説明

水溶液系における水性シリカのスケールの生成及び堆積の阻害方法

水系の水に1つ以上の以下の式の水溶性ポリマーの有効阻害量を加えることを含む、水系におけるシリカ及びケイ酸塩化合物の生成及び堆積を阻害する方法:


(式中、Mが重合可能な炭素−炭素二重結合を含む1つ以上のモノマーの重合後に得られる反復単位であり;rが0〜約5モル%であり;sが100〜約95モル%であり;RがH又はC〜Cアルキル基であり;Rが−(CH−CHR−O)−の式の基であり;RがH又はCHであるか、若しくはそれらの混合物であり;nが2〜約25である)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的にシリカのスケール阻害剤に関する。より具体的には、本発明は、水系中のシリカ及びケイ酸塩化合物の生成及び堆積を、ポリオキシアルキレン基を含む水溶性ポリマーにより阻害する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
世界の多くの地域において、工業用水が高濃度のシリカを含む場合、非晶質シリカのスケールは重大な付着物問題を引き起こしている。大部分について、高濃度のシリカとは、工業用水が少なくとも5ppmから約500ppmの溶解したシリカを含み、また、それ以上の多量のシリカを溶解形態、分散形態、又はコロイド形態のいずれかの形態で含み得ることを意味する。
【0003】
シリカの溶解性は、冷却、ボイラー、地熱、逆浸透及び製紙などの工業的用途における水の効果的利用を不利に制限する。無機化合物が処理の間に濃縮される場合、約150ppmのシリカの溶解度が超えるため、特に水処理操作が制限される。このことは、非晶質シリカ及びケイ酸塩の沈殿及び堆積、と共にその結果として起こる装置の効率損失を引き起こす。更に、シリカの、ボイラー、冷却、精製システムなどの水処理装置の内表面への累積は、熱伝達並びに熱交換管及び膜を通した流体の流れを減少させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,532,047号
【特許文献2】米国特許第5,658,465号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水処理装置にシリカのスケールが一旦形成されると、かかるスケールの除去は非常に困難かつ高コストとなる。高濃度のシリカ水を用いる場合には、したがって、冷却及び逆浸透システムは、シリカの溶解性が超えないことを確実とするために、一般的に低い水利用効率で稼動される。しかしながら、かかる条件下では、逆浸透システムはその純水回収率を制限せざるを得ず、また、冷却システムは水の再利用を制限せざるを得ない。両方の場合、排水量は大きい。
【0006】
長年にわたり、シリカの堆積を阻害するためにさまざまな添加物が用いられている。工業的冷却システムにおいてシリカのスケールを制御する最近の技術は、コロイド状シリカ分散剤、又はシリカ重合阻害剤のいずれかの使用を含んでいる。分散剤技術は、ほとんど活性を示さず、冷却塔中で合計シリカのほんのわずかな増加を安定化させることができる。例えば、分散剤を加えることで、シリカ濃度は150〜200ppmから180〜220ppmに増加するが、この増加はシリカのサイクルにおいてはしばしば検出されない増加である。
【0007】
一方、シリカ重合阻害剤はシリカのスケール堆積に対してより効果的であることを示している。例えば、Dubinに与えられた米国特許第4,532,047号は工業用水と接触する表面での非晶質シリカのスケール生成の阻害のために水溶性低分子量多極性(polypolar)有機化合物を使用することに関する。同様に、Nicholasらに与えられた米国特許第5,658,465号は、シリカのスケール阻害技術としてポリオキサゾリンを用いることに関する。これらの重合阻害剤は、スケールを生成させることなく可溶性シリカの量を300ppm以上に増加させている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は水系におけるシリカ及びケイ酸塩化合物の生成及び堆積を阻害する改善された方法を提供する。本発明者は、ポリ(アルキレンオキシド)基を含む特定の水溶性ポリマーが水系での可溶性シリカ重合及びスケール堆積の効果的阻害剤であることを見出した。
【0009】
したがって、実施形態において、本発明は、水系の水に1つ以上の下式の水溶性ポリマーを有効阻害量加えることを含む水系におけるシリカ及びケイ酸塩化合物生成及び堆積の阻害方法である。
【0010】
【化1】

【0011】
式中、Mは重合可能な炭素−炭素二重結合を含む1つ以上のモノマーの重合後に得られる反復単位であり;rは0〜約5モル%であり;sは100〜約95モル%であり;RはH又はC〜Cアルキル基であり;Rは−(CH−CHR−O)−の式の基であり;RはH若しくはCHであるか、又はそれらの混合物であり;nは2〜約25である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明における使用に適したポリマーは式(I)で表される1つ以上のモノマーの重合により調製される。
【0013】
【化2】

【0014】
式中、R及びRは本明細書において定義されたものであり、随意に最大5モル%の重合可能な炭素−炭素二重結合を有する1つ以上のモノマーであってよい。この重合は溶液、エマルション、ミセル又は分散重合技術に従って進行し得る。過硫酸塩、過酸化物、及びアゾ型開始剤などの従来の重合開始剤を重合に用いることができ、また重合は照射又は紫外機構によっても開始させ得る。アルコール、好適にはイソプロパノール若しくはアリルアルコール、アミン又はメルカプト化合物などの連鎖移動剤をこのポリマーの分子量の制御に用い得る。メチレンビスアクリルアミド又はポリエチレングリコールジアクリレートなどの分枝剤、及び他の多官能性架橋剤を加えてもよい。生成するポリマーは、沈殿又は他の周知技術により分離し得る。もし重合が水溶液中で行われるならば、このポリマーは簡単に水溶液形態で用いることができる。
【0015】
式(I)のモノマーは(メタ)アクリレートエステルのアルコキシ化により調製できる。これらの化合物は、例えば、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee)のAldrich社から商業的に購入することも可能である。
【0016】
代替的に、このポリマーは、ポリ(メタ)アクリル酸及びその塩を、ピリジン又はNaOHなどの触媒と共に、アルキレンオキシドと処理することによりポリマー性エステルを生成させ、斯かるポリマー性エステルにおける2−ヒドロキシアルキルエステル部位が更にアルキレン基と反応する部位を持つため、ポリ(メタ)アクリル酸の骨格にポリオキシエチレン側鎖を持つグラフト重合体が生成される。米国特許第4,435,556号及びその中に引用される参考文献を参照されたい。
【0017】
一の実施形態では、このポリマーは約20000〜約80000の平均分子量を有する。他の実施形態では、このポリマーは約5000〜約50000又は約10000〜30000の平均分子量を有する。一の実施形態では、重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーは、(メタ)アクリル酸及びその塩、(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びその塩、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、イソプロペニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、ビニリデンジホスホン酸、及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩から選ばれる。
【0018】
一の実施形態では、このポリマーは下式の構造を有する。
【0019】
【化3】

【0020】
式中、rは0〜約5モル%であり;sは100〜約95モル%であり;R及びRはそれぞれ独立してH又はC〜Cアルキル基であり;Rは−(CH−CHR−O)−の式の基であり;RはH若しくはCHであるか、又はそれらの混合物であり;MはH又は水溶性カチオンであり;nは2〜約25である。
【0021】
一の実施形態では、RはHである。一の実施形態では、rは0であり、sは100モル%である。一の実施形態では、rは約2モル%であり、sは約98モル%である。一の実施形態では、RはCHであり、RはHである。
【0022】
本発明は水系でのシリカ及びケイ酸塩化合物の生成及び堆積を阻害する方法を提供する。この方法は、水系の水に本発明のポリマーを有効阻害量加えることを含む。
【0023】
このポリマーが利用されることのできる厳密な有効用量は、処理される水の組成に依存して変化する。例えば、冷却水処理のための有効用量は通常約0.5〜約500ppmの範囲である。代替的な実施形態では、約1〜約100ppm又は約5〜約60ppmの用量範囲を用い得る。製紙工場の水処理のための一般的な用量は、約10000〜約100000ppmの範囲であってもよい。これらの用量は水処理用添加物において一般的である。
【0024】
このポリマーは処理される水系に間歇的又は継続的に水溶液として直接的に添加され得る。
【0025】
本発明のポリマーによる処理を要する工業用水は、一般的にシリカを溶解形態、懸濁形態、又はコロイド状形態で含む水である。シリカは、溶解形態、ケイ酸種(silicic species)、ケイ酸塩又はそれらの複合体イオンとして存在でき、また、コロイド状シリカ又は懸濁されたシリカとしても存在できる。これらの工業用水中の合計のシリカ濃度は通常は低い。合計濃度が約120〜150ppmを超えたときに、次に非晶質シリカのスケールの生成が問題となる。しかしながら、水の中にCa、Mg、Zn、Al、Seなどの通常の陽イオンが共存すると、はるかに低い濃度のシリカがスケーリング/堆積問題を引き起こし得る。明らかに、これらの水の源で合計シリカがより高濃度であるほど、非晶質シリカのスケール生成により生起される問題はより困難なものとなる。
【0026】
この工業用水は冷却水、地熱用水、脱塩目的のための塩水、ボイラー処理及びスチーム発生のために調製される工業用水、油井用の原油回収水、パルプ及び製紙用水、採鉱及び鉱石処理用水などであり得る。これらの工業用水と接触する表面での非晶質シリカのスケール生成の問題は、この工業用水がアルカリ性で、少なくとも5.0以上のpHを有し、及び少なくとも5ppmの合計シリカをSiOとして含む場合に特に注目される。本発明のポリマーの効果的使用は、好適には少なくとも5.0以上のpHで、室温〜500°F(華氏)を超える温度範囲においてである。しかしながら、水処理分野の当業者は、本発明のポリマーが5.0未満のpHを有する水においても有効であるはずであることを認識するであろう。
【0027】
貫流式か、さもなければとりわけ再循環冷却水システムの冷却水で特に重要なことは、冷却水として用いられるアルカリ性工業用水の処理である。これらのアルカリ性冷却水が十分な量の合計シリカを含む場合、これらの冷却水と接触する表面での非晶質シリカのスケール生成の問題は拡大される。アルカリ度が増大するにつれて、非晶質シリカのスケール生成の問題も増大する。したがって、本発明において用いられるポリマーの有効性も8.0を超えるpHにおいて実証されなければならない。
【0028】
最後に、本発明のポリマーは他の水処理剤と組み合わせることができる。例えば、このポリマーは、腐食を防止するために用いられる処理、及び他の種類のスケール生成を分散させるか又は防止するために用いられる処理などの水処理に用いることができる。
【0029】
代表的なスケール阻害剤としては、限定はされないが、無機及び有機ポリホスフェート、ホスホネート、及びポリカルボキシレートが挙げられる。これらの阻害剤は炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、フッ化カルシウム、硫酸バリウム、シュウ酸カルシウムなどの他のスケールを阻害又は分散させることを助ける。これらのスケール生成の阻害は、ポリマーがシリカ/ケイ酸塩堆積阻害の全潜在能力に達することを助ける。
【0030】
無機ポリリン酸塩は、下式に示されるリン酸無水結合により連結されたリン酸塩部分により構成される化合物を含む。
【0031】
【化4】

【0032】
式中、nは2〜20である。
【0033】
有機ポリリン酸エステル(ポリマー性有機ポリリン酸エステル)は下式に示されるポリリン酸のエステルを含む。
【0034】
【化5】

【0035】
式中、Rは置換又は無置換のアルキル基又はアリール基であり、nは2〜20である。代表的無機及び有機ポリホスフェートとしては、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、アニオン性シリコンリン酸エステル、リン酸アルキルエステルなどが挙げられる。
【0036】
ホスホネートは、以下の構造部分を含む化合物を含む。
【0037】
【化6】

【0038】
式中、RはH又は置換若しくは無置換のアルキル基若しくはアリール基である。代表的ホスホネートとしては、HEDP(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及びその塩)、AMP(アミノトリ(メチレンホスホン酸)及びその塩)、PAPEMP(ポリアミノポリエーテルメチレンホスホン酸及びその塩)などを含む商業的に入手可能なものが挙げられる。
【0039】
ポリカルボキシレートは、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、α−ハロアクリル酸、マレイン酸又はその無水物、ビニル酢酸、アリル酢酸、フマル酸、及びβ−カルボキシエチルアクリレートなどのカルボン酸官能基又はその塩を含むモノマーのポリマー化合物から成る。代表的ポリカルボキシレートとしては、低分子量の商業的に入手可能な水溶性ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、アクリル酸−AMPコポリマーなどが挙げられる。
【0040】
ポリホスフェート、ホスホネート及びポリカルボキシレート並びにそれらのスケール阻害のための使用は当技術分野では周知である。例えば、米国特許第4,874,527号、第4,933,090号及び第5,078,879号を参照されたい。
【0041】
上記の記載は、以下の実施例を参照することにより、より良く理解できるが、これらは説明の目的で提示され、本発明の範囲を制限することは意図されていない。
【実施例】
【0042】
(実施例1)ビーカー試験
ビーカー試験はSiOとして300ppmの開始濃度を生成するメタケイ酸塩ナトリウムの溶液を調製して行われた。各ビーカーはメタケイ酸ナトリウム溶液に加えて0〜100ppmの範囲に亘るさまざまな量の本発明の阻害剤を含んでいる。各ビーカーのpHは7.5に調整される。サンプルは磁気撹拌器を用いて撹拌され、室温に放置される。時間ごとに一定量を抜き取り、及びモリブデン酸アンモニウムを用いてSiOを分光光度法により滴定する。その結果を表1に示す。
【0043】
【表1】

【0044】
別の1組のビーカー試験では、塩化カルシウム(CaCOとして990ppm)及び硫酸マグネシウム(CaCOとして340ppm)がメタケイ酸ナトリウムに加えて添加される。シリカの開始濃度はCaCOとして250ppm、である。各ビーカーのpHは7.4に調整される。その結果を表2に示す。
【0045】
【表2】

【0046】
別の1組のビーカー試験では、塩化カルシウム(CaCOとして500ppm)及び硫酸マグネシウム(CaCOとして250ppm)がメタケイ酸ナトリウムに加えて添加される。シリカの開始濃度はCaCOとして250ppmである。各ビーカーのpHは7.4に調整される。その結果を表3に示す。
【0047】
【表3】

【0048】
表1〜3のデータは溶解性シリカの量が、時間、Ca/Mg硬度及び阻害剤の用量の関数であることを示す。表1では、水にCa/Mg硬度がないため、阻害剤は水中により高い濃度の溶解性シリカを保持することができる。表2及び3のデータで硬度の効果を比較する。硬度が高いほど、溶解性シリカの濃度は低くなる(より高い硬度での190ppmに対して、より低い硬度での220ppm)。同様に、表3のデータは、より高い用量の阻害剤の効果に対して、より低い容量の阻害剤の効果を示す。
【0049】
(実施例2)
パイロット冷却塔試験
模擬の冷却塔試験が、シリカ阻害剤の効率を評価するために用いられた。塔の補給水の科学的組成は以下のとおりである。
84.9gのCaCl・2HO/250ガロン補給水;
147.3gのMgSO・7HO/250ガロン補給水;
233.8gのNaSiO・5HO/250ガロン補給水;及び
56mLの濃HSO/100ガロン補給水。
【0050】
この水はシリカ沈殿が明白になるまで循環される。循環される水のpHは7.8に制御され、及び炭酸カルシウム沈殿はホスホネートのスケール阻害剤で制御される。本発明のシリカ阻害剤の用量は30ppmに維持される。
【0051】
シリカ阻害剤を含まない参照試験は、明白なシリカ沈殿の前は比較的低濃度のシリカ及び硬度を示す。この試験ではシリカ阻害剤は含まないが、シリカ阻害剤を含む試験のものと同様の炭酸カルシウムホスホネート阻害剤を含む。溶解性及びコロイド状の両方の溶液中に保持し得るシリカの量は、水の合計硬度に依存する。本発明の阻害剤は、無処理のものに比較して、シリカの量に加えて、更に硬度の量を増大することを助ける。その結果は表4に示される。
【0052】
【表4】

【0053】
本明細書に記載された現在好適な実施形態のさまざまな変更及び修正が当業者にとっては明白であることを理解されたい。かかる変更及び修正は本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、また、付随する利益を損なうことなく行われることができる。したがって、かかる変更及び修正は、添付された特許請求の範囲に含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水系の水に、有効阻害量の1つ以上の下記式で表される水溶性ポリマーを加えることを含む、水系におけるシリカ及びケイ酸塩化合物の生成及び堆積を阻害する方法:
【化1】

(式中、Mが重合可能な炭素−炭素二重結合を含む1つ以上のモノマーの重合後に得られる反復単位であり;rが0〜約5モル%であり;sが100〜約95モル%であり;RがH又はC〜Cアルキル基であり;Rが−(CH−CHR−O)−の式の基であり;RがH若しくはCHであるか、又はそれらの混合物であり;nが2〜約25である。)。
【請求項2】
前記ポリマーは、重量平均分子量が約20000〜約80000であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記重合可能な炭素−炭素二重結合を含むモノマーは、(メタ)アクリル酸及びその塩、(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びその塩、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、イソプロペニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、ビニリデンジホスホン酸、並びに2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩からなる群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリマーは、重量平均分子量が約5000〜約50000であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリマーが、下記式で表される単位を有することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【化2】

(式中、rは0〜約5モル%であり;sは100〜約95モル%であり;R及びRはそれぞれ独立してH又はC〜Cアルキル基であり;Rは−(CH−CHR−O)−の式の基であり;RはH若しくはCHであるか、又はそれらの混合物であり;MはH又は水溶性カチオンであり;nは2〜約25である。)
【請求項6】
前記ポリマーは、重量平均分子量が約10000〜約30000であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
がHであることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
rが0モル%であり、sが100モル%であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
がCHであることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
rが約2モル%であり、sが約98モル%であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
がCHであり、RがHであることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記水系は、冷却水系、地熱用水系、脱塩目的のための塩水系、ボイラー用水系、油井用の原油回収水系、パルプ及び製紙用水系、並びに採鉱及び鉱石処理用水系から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記水系が、冷却水系であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
一以上の腐食防止剤、スケール阻害剤、又は分散剤を前記水系に添加することをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記スケール阻害剤又は分散剤は、無機及び有機ポリホスフェート、ホスホネート、及びポリカルボキシレートから選択されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。

【公表番号】特表2011−524248(P2011−524248A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512552(P2011−512552)
【出願日】平成21年5月30日(2009.5.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/045757
【国際公開番号】WO2009/148978
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(507248837)ナルコ カンパニー (91)
【Fターム(参考)】