水栓
【課題】引き出し可能な吐水ヘッドと、これを保持するホルダとを備えて吐水管を構成して成る水栓において、使用者が吐水ヘッドをどのような持ち方をした場合であっても、光温度表示部による表示を近い位置で見ることができるようにする。
【解決手段】 吐水管16をホース20とともに引出し可能な吐水ヘッド22と、吐水ヘッド22を保持するホルダ24とを備えて構成して成る水栓において、光温度表示部162をホルダ24側且つホルダ24の先端面と吐水ヘッド22とで管軸方向に挟まれる位置に設けておく。
【解決手段】 吐水管16をホース20とともに引出し可能な吐水ヘッド22と、吐水ヘッド22を保持するホルダ24とを備えて構成して成る水栓において、光温度表示部162をホルダ24側且つホルダ24の先端面と吐水ヘッド22とで管軸方向に挟まれる位置に設けておく。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、吐水管がホースとともに引き出し可能な吐水ヘッドと、これを保持するホルダとを備えたホース収納式の水栓に関し、詳しくは吐水の温度を光の色で表示する光温度表示部を備えたものに関する。
【背景技術】
【0002】
キッチンやトイレ或いは洗面化粧室や浴室等の水回り衛生室には各種の水栓が設置されている。
ところで水と湯とを混合して吐水口から吐水する湯水混合水栓においては、通常、温調ハンドル(温度調節ハンドル)自体若しくは周りに表示部が設けてあって、そのハンドルの操作位置によって吐水口からの吐水の温度をある程度予想することができるものの、温調ハンドル位置による表示は間接的であって分かり辛い上に、給水圧や給湯圧の変動によって、同じ温調ハンドル位置であっても吐水口からの実際の吐水の温度がばらついたりする問題がある。
【0003】
このように従来の水栓にあっては使用者に対して吐水の温度を明確且つ積極的に認識させるための手段を特に備えておらず、この場合使用者が吐水口から吐水させたときに予期せず高温の湯が出てしまって使用者を驚かせ、或いは熱い思いをさせてしまったり又は逆に予期せず冷たい水が出てしまったり使用者に不快感を与えてしまうといったことが起こり得る。
【0004】
そこで下記特許文献1には、吐水温度が高温であるときにLED警告灯を発光させて(積極的に)これを警告するように成した水栓が開示されている。
この特許文献1に具体的に開示された水栓はホース収納式水栓、即ち吐水ヘッドをホースとともにホルダから引き出して使用可能な水栓であって、その吐水ヘッドの頂面にLED警告灯を設けたものである。
【0005】
近時、特にキッチン水栓ではこの種のホース収納式水栓が好んで用いられており、特許文献1に開示のものは、吐水ヘッドをホルダから引き出して自在に位置移動できる機能の他に、吐水温度が高温であるときに警告を発する機能を持たせたことによって、水栓の利便性,安全性が高まる利点が得られるが、この特許文献1に開示の水栓では、LED警告灯を吐水ヘッドの頂面に設けていることから、使用者が吐水ヘッドを手に持って引き出したときに、そのLED警告灯が手の裏に隠れてしまう可能性があり、警告灯即ち光による表示の見易さの点で問題が残る。
【0006】
他方下記特許文献2には、吐水管の基端部の起立部に吐水温度を各種の光の色で表示する光温度表示部を設けた点が開示されている。
しかしながらこの特許文献2に開示のものはホース収納式水栓ではなく、また光温度表示部が使用者からみて遠い位置にあるため、光温度表示部による表示が使用者にとって必ずしも見易いものでないといった難点がある。
【0007】
【特許文献1】特開2001−146774号公報
【特許文献2】特開2001−123485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような事情を背景とし、キッチン水栓等として好適に使用可能なホース収納式水栓、即ちホースとともに引き出し可能な吐水ヘッドと、これを保持するホルダとを備えて吐水管を構成して成る水栓において、使用者が吐水ヘッドをどのような持ち方をした場合であっても光温度表示部による表示を、近い位置で見ることができ、また使用者が特に意識していなくても温度表示が光の色によって使用者の視界に自然に入って来、温度表示を使用者に対して積極的に行い得る光温度表示部付きの水栓を提供することを目的として成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
而して請求項1のものは、吐水の温度を光の色で表示する光温度表示部を設けて成る水栓において、吐水管をホースとともに引出し可能な吐水ヘッドと、該吐水ヘッドを保持するホルダとを備えて構成し、前記光温度表示部を前記ホルダ側且つ該ホルダの先端面近傍に設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項2のものは、請求項1において、前記光温度表示部を前記ホルダと吐水ヘッドとで管軸方向に挟まれる位置に設けてあることを特徴とする。
【0011】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記光温度表示部が透光性部材にて構成してあり、別途に設けた光源からの光を該光温度表示部に照射することによって、該照射光を該光温度表示部を内部透過させた上、該光温度表示部の外表面から外部に放射するものとなしてあることを特徴とする。
【0012】
請求項4のものは、請求項3において、前記光温度表示部には前記吐水管の基部側に延出する被照射部が設けてあり、該被照射部に対向して設けた前記光源からの光を該被照射部に照射するようになしてあることを特徴とする。
【0013】
請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおいて、前記ホルダが回動可能となしてあるとともに、前記光温度表示部がリング状外周面において前記吐水管の外周面で露出させてあり、該リング状外周面において光の色により温度表示するものとなしてあることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0014】
以上のように本発明は、ホース収納式の水栓において吐水の温度を光の色で表示する光温度表示部をホルダ側且つホルダの先端面近傍に設けたもので、本発明によれば、吐水ヘッドを手に持ち引き出した状態で、光温度表示部による表示を見ることができ、しかも使用者に可及的に近い位置で表示を見ることができ、吐水口からの吐水の温度を容易に認識することができる。
【0015】
また本発明では吐水の温度を光の色で表示するため、使用者が特に意識をしていなくても自然にその光表示が目に入って来、予期に反して高温の湯が出てしまったり或いは冷水が出てしまったりといった不都合を是正することができる。
この場合において光温度表示部は、ホルダと吐水ヘッドとで管軸方向に挟む位置に設けておくことができる(請求項2)。
【0016】
請求項3は光温度表示部を透光性部材にて構成し、別途に設けた光源からの光をその光温度表示部材に照射して光温度表示部材を内部透過させた上、外表面から外部に放射するようになしたもので、この請求項3によれば、光源からの光が直接外部に放射されるのでなく、透光性部材から成る光温度表示部を内部透過した上、外周面から放射されるため、光温度表示部の外周面全面から広い範囲に亘って均等に外部に放射でき、表示性能,識別性能を効果的に高めることができる。
【0017】
ここで上記光源としては、光の3原色である赤(Red),緑(Green),及び青(Blue)の色を発色する3色のLEDをユニット化して成る3色LEDを好適に用いることができる。
この3色LEDは赤,緑,青の発光強度を様々に変えることによって、全体としての光の色を無段階に連続的に変化させることができ、従って光温度表示部において、吐水温度の変化に連続的に追従して光の色を連続変化させることができる。
【0018】
本発明においては、透光性部材から成る光温度表示部に、吐水管の基部側に延出する被照射部を設けて、そこに光源からの光を照射するようになすことができる(請求項4)。
このようにすることで、容易に光源から発した光を光温度表示部において外部放射し、光の色によって温度表示することができる。
【0019】
次に請求項5は、ホルダを回動可能となし、光温度表示部をリング状外周面において吐水管の外周面で露出させ、そのリング状外周面において光の色により温度表示するようになしたもので、このようになしておけば、ホルダないし吐水管がどのような回動位置にあっても、光温度表示部が使用者にとって見易いものとなり、光温度表示部に良好にその表示機能を発揮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に本発明をキッチン用のホース収納式の自動水栓に適用した場合の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10はキッチンのキャビネットで、12はカウンターであり、このカウンター12上に起立する状態で水栓の本体部14と吐水管16とが設けられている。ここで吐水管16は本体部14に対して所定角度回動可能とされている。
また吐水管16は、図3に示しているように逆U字状のグースネック形状をなしている。
同図に示しているように吐水管16は、先端に吐水口18を有し、可撓性のホース20とともに引出し可能な吐水ヘッド22と、吐水ヘッド22を収納位置に保持するホルダとしての働きを有する吐水管本体24とを有している。
【0021】
図1に示しているように、キャビネット10の内部には一対の止水栓28,30の間の位置においてバルブユニット26が配設されている。
そしてこのバルブユニット26の後述の水流入口92(図5(イ)参照)に対して給水用の元配管(以下単に給水元管と略す)が止水栓28,分岐継手32及び接続ホース34を介して接続されている。
また後述の湯流入口94(図5(イ)参照)に対して給湯用の元配管(以下単に給湯元管と略す)が、止水栓30及び接続ホース36を介して接続されている。
このバルブユニット26の水流出口及び湯流出口からは水,湯のサプライ管38,40が上向きに延び出しており、それらの先端が上記の水栓の本体部14に接続されて、その本体部14に水,湯がそれぞれ供給されるようになっている。
【0022】
本体部14には後述の混合弁58(図2参照)が内蔵されていて、その混合弁58の下流部から水又は湯(混合弁58で温調された湯)を流出させる流出管42が下向きに延び出しており、その先端がカプラ44を介して上記の可撓性のホース20に接続されている。
ここでホース20はカプラ44から上向きに延び出した後、1回転した上で本体部14,吐水管本体24を挿通し吐水ヘッド22に接続されている。
【0023】
キャビネット10の内部にはまた浄水器46が設けられており、バルブユニット26の上流部において給水元管からの水が分岐継手32,ホース48を通じてこの浄水器46に導かれるようになっている。
浄水器46は、水道水を後述のフィルタ66(図2参照)に通して浄化するもので、その浄化後の浄水を流出させるホース50が浄水器46から延び出している。
このホース50の先端はカプラ44を介して、吐水ヘッド22に繋がるホース20に接続されている。
即ち浄水器46から流出した浄水がホース50,20を通じて吐水ヘッド22に導かれ、その先端の吐水口18から吐水されるようになっている。
【0024】
キャビネット10の内部にはまた、バルブユニット26の下側において水栓の動作制御のためのコントローラ(制御部)52が設けられている。
【0025】
図2に示しているように本実施形態において給水元管,給湯元管からの水,湯は給水路54,給湯路56を通じて本体部14に内蔵された混合弁58に供給される。
供給された水と湯とはレバーハンドル60の操作に基づいて所定比率で混合された上、同じくそのレバーハンドル60の操作に基づいて決定された所定流量で流出路62を通じ吐水ヘッド22に送られ、先端の吐水口18から吐水される。
ここでレバーハンドル60は、左右回動操作によって水と湯との混合比率の調節即ち温度調節を行い、また上下回動操作によって流量調節を行う。
【0026】
給水元管からの水はまた、電磁弁68の上流部で給水路54から分岐した浄水路64に取り出され、そして浄水路64上に設けられた浄水器46のフィルタ66を通過してそこで浄化された上で、浄化後の水(浄水)が混合弁58をバイパスして流出路62に導かれ、そしてその流出路62を通じて吐水ヘッド22の吐水口18から吐水されるようになっている。
これら給水路54,給湯路56及び浄水路64のそれぞれには流路を開閉する電磁弁68,70,72及び逆流防止をなす逆止弁74が配設されている。
尚浄水路64には定流量弁73が設けられている。
【0027】
給水路54からはまた、電磁弁68の上流部においてバイパス路76が分岐して延び出しており、その先端が給湯路56且つ電磁弁70及び逆止弁74の下流部に接続されている。
このバイパス路76上にもまた、流路を開閉する電磁弁78と逆止弁74が設けられている。
これら電磁弁68,70,72,78はそれぞれコントローラ52に電気的に接続されていて、コントローラ52によって動作制御される。
【0028】
本実施形態において、給水路54と給湯路56とを連絡するバイパス路76を設けているのは次のような理由による。
即ちレバーハンドル60の操作位置が、混合弁58内における湯の流路を全開、水の流路を全閉状態とする状態にあると、後述する人体検知センサ(水用センサ116)による人体検知に基づいて吐水口18から水吐水させようとしてもこれを行うことができない。
そこで給水路54と給湯路56とをバイパス路76で連絡しておき、混合弁58内において水の流路が全閉状態にあっても、給水元管からの水をバイパス路76,給湯路56,更に流出路62を通じて吐水口18へと供給可能となしているのである。
【0029】
この実施形態の自動水栓では、図16(A)に示しているように電磁弁68及び78が開,電磁弁70,72が閉とされることで、給水路54及びバイパス路76、更に給湯路56の一部を通じて給水元管からの水が混合弁58に送られ、更にその混合弁58を経由して流出路62を通じ、吐水口18から水が吐水(水吐水)される。
また図16(B)に示しているように電磁弁68及び70が開,電磁弁72及び78が閉の状態の下で、給水元管からの水と給湯元管からの湯がそれぞれ給水路54及び給湯路56を通じて混合弁58に送られてそこで混合され、適温の湯とされた上で流出路62を通じ吐水口18から湯が吐水(湯吐水)される。
一方図16(C)に示しているように電磁弁68,70及び78の何れもが閉で、電磁弁72のみが開の状態の下では、給水元管からの水が浄水器46、つまり浄水路64の側に導かれてフィルタ66を通り、浄水となって流出路62を通じ吐水口18から吐水(浄水吐水)される。
【0030】
図7に上記混合弁58の構成が具体的に示してある。
同図に示しているように混合弁58は、ハウジング80の内部に固定弁体82と、その上面を摺動する可動弁体84とを有しており、その可動弁体84に対してレバーハンドル60が作動的に連結されている。
固定弁体82には水,湯の入口86,86が設けられていて、それら入口86,86を通じて、サプライ管38,40を図中上向きに送られて来た水と湯とが可動弁体84の混合室88内に流入する。
そして混合室88で混合された後の温調後の湯或いは水が出口89から流出管42へと流出して、図2の流出路62を通じ吐水口18へと導かれる。
【0031】
図4〜図6に上記バルブユニット26の構成が具体的に示してある。
これらの図において90はバルブボデーで、図5に示しているように水流入口92,湯流入口94と、それらに連通して給水路54,給湯路56の一部をなす内部流路54a,56aを有している。
そしてそれら内部流路54a,56a上に電磁弁68,70(図6参照)が設けられている。
【0032】
バルブボデー90にはまた、図5(ハ)に示しているように上記バイパス路76の一部を成す分岐流路76aが給水用の内部流路54aから分岐しており、この分岐流路76a上にバイパス路76を開閉するための電磁弁78(図6参照)が設けられている。
バルブボデー90には更に、図5(イ)に示しているように分岐流路76aを給湯路56に合流させるための、バイパス路76の残部をなす合流路76bが設けられており、分岐流路76aからの水がこの合流路76bによって給湯路56に合流し、その後給湯路56を通じて図2の混合弁58へと送られるようになっている。
【0033】
上記電磁弁68,70,78は図6(ロ)に示しているように、主弁としてのダイヤフラム弁98と、その背後に形成された背圧室100と、背圧室100の水抜きを行う水抜水路としてのパイロット水路102と、パイロット水路102を開閉するパイロット弁としてのプランジャ弁104と、固定コア106と、プランジャ弁104を電磁力で動作させるソレノイド108とを有している。
この電磁弁68,70,78においては、ソレノイド108への通電によりプランジャ弁104を開弁させると、パイロット水路102が開放されて背圧室100の圧力が抜け、主弁としてのダイヤフラム弁98が開弁動作する。
【0034】
尚、図4(イ)及び図6(イ)に示しているようにバルブボデー90には内部の水,湯を抜くための水抜栓110と、水抜きに際してダイヤフラム弁98を手動にて開放させるための開放操作部材112とが設けられている。
開放操作部材112は、摘み114を回転操作することでダイヤフラム弁98を手動で開放させる。
【0035】
図3に示しているように、逆U字状のグースネック形状をなす吐水管16における吐水管本体24の先端部、詳しくはその最上位の部位から先端に向かって下向きとなる部分の上面に、水用センサ(水用の人体検知センサ)116及び湯用センサ(湯用の人体検知センサ)118が、所定間隔隔てて管軸方向に一列に配列されている。
ここで水用センサ116は使用者に近い手前側に(前側に)、また湯用センサ118は奥側に設けられている。従って水用センサ116は湯用センサ118に対して下位置に、また湯用センサ118は水用センサ116に対して上位置に位置している。
本実施形態においては、吐水管本体24の側面においても浄水用センサ(浄水用の人体検知センサ)120が設けられている。
尚吐水管本体24の先端部下面には、吐水やシンク或いはシンク内の容器等に光を照射してほのかに照らし出す光照射部122が設けられている。
【0036】
この実施形態の自動水栓では、水用センサ116の上方に手をかざして水用センサ116によりこれを検知させると、吐水口18から水が吐水(水吐水)される。また水吐水状態の下で再び水用センサ116の上方に手をかざすと、そこで水吐水が停止する。即ち止水する。
一方湯用センサ118の上方に手をかざすと、湯用センサ118による手の検知に基づいて、吐水口18から適正温度に温度調節された湯(温調水)が吐水され、そしてその湯吐水中に再び湯用センサ118の上方に手をかざすと、そこで湯吐水が停止する。
【0037】
一方図15に示しているように吐水管本体24の先端部側方に手を差し出すと、浄水用センサ120がこれを検知し、吐水口18から浄水が吐水(浄水吐水)される。また浄水吐水状態の下で再び浄水用センサ120に対して手をかざすと、そこで浄水吐水が停止する。
そのようにコントローラ52が対応する各電磁弁68,70,72,78を動作制御する。
【0038】
尚ここでは、水用センサ116の検知距離が奥側の湯用センサ118の検知距離よりも短く設定されている。
即ち各センサ(水用センサ116及び湯用センサ118)が差し出された手の指を検知するものと想定して、ここでは水用センサ116の検知距離が約2cm程度、湯用センサ118の検知距離が約4cm程度に設定されている。
【0039】
図8〜図11に吐水管16の内部構造が具体的に示してある。
図8,図9及び図10に示しているように、吐水管本体24は金属パイプ124と、断面U字状をなして金属パイプ124の内部に挿入され内側においてホース20をガイドし、また外側において上記各水,湯,浄水用の各センサ116,118,120とコントローラ52とを連絡する電気配線をガイドする湾曲形状のインナ部材126と、その先端側に設けられてホース20を挿通ガイドする概略筒状のガイド部材128と、その下側からこれを覆うガイドカバー130とを有している。
【0040】
図11に示しているようにこのガイド部材128の上面には仕切板131が固定されており、そしてその仕切板131の上面に上記水用センサ116,湯用センサ118を有するセンサユニット132,134が載置固定された上、その上側から樹脂製の透光性のセンサカバー136が被せられている。
ガイド部材128には、その側面に浄水用センサ120が取り付けられている。ガイドカバー130は、その浄水用センサ120に対応する部分が透光性とされている。
【0041】
上記湯用センサ118は光電式のものであって、図12(A)に示しているようにこの湯用センサ118を有するセンサユニット134は基板140を有していて、そこに赤外線の発光素子142と、受光素子144と、センサ制御部としてのマイコン146が搭載されている。
基板140にはまた、湯吐水状態であるかそうでないかを表示するためのLED148が搭載されており、湯吐水状態の下ではこのLED148が点滅し、またそうでないときにはLED148が点灯保持するようになっている。
【0042】
一方図12(B)に示しているように、水用センサ116を有するセンサユニット132は、基板140に赤外線の発光素子142と、受光素子144と、更に水吐水中であるか否かを表示するLED150が搭載されている。
ここでLED150は水吐水中であれば点滅を行い、またそうでないときには点灯状態を保持して、水吐水中であるか否かを表示する。
このセンサユニット132にはまた、基板140に現在の吐水温度を表示するための3色(RGB)LED152が搭載されている。
【0043】
一方図12(C)に示しているように浄水用センサ120を有するセンサユニット138は、基板140に赤外線の発光素子142と、受光素子144及び浄水吐水中であるか否かを表示するためのLED154が搭載されている。
このLED154は浄水吐水中においては点滅動作し、またそうでないときには点灯状態を保持することによって、浄水吐水中であるか否かを表示する。
【0044】
一方吐水ヘッド22は、図9に示しているように筒状のコア部材156と、これを外周側から覆うカバー158とを有しており、そのコア部材156に対してホース20の先端部が水密に接続固定されている。
この吐水ヘッド22の先端には、吐水口18からの吐水をストレート吐水からシャワー吐水に又はその逆に切換操作する切換操作部160が設けられている。
【0045】
図1に示しているように、上記カプラ44には吐水口18からの吐水の温度をその上流部において事前に検知する温度検知素子としてサーミスタ170が取り付けられている。
そして図8及び図9に示しているように、このサーミスタ170による温度検知に基づいて吐水の温度ないしその温度変化を光の色ないし色変化によって表示する光温度表示部162が吐水管本体24の先端面近傍、詳しくはここでは吐水管本体24の先端面と吐水ヘッド22とによって管軸方向に挟まれる位置に取り付けられている。
【0046】
この光温度表示部162は、図14に示しているように環状且つ平板状の本体部172と、その上部から後方に延出する延出部164とを一体に有する透光性の樹脂から成っており、図9の部分拡大図に示しているようにその延出部164の下面、詳しくは被照射面176(図14(B)参照)に対して、上記3色LED152からの光が照射されるようになっている。
【0047】
この透光性樹脂から成る光温度表示部162は、本体部172の外周面が表示面178とされていて、組付状態においてその表示面178だけが吐水管16の外周面で露出せしめられ、表示面178で吐水の温度を光の色で表示する。
詳しくは、3色LED152から延出部164の被照射面176に照射された光は透光性樹脂の内部を透過して、外周面の表示面178から外部に放射され、その光の色によって吐水の温度を表示する。
そしてその表示面178から光を効率高く放射するために、延出部164の被照射面176及び外周面の表示面178以外の面に白色塗料が塗布してある。
【0048】
この光温度表示部162は、図14に示しているように延出部164の下面に掛止爪180を、また本体部172の下部に切欠部182を有しており、図13に示しているようにその掛止爪180をガイド部材128に設けた上向きの引掛部184に弾性的に掛止させ、更にまた下部の切欠部182に対して、ガイドカバー130に設けた係入部186を係入させる状態に、吐水管本体24に組み付けられている。
【0049】
上記3色LED152は色の3原色である赤(Red),緑(Green),及び青(Blue)を発色するLEDをユニット化したもので、上記サーミスタ170よる温度検知に基づいて連続的に光の色を変化させる。
光温度表示部162は、その光の色及び色変化を連続的に外部に放射して吐水温度を表示する。
【0050】
即ち吐水温度が低いときには青色を、吐水温度が高いときには赤色を、中間のときにはそれらに応じた色を発色して現在の吐水温度がどのような温度であるかをその色変化によって表示する。
【0051】
本実施形態では、浄水用センサ120,湯用センサ118及び水用センサ116が実質的に同時に手を検知した場合には、浄水用センサ120による検知が最も優先し、その次に湯用センサ118による検知が優先するようになっている。
詳しくは、浄水用センサ120が手を検知したときには一定時間他のセンサ即ち湯用センサ118及び水用センサ116の検知が無効化され、一定時間経過後に湯用センサ118,水用センサ116による検知が有効化される。
また湯用センサ118が手を検知したときには、一定時間水用センサ116による検知が無効化され、一定時間経過後に水用センサ116による検知が有効化される。
コントローラ52がそのように吐水の動作を制御する。
【0052】
図17に示しているように、本実施形態においては光温度表示部162が、吐水管本体24の側に且つ吐水管本体24の先端面と吐水ヘッド22の後端面とによって管軸方向に挟まれる位置に設けてあることから、更にはまたその外周面を表示面178となして、その表示面178において吐水温度を光表示することから、(A)に示しているように吐水ヘッド22を吐水管本体24にセットした状態、即ちホース20を収納した状態においても、また(B)に示しているように吐水ヘッド22を吐水管本体24から引き出した状態においても明確に吐水温度を光表示することができる。
【0053】
かかる本実施形態においては、吐水ヘッド22を手に持ち引き出した状態で、光温度表示部162による表示を見ることができ、しかも使用者に可及的に近い位置で表示を見ることができ、吐水口18からの吐水の温度を容易に認識することができる。
【0054】
また本実施形態では吐水の温度を光の色で表示するため、使用者が特に意識をしていなくても自然にその光表示が目に入って来、予期に反して高温の湯が出てしまったり或いは冷水が出てしまったりといった不都合を是正することができる。
【0055】
また本実施形態では3色LED152からの光が直接外部に放射されるのでなく、透光性部材から成る光温度表示部162を内部透過した上、外周面の表示面178から放射されるため、光温度表示部162の外周面全面から広い範囲に亘って均等に外部に放射でき、表示性能,識別性能を効果的に高めることができる。
【0056】
また本実施形態ではホルダとしての吐水管本体24を回動可能とし、光温度表示部162をリング状外周面の表示面178で温度表示するようになしているため、吐水管本体24ないし吐水管16がどのような回動位置にあっても、光温度表示部162が使用者にとって見易いものとなり、光温度表示部162に良好にその表示機能を発揮させることができる。
【0057】
図18及び図19は本発明の他の実施形態を示している。
この実施形態では、給水元管からの水及び給湯元管からの湯をそれぞれ上記のようなバルブユニットを経由することなく、直接本体部14内の混合弁58に供給するようにし、そして流出路62を構成する流出管42とホース20とを接続するカプラ190に、流出路62を開閉する電磁弁192を設けている。
即ちここでは、温調された湯を吐水口18から吐水させ又は止水するための電磁弁192を混合弁58の2次側に設けている。
【0058】
また一方、混合弁58の上流部において給水路54から第2の給水路194を分岐して延び出させ、その先端を流出路62且つ電磁弁192の下流部に接続している。
この第2の給水路194上には、定流量弁73と第2の給水路194を開閉する電磁弁196とが設けてある。
【0059】
一方吐水管16には、その上面に湯用センサ118と水用センサ116とが管軸方向に一列に設けられている。
但しここでは湯用センサ118が使用者に近い手前側(前側)に、また水用センサ116が奥側に設けられている。
【0060】
この実施形態においても、使用者に近い手前側の湯用センサ118の検知距離が奥側の水用センサ116の検知距離よりも短く設定してあり、また湯用センサ118と水用センサ116とが実質的に同時に人体検知したときには、奥側の水用センサ116による人体検知が優先するようになしてある。
この実施形態では、第2の給水路194からの水が混合弁58をバイパスして吐水口18から水吐水されることから、水吐水の際の流量調節の機能は有しておらず、一定流量で吐水口18から水吐水される。
【0061】
図19にカプラ190の内部構造が具体的に示してある。
同図に示しているように、ここではカプラ190に吐水の温度をその上流部で検出するための温度検出素子としてのサーミスタ170が電磁弁192と併せて組み付けられている。
更にまたこのカプラ190には、水抜栓110と電磁弁192の主弁をなすダイヤフラム弁98を開放させる開放操作部材112が組み込まれている。
【0062】
図20は本発明の更に他の実施形態を示したもので、ここでは第2の給水路194に代えて浄水路64を設け、それに対応して吐水管16の上面に湯用センサ118と浄水用センサ120とを管軸方向に一列に且つ湯用センサ118を使用者に近い手前側に、浄水用センサ120を奥側に設けている。
この例においても、湯用センサ118及び浄水用センサ120のうち、使用者に近い手前側の湯用センサ118に対して奥側の浄水用センサ120が優先され、またその検知距離は、奥側の浄水用センサ120に対し手前側の湯用センサ118の検知距離が短く設定されている。
この実施形態の場合、水吐水に代えて浄水吐水が行われる以外は図18及び図19に示す実施形態と基本的に同様である。
【0063】
図21は本発明の更に他の実施形態を示している。
この実施形態は、図18及び図19に示す第2の給水路194,図20の実施形態における浄水路64を省略した形態のもので、吐水管16には湯用センサ118のみが設けられている。
他の点については図18〜図20に示す実施形態と同様である。
【0064】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態である自動水栓を示す図である。
【図2】同実施形態の自動水栓の流路を示す図である。
【図3】同実施形態の吐水管と各種センサを示す図である。
【図4】同実施形態のバルブユニットを示す斜視図である。
【図5】図4のバルブユニットを互いに異なる切断面で切断して示す斜視図である。
【図6】図4のバルブユニットの図5とは異なった切断面における断面図である。
【図7】同実施形態における混合弁を示す図である。
【図8】図3の吐水管の内部構造を示す断面図である。
【図9】図8における吐水ヘッドを吐水管本体から離した際の図である。
【図10】図8の分解斜視図である。
【図11】図10の一部を詳しく示した図である。
【図12】同実施形態における各人体検知センサを示した図である。
【図13】光温度表示部をその組付構造とともに示す図である。
【図14】光温度表示部の単品の図である。
【図15】浄水吐水を行う際の図である。
【図16】同実施形態における流路切換えの説明図である。
【図17】同実施形態における光温度表示部の作用状態を示す図である。
【図18】本発明の更に他の実施形態を示す図である。
【図19】図18におけるカプラの内部構造を詳しく示した図である。
【図20】本発明の更に他の実施形態を示す図である。
【図21】本発明の更に他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
16 吐水管
20 ホース
152 3色LED
162 光温度表示部
176 被照射面
【技術分野】
【0001】
この発明は、吐水管がホースとともに引き出し可能な吐水ヘッドと、これを保持するホルダとを備えたホース収納式の水栓に関し、詳しくは吐水の温度を光の色で表示する光温度表示部を備えたものに関する。
【背景技術】
【0002】
キッチンやトイレ或いは洗面化粧室や浴室等の水回り衛生室には各種の水栓が設置されている。
ところで水と湯とを混合して吐水口から吐水する湯水混合水栓においては、通常、温調ハンドル(温度調節ハンドル)自体若しくは周りに表示部が設けてあって、そのハンドルの操作位置によって吐水口からの吐水の温度をある程度予想することができるものの、温調ハンドル位置による表示は間接的であって分かり辛い上に、給水圧や給湯圧の変動によって、同じ温調ハンドル位置であっても吐水口からの実際の吐水の温度がばらついたりする問題がある。
【0003】
このように従来の水栓にあっては使用者に対して吐水の温度を明確且つ積極的に認識させるための手段を特に備えておらず、この場合使用者が吐水口から吐水させたときに予期せず高温の湯が出てしまって使用者を驚かせ、或いは熱い思いをさせてしまったり又は逆に予期せず冷たい水が出てしまったり使用者に不快感を与えてしまうといったことが起こり得る。
【0004】
そこで下記特許文献1には、吐水温度が高温であるときにLED警告灯を発光させて(積極的に)これを警告するように成した水栓が開示されている。
この特許文献1に具体的に開示された水栓はホース収納式水栓、即ち吐水ヘッドをホースとともにホルダから引き出して使用可能な水栓であって、その吐水ヘッドの頂面にLED警告灯を設けたものである。
【0005】
近時、特にキッチン水栓ではこの種のホース収納式水栓が好んで用いられており、特許文献1に開示のものは、吐水ヘッドをホルダから引き出して自在に位置移動できる機能の他に、吐水温度が高温であるときに警告を発する機能を持たせたことによって、水栓の利便性,安全性が高まる利点が得られるが、この特許文献1に開示の水栓では、LED警告灯を吐水ヘッドの頂面に設けていることから、使用者が吐水ヘッドを手に持って引き出したときに、そのLED警告灯が手の裏に隠れてしまう可能性があり、警告灯即ち光による表示の見易さの点で問題が残る。
【0006】
他方下記特許文献2には、吐水管の基端部の起立部に吐水温度を各種の光の色で表示する光温度表示部を設けた点が開示されている。
しかしながらこの特許文献2に開示のものはホース収納式水栓ではなく、また光温度表示部が使用者からみて遠い位置にあるため、光温度表示部による表示が使用者にとって必ずしも見易いものでないといった難点がある。
【0007】
【特許文献1】特開2001−146774号公報
【特許文献2】特開2001−123485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような事情を背景とし、キッチン水栓等として好適に使用可能なホース収納式水栓、即ちホースとともに引き出し可能な吐水ヘッドと、これを保持するホルダとを備えて吐水管を構成して成る水栓において、使用者が吐水ヘッドをどのような持ち方をした場合であっても光温度表示部による表示を、近い位置で見ることができ、また使用者が特に意識していなくても温度表示が光の色によって使用者の視界に自然に入って来、温度表示を使用者に対して積極的に行い得る光温度表示部付きの水栓を提供することを目的として成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
而して請求項1のものは、吐水の温度を光の色で表示する光温度表示部を設けて成る水栓において、吐水管をホースとともに引出し可能な吐水ヘッドと、該吐水ヘッドを保持するホルダとを備えて構成し、前記光温度表示部を前記ホルダ側且つ該ホルダの先端面近傍に設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項2のものは、請求項1において、前記光温度表示部を前記ホルダと吐水ヘッドとで管軸方向に挟まれる位置に設けてあることを特徴とする。
【0011】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記光温度表示部が透光性部材にて構成してあり、別途に設けた光源からの光を該光温度表示部に照射することによって、該照射光を該光温度表示部を内部透過させた上、該光温度表示部の外表面から外部に放射するものとなしてあることを特徴とする。
【0012】
請求項4のものは、請求項3において、前記光温度表示部には前記吐水管の基部側に延出する被照射部が設けてあり、該被照射部に対向して設けた前記光源からの光を該被照射部に照射するようになしてあることを特徴とする。
【0013】
請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおいて、前記ホルダが回動可能となしてあるとともに、前記光温度表示部がリング状外周面において前記吐水管の外周面で露出させてあり、該リング状外周面において光の色により温度表示するものとなしてあることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0014】
以上のように本発明は、ホース収納式の水栓において吐水の温度を光の色で表示する光温度表示部をホルダ側且つホルダの先端面近傍に設けたもので、本発明によれば、吐水ヘッドを手に持ち引き出した状態で、光温度表示部による表示を見ることができ、しかも使用者に可及的に近い位置で表示を見ることができ、吐水口からの吐水の温度を容易に認識することができる。
【0015】
また本発明では吐水の温度を光の色で表示するため、使用者が特に意識をしていなくても自然にその光表示が目に入って来、予期に反して高温の湯が出てしまったり或いは冷水が出てしまったりといった不都合を是正することができる。
この場合において光温度表示部は、ホルダと吐水ヘッドとで管軸方向に挟む位置に設けておくことができる(請求項2)。
【0016】
請求項3は光温度表示部を透光性部材にて構成し、別途に設けた光源からの光をその光温度表示部材に照射して光温度表示部材を内部透過させた上、外表面から外部に放射するようになしたもので、この請求項3によれば、光源からの光が直接外部に放射されるのでなく、透光性部材から成る光温度表示部を内部透過した上、外周面から放射されるため、光温度表示部の外周面全面から広い範囲に亘って均等に外部に放射でき、表示性能,識別性能を効果的に高めることができる。
【0017】
ここで上記光源としては、光の3原色である赤(Red),緑(Green),及び青(Blue)の色を発色する3色のLEDをユニット化して成る3色LEDを好適に用いることができる。
この3色LEDは赤,緑,青の発光強度を様々に変えることによって、全体としての光の色を無段階に連続的に変化させることができ、従って光温度表示部において、吐水温度の変化に連続的に追従して光の色を連続変化させることができる。
【0018】
本発明においては、透光性部材から成る光温度表示部に、吐水管の基部側に延出する被照射部を設けて、そこに光源からの光を照射するようになすことができる(請求項4)。
このようにすることで、容易に光源から発した光を光温度表示部において外部放射し、光の色によって温度表示することができる。
【0019】
次に請求項5は、ホルダを回動可能となし、光温度表示部をリング状外周面において吐水管の外周面で露出させ、そのリング状外周面において光の色により温度表示するようになしたもので、このようになしておけば、ホルダないし吐水管がどのような回動位置にあっても、光温度表示部が使用者にとって見易いものとなり、光温度表示部に良好にその表示機能を発揮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に本発明をキッチン用のホース収納式の自動水栓に適用した場合の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10はキッチンのキャビネットで、12はカウンターであり、このカウンター12上に起立する状態で水栓の本体部14と吐水管16とが設けられている。ここで吐水管16は本体部14に対して所定角度回動可能とされている。
また吐水管16は、図3に示しているように逆U字状のグースネック形状をなしている。
同図に示しているように吐水管16は、先端に吐水口18を有し、可撓性のホース20とともに引出し可能な吐水ヘッド22と、吐水ヘッド22を収納位置に保持するホルダとしての働きを有する吐水管本体24とを有している。
【0021】
図1に示しているように、キャビネット10の内部には一対の止水栓28,30の間の位置においてバルブユニット26が配設されている。
そしてこのバルブユニット26の後述の水流入口92(図5(イ)参照)に対して給水用の元配管(以下単に給水元管と略す)が止水栓28,分岐継手32及び接続ホース34を介して接続されている。
また後述の湯流入口94(図5(イ)参照)に対して給湯用の元配管(以下単に給湯元管と略す)が、止水栓30及び接続ホース36を介して接続されている。
このバルブユニット26の水流出口及び湯流出口からは水,湯のサプライ管38,40が上向きに延び出しており、それらの先端が上記の水栓の本体部14に接続されて、その本体部14に水,湯がそれぞれ供給されるようになっている。
【0022】
本体部14には後述の混合弁58(図2参照)が内蔵されていて、その混合弁58の下流部から水又は湯(混合弁58で温調された湯)を流出させる流出管42が下向きに延び出しており、その先端がカプラ44を介して上記の可撓性のホース20に接続されている。
ここでホース20はカプラ44から上向きに延び出した後、1回転した上で本体部14,吐水管本体24を挿通し吐水ヘッド22に接続されている。
【0023】
キャビネット10の内部にはまた浄水器46が設けられており、バルブユニット26の上流部において給水元管からの水が分岐継手32,ホース48を通じてこの浄水器46に導かれるようになっている。
浄水器46は、水道水を後述のフィルタ66(図2参照)に通して浄化するもので、その浄化後の浄水を流出させるホース50が浄水器46から延び出している。
このホース50の先端はカプラ44を介して、吐水ヘッド22に繋がるホース20に接続されている。
即ち浄水器46から流出した浄水がホース50,20を通じて吐水ヘッド22に導かれ、その先端の吐水口18から吐水されるようになっている。
【0024】
キャビネット10の内部にはまた、バルブユニット26の下側において水栓の動作制御のためのコントローラ(制御部)52が設けられている。
【0025】
図2に示しているように本実施形態において給水元管,給湯元管からの水,湯は給水路54,給湯路56を通じて本体部14に内蔵された混合弁58に供給される。
供給された水と湯とはレバーハンドル60の操作に基づいて所定比率で混合された上、同じくそのレバーハンドル60の操作に基づいて決定された所定流量で流出路62を通じ吐水ヘッド22に送られ、先端の吐水口18から吐水される。
ここでレバーハンドル60は、左右回動操作によって水と湯との混合比率の調節即ち温度調節を行い、また上下回動操作によって流量調節を行う。
【0026】
給水元管からの水はまた、電磁弁68の上流部で給水路54から分岐した浄水路64に取り出され、そして浄水路64上に設けられた浄水器46のフィルタ66を通過してそこで浄化された上で、浄化後の水(浄水)が混合弁58をバイパスして流出路62に導かれ、そしてその流出路62を通じて吐水ヘッド22の吐水口18から吐水されるようになっている。
これら給水路54,給湯路56及び浄水路64のそれぞれには流路を開閉する電磁弁68,70,72及び逆流防止をなす逆止弁74が配設されている。
尚浄水路64には定流量弁73が設けられている。
【0027】
給水路54からはまた、電磁弁68の上流部においてバイパス路76が分岐して延び出しており、その先端が給湯路56且つ電磁弁70及び逆止弁74の下流部に接続されている。
このバイパス路76上にもまた、流路を開閉する電磁弁78と逆止弁74が設けられている。
これら電磁弁68,70,72,78はそれぞれコントローラ52に電気的に接続されていて、コントローラ52によって動作制御される。
【0028】
本実施形態において、給水路54と給湯路56とを連絡するバイパス路76を設けているのは次のような理由による。
即ちレバーハンドル60の操作位置が、混合弁58内における湯の流路を全開、水の流路を全閉状態とする状態にあると、後述する人体検知センサ(水用センサ116)による人体検知に基づいて吐水口18から水吐水させようとしてもこれを行うことができない。
そこで給水路54と給湯路56とをバイパス路76で連絡しておき、混合弁58内において水の流路が全閉状態にあっても、給水元管からの水をバイパス路76,給湯路56,更に流出路62を通じて吐水口18へと供給可能となしているのである。
【0029】
この実施形態の自動水栓では、図16(A)に示しているように電磁弁68及び78が開,電磁弁70,72が閉とされることで、給水路54及びバイパス路76、更に給湯路56の一部を通じて給水元管からの水が混合弁58に送られ、更にその混合弁58を経由して流出路62を通じ、吐水口18から水が吐水(水吐水)される。
また図16(B)に示しているように電磁弁68及び70が開,電磁弁72及び78が閉の状態の下で、給水元管からの水と給湯元管からの湯がそれぞれ給水路54及び給湯路56を通じて混合弁58に送られてそこで混合され、適温の湯とされた上で流出路62を通じ吐水口18から湯が吐水(湯吐水)される。
一方図16(C)に示しているように電磁弁68,70及び78の何れもが閉で、電磁弁72のみが開の状態の下では、給水元管からの水が浄水器46、つまり浄水路64の側に導かれてフィルタ66を通り、浄水となって流出路62を通じ吐水口18から吐水(浄水吐水)される。
【0030】
図7に上記混合弁58の構成が具体的に示してある。
同図に示しているように混合弁58は、ハウジング80の内部に固定弁体82と、その上面を摺動する可動弁体84とを有しており、その可動弁体84に対してレバーハンドル60が作動的に連結されている。
固定弁体82には水,湯の入口86,86が設けられていて、それら入口86,86を通じて、サプライ管38,40を図中上向きに送られて来た水と湯とが可動弁体84の混合室88内に流入する。
そして混合室88で混合された後の温調後の湯或いは水が出口89から流出管42へと流出して、図2の流出路62を通じ吐水口18へと導かれる。
【0031】
図4〜図6に上記バルブユニット26の構成が具体的に示してある。
これらの図において90はバルブボデーで、図5に示しているように水流入口92,湯流入口94と、それらに連通して給水路54,給湯路56の一部をなす内部流路54a,56aを有している。
そしてそれら内部流路54a,56a上に電磁弁68,70(図6参照)が設けられている。
【0032】
バルブボデー90にはまた、図5(ハ)に示しているように上記バイパス路76の一部を成す分岐流路76aが給水用の内部流路54aから分岐しており、この分岐流路76a上にバイパス路76を開閉するための電磁弁78(図6参照)が設けられている。
バルブボデー90には更に、図5(イ)に示しているように分岐流路76aを給湯路56に合流させるための、バイパス路76の残部をなす合流路76bが設けられており、分岐流路76aからの水がこの合流路76bによって給湯路56に合流し、その後給湯路56を通じて図2の混合弁58へと送られるようになっている。
【0033】
上記電磁弁68,70,78は図6(ロ)に示しているように、主弁としてのダイヤフラム弁98と、その背後に形成された背圧室100と、背圧室100の水抜きを行う水抜水路としてのパイロット水路102と、パイロット水路102を開閉するパイロット弁としてのプランジャ弁104と、固定コア106と、プランジャ弁104を電磁力で動作させるソレノイド108とを有している。
この電磁弁68,70,78においては、ソレノイド108への通電によりプランジャ弁104を開弁させると、パイロット水路102が開放されて背圧室100の圧力が抜け、主弁としてのダイヤフラム弁98が開弁動作する。
【0034】
尚、図4(イ)及び図6(イ)に示しているようにバルブボデー90には内部の水,湯を抜くための水抜栓110と、水抜きに際してダイヤフラム弁98を手動にて開放させるための開放操作部材112とが設けられている。
開放操作部材112は、摘み114を回転操作することでダイヤフラム弁98を手動で開放させる。
【0035】
図3に示しているように、逆U字状のグースネック形状をなす吐水管16における吐水管本体24の先端部、詳しくはその最上位の部位から先端に向かって下向きとなる部分の上面に、水用センサ(水用の人体検知センサ)116及び湯用センサ(湯用の人体検知センサ)118が、所定間隔隔てて管軸方向に一列に配列されている。
ここで水用センサ116は使用者に近い手前側に(前側に)、また湯用センサ118は奥側に設けられている。従って水用センサ116は湯用センサ118に対して下位置に、また湯用センサ118は水用センサ116に対して上位置に位置している。
本実施形態においては、吐水管本体24の側面においても浄水用センサ(浄水用の人体検知センサ)120が設けられている。
尚吐水管本体24の先端部下面には、吐水やシンク或いはシンク内の容器等に光を照射してほのかに照らし出す光照射部122が設けられている。
【0036】
この実施形態の自動水栓では、水用センサ116の上方に手をかざして水用センサ116によりこれを検知させると、吐水口18から水が吐水(水吐水)される。また水吐水状態の下で再び水用センサ116の上方に手をかざすと、そこで水吐水が停止する。即ち止水する。
一方湯用センサ118の上方に手をかざすと、湯用センサ118による手の検知に基づいて、吐水口18から適正温度に温度調節された湯(温調水)が吐水され、そしてその湯吐水中に再び湯用センサ118の上方に手をかざすと、そこで湯吐水が停止する。
【0037】
一方図15に示しているように吐水管本体24の先端部側方に手を差し出すと、浄水用センサ120がこれを検知し、吐水口18から浄水が吐水(浄水吐水)される。また浄水吐水状態の下で再び浄水用センサ120に対して手をかざすと、そこで浄水吐水が停止する。
そのようにコントローラ52が対応する各電磁弁68,70,72,78を動作制御する。
【0038】
尚ここでは、水用センサ116の検知距離が奥側の湯用センサ118の検知距離よりも短く設定されている。
即ち各センサ(水用センサ116及び湯用センサ118)が差し出された手の指を検知するものと想定して、ここでは水用センサ116の検知距離が約2cm程度、湯用センサ118の検知距離が約4cm程度に設定されている。
【0039】
図8〜図11に吐水管16の内部構造が具体的に示してある。
図8,図9及び図10に示しているように、吐水管本体24は金属パイプ124と、断面U字状をなして金属パイプ124の内部に挿入され内側においてホース20をガイドし、また外側において上記各水,湯,浄水用の各センサ116,118,120とコントローラ52とを連絡する電気配線をガイドする湾曲形状のインナ部材126と、その先端側に設けられてホース20を挿通ガイドする概略筒状のガイド部材128と、その下側からこれを覆うガイドカバー130とを有している。
【0040】
図11に示しているようにこのガイド部材128の上面には仕切板131が固定されており、そしてその仕切板131の上面に上記水用センサ116,湯用センサ118を有するセンサユニット132,134が載置固定された上、その上側から樹脂製の透光性のセンサカバー136が被せられている。
ガイド部材128には、その側面に浄水用センサ120が取り付けられている。ガイドカバー130は、その浄水用センサ120に対応する部分が透光性とされている。
【0041】
上記湯用センサ118は光電式のものであって、図12(A)に示しているようにこの湯用センサ118を有するセンサユニット134は基板140を有していて、そこに赤外線の発光素子142と、受光素子144と、センサ制御部としてのマイコン146が搭載されている。
基板140にはまた、湯吐水状態であるかそうでないかを表示するためのLED148が搭載されており、湯吐水状態の下ではこのLED148が点滅し、またそうでないときにはLED148が点灯保持するようになっている。
【0042】
一方図12(B)に示しているように、水用センサ116を有するセンサユニット132は、基板140に赤外線の発光素子142と、受光素子144と、更に水吐水中であるか否かを表示するLED150が搭載されている。
ここでLED150は水吐水中であれば点滅を行い、またそうでないときには点灯状態を保持して、水吐水中であるか否かを表示する。
このセンサユニット132にはまた、基板140に現在の吐水温度を表示するための3色(RGB)LED152が搭載されている。
【0043】
一方図12(C)に示しているように浄水用センサ120を有するセンサユニット138は、基板140に赤外線の発光素子142と、受光素子144及び浄水吐水中であるか否かを表示するためのLED154が搭載されている。
このLED154は浄水吐水中においては点滅動作し、またそうでないときには点灯状態を保持することによって、浄水吐水中であるか否かを表示する。
【0044】
一方吐水ヘッド22は、図9に示しているように筒状のコア部材156と、これを外周側から覆うカバー158とを有しており、そのコア部材156に対してホース20の先端部が水密に接続固定されている。
この吐水ヘッド22の先端には、吐水口18からの吐水をストレート吐水からシャワー吐水に又はその逆に切換操作する切換操作部160が設けられている。
【0045】
図1に示しているように、上記カプラ44には吐水口18からの吐水の温度をその上流部において事前に検知する温度検知素子としてサーミスタ170が取り付けられている。
そして図8及び図9に示しているように、このサーミスタ170による温度検知に基づいて吐水の温度ないしその温度変化を光の色ないし色変化によって表示する光温度表示部162が吐水管本体24の先端面近傍、詳しくはここでは吐水管本体24の先端面と吐水ヘッド22とによって管軸方向に挟まれる位置に取り付けられている。
【0046】
この光温度表示部162は、図14に示しているように環状且つ平板状の本体部172と、その上部から後方に延出する延出部164とを一体に有する透光性の樹脂から成っており、図9の部分拡大図に示しているようにその延出部164の下面、詳しくは被照射面176(図14(B)参照)に対して、上記3色LED152からの光が照射されるようになっている。
【0047】
この透光性樹脂から成る光温度表示部162は、本体部172の外周面が表示面178とされていて、組付状態においてその表示面178だけが吐水管16の外周面で露出せしめられ、表示面178で吐水の温度を光の色で表示する。
詳しくは、3色LED152から延出部164の被照射面176に照射された光は透光性樹脂の内部を透過して、外周面の表示面178から外部に放射され、その光の色によって吐水の温度を表示する。
そしてその表示面178から光を効率高く放射するために、延出部164の被照射面176及び外周面の表示面178以外の面に白色塗料が塗布してある。
【0048】
この光温度表示部162は、図14に示しているように延出部164の下面に掛止爪180を、また本体部172の下部に切欠部182を有しており、図13に示しているようにその掛止爪180をガイド部材128に設けた上向きの引掛部184に弾性的に掛止させ、更にまた下部の切欠部182に対して、ガイドカバー130に設けた係入部186を係入させる状態に、吐水管本体24に組み付けられている。
【0049】
上記3色LED152は色の3原色である赤(Red),緑(Green),及び青(Blue)を発色するLEDをユニット化したもので、上記サーミスタ170よる温度検知に基づいて連続的に光の色を変化させる。
光温度表示部162は、その光の色及び色変化を連続的に外部に放射して吐水温度を表示する。
【0050】
即ち吐水温度が低いときには青色を、吐水温度が高いときには赤色を、中間のときにはそれらに応じた色を発色して現在の吐水温度がどのような温度であるかをその色変化によって表示する。
【0051】
本実施形態では、浄水用センサ120,湯用センサ118及び水用センサ116が実質的に同時に手を検知した場合には、浄水用センサ120による検知が最も優先し、その次に湯用センサ118による検知が優先するようになっている。
詳しくは、浄水用センサ120が手を検知したときには一定時間他のセンサ即ち湯用センサ118及び水用センサ116の検知が無効化され、一定時間経過後に湯用センサ118,水用センサ116による検知が有効化される。
また湯用センサ118が手を検知したときには、一定時間水用センサ116による検知が無効化され、一定時間経過後に水用センサ116による検知が有効化される。
コントローラ52がそのように吐水の動作を制御する。
【0052】
図17に示しているように、本実施形態においては光温度表示部162が、吐水管本体24の側に且つ吐水管本体24の先端面と吐水ヘッド22の後端面とによって管軸方向に挟まれる位置に設けてあることから、更にはまたその外周面を表示面178となして、その表示面178において吐水温度を光表示することから、(A)に示しているように吐水ヘッド22を吐水管本体24にセットした状態、即ちホース20を収納した状態においても、また(B)に示しているように吐水ヘッド22を吐水管本体24から引き出した状態においても明確に吐水温度を光表示することができる。
【0053】
かかる本実施形態においては、吐水ヘッド22を手に持ち引き出した状態で、光温度表示部162による表示を見ることができ、しかも使用者に可及的に近い位置で表示を見ることができ、吐水口18からの吐水の温度を容易に認識することができる。
【0054】
また本実施形態では吐水の温度を光の色で表示するため、使用者が特に意識をしていなくても自然にその光表示が目に入って来、予期に反して高温の湯が出てしまったり或いは冷水が出てしまったりといった不都合を是正することができる。
【0055】
また本実施形態では3色LED152からの光が直接外部に放射されるのでなく、透光性部材から成る光温度表示部162を内部透過した上、外周面の表示面178から放射されるため、光温度表示部162の外周面全面から広い範囲に亘って均等に外部に放射でき、表示性能,識別性能を効果的に高めることができる。
【0056】
また本実施形態ではホルダとしての吐水管本体24を回動可能とし、光温度表示部162をリング状外周面の表示面178で温度表示するようになしているため、吐水管本体24ないし吐水管16がどのような回動位置にあっても、光温度表示部162が使用者にとって見易いものとなり、光温度表示部162に良好にその表示機能を発揮させることができる。
【0057】
図18及び図19は本発明の他の実施形態を示している。
この実施形態では、給水元管からの水及び給湯元管からの湯をそれぞれ上記のようなバルブユニットを経由することなく、直接本体部14内の混合弁58に供給するようにし、そして流出路62を構成する流出管42とホース20とを接続するカプラ190に、流出路62を開閉する電磁弁192を設けている。
即ちここでは、温調された湯を吐水口18から吐水させ又は止水するための電磁弁192を混合弁58の2次側に設けている。
【0058】
また一方、混合弁58の上流部において給水路54から第2の給水路194を分岐して延び出させ、その先端を流出路62且つ電磁弁192の下流部に接続している。
この第2の給水路194上には、定流量弁73と第2の給水路194を開閉する電磁弁196とが設けてある。
【0059】
一方吐水管16には、その上面に湯用センサ118と水用センサ116とが管軸方向に一列に設けられている。
但しここでは湯用センサ118が使用者に近い手前側(前側)に、また水用センサ116が奥側に設けられている。
【0060】
この実施形態においても、使用者に近い手前側の湯用センサ118の検知距離が奥側の水用センサ116の検知距離よりも短く設定してあり、また湯用センサ118と水用センサ116とが実質的に同時に人体検知したときには、奥側の水用センサ116による人体検知が優先するようになしてある。
この実施形態では、第2の給水路194からの水が混合弁58をバイパスして吐水口18から水吐水されることから、水吐水の際の流量調節の機能は有しておらず、一定流量で吐水口18から水吐水される。
【0061】
図19にカプラ190の内部構造が具体的に示してある。
同図に示しているように、ここではカプラ190に吐水の温度をその上流部で検出するための温度検出素子としてのサーミスタ170が電磁弁192と併せて組み付けられている。
更にまたこのカプラ190には、水抜栓110と電磁弁192の主弁をなすダイヤフラム弁98を開放させる開放操作部材112が組み込まれている。
【0062】
図20は本発明の更に他の実施形態を示したもので、ここでは第2の給水路194に代えて浄水路64を設け、それに対応して吐水管16の上面に湯用センサ118と浄水用センサ120とを管軸方向に一列に且つ湯用センサ118を使用者に近い手前側に、浄水用センサ120を奥側に設けている。
この例においても、湯用センサ118及び浄水用センサ120のうち、使用者に近い手前側の湯用センサ118に対して奥側の浄水用センサ120が優先され、またその検知距離は、奥側の浄水用センサ120に対し手前側の湯用センサ118の検知距離が短く設定されている。
この実施形態の場合、水吐水に代えて浄水吐水が行われる以外は図18及び図19に示す実施形態と基本的に同様である。
【0063】
図21は本発明の更に他の実施形態を示している。
この実施形態は、図18及び図19に示す第2の給水路194,図20の実施形態における浄水路64を省略した形態のもので、吐水管16には湯用センサ118のみが設けられている。
他の点については図18〜図20に示す実施形態と同様である。
【0064】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態である自動水栓を示す図である。
【図2】同実施形態の自動水栓の流路を示す図である。
【図3】同実施形態の吐水管と各種センサを示す図である。
【図4】同実施形態のバルブユニットを示す斜視図である。
【図5】図4のバルブユニットを互いに異なる切断面で切断して示す斜視図である。
【図6】図4のバルブユニットの図5とは異なった切断面における断面図である。
【図7】同実施形態における混合弁を示す図である。
【図8】図3の吐水管の内部構造を示す断面図である。
【図9】図8における吐水ヘッドを吐水管本体から離した際の図である。
【図10】図8の分解斜視図である。
【図11】図10の一部を詳しく示した図である。
【図12】同実施形態における各人体検知センサを示した図である。
【図13】光温度表示部をその組付構造とともに示す図である。
【図14】光温度表示部の単品の図である。
【図15】浄水吐水を行う際の図である。
【図16】同実施形態における流路切換えの説明図である。
【図17】同実施形態における光温度表示部の作用状態を示す図である。
【図18】本発明の更に他の実施形態を示す図である。
【図19】図18におけるカプラの内部構造を詳しく示した図である。
【図20】本発明の更に他の実施形態を示す図である。
【図21】本発明の更に他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
16 吐水管
20 ホース
152 3色LED
162 光温度表示部
176 被照射面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐水の温度を光の色で表示する光温度表示部を設けて成る水栓において
吐水管をホースとともに引出し可能な吐水ヘッドと、該吐水ヘッドを保持するホルダとを備えて構成し、前記光温度表示部を前記ホルダ側且つ該ホルダの先端面近傍に設けたことを特徴とする水栓。
【請求項2】
請求項1において、前記光温度表示部を前記ホルダと吐水ヘッドとで管軸方向に挟まれる位置に設けてあることを特徴とする水栓。
【請求項3】
請求項1,2の何れかにおいて、前記光温度表示部が透光性部材にて構成してあり、別途に設けた光源からの光を該光温度表示部に照射することによって、該照射光を該光温度表示部を内部透過させた上、該光温度表示部の外表面から外部に放射するものとなしてあることを特徴とする水栓。
【請求項4】
請求項3において、前記光温度表示部には前記吐水管の基部側に延出する被照射部が設けてあり、該被照射部に対向して設けた前記光源からの光を該被照射部に照射するようになしてあることを特徴とする水栓。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかにおいて、前記ホルダが回動可能となしてあるとともに、前記光温度表示部がリング状外周面において前記吐水管の外周面で露出させてあり、該リング状外周面において光の色により温度表示するものとなしてあることを特徴とする水栓。
【請求項1】
吐水の温度を光の色で表示する光温度表示部を設けて成る水栓において
吐水管をホースとともに引出し可能な吐水ヘッドと、該吐水ヘッドを保持するホルダとを備えて構成し、前記光温度表示部を前記ホルダ側且つ該ホルダの先端面近傍に設けたことを特徴とする水栓。
【請求項2】
請求項1において、前記光温度表示部を前記ホルダと吐水ヘッドとで管軸方向に挟まれる位置に設けてあることを特徴とする水栓。
【請求項3】
請求項1,2の何れかにおいて、前記光温度表示部が透光性部材にて構成してあり、別途に設けた光源からの光を該光温度表示部に照射することによって、該照射光を該光温度表示部を内部透過させた上、該光温度表示部の外表面から外部に放射するものとなしてあることを特徴とする水栓。
【請求項4】
請求項3において、前記光温度表示部には前記吐水管の基部側に延出する被照射部が設けてあり、該被照射部に対向して設けた前記光源からの光を該被照射部に照射するようになしてあることを特徴とする水栓。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかにおいて、前記ホルダが回動可能となしてあるとともに、前記光温度表示部がリング状外周面において前記吐水管の外周面で露出させてあり、該リング状外周面において光の色により温度表示するものとなしてあることを特徴とする水栓。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2006−144331(P2006−144331A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−333911(P2004−333911)
【出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】
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