説明

水性のオリゴエステル系顔料調製物、これらの製造および使用

本発明は、(A)少なくとも1つの有機および/または無機の顔料;(B)ジカルボン酸成分およびグリコール成分を重縮合することによって得、I)1つまたは複数のジカルボン酸、これらのエステルまたは無水物、II)C〜Cアルケンジオール、III)ポリ(C〜Cアルケン)グリコールおよび/またはメチルポリ(C〜Cアルケン)グリコール、IV)場合により、アルケンオキシドとC〜C24アルコール、C〜C18アルキルフェノールまたはC〜C24アルキルアミンとの水溶性付加体、およびV)場合により、1つまたは複数のポリオールを含む、少なくとも1つの水溶性または水分散性の非イオン性オリゴエステルまたはポリエステル;(C)水性顔料分散液を製造するために従来使用されている任意の追加の分散剤および界面活性剤;(D)水性顔料分散液を製造するために従来使用される任意の追加の添加剤;および(E)水を含む水性顔料調製物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2004年10月22日に出願されたドイツ優先権出願第102004051455.0号(この出願は、本明細書において完全に開示されるように参照によって本明細書に組み込まれている)に記載されている。
【0002】
本発明は、水性のオリゴエステル系顔料調製物および顔料分散液、これらを製造する方法ならびに天然および合成の材料、特にすべての種類の水性被覆材料、乳化塗料および着色被覆材の着色のための使用に関する。
【背景技術】
【0003】
前記用途における着色において、水性顔料調製物を使用することは、今日では非常に一般的である。このような調製物は、例えばEP0735109、WO03/006556またはEP1049745に記載されている。これらの調製物は、水性媒体中に細かく分割された形の顔料粒子の物理的な安定性を与える分散剤を使用することで製造される。一般的に界面活性剤の特性を有するアニオン性、カチオン性、両性または非イオン性の分散剤が、適切な場合には大きな分子の形で使用される。最も頻繁に使用される分散剤の中には、アルキルアリール化合物、これらのオキシアルキル化生成物およびスルホン化生成物または燐酸化生成物、ノボラックの群からの分散剤、またはオキシアルキル化脂肪酸誘導体、スチレンおよびアクリル酸またはメタクリル酸および/またはこれらのエステルのコポリマーからなるポリマー分散剤がある。さらに、一般に、界面活性剤または分散剤以外に、従来の顔料調製物は、例えば湿潤剤、増粘剤、保存剤、粘度安定剤、充填剤、保持剤などの種々の添加剤も含む。また、この保持剤は、しばしば乾燥予防剤とも呼ばれ、製品が確実に乾燥しないか、または使用の前でも乾燥し始めないようにする。この目的のために、しばしば例えばグリコールおよびグリセリンのような低分子質量の吸湿性化合物または例えばポリエーテルポリオール(ポリグリコール)などの高分子質量の不揮発性ポリマーが頻繁に使用される。
【0004】
高い顔料含量を有する分散液を製造するための分散剤および添加剤は、必要な特性に合致するように慎重に選択されなければならないし、その特性は、次の3つの主な態様に細分化され得る。
【0005】
1)低粘度で高いカラー強度および正確に定められた色調を実現するために、顔料粒子は、分散液において分散剤および添加剤によって非常によく安定化されることが必要である。分散操作中および保存中のいずれにおいても、凝集現象、再塊状化または沈澱が生じてはならない。そうでなければ、この種類の現象は、調製物の粘度における変化をもたらし、用途の媒体中にこれを混和した後に、色調の変化ならびにカラーの強度、不透明性、艶、均質性および輝度の減損をもたらし、さらにまた不十分にしか再現され得ない色調および着色材料におけるランニング傾向、さらに乾燥耐性およびドライアウト耐性の低下をもたらす。
【0006】
2)顔料調製物は、幅広い数の用途媒体にできるだけ相溶性がなければならないし、このことは、分散剤および添加剤がそのような系と相溶性がなければならないこと意味する。これらは、言わば「普遍的な」相溶性を有していなければならない。この相溶性が不適切である場合、用途媒体への顔料調製物の導入は、凝集、再塊状化またはビッツ(bits)の形成を伴う。いくつかの場合、これらの現象は、相分離の開始によって直接的に観測され;他の場合においては、この非相溶性は、例えばラブ−アウト試験などの適切な試験の手段によって目視できるようにされるだけである。ラブ−アウト試験の場合、被覆材料または乳化塗料は、顔料分散液と混合後に例えばペイントチャートのような領域に塗布される。その後、凝集した顔料は、ブラシを使用して、または指で摩擦することによって部分的に再分散され得る。次いで、摩擦した部分は、隣接の未処理領域より強く着色される。ラブ−アウト試験は、顔料分散液の凝集安定性を評価するための、簡単であるが、効果的なテスト方法である。
【0007】
3)顔料調製物は、生態毒性学的に好ましくなければならなし、生分解性である分散剤を使用することによって製造されなければならい。例えばEP0542052、EP0735109、WO03/006556、EP1049745、DE10135140から態様1)に合致する、既知の多くの顔料調製物が存在する。これらは、低粘度で高いカラー強度および定められた色調を有し、そのために分散液の顔料粒子の効果的な安定化は、前提条件である。分散中も保存中も、凝集現象、再塊状化または沈澱の発生は、あっても非常に少ない。しかしながら、これらの顔料分散液は、それらが比較的多くの異なった白色分散液と相溶性がないので、態様2)に合致しない。このように、一般に、これらは、良好な相溶性を有する2つまたは3つの異なった白色分散液中に混和することはできるが、他の異なる白色分散液とは、それぞれの場合においてラブ−アウト試験の手段によって明確に検出され得る非相溶性が存在する。また、多くの場合、少なくとも1つの試験される白色分散液の場合における非相溶性は、顔料調製物を白色分散液に混和した後に一般的に直ぐに始まる非混和性または明白に言明される相分離によって、観測され得る。多くの異なった白色分散液とのこれらの顔料分散の非相溶性は、多くの性能の不利益を伴う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、前記の不利益を有さずに、態様1)および2)に合致し、さらに生物分解性の分散剤を使用することによって製造され、その結果、態様3)にも合致することができる水性顔料調製物が必要である。そのため、本発明が基づく目的は、できるだけ多くの白色分散液および被覆材料と相溶性のあり、したがってある種の「普遍的な」相溶性を示す水性顔料分散液を提供することである。ここに、白色分散液において、特にシリコーン、ポリウレタン、アルキドまたはアクリル分散体バインダーとの非常に良好な相溶性がなければならない。相分離の進行またはラブ−アウト試験中のカラー強度における相違のいずれかによって観察され得る非相溶性があってはならない。さらに水性顔料分散液は、低粘度で高いカラー強度および定められた色調を有すべきである。分散操作中、貯蔵中および白色分散液への導入中に凝集現象、再塊状化または沈澱の発生が全くあってはならない。そのうえに、顔料調製物は、初期乾燥およびドライアウトに対して良好な耐性および良好な耐擦り傷性および耐摩耗性を有していなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
驚くべきことに、ある種の水溶性または水分散性の非イオン性オリゴエステルおよびポリエステルが、顔料のための分散剤として好適であり、多くの白色分散液および被覆材料塗料に対して高い相溶性を示し、したがって、上記の目的を達成することが見出された。それらは生態毒性学的に好ましく、生物分解性である。
【0010】
非イオン性オリゴエステルまたはポリエステルがこれまで、水性顔料調製物のための分散剤として使用されたことはない。
【0011】
US5,973,026は、ポリエステルとしてインクジェットインクを製造するために使用されるイオン性コポリ(1,2−プロピレンジエチレン)テレフタレート−コポリ(ナトリウムスルホイソフタレート)ジカルボキシレートを記載している。しかしながら、このポリマーは、ポリエステル中にポリアルキレングリコールまたはメチルポリオキシアルキレングリコールの構造単位(これらの単位は本発明に記載されていて、前記分散液が凝集耐性および多数の用途媒体との相溶性を有するように分散液における立体的安定化に必須である)を有していない。
【0012】
JP2003096170は、ナトリウム5−メチルスルホイソフタレートおよびビス(1−ヒドロキシエチル)ヘキサヒドロテレフタレートから形成され、トナーの製造のための分散剤に好適であるイオン性ポリエステルを詳細に述べている。これらのポリマーは、同様にポリエステル中にポリアルキレングリコールまたはメチルポリアルキレングリコールの構造単位を有していない。
【0013】
JP1−141968は、分散剤として芳香族−脂肪族ポリエステルを開示している。これらのポリマーは、構造単位の間にエステル結合のみを有しており、分子の中にポリアルキレングリコールおよびメチルアルキレングリコールの構造単位は有していない。このような脂肪族エステル結合の不利益は、これらが水溶液中において加水分解を受け易く、そのため短い寿命しか有さず、顔料調製物の保存安定性を著しく減少させることである。
【0014】
本発明に使用される非イオン性オリゴエステルまたはポリエステルは、これまで撥水性を付与し、水分移動を改良し、油脂などの疎水性の汚れの洗い落とされ易さを改良し、ポリエステル織物の帯電防止性を改良するために織物仕上げのための織物化学においてのみ使用されてきた。また、洗浄剤の中の汚れ落としポリマーおよび織物のための清浄用製品としてのこれらの使用も知られている。また、そこでは、これらは、合成繊維、特にポリエステルとポリエステル混紡布からの汚れの分離の機能を高めるに役立つ。水溶性または水分散性オリゴエステルおよび/またはポリエステルの例は、以下の刊行物:US3,712,873、US3,959,230、EP0442101、DE4403866、EP253567、EP357280、DE19522431、EP0964015およびUS6,153,723に記載されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
水溶性または水分散性オリゴエステルまたはポリエステルは、2つまたはそれ以上の水酸基を有している、芳香族ジカルボン酸およびグリコール成分に基づく重縮合体である。
【0016】
本発明は、
(A)少なくとも1つの有機および/または無機の顔料
(B)ジカルボン酸成分と次のものを含むグリコール成分:
I)1つまたは複数のジカルボン酸、これらのエステルまたは無水物
II)C〜Cアルキレンジオール
III)ポリ(C〜Cアルキレン)グリコールおよび/またはメチルポリ(C〜Cアルキレン)グリコール
IV)所望により、アルキレンオキシドとC〜C24アルコール、C〜C18アルキルフェノールまたはC〜C24アルキルアミンとの水溶性付加体、および
V)所望により、1つまたは複数のポリオール、
とを重縮合することによって得ることができる、少なくとも1つの水溶性または水分散性の非イオン性オリゴエステルまたはポリエステル、
(C)所望により、水性顔料分散液を製造するための従来のさらなる分散剤および界面活性剤、
(D)所望により、水性顔料分散液を製造するための従来のさらなる添加剤、および
(E)水
を含む水性顔料調製物を提供する。
【0017】
好ましい顔料調製物は、
(A)少なくとも1つの有機および/または無機の顔料5から80重量%、好ましくは20から70重量%、
(B)ジカルボン酸成分と次のものを含むグリコール成分:
I)1つまたは複数のジカルボン酸、これらのエステルまたは無水物10から50重量%、好ましくは15から30重量%;
II)C〜Cアルキレンジオール2から50重量%、好ましくは5から45重量%、
III)ポリ(C〜Cアルキレン)グリコールおよび/またはメチルポリ(C〜Cアルキレン)グリコール3から80重量%、5から75重量%、
IV)アルキレンオキシドとC〜C24アルコール、C〜C18アルキルフェノールまたはC〜C24アルキルアミンとの水溶性付加体0から10重量%、および
V)1つまたは複数のポリオール0から10重量%、
〔それぞれの場合において、重量%はオリゴエステルまたはポリエステルの全重量に基づく〕
とを重縮合することによって得ることができる、少なくとも1つの水溶性または水分散性の非イオン性オリゴエステルまたはポリエステル0.1から30重量%、好ましくは1から15重量%、
(C)水性顔料分散液を製造するための従来のさらなる分散剤および界面活性剤0から30重量%、好ましくは0.1から15重量%、
(D)水性顔料分散液を製造するための従来のさらなる添加剤0から50重量%、好ましくは0.1から20重量%、および
(E)水5から90重量%、好ましくは5から78.8重量%、
〔それぞれの場合において、重量%は顔料調製物の全重量に基づく〕
を含む。
【0018】
成分(C)および(D)の1つまたは複数が存在する場合、これらの最低濃度は、互いに独立して、顔料調製物の全重量に基づいて、有利には少なくとも0.01%、好ましくは0.1%である。同じことがオリゴエステルおよびポリエステルにも適用され、成分(IV)および(V)の1つまたは複数が存在する場合、これらの最低濃度は、互いに独立して、オリゴエステルおよび/またはポリエステルの全重量に基づいて、有利には少なくとも0.01%、好ましくは0.1%である。
【0019】
本発明の顔料調製物の成分(A)は、細かく分割された有機または無機の顔料あるいは異なる有機および/または無機の顔料の混合物である。また、成分(A)は、ある種の溶剤に不溶性であって、それが顔料の特性を有している染料であってもよい。顔料は、乾燥粉末の形態でも水分湿気のあるプレスケーキとしてでも使用することができる。
【0020】
好適な有機顔料は、モノアゾ、ジスアゾ、レーキ化アゾ、β−ナフトール、ナフトールAS、ベンズイミダゾロン、ジスアゾ縮合物およびアゾ金属錯体顔料ならびに例えばフタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、ペリノン、チオインジゴ、アンタントロン、アントラキノン、フラバントロン、インダントロン、イソビオラントロン、ピラントロン、ジオキサジン、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、およびジケトピロロピロール顔料などの多環状顔料、またはファーネスブラックおよびガスブラックからなる群からの酸性からアルカリ性のカーボンブラックである。
【0021】
前記の有機顔料の中で、調製物の製造のためには、好ましくは顔料粒子の95%以上、さらに好ましくは99%以上が500nm以下のサイズを有する、細かく分割されているものが特別な適合性を有している。使用される顔料によって、顔料粒子の形態は、非常に鋭く相違することがあり、したがって、顔料配合の粘性挙動は、粒子形によって非常に相違することがある。前記調製物において理想的なニュートン粘性挙動を得るためには、粒子は、好ましくは球体から立方体(平らになった角を有する)までの範囲の形状を有するべきである。
【0022】
特に好ましい有機顔料の例示的選択として、例えばガスブラックまたはファーネスブラックなどのカーボンブラック顔料;モノアゾおよびジスアゾ顔料、特にカラーインデックス顔料/ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー3、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー16、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー73、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー81、ピグメントイエロー83、ピグメントイエロー87、ピグメントイエロー97、ピグメントイエロー111、ピグメントイエロー126、ピグメントイエロー127、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー155、ピグメントイエロー174、ピグメントイエロー176、ピグメントイエロー191、ピグメントイエロー213、ピグメントイエロー214、ピグメントレッド38、ピグメントレッド144、ピグメントレッド214、ピグメントレッド242、ピグメントレッド262、ピグメントレッド266、ピグメントレッド269、ピグメントレッド274、ピグメントオレンジ13、ピグメントオレンジ34またはピグメントブラウン41;β−ナフトールおよびナフトールASピグメント、特にカラーインデックス顔料/ピグメントレッド2、ピグメントレッド3、ピグメントレッド4、ピグメントレッド5、ピグメントレッド9、ピグメントレッド12、ピグメントレッド14、ピグメントレッド53:1、ピグメントレッド112、ピグメントレッド146、ピグメントレッド147、ピグメントレッド170、ピグメントレッド184、ピグメントレッド187、ピグメントレッド188、ピグメントレッド210、ピグメントレッド247、ピグメントレッド253、ピグメントレッド256、ピグメントオレンジ5、ピグメントオレンジ38またはピグメントブラウン1;レーキ化アゾおよび金属複合顔料、特にカラーインデックス顔料/ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:3、ピグメントレッド48:4、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド257、ピグメントオレンジ68またはピグメントオレンジ70;ベンズイミダゾリンピグメント、特にカラーインデックス顔料/ピグメントイエロー120、ピグメントイエロー151、ピグメントイエロー154、ピグメントイエロー175、ピグメントイエロー180、ピグメントイエロー181、ピグメントイエロー194、ピグメントレッド175、ピグメントレッド176、ピグメントレッド185、ピグメントレッド208、ピグメントバイオレット32、ピグメントオレンジ36、ピグメントオレンジ62、ピグメントオレンジ72またはピグメントブラウン25;イソインドリノンおよびイソインドリン顔料、特にカラーインデックス顔料/ピグメントイエロー139またはピグメントイエロー173;フタロシアニン顔料、特にカラーインデックス顔料ピグメントブルー15、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:6、ピグメントブルー16、ピグメントグリーン7またはピグメントグリーン36;アンタントロン、アントラキノン、キナクリドン、ジオキサジン、インダントロン、ペリレン、ペリノンおよびチオインジゴ顔料、特にカラーインデックス顔料/ピグメントイエロー196、ピグメントレッド122、ピグメントレッド149、ピグメントレッド168、ピグメントレッド177、ピグメントレッド179、ピグメントレッド181、ピグメントレッド207、ピグメントレッド209、ピグメントレッド263、ピグメントブルー60、ピグメントバイオレット19、ピグメントバイオレット23またはピグメントオレンジ43;トリアリールカルボニウム顔料、特にカラーインデックス顔料/ピグメントレッド169、ピグメントブルー56またはピグメントブルー61;ジケトピロロピロール顔料、特にカラーインデックス顔料/ピグメントレッド254、ピグメントレッド255、ピグメントレッド264、ピグメントレッド270、ピグメントレッド272、ピグメントオレンジ71、ピグメントオレンジ73、およびピグメントオレンジ81が挙げられる。
【0023】
好適な無機顔料の例は、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マンガン鉄、酸化クロム、ウルトラマリン、ニッケルまたはクロムアンチモンチタン酸化物、酸化コバルト、コバルトとアルミニウムの混合酸化物、ルチル混合相顔料、希土類の硫化物、バナジン酸ビスマスおよび体質顔料を含む。
【0024】
有機顔料は、好ましくはカーボンブラックおよび/または二酸化チタンと組み合わせられる。さらに、好適なものは、スルホン酸および/またはカルボン酸基を含む染料のCa、MgおよびAlレーキなどのレーキ化染料である。
【0025】
また、顔料分散液に代わって、固体として例えば天然の細かく分割された鉱石、鉱物、わずかに可溶性または不溶性の塩、微粉状ワックスまたはプラスチック、染料、クロップ(crop)保護剤、および殺虫剤、UV吸収剤、蛍光増白剤および重合安定剤を含む分散液を調製することも可能である。
【0026】
成分(B)は、次のモノマーに基づいて合成され得る水溶性または水分散性の非イオン性オリゴエステルまたはポリエステルを含む。
【0027】
使用されるジカルボン酸成分は、芳香族ジカルボン酸、特にテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ビフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸またはトリメシン酸を含む。
【0028】
分子量を制御する目的のために、さらに芳香族および脂肪族モノカルボン酸を使用することができる。芳香族酸は、例えば安息香酸およびこのo−、m−およびp−誘導体、例えばトルイル酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、ニトロ安息香酸およびヒドロキシ安息香酸を含む。同様に、例えばα−ナフトエ酸またはβ−ナフトエ酸などの多環式芳香族モノカルボン酸も使用することができる。脂肪族酸は、モノヒドロキシモノカルボン酸、特にグリコール酸、乳酸、ω−ヒドロキシステアリン酸およびω−ヒドロキカプロン酸を含む。また、重縮合の目的のために、前記のカルボン酸のすべては、これらのエステルまたはこれらの無水物の形で使用することができる。これらの例は、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、無水フタル酸である。
【0029】
適当なグリコール成分は、II)、III)、IV)およびV)の下で特定された化合物の群を含む。
【0030】
II)の例は、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールおよび3−メトキシ−1,2−プロピレングリコールである。
【0031】
III)のポリアルキレングリコールは、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、n−ブチレンオキシドまたはイソブチレンオキシドから誘導される。これらは、前記のアルキレンオキシドのホモポリマー、コポリマーまたはターポリマーであってもよい。コポリマーは、ブロックコポリマー、ランダムコポリマーまたは交互コポリマーであってもよい。好ましくは、エチレンジグリコール、プロピレンジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはこれらのブロックコポリマーを使用することである。
【0032】
オリゴエステルまたはポリエステルの分子量を制御するために単官能化合物としてメチルポリエチレングリコールを使用することができる。
【0033】
IV)のアルキレンオキシド付加物は、特にC〜C24アルコール、C〜C18アルキルフェノール、C〜C24アルキルアミンの1モルと、好ましくは5から80モルのアルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはこれらの混合物との水溶性付加体である。
【0034】
V)の多価アルコール(ポリオール)は、好ましくは3から6個のOH基を有し、特にグリセリン、ペンタエリスリトール、オリゴグルセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1、2、3−ヘキサントリオール、ソルビトール、マンニトールである。また、前記の多価アルコールとエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドとの付加物も使用することができる。
【0035】
成分(B)として本発明によって使用することができるオリゴエステルおよびポリエステルは、好ましくは次の構造を有している。
【0036】
【化3】

式中、
およびRは、直鎖または分岐のC〜C18アルキル基であり、
、RおよびRは、互いに独立してC〜Cアルキレン、例えばエチレン、プロピレン、ブチレンおよび/またはシクロアルキレン基、例えば1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−ジメチレンシクロヘキシレン基、およびこれらの混合物であり、
およびRは、アリーレンまたはアルカリーレン、例えば1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、1,8−ナフチレン、1,4−ナフチレン、2,2’−ビフェニレン、4,4’−ビフェニレンおよびこれらの混合物であり、
a、bおよびdは、1と200の間の数であり、a、bおよびdの合計は少なくとも5であり、
cは、1と20の間の数である。
【0037】
式(1)の好ましいオリゴエステルおよびポリエステルは、式中、
およびRは、メチルおよび/またはエチルであり、
、RおよびRは、エチレン、1,2−プロピレンまたはこれらの混合物であり、
およびRは、1,4−フェニレンおよび1,3−フェニレンであり、
a、bおよびdは、1と100の間の数であり、a、bおよびdの合計は少なくとも5であり、
cは、1と10の間の数である。
【0038】
さらに、好ましいオリゴエステルおよびポリエステルは、式(2)のものである。
【0039】
【化4】

式中、
およびRは、直鎖または分岐のC〜C18アルキル基であり、
およびRは、エチレンであり、
は、1,4−フェニレンまたは1,3−フェニレンであり、
は、エチレンであり、
は、エチレン、1,2−プロピレンおよびこれらの組合せであり、
xおよびyは、互いに独立して1と500の間の数であり、
zは、10と140の間の数であり、
aは、1と12の間の数であり、
bは、7と40の間の数であり、a+bは少なくとも11である。
【0040】
特に好ましくは、式(2)において互いに独立して、
およびRは、直鎖または分岐のC〜Cアルキル基であり、
およびRは、エチレンであり、
は、1,4−フェニレンまたは1,3−フェニレンであり、
は、エチレンであり、
は、エチレン、1,2−プロピレンおよびこれらの組合せであり、
xおよびyは、互いに独立して3と45の間の数であり、
zは、18と70の間の数であり、
aは、2と5の間の数であり、
bは、8と12の間の数であり、a+bは、12と17の間の数である。
【0041】
成分(B)について記載されたオリゴエステルおよびポリエステルは、完全に生分解性である。これらは、OECD試験方法により、相応する時間後に大幅な程度分解される。
【0042】
本発明の顔料調製物の成分(C)として役立つのは、水性顔料分散液を製造するのに好適な従来の分散剤および界面活性剤またはこのような物質の混合物である。このためにアニオン性、カチオン性、両性または非イオン性の界面活性化合物を使用するのが普通である。これらの中で特によく確立されたものは、1つまたは複数の中位の長さまたは長い炭化水素鎖を有し、部分的に芳香族環基を有するものを含む分散剤である。多様な化合物の中で、単にある選択が、ここで引用されるが、本発明の化合物の適用性は、これらの化合物に限定されない。例は、例えばラウリルサルフェート、ステアリルサルフェートまたはオクタデシルサルフェートなどのアルキルサルフェート、例えばドデシルスルホネートなどの1級アルキルスルホネートおよび2級アルキルスルホネート、特にC13〜C17アルカンスルホネートのナトリウム塩、アルキルホスホネート、例えばドデシルベンゼンスルホン酸などのアルキルベンゼンスルホネートおよびこれらの化合物のすべての塩である。さらに大豆レシチンも好適であり、あるいは脂肪酸とタウリンとの縮合生成物、あるいはヒドロキシエタンスルホン酸も使用され、アルキルフェノールのアルコキシル化生成物、ヒマシ油ロジンエステル、脂肪族アルコール、脂肪族アミン、脂肪酸および脂肪酸アミドも同様であり、これらのアルコキシル化生成物は、同様にイオン性末端基を有していることができ:例えばスルホコハク酸モノエステルまたはスルホン酸エステル、硫酸エステルおよび燐酸エステルおよびこれらの塩、スルホネート、サルフェートまたはホスホネートも使用できる。ポリエポキシドとアミンまたはビスフェノール−AまたはビスフェノールA誘導体とアミンの反応によって得られるオキシアルキル化付加化合物も好適であり、尿素誘導体も同様にして使用できる。
【0043】
同様に好適なものは、置換または非置換の長鎖およびより短鎖のアルキルフェノールの反応性生物、およびこれらのポリマー誘導体、例えばホルムアルデヒド縮合生成物、ノボラックである。非置換または置換のスチレンと非置換または置換のフェノールとの付加反応およびエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドとの反応によって得られる非イオン性のアルコキシル化スチレン−フェノール縮合物、これらを例えばスルホン酸、硫酸および燐酸のエステル、例えばこれらの塩、スルホネート、サルフェートまたはホスホネートの形のイオン的に変性された誘導体も挙げることができる。さらに、成分(C)の好適な界面活性化合物は、リグニンスルホネートおよびβ−ナフタリンスルホン酸とホルムアルデヒドの重縮合物およびまたアルキルアリールスルホン酸、ハロアリールスルホン酸、スルホン化フェノールもしくはスルホン化β−ナフトールとホルムアルデヒドの重縮合物も含む。また、最後に好適なものは、ポリマー分散剤であり、その例は、好ましくは5から40重量%の強度を有する水性アクリレート樹脂溶液であり、塩基の助けで、ビニル性酸単位の中和によって溶液にしたポリアクリレートから形成されたものである。この目的に使用されるポリアクリレートは、実質的にモノアルキレン芳香族化合物30から80モル%とアクリル酸および/またはメタクリル酸ならびに/あるいはアクリル酸および/またはメタクリル酸のエステル20から70モル%とから構成されるコポリマーであることが多い。通常、ポリアクリレートは1000〜100000g/モル、好ましくは2000〜50000g/モルの数平均モル質量Mnを有している。
【0044】
成分(D)として、例えば顔料の湿潤(湿潤剤)を促進するカチオン性、アニオン性、両性または非イオン性化合物が使用される。また、増粘剤、保存剤、粘度安定剤、磨砕助剤、充填剤およびヒドロトロープ保持剤も使用される。
【0045】
好適な保持剤は、適切な場合、溶剤としても役目を果たす化合物を含み、例は、ホルムアミド、尿素、テトラメチル尿素、ε−カプロラクタム、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、α−メチル−ω−ヒドロキシ−ポリエチレングリコールエーテル、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、ブチルグリコール、メチルセルロース、グリセリン、N−メチルピロリドン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、チオジグリコール、ナトリウムベンゼンスルホネート、ナトリウムキシレンスルホネート、ナトリウムトルエンスルホネート、ナトリウムキュメンスルホネート、ナトリウムドデシルスルホネート、安息香酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウムまたはナトリウムブチルモノグリコールサルフェートである。
【0046】
可能なさらなる慣用の添加剤は、耐沈降剤、光安定剤、抗酸化剤、非揮発剤/消泡剤、泡減少剤、耐ケーキング剤、粘着性およびレオロジーに好ましく影響を及ぼす添加剤である。
【0047】
粘度を規制するための好適な薬剤は、例えばポリビニルアルコールおよびセルロース誘導体を含む。水溶性の天然もしくは合成の樹脂およびポリマーも接着性および耐摩耗性を増加させるためのフルム形成剤またはバインダーとして同様に好適である。使用されるpH規制剤は、有機もしくは無機の塩基および酸を含む。好ましい有機塩基は、例えばアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、アミノメチルプロパノールまたはジメチルアミノメチルプロパノールなどのアミンである。好ましい無機の塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムまたはアンモニアである。
【0048】
また、さらなる慣用の添加剤は、植物および動物由来の油脂であり、例は、牛脂、パームカーネル脂、ココナッツ脂、菜種油、ヒマワリ油、亜麻仁油、パーム油、大豆油、落花生油および鯨油、綿実油、トウモロコシ油、ケシ油、オリーブ油、ヒマシ油、菜種油、サフラワー油、大豆油、ヒマワリ油、ニシン油およびイワシ油である。さらなる慣用の添加剤は、飽和および不飽和の高級脂肪酸、例えばパルミチン酸、シプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、カプロン酸、カプリル酸、アラキジン酸、ベヘン酸、パルミトオレイン酸、ガドレイン酸、エルシン酸およびリシノール酸ならびにこれらの塩類を含む。
【0049】
本発明の顔料調製物を製造するために使用される水、成分(E)は、好ましくは脱ミネラル水または蒸留水の形で使用される。飲料水(水道水)および/または天然由来の水もまた使用することができる。
【0050】
本発明は、さらに、水(E)および成分(B)の存在下で、粉末、顆粒または水性プレスケーキの形の成分(A)を分散させること、次に適切な場合、水およびまた、適切な場合、(C)および/または(D)の中に混合すること、および得られた水性顔料分散液を所望の濃度に水で調整することを含む本発明の顔料調製物を製造する方法を提供する。好ましくは、成分(B)および、適切な場合、(C)および/または(D)が最初に混合され、均質化され、次いで顔料をペースト化および予備分散しながら、調製された混合物中に成分(A)が混入される。使用された顔料の粒の粗さによって、この後に、粉砕または分散装置の助けをかりて、適当ならば、冷却しながら細分化または細かい分散を行うことができる。この目的のために、攪拌機機構、溶解機(のこぎり歯攪拌機)、ローターステーターミル、ボールミル、例えばサンドミル、ビーズミルなどの攪拌ボールミル、高速ミキサー、混練装置、ロールミルまたは高性能ビーズミルを使用することができる。所望の粒度分布に達するまで、顔料は、0から100℃の範囲内の温度、有利には10℃と70℃の間の温度、好ましくは20から60℃の温度で行うことができる操作において、細かく分散され、または粉砕される。細かく分散することに続いて、顔料調製物は、水、好ましくは脱イオン水または蒸留水でさらに希釈することができる。
【0051】
本発明の顔料調製物は、すべての種類の天然もしくは合成材料、特に水性被覆材料、乳化塗料および着色被覆剤(分散液系被覆材料)を顔料着色および着色するのに好適である。本発明の顔料調製物は、すべての種類の大きな分子の材料、その例は天然および合成繊維材料、好ましくはセルロース繊維の着色およびまた紙の大規模着色および積層製品の着色にさらに好適である。さらなる用途は、例えば繊維製品印刷、フレキソ印刷、装飾印刷またはグラビア印刷を含む印刷インク、壁紙カラー、水希釈性塗料、木材保存系、ビスコースのスピン着色系、ワニス、ソーセージの皮、種子、肥料、ガラス、特にガラス瓶の製造およびまた屋根板の大規模着色、下塗り、コンクリート、木材着色、着色鉛筆芯、ファイバーチップペン、ワックス、パラフィン、グラフィックスインク、ボールペンペースト、チョーク、洗濯洗剤、清掃用品、靴磨き剤、ラテックス製品、研磨材の着色およびまたすべての種類のプラスチックまたは高分子量材料の着色である。高分子量有機材料の例は、例えばエチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテートまたはセルロースブチレートなどのセルロースエーテルおよびセルロースエステル、重合樹脂または縮合樹脂などの天然樹脂または合成樹脂、例えばアミノ樹脂、特に尿素−およびメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリオレフィン、例えばポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリルおよびポリアクリル酸エステル、ポリアミド、ポリウレタンまたはポリエステル、ゴム、カゼイン、ラチス(latices)、シリコーンおよびシリコーン樹脂のそれぞれまたは混合物を含む。
【0052】
本発明の顔料調製物はさらに、すべての従来のインクジェット式プリンター、特にバブルジェットまたはピエゾプロセスに基づくものでの使用のための印刷インクの製造に好適である。これらの印刷インクは、紙およびまた天然もしくは合成の繊維材料、フォイル、およびプラスチックを印刷するのに使用することができる。さらに、本発明の顔料調製物は、非常に幅広い種類の、被覆され、もしくは被覆されていない基材物質の印刷、例えば、板紙、段ボール、木材、および木材系材料、金属材料、半導体材料、セラミック材料、眼鏡、ガラスおよびセラミック繊維、構造用無機材料、コンクリート、革、食料品、化粧品、皮膚、および髪の印刷に使用することができる。この基材物質は、2次元的平面であってもよく、空間的に広がっていてもよく、すなわち、3次元的であってもよく、完全にまたは部分的にのみ印刷または被覆されてもよい。
【0053】
本発明の顔料調製物は、さらに例えば1−もしくは2−成分粉末トナー(1−もしくは2−成分現像液とも呼ばれる)、磁気トナー、液体トナー、ラテックストナー、重合トナーおよび特殊トナーなどの電子写真トナーおよび現像液における着色剤として好適である。この文脈での典型的なトナーバインダーは、付加重合樹脂、重付加樹脂および重縮合樹脂、例えばスチレン、スチレン−アクリレート、スチレン−ブタジエン、アクリレート、ポリエステル、およびフェノール−エポキシ樹脂、ポリスルホン、ポリウレタンのそれぞれまたは組合せ、およびまたポリエチレンおよびポリプロピレンであり、例えば荷電制御剤、ワックス、または流動助剤などのさらなる成分を含んでいてもよく、次いでこれらの助剤で変性されていてもよい。
【0054】
さらに、本発明の顔料調製物は、粉末および粉末被覆材料、特に摩擦電気的または界面動電的にスプレー可能な粉末被覆材料であって、例えば金属、木、プラスチック、ガラス、セラミック、コンクリート、繊維材料、紙またはゴムなどで作られた物品の表面を被覆するために使用されるものの着色剤としての使用に好適である。ここで使用された粉末被覆樹脂は、典型的には、慣用の硬化剤と共に、エポキシ樹脂、カルボキシル−およびヒドロキシル−含有ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂およびアクリル樹脂である。例えば、エポキシ樹脂は、カルボキシル−およびヒドロキシ−ポリエステル樹脂と組み合わせて頻繁に使用される。典型的な硬化剤成分(樹脂系に依存する)の例は、酸無水物、イミダゾールおよびジシアンジアミドおよびこれらの誘導体、キャップド(capped)イソシアナト、ビスアシルウレタン、フェノール樹脂およびメラミン樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、オキサゾリンおよびジカルボキシル酸である。
【0055】
さらに本発明の顔料調製物は、インク、好ましくはインクジェットインク、例えば水性または非水性(「溶剤系」)のもの、ミクロ乳化インク、UV硬化性インクおよびホットメルト方法で作用するインクにおける着色剤としての使用に好適である。一般に、インクジェットインクは、合計で本発明の顔料調製物の0.5重量%から15重量%、好ましくは1.5重量%から8重量%(乾燥基準で算出)を含む。ミクロ乳化インクは、有機溶剤、水、および所望により、追加のヒドロトロープ物質(インタフェース仲介剤)に基づいている。ミクロ乳化インクは、本発明の顔料調製物0.5重量%から15重量%、好ましくは1.5重量%から8重量%、水5重量%から99重量%および有機溶媒および/またはヒドロトロープ化合物0.5重量%から94.5重量%を含む。
【0056】
「溶剤系」インクジェットインクは、好ましくは本発明の顔料調製物0.5重量%から15重量%、有機溶剤および/またはヒドロトロープ化合物85重量%から99.5重量%を含む。UV硬化性インクは、実質的に本発明の顔料調製物0.5重量%から30重量%、水0.5重量%から95重量%、有機溶剤または溶剤混合物0.5重量%から95重量%、放射線硬化性バインダー0.5重量%から50重量%および、適切な場合、光開始剤0から10重量を含む。ホットメルトインクは通常、ワックス、脂肪酸、脂肪族アルコールまたはスルホンアミド(これらは室温で固体であり、加熱時に液状になる)を通常ベースとし、この好ましい溶融温度の範囲は、約60℃と約140℃の間である。例えば、ホットメルトインクジェットインクは、実質的にはワックス20重量%から90重量%および本発明の顔料調製物1重量%から10重量%で構成される。これらは、追加のポリマー(「染料溶解剤」として)0から20重量%、分散助剤0から5重量%、粘度変性剤0から20重量%、可塑剤0から20重量%、タック(tack)添加剤0から10重量%、透明安定化剤(例えばワックスの結晶化を防止するもの)0から10重量%および抗酸化剤0から2重量%をさらに含むことができる。
【0057】
さらにまた、本発明の顔料調製物は、フラットパネルディスプレイ用カラーフィルター、アディティブおよびサブトラクティブカラー生成およびフォトレジストのための着色剤および電子インク(「e−インク」)または電子ペーパー(「e−ペーパー」)ための着色剤としても好適である。
【0058】
(実施例)
顔料調製物の評価
カラー強度および色調は、DIN55986によって測定した。ラブ−アウト試験については、乳化塗料またはワニスを、顔料分散液と混合後にペイントチャートに塗布した。次いで、ペイントチャートの下部に塗布した被覆を指で擦った。擦った領域が隣接する未処理の領域より強く着色した場合、非適合性が存在した(ラブ−アウト試験は、DE2638946に記載されている)。色彩上のデータおよび着色用媒体との相溶性について、8つの異なる白色分散液および2つまでの異なるワニスについて測定した。
1.白色分散液A(屋外塗料用、水系、TiO20%)
2.白色分散液B(屋外塗料用、水系、TiO1%)
3.白色分散液C(屋外塗料用、水系、TiO13.4%)
4.白色分散液D(屋外塗料用、水系、TiO22.6%)
5.白色分散液E(屋外塗料用、水系、ポリシロキサン乳化バインダー、TiO、タルク、炭酸カルシウム)
6.白色分散液F(屋内塗料用、水系、ポリマー分散液、溶剤および可塑剤なし、低放出、TiO、炭酸カルシウム)
7.白色分散液G(特に石ないしレンガ工事用の乳化塗料、水系、ポリマー分散液、白色顔料、無機顔料、シリカ系充填剤、タルク、炭酸カルシウム)
8.白色分散液H(屋内塗料用、水系、ポリアクリレート、TiO、炭酸カルシウム)
9.白色ワニスA(水系、Viacryl VSC(登録商標)バインダー、TiO20%)
10.白色ワニスB(アルキド樹脂系、Vialkyd AS(登録商標)バインダー、有機溶剤、TiO27%)
ドライアウトへの耐性は、200μmドクターブレードを使用してポリエステルの透明なフィルム上に顔料調製物を流し出し、その流し出したものを標準化条件の下で保存することよって、評価した。ドライアウトは、数分後、30分後、1日後および3日および7日後に測定した。粘度は、20℃においてHaake製の円錐および平版粘度計(Roto Visco 1)(チタニウム円錐:直径60mm、1°)を使用して測定し、粘度とせん断速度の関係を0s−1と〜200s−1の間の範囲内で調べた。粘度は、60s−1のせん断速度で測定した。
【0059】
分散液の保存安定性を評価するために、調製物の製造直後、および4週間、50℃で保存した後、および0℃未満に気候が制御されたチャンバーに保存した後、粘度を測定した。
【0060】
顔料調製物の製造
粉末、顆粒、またはプレスケーキのいずれかの形の顔料を脱イオン水中で分散剤およびその他の助剤と共にペースト化し、次いで溶解機(例えばVMA−Getzmann GmbH製、タイプAE3−M1)または他の好適な装置を使用して均質化および予備分散させた。ビーズミル(例えばVMA−Getzmann製のAE3−M1)またはその他の好適な分散装置の手段によって、d=1mmのサイズのシリクオーツアイト(siliquarzite)ビーズまたはジルコニウム混合酸化物ビーズを用いて、冷却を伴う粉砕を行いながら、所望のカラー強度および着色の性質が得られるまで、その後の細かな分散を行った。その後、分散液を脱イオン水によって所望の最終の顔料濃度に調整し、粉砕媒体を分離して、顔料調製物を単離した。
【0061】
以下の実施例に記載された顔料調製物は、前記の方法によって製造され、以下の成分がそれぞれの顔料調製物100部を与えるように述べられた量で使用された。以下の実施例において、部は重量部である。
【0062】
(実施例1)
C.I.ピグメントバイオレット23(成分A) 20部
成分(B)、式(1)でRおよびR=メチル、RおよびR=エチレン、RおよびR=1,4−フェニレン、R=1,2−プロピレン、a、bおよびdの合計が平均約35、cが平均約2であるもの 11部
α−メチル−ω−ヒドロキシ−ポリエチレングリコールエーテル(Mn470〜530g/モル)(成分D) 10部
ビスフェノールAおよびアミンのオキシアルキル化付加化合物、非イオン性(成分C) 8部
保存剤(成分D) 0.2部
水(成分E) 残部
この顔料調製物は、高いカラー強度を有しており、凝集に対し安定である。それは、備わった分散性で8つのすべての白色分散液中に非常に良好に混和することができる。ラブ−アウト試験は、A、C、D、F、GおよびHの6つの場合において、摩擦した領域を比較すると、カラー強度において何ら相違を示さない。白色分散液BおよびEの場合において、ラブ−アウト試験でわずかなカラー相違が明らかであったが、顔料調製物は、これらの系とまだ高い相溶性がある。この顔料調製物は、良好なレオロジー物性を有し、容易に流動性であって、保存中安定であることがわかる。製造後の粘度は、468mPa・sである。さらにこの調製物は、30分内に乾燥し、基材からぼろぼろに砕けない弾性フィルムを形成するので、非常に良好なドライアウト耐性を有する。同様に7日後、弾性フィルムは基材から剥げることなく存在している。
【0063】
(実施例2)
C.I.ピグメントブラック7(成分A) 40部
成分(B)、式(1)でRおよびR=メチル、RおよびR=エチレン、RおよびR=1,4−フェニレン、R=1,2−プロピレン、a、bおよびdの合計が平均約90、cが平均約5であるもの 8.5部
α−メチル−ω−ヒドロキシ−ポリエチレングリコールエーテル(Mn470〜530g/モル)(成分D) 10部
ビスフェノールAおよびアミンのオキシアルキル化付加化合物、非イオン性(成分C) 2部
ナトリウムジ−2−エチルヘキシルスルホサクシネート(成分C) 0.5部
保存剤(成分D) 0.9部
水(成分E) 残部
この顔料調製物は、高いカラー強度を有しており、凝集に対し安定である。それは、備わった分散性で8つのすべての白色分散液中に非常に良好に混和することができる。ラブ−アウト試験は、すべての場合において、摩擦した領域を比較すると、カラー強度において何ら相違を示さない。これらの8つの白色分散液において、この調製物は「普遍的な」な相溶性がある。この顔料調製物は、良好なレオロジー物性を有し、容易に流動性であって、保存中安定であることがわかる。製造後の粘度は、617mPa・sである。さらにこの調製物は、30分内に乾燥し、基材からぼろぼろに砕けない弾性フィルムを形成するので、非常に良好なドライアウト耐性を有する。同様に7日後、弾性フィルムは基材から剥げることなく存在している。
【0064】
(比較例2a)
C.I.ピグメントブラック7(成分A) 40部
オキシアルキル化脂肪族アルコール、非イオン性(成分C) 8.5部
α−メチル−ω−ヒドロキシ−ポリエチレングリコールエーテル(Mn470〜530g/モル)(成分D) 10部
ビスフェノールAおよびアミンのオキシアルキル化付加化合物、非イオン性(成分C) 2部
ナトリウムジ−2−エチルヘキシルスルホサクシネート(成分C) 0.5部
保存剤(成分D) 0.9部
水(成分E) 残部
この顔料調製物は、きれいな色調と共に高いカラー強度を有しているが、種々の白色分散液およびワニスにおいて凝集に対し安定ではない。試験された3つの白色分散液中のみに、顔料調製物は、備わった分散性で良好に混和することができる(A、DおよびH)。ここで、ラブ−アウト試験は、カラー強度において何ら相違を示さない。4つの白色分散液(B、C、FおよびG)において、および白色ワニスAにおいて、ラブ−アウト試験はカラー相違を示すが、凝集現象を検出することができる。この顔料調製物は、白色分散液Eまたは白色ワニスBの中には混和することができない。
【0065】
(実施例3)
C.I.ピグメントレッド146(成分A) 40部
成分(B)、式(1)でRおよびR=メチル、RおよびR=エチレン、RおよびR=1,4−フェニレン、R=1,2−プロピレン、a、bおよびdの合計が平均約35、cが平均約2であるもの 7部
プロピレングリコール(成分D) 20部
ビスフェノールAおよびアミンのオキシアルキル化付加化合物、非イオン性(成分C) 4部
保存剤(成分D) 0.2部
水(成分E) 残部
この顔料調製物は、高いカラー強度を有しており、凝集に対し安定である。それは、備わった分散性で8つのすべての白色分散液中および白色ワニスAに非常に良好に混和することができる。ラブ−アウト試験は、すべての場合において、摩擦した領域を比較すると、カラー強度において何ら相違を示さない。試験された用途系において、この調製物は「普遍的な」な相溶性がある。この顔料調製物は、良好なレオロジー物性を有し、容易に流動性であって、保存中安定であることがわかる。製造後の粘度は、744mPa・sである。さらにこの調製物は、30分内に乾燥し、基材からぼろぼろに砕けない弾性フィルムを形成するので、非常に良好なドライアウト耐性を有する。
【0066】
(実施例4)
C.I.ピグメントイエロー154(成分A) 35部
成分(B)、式(2)でRおよびR=メチル、RおよびR=エチレン、R=1,4−フェニレン、R=エチレン、R=統計的混合物としてのエチレンおよび1,2−プロピレン、それぞれの場合においてxおよびyが平均約45であり、zが平均約35であり、aが平均約3であり、bが平均約10であるもの 4.5部
プロピレングリコール(成分D) 15部
保存剤(成分D) 0.9部
水(成分E) 残部
この顔料調製物は、非常にきれいな色調と共に高いカラー強度を有しており、凝集に対し安定である。それは、備わった分散性でAからHの8つのすべての白色分散液中非常に良好に混和することができる。ラブ−アウト試験は、すべての場合において、摩擦した領域を比較すると、カラー強度において何ら相違を示さない。そのため、試験された分散液に関して、この調製物は「普遍的な」な相溶性がある。この顔料調製物は、良好なレオロジー物性を有し、容易に流動性であって、保存中安定であることがわかる。製造後の粘度は、37mPa・sである。さらにこの調製物は、30分内に乾燥し、基材からぼろぼろに砕けない弾性フィルムを形成するので、非常に良好なドライアウト耐性を有する。
【0067】
(実施例5)
C.I.ピグメントイエロー97(成分A) 40部
成分B、式(1)でRおよびR=メチル、RおよびR=エチレン、RおよびR=1,4−フェニレン、R=1,2−プロピレン、a、bおよびdの合計が平均約35、cが平均約2であるもの 4.5部
プロピレングリコール(成分D) 10部
オキシアルキル化脂肪族アルコール、非イオン性(成分C) 5部
保存剤(成分D) 0.2部
水(成分E) 残部
この顔料調製物は、高いカラー強度を有しており、凝集に対し安定である。それは、備わった分散性で8つのすべての白色分散液中に非常に良好に混和することができる。ラブ−アウト試験は、すべての場合において、摩擦した領域を比較すると、カラー強度において何ら相違を示さない。この顔料調製物は、良好なレオロジー物性を有し、容易に流動性であって、保存中安定であることがわかる。製造後の粘度は、435mPa・sである。さらにこの調製物は、30分内に乾燥し、基材からぼろぼろに砕けない弾性フィルムを形成するので、非常に良好なドライアウト耐性を有する。
【0068】
(実施例6)
C.I.ピグメントイエロー151(成分A) 40部
成分(B)、式(1)でRおよびR=メチル、RおよびR=エチレン、RおよびR=1,4−フェニレン、R=1,2−プロピレン、a、bおよびdの合計が平均約35、cが平均約2であるもの 3部
ポリエチレングリコール(Mn260〜240g/モル)(成分D) 10部
オキシアルキル化脂肪族アルコール、非イオン性(成分C) 1部
消泡剤(成分D) 0.5部
保存剤(成分D) 0.2部
水(成分E) 残部
この顔料調製物は、きれいな色調と共に高いカラー強度を有しており、凝集に対し安定である。それは、備わった分散性で8つのすべての白色分散液中および2つの異なるワニスに非常に良好に混和することができる。ラブ−アウト試験は、すべての場合において、摩擦した領域を比較すると、カラー強度において何ら相違を示さない。そのため、試験された系において、この調製物は「普遍的な」な相溶性がある。この顔料調製物は、良好なレオロジー物性を有し、容易に流動性であって、保存中安定であることがわかる。製造後の粘度は、34mPa・sである。さらにこの調製物は、30分内に乾燥し、基材からぼろぼろに砕けない弾性フィルムを形成するので、非常に良好なドライアウト耐性を有する。
【0069】
(実施例7)
C.I.ピグメントレッド122(成分A) 20部
成分(B)、式(1)でRおよびR=メチル、RおよびR=エチレン、RおよびR=1,4−フェニレン、R=1,2−プロピレン、a、bおよびdの合計が平均約35、cが平均約2であるもの 4部
ポリエチレングリコール(Mn260〜240g/モル)(成分D) 9部
オキシアルキル化脂肪族アルコール、非イオン性(成分C) 1部
消泡剤(成分D) 0.5部
保存剤(成分D) 0.2部
水(成分E) 残部
この顔料調製物は、きれいな色調と共に高いカラー強度を有しており、凝集に対し安定である。それは、備わった分散性ですべての8つのすべての白色分散液中に非常に良好に混和することができる。ラブ−アウト試験は、すべての場合において、摩擦した領域を比較すると、カラー強度において何ら相違を示さない。この顔料調製物は、良好なレオロジー物性を有し、容易に流動性であって、保存中安定であることがわかる。製造後の粘度は、27mPa・sである。さらにこの調製物は、30分内に乾燥し、基材からぼろぼろに砕けない弾性フィルムを形成するので、非常に良好なドライアウト耐性を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)少なくとも1つの有機および/または無機の顔料、
(B)ジカルボン酸成分と次のものを含むグリコール成分:
I)1つまたは複数のジカルボン酸、これらのエステルまたは無水物、
II)C〜Cアルキレンジオール、
III)ポリ(C〜Cアルキレン)グリコールおよび/またはメチルポリ(C〜Cアルキレン)グリコール、
IV)所望により、アルキレンオキシドとC〜C24アルコール、C〜C18アルキルフェノールまたはC〜C24アルキルアミンとの水溶性付加体、および
V)所望により、1つまたは複数のポリオール、
とを重縮合することによって得ることができる、少なくとも1つの水溶性または水分散性の非イオン性オリゴエステルまたはポリエステル、
(C)所望により、水性顔料分散液を製造するための従来のさらなる分散剤および界面活性剤、
(D)所望により、水性顔料分散液を製造するための従来のさらなる添加剤、および
(E)水
を含む水性顔料調製物。
【請求項2】
(A)少なくとも1つの有機および/または無機の顔料5から80重量%、
(B)ジカルボン酸成分と次のものを含むグリコール成分:
I)1つまたは複数のジカルボン酸、これらのエステルまたは無水物10から50重量%、
II)C〜Cアルキレンジオール2から50重量%、
III)ポリ(C〜Cアルキレン)グリコールおよび/またはメチルポリ(C〜Cアルキレン)グリコール3から80重量%、
IV)アルキレンオキシドとC〜C24アルコール、C〜C18アルキルフェノールまたはC〜C24アルキルアミンとの水溶性付加体0から10重量%、および
V)1つまたは複数のポリオール0から10重量%、
〔それぞれの場合において、重量%はオリゴエステルまたはポリエステルの全重量に基づく〕
とを重縮合することによって得ることができる、少なくとも1つの水溶性または水分散性の非イオン性オリゴエステルまたはポリエステル0.1から30重量%、
(C)水性顔料分散液を製造するための従来のさらなる分散剤および界面活性剤0から30重量%、
(D)水性顔料分散液を製造するための従来のさらなる添加剤0から50重量%、および
(E)水5から90重量%、
〔それぞれの場合において、重量%は顔料調製物の全重量に基づく〕
を含む、請求項1に記載の顔料調製物。
【請求項3】
(A)少なくとも1つの有機および/または無機の顔料20から70重量%、
(B)ジカルボン酸成分と次のものを含むグリコール成分:
I)1つまたは複数のジカルボン酸、これらのエステルまたは無水物15から30重量%
II)C〜Cアルキレンジオール5から45重量%、
III)ポリ(C〜Cアルキレン)グリコールおよび/またはメチルポリ(C〜Cアルキレン)グリコール5から75重量%、
IV)アルキレンオキシドとC〜C24アルコール、C〜C18アルキルフェノールまたはC〜C24アルキルアミンとの水溶性付加体0から10重量%、および
V)1つまたは複数のポリオール0から10重量%、
〔それぞれの場合において、重量%はオリゴエステルまたはポリエステルの全重量に基づく〕
とを重縮合することによって得ることができる、少なくとも1つの水溶性または水分散性の非イオン性オリゴエステルまたはポリエステル1から15重量%、
(C)水性顔料分散液を製造するための従来のさらなる分散剤および界面活性剤0.1から15重量%、
(D)水性顔料分散液を製造するための従来のさらなる添加剤0.1から20重量%、および
(E)水5から78.8重量%
〔それぞれの場合において、重量%は顔料調製物の全重量に基づく〕
を含む、請求項1または2に記載の顔料調製物。
【請求項4】
有機顔料(A)が、モノアゾ、ジスアゾ、レーキ化アゾ、β−ナフトール、ナフトールAS、ベンズイミダゾロン、ジスアゾ縮合物、アゾ金属錯体、フタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、ペリノン、チオインジゴ、アンタントロン、アントラキノン、フラバントロン、インダントロン、イソビオラントロン、ピラントロン、ジオキサジン、キノフタロン、イソインドリン、イソインドリノンもしくはジケトピロロピロール顔料またはファーネスブラックもしくはガスブラックからなる群からの酸性からアルカリ性のカーボンブラックまたはこれらの組合せからなる群からの少なくとも1つの顔料である、請求項1から3の一項または複数項に記載の顔料調製物。
【請求項5】
無機顔料(A)が、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マンガン鉄、酸化クロム、ウルトラマリン、ニッケルまたはクロムアンチモンチタン酸化物、酸化コバルト、コバルトとアルミニウムの混合酸化物、ルチル混合相顔料、希土類の硫化物、バナジン酸ビスマスおよび体質顔料またはこれらの組合せからなる群からの少なくとも1つの顔料である、請求項1から3の一項または複数項に記載の顔料調製物。
【請求項6】
有機顔料が、カーボンブラックおよび/または二酸化チタンと組み合わせられる、請求項1から5の一項または複数項に記載の顔料調製物。
【請求項7】
成分(B)が、式(1)の1つまたは複数の化合物に相当する、請求項1から6の一項または複数項に記載の顔料調製物:
【化1】

(式中、
およびRは、直鎖または分岐のC〜C18アルキル基であり、
、RおよびRは、互いに独立してC〜Cアルキレンであり、
およびRは、アリーレンまたはアルカリーレンであり、
a、bおよびdは、1と200の間の数であり、a、bおよびdの合計は少なくとも5であり、
cは、1と20の間の数である)。
【請求項8】
およびRは、メチルおよび/またはエチルであり、
、RおよびRは、エチレン、1,2−プロピレンまたはこれらの混合物であり、
およびRは、1,4−フェニレンおよび1,3−フェニレンであり、
a、bおよびdは、1と100の間の数であり、a、bおよびdの合計は少なくとも5であり、
cは、1と10の間の数である、請求項7に記載の顔料調製物。
【請求項9】
成分(B)が、式(2)の1つまたは複数の化合物に相当する、請求項1から8の一項または複数項に記載の顔料調製物:
【化2】

(式中、
およびRは、直鎖または分岐のC〜C18アルキル基であり、
およびRは、エチレンであり、
は、1,4−フェニレンまたは1,3−フェニレンであり、
は、エチレンであり、
は、エチレン、1,2−プロピレンまたはこれらの組合せであり、
xおよびyは、互いに独立して1と500の間の数であり、
zは、10と140の間の数であり、
aは、1と12の間の数であり、
bは、7と40の間の数であり、a+bは少なくとも11である)。
【請求項10】
およびRは、直鎖または分岐のC〜Cアルキル基であり、
およびRは、それぞれエチレンであり、
は、1,4−フェニレンまたは1,3−フェニレンであり、
は、エチレンであり、
は、エチレン、1,2−プロピレンまたはこれらの組合せであり、
xおよびyは、互いに独立して3と45の間の数であり、
zは、18と70の間の数であり、
aは、2と5の間の数であり、
bは、8と12の間の数であり、a+bは、12と17の間の数である
請求項9に記載の顔料調製物。
【請求項11】
水(E)および成分(B)の存在下で、粉末、顆粒または水性プレスケーキの形の成分(A)を分散させること、次に所望により、水およびまた、所望により、(C)および/または(D)を混合すること、および所望により、得られた水性顔料分散液を水で希釈することを含む、請求項1から10の一項または複数項に記載の顔料調製物の製造方法。
【請求項12】
天然または合成材料を顔料着色するための請求項1から10の一項または複数項に記載の顔料調製物の使用。
【請求項13】
水性被覆材料、乳化塗料、および着色被覆剤(分散液系ワニス)、水希釈性塗料、壁紙インク、および印刷インクを顔料着色および着色するための請求項12に記載の使用。
【請求項14】
天然および合成繊維材料、セルロース繊維の顔料着色、紙の大量染色および積層品の着色、およびまた印刷インク、インクジェットインク、電子写真トナー、粉末被覆材料、カラーフィルター、電子インクおよび電子ペーパー、木材保存系の製造、ビスコース、ソーセージの皮、種子、肥料、ガラス瓶のスピン着色、およびまた屋根板の大規模着色、下塗り、コンクリート、木材着色、着色鉛筆芯、繊維先端ペン、ワックス、パラフィン、グラフィックインク、ボールペンペースト、チョーク、洗剤および清掃用品、靴磨き剤、ラテックス製品、研磨材の着色、およびプラスチックの着色のための請求項12に記載の使用。

【公表番号】特表2008−517113(P2008−517113A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537143(P2007−537143)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【国際出願番号】PCT/EP2005/010514
【国際公開番号】WO2006/045396
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.バブルジェット
【出願人】(598109501)クラリアント・プロドゥクテ(ドイチュラント)ゲーエムベーハー (45)
【氏名又は名称原語表記】Clariant Produkte (Deutschland)GmbH
【Fターム(参考)】