2/g〜500m2/gを有する、請求項2に記載の粉末状組成物。
【請求項5】
前記疎水化シリカ粒子が、BET表面積270〜330m2/gを有する親水性フュームドシリカと、ヘキサメチルジシラザンとを反応することによって得られ、BET表面積220〜290m2/g及び炭素含有率2〜4質量%及びメタノール湿潤性少なくとも50を有する疎水化フュームドシリカ粒子を提供する、請求項2に記載の粉末状組成物。
【請求項6】
前記コアが、実質的に水からなる、請求項1に記載の粉末状組成物。
【請求項7】
前記コアシェル粒子の含水率が75〜95質量%である、請求項1に記載の粉末状組成物。
【請求項8】
前記キャリヤーが、シリカ、シリカ−金属混合酸化物、フィロシリケート、デンプン、中空ガラス球、ナイロン、糖、シクロデキストリン及び多糖からなる群から選択される、請求項1に記載の粉末状組成物。
【請求項9】
前記キャリヤーが、
a)BET表面積50〜1000m2/g、
b)レーザー回折によって測定された粒子サイズd503〜20μm、
c)DBP/100gシリカ中でのDBP(ジブチルフタレート)吸収200〜400
を有する沈降シリカである、請求項1に記載の粉末状組成物。
【請求項10】
少なくとも部分的に水溶性の液体及び/又は水反応性基材を含むキャリヤーと、コアシェル粒子との質量比が、1:1〜1:9である、請求項1に記載の粉末状組成物。
【請求項11】
キャリヤー及びコアシェル粒子の平均粒子サイズが、2〜20μmである、請求項1に記載の粉末状組成物。
【請求項12】
コアシェル粒子の平均粒子サイズが、キャリヤーの平均粒子サイズの50〜150%である、請求項11に記載の粉末状組成物。
【請求項13】
以下、
a)コアシェル粒子のコアの水性相及び/又は
b)それぞれキャリヤー中及び/又はキャリヤー上で少なくとも部分的に水溶性の液体及び/又は水反応性基材
が、UV光保護フィルター、抗酸化剤、湿潤物質、デオドラント、制汗活性化合物、生体物質、昆虫忌避活性化合物、漂白抗酸化剤、漂白剤、抗菌物質、抗真菌物質、フレーバー、フレグランス、酸、アルカリ、酵素、又はそれらの混合物からなる群の物質の少なくとも1つを含有する、請求項1に記載の粉末状組成物。
【請求項14】
コアシェル粒子のコアが水であり、かつシェルが、BET表面積30〜500m2/gを有する親水性フュームドシリカを反応することによって得られる疎水化フュームドシリカ粒子からなる、請求項1に記載の粉末状組成物。
【請求項15】
前記疎水化フュームドシリカ粒子が、BET表面積270〜330m2/gを有する親水性フュームドシリカと、ヘキサメチルジシラザンとを反応することによって得られ、BET表面積220〜290m2/g及び炭素含有率2〜4質量%及びメタノール湿潤性少なくとも50を有する疎水化フュームドシリカ粒子を提供する、請求項14に記載の粉末状組成物。
【請求項16】
さらに、BET表面積400〜500m2/g、レーザー回折によって測定された粒子サイズd504〜6μm、及びDBP/100g中でのDBP(ジブチルフタレート)吸収300〜350を有する沈降シリカをキャリヤーとして含有する、請求項14に記載の粉末状組成物。
【請求項17】
さらに、BET表面積150〜250m2/g、レーザー回折によって測定された粒子サイズd504〜7μm、及びDBP/100g中でのDBP(ジブチルフタレート)吸収250〜300を有する沈降シリカをキャリヤーとして含有する、請求項14に記載の粉末状組成物。
【請求項18】
さらに、それぞれキャリヤー中及び/又はキャリヤー上に位置される、少なくとも部分的に水溶性の液体及び/又は水反応物質、及びUV光保護フィルター、抗酸化剤、湿潤物質、デオドラント、制汗活性化合物、生体物質、昆虫忌避活性化合物、漂白抗酸化剤、漂白剤、抗菌物質、抗真菌物質、フレーバー、フレグランス、酸、アルカリ、酵素、又はそれらの混合物を含む、請求項14から17までのいずれか1項に記載の粉末状組成物。
【請求項19】
圧力、剪断、温度、振動及び/又は溶剤添加の形でのエネルギー入力によって活性化され、その際エネルギー入力は、液体水又は液体水性相をコアシェル材料から放出するために十分であり、液体水又は液体水性相が、実質的に、
a)少なくとも部分的に水溶性の液体をキャリヤーから溶解又はフラッシングし、かつ/又は
b)キャリヤー中及び/又はキャリヤー上の水反応基剤を活性化し、そして続いてキャリヤーからの活性化によって得られた生成物を溶解又はフラッシングする、請求項1に記載の粉末組成物からクリーム状組成物を製造する方法。

【公表番号】特表2013−515689(P2013−515689A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545192(P2012−545192)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068324
【国際公開番号】WO2011/076518
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】