説明

水抜き用管セット及び水抜き工法

【課題】施工が迅速容易であり、孔荒れがある場合にも確実に適用することができる水抜き用管セット及び水抜き工法を提供する。
【解決手段】トンネル掘削作業において地山から地下水を抜き出すための水抜き用管セットであって、フィルタを有した水抜き管20と、封止部36を有し先端部を水抜き管20に接続される管状のパッカー30と、水抜き管及びパッカーの接続のための接続部40とを備え、パッカー30は、内部加圧により凹入部が凸に張出して拡径する膨張管型であり、封止部36は、必要時に封止の破壊が可能であり、且つ、前記パッカーの拡径に要する圧力以下では破壊しないように形成されている水抜き用管セット、及び、該セットを用いた水抜き工法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地山に形成した水抜き用ボアホールから地下水を抜き出すための水抜き用管セット及び水抜き工法に関する。
【背景技術】
【0002】
トンネル掘削時、地山の地下水位が高い場合には一般に切羽前方に長尺の水抜きボーリングを行い、切羽鏡が安定するレベルまで地下水位を下げて施工する。しかし、トンネル掘削断面を全面的に地下水位以下に保つことは難しく、また莫大な費用がかかるため、実際には掘削後のトンネル周囲にはある程度の地下水が存在する。砂層や砂礫層、低強度の砂岩層などでは、トンネル掘削後に施工された吹付けコンクリート面の僅かな隙間から、湧水が継続し、その湧水とともに地山の細粒分がトンネル内に流出することで、吹付けコンクリートと地山の境界に空隙が発生したり、地山強度の劣化が生じることによって、収束していたトンネルの変位が再び進行し、覆工コンクリートを施工するために追加の補強が必要になったり、必要なトンネル断面が侵されて縫い返し(再掘削及びコンクリート吹き付け、ロックボルトによる坑壁面の復元等)が必要になったりする問題がある。このような場合に、地質が概ね均質であれば下向きに穿孔したボアホールに排水用のストレーナー管を設置して吸引するウェルポイント工法によって、掘削後の地下水位を大きく低下させることが可能であるが、帯水層がトンネル断面の上部に分布していたり、部分的に水平、あるいは傾斜して存在するケースでは、削孔した孔に単純にストレーナー管を挿入するだけのウェルポイント工法は、ボアホールの口元側から流入する空気を吸ってしまうために効率的に排水ができないという問題があった。
【0003】
これに対処するため、ストレーナー管の口元側にリング状パッカーを2箇所(先端パッカー、口元パッカー)取り付け、各リング状パッカーに止水材を注入し削孔面に密着させて仕切った後に、先端パッカーと口元パッカー間にさらに止水材を注入して硬化させ、これによりボアホール口元からの空気の流入を防止し、吸引効率を高める水抜き工法が開発された(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、この工法は、2箇所のリング状パッカー及びそのリング状パッカー間に止水材を注入して硬化させなければならず、施工に手間と時間を要する上、孔壁が平滑でない等の孔荒れがある場合は、先端パッカーとボアホール壁面との密着が不十分となり、リング状パッカー間に注入された止水材が先端パッカーを越えてストレーナー管の先端側に達し、ストレーナー管の通水孔を閉塞し、排水を阻害することがあるという問題があった。
【特許文献1】特開平5−187185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決し、施工が迅速容易であり、孔荒れがある場合にも確実に適用することができる水抜き用管セット及び水抜き工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記目的を達成するため、地山に形成した水抜き用ボアホールから地下水を抜き出すための水抜き用管セットであって、通水孔が形成され土砂の通過を防ぐフィルタを有した水抜き管と、先端側を閉じる封止部を有し先端部を該水抜き管に接続される管状のパッカーと、前記水抜き管及びパッカーの接続のための接続部とを備え、前記パッカーは、管の側壁の一部をこれに向き合う側壁の方へ凹入させた縮径形状を有し、内部加圧により凹入部が凸状に張り出して拡径する膨張管型のパッカーであり、前記封止部は、必要時に封止の破壊が可能であり、且つ、前記パッカーの拡径に要する圧力以下では破壊しないように形成されていることを特徴とする水抜き用管セットを提供するものである(第1発明)。
【0007】
本発明はまた、前記目的を達成するため、地山に形成した水抜き用ボアホールから地下水を抜き出すための水抜き工法であって、通水孔が形成され土砂の通過を防ぐフィルタを有した水抜き管と、先端側が封止部により封止され先端部を該水抜き管に接続される管状のパッカーと、前記水抜き管及びパッカーの接続のための接続部とを準備し、前記パッカーは、管の側壁の一部をこれに向き合う側壁の方へ凹入させた縮径形状を有し、内部加圧により凹入部が凸状に張り出して拡径する膨張管型のパッカーとし、前記封止部は、必要時に封止の破壊が可能であり、且つ、前記パッカーの拡径に要する圧力以下では破壊しないように形成されたものとされており、前記パッカーより僅かに大きい径で地山にボアホールを穿孔し、前記水抜き管に前記パッカーを接続して該水抜き管側から前記ボアホールに挿入し、挿入後に前記パッカーの内部に液体を圧送し、該パッカーを膨張拡径して前記ボアホールの壁面に密接させ、その後に前記封止部の封止を破壊し、前記水抜き管及びパッカーを通じて地下水を排出することを特徴とする水抜き工法を提供するものである(第2発明)。
【0008】
本発明はさらに、前記目的を達成するため、地山に形成した水抜き用ボアホールから地下水を抜き出すための水抜き工法であって、通水孔が形成され土砂の通過を防ぐフィルタを有した水抜き管と、先端側が封止部により封止され先端部を該水抜き管に接続される管状のパッカーと、前記水抜き管及びパッカーの接続のための接続部と、前記水抜き管の先端に装着可能な穿孔用ビットと、前記水抜き管の後端に接続可能な駆動ロッドとを準備し、前記パッカーは、管の側壁の一部をこれに向き合う側壁の方へ凹入させた縮径形状を有し、内部加圧により凹入部が凸状に張り出して拡径する膨張管型のパッカーとし、前記封止部は、必要時に封止の破壊が可能であり、且つ、前記パッカーの拡径に要する圧力以下では破壊しないように形成されたものとされており、前記パッカーの先端に前記穿孔用ビットを装着し、後端に前記駆動ロッドを接続し、該駆動ロッドに加える駆動力により前記穿孔用ビットを先頭にして、地山に前記水抜き管及びパッカーを挿入可能なボアホールを穿孔し、その後、前記駆動ロッドを前記ボアホールから引き出して前記水抜き管後端から取り外し、そこに前記パッカーを装着し、前記水抜き管及び前記パッカーを前記ボアホール内に挿入し、挿入後に前記パッカーの内部に液体を圧送し、該パッカーを膨張拡径して前記ボアホールの壁面に密接させ、その後に前記封止部の封止を破壊し、前記水抜き管及びパッカーを通じて地下水を排出することを特徴とする水抜き工法を提供するものである(第3発明)。
【発明の効果】
【0009】
前記第1発明によれば、以下の効果を奏する水抜き用管セットを提供することができる。すなわち、該水抜き用管セットは、通水孔が形成され土砂の通過を防ぐフィルタを有した水抜き管と、先端側を閉じる封止部を有し先端部を該水抜き管に接続される管状のパッカーと、前記水抜き管及びパッカーの接続のための接続部とを備えているので、地山に穿孔したボアホール内に両者を接続した状態で挿入することにより、ボアホールの口元側をパッカーで止水し、水抜き管のフィルタを経た水抜きを行なうことができる。特に、前記パッカーは、管の側壁の一部をこれに向き合う側壁の方へ凹入させた縮径形状を有し、内部加圧により凹入部が凸状に張り出して拡径する膨張管型のパッカーであるので、ボアホールへの挿入後に、パッカー後端部から流体を圧送すれば、該パッカーを膨張拡径させてボアホールの壁面に密接させることができる。これにより、止水材の硬化を待つ必要なく、速やかに止水状態が得られる。しかも、前記封止部は、必要時に封止の破壊が可能であり、且つ、前記パッカーの拡径に要する圧力以下では破壊しないように形成されているので、パッカーを拡径させた後に、該封止部の封止を破壊すれば、直ちに、パッカー内部と水抜き管内部とを連通させることができる。したがって、水抜き管を用いた水抜き施工を迅速容易に行なうことができる。また、流体の圧力でパッカーを膨張拡径させるので、ボアホールの孔荒れがある場合にも確実に止水作用が得られる。
【0010】
前記封止部は、前記パッカーの拡径に要する圧力を超えた圧力が前記パッカー内から作用したときに封止を破壊するように形成することができる。これによれば、液体の圧送によりパッカーを拡径させた後に、さらに高い圧力で液体を圧送すれば封止部の封止を破壊することができるので、施工をより容易に行なうことができる。
【0011】
また、前記水抜き用管セットは、前記水抜き管の先端に装着可能な穿孔用ビットと、穿孔時に前記パッカーに代えて前記水抜き管の後端に接続され切削のための駆動力を伝達する駆動ロッドとをさらに備えたものとすることができる。これにより、前記水抜き管に接続した駆動ロッドに対して加える駆動力により前記穿孔用ビットを先頭にして、地山に前記水抜き管及びパッカーを挿入可能なボアホールを穿孔することができる。したがって、その後、前記駆動ロッドを前記ボアホールから引き出して前記水抜き管後端から取り外し、そこに前記パッカーを装着し、前記水抜き管及び前記パッカーを前記ボアホール内に挿入すれば、前述のようにしてパッカーの拡径及びその後の工程を行なうことができる。
【0012】
さらに、前記パッカーは、該パッカーが膨張拡径したときに元の凹入部の一部に残る凹状部分とボアホールの壁面との間隙を満たすように、縮径状態における凹入部に配置された止水手段を備えることができる。膨張管型パッカーは、内部加圧により全体的に膨張拡径すれば、全周が凸形に復元するが、ボアホールの径が小さい場合、地山の強度が高い場合、内部加圧が低目の場合等には、一部が凹状に残ることがある。この場合は、地下水が、水抜き管のフィルタを経ることなく、その凹状部分を通じて漏出するので、地山の細粒分流出の問題が生じるおそれがある。これに対し、パッカーが、縮径状態における凹入部に配置された止水手段を備えることにより、拡径時に凹状部分が残っても、この止水手段が、凹状部分とボアホールの壁面との間隙を満たし、地下水の漏出を防止することができる。
【0013】
前記第2発明は、地山に穿孔したボアホールに対し、前記第1発明に係る水抜き用管セットを挿入し、内部加圧によるパッカーの膨張拡径、及びその後の封止部破壊を行なうことにより、前記水抜き管及びパッカーを通じて地下水を排出する。したがって、第1発明について述べた上記作用に基づき、地山条件に応じた水抜き施工を容易に、且つ孔荒れがある場合にも確実に行なうことができる。
【0014】
前記第3発明は、前記第1発明の水抜き用管セットに対しさらに、前記水抜き管の先端に装着可能な穿孔用ビットと、前記水抜き管の後端に接続可能な駆動ロッドとを備えたものを準備する。そして、パッカーの先端に前記穿孔用ビット、後端に駆動ロッドを装着し、これを用いて地山にボアホールを穿孔した後、駆動ロッドを取り外し水抜き管後端にパッカーを装着し、ボアホール内に挿入し、その後は、第2発明と同様にして、パッカーの膨張拡径及び封止部破壊をし、地下水を排出する。したがって、地山に対するボアホールの穿孔から地下水の排出までを、水抜き用管セットにより一貫して行なうことができ、より迅速容易に水抜き施工を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。図面中の同一又は同種の部分については、同じ番号を付して説明を省略することがある。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る水抜き用管セットが組み立てられた水抜き管アッセンブリ1を示している。この水抜き用管セットは、水抜き管20と、管状のパッカー30と、接続部40とを備えている。
【0017】
水抜き管20は、図2に示すように、筒状の管本体200を備え、該管本体は、全長に亘る軸孔21と、周面から該軸孔に連通する多数の側孔22とが形成され、これらが通水孔として機能する。管本体200の先端には、ボアホールへの挿入を容易にするために先細形状のヘッド23が固定されている。側孔22は、円形、楕円形、多角形、スリット状等、種々の形状とすることができる。水抜き管20は、地下水を通す際に、地山の強度低下や崩落を引き起こす細粒分流出を防止するために、フィルタ機能を有するのが望ましい。そのためには、水抜き管20内にフィルタを挿入するか、側孔22の大きさを制限し、或いは側孔22をフィルタ材で覆う。水抜き管20内にフィルタを挿入する場合は、水抜き管20は、先端のヘッド23を省略し、開放されていてもよい。管本体200の後端部には、外周面にパッカー30との接続のための継手部材24が形成されている。継手部材24は、図4に示すように、短い筒状をなし、長手方向の中央部にフランジ241を備え、その後部に雄ねじ242が設けられ、前部243が管本体200内に嵌入され固定されている。水抜き管20を構成する材料としては、金属、プラスチック等、種々の材料を用いることができる。特に、打撃や重機による強圧でパッカーをボアホールに強制的に押し込むことができるようにするには、管本体200を金属製とするのが望ましく、特に鋼管を用いるのが望ましい。
【0018】
水抜き管20の軸孔21内に装着するフィルタは、例えば、図4に示すように、管の側壁内面に沿うフィルタ25aとすることができる。フィルタ25aは、筒状に形成された網状体又はシート状の網状体を筒状に巻回したものを用い、図5に示すように、後端部を継手部材24の前部243,前端部を支持板251に嵌合し、接着、線材の巻き付け等により固定して形成することができる。或いは、図6に示すように、継手部材24に代えて、管本体200の内径とほぼ同じ外径のリング252に後端部を固定し、これを管本体200に挿入して、嵌合、接着等により固定してもよい。この他、図7に示すように、中実の網状体を管本体200の内径とほぼ同じ外径の柱状としたフィルタ25bを用いることもできる。この柱状のフィルタは、植物繊維、化学繊維、プラスチック又は金属製のシート材、棒材、管材を用いて立体的な網状体として形成することができる。
【0019】
フィルタを側孔22に設ける場合は、例えば、図3に示すように、側孔22の外側に僅かに径の大きい座ぐり部24を浅く形成し、この座ぐり部24に側孔22を塞ぐ形で円形状のフィルタ26を嵌め込み、座ぐり部24に固定すればよい。この場合のフィルタ26は、例えばスチールメッシュ等で構成することができる。
【0020】
パッカー30は、図8に示すように、管本体31の各端部に先端スリーブ32及び後端スリーブ33を固着したものである。図8の(a)はパッカー30の正面図、(b)は軸線に沿う断面図、(c)は (b)のc-c線に沿う断面図、(d)は先端スリーブ32及び封止部36の縦断面図である。パッカー30は、管31の側壁の一部をこれに向き合う側壁の方へ凹入させた縮径形状となっている。
【0021】
このパッカー30は、図9の(1)から(4)の工程に従って、以下のようにして製造される。先ず(1)に示す円筒形状の管31を用意する。これを一側方からプレスして、(2)のように平坦にする。平坦化された管31の両側縁部を寄せるようにして丸くし、(3)の形状とする。そして、(4)に示すように、その各端部を絞るようにして先端スリーブ32及び後端スリーブ33を被せ、管本体31の先端部とこれらスリーブの内面とを溶接により固着する。なお、先端スリーブ32及び後端スリーブ33と管本体31との固着は、溶接の他、焼嵌め、ねじによる螺合等で行なうこともできる。
【0022】
先端スリーブ32は、図8(d)に示すように、パッカー30の先端部に緊く嵌合される基部322と、該基部から先端側へやや径を細くして延びる螺合部323とを備えている。螺合部323は、外周面に雄ねじ部324、内周面に雌ねじ325部が設けられており、雄ねじ部324は接続部40、雌ねじ部325は封止部36に各々螺合される。
【0023】
封止部36は、図8(d)に示すように、先端スリーブ32に螺合されるねじ部361と、該ねじ部361の先端側に設けられた頭部362とを備えている。封止部36は、先端スリーブ32に螺合された状態で内方から所定圧力が作用したときに、螺合が外れるように形成される。この実施形態においては、封止部36は、金属製、プラスチック製等とされることにより、所定圧力でねじ部361が破壊又は弾性変形により雌ねじ部325から外れるようになっている。ねじ部361が所定圧力で破壊するのを確実にするために、図8(d)に破線で示すように、ねじ部361の内側に中空部363を形成しておくこともできる。なお、所定圧力で封止を破壊する封止部36の構造は、この例のように螺合部での外れを生じるものの他、先端スリーブ32の開口部を閉じる部材を接着、溶接、ワンタッチジョイント(抜け止め機構付きの嵌合型管継手)等で固着したもの、先端スリーブ32とその開口閉鎖部とを一体成形したもの等とすることもでき、接着、溶接、ジョイントの部分又は封止部材自体が破壊する構造とすることができる。
【0024】
パッカー30は、上記構造に基づき、内部加圧により凹入部が凸状に張り出して拡径する膨張管型のパッカーとなっている。管本体31を構成する材料としては、金属、プラスチック等、種々の材料を用いることができる。特に、打撃や重機による強圧でパッカーをボアホールに強制的に押し込むことができるようにするには、管本体31を金属製とするのが望ましく、特に鋼管を用いるのが望ましい。
【0025】
パッカー30の内部加圧は、水などの液体を後端部から圧送することにより行なうことができる。パッカーへの液体の給送圧は、パッカーの膨張拡径に必要な圧力や、パッカーの拡径によるボアホール周囲部の圧密に必要な圧力等を考慮して決められる。例えば、パッカーの膨張拡径に必要な圧力が20MPaであり、拡径時にボアホール周囲の地山を5〜10MPaで圧密する必要がある場合は、その圧送時の圧力は、通常、25〜30MPaとされる。
【0026】
接続部40は、この実施形態では、図10に示すように、筒状部材41の両側の内周壁に雌ねじ部44,46を設けて形成されている。雌ねじ部44は、水抜き管20の雄ねじ24と螺合可能とされ、雌ねじ部46はパッカー30の先端スリーブ32に設けられた雄ねじ320と螺合可能とされている。接続部40と、水抜き管20及びパッカー30との接続は、螺合の他、接着、溶接等、種々の手段により行なうことができる。
【0027】
本発明に係る水抜き工法は上記水抜き用管セットを用いて行なうものであり、その典型例的な用途としては、ウェルポイント工法が先ず挙げられ、さらに、ロックボルト兼用ウェルポイント工法が挙げられる。図11(a)は、トンネル掘削現場を概略的に示す掘削方向に沿う縦断面、図11(b)は図11(a)のC−C線に沿う断面図である。図示のように、トンネルTは、地山Mに対し上半盤G1、下半盤G2、インバートG3を形成しつつ掘り進められる。ウェルポイント工法の場合、水抜き管アッセンブリ1は、上半盤G1及び下半盤G2から下方(図に実線で示す)又は前方斜め下方(図に破線で示す)に向けて施工される。一方、ロックボルト兼用ウェルポイント工法の場合は、図12(a)に示すように、通常のロックボルトが施工される位置と同じ位置に施工する他、図12(b)に示すように、通常のロックボルトが施工される位置(破線で示す)より若干下向きの位置(実線で示す)に施工して地下水の排出効率を上げることもできる。
【0028】
以下、上記両工法のいずれにも適用できる本発明工法の例を図13及び図14を参照しつつ説明する。先ず、図13(1) に示すように、トンネル掘削作業現場において水抜きが必要な箇所、例えば切羽鏡面Kから前方へ、ボーリングを行ないボアホールBを形成する。これにより、地山Mから湧水Wが矢印で示すように流れ出す。一方、図1〜図10に示した水抜き管20、パッカー30、接続部40を各々接続し、水抜き管アッセンブリ1を形成する。
【0029】
そして、図13(2)に示すように、ヘッド23を先頭にして、ボアホールBに水抜き管アッセンブリ1を挿入し、パッカー30に嵌めた後端スリーブ33の前端が切羽鏡面Kに接するまで前進させる。そして、後端スリーブ33に対し、高圧水ポンプに接続された注水チューブTpをアタッチメントAを介して接続する。図14(1)は、ボアホールBに挿入されたパッカー30の状態を横断面図で示している。なお、後端スリーブ33又はアタッチメントAには、必要に応じて湧水圧を測定するための圧力計、バルブ等を取り付けることも可能である。
【0030】
次に、高水圧ポンプから注水チューブTpを通じて、水を所定圧力でパッカー30に圧送する。これにより、図13(3)に示すように、パッカー30が膨張拡径し、ボアホールBの壁面に接しボアホール周囲の地山を圧密する。図14(2)はこの拡径状態を示しており、図中の矢印はパッカー30の膨張圧と、それに対する地山からの反力を示している。
【0031】
そして、さらに高水圧ポンプから、より高い圧力でパッカー30に送水を行なう。これにより、封止部36の封止が破壊され、パッカー30と水抜き管20とは連通状態となる。その結果、水抜き管20及びパッカー30を通じて地下水が導出される。ここで、アタッチメントA及び注水チューブTpを取り外して導水チューブTdに取り換える。これにより、図13(4)に示すように、導出された水を導水チューブTdを通じて所定の場所に排出することができる。
【0032】
排水は、地下水の流出力に任せて放出させるようにしてもよいし、導水チューブTdをサクションホースに換え、吸水ポンプを接続して吸引力を作用させて行なってもよい。吸引力を作用させる場合は、パッカー30とボアホールB内壁面との接触面が、気密又はそれに近い状態になるようにするのが望ましく、そのためには、ボアホールBの径に対し拡径時のパッカー30の径を大き目に設定するのが望ましい。これにより、吸引力を作用させたときに、ボアホールBの口元側からの空気の流入が防止され、地下水の吸引が効率的に行なわれる。
【0033】
地下水の排出が終われば、導水チューブTdやサクションホースを後端スリーブ33から取り外して、水抜き作業を終了する(図13(5))。また、必要に応じて、排水後の通水路を閉じるために、シール材を後端スリーブ33から水抜き管アッセンブリ1内に注入し、硬化させる。さらに、必要な場合は、水抜き管アッセンブリ1をボアホールB内に残してロックボルトとして機能させることもできる。このためには、水抜き管アッセンブリ1を単に残留させてもよいが、ロック機能を向上させるためには、後端スリーブ33にグラウト用ホースTgを接続してパッカー30及び水抜き管20に、セメントミルク等の定着材を注入する。これにより、定着材は、水抜き管20の側孔22からボアホールB内に注入される。ボアホールBの口元側はパッカー30により止水されているので、定着材は水抜き管20とボアホールBの壁部との間を満たすこととなる(図13(6))。したがって、定着材が硬化すれば、水抜き管アッセンブリ1は、地山に定着し、ロックボルトとして機能を高める。
【0034】
このようにして、上記工法によれば、地山の水抜き施工を迅速容易に行なうことができ、孔荒れがある場合にもパッカーの膨張拡径により確実に止水作用が得られる。実際に、水抜き管アッセンブリ1の挿入からパッカー30による止水状態の形成までの作業は、パッカー1m当り10秒程度で行なうことができた。前述の従来工法(ストレーナー管にリング状パッカーを2箇所取り付け、各リング状パッカー及びパッカー間に止水材を注入硬化する工法)では、管の挿入から止水形成までに4分程度掛かっていたのであり、本発明による効果は極めて高い。
【0035】
また、異なる長さのパッカーを準備しておけば、現場の状況に応じたパッカーを選択して用いることができ、予想外の長い止水長が必要になった場合などにも、迅速に対応することができる。
【0036】
なお、パッカー30は、ボアホール径や地山強度によっては一部が凹状に残ることがあり、その部分から、地下水がフィルタを経ることなく漏出するという問題が生じることがある。これに対し、パッカー30は、図8に付加的に示しているように、縮径状態における凹入部に配置された止水手段34を備えたものとすることができる。止水手段34としては、ネオプレンスポンジゴム等のスポンジ状材料、シリコンゴム等の粘弾性材料、水膨張性を有する繊維または高分子系材料、外力が加わると破砕し、破片が内部に収納した硬化材と反応して硬化する樹脂カプセル、天然ゴムまたは合成ゴム及びそれらとセメント系材料との混合材を用いることができる。また、止水手段34は、図示のようにパッカー30の長手方向の一部に設けてもよいし、全長に亘って連続的に延びたたものとしてもよい。
【0037】
止水手段34をパッカー30内に配置するには、図9(2)に示すように、管本体31を平坦化した後、その上に止水手段34を置き、管31の両側縁部を寄せるようにして丸くし図9(3)の形状とする。この時、止水手段34がパッカー30の凹状部分を密に満たして保持されるようにするか、そうでない場合は、必要に応じて、接着、粘着等の手段により凹状部分内での移動を防止する。このようにして、止水手段34を設けることにより、施工時には、図15(1)、図16(1)に示すように、パッカー30は、止水手段34を備えた状態でボアホールB内に挿入され、拡径時には図15(2)、図16(2)の状態となる。すなわち、パッカー30の拡径時に、一部が凹状に残っても、止水手段34がその凹状部分とボアホールの壁面との間隙を満たし、地下水の漏出を防止することができる。
【0038】
次に、地山に対するボアホールの穿孔を行ない得る水抜き用管セットを用いた自穿孔方式による水抜き工法の施工の実施形態を、図17〜図19を参照しつつ説明する。この工法によれば、ボアホールの穿孔から地下水の排出までを、水抜き用管セットにより一貫して行なうことができ、より迅速容易に水抜き施工を行なうことができる。この工法に用いる水抜き用管セットを図17に示す。この水抜き用管セットは、図1に示したものに対し、水抜き管20の先端に装着可能な穿孔用ビット29と、接続部40及びパッカー30に代えて水抜き管20の後端に接続され得る連結スリーブ50及び駆動ロッド60とをさらに備えている。ビット29は、穿孔時に先端から水を噴出させるための通孔290を備えている。また、連結スリーブ50は、接続部40と同様の筒状をなし内面に雌ねじを形成され、前部に水抜き管20、後部に駆動ロッド60を螺合させることができる。水抜き管20の軸孔には、全長に亘る送水チューブTsが通され、通孔290と連結スリーブ50の軸孔とを接続している。駆動ロッド60は、パッカー30と同じか、より長い寸法とされ、前端部に連結スリーブ50との螺合のための雄ねじ部を有し、ビットへの送水を可能とするために軸方向に延びる貫通孔を備えている。
【0039】
施工には、先ず、連結スリーブ50の前側に水抜き管20、後側に駆動ロッド60を結合し、穿孔用アッセンブリ1aを組み立てる。水抜き管20のビット29は、水抜き管20内の送水チューブTs、連結スリーブ50、駆動ロッド60を通じて給水源に接続する。
【0040】
この穿孔用アッセンブリ1aを用いて、図18(1)に示すように、切羽鏡面K等のトンネル掘削面からボアホールHを穿孔して行く。これは、ビット29を先頭にして通孔290から水を噴射しつつ、駆動ロッド60に対し回転と押し込みを加え、穿孔用アッセンブリ1aを前進させることにより行なわれる。ビット29からの水の噴射により、穿孔の妨げとなるスライムを穿孔箇所から排除することができる。ボアホールは、図18(2)に示すように、後に挿入される水抜き管アッセンブリ1aを後端部まで収容し得る深さに穿孔する。
【0041】
所定深さまで穿孔したら、一旦、連結スリーブ50がボアホールBから露出するまで、穿孔用アッセンブリ1aを後退させ(図18(3))、連結スリーブ50を駆動ロッド60と共に水抜き管20から外し(図18(4))、送水チューブTsを引き抜く(図18(5))。この段階で水抜き管20の軸孔にフィルタを挿入することも可能である。その後、水抜き管20に接続部40を取り付け(図18(6))、接続部40の後側にパッカー30を取り付けて、水抜き管アッセンブリ1とする(図19(7))。このとき、必要に応じて、アタッチメントAをパッカー30に取り付ける。特に、孔壁が自立していない場合は、引き続く水抜き管アッセンブリ1の挿入時に、打撃や回転が必要になるので、そのような場合にはアタッチメントAを取り付ける。
【0042】
その後、水抜き管アッセンブリ1を前進させて、パッカー30後端までボアホールBに挿入する。(図19(8))。この状態で、アタッチメントAに注水チューブTpを取り付け、該注水チューブTpを通じて水を圧送することにより、パッカー30を膨張拡径させる(図19(9))。これにより、パッカー30がボアホールBの壁面に密接する。
【0043】
さらに注水チューブTpから、より高い圧力で送水を行ない、パッカー30先端の封止部の封止を破壊する(図19(10))。これらパッカーの膨張及び封止部の破壊のための送水は、各段階に分けて行なってもよいし、一連の送水作業で行なってもよい。これにより、パッカー30と水抜き管20とは連通状態となり、地下水が導出される。この後は、図13と共に説明した工程と同様であり、導水チューブTdを通じて所定の場所に排出することができ(図19(12))、必要な場合は、吸引により地下水を排出することもできる。地下水の排出が終われば、必要に応じて、水抜き管アッセンブリ1をロックボルトとして機能させることもでき、その機能を高めるためには、グラウト用ホースTgを接続してパッカー30及び水抜き管20を経てボアホールB内に定着材を供給し硬化させる(図19(12))。
【0044】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。施工に自穿孔方式のための穿孔用アッセンブリ1aを用いる場合は、駆動ロッド60先端の雄ねじとパッカー30の先端スリーブ32の雄ねじとを同一にすることにより、接続部40を連結スリーブ50として兼用することができる。また、縮径状態におけるパッカー30の曲げ強度や剛性を高くすることにより、パッカー自身を駆動ロッドとして兼用することも可能である。
【0045】
接続部40は、水抜き管20又はパッカー30のいずれかと予め接合したものとすることもでき、或いは、パッカー30の先端スリーブ32の螺合部323を筒状にして、内面に雌ねじを設け、水抜き管20後端部の雄ねじ24に直接螺合させるようにしてもよい。
【0046】
封止部の破壊は、パッカー内の圧力を高めることによって行なうほか、パッカーの後端から棒片等を挿入して強く押すことにより、封止部の構成部材をパッカー前端から外し、或いは、該構成部材自身を破壊することにより行なうこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態に係る水抜き用管セットが組み立てられた水抜き管アッセンブリの正面図である。
【図2】図1に示した水抜き管の正面図である。
【図3】図2の水抜き管の側孔付近を拡大して示す縦断面図である。
【図4】図1に示した水抜き管にフィルタを装着した例を示す縦断面図である。
【図5】図4の水抜き管に使用するフィルタの一例を示す正面図である。
【図6】図4の水抜き管に使用するフィルタの他の例を示す正面図である。
【図7】図1に示した水抜き管にフィルタを装着した他の例を示す縦断面図である。
【図8】図1に示したパッカーを示す図であり、(a)は正面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)のc-c線に沿う断面図、(d)は封止部の縦断面図である。
【図9】図8に示したパッカーの製造工程を示す説明図である。
【図10】図1に示した接続部の縦断面を水抜き管及びパッカーの一部と共に示す図である。
【図11】本発明工法の一適用例を示すトンネル掘削現場の概略図であり、(a)は縦断側面図、(b)は(a)のC−C線に沿う横断面図である。
【図12】本発明工法の他の適用例を示すトンネル掘削現場を概略的に示す横断面図である。
【図13】図1に示した水抜き用管セットを用いた本発明水抜き工法の一実施形態を順を追って示す説明図である。
【図14】図13に示した水抜き工法における施工状況の2段階を示す断面図である。
【図15】本発明に係る水抜き工法の他の実施形態を順を追って示す説明図である。
【図16】図15に示した水抜き工法における施工状況の2段階を示す断面図である。
【図17】本発明の他の実施形態に係る水抜き用管セットの正面図である。
【図18】図17に示した水抜き用管セットを用いた本発明水抜き工法の一実施形態の前半部分を順を追って示す説明図である。
【図19】図17に示した水抜き用管セットを用いた本発明水抜き工法の一実施形態の後半部分を順を追って示す説明図である。
【符号の説明】
【0048】
1 水抜き管アッセンブリ
1a 穿孔用アッセンブリ
20 水抜き管
22 側孔
25a,25b,26 フィルタ
29 ビット
30 パッカー
34 止水手段
36 封止部
40 接続部
50 連結スリーブ
60 駆動ロッド
Tp 注水チューブ
B ボアホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地山に形成した水抜き用ボアホールから地下水を抜き出すための水抜き用管セットであって、
通水孔が形成され土砂の通過を防ぐフィルタを有した水抜き管と、先端側を閉じる封止部を有し先端部を該水抜き管に接続される管状のパッカーと、前記水抜き管及びパッカーの接続のための接続部とを備え、
前記パッカーは、管の側壁の一部をこれに向き合う側壁の方へ凹入させた縮径形状を有し、内部加圧により凹入部が凸状に張り出して拡径する膨張管型のパッカーであり、
前記封止部は、必要時に封止の破壊が可能であり、且つ、前記パッカーの拡径に要する圧力以下では破壊しないように形成されていることを特徴とする水抜き用管セット。
【請求項2】
前記封止部は、前記パッカーの拡径に要する圧力を超えた圧力が前記パッカー内から作用したときに封止を破壊するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の水抜き用管セット。
【請求項3】
前記水抜き管の先端に装着可能な穿孔用ビットと、穿孔時に前記パッカーに代えて前記水抜き管の後端に接続され切削のための駆動力を伝達する駆動ロッドとをさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の水抜き用管セット。
【請求項4】
前記パッカーは、該パッカーが膨張拡径したときに元の凹入部の一部に残る凹状部分とボアホールの壁面との間隙を満たすように、縮径状態における凹入部に配置された止水手段を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の水抜き用管セット。
【請求項5】
地山に形成した水抜き用ボアホールから地下水を抜き出すための水抜き工法であって、
通水孔が形成され土砂の通過を防ぐフィルタを有した水抜き管と、先端側が封止部により封止され先端部を該水抜き管に接続される管状のパッカーと、前記水抜き管及びパッカーの接続のための接続部とを準備し、前記パッカーは、管の側壁の一部をこれに向き合う側壁の方へ凹入させた縮径形状を有し、内部加圧により凹入部が凸状に張り出して拡径する膨張管型のパッカーとし、前記封止部は、必要時に封止の破壊が可能であり、且つ、前記パッカーの拡径に要する圧力以下では破壊しないように形成されたものとされており、
前記パッカーより僅かに大きい径で地山にボアホールを穿孔し、
前記水抜き管に前記パッカーを接続して該水抜き管側から前記ボアホールに挿入し、
挿入後に前記パッカーの内部に液体を圧送し、該パッカーを膨張拡径して前記ボアホールの壁面に密接させ、
その後に前記封止部の封止を破壊し、
前記水抜き管及びパッカーを通じて地下水を排出することを特徴とする水抜き工法。
【請求項6】
地山に形成した水抜き用ボアホールから地下水を抜き出すための水抜き工法であって、
通水孔が形成され土砂の通過を防ぐフィルタを有した水抜き管と、先端側が封止部により封止され先端部を該水抜き管に接続される管状のパッカーと、前記水抜き管及びパッカーの接続のための接続部と、前記水抜き管の先端に装着可能な穿孔用ビットと、前記水抜き管の後端に接続可能な駆動ロッドとを準備し、前記パッカーは、管の側壁の一部をこれに向き合う側壁の方へ凹入させた縮径形状を有し、内部加圧により凹入部が凸状に張り出して拡径する膨張管型のパッカーとし、前記封止部は、必要時に封止の破壊が可能であり、且つ、前記パッカーの拡径に要する圧力以下では破壊しないように形成されたものとされており、
前記パッカーの先端に前記穿孔用ビットを装着し、後端に前記駆動ロッドを接続し、
該駆動ロッドに加える駆動力により前記穿孔用ビットを先頭にして、地山に前記水抜き管及びパッカーを挿入可能なボアホールを穿孔し、
その後、前記駆動ロッドを前記ボアホールから引き出して前記水抜き管後端から取り外し、そこに前記パッカーを装着し、
前記水抜き管及び前記パッカーを前記ボアホール内に挿入し、
挿入後に前記パッカーの内部に液体を圧送し、該パッカーを膨張拡径して前記ボアホールの壁面に密接させ、
その後に前記封止部の封止を破壊し、
前記水抜き管及びパッカーを通じて地下水を排出することを特徴とする水抜き工法。
【請求項7】
前記封止部の封止の破壊が、液体圧送による前記パッカーの膨張拡径後に、より高い圧力で前記パッカー内に液体を圧送することにより行なわれることを特徴とする請求項5又は6に記載の水抜き工法。
【請求項8】
前記パッカーとして、凹入部に配置された止水手段を備えたものを用い、
液体の圧送により前記パッカーが膨張拡径したときに、元の凹入部の一部に残る凹状部分とボアホールの壁面との間隙を、前記止水手段により満たすようにしたことを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の水抜き工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−13694(P2009−13694A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−177709(P2007−177709)
【出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(303059071)独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構 (64)
【出願人】(000003296)電気化学工業株式会社 (1,539)
【出願人】(000129758)株式会社ケー・エフ・シー (120)
【Fターム(参考)】