説明

水溶性薬物含有生体吸収性微粒子の製造方法

【課題】水溶性薬物である2価金属塩を生体吸収性微粒子中に効率よく分散させた新規な微粒子であって、薬物徐放性を有し水溶性薬物含有塞栓物質として使用可能な水溶性薬物含有生体吸収性微粒子を提供する。
【解決手段】溶解度パラメータ値9〜12を有する有機溶媒と、該有機溶媒と相溶性であるプロトン性溶媒とから成る混合溶媒に、水溶性薬物および生体吸収性高分子を溶解または分散させ、得られた溶解液または分散液を該混合溶媒とは非相溶性である貧溶媒中で粒子化させ、ついで液中乾燥法により製剤化する水溶性薬物含有生体吸収性微粒子の製造方法である。該プロトン性溶媒はメタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ぎ酸、酢酸およびプロピオン酸より選ばれる1種もしくは2種以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物徐放性を有する水溶性薬物含有微粒子の製造方法に関する。さらに詳しくは、薬物徐放性塞栓物質として使用可能な生体吸収性微粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マンガンは細胞に必須の微量金属であり、低濃度では細胞に有効に働くが、高濃度では細胞毒性があり、細胞を細胞死へと誘導することが知られている。近年、マンガンによる細胞死のメカニズムが明らかにされてきた。
【0003】
報告によれば高濃度の2価のマンガンイオン(以下、「マンガンイオン」という)は、小胞体ストレスシグナルに関係するカスパーゼ12を活性化し、活性化されたカスパーゼ12がカスパーゼ3を活性化することによって繊維芽細胞のアポトーシスを誘発する。具体的にはNIH3T3(繊維芽)細胞においてマンガンイオン500μMにて24時間処理すると小胞体由来のカスパーゼ12が活性化され、カスパーゼ3の活性が8倍に上昇した(非特許参考文献1参照)。
【0004】
同様のメカニズムによって引き起こされている可能性のある、マンガンイオンによる細胞死の報告が多数あり、以下のように例示される。
【0005】
HeLa(ヒト子宮頸がん)細胞において、マンガンイオン1mM、2mMにて24時間処理すると、カスパーゼ3の活性が非処理群の3倍以上に増加した(非特許参考文献2参照)。
【0006】
PC(褐色細胞種)細胞において、マンガンイオン100μMにて72時間処理すると、細胞の活性が非処理群の1/4にまで低下した。同様の実験で、マンガンイオン1mMでは、24時間で1/2まで、48時間で1/6まで細胞活性が低下した(非特許参考文献3、4参照)。
【0007】
ヒト乳がん細胞において、マンガンイオン500μMにて48時間処理すると細胞活性が25%以下になる。同様の実験で、マンガンイオン100μM以下では細胞活性に変化がない(非特許参考文献5参照)。
【0008】
また、マンガンイオンと同様の作用を示すほかの2価イオンとしては、銅イオン、亜鉛イオンなどが報告されており、以下のように例示される。
【0009】
HepG2(ヒト肝がん)細胞において、銅イオン170μMにて24時間処理すると細胞活性が80%にまで低下した。同様の実験で、亜鉛イオン170μMでは70%、銅イオン170μMと亜鉛イオン170μMを併用した系では10%以下にまで細胞活性が低下した。また、銅イオン1.5mMにて48時間処理すると25%にまで細胞活性が低下した(非特許参考文献6、7参照)。
【0010】
HL(ヒト白血病)細胞において、亜鉛イオン25〜200μMにて6時間処理しても細胞活性にあまり変化はないが、亜鉛イオノポア1μM存在下では亜鉛イオン50μM以上において細胞活性が20%以下まで低下した(非特許参考文献8参照)。
【0011】
C6グリオーマ細胞において、亜鉛イオン150μM以上で48時間処理するとDNAの断片化が生じた(非特許参考文献9参照)。
【0012】
HepG2細胞において、亜鉛イオン150μMで処理すると、24時間で細胞活性が25%まで、48時間ではほぼ0%にまで低下した(非特許参考文献10参照)。
【0013】
これらの報告により、マンガン以外に銅や亜鉛をはじめとする2価イオンも過剰に存在することによって細胞に毒性的に働くことが示唆される。
【0014】
また、マンガン以外に銅や亜鉛をはじめとする2価イオン、及びそのほかの2価金属イオンも、過剰に存在することによって細胞に毒性的に働くことが予想される。
【0015】
以上のことより、2価イオンは生体にとっては必要な微量元素であるが、過剰に存在することによって細胞に対して毒性的に働く。すなわち、2価の陽イオンは高濃度において制がん剤様の作用を示す物質である。そこで全体の投与量を少なくし局所濃度を高くすることで2価の陽イオンを局所制がん剤として作用させることが期待できる。また、全身に拡散してしまった2価の陽イオンは体液で希釈され低濃度となるため生体毒になることはない。
【0016】
ところで、一般に手術不能な悪性腫瘍や手術前の腫瘍の縮小などには動脈注入化学療法が良く用いられる。この療法にはリピオドールを用いる方法とリザーバーを用いる方法がある。前者にはリピオドールを制がん剤と混合したり、この療法を塞栓療法と併用したりする方法があるが、適用範囲が狭く、腫瘍多発例や門脈塞栓症例では適応がない。後者は、皮下に埋め込んだポートから目的の血管内へ制がん剤を流し込むことができるため、持続動脈注入療法として広く用いられているが、リザーバー留置の際の胃動脈群の塞栓術、カテーテルの血管内留置、ポートの皮下への埋め込み、留置リザーバーの除去等、患者に及ぼす侵襲が非常に大きい。
【0017】
従来、これらの問題を解決する観点からドラッグデリバリーシステム(以下「DDS」という)の開発への関心が非常に高まっている。これは、該存医薬品の薬効を最大限に高めると同時に副作用を最小限に抑えようとする薬の安全性と有効利用を目的とした社会的要望に応えるものである。
【0018】
このようなDDSの例として、有機溶媒と水との混合液に薬剤とポリ乳酸とを溶解させ、貧溶媒中にてエマルジョンを形成させ、製剤化することを特徴とする水溶性生理活性物質含有ポリ乳酸微小球に関するものが例示される(特許文献1参照)。
【0019】
しかし、特許文献1によると、水溶性生理活性物質を微粒子中に含有させるのに有効であるとしているが、水溶性生理活性物質が金属塩である場合、塩強度が強いことから水を併用しても溶解液が二層に分離して、均一な溶液とならず、粒子化が不可能である。
【特許文献1】特許第2670680号公報
【非特許文献1】J. Biol. Chem.,277(23),20135−20138,2002.
【非特許文献2】Proc.Natl.Acad.Sci. USA.,98(17),9505−9510,2001.
【非特許文献3】Neurotoxicology and Teratology, 24(2002),639−653.
【非特許文献4】Journal of Neuroscience Research,61,162−171,2000.
【非特許文献5】Archives of Biochemistry and Biophysics,365(2),317−327,1999.
【非特許文献6】Toxicology in Vitro,15,497−502,2001.
【非特許文献7】Journal of Clinical Investigation,84,1562−1568,1989.
【非特許文献8】Eur.J.Biochem.,269,6204−6211,2002.
【非特許文献9】Biometals,15,15−25,2002.
【非特許文献10】Biometals,16,295−309,2003.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、その目的は、水溶性薬物である2価金属塩を生体吸収性微粒子中に効率よく分散させた新規な微粒子であって、薬物法徐放性を有し水溶性薬物含有塞栓物質として使用可能な水溶性薬物含有生体吸収性微粒子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、溶解度パラメータ値9〜12を有する有機溶媒と、該有機溶媒と相溶性であるプロトン性溶媒とから成る混合溶媒に、水溶性薬物および生体吸収性高分子を溶解または分散させ、得られた溶解液または分散液を該混合溶媒とは非相溶性である貧溶媒中で粒子化させ、ついで液中乾燥法により製剤化する方法であって、該プロトン性溶媒がメタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ぎ酸、酢酸およびプロピオン酸より選ばれる1種もしくは2種以上であることを特徴とする水溶性薬物含有生体吸収性微粒子の製造方法である。
【0022】
本発明方法で用いる水溶性薬物とは、親水性が強い生理活性物質を指し、油水分配率の小さい薬物を好適なものとして挙げることができる。本発明では、生理活性を示す2価金属の塩または2価金属のイオンを例示することが出来る。
【0023】
生理活性を示す2価の金属イオンとしては、具体的には、マンガン、亜鉛、銅、コバルト、スズを例示することができる。このうち、マンガン、亜鉛、銅がより好ましく、マンガンが特に好ましい。これらは、単独または組み合わせて用いることができる。微粒子中に含まれる2価金属イオンの量は、微粒子1gあたり10〜200mgが好ましく、20〜150mgがより好ましく、20〜100mgが特に好ましい。少なすぎると薬物放出量が少なくなってしまい、多すぎると粒子中に含まれる水溶性薬物量が増え、水系溶媒に分散させた直後に微粒子が崩壊し、徐放性が失われる。
【0024】
本発明方法で用いる生体吸収性高分子としては、乳酸、グリコール酸、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、ジオキサノン等からなる単独または共重合された脂肪族ポリエステル、セルロース、キチン、キトサンなどの多糖類、ゼラチンなどのポリペプチドが挙げられる。これらは、単独または組み合わせて使用することができる。このうち脂肪族ポリエステル系が好ましい。さらには、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等のポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリジオキサノン等が好ましい。これら脂肪族ポリエステルは一般に融点60〜200℃、ガラス転移点−60〜100℃、重量平均分子量2千〜30万程度のものである。
【0025】
本発明の水溶性薬物含有生体吸収性微粒子は液中乾燥法によって得られる。液中乾燥法とは、壁材となる高分子を溶解させた溶媒中に芯となる溶液もしくは固体を分散させ、これをさらにその溶媒と混じらない溶媒に分散させ、その後、最初の溶媒を徐々に除去して高分子を芯物質の界面に析出させる方法である(近藤保他著、マイクロカプセル<その機能と応用>第1版、第10頁、1991年3月20日(財)日本規格協会発行参照)。
【0026】
本発明において、水溶性薬物及び生体吸収性高分子を溶解または分散する溶媒は、溶解度パラメータ値が9〜12の間より選ばれる有機溶媒と、該有機溶媒に溶解することのできるプロトン性溶媒とから成る混合溶媒である。
【0027】
前記溶解度パラメータは、下記式(1)で表される値δで定義される。式(1)において、ΔHおよびVは、それぞれ前記溶媒のモル蒸発熱およびモル体積である。
【0028】

δ=(ΔH/V)1/2 (1)

溶解度パラメータは種々の成書に記載されている。例えば、プラスチック加工技術便覧(プラスチック加工技術便覧編集委員会編、日刊工業新聞社、1969年刊工)や、高分子材料大百科(栗原福次著、日刊工業新聞社、1999年刊工)等を挙げることができる。溶解度パラメータが9〜12の範囲である有機溶媒としては、酢酸メチル、塩化メチレン、アセトン、セロソルブ、ジオキサン、ピリジン、アセトニトリル、アニリンを例示することができる。好ましくは、酢酸メチル、塩化メチレン、アセトン、アセトニトリルより選ばれる1種もしくは2種以上の混合液である。
【0029】
プロトン性溶媒とは、O−H基もしくはN−H基(酸素又は窒素に結合した水素)を有する溶媒であり、露出した非共有電子対を持つことを特徴としている(モリソンボイド有機化学(上)第5版、第298頁、1989年2月15日(株)東京化学同人発行参照)。水、アンモニア、アルコール、酢酸、ホルムアミド、N−メチルホルムアミドが含まれる。本発明方法に使用されるプロトン性溶媒は、好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ぎ酸、酢酸およびプロピオン酸より選ばれる1種もしくは2種以上の混合液であり、さらに好ましくは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノールおよびブタノールより選ばれる1種もしくは2種以上の混合液であり、このうち、エタノールが特に好ましい。
【0030】
本発明方法で用いる貧溶媒としては、水溶性薬物と生体吸収性高分子を溶解または分散する溶媒と実質的に相溶性がなく、製剤後の除去が容易なものが望ましい。シリコンオイル、流動パラフィン、綿実油、ゴマ油、ヒマシ油、コーン油等の植物油や油脂、または、トルエン、キシレン、ヘキサン等の有機溶媒が例示される。
【0031】
本発明の水溶性薬物を含有した生体吸収性微粒子の製造方法では、貧溶媒に乳化剤を添加すると製造が容易になる。乳化剤としてはO/O型、もしくはW/O型エマルジョンを形成するものであれば限定されるものではないが、例えばHLB3〜7の非イオン性界面活性剤が好適に用いられる。ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、レシチンが例示される。これら疎水性乳化剤の添加量は、通常、貧溶媒100重量部に対して0.1〜5部、好ましくは1〜3部である。乳化操作法はプロペラ型攪拌法、コロイドミル法、ホモジナイザー法、超音波照射法、マイクロフルイダイザー等の公知の分散法が適用できる。
【0032】
本発明の生体吸収性微粒子の粒子径は、1〜500μmが好ましく、1〜300μmがさらに好ましく、5〜200μmが特に好ましい。
【0033】
本発明の生体吸収性微粒子は、ケシ油、ゴマ油、コーン油などの通常注射剤に用いられる油類、鉄、フェライトなどの通常の金属、硫酸バリウムなどの金属の不溶性塩、ハイドロキシカルシウムアパタイト焼結体または三リン酸カルシウム焼結体のようなリン酸カルシウムの焼結微小粒体などのセラミックス、コレステロール、脂肪酸のグリセロールエステル、シリコンなどのワックス及び活性炭などと混和可能である。さらには通常の天然及び合成の高分子などを用い、そのまま固化またはホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドなどの架橋剤を用いて粒子を硬化するなどそれ自身公知の方法で調製したものとしても使用できる。
【0034】
体内の目的部位への微粒子の輸送は、例えばカテーテルチューブ、医療用細管誘導針、ポリマーコートされた医療用ワイヤー、拡張バルーン、ステント、インプラント等を用いて行うことができる。微粒子を輸送液に含ませる場合、微粒子の輸送液中の濃度は、3〜40重量%が好ましい。
【発明の効果】
【0035】
本発明により、効率的に多量の水溶性薬物を含有させることのできる水溶性薬物含有生体吸収性微粒子が容易に製造できる。つまり、生体吸収性高分子と水溶性薬物を溶解させる溶媒に、有機溶媒とそれに混和可能なプロトン性溶媒を混合使用することで、粒子内に水溶性薬物である金属塩を効率的に取り込ませることができる。
【0036】
本発明方法により得られた微粒子は、体内の目的部位での局所的な薬物の放出を行い、微粒子の塞栓効果により薬物の長期滞留が可能となり、少量で効果的な治療が可能になることが期待される。また、微粒子に生体吸収性高分子を使用することで、薬物徐放後、速やかに分解し、新たな塞栓物質が使用できるほか、治癒後には残留物質がなくなることが期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的かつ詳細に説明するが、これらの実施例及び比較例は本発明の一態様にすぎず、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0038】
実施例1
アセトニトリル2mlとエタノール2mlの混合溶媒に、乳酸−グリコール酸共重合体(50:50、重量平均分子量15000、和光純薬社製)0.5gと塩化マンガン(和光純薬特級)0.1gを溶解させた。得られた溶液を、乳化剤「スパン80」(ソルビタンモノオレエート 和光純薬社製)1gを分散させた綿実油100gに加え、粒子化させた。この混合液を室温にて混合溶媒が蒸発により除去されるまで2時間攪拌した。その後、n−ヘキサン800mlに加え、室温にて攪拌を行い、粒子を濾別することで乳化剤と綿実油を除去した。この濾過物をさらにn−ヘキサンで洗浄し、乾燥させ、白色微粒子を得た。誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)にてマンガンの含有量を測定したところ、63mg/gであった。
【0039】
実施例2
エタノール2mlの代わりに、イソプロパノール2mlを使用した以外は実施例1と同様に操作を行った。得られた白色微粒子についてICP−AESにてマンガンの含有量を測定したところ、48mg/gであった。
【0040】
比較例1
アセトニトリル2mlとエタノール2mlの代わりに、アセトニトリル3.5mlと水0.5mlを使用し、乳酸−グリコール酸共重合体と塩化マンガンを混合溶媒に溶解させたところ、液が2層に分離し、粒子化が不可能であった。
【0041】
比較例2
アセトニトリル2mlとエタノール2mlの代わりに、塩化メチレン4mlを使用し、乳鉢にて細かく砕いた塩化マンガンをアセトニトリル中に分散させた以外は実施例1と同様に操作を行った。得られた白色微粒子についてICP−AESにてマンガンの含有量を測定したところ、0.1mg/gであった。
【0042】
実施例及び比較例で用いた物質の組成を表1にまとめて示す。
【表1】







【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶解度パラメータ値9〜12を有する有機溶媒と、該有機溶媒と相溶性であるプロトン性溶媒とから成る混合溶媒に、水溶性薬物および生体吸収性高分子を溶解または分散させ、得られた溶解液または分散液を該混合溶媒とは非相溶性である貧溶媒中で粒子化させ、ついで液中乾燥法により製剤化する方法であって、該プロトン性溶媒がメタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ぎ酸、酢酸およびプロピオン酸より選ばれる1種もしくは2種以上であることを特徴とする水溶性薬物含有生体吸収性微粒子の製造方法。
【請求項2】
水溶性薬物が2価の金属イオンより成る塩であることを特徴とする請求項1に記載の水溶性薬物含有生体吸収性微粒子の製造方法。
【請求項3】
プロトン性溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、ブタノールおよびエチレングリコールより選ばれる1種もしくは2種以上の混合液であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水溶性薬物含有生体吸収性微粒子の製造方法。
【請求項4】
生体吸収性高分子が、乳酸、グリコール酸、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンおよびジオキサノンもしくはその誘導体より選ばれる単量体より合成される単独重合体もしくは該単量体と他の共重合性単量体との共重合体、多糖類およびポリペプチドより選ばれる1種もしくは2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の水溶性薬物含有生体吸収性微粒子の製造方法。

【公開番号】特開2006−206478(P2006−206478A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−19502(P2005−19502)
【出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成16年度独立行政法人 医薬品医療機器総合研究機構基礎研究推進事業、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(596006879)株式会社メディコスヒラタ (4)
【Fターム(参考)】