説明

水平・立体混合走行車道

【課題】 原付玩具自動車を走行させる車道において、平面方向に走行させるだけのものは、広い場所を必要とするし、一方、立体車道を走行させるものは、構造が複雑で製造コストが嵩むものが多い現状から、市販されるまでに至っていないので、両者を簡易化し製造コストを低減する構造として接続し、あらゆる姿勢での走行で、スピードとスリルを味わえるようにする水平・立体混合走行車道を提供する。
【解決手段】 水平部車道1は、帯状で断面が凹型で、両脇に突起壁2を設けた平面車道1Aの両端へ、この平面車道と同じ形状で一端の表面に、尖り金属レール3を設けた平面先端車道1Bを、それぞれ連結して形成し、前記立体部車道5は、帯状の板状で中央部一表面に金属レール4を設けた垂直車道5A、螺旋車道5B、下降車道5Cおよびその他形状車道5Dのうち、一個または複数個を連結して形成し、前記水平部車道1と立体部車道5とを接続して、平面的にループ状となるよう構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、永久磁石を有する原付玩具自動車(以下同じ)を走行させる車道において、原付玩具自動車を平面的に走行させる水平車道と、立体的に走行させる立体車道とを接続して、水平走行と立体走行を可能にする水平・立体混合走行車道に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の原付玩具自動車は、広い場所に敷いた水平車道を、単純に水平方向に走行させようとするものが一般品として市販されていた。また、中央部に金属レールを有する立体車道を、永久磁石を有する原付玩具自動車を吸引させながら、あらゆる姿勢で走行させようとする構想のものはあった。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように、水平車道を水平方向に走行させるだけのものは、広い場所を必要とするし、スピードを楽しむ程度にしかならない。一方、立体車道をあらゆる姿勢で走行させれば、スリルまで味わうことはできるが、構造が複雑で製作コストが嵩むという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上述の欠点を解決することを目的とするもので、水平部車道は、プラスチック材でなる帯状で断面が凹型で、両脇に突起壁を設けた平面車道の両端へ、この平面車道と同じ形状で一端の表面に尖り金属レールを、先端を内側に向けて設けた平面先端車道を、それぞれ連結して形成し、前記立体部車道は、プラスチック材でなる帯状の板状で、中央部一表面に金属レールを設けた垂直車道、螺旋車道、下降車道およびその他形状車道のうち、一個または複数個を連結して形成し、前記水平部車道と立体部車道とを接続して、平面的にループ状となるよう構成したものである。
【発明の効果】
【0005】
この発明の水平・立体混合走行車道は、水平部車道と立体部車道とを接続し、平面的にループ状となるよう構成したので、水平走行部分の車道は縮小すことができ、全体が小型化するので、あまり広い場所を必要としないし、製造コストもあまり上がらない。
【0006】
また、この水平部車道では原付玩具自動車のスピードを楽しめ、立体部車道では金属レールに沿って、自力で姿勢を修正しながら脱輪や脱落することなく、垂直走行、宙返り走行、急降下走行その他あらゆる姿勢での走行で、スリルまで味わうことができ、どの車道上でも畳の上を走行すると同じ速度で走行を続けることができる。
【0007】
また、立体部車道と接続される両平面先端車道には、金属レールとの接続部に尖り金属レールを設けたことで、立体部車道から水平部車道に走行して金属レールから脱出することが容易となる。これは尖り金属レール上で永久磁石の吸引力が、走行にブレーキ力を与えることになるが、その値は小さくタイヤの駆動力で容易に通過することができる。このことは尖り金属レールを二等辺三角形の細長い形状としたことによる。
【0008】
また、立体部車道の金属レール等は車道の一表面に露出して、両面テープで貼り付ける程度として、製造コストの低減を計り、また、水平部車道は短く、立体部車道は簡易な形状とすれば、さらに製造コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1を示す、水平・立体混合走行車道の斜視図である。図2は、平面先端車道を示す部分拡大斜視図である。図3は、垂直車道および下降車道を示す部分拡大斜視図である。
【0010】
永久磁石を有する原付玩具自動車(図示せず)を走行させる車道において、水平部車道1は、プラスチック材でなる帯状の断面が凹型で、両脇に突起壁2を設けた平面車道1Aの両端へ、この平面車道1Aと同じ形状で一端の表面に、磁性体でなる尖り金属レール3を露出し先端を内側に向けて設けた、平面先端車道1Bをそれぞれ連結して形成し、立体部車道5は、プラスチック材でなる帯状で板状の、中央部に磁性体でなる金属レール4を露出して設けた垂直車道5A、螺旋車道5B、下降車道5Cおよびその他形状車道5Dのうち、一個または複数個を連結して形成し、前記水平部車道1と立体部車道5とを差込み突起6と差込み穴7で接続して、平面的にループ状となるよう構成する。また、立体部車道5内も、横揺れや震動でも外れないように、同様の差込み突起6と差込み穴7で接続するとよい。
【0011】
上記、両平面先端車道1Bの尖り金属レール3を設けた側面には、差込み突起6を設け、この平面先端車道1Bとの接続部となる、垂直車道5Aおよび下降車道5Cの一端側面には各々差込み穴7を設ける。
【0012】
この発明の水平・立体混合走行車道が、横揺れや震動で倒れる可能性がある場合は、立体部車道5の前後の平面先端車道1Bの側面に、台棒8を嵌合自在にして差し込んで安定台を形成するようにする。また、通常各車道は分割し連結する方式とするが、一体化して固化することもできる。
【0013】
次に、この水平・立体混合走行車道の使用方法について説明する。
水平部車道1の上に電源を投入した原付玩具自動車を乗せると、この車道の突起壁2に強制されて走行し、尖り金属レール3に吸引されながらこの上に至ると、立体部車道5の金属レール4に吸引されて垂直に登り、宙返り走行等あらゆる姿勢で脱輪、脱落をすることなく、金属レール4に沿い走行姿勢を自分で修正しながら走行を続け、下り坂から尖り金属レール3を脱出して元の位置に戻る。
【0014】
上記、尖り金属レール3を設けたことについては、長方形の永久磁石を有する、原付玩具自動車が尖り金属レール3の上を、先端に向けて走行する際、永久磁石の前半分面の吸引力と後半分面の吸引力の差が、走行のブレーキ力となるが、その絶対値は小さく先端に至る程なお小さくなるため、タイヤの推進力で容易に脱出することができる。一方、尖り金属レール3を省き、金属レール4の端の直角縁を走行通過する場合は、永久磁石の全吸引力が走行のブレーキ力となり、脱出するのは非常に困難であると考えられる。すなわち、尖り金属レール3を設けたことで大幅にブレーキ力を軽減する効果があるわけです。ただし、この部分は坂道を下り水平走行に入る部分であるため、タイヤの推進力に走行惰性力が加わることになるので、尖り金属レール3を省略しても脱出できるケースもある。
【0015】
上記、原付玩具自動車は一般に市販の走行車、箱形のトロッコ式荷物車、連結車等であってもよい。また、工場の通路(または側壁)に薄板で帯状の金属レール4を敷き、これに永久磁石を有するタイヤ付トロッコ式荷物車を走行させるようにすれば、金属の車輪や軌道が無いので、安全で静かな無騒音運搬装置とすることができる。
【0016】
実施の形態2.
図4は、水中で使用する場合を示す水平・立体混合走行車道の斜視図である。
【0017】
上記、水平・立体混合走行車道の全体をミニ化して、水平部車道1等の裏面に磁石片9を複数個設けて、これに吸着する磁性体でなる薄板の鉄台10を設けて構成する。
全体を水の入ったガラス製水槽に沈めて利用するようにすると、玄関の興味ある飾り物として面白い。ただし、これに走行させる原付玩具自動車は防水型とする必要があるが、二重水槽形式とすればその必要もなくなる。
【0018】
また、この水中で使用する場合は、水の走行抵抗が大きく乾電池の消耗が激しくなるので、タイマー回路を内蔵し5分に一度だけ走行させる等間欠運転にして、乾電池の充電を一ヶ月に一度とする等すれば煩雑さを防ぐことができる。ただし、現在では500回以上充電できるニッケル水素乾電池等が市販されており、著しく廃棄の省資源化が計れるようになっており、この面でも実用化に追風となっている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】は、この発明の実施の形態1を示す、水平・立体混合走行車道の斜視図である。
【図2】は、この発明の平面先端車道を示す部分拡大斜視図である。
【図3】は、この発明の垂直車道および下降車道を示す部分拡大斜視図である。
【図4】は、この発明の水中で使用する場合を示す水平・立体混合走行車道の斜視図である。
【符号の説明】
【0020】
1 水平部車道 1A 平面車道 1B 平面先端車道
2 突起壁 3 尖り金属レール 4 金属レール
5 立体部車道 5A 垂直車道 5B 螺旋車道
5C 下降車道 5D その他形状車道 6 差込み突起
7 差込み穴 8 台棒 9 磁石片
10 鉄台 11 台穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
永久磁石を有する原付玩具自動車を走行させるための、水平部車道と立体部車道とを備えた水平・立体混合走行車道において、前記水平部車道は、プラスチック材でなる帯状の断面が凹型で、両脇に突起壁を設けた平面車道の両端へ、この平面車道と同じ形状で一端の表面に磁性体でなる尖り金属レールの先端を内側に向けて設けた平面先端車道を、それぞれ連結して形成し、前記立体部車道は、プラスチック材でなる帯状の板状で、中央部一表面に磁性体でなる金属レールを設けた垂直車道、螺旋車道、下降車道およびその他形状車道のうち、一個または複数個を連結して形成し、前記水平部車道と立体部車道とを接続して、平面的にループ状となるよう構成することを特徴とする水平・立体混合走行車道。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−279369(P2009−279369A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−159757(P2008−159757)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【出願人】(591078099)
【Fターム(参考)】