説明

水素化処理触媒、その製造方法、およびその使用

本発明は、耐火性酸化物を基材とする担体、VIII族金属およびVIB族金属を含んでなる、炭化水素の水素化処理触媒に関する。該触媒は、式(I):
【化1】


(式中、Rが、C〜C10、好ましくはC〜Cアルケニレン基、C〜C18アリーレン基またはC〜C18アルキレン−アリーレン基を表し、各Rが、独立して、水素原子またはC〜C18アルキル基、C〜C18アルケニル基、C〜C18アリール基、C〜Cシクロアルキル基、またはC〜C20アルキルアリールまたはアリールアルキル基を表すか、または2個のR基が一緒に2価のC〜C18基を形成し、R基の炭素鎖が、S、NおよびOから選択された少なくとも一個の異原子を含むまたは有することができる)のアルケンジオールから選択された少なくとも一種の有機化合物も含んでなることを特徴とする。本発明は、そのような触媒の製造方法、および該触媒の水素化処理または水素化転化への使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、水素化処理触媒、その製造方法およびこの触媒の、炭化水素、特に沸点範囲が40〜560℃である石油留分に由来する炭化水素、の水素化処理および/または水素化分解方法における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、脱硫化、脱窒素化、および脱芳香族化された炭化水素化合物に対する需要が増加しており、製造業者は、炭化水素の精製効果がさらに高い触媒の開発を進めている。しかし、これらの新規な触媒は、非常に高価であり、入手できる製造業者の数も限られている。さらに、これらの触媒は、最初の再生から、同じ操作条件下で、新しい状態における初期活性よりはるかに低い活性を示すことが多い。特殊な回復処理を加えることにより、初期活性に近い活性を回復し、その触媒をさらなる深水素化脱硫サイクルに再使用し、硫黄含有量が10ppm未満の留分を製造できることがある。市場では、幾つかの回復処理が提案されている。これらの処理は、一般的に特殊な条件下での再生工程、および化学的および熱的処理を組み合わせ、触媒の、他の場所における(ex situ)硫黄化と関連させることができる。
【0003】
耐火性酸化物から形成された担体を基材とし、VIBおよびVIII族金属の組合せを含む多くの「従来型」触媒が、今日、精油所で、新しい、または再生された状態で、水素化処理または水素化分解に使用されている。これらの触媒の脱硫および/または脱窒素活性を大きく増加できないことが分かった場合、これらの触媒は、燃料に関して決められた規格がもはや適用できないとなった時点で、回復させるか、貯蔵するか、または分解する必要がある。この固体の貯蔵または廃棄も、環境および安全性の制限に抵触することがあり、精油所に重大なコスト増加を強いることがある。
【0004】
そのため、本出願人は、第一に、耐火性酸化物およびVIBおよびVIII族金属を基材とする公知の触媒をより効果的にし、それらの触媒に、市販されている最も優れた触媒の活性と少なくとも同等の脱硫および脱窒素活性を付与し、第二に、循環使用サイクルの数を増加し、それらの触媒を廃棄および分解する時点を遅くするために、再生された水素化処理触媒の活性を改良しようと鋭意努力してきた。
【0005】
酸化物状態にある金属を含むすべての水素化処理または水素化分解触媒は、活性化するために、使用の前に硫化しなければならない。この硫化は、精油所の水素化処理反応器中で、その場で、または他の場所で行うことができる。硫化は、硫化水素、メルカプタン、有機スルフィド、ポリスルフィドおよび/または元素状硫黄を使用して行うことができ、これらの化合物は、単独で、溶剤との混合物として、または原料と同時に導入される。
【0006】
この硫化工程の前に、これらの触媒の一部を、キレート化または錯体形成する有機化合物で処理することにより、前変性する。
【0007】
硫化および前変性は、その場で、すなわち水素化処理/水素化転化反応器中で、または他の場所で、すなわち専用の反応器中で行うことができる。他の場所における前変性を、水素化処理/水素化転化反応器中での、その場における硫化と組み合わせることも考えられる。
【0008】
使用できるキレート化または錯体形成有機化合物の範囲はかなり広い。従って、下記の出願、すなわちEP289211号、EP300629号、EP338788号、EP357295号、EP456592号、EP478365号およびEP506206号、に提案されているように、これらの触媒を、チオグリコール型の酸、または他の、チオアルコール、チオアセトン化合物およびチオジアゾール、またはチオシアネートを使用して変性することが公知である。他の触媒は、アルコール−酸有機化合物(EP482817号)、所望によりエーテル化されたモノ−、ジ−またはポリアルコール(EP601722号、US3954673号、US4012340号、WO01/76741号)、尿素型の化合物、ポリアミン、EDTA、ヒドラジンおよび他の窒素化合物(EP181035号、EP335754号、EP1043069号、WO01/76741号、US3954673号およびUS4012340号)で処理することにより変性されている。C〜C14モノエステルで変性された触媒は、特許出願EP466538号およびEP104624号に記載されている。
【0009】
これらの化合物は全て、水素化処理、より詳しくは、水素化脱硫、における触媒の効率を改良することを目的としている。しかし、これらの変性が、精油業者にとって益々厳しくなる燃料中の硫黄含有量に関する規格に適合するために、触媒の性能レベルを十分に高めることが常にできる訳ではない。例えば、ヨーロッパ議会および会議の指針によれば、欧州共同体各国は、硫黄の含有量が2005年からは50ppm未満、2008〜2011年には10ppm未満のディーゼル燃料を製造しなければならないのに対し、2004年の標準は350ppmである。同様に、北米の国は全て、ディーゼルの硫黄含有量を2006年から500ppmから15ppmにしなければならない。特定の国、例えば独国、は、ヨーロッパ規則に先行しており、ディーゼルを10ppm未満で販売することをすでに義務付けている。同様の規制が石油および他の燃料にもすでに適用されている。この規格における変化は精油所による製造を規制しており、精油業者は、これらの規制に、水素化処理または水素化分解装置に法外に経費のかかる投資を行うことにより、および/または、それよりはるかに経済的に、現在の触媒の脱硫性能レベルを改良することにより、および触媒の最高性能レベルで何度も循環使用する可能性により、これらの規制に従わなければならない。
【発明の具体的説明】
【0010】
この目的のために、本出願人は、耐火性酸化物および元素の周期律表のVIBおよびVIII族金属を基材とし、硫化の後、脱硫および脱窒素における活性が大幅に改良される、新規な型の水素化処理触媒を設計した。
【0011】
そこで、本発明の課題は、少なくとも一種の耐火性酸化物を基材とする担体、少なくとも一種の元素周期律表のVIII族金属および少なくとも一種の元素周期律表のVIB族金属を含んでなる、炭化水素の水素化処理触媒であって、水素化処理触媒が式(I):
【化1】

(式中、Rが、C〜C10、好ましくはC〜Cアルケニレン基、C〜C18アリーレン基またはC〜C18アルキレン−アリーレン基を表し、各Rが、独立して、水素原子またはC〜C18アルキル、C〜C18アルケニル、C〜C18アリール、C〜Cシクロアルキル、C〜C20アルキルアリールまたはC〜C20アリールアルキル基を表すか、または2個のR基が一緒にC〜C182価基を形成し、R基の炭素鎖が、S、NおよびOから選択された一個以上の異原子を含むまたは有することができる)
のアルケンジオールから選択された少なくとも一種の有機化合物も含んでなることを特徴とする、水素化処理触媒である。
【0012】
事実、本出願人は、触媒上に少なくとも一種の式(I)の有機化合物が存在することにより、公知の条件下における硫化により活性化した後、脱硫および脱窒素における触媒の有効性が著しく増加することを確認した。これらの新規な炭化水素を水素化処理するための触媒を使用することにより、他の操作条件(圧力、水素の量および毎時容積速度(VVH))は全て同等として、予備変性を行っていない同等の触媒と比較して、特定の残留硫黄含有量に対して、脱硫反応温度を約5〜25℃下げることができる。そのような活性増加により、操作条件を変えることにより、50ppmよりはるかに低い、さらには10ppmより低い、処理炭化水素中の残留硫黄含有量を達成することができる。装置がすでに低硫黄石油留分を製造できる場合、この活性増加により、所望の硫黄含有量を得るための反応器の温度を下げ、装置をさらに数ヶ月間稼働可能に維持することができる。
【0013】
式(I)の好ましい化合物の例としては、2,3−ジヒドロキシ−2−ブテンジオン酸(dioic acid)、4−シクロペンテン−1,3−ジオール、3−ヘキセン−2,5−ジオール、ピロカテコール、1,2−ベンゼンジメタノール、2,3−ジヒドロキシナフトキノン、2,3−ブテン−1,4−ジオール、テトラヒドロキシキノン、3,4−ジヒドロキシベンゾニトリルおよび2,3−ジヒドロキシベンズアルデヒドが挙げられる。
【0014】
本発明の好ましい実施態様では、式(I)の化合物は2,3−ブテン−1,4−ジオールである。
【0015】
好ましくは、基本触媒は、アルミナ、シリカまたはシリカ−アルミナ型の耐火性酸化物担体からなり、少なくとも一種のVIII族金属、好ましくはニッケルおよび/またはコバルト、0.1〜10重量%、および少なくとも一種のVIB族金属、好ましくはモリブデン、1〜20重量%を含む触媒である。
【0016】
触媒は、製造業者から直接供給された新しい、すなわち未再生の触媒でもよいが、適切な化学的または熱的処理により、例えばか焼により、再生された触媒が関与している場合、本発明により一種以上の式(I)の化合物で前処理することも有利である。
【0017】
それにも関わらず、特殊な製造方法のために、ある種の新しい触媒は、多かれ少なかれ推奨される処理を行い難い場合がある。同様に、同じ理由から、または装置中で経験した特殊な操作条件の後、再生された触媒は、多かれ少なかれ、これらの処理を行い難い場合がある。
【0018】
本発明の触媒は、VIBおよびVIII族の金属1モルあたり、好ましくは少なくとも0.001モルの、特に0.001モル〜10モルの、好ましくは0.01〜6モルの、さらに好ましくは0.1〜3モルの、式(I)の有機化合物を含む。
【0019】
上記の変性された水素化処理触媒の製造方法も本発明の課題である。この変性方法は、少なくとも一種の耐火性酸化物を基材とする担体、少なくとも一種の、酸化物状態にあるVIII族金属および少なくとも一種の、酸化物状態にあるVIB族金属を含んでなる触媒を、式(I)で表され、
【化2】

式中、
が、C〜C10、好ましくはC〜Cアルケニレン基、C〜C18アリーレン基またはC〜C18アルキレン−アリーレン基を表し、各Rが、独立して、水素原子またはC〜C18アルキル、C〜C18アルケニル、C〜C18アリール、C〜Cシクロアルキル、C〜C20アルキルアリールまたはC〜C20アリールアルキル基を表すか、または2個のR基が一緒にC〜C182価基を形成し、R基の炭素鎖が、S、NおよびOから選択された一個以上の異原子を含むか、または支持することができる、
アルケンジオールから選択された少なくとも一種の有機化合物と接触させることを含んでなる。
【0020】
本発明では、接触させるとは、一般的に、好ましくは含浸させることである。
【0021】
式(I)の化合物が含浸温度で液体である場合、触媒との接触は、溶剤の非存在下で行うことができる。未変性触媒と式(I)の有機化合物の接触は、好ましくは触媒を、有機化合物を含む溶液と接触させることにより行う。溶液の体積は、触媒の細孔容積より少なくても、それと等しくても、あるいはそれより大きくてもよい。触媒の細孔容積以下の溶液量を使用する方法は、「乾式含浸」と呼ばれることがある。溶液の体積が触媒の細孔容積より大きい場合、過剰の溶液は、式(I)の有機化合物が触媒上に吸着された後、排除される。
【0022】
触媒は、式(I)または(II)の化合物と、少なくとも一種の溶剤の存在下で接触させることができる。
【0023】
接触が溶剤の存在下で行われる場合、式(I)の化合物は、使用する溶剤中に少なくとも部分的に可溶であるのが好ましい。本方法の実施では、溶剤の選択が特に重要である。溶剤は、様々な基準、例えば溶剤の式(I)の化合物に対する溶剤容量、溶剤の式(I)の化合物に対する分散効果、溶剤の触媒の表面に対する湿潤効果、および経済的に妥当な条件下での市場における入手可能性、に基づいて選択する。
【0024】
本発明で使用するのが有利な溶剤としては、水、超臨界流体、例えば二酸化炭素、芳香族、脂肪族または脂環式溶剤、石油留分、モノ−またはポリヒドロキシル化された溶剤、例えばエタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)、グリセロール、アルキルエステル、例えば酢酸エチル、ケトン、例えばアセトンまたはメチルエチルケトン、N−メチルピロリドン、アミド官能基を含む溶剤、例えばジメチルアセトアミド、ニトリル官能基を含む溶剤、例えばアセトニトリル、アルキルカーボネート、例えばエチルカーボネート、エーテル、例えばテトラヒドロフラン、硫黄含有溶剤、例えばジメチルスルホキシドおよびスルホラン、酸、例えば酢酸、およびハロゲン化された溶剤、またはこれらの溶剤の幾つかの混合物が挙げられる。
【0025】
これらの溶剤の中で、水、トルエン、キシレン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、エタノール、tert−ブタノール、最も一般的には分子量が118(トリエチレングリコール)〜1000のポリエチレングリコール(PEG)、ホワイトスピリットおよび石油エーテルが特に好ましい。
【0026】
式(I)の有機化合物は、所望により、一般的にカルボン酸、ヒドロカルボン酸およびポリ酸(例えばギ酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、グリセリン酸、グルコン酸、メトキシ酢酸、エトキシ酢酸、マロン酸、L−(+)−アスコルビン酸、サリチル酸、シュウ酸、オルトフタル酸、コハク酸、グリオキシル酸、等)、チオカルボン酸(例えばチオ安息香酸、メルカプト酢酸、1−および2−メルカプトプロピオン酸、2,3−ジメルカプトコハク酸、メルカプトコハク酸、チオ酢酸、チオグリコール酸、チオジグリコール酸、ジチオジグリコール酸、等)、アミノカルボン酸(ニトリロトリ酢酸、「エチレンジアミンテトラ酢酸」を意味するEDTA、等)から選択された、少なくとも一種の酸の存在下で導入することができる。これらの酸は、溶剤としてすでに挙げられている。これらの酸の中で、乳酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、シュウ酸、チオ酢酸、チオグリコール酸、ニトリロ酢酸およびEDTAが特に好ましい。
【0027】
例えば得られる混合物が不均質である場合、酸は、式(I)の化合物と共に、または別に導入することができる。この場合、酸を式(I)の化合物と同時に導入でき、存在する全ての有機化合物を確実に溶解させる溶剤を使用するのが有利であろう。最後に、酸を、式(I)の化合物とは別に(前または後に、好ましくは前に)導入する場合、式(I)の化合物を導入するのに使用した溶剤とは異なった溶剤を使用することもできる。
【0028】
所望により10〜600℃、好ましくは15〜300℃、より好ましくは20〜180℃で予備乾燥させた触媒と、一種以上の式(I)の化合物との、含浸工程における接触は、1分間〜7日間、好ましくは10分間〜8時間、温度0℃〜200℃、好ましくは常温で、大気圧〜5バールの低圧で、好ましくは大気圧で行うことができる。式(I)の有機化合物の溶液を導入する前に酸の溶液を導入する場合、酸で含浸させるための操作条件は、式(I)の有機化合物で含浸させるための操作条件と同様である。触媒を所望により乾燥させる場合、触媒の残留熱を活用して高温含浸させるのが有利である。
【0029】
含浸工程の後、所望により過剰の含浸溶液を除去した後、触媒を、所望により、一般的に温度0〜100℃、好ましくは常温(約20℃)〜80℃で、一般的に大気圧で、または水素化処理または水素化転化法で一般的に使用する圧力までで行なう、熟成工程にかけることができ、その持続時間は、数分間から、触媒をバット中で貯蔵する場合には数年間まででよい。好ましくは、熟成工程は、数分間〜2日間行うことができる。熟成工程に続いて所望により行なう熱処理は、温度50℃〜250℃、好ましくは60〜180℃で、数分間〜数日間、好ましくは30分間〜3時間、不活性または非不活性雰囲気下で、気流中、または気流無しに、一般的に大気圧で、または水素化処理または水素化転化法で一般的に使用する圧力までで行なうことができる。
【0030】
所望により行なう熟成および熱処理工程は、触媒を水素化処理または水素化転化装置に直接装填する場合、省略することができる。
【0031】
式(I)の化合物を含浸させることにより変性した触媒は、常温で、および空気に露出した時に完全に安定している。従って、触媒の変性は、他の場所で、すなわち水素化処理、一般的には水素化転化用の反応器の外側で、行うことができ、これが本発明の方法の好ましい実施態様である。本発明の方法の他の場所における実施は、所望により、本発明の変性した触媒の他の場所での硫化と組み合わせることができる。これによって、精油業者は、直ちに使用できる製品を購入し、装置を始動する時の時間損失を可能な限り低減することができる。
【0032】
式(I)の化合物で触媒を変性させる工程を他の場所で行い、変性した触媒を、水素化処理反応器中でその場で硫化することも有利である。この場合、硫化した触媒と異なり、硫化していない触媒が自己発火する危険性がないので、触媒を処理装置中により安全に入れることができる。
【0033】
さらに別の変形では、触媒の変性およびそれに続く硫化の両方をその場で行う。この場合、本発明の製造方法は、触媒を式(I)または(II)の化合物と、水素の存在下で、および好ましくは硫化水素、元素状硫黄、CS、メルカプタン、スルフィドおよび/またはポリスルフィド、および硫黄化合物を含む沸点が400℃未満の炭化水素留分から選択された少なくとも一種の硫化剤の存在下で、一般的に水素化処理反応器中で接触させることを特徴とする。
【0034】
式(I)の化合物による触媒の変性を水素化処理反応器中でその場で行う場合にも、これらの2種類の操作は、一般的に順次行う2つの分離した工程を構成し、式(I)の化合物を接触させる工程は、常に硫化工程に先行することに注意すべきである。しかし、これらの2工程は、同時に行うこともできる。
【0035】
有機化合物を新しい、または再生した触媒の細孔中に含浸させることに加えて、触媒の製造/形成の最中に、該有機化合物を導入することも可能である。例えば、VIBおよびVIII族金属の化合物を堆積させる前でも、式(I)の有機化合物を担体中に配合することができる。これは、担体を形成する前に、担体の構成成分と一種以上の有機化合物を混合することにより、あるいは形成された担体に有機化合物を含浸させることにより、行うことができる。
【0036】
もう一つの可能性は、有機化合物およびVIBおよびVIII族金属の化合物を同時に、それらを、形成前の担体構成成分と混合することにより、あるいはすでに形成された担体に有機化合物とVIBおよびVIII族金属塩の両方を含浸させることにより、導入することである。これらの操作の一方または他方の後に、有機化合物の少なくとも一部が触媒中に保存されるような条件下で乾燥させることができる。
【0037】
式(I)の有機化合物を、VIBおよびVIII族金属塩の後に配合することも可能である。これらの工程の一方または他方に続いて、所望により化合物の少なくとも一部が触媒中に保存されるような条件下で乾燥および/またはか焼することができる。
【0038】
式(I)の有機化合物は、液体および/または粒子状固体の形態および/または適切な溶剤に入れた溶液または懸濁液の形態で、触媒中に導入することができる。
【0039】
上記の水素化処理触媒をその場で、または他の場所で、活性化することも本発明の課題である。この活性化は、水素の存在下に、および好ましくは硫化水素、元素状硫黄、CS、メルカプタン、スルフィドおよび/またはポリスルフィド、および硫黄化合物を含む沸点が400℃未満の炭化水素留分から選択された少なくとも一種の硫化剤の存在下に、同時に、または順次、触媒を配置することにより行う。好ましい硫化剤はジメチルジスルフィド(DMDS)である。
【0040】
硫化剤は、気体の形態で、または溶剤中に希釈した形態で、もしくは水素化処理すべき原料に対する添加剤として導入することができる。
【0041】
最後に、このようにして、その場で、または他の場所で、活性化させた触媒の、炭化水素、特に沸点が40〜560℃である石油留分に由来する炭化水素の水素化処理および/または水素化分解のための使用も本発明の課題である。
【0042】
本説明の下記の部分に記載する例は、例示のためであって、本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0043】
例1−既存の市販触媒の活性改良
例I−1
この例では、本発明の触媒の製造方法を説明する。
【0044】
出発材料は、商業的触媒(触媒A)であり、アルミナ担体上にコバルト3重量%およびモリブデン10重量%を含む組合せからなり、市販されており、精油業者により水素化脱硫装置に一般的に使用されている。
【0045】
この触媒Aの式(I)の化合物による変性は、下記のように行う。すなわち触媒A250gを、45rpmで回転する回転蒸発装置の丸底フラスコ中に入れる。2−ブテン−1,4−ジオール138gを触媒の中央部に35分間かけて注入する。含浸させた固体をゆっくり(20rpm)16時間回転させる。このようにして、外観が乾燥している触媒が得られる。
【0046】
常温で20日後、この触媒100mlを、下記の例I−2に記載する活性試験を行う目的で、ディーゼル油の脱硫用パイロット装置の反応器中に装填する。装填後、この触媒を180℃で2時間、次いで150℃で14日間、全体を通して10l/hの窒素気流下での熱処理にかける。こうして得られた触媒を触媒Bと呼ぶ。
【0047】
例I−2
この例では、本発明の変性を行った触媒B(例I−1)の水素化脱硫および水素化脱窒素活性を、変性処理を全く行っていない触媒Aの活性と比較する。
【0048】
触媒A(未変性)およびB(本発明により変性した)のそれぞれを、触媒の製造業者により推奨される手順に従い、ジメチルジスルフィド(DMDS)を加えたディーゼル油で硫化する。
【0049】
触媒AおよびBを硫化し、安定化させた後、ディーゼル油70重量%および接触分解に由来するLCO(ライトサイクル油)型の炭化水素留分30重量%を含んでなる原料を導入する。この原料の、水素化処理前の特性を下記の表I.1に示す。
【0050】
表I.1

原料タイプ 30%LCO−70%ディーゼル油
混合物
硫黄(ppm) 9074
15℃における密度(g/ml) 0.8863
モノ芳香族化合物(重量%) 20.7
ジ芳香族化合物(重量%) 21.3
トリ芳香族化合物(重量%) 3.8
Σ芳香族化合物(重量%) 45.8
窒素(ppm) 389
ASTM標準D86による
蒸留(℃)
初期点 180
5体積% 224
50体積% 291
95体積% 360
終点 361
【0051】
水素化処理反応は、圧力27x10Pa(27バール)下、水素/炭化水素(H/HC)比250Nl/l、毎時容積速度(VVH)1h−1で行う。
【0052】
水素化脱硫活性は、各触媒に対して、脱硫度99%に対応する反応温度を測定することにより比較する。本発明の触媒Bに対するこの温度は、基準触媒Aの対応する温度より低いので、触媒Bは脱硫における活性が高い。
【0053】
得られた結果は、表I−2に、触媒Aの基準温度(THDS)に対する温度差(ΔT)の形態で示す。これらの結果は、脱硫度99%に達するのに必要な温度に対応する。
【0054】
表I.2

触媒 A B
HDS THDSHDS−7℃
【0055】
本発明の触媒Bは、脱硫度99%に、触媒Aに必要な温度より7℃低い温度で到達できることが分かる。従って、本発明の触媒Bの水素化脱硫活性は、触媒Aのそれより大きい。
【0056】
脱窒素活性を比較するために、特定の反応温度THDNに対する残留窒素含有量を各触媒に関して測定する。この温度が低い程、その触媒は脱窒素における活性が高い。
【0057】
得られた結果を表I−3に示す。
【0058】
表I.3

触媒 A B
HDNにおける残留N(ppm) 120 92
【0059】
本発明の触媒Bは、原料の残留窒素含有量を触媒Aより大幅に減少させることができ、脱窒素においても活性がより高いことを示している。
【0060】
例II−再生された触媒の回復
触媒Cは、市販されている非常に効果的なCoMo触媒である。1装置内サイクルの後、この触媒を取り出し、再生した(残留硫黄およびコークスの空気中燃焼)。この種の再生した触媒は、一般的に、装置内サイクルの過酷さ、含まれる汚染物(Na、V、Ni、Pb、As、Si、等)の量、物理的特性(比表面積、細孔容積、等)の変化および再生の品質に応じて、活性が数度〜10度以上低下する。
【0061】
工業的に再生された触媒Cを考慮する。この触媒をDと呼ぶ。
【0062】
例II−1(本発明による)
この例では、本発明の触媒を回復させる方法を説明する。
【0063】
触媒Dを式(I)の化合物で下記のように変性する。すなわち触媒D255gを、45rpmで回転する回転蒸発装置の丸底フラスコ中に入れる。2−ブテン−1,4−ジオール120gを触媒の中央部に35分間かけて注入する。含浸させた固体をゆっくり(20rpm)16時間回転させる。このようにして、外観が乾燥している触媒が得られる。
【0064】
常温で20日後、この触媒100mlを、下記の例II−4に記載する活性試験を行う目的で、ディーゼル油の脱硫用パイロット装置の反応器中に装填する。装填後、この触媒を180℃で2時間、20Nl/hの窒素気流下で熱処理にかける。こうして得られた触媒を触媒Eと呼ぶ。
【0065】
例II−2(本発明による)
この例では、本発明の触媒を回復させる方法を説明する。
【0066】
触媒Dを式(I)の化合物で下記のように変性する。すなわち触媒D300gを、45rpmで回転する回転蒸発装置の丸底フラスコ中に入れる。2−ブテン−1,4−ジオール54g(0.6モル)を触媒の中央部に35分間かけて注入する。含浸させた固体を48時間熟成させ、次いで回転蒸発装置で2時間、140℃、窒素下で(GHSV83h−1)熱処理する。このようにして、外観が乾燥している触媒が得られる。こうして得られた触媒を触媒Fと呼ぶ。
【0067】
例II−3(比較)
この例では、例II−2と同等の手順により、ただし2−ブテン−1,4−ジオールを等量(モルで)の、炭素=炭素二重結合を含まないジオール、すなわちエチレングリコール、で置き換えて、触媒を回復させる方法を説明する。エチレングリコールは、HDS触媒の製造およびその性能レベルを改良するために先行技術で最も一般的に記載されている分子の一つである。
【0068】
飽和ジオール−エチレングリコール−で変性した触媒Dを考慮する。触媒Dを下記のように変性する。すなわち触媒D300gを、45rpmで回転する回転蒸発装置の丸底フラスコ中に入れる。エチレングリコール40g(0.6モル)を水108mlで希釈した液を触媒の中央部に35分間かけて注入する。含浸させた固体を48時間熟成させ、次いで2時間、140℃で熱処理する。このようにして、外観が乾燥している触媒が得られる。こうして得られた触媒を触媒Gと呼ぶ。
【0069】
例II−4(触媒活性の評価)
この例では、変性させた(例II−1〜II−3)触媒E、FおよびGの水素化脱硫および水素化脱窒素活性を、変性処理を行っていない触媒Dの活性と比較する。
【0070】
装填する触媒の量は、常に100mlである。
【0071】
基準触媒Dは、反応器中、120℃で4時間、窒素流量10Nl/hで乾燥させる。触媒Cおよび変性した触媒は、乾燥にかけない。
【0072】
変性した、または未変性の触媒のそれぞれを、触媒の製造業者により推奨される手順に従い、ジメチルジスルフィド(DMDS)2.5重量%を加えたディーゼル油を使用して硫化する。
【0073】
硫化し、次いで直接蒸留ディーゼル油下で安定化させた後、ディーゼル油80重量%および接触分解に由来するLCO(ライトサイクル油)型の炭化水素留分20重量%を含んでなる原料を導入する。この原料の、水素化処理前の特性を下記の表II−1に示す。
【0074】
表II.1

原料タイプ 20%LCO−8%ディーゼル油
混合物
硫黄(ppm) 10915
15℃における密度(g/ml) 0.8631
モノ芳香族化合物(重量%) 19
ジ芳香族化合物(重量%) 14.7
トリ芳香族化合物(重量%) 1.8
Σ芳香族化合物(重量%) 35.5
窒素(ppm) 279
ASTM標準D86による
蒸留(℃)
初期点 171
5体積% 235
50体積% 289
95体積% 355
終点 356
【0075】
水素化処理反応は、圧力27x10Pa(27バール)下、水素/炭化水素(H/HC)比250Nl/l、毎時容積速度(VVH)1h−1で行う。
【0076】
水素化脱硫活性を比較するために、各触媒に対して、反応温度を脱硫度99.5%に対応する値に調節する。この温度が、基準触媒に対する対応する温度と比較して低い程、問題とする触媒は脱硫における活性が高い。
【0077】
得られた結果は、表II.2に、脱硫度99.5%に達するのに必要な温度に対応する、触媒Cの基準温度(THDS)に対する温度差(ΔT)の形態で示す。
【0078】
表II.2

触媒 C D E F G
HDS THDSHDS+9℃ THDS-3℃ THDS+1℃ THDS+10.5℃
【0079】
本発明の触媒Eは、脱硫度99.5%に、触媒Cに必要な温度より3℃低い温度で到達できることが分かる。従って、本発明の触媒Eは、触媒Cと比較して活性が9℃低い触媒Dから製造されたにも関わらず、その水素化脱硫活性は、触媒Cのそれより大きい。従って、出発触媒Dと比較した活性増加は12℃である。
【0080】
本発明の触媒Fは、脱硫度99.5%に、触媒Cに必要な温度より1℃高い温度で到達できる。従って、触媒Fの水素化脱硫活性は、触媒Cのそれより僅かに低い。従って、出発触媒Dと比較した活性増加は8℃である。
【0081】
比較触媒Gは、脱硫度99.5%に、触媒Cに必要な温度より10.5℃高い温度で到達する。従って、触媒Gの水素化脱硫活性は、触媒Cのそれよりはるかに低く、さらに出発触媒Dのそれより僅かに低い。従って、出発触媒Dと比較した活性損失は1.5℃である。
【0082】
これらの例で、再生された触媒は、同じ触媒の新しい時の活性よりはるかに低い活性を示すにも関わらず、本発明の処理により、新しい触媒の活性と等しい(+1℃)か、またはそれより高い(−3℃)活性を回復できることが分かる。他方、同じ条件下でエチレングリコールを使用することにより、期待される改良の代わりに、再生された触媒の活性の低下を引き起こす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一種の耐火性酸化物を基材とする担体、少なくとも一種の元素周期律表のVIII族金属および少なくとも一種の元素周期律表のVIB族金属を含んでなる、水素化処理触媒であって、該水素化処理触媒が、式(I):
【化1】

(式中、Rが、C〜C10、好ましくはC〜C、アルケニレン基、C〜C18アリーレン基、またはC〜C18アルキレン−アリーレン基を表し、各Rが、独立して、水素原子またはC〜C18アルキル、C〜C18アルケニル、C〜C18アリール、C〜Cシクロアルキル、C〜C20アルキルアリールまたはC〜C20アリールアルキル基を表すか、または2個のR基が一緒にC〜C182価基を形成し、R基の炭素鎖が、S、NおよびOから選択された一個以上の異原子を含むまたは有することができる)
のアルケンジオールから選択された少なくとも一種の有機化合物も含んでなる、水素化処理触媒。
【請求項2】
前記式(I)の有機化合物が、2,3−ジヒドロキシ−2−ブテンジオン酸、4−シクロペンテン−1,3−ジオール、3−ヘキセン−2,5−ジオール、ピロカテコール、1,2−ベンゼンジメタノール、2,3−ジヒドロキシナフトキノン、2,3−ブテン−1,4−ジオール、テトラヒドロキシキノン、3,4−ジヒドロキシベンゾニトリルおよび2,3−ジヒドロキシベンズアルデヒドにより形成された群から選択され、好ましくは2,3−ブテン−1,4−ジオールである、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
VIBおよびVIII族の金属1モルあたり、少なくとも0.001モルの、少なくとも一種の式(I)の有機化合物を含んでなる、請求項1または2に記載の触媒。
【請求項4】
VIBおよびVIII族の金属1モルあたり、0.001〜10モルの、少なくとも一種の式(I)の有機化合物を含んでなる、請求項3に記載の触媒。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の水素化転化触媒の製造方法であって、少なくとも一種の耐火性酸化物を基材とする担体、少なくとも一種の酸化物状態にあるVIII族金属および少なくとも一種の酸化物状態にあるVIB族金属を含んでなる触媒を、式(I):
【化2】

(式中、Rが、C〜C10、好ましくはC〜C、アルケニレン基、C〜C18アリーレン基、またはC〜C18アルキレン−アリーレン基を表し、各Rが、独立して、水素原子またはC〜C18アルキル、C〜C18アルケニル、C〜C18アリール、C〜Cシクロアルキル、C〜C20アルキルアリールまたはC〜C20アリールアルキル基を表すか、または2個のR基が一緒にC〜C182価基を形成し、R基の炭素鎖が、S、NおよびOから選択された一個以上の異原子を含むまたは有することができる)
のアルケンジオールから選択された少なくとも一種の有機化合物と接触させることを含んでなる、方法。
【請求項6】
前記式(I)の有機化合物が、2,3−ジヒドロキシ−2−ブテンジオン酸、4−シクロペンテン−1,3−ジオール、3−ヘキセン−2,5−ジオール、ピロカテコール、1,2−ベンゼンジメタノール、2,3−ジヒドロキシナフトキノン、2,3−ブテン−1,4−ジオール、テトラヒドロキシキノン、3,4−ジヒドロキシベンゾニトリルおよび2,3−ジヒドロキシベンズアルデヒドにより形成された群から選択され、好ましくは2,3−ブテン−1,4−ジオールである、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記少なくとも一種の耐火性酸化物を基材とする担体、少なくとも一種の酸化物状態にあるVIII族金属および少なくとも一種の酸化物状態にあるVIB族金属を含んでなる触媒が、再生された触媒である、請求項5または6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記接触に続いて、少なくとも一つの、一般的に温度0〜100℃における熟成工程を行い、前記熟成工程の持続時間が数分間〜数年間であり、所望により前記熟成工程に続いて、少なくとも一つの熱処理工程を温度50℃〜250℃で、数分間〜数日間行う、請求項5〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
前記触媒が前記式(I)の化合物と、少なくとも一種の溶剤および/または少なくとも一種酸の存在下で接触する、請求項5〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
前記式(I)の有機化合物が、使用する前記溶剤に少なくとも部分的に可溶である、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
前記溶剤が、水、トルエン、キシレン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、エタノール、tert−ブタノール、最も一般的には分子量が118(トリエチレングリコール)〜1000の、ポリエチレングリコール(PEG)、ホワイトスピリット、および石油エーテルから選択される、請求項9または10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記触媒が前記式(I)の化合物と、他の場所で、水素化処理反応器の外側で接触する、請求項5〜11のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項13】
前記触媒が前記式(I)の化合物と、水素の存在下で、および好ましくは硫化水素、元素状硫黄、CS、メルカプタン、スルフィドおよび/またはポリスルフィド、および硫黄化合物を含む沸点が400℃未満の炭化水素留分から選択された少なくとも一種の硫化剤の存在下で、一般的に水素化処理反応器中で接触する、請求項5〜12のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項14】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の水素化処理触媒を、その場で、または他の場所で、活性化する方法であって、前記触媒を、水素の存在下に、および好ましくは硫化水素、元素状硫黄、CS、メルカプタン、スルフィドおよび/またはポリスルフィド、および硫黄化合物を含む沸点が400℃未満の炭化水素留分から選択された少なくとも一種の硫化剤の存在下に配置する、方法。
【請求項15】
前記硫化剤がジメチルジスルフィドである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項14または15に記載の方法により活性化された前記水素化処理触媒の、炭化水素、特に沸点が40〜560℃である石油留分に由来する炭化水素、の水素化処理および/または水素化分解のための使用。

【公表番号】特表2008−528251(P2008−528251A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−551697(P2007−551697)
【出願日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際出願番号】PCT/FR2006/000054
【国際公開番号】WO2006/077302
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(505036674)トータル・フランス (39)
【氏名又は名称原語表記】TOTAL FRANCE
【出願人】(591004685)アルケマ フランス (112)
【Fターム(参考)】