説明

水平回動式トレイ付きキャビネット

【課題】強度的に弱いトレイであっても円滑な出し入れができようにする。
【解決手段】キャビネット本体2に水平回動自在に設けられ、キャビネット本体2の格納空間Kに出し入れ自在なトレイ5を、トレイ5の外周部分に回動方向Mへ延びる水平フランジ5dを設けて、水平フランジ5dを案内するフランジ案内部15をキャビネット本体2に設けたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャビネット本体にトレイを水平回動自在に設けた水平回動式トレイ付きキャビネットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、キャビネット本体内の格納位置に出し入れできるようにして収納カゴを水平回動自在に設けたキャビネットが特許文献1に提案されている。収納カゴは、金属製のワイヤーを格子状に組み表面に樹脂を被覆させた面材を側面及び底面に使用して平面略扇形状に形成して、扇形状の中心部側を回動自在に片持ち状態で支持し、包丁等を収納する収納箱を内部に配設してある。収納カゴは、収納物の重みで中心部から離れた外周部分が撓まないように、金属製ワイヤーからなる面材を用いて強度的に強く形成して、強度的に弱い収納箱を収納カゴの内部に配設している。
【特許文献1】特開2004−181122号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のキャビネットは、収納カゴを金属製ワイヤーからなる面材を用いて強度的に強く形成してあるため、合成樹脂等から成形された強度的に弱いトレイを片持ち状態で水平回動自在に設けるものに適用することが不可能であった。強度的に弱いトレイでは、収納物の重みで回動中心部から離れた外周部分が撓み、トレイの円滑な出し入れができない問題を生じることがあるからである。
【0004】
そこで、本発明は、上記問題を解決するために、強度的に弱いトレイであっても円滑な出し入れができ水平回動式トレイ付きキャビネットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
強度的に弱いトレイであっても円滑な出し入れができように請求項1記載の発明が採用した手段は、キャビネット本体に水平回動自在に設けられ、キャビネット本体の格納空間に出し入れ自在なトレイを備えたキャビネットにおいて、トレイの外周部分に回動方向へ延びる水平フランジを設けて、水平フランジを案内するフランジ案内部をキャビネット本体に設けたことを特徴とする水平回動式トレイ付きキャビネットである。
【0006】
請求項1記載の発明にあっては、トレイ外周部分に設けた水平フランジをキャビネット本体に設けたフランジ案内部で支持することで、トレイ外周部分の撓みを防止してトレイを水平状態にできる。
【0007】
見栄えよくするために請求項2記載の発明が採用した手段は、前記トレイが、前記キャビネット本体に水平回動自在に支持した前板の背面側から突設し、前板が、前記トレイを前記格納空間に格納したときに、該格納空間の該トレイ出し入れ用開口部を覆う大きさである請求項1記載の水平回動式トレイ付きキャビネットである。
【0008】
請求項2記載の発明にあっては、格納状態のトレイが格納空間のトレイ出し入れ用開口部を覆う前板の背面側に位置するので、キャビネット本体の外側からトレイが見えなくなる。
【0009】
トレイの格納状態の安定を図るために請求項3記載の発明が採用した手段は、前記キャビネット本体と前記トレイとの間に配置され、格納状態の前記トレイにおける前記フランジ案内部から離れた箇所を支持するトレイ支持具を備えた請求項1又は2に記載の水平回動式トレイ付きキャビネットである。
【0010】
請求項3記載の発明にあっては、格納状態のトレイのフランジ案内部から離れた箇所をトレイ支持具で支持することで、当該箇所の撓みを防止してトレイを水平状態とすることができる。
【0011】
コンパクトなトレイ支持具とする請求項4記載の発明が採用した手段は、前記トレイ支持具は、前記キャビネット本体に一端側を支持された水平回動自在な支持棒と、前記トレイに設けられ摺動案内部を有する被支持具とを備え、支持棒の他端側を摺動案内部に摺動自在に係合した請求項3記載の水平回動式トレイ付きキャビネットである。
【0012】
請求項4記載の発明にあっては、水平回動自在な支持棒とトレイに設けた被支持具との組合せでトレイ支持具の背丈を低くできる。
【0013】
トレイ下方を有効利用できるようにするために請求項5記載の発明が採用した手段は、前記トレイ支持具は、前記トレイの底面より上方に、前記支持棒及び前記被支持具を配置した請求項4記載の水平回動式トレイ付きキャビネットである。
【0014】
請求項5記載の発明にあっては、トレイの底面より上方にトレイ支持具の支持棒及び被支持具を配置することで、トレイより下方に位置する機器や収納物等とトレイ支持具との干渉を防止できる。
【0015】
トレイを容易に引き出せるように請求項6記載の発明が採用した手段は、前記支持棒と前記被支持具との間に、前記トレイを引き出し方向へ付勢するバネを備えた請求項4又は5記載の水平回動式トレイ付きキャビネットである。
【0016】
請求項6記載の発明にあっては、トレイを引き出し方向へ付勢するバネの働きでトレイを容易に引き出すことができる。
【0017】
機器の下方の空間を有効利用するため請求項7記載の発明が採用した手段は、前記キャビネット本体に機器を備え、機器の下方に前記格納空間を形成し、機器より手前側に前記支持棒の一端側を支持した請求項4,5又は6記載の水平回動式トレイ付きキャビネットである。機器をシンクとすることもある。
【0018】
請求項7記載の発明にあっては、機器の下方にトレイを配置することができ、機器より手前側に支持棒の一端側を支持してあるので、機器の取付位置を調整しても支持棒と干渉しない。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係るキャビネットは、トレイの水平フランジをフランジ案内部で支持することでトレイが安定するので、強度的に弱いトレイであっても円滑な出し入れができようになる。
【0020】
請求項2に係るキャビネットは、格納状態のトレイを見えないようにして、見栄えよくすることができる。
【0021】
請求項3に係るキャビネットは、格納状態のトレイをトレイ支持具で支持することでトレイが安定するので、キャビネット本体に備えた機器等との衝突のない状態でトレイを格納できる。
【0022】
請求項4に係るキャビネットは、トレイ支持具の背丈を低くしてコンパクトにすることで、狭い格納空間への適用を更に容易にすることができる。
【0023】
請求項5に係るキャビネットは、トレイより下方に位置するものとトレイ支持具との干渉を防止することで、トレイ下方を有効利用できるようになる。
【0024】
請求項6に係るキャビネットは、バネの働きでトレイの引き出しが容易となり、使い勝手を向上させることができる。
【0025】
請求項7に係るキャビネットは、支持棒と干渉せずに機器の取付位置を調整できるのでキャビネットの組み立てが容易となり、機器の下方にトレイがあるので使い勝手を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明に係る水平回動式トレイ付きキャビネット(以下、「本発明キャビネット」と言う。)を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0027】
(第1の実施の形態)
図1乃至図6は、本発明キャビネットの第1の実施の形態を示すものである。図1は本発明キャビネットの右側を省略したものであり、図(A)は正面図、図(B)は平面図である。図2は本発明キャビネットの拡大した側面断面図である。図3は、本発明キャビネットの右側及び下側を省略して拡大したものであって、ワークトップ及びシンクを省略すると共に、トレイの手前側の前板を破断して主要部を示した正面図である。図4は、図3における主要部を拡大した正面図である。図5は、本発明キャビネットの右側を省略したものであって、ワークトップ、シンク及び引出しを省略して主要部を示した平面図である。図6は、本発明キャビネットの主要部を拡大した斜視図である。
【0028】
本発明キャビネット1は、キャビネット本体2と、キャビネット本体2に水平回動自在に設けられ、キャビネット本体2の格納空間Kに対して出し入れ自在に水平回動するトレイ5とを備えている。本例のキャビネット本体2は、上方に設けたワークトップ3と、内部に設けたシンク4と、トレイ5の下方に配置した引出し7及び引出し8とを備え、シンク4と上段の引出し7との間にトレイ5を配置してある。トレイ5は、配置する箇所として、シンク4の下方以外に、加熱調理具等の設備機器の下方であってもよい。また、本発明キャビネット1は、キッチン設備に適用する以外に、トレイ付き洗面化粧台や、テレビを載置するトレイ付き載置台等に適用することも可能である。
【0029】
前記キャビネット本体2は、図3に示す如く、設備機器であるシンク4の下方に格納空間Kが形成され、格納空間Kの出入り口部の周縁が、側板26、仕切板27並びに側板26及び仕切板27に架け渡した横部材28,29で形成されている。また、本例のキャビネット本体2は、シンク4の手前側に機器手前空間Tが形成され、機器手前空間Tの開口周縁部が、側板26、仕切板27並びに側板26及び仕切板27に架け渡した横部材29,30で形成されている。
【0030】
前記トレイ5は、図5に示す如く、合成樹脂素材等から平面略扇形状に形成され、底板部5aの周縁に環状壁板部5bを立設して、環状壁板部5bの内側を収納部5cとしてある。トレイ5は、環状壁板部5bの回動中心に対向する位置にある弧状の上端周縁部又は環状壁板部5bの中間高さ位置等から外方へ水平に突設させる等して、外周部分に回動方向Mへ延び、且つ半径方向に突出した水平フランジ5dを設けてある。トレイ5は、環状壁板部5bの手前側に形成した取付部5e(図3参照)を前板6の背面側にビス等で取り付けて、前板6の背面から外側へ水平に突設させてある。トレイ5と前板6とは、別体に形成してビス等で一体化した結合体とする以外に、合成樹脂素材で一体成型することも可能である。
【0031】
前記前板6は、図2及び図3に示す如く、キャビネット本体1に、上下の回動具9,9(図3参照)を用いて水平回動自在に支持させて、トレイ5の扇中心部側を回動中心として回動するようにしてある。前板6は、トレイ5を格納空間Kに格納したときに、格納空間Kの出入り口部を覆う大きさとなっており、使用者側からシンク4及びトレイ5を遮蔽する目隠しとなる。なお、トレイ5は、前板6に取り付ける以外に、前板6を省略して、キャビネット本体1にトレイ扇中心部側を回動自在に支持させることも可能である。
【0032】
上記前板6は、その高さ寸法を大きくして、前記キャビネット本体2の機器手前空間Tの開口周縁部を開閉できるようにしてある。なお、図示は省略したが、キャビネット本体2の機器手前空間Tを幕板で覆う構造とした場合には、前板6は、格納空間Kの出入り口部のみを開閉できる高さ寸法とすればよい。
【0033】
前記トレイ5は、図3、図4及び図5に示す如く、キャビネット本体2に設けたフランジ案内部15に、前記水平フランジ5dを案内させるようにしてある。フランジ案内部15は、格納空間Kの開口周縁部を形成する上下の横部材29,28の間に設けた縦部材31に取付ける等して配置される。フランジ案内部15は、配置する箇所として、トレイ5が格納空間Kに格納された状態及びキャビネット本体2の手前側へ引き出された状態のいずれの場合であっても、水平フランジ5dを支持してトレイ5を必ず水平状態に支持するようになっている。前記フランジ案内部15には、水平フランジ5dを支持するコロ15aが設けられており、トレイ5を出入れする際の抵抗を軽減している。トレイ5は、前板6の回動により、キャビネット本体2内部の格納空間Kとキャビネット本体2より外側との間を水平状態を維持したまま移動することができる。
【0034】
本発明キャビネット1は、トレイ外周部分に設けた水平フランジ5dをキャビネット本体2に設けたフランジ案内部15で支持して、トレイ外周部分の撓みを防止することで、片持ち状態の支持では強度的に弱くなるトレイ5であっても円滑な出し入れができようになる。本発明キャビネット1は、背丈の低い(すなわち、高さ寸法の短い)ために曲げ剛性が小さくて撓み易いトレイ5に適用した場合であっても、トレイ外周部分の撓みを防止して引き出したトレイ5の水平状態を維持させることで、背丈の低い狭い格納空間Kにも適用することが可能となり、キャビット本体2の内部における狭い空間の有効利用を図ることができる。
【0035】
前記キャビネット本体2は、図3及び図4に示す如く、前板6との間にロック機構13を設けてあり、トレイ5を格納空間Kに格納して前板6を閉状態としたとき、ロック機構13で前板6の閉状態を維持するようにしてある。ロック機構13は、フランジ案内部15と並んで配置して、縦部材31等に取付けてある。ロック機構13は、キャビネット本体2側に設けられ突出状態と没入状態とを交互に繰り返す磁石を備えた本体部と、前板6の背面側等に設けた磁性板との組合せからなり、前板6の閉移動に伴い磁性板で本体部の磁石を押圧して磁石を没入状態とすることで、トレイ5を格納する前板6の閉状態を維持させ、次に、前板6を押圧して磁石を突出状態とすることで、前板6を手前側へ若干移動させて、トレイ5を引き出すための前板6の開き操作が簡単となるようにしてある。
【0036】
前記キャビネット本体2とトレイ5との間には、図2及び図6に示す如く、トレイ5の撓みを防止するためのトレイ支持具16が設けられている。トレイ支持具16は、キャビネット本体2に取付けた軸受部17と、軸受部17に回動自在に支持された支持棒18と、トレイ5の回動中心(トレイ5の扇中心部側)から離れた箇所(本例ではトレイ5の奥側)に設けられた被支持具19とを備えている。前記支持棒18の回動中心となる前記軸受部17はトレイ5の回動中心の近傍に配置されている。トレイ支持具16は、トレイ5の底面5aより上方にトレイ支持具16の支持棒18及び被支持具19を配置することで、トレイ5より下方に位置する機器や収納物等との干渉を防止できる。支持棒18と被支持具19との間には、トレイ5を引き出し方向に付勢する付勢バネ20が配置されている。被支持具19は、長孔状の摺動案内部21と、付勢バネ20の一端を連結するバネ連結部22とを有している。被支持具19は、トレイ5と別体に形成してトレイ5にビス等で取り付けてあるが、トレイ5と一体に形成することも可能である。
【0037】
上記支持棒18は、横方向に長い棒部18aと、棒部18aの両側から縦方向へ延びる手前側縦軸18b及び奥側縦軸からなる係合部18cとを有し、軸受部17に手前側縦軸18bを軸支してある。そして、支持棒18は、奥側縦軸18cに付勢バネ20の他端を連結し、被支持具19の摺動案内部21に係合部18cを係合させた状態で摺動自在に案内させると共に係合部18cの先端にセットリング等からなる抜止具25(図2参照)を取り付け、摺動案内部21から係合部18cが抜けないようにしてある。支持棒18は、シンク4より手前側に設けた軸受部17に一端側を支持して、シンク4の取付位置を調整しても干渉しないようにして、調整作業が容易にできるようにしてある。軸受部17は、キャビネット本体2の格納空間Kの出入り口部の周縁を形成する部材(本例では図6に示す如く横部材29)に取付てある。
【0038】
前記トレイ支持具16は、本例ではトレイ5に設けられた被支持具19を支持棒18で吊り下げてトレイ5を支持するようにしてあるが、これに限定するものではなく図示は省略したが、トレイ5に設けられた被支持具19を支持棒18で持ち上げてトレイ5を支持するように構成し、トレイ5の上端縁よりも低い位置に配設することも可能である。
【0039】
次に、トレイ5が格納空間Kに格納されときの格納状態と、格納状態からキャビネット本体2の外側へトレイ5を引き出す動作と、トレイ5がキャビネット本体2の手前側へ引き出されたときの引き出し状態と、引き出し状態から格納状態へトレイ5を押し込む押し込み動作とを各々説明する。
【0040】
(格納状態)トレイ5は、図5中の左側及び図6に示す如く、格納空間Kに入っているとき、手前側が前板6及びフランジ案内部15で支持されており、奥側がトレイ支持具16で支持される。支持棒18の係合部18cは、摺動案内部21に対して、トレイ5及び前板6の回動中心から最も離れた箇所で係合している。そして、付勢バネ20は、引っ張られて弾性力を蓄えた状態となっている。付勢バネ20の弾性力で引き出し方向へ付勢されているトレイ5は、ロック機構13で引き出しが阻止されている。
【0041】
(引き出す動作)トレイ5を引き出すには、先ず、前板6を押圧してロック機構13で前板6を手前へ若干移動させることで開き操作が簡単となるようにした後、前板6を手前へ引いて開き操作を行う。開き操作を行うと、付勢バネ20に蓄えられている弾性力でトレイ5が開く方向へ付勢されて回動し、トレイ5と共に回動する被支持具19の摺動案内部21に案内されて回動する支持棒18の係合部18cが摺動案内部21の端部に衝突して引き出し方向への回動を停止して、トレイ5を引き出して静止する(図5中の右側)。
【0042】
(引き出し状態)図5中の右側に示す如く、トレイ5が引き出されて静止しているときは、トレイ5は、手前側が前板6で支持されており、奥側がフランジ案内部15及びトレイ支持具16で支持され、水平状態を維持する。
【0043】
(押し込み動作)キャビネット本体2の外側の引き出し空間Hに静止している前板6を格納空間Kに向けて押圧して、トレイ支持具16の付勢バネ20に弾性力を蓄えさせつつトレイ5を回動させる。前板6の閉移動に伴いロック機構13は、磁性板で本体部の磁石を押圧して磁石を没入状態とすることで、トレイ5を格納する前板6の閉状態を維持する。
【0044】
前述の如く、本発明キャビネット1は、トレイ外周部分に設けた水平フランジ5dをキャビネット本体2に設けたフランジ案内部15で支持することで、トレイ外周部分の撓みを防止してトレイ5を水平状態にできるため、背丈の低いトレイ5を利用してキャビネット本体2内の背丈の低い狭い格納空間Kにも適用することが可能となる。また、本発明キャビネット1は、トレイ5が格納状態から引き出し状態へ至る間に、手前側及び奥側が、前板6、フランジ案内部15及びトレイ支持具16の3つの部材で安定よく支持され、例え重い収納物を収納した場合であってもトレイ5が撓むのを防いでいる。更に、本発明キャビネット1は、トレイ5と前板6とが一体化した結合体となることでトレイ5の剛性を向上させることができる。
【0045】
(第2の実施の形態)
図7は、第2の実施の形態の本発明キャビネットを示すものであって、図(A)は本発明キャビネットの右側を省略したものであり、ワークトップ、シンク及び引出しを省略して主要部を示した平面図であり、図(B)は本発明キャビネットの下側を省略した側面断面図である。
【0046】
本実施の形態に係る本発明キャビネット40が第1の実施の形態に本発明キャビネット1(図1〜図6)と大きく相違する点は、前記本発明キャビネット1のトレイ支持具16における軸受部17、支持棒18及び被支持具19とを省略して、省略した代わりに、トレイ支持具41に格納空間Kの下方に面する支持領域Sを形成し、格納空間Kにあるトレイ5を水平状態に支持するようにしたことにある。このトレイ支持具41の支持領域Sには、トレイ5の奥側を安定よく支持する水平領域S1と、外側へ向かって下り傾斜することでトレイ5格納空間Kに誘導するテーパー領域S2とが形成されている。上記相違点以外の構成は、第1の実施の形態における本発明キャビネット1と実質的に同一であり、図7に示す符号の内、図1〜図6(第1の実施の形態)と同一のものは、同一の構成部材などを示す。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明キャビネットの第1の実施の形態を示すものであって、本発明キャビネットの右側を省略したものであり、図(A)は正面図、図(B)は平面図である。
【図2】第1の実施の形態における本発明キャビネットを拡大した側面断面図である。
【図3】第1の実施の形態における本発明キャビネットの右側及び下側を省略して拡大したものであって、ワークトップ及びシンクを省略すると共に、トレイの手前側の前板を破断して主要部を示した正面図である。
【図4】図3における主要部を拡大した正面図である。
【図5】第1の実施の形態における本発明キャビネットの右側を省略したものであって、ワークトップ、シンク及び引出しを省略して主要部を示した平面図である。
【図6】第1の実施の形態における本発明キャビネットの主要部を拡大した斜視図である。
【図7】第2の実施の形態の本発明キャビネットを示すものであって、図(A)は本発明キャビネットの右側を省略したものであり、ワークトップ、シンク及び引出しを省略して主要部を示した平面図であり、図(B)は本発明キャビネットの下側を省略した側面断面図である。
【符号の説明】
【0048】
2…キャビネット本体、5…トレイ、5d…水平フランジ、15…フランジ案内部、K…格納空間、M…回動方向


【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネット本体に水平回動自在に設けられ、キャビネット本体の格納空間に出し入れ自在なトレイを備えたキャビネットにおいて、トレイの外周部分に回動方向へ延びる水平フランジを設けて、水平フランジを案内するフランジ案内部をキャビネット本体に設けたことを特徴とする水平回動式トレイ付きキャビネット。
【請求項2】
前記トレイが、前記キャビネット本体に水平回動自在に支持した前板の背面側から突設し、前板が、前記トレイを前記格納空間に格納したときに、該格納空間の該トレイ出し入れ用開口部を覆う大きさである請求項1記載の水平回動式トレイ付きキャビネット。
【請求項3】
前記キャビネット本体と前記トレイとの間に配置され、格納状態の前記トレイにおける前記フランジ案内部から離れた箇所を支持するトレイ支持具を備えた請求項1又は2に記載の水平回動式トレイ付きキャビネット。
【請求項4】
前記トレイ支持具は、前記キャビネット本体に一端側を支持された水平回動自在な支持棒と、前記トレイに設けられ摺動案内部を有する被支持具とを備え、支持棒の他端側を摺動案内部に摺動自在に係合した請求項3記載の水平回動式トレイ付きキャビネット。
【請求項5】
前記トレイ支持具は、前記トレイの底面より上方に、前記支持棒及び前記被支持具を配置した請求項4記載の水平回動式トレイ付きキャビネット。
【請求項6】
前記支持棒と前記被支持具との間に、前記トレイを引き出し方向へ付勢するバネを備えた請求項4又は5記載の水平回動式トレイ付きキャビネット。
【請求項7】
前記キャビネット本体に機器を備え、機器の下方に前記格納空間を形成し、機器より手前側に前記支持棒の一端側を支持した請求項4,5又は6記載の水平回動式トレイ付きキャビネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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