説明

水準器付傾斜指示システムを有する可搬式振動スクリード

【課題】従来の可搬式振動スクリードにおいては振動により水準器が正常に機能しなくなる欠点があった。
【解決手段】本発明の可搬式振動スクリードは、オペレータによって操作されるハンドル(28)に接続したブレード(12)と、励振機が定格操作速度で駆動されたときブレードの長さ方向に沿った特定位置に形成された振動の振幅が最小のノード(112、113、115、116)と、これらノードの1つまたはその近くにおいてブレード(12)に取り付けた水準器(164)及びまたはハンドル(28)とを有し、これらは励振アセンブリによって発生した振動から絶縁されるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2006年6月15日米国で出願された米国特許出願60/804,847号「可搬式振動スクリード」を原出願とするものである。
【0002】
本発明は、コンクリートをならすためのスクリード、特に、スクリード操作の間に発生する振動の影響を比較的に受けないように位置決めされた経済的な傾斜指示システム及びまたはハンドルのような振動に敏感な部品を有する可搬式振動スクリードに関するものである。このスクリードは振動を受けないように位置決めされた構成部分を有する剛性ブレードを含む。
【背景技術】
【0003】
コンクリート注入プロセスの間、砕石、セメント及び水を含む材料が区域に注入されたときコンクリート材料は種類によって境界を作るようになる。この注入区域にコンクリートが導入されたとき、“パドラー”と呼ばれる複数の労働者がすき、カムーアロング及びシャベルを用いてコンクリート材料を所望の高さに均一に配分する。他の労働者は“ストライクオフ”と呼ばれるハンマーや他の押圧部材でコンクリート材料を横方向に移動せしめる。この手動のコンクリート材料のストライクオフでは材料を整理し、仕上げられた材料の表面下に大きな砕石を押し込むようにする。また、コンクリートの表面が所望の傾斜または“グレード”とされる。仕上げ面の平坦度は個人的ストライクオフ処理の技術に依存する。更にコンクリート材料の手動コンクリートオフは大きな労働力と、大きな技術力と、仕上げ面を平らで所望の傾斜とする経験を必要とする。
【0004】
可搬式振動スクリードリードの出現によってコンクリート材料のならしのために必要な労働力が大きく減少された。一般に、可搬式振動スクリードはボードまたはブレードに取り付けられた振動発生機構と、ブレードから延びる1つまたはそれ以上のハンドルを含む。この振動発生機構はモータによって駆動される1つまたはそれ以上の偏心重から成る“励振機”を有する。ブレードが湿ったコンクリート上を横切って移動したとき、振動機構の操作によって振動ブレードが大きな砕石をコンクリート材料の表面下に押圧し、“クリーム”と呼ばれるより小さな砕石を有する高セメント性の材料を材料の仕上げ面に位置せしめる。オペレータによるハンドル操作と、ブレードの剛性が材料の仕上げ面の平坦度と傾斜を定める。従って、ブレードのピッチと傾斜及びブレードの移動方向及び速度を制御するオペレータの能力が材料仕上げ面の平坦度を定めることになる。
【0005】
振動機構からオペレータの手に加わる振動の伝達を減少せしめるため、ゴムブッシングのような絶縁手段をハンドルの端部とブレード間に介挿している。然しながら、絶縁手段はハンドル操作を妨げ、ハンドル操作の一部のみをブレードに伝達するようになるため、絶縁手段を設けることはハンドルの応答性上好ましくない。従って、絶縁手段はブレードの位置制御におけるオペレータの能力を損ねることになる。
【0006】
仕上げ材料の高さは、オペレータによる仕上げ高さの目視によって定められる。既知の可搬式振動スクリードは種々の傾斜指示システムを有し、このようなシステムは使用者のために用いられている。多くの傾斜及び上昇システムはレーザシステムを有している。然しながら、多くのこの種システムはブレードの底面に関連するハンドルの位置決め、従ってブレードのピッチ(高さ)を定めることができない。
【0007】
このようなレーザ上昇システムはオペレータに適切な高さ指示を与えることができるが、オペレータは所望の高さに合致する上昇及びまたはピッチを得るようハンドルを移動する必要がある。更に、レーザ上昇及び傾斜システムはスクリードに組み込むためには高価なものとなる。構造上、このようなコストは顧客の要望と、このようなシステムのために要求さえるメンテナンスとサービスに関連する。
【0008】
スクリードの姿勢を示すためのレベル計のような比較的に廉価な傾斜計は特許文献1に示されている。水準器として知られているレベル計は液体中に閉じ込めた泡を有するガラス管から成る。この泡は水準器が水平のときは中心に位置し、水準器が傾斜したとき一端または他端に変位する。然しながら、特許文献2に示されているようにこのようなレベル指示計は、励振アセンブリの操作中はスクリードのブレードの傾斜を正しく示さない。即ち、励振アセンブリの操作によって発生した励振が、水準器に伝えられ、泡が破壊されるようになる。上記特許文献2に示すものではスクリード中、スクリードの傾斜を示すため水準器を用いることはできないとしている。
【特許文献1】米国特許第4752156号
【特許文献2】米国特許第6758631号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記の欠点を除くようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、励振機をその定格駆動速度のような所定の操作速度で駆動したとき発生した振動によって水準器の泡が破壊されることのないよう、発生した振動の振幅が最小となるノードまたはその近くにおいて少なくとも1つのオペレータ用ハンドルと水準器を、可搬式振動スクリードの板上に取り付けることにある。
【0011】
スクリードのブレードは、その長さ方向に沿ったねじれや曲げが最小となる構造とする。このような構造により均一で平坦な仕上げ面が作られ、オペレータはスクリードのハンドルを確実に操作できるようになる。この効果はスクリードを剛性とするブレードの断面形状によって作られる。例えば、ブレードの横断面を英語小文字bの形とする。
【0012】
本発明の他の目的は、励振アセンブリを受容できるブレードを含む可搬式スクリードを形成する方法を得るにある。
【0013】
このため、励振機を所定の操作速度で駆動したとき、ブレードの長さ方向に沿った特定位置に、発生した振動の振幅が最小となるノードを形成し、このノードの1つまたはその近くで少なくとも1つのオペレータ用ハンドルと水準器を支持せしめ振動によって水準器の泡が破壊されることのないようにする。
【0014】
本発明の他の目的及び特徴は以下図面の説明と共に明らかならしめる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下図面によって本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は本発明の一実施例における可搬式振動スクリード10の斜視図である。この可搬式振動スクリード10は振動機構14を有するブレード12を含む。第1操作ステーション16と第2操作ステーション18をブレード12によって接続する。本発明の一実施例においては第1、第2の操作ステーション16と18の夫々はレーザレベルシステム20と22及びハンドル アセンブリ24と26とを有する。2つの操作ステーションを設ける代りに、スクリード10にはブレード12の長手方向の中心に位置する単一ハンドル アセンブリを設けることができる。ハンドル アセンブリ24と26の夫々はオペレータによって操作されるハンドル バー28を有する。ハンドル バー28とブレード12間にハンドルチューブ30を延ばす。ハンドルチューブ30はハンドル取付けブラケット32によってブレード12に直接固定する。キックスタンド34を各ハンドルチューブ30に枢支し、これを使用しないときは可搬式振動スクリードを垂直または操作位置とする。クリップ36を各ハンドルチューブ30に取り付け、可搬式振動スクリード10の操作中はキックスタンド34をクリップ36によって保持し、コンクリートならし操作の間キックスタンド34がコンクリート材に接しないようにする。
【0017】
ブレード12はその長さ方向に沿った曲げ及びまたはねじれに抵抗できる構造とする。このような構造により仕上げ面は均一で平坦にされ、可搬式振動スクリード10は操作者のハンドル操作に正しく応じるようになる。この効果はブレード10を剛性とする断面形状とすることによって達成できる。例えばブレードには、ブレードの底板から離間してブレードの頂部に補強板を設けることによって少なくとも一部、好ましくはオペレータに向って通常の使用方向から見たときの先端部分を補強する。この補強板はブレードの全長に亘って延ばし、または幾つかに分割して設けても良い。この実施例においてはブレード12は断面を英語小文字bの形状とする。ブレード12はアルミニウムの押し出しで作り、ブレード12の図8に示す全幅137に亘って延びる底板124と、この底板124の半分の長さだけ延びる頂部補強板とを有せしめる。底板124の後部は平板、湾曲板または傾斜板とする。補強部には底板から上方に延びる横方向に互いに離間した長手方向に延びる第1、第2の壁130と132とを有せしめる。壁130はブレード12の前縁60近くに延ばす。また、壁132はブレード12の後縁62と壁130間の中間に沿って配置する。上板134を壁130と132間に延ばし、上板134と、一対の壁130、132と底板124間に空洞136を形成せしめる。英語小文字bの形の断面56は少なくとも矩形でL形の断面、U形でL形の断面、T形でL形の断面のパーツを組み合せて、または、このような形のものを押し出した単一のもので形成せしめる。望まれる剛性を得るため他の形状を用い得る。
【0018】
図8に示すように端板118をブレード12の各端板120と122に接続せしめる。端板118によって矩形の空洞136を囲み、可搬式振動スクリード10の空洞内にスクリードされた物質が堆積されないようにする。また、図8に示すように、ハンドル取付けブラケット32とマスト マウント42をブレード12の幅137の方向に沿って互いに離間せしめる。ハンドル アセンブリ24と26のハンドル取付けブラケット32はブレード12の幅137に沿って一線をなし、レーザレベルシステム20と22のマスト マウント42もブレード12の幅137に沿って一線をなすようにする。ハンドル アセンブリ24と26のハンドル取付けブラケット32とレーザレベルシステム20、22のマスト マウント42は、マウントアセンブリのノード位置でブレード12の幅方向137で上板134に沿って位置決めする。
【0019】
図9はブレード12の曲げとねじれ抵抗の関係を示す。図9のグラフに示すようにハンドル バー28のオペレータ138は、ハンドル バー28を操作して剛性面140に対しブレード12の側面124を平らに維持できる。図8と図9に示すようにハンドル バー28を方向138において時計方向に回動すればブレード12の長さ方向110に沿って前縁60と剛性面140間に均一な間隔が形成される。従って、ブレード12をこれに加わる撓みと曲げ力に抵抗するような構造とする。このような構造とすることによってブレード12の大部分がハンドル バー28の操作に応じることができるようになる。
【0020】
ワッカー コーポレーションとマジック スクリードによって販売されている既知のブレードと本発明の構成のブレードの比較を表1に示す。
【0021】
【表1】

【0022】
表1に示すようにブレード12の構造は慣性質量モーメント、最大曲げモーメント、及び最大トルク容量を大きく改良しており、このブレード12は既知のものより秀れている。
【0023】
可搬式振動スクリード10の操作の間、ブレード12は図2の矢印58に示すようにならすべき、ストラックオフすべきまたは浮動すべき材料を横切ってスクリード方向に移動される。操作者が高さまたはグレードを高めたいときはハンドル バー28を上方に回動しより多くの材料を前縁60の下を通過せしめる。反対に、高さを低くする場合やグレードをカットする場合にはハンドル バー28を下方に回動して前縁60を下降し、仕上げ材料の高さを減少せしめる。このようにハンドル バー28を操作することによってブレード12の前縁60の位置を制御できるようにする。
【0024】
ブレード12の後縁62が材料を“浮上”せしめ、材料の表面構造がクローズされる。即ち、ブレート12を湿ったコンクリートの表面を横切って移動して材料の表面を仕上げ、ブレード12によって材料の仕上げ面の下側に大きな砕石を押し込み、クリーム状材料を上昇せしめる。
【0025】
複数のつかみバー46を互いに離間してブレードの上面に取り付ける。このつかみバー46またはリフトやスキッド ローダやクレーン等の補助具を操作することによって可搬式振動スクリード10を上昇し及びまたは移動せしめる。この可搬式スクリード10は人間の力で操作され、移動できるスクリードである。
【0026】
図2及び図3に示すように、レーザレベルシステム20と22は同一とする。システム20はシステム22と同一のものとして説明する。図1に示すようにレーザレベルシステム20はマスト マウント42と伸縮マスト38を介してブレード12に取り付ける。伸縮マスト38によってレーザレベルシステム20と22及びブレード12間の間隔は可変とする。各伸縮マスト38は、ブレード12に固定したマスト マウント42内に受容される第1端40を有する。レーザレベルシステム20は、制御器68に連結したレシーバ66を有する。ならし操作の間、ブレード12に傾斜を指示するためレシーバ66と制御器68を操作する。
【0027】
この実施例においては、レシーバ66は所定の基準高さにレーザ ビームを放射せしめるオフ ブレード固定リファレンス レーザ(図示せず)に協働するレーザ センサ アイとする。このリファレンス レーザは、好ましくはアイが任意の位置からリファレンス信号を受け取ることができる平板状レーザ プロジェクションを形成する360°レーザとする。好ましくはレーザ センサ アイには、スクリードがジョブサイト上の異なる位置で使用されるとき、リファレンス レーザに向って回動されることなくリファレンス レーザ信号を受け取ることができる360°受信手段を設ける。レーザ センサ アイ及びリファレンス レーザは既知である。
【0028】
操作においては、リファレンス レーザはレーザ センサ アイによって受け取られる360°信号を送る。レーザ センサ アイはリファレンス信号のレベルが上か下かをオペレータに示し、オペレータは、好ましいレベルにレーザ センサ アイを位置せしめるように調節する。
【0029】
図2及び図3に示すように傾斜センサ72はハンドル バー28近くでハンドルチューブ30に接続する。傾斜センサ72は、矢印76で示されるブレード12の軸に相対的なハンドル バー28の矢印74の方向の回動の程度を知らせる構成とする。ハンドル アセンブリ24と26上の傾斜センサ72と、レーザレベルシステム20のレシーバ66と制御器68の関連操作によって、可搬式振動スクリード10の操作の間、スクリードの軸76に相対的なハンドル バー28の矢印74の方向の回動によって影響されないようにレーザレベルシステム20がその出力を調節する。傾斜センサには、ブレードの長軸に垂直な面内でのスクリードの前後の傾斜を測定できる任意の姿勢の電子傾斜計を設ける。
【0030】
図3に示すように取付けブラケット78をハンドル アセンブリ24のハンドル チューブ30のオペレータ エンド80の近くで傾斜センサ72に固定する。この構成によってレーザレベルシステム20がブレード12に相対的にハンドル バー28の位置における比較的小さな振れに応答する。取付けブラケット78はハンドル チューブ30上に調節可能に取り付け、スクリード10が所望の傾斜となったとき読みがゼロ(即ち、地面に対し平行な傾斜)となるようにする。この取付け位置によりスクリードの傾斜を維持するための単一のリファレンス点をオペレータが作れるようになる。
【0031】
図4に示すように、レーザ レシーバ66には、ブレード12の所望の高さ及び調節スイッチ88のON/OFFを示すレーザ信号を受け取るように構成されたレセプション窓86を設ける。図2に示すように制御器68を、伸縮マスト38に取り付け傾斜センサ72に対応せしめる。レーザ レシーバ66と制御器68の夫々にはブレード12の相対的高さを示すように構成された出力ディスプレイ90と92を有せしめる。即ち、操作の間、ディスプレイ90と92は可搬式振動スクリード10のオペレータに対する信号及びまたは光学的、音響的または振動による警報を作り、これによってオペレータに材料の仕上げ面が所望の高さであるか否かを指示できるようにする。レーザレベルシステム20からの指示が相当に高いことを示した場合には仕上げられた表面から材料を除去するようハンドルを下方に回動し、支持が低いことをと示した場合には、より多くの材料をブレード12の下に通し、仕上面を上昇せしめるようハンドルを上方に回動せしめる。操作ステーション16と18の夫々にはレーザレベルシステム20と22を設け、注入プロセスにより材料の仕上げ面が所望の高さ及びまたは傾斜となるようブレード12の相対位置をオペレータが個々に定め調節できるようにする。ブレード12の英語小文字b形断面は望まれない曲げまたはねじれに抵抗するが、ブレードの一端に係合する材料のグレードまたはレベルをブレードの他端に係合する材料に相対的に調節する操作者の操作を阻止するものではない。
【0032】
本発明に適用できるレーザレベルシステムの他の詳細は公開米国特許出願2004/0071509号に示されている。
【0033】
スロットル ケーブル82をハンドル チューブ30に沿って延ばし、ハンドル バー28に接続したスロットル レバー84に接続せしめる。この構成により可搬式振動スクリード10の図1に示す振動機構14の操作が適切になされる。ハンドルアセンブリ24と26の双方においては、可搬式振動スクリード10の夫々の操作者によって振動機構14の調節を可能とする構成とする。
【0034】
図5は好ましい可搬式振動スクリード10の振動機構14の斜視図を示す。図5に示すように振動機構14はスロットル ケーブル82に接続されたエンジン100を有する。カバー102をブレード12上に設け、コンクリート注入の間スロットル ケーブル82をこれに飛び散るコンクリート材料から保護せしめる。ペデスタル104によりブレード12上にエンジン100を突設し、両者間に励振アセンブリ106を介挿する。この励振アセンブリ106は、エンジン100の操作の間ブレード12に振動を加えるための1つまたはそれ以上の偏心機構(図示せず)を回転せしめる構成とする。ブレード12の振動により材料を下方に圧し締め固め、ならす。エンジン100と、ペデスタル104と励振アセンブリ106の構成によりエンジン100の好ましくなく振動がブレード12に伝わらないようにする。取付けアセンブリの振動防止構造の他の詳細は公開米国特許出願10/773,012に示されている。
【0035】
振動機構14はブレード12の中心近くに位置せしめ図7の113に示すようにブレード12内にサインカーブ状の振動波を生ぜしめる。このサインカーブはブレード12の振動の振幅が最小となる複数のノードを有する。このノードは振動機構14から両方向にブレード12の長さ方向に沿って離間している。所定のデザインのスクリードにおいては、エンジンの出力速度に等しい励振機構の駆動速度に応じた多数のノードが作られる。操作の大部分の間、エンジンは通常でない条件の場合を除いて励振機構の“定格操作速度”は、スロットルが完全係合でエンジンの最大RPM近くでこれより低い速度である。エンジンが約7,500RPMの定格操作速度のときこの実施例においては最小振動振幅の4つの“定格操作ノード”112、113、115及び116がブレード12の長さ方向に沿って離間して形成される。ノードはブレード12の中心に対称な第1ペア(112、113)と、第2ペア(115と116)とより成る。外側ノード112と116と内側ノード113と115の各ペアは夫々ブレード12の対応する外端から夫々16.8インチと64.8インチの距離である。
【0036】
図6と図10に示すようにハンドル取付けブラケット32とマスト マウント42は、夫々所定の励振機構駆動速度、好ましくは定格励振機構駆動速度において得られる定格操作ノード112と116及びこれに近い部分に設ける。ブレード12の定格操作ノードの1つに近くハンドル アセンブリ24、26及び162と、レーザレベルシステム20、22及び150を取り付ければ、レーザレベルシステム20と22及びまたはハンドル アセンブリ24と26とブレード12間に振動絶縁システムを設ける必要性が無い。即ち、ハンドルまたはレーザレベルシステムの接続アセンブリ内に絶縁ブッシングを設ける代りに、ブレード12の長さ方向110に沿ってハンドルアセンブリ24、26及び162と及びまたはレーザレベルシステム20、22または150の接続位置を定めることによって可搬式振動スクリード10の正常な操作の間ブレード12の振動を低く設定できる。図6に示すようにハンドル24または26のための剛性取付け板117をブレード12の上板134にボルト締め等により直接固定する。このような構成により可搬式振動スクリード10の部品数を減少しその構造を簡単ならしめることができる。更に、このような構成により可搬式振動スクリード10の制御と操縦が改良されるようになる。
【0037】
図10〜図12は本発明の可搬式振動スクリード10に用いるレベルシステム150の他の実施例を示す。この実施例では最小の定格操作ノード112、113、115及び116を有するサイン ウエーブ状の振動を利用する。スクリード10に関連するオペレータの多数の位置に応じて多数のレーザレベルシステム150を用いることができる。レーザレベルシステム20と22と同様、レーザレベルシステム150は、ブレード156の高さをオペレータに伝える、制御器154に接続されたレシーバ152を有する。伸縮マスト158によりレシーバ152と制御器154をブレード156に連結する。傾斜指示システム160は、直接またはハンドルバー162を介してブレード156に取り付ける。傾斜指示システム160には、枢支板166を介してハンドルバー162に取り付けたサイトレベルまたは泡水準器164を有せしめる。枢支板166は枢支部168を介してハンドルバー162に接続する。枢支板166の向きはブレード156に関連して定め得るようにする。図11に示すように泡水準器164は流体172を有する筒170とその内部の泡178とより成る。筒170は、水準器164の対比ピッチを示す多数の基準線174と176を含む。即ち、ブレード156のレベルに応じた水準器164の姿勢から、オペレータは水準器164を目視することによってブレード156の前後の傾斜を容易に知ることができる。基準線174と176に関連する泡178の位置はブレード156の傾斜をオペレータに伝える。基準線174を横切る泡178の程度によりハンドル アセンブリ162の上方回転位置が示され、ブレード156の下を通る材料がより多くなることが示されるようになる。これに対し、基準線176を横切る泡178の程度によりハンドルアセンブリ162の下方回転が示され、これによって材料の阻止またはグレード低下操作が示されるようになる。泡178がブレード156と一線をなすように動くようにされているときは、基準線174と176間に泡が位置するようにすれば泡は注入材料を横切って移動するスクリード10の姿勢を示すようになる。従って、傾斜指示システム160は、ブレード156の傾斜の程度を可視的及び動的に示すようになる。
【0038】
水準器は少なくとも間接的に大きな振動を受けない最小振動ノード112、113、115及び116に、またはその近くに設けるので、スクリード10の操作範囲を通して泡178は正しく機能する。即ち、スクリードの操作中であっても、泡178は流体172内で比較的に均一なガス空間をとして維持されこの泡178はオペレータによって容易に見ることができる。
【0039】
ハンドル24と26及びまたは水準器164は付加的振動を考慮することなく対応する定格操作ノードから離すことができる。即ち、図11に示す水準器をブレード12の端部から427mm離れたノード112と116に取り付けた実施例では、傾斜指示システム160をブレード12に沿ったノードの一側から略50〜75mmだけ離れた第1の範囲180内でブレード12に接続できる。この距離は、エンジンの定格操作速度で傾斜指示システム160を対応する定格操作ノード112または116から精度を維持したまま移動できる距離である。
【0040】
第2の範囲182は第1の範囲180よりもノードから更に離れた場合を含む。第2の範囲182は、傾斜指示システム160がブレード12の取付け位置から離れることができる距離を示し、ショック抑制ブッシング等の使用により操作できる範囲である。第2の範囲182は、約100〜150mmの距離だけブレード12に沿った定格操作ノードの一側から離れた距離である。好ましくは、傾斜指示システム160は、ノードに関連する第1の範囲180内でブレード12に取り付ける。
【0041】
本発明は上記実施例に限定されず、本発明の範囲内で種々増減、変更できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施例における可搬式振動スクリードの斜視図である。
【図2】図1に示す可搬式振動スクリードの操作状態を示す斜視図である。
【図3】図2に示すスクリードの制御位置を示す正面図である。
【図4】図1に示す可搬式振動スクリードのレーザレベルシステムのベース取付け部分の正面図である。
【図5】図1に示す可搬式振動スクリードの振動システムの斜視図である。
【図6】図1に示す可搬式振動スクリードの振動ノードの説明図である。
【図7】図1に示す可搬式振動スクリードの振動説明図である。
【図8】図1に示す可搬式振動スクリードの端面図である。
【図9】図1に示す可搬式振動スクリードのピッチ操作の説明用グラフである。
【図10】本発明の他の実施例例における水準器付き傾斜指示システムを有するスクリードの斜視図である。
【図11】図10のスクリードの一部の斜視図である。
【図12】図10のスクリードの説明図である。
【符号の説明】
【0043】
10 可搬式振動スクリード
12 ブレード
14 振動機構
16 第1操作ステーション
18 第2操作ステーション
20 レーザレベルシステム
22 レーザレベルシステム
24 ハンドル アセンブリ
26 ハンドル アセンブリ
28 ハンドル バー
30 ハンドル チューブ
32 ハンドル取付けブラケット
34 キックスタンド
42 マスト マウント
46 つかみバー
56 b形断面
66 レシーバ
68 制御器
72 傾斜センサ
100 エンジン
104 ペデスタル
106 励振アセンブリ
150 レーザレベルシステム
152 レシーバ
154 制御器
156 ブレード
158 伸縮マスト
162 ハンドルアセンブリ
162 ハンドルバー
164 水準器
166 枢支板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料をならすためのブレードと、
所定の回転速度で駆動されたとき、上記ブレードの互いに長手方向に離間した位置で振幅の最小のノードを有する振動ウエーブを上記ブレード内に発生せしめる励振機と、
上記ノードの1つまたはその近傍において上記ブレードによって支持した水準器と少なくとも1つのハンドルと
より成ることを特徴とする可搬式振動スクリード。
【請求項2】
ハンドルが上記ノードの1つまたはその近傍において上記ブレードに取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の可搬式振動スクリード。
【請求項3】
水準器が上記ハンドルに取り付けられていることを特徴とする請求項2記載の可搬式振動スクリード。
【請求項4】
上記ノードの他の1つまたはその近傍において上記ブレードに取り付けられている他のハンドルと、及び上記他のハンドルの近くで上記スクリードに取り付けられている他の水準器とを有することを特徴とする請求項2記載の可搬式振動スクリード。
【請求項5】
第2の水準器が第2のハンドルに取り付けられていることを特徴とする請求項4記載の可搬式振動スクリード。
【請求項6】
上記ブレードに相対的に上記水準器の姿勢を定めるため上記スクリードに可動に接続された、上記ハンドル上に上記水準器を支持するための取付けブラケットを有することを特徴とする請求項3記載の可搬式振動スクリード。
【請求項7】
ブレードの高さを示すレーザレベルシステムを有することを特徴とする請求項1記載の可搬式振動スクリード。
【請求項8】
曲げまたはねじれに抵抗するため上記ブレードの少なくとも先端部が補強されていることを特徴とする請求項1記載の可搬式振動スクリード。
【請求項9】
上記ブレードの横断面が少なくとも英語小文字のbに類似であることを特徴とする請求項8記載の可搬式振動スクリード。
【請求項10】
ブレードと、
所定の回転速度で駆動されたとき、上記ブレードに互いに長手方向に離間した位置で振幅の最小のノードを有する振動ウエーブを上記ブレード内に発生せしめる励振機と、
離れているオペレータによって操作されるよう上記ノードの1つまたはその近傍において上記ブレードに直接取り付けた上記ブレードの長手方向に離間した第1,第2のハンドルと、及び
上記ブレードの振動中ブレードのピッチを示す、対応するハンドルの1つに夫々取り付けた第1、第2の水準器と
より成ることを特徴とする可搬式振動スクリード。
【請求項11】
上記ブレードの位置に相対的に上記水準器の姿勢を定めるため対応するハンドル上に対応する水準器を枢支せしめるための第1、第2の取付けブラケットを有することを特徴とする請求項10記載の可搬式振動スクリード。
【請求項12】
上記ブレードに相対的に離れた位置に設けた送信機と、可搬式振動スクリードに取り付けられた、注入材料の高さを示すため上記送信機に連通されるレシーバとを有するレーザレベルシステムを含むことを特徴とする請求項10記載の可搬式振動スクリード。
【請求項13】
曲げとねじれに抵抗するため上記ブレードの少なくとも先端部が補強されていることを特徴とする請求項10記載の可搬式振動スクリード。
【請求項14】
上記ブレードの横断面が少なくとも英語小文字のbに類似であることを特徴とする請求項13記載の可搬式振動スクリード。
【請求項15】
ブレードを作り、
このブレードに励振アセンブリを取り付け、
上記ブレードに上記励振アセンブリが所定の回転速度で駆動されたとき、上記ブレードの長さ方向に沿って振幅最小ノードの位置を定め、
上記ノードの1つの近傍で少なくとも1つのオペレータ用ハンドルと水準器を支持せしめる
ことを特徴とする可搬式振動スクリードの形成方法。
【請求項16】
上記支持工程が、上記ハンドルを上記ブレードに取り付け、上記水準器を上記ハンドルに取り付けることである請求項15記載の方法。
【請求項17】
上記ノードの他の1つの近傍において上記ブレードによって第2のハンドル及び第2の水準器を支持する工程を含むことを特徴とする請求項16記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2009−540168(P2009−540168A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515650(P2009−515650)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2007/071243
【国際公開番号】WO2007/147070
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(508366385)ワッカー ニューソン コーポレーション (2)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Neuson Corporation
【Fターム(参考)】