説明

水素化分解された重質排出物から金属を回収する金属回収法

【課題】非分解残留分に含まれる金属を回収する。
【解決手段】本発明は、8族〜10族の少なくとも1種の金属、6族の少なくとも1種の金属並びにバナジウム及び/又はニッケルを含有する非分解残油及び固体炭素系物質を含みかつ水素化分解工程から得られる重質生成物から、金属を回収する金属回収法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素化分解法により得られる重質生成物から金属を回収する金属回収法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
触媒として高価な金属を使用する水素化分解工程には金属回収法を不可欠とする場合が多い。本明細書で説明する金属回収法を使用する水素化分解工程の完全な説明は、本願の優先権主張の基礎となる米国特許出願と同時に米国特許庁に係属する同一承継人の米国特許出願第12/691,205号又は特願2010−151993に開示される。
【0003】
下記特許文献1に開示される一例のように、金属回収法の一部を構成する固体分離工程を使用して、水素化分解工程により生ずる流体から微粒子を抽出し、凝集とその後の沈殿又は析出により非分解残油から固体粒子を分離するので、燃焼設備又は熱酸化設備の規模を縮小して、安価に金属回収工程を実施できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,732,664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
触媒金属と他の金属を回収する際に、他の有害な副産物を生成せずに、効率的に金属を回収できる有効な方法が依然として要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
触媒水素化分解法では、原料に添加物を混合するが、添加物の作用は、触媒金属と原料からの金属(原料金属)を抽出する点及び水素化分解反応器から得られる流動重質物又は非分解残留物質中に触媒金属と原料金属とを濃縮させる点にある。流動重質物を処理すれば、触媒金属と原料金属とを回収することができる。また、流動重質物を薄片状物質(フレーク)に処理することができる。薄片状物質を更に処理して、薄片状物質中の触媒金属と本来原料中に含まれる他の金属とを回収することができ又は薄片状物質を販売できる。これにより、工程で金属を再使用し又は他の方法で有利に金属を処理できる。本明細書では、触媒エマルジョン中の金属を触媒金属といい、重質原料中の金属を原料金属という。
【0007】
本発明では、水素化分解工程から流動重質物を収得して、金属回収工程の原料物質として使用できる。水素化分解法は、バナジウム及び/又はニッケルを含む重質原料、8族〜10族の少なくとも1種の金属及び6族の少なくとも1種の金属を含む触媒エマルジョン、水素並びに有機添加物を水素化分解状態にある水素化分解領域に供給する工程と、8族〜10族の前記金属、6族の前記金属及びバナジウムを含む固体炭素系物質と改質された炭化水素生成物とを生成する工程とを含む。生成物又は固体炭素系物質は、金属回収工程の原料として使用される。
【0008】
水素化分解法に使用する添加物は、コークス、カーボンブラック、活性コークス、煤及びそれらの組み合せからなる群から選択される有機添加物が好ましい。コークスの好適な原料は、列挙するものに限定されないが、硬質炭又は無煙炭から生成されるコークス及び未処理残留分(未処理残油)等を水素化処理し又は炭素を除去したコークスである。
【0009】
通例では減圧残留分(減圧残油)である初留温度500℃程度の重質留分等の原料の液相水素化分解工程に前記添加物を有利に使用できる。
【0010】
液相水素化分解工程では、反応領域内で水素、単一又は複数の超分散触媒、硫黄剤及び有機添加物に原料が接触する。この有機添加物は、他の用途にも適するが、上向並流三相気泡塔型反応器内で好適な一工程が実施される。上向並流三相気泡塔型反応器では、原料に対して約0.5〜約5.0重量%の量で、好ましくは粒径約0.1〜約2,000μmの有機添加物を工程に導入することができる。
【0011】
本明細書中に記載するように液相水素化分解工程を実施すれば、有機添加物は、例えばニッケル及びモリブデン等の触媒金属を液相水素化分解工程から抽出し、また、熱分離塔底生成物(HSBP)と呼ばれる固体炭素系物質を含む非分解残油中に前記金属を濃縮する作用を生ずる通例バナジウム等の金属も原料から抽出することができる。固体、例えば、重質炭化水素、有機添加物、濃縮された触媒金属及び原料金属を含む薄片状物質(フレーク)に非分解残油を処理できる。薄片状物質は、回収可能な貴重な金属原料である。
【発明の効果】
【0012】
重質原料の非分解残留分を薄片状物質に処理して再利用すると共に、薄片状物質から触媒金属と原料金属とを回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の好適な実施の形態を添付図について以下詳細に説明する。
【図1】金属回収法に使用する原料を生成する水素化分解工程の略示図
【図2】本発明による第1の金属回収法の着想を示す略示図
【図3】本発明による第2の金属回収法の着想を示す略示図
【図4】本発明による第3の金属回収法の着想を示す略示図
【図5】本発明による第4の金属回収法の着想を示す略示図
【図6】本発明による第5の金属回収法の着想を示す略示図
【図7】本発明による第6の金属回収法の着想を示す略示図
【図8】金属回収装置の略示図
【図9a】トルエン洗浄前の粉砕薄片状物質粒子を示す顕微鏡写真

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素化分解工程からの固体炭素系物質と非分解残油とを含有する出発原料から金属を回収する方法において、
バナジウム、8族〜10族の少なくとも1種の金属及び6族の少なくとも1種の金属から成る群から選択される回収すべき金属を含有する灰分に出発原料を転化する工程と、
浸出液に灰分を浸出して、6族の前記金属を含有する第1の固体と、固体炭素系物質と、バナジウム及び8族〜10族の前記金属を含有する第1の上澄液とを生成する工程と、
第1の上澄液を硫酸アンモニウム溶液に混合して、バナジウムを含有する析出物と8族〜10族の前記金属を含有する第2の上澄液とを生成する工程と、
硫酸アンモニウム溶液及び硫酸溶液に第2の上澄液を混合して、8族〜10族の前記金属を含有する第2の固体を生成する工程とを含むことを特徴とする金属回収法。
【請求項2】
ニッケル、コバルト、鉄及びそれらの組み合せから成る群から8族〜10族の前記金属を選択する工程を含む請求項1に記載の金属回収法。
【請求項3】
モリブデン、タングステン及びそれらの組み合せから成る群から6族の前記金属を選択する工程を含む請求項1に記載の金属回収法。
【請求項4】
出発原料は、8族〜10族の少なくとも1種の前記金属、6族の少なくとも1種の前記金属及びバナジウムを含有する固体炭素系物質の薄片状物質を含む請求項1に記載の金属回収法。
【請求項5】
薄片状物質の炭素含有量は、約85〜約93重量%である請求項4に記載の金属回収法。
【請求項6】
硫酸溶液に第1の固体を混合して、固体炭素系生成物と6族の少なくとも1種の前記金属を含有する上澄液とを生成する工程と、
水酸化ナトリウム溶液及び酸化マグネシウム溶液に上澄液を混合して、6族の少なくとも1種の前記金属を含有する固体を生成する工程とを更に含む請求項1に記載の金属回収法。
【請求項7】
6族の少なくとも1種の前記金属を含有する固体を酢酸に混合して、6族の少なくとも1種の前記金属の酢酸生成物を生成する工程を更に含む請求項6に記載の金属回収法。
【請求項8】
バナジウム、8族〜10族の少なくとも1種の金属及び6族の少なくとも1種の金属から成る群から選択される回収すべき金属を含有する灰分から金属を回収する方法において、
浸出液に灰分を浸出させて、6族の前記金属を含有する第1の固体と、固体炭素系物質と、バナジウム及び8族〜10族の前記金属とを含有する第1の上澄液とを生成する工程と、
硫酸アンモニウム溶液に第1の上澄液を混合して、バナジウムを含有する析出物と、8族〜10族の前記金属を含有する第2の上澄液とを生成する工程と、
硫酸アンモニウム溶液及び硫酸溶液に第2の上澄液を混合して、8族〜10族の前記金属を含有する第2の固体を生成する工程とを含むことを特徴とする金属回収法。

【図9a】トルエン洗浄後の粉砕薄片状物質粒子を示す顕微鏡写真
【発明を実施するための形態】
【0014】
異なる6つの着想を使用して、水素化分解工程からの非分解残油に含まれる固体炭素系物質を含有する出発原料から金属を回収する金属回収法を以下説明する。
【0015】
本発明は、炭素質添加物を使用する水素化分解工程から得られる重質生成物の金属回収法に関するものである。炭素質添加物は、残留物相中の触媒金属及び原料金属を濃縮して後に抽出する触媒金属と原料金属との捕捉剤として作用する。
【0016】
本発明による金属回収法の例として、6つの異なる着想による金属回収法を以下説明する。図2〜図7に示すように、流動重質生成物71から全金属回収法が出発する。
【0017】
説明する第1の金属回収法に対応する図2は、減圧塔72を使用して流動重質生成物71を処理する。減圧塔72は、重質水素化軽油(ガスオイル)(HHGO)73と流動重質物74を生成し、流動重質物74を薄片成形器(フレーカ)75に送り、薄片状物質76を生成する。
【0018】
説明する第2の金属回収法に対応する図3は、溶媒抽出/添加装置77を使用して流動重質生成物71を処理する。
【0019】
溶媒抽出/添加装置77は、流動重質生成物71を処理して重質生成物と軽質生成物とを生成し、ライン78を通じて重質生成物を閃光塔80に供給し、ライン79を通じて軽質生成物を熱処理装置83に供給する。
【0020】
閃光塔80は、ライン82を通じて非分解残油を発生し、ライン81を通じて閃光塔80から再生留分を溶媒抽出/添加装置77に帰還させる。
【0021】
熱処理装置83は、ライン85を通じて金属回収装置87に金属富裕流体を供給し、ライン84を通じて気体処理装置86に気体生成物を供給する。
【0022】
金属回収装置87は、回収すべき特定の金属富裕流体、例えば、メタバナジウム酸アンモニウム(AMV)を生成してライン88に供給し、ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物(AHM)を生成してライン89に供給し、酢酸ニッケルを生成してライン90に供給する。
【0023】
説明する第3の金属回収法に対応する図4は、真空蒸留装置72を使用して流動重質生成物71を処理し、重質水素化軽油を生成してライン73に供給し、流動重質物を生成してライン74を通じて薄片成形器75に供給する。図2の実施の形態による薄片状物質76は、所望により後使用又は販売に供され、金属富裕流体は、ライン81を通じて溶媒抽出/添加装置77に供給されて、図3と同様に処理されるが、その説明を省略する。
【0024】
説明する第4の金属回収法に対応する図5は、図4と同様の着想を使用する。図5に示す流動重質生成物71は、図2及び図4と同様に処理され、薄片成形器75に流動重質物74が供給される。図5の薄片成形器75から導出されるライン91は、熱処理装置83に直接接続され、図4の溶媒/抽出添加装置77は、図5の熱処理装置83には設けられない。図3及び図4と同様の処理が熱処理装置83から継続して行われる。
【0025】
説明する第5の金属回収法に対応する図6の実施の形態では、溶媒/抽出添加装置77に流動重質物74を直接供給し、図3及び図4と同様の処理が熱処理装置83から継続して行われる。
【0026】
説明する第6の金属回収法に対応する図7の実施の形態では、真空蒸留装置72から排出される流動重質物74は、熱処理装置83に直接供給される。図3〜図6と同様の処理が熱処理装置83から継続して行われる。
【0027】
図1に示す水素化分解装置200について、水素化分解法を以下略述する。この水素化分解法では、高水素分圧及び高温の水素化分解状態下で、8族〜10族の少なくとも1種の金属及び6族の少なくとも1種の金属を含む1種、2種又は3種以上のエマルジョン(油中水滴型エマルジョン)からなる触媒と、添加物とにバナジウム及び/又はニッケルを含む原料を所期の目的で接触させて、更に、添加物の表面に金属を凝縮させて、より容易に金属回収工程を行うことができる。
【0028】
水素化分解装置200内で原料を水素化分解又は水素化転化すると、水素化分解装置200からの流出物は、改質された炭化水素相と残油とを含み、改質された炭化水素相は、液相と気相とに分離され、所望により更に処理されかつ/又は気体回収装置に供給され、添加物を含む残油は、凝固され又は固形物富裕流体に分離されて、金属回収装置に供給され、非分解減圧残油を再利用できる。
【0029】
水素化分解工程の原料は、どのような重質炭化水素でもよいが、特に好適な原料は、下表1に示す特性の減圧残留分(減圧残油)である。
【0030】
【表1】
image rotate

【0031】
限定列挙ではないが、タールサンド(極めて粘質な油分を含む砂岩)及び/又はビチューメン(瀝青、堆積岩中の有機物のうち、有機溶媒に溶出する有機物)から得られる他の原料も使用できる。
【0032】
例えば、真空蒸留装置(VDU)又は他の適切な供給源から減圧残油(VR)を原料として供給できる。バナジウム及び/又はニッケル等の原料金属を含みかつ水素化分解により特に有効に改質できる種類であれば、他の類似の原料を使用できる。
【0033】
前記のように、コークス、カーボンブラック、活性コークス、煤及びそれらの混合物等の有機添加物を添加物として使用することが好ましい。前記添加物は、多くの何れの供給源からも非常に安価で容易に調達できる。粒径約0.1〜約2,000μmの有機添加物が好ましい。
【0034】
米国特許出願公開第2009/0023965号公報に開示される金属相を触媒として使用することが好ましい。元素周期表8族、9族又は10族から選択される一方の金属と、元素周期表6族から選択される他方の金属とにより、金属相を形成することが有利である。旧周期表では、VIA族金属及びVIIIA族金属又はVIB族金属及びVIIIB族金属とも前記金属を指称する。
【0035】
各類の金属を異なるエマルジョン中に配合し、原料と共に前記エマルジョンを個別に又は一緒に反応領域に投入することが有利である。
【0036】
8族〜10族の金属は、ニッケル、コバルト、鉄及びそれらの組み合せが好適であり、6族の金属は、モリブデン、タングステン及びそれらの組み合せが好適である。特に好適な組み合せ金属は、ニッケルとモリブデンである。
【0037】
水素化分解工程では、特願2010−151993に開示されるように、2種以上の金属を使用できる。例えば、8族、9族又は10族から2種又はそれ以上の金属をエマルジョンの触媒相に配合することができる。
【0038】
重質原料に対する触媒金属の重量比率が約50〜約1,000重量ppm(wtppm)となるのに十分な量で、単一又は複数の触媒エマルジョン及び重質原料を反応器に供給することが好ましい。
【0039】
如何なる適切な供給源からでも水素化分解工程に水素を供給できる。
【0040】
下表2に水素化分解工程の反応条件を示す。
【0041】
【表2】
image rotate

【0042】
本発明では、懸濁液(スラリー又は泥漿)供給工程にある水素化分解装置200は、減圧残油(VR)を収容する。原料に対して0.5〜5重量%の濃度で減圧残油に添加物粒子を添加して、懸濁液が生成され、攪拌される。20MPaG(200barg)ゲージ圧力を超える高圧力を発生する高圧スラリーポンプにより、水素化分解装置200内で懸濁液を汲み上げて攪拌することが好ましい。また、400℃を超える高温に水素化分解装置200内の懸濁液を加熱することが好ましい。触媒エマルジョン、硫黄剤及び水素は、上流からスラリー供給部に注入される。必要に応じて、懸濁液を加熱するスラリー炉の後段で更に水素を添加することができる。
【0043】
減圧残油、有機添加物、触媒エマルジョン、硫黄剤及び水素の全混合物を反応器内に導入し、全混合物は、所望の軽量物質に徹底的に水素化分解(水素化転化)される。水素化分解される多くの物質は、高圧高温分離器内で蒸気として分離され、必要に応じて水素化処理及び更に水素化分解を行う次の装置に分離された蒸気を送出することができる。
【0044】
一方、重質懸濁液状態の分離器底部生成物(HSBP、熱分離塔底生成物)は、図1に示す流動重質生成物71として真空蒸留装置72に送られ、減圧下で重質水素化軽油(HHGO)73と非分解残油である最終底部残油とを回収し、重質水素化軽油(HHGO)73をエマルジョン生成に使用し、最終底部残油を他種工程に送出して、固体物質に転化することができる。他種工程の装置は、底部残油を固体化できる薄片成形器75でもよい。得られる薄片状物質の有利な組成を表3に示す。
【0045】
【表3−1】
image rotate

【0046】
【表3−2】
image rotate

【0047】
高温分離器の底部に蓄積される重質生成物は、様々な用途を有し、いくつかの非限定用途例を後述する。
【0048】
図2のように生成される薄片状物質は、残留する有機添加物と、触媒金属と、原料金属とを含み、本発明の工程による触媒により薄片状物質を抽出でき、有用な金属供給源として需要者にそのまま薄片状物質を提供でき、燃料として使用でき、又は、更に処理して金属を抽出し工程用触媒等として再利用することができる。
【0049】
金属抽出工程では、真空蒸留塔の底部物質から選択される薄片状物質又は中間原料は、金属回収可能な形態に転化される。薄片状物質又は中間原料から2段階工程で金属を回収すべきである。第1段工程では、触媒金属及びバナジウム等の原料金属を濃縮し、第2段工程では、触媒金属及び原料金属を抽出する。
【0050】
図1に示す流動重質生成物71から金属を濃縮するあらゆる適切な工程を使用できるが、熱処理工程及び/又は溶媒抽出工程が好ましい。
【0051】
本明細書中に示す水素化分解工程から得られる非分解残油と固体炭素系生成物(図1の流動重質生成物71)とを出発原料とする場合、原料を灰分に転化することが一番好ましい。
【0052】
図3〜図7に示す実施の形態では、あらゆる適切な熱処理を熱処理装置83に利用でき、例えば、出発原料を高温に暴露し、炭化水素と他の物質を焼却して、更に処理を行う灰分と金属とを残留させる。
【0053】
一実施の形態では、水素化分解工程の重質排出物に含まれる炭素又は炭化水素物質の少なくとも50重量%を除去するのに十分に熱処理が行われる。
【0054】
比較的低温で重質排出物を焙焼して、モリブデン、ニッケル及びバナジウムの金属濃度を変更せずに、水素化転化工程の重質排出物からの炭化水素除去量を最大にすることが有利である。
【0055】
熱処理装置83での処理後、気体処理装置86内に設けられる例えば、排煙脱硫装置及び窒素酸化物除去装置により、気体生成物84から硫黄酸化物と窒素酸化物が除去される。
【0056】
熱処理装置83から発生する熱を有効に活用して、精製装置に使用する蒸気を発生しかつ/又は超高圧蒸気から発電することができる。
【0057】
前記の通り、金属を濃縮する好適な他の工程は、溶媒抽出/添加法である。抽出媒体を使用して、添加物から非分解油(非転化油)を抽出し分離することができる。一実施の形態では、抽出媒体は、軽比重溶媒(a light specific gravity solvent)又は軽比重溶媒混合物を含む組成物であり、例えば、キシレン、ベンゼン、トルエン、灯油、リフォーメート(軽芳香族化合物)、軽質ナフサ、重質ナフサ、軽質分解軽油(ライトサイクルオイル)(LCO)、中質分解軽油(メディアムサイクルオイル)(MCO)、プロパン、ディーゼル油の沸点範囲にある物質等である。
【0058】
溶媒抽出/添加法を使用して、残油を回収しかつ図1の水素化分解装置200に再利用することができる。
【0059】
第2段工程は、酸性浸出溶解又は塩基性浸出溶解である。
【0060】
金属回収工程後に、回収される金属を使用して、新規の触媒を生成し又は販売することができる。
【0061】
溶媒/抽出添加装置77により、アスファルテンを除去できるのみならず、超微細粒子も除去できる。
【0062】
一実施の形態では、別のタンク内で溶媒を使用して洗浄/混合(即ち、溶媒抽出)が行われる。
【0063】
列挙する装置に限定されないが、例えば、遠心分離機、濾過遠心分離機、デカンタ型遠心分離機及びサイクロン型分離器等の遠心力強化沈降装置等、あらゆる公知技術を使用して、固液相を分離できる。
【0064】
溶媒/抽出添加装置77での処理後、溶媒と非分解残油とを分離する真空閃光塔(図3、図4及び図6の閃光塔80)を使用して溶媒を回収し、溶媒/抽出添加装置77に溶媒を再利用でき、非分解残油を水素化分解装置200若しくは精製装置に再利用し又は他の方法で有利に処理できる。
【0065】
水素化分解工程に使用する触媒金属のみならず、原料に固有のバナジウム等の特定金属も、勿論回収すべき金属に含まれる。
【0066】
例えば、溶媒/抽出添加装置77から得られる軽質生成物を熱処理装置83中で高温に暴露して、軽質生成物中の炭化水素と他の物質を焼却することにより、灰分と金属とを残留させ、軽質生成物を灰分に転化するのが一番好ましく、その後、金属回収装置87により焼却残留物を処理して、メタバナジウム酸アンモニウム88、ヘプタモリブデン酸アンモニウム89及び酢酸ニッケル90を回収することができる。
【0067】
添加物と触媒とからの重質油の分離を示す用語「抽出する」を「分離する」又は「回収する」(文法上の変化形を含む)に置換することができる。
【0068】
触媒金属及び特定金属を含む灰分及び/又は固体炭素系物質から金属を回収する詳細な工程を図8に示す。金属回収工程の出発原料は、前記工程の最終生成物の1つであるが、同様の他の工程から類似の出発原料を生成してもよい。
【0069】
図8に示すように、出発原料(導入流体85)は、灰分又はコークスである。
【0070】
バナジウム抽出工程
出発原料(ライン85)は、スラリータンク102に供給され、還元液体貯蔵タンク156から供給される還元液体(ライン157)と、真水(ライン101)とを出発原料に混合して、出発原料を懸濁液化できる。
【0071】
出発原料懸濁液(ライン103)は、バナジウム浸出タンク105に搬送される。バナジウム浸出タンク105では、濃度範囲20〜60重量%、最も好適には濃度範囲40〜55重量%の水酸化ナトリウム溶液(ライン104)にバナジウムを浸出させる。また、バナジウム浸出タンク105の懸濁液に少量の過酸化水素溶液(ライン104)を添加して、バナジウムを適切な酸化状態に確実に保持する必要がある。
【0072】
バナジウム浸出工程での水素イオン濃度指数(pH)範囲を5〜10、最も好適には8〜9に維持すべきである。浸出温度は、10〜40℃、好適には25〜35℃に維持される。ニッケルは、水酸化ナトリウム溶液に不溶性である。メタバナジウム酸ナトリウムを発生する水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)と五酸化バナジウムとの化学反応式を以下に示す。
【0073】
【数1】
image rotate

【0074】
浸出濾過器108に懸濁液(ライン106)を搬送して、不溶性固形物から上澄液を分離する。濾過器108に洗浄水(ライン107)を供給して、炭素/ニッケル濾過ケークから混入金属を取り出す。ライン109を通じてニッケル抽出装置内のスラリータンク129に固形物と洗浄水との両方を搬送する。バナジウム富裕でモリブデン富裕の上澄液(ライン110)は、メタバナジウム酸アンモニウム(AMV)析出タンク113に圧送される。
【0075】
濃度範囲10〜50重量%、最好適には濃度範囲20〜40重量%の硫酸アンモニウム溶液(ライン111)を添加して、バナジウムをメタバナジウム酸アンモニウム(AMV)として沈殿させる。また、何らかの水酸化ナトリウム溶液と硫酸溶液(ライン112)の添加により、水素イオン濃度指数(pH)を調整できる。5〜30℃、最も好適には7〜15℃の析出温度に維持される。析出反応式は、下記の通りである。
【0076】
【数2】
image rotate

【0077】
AMV濾過器116では、メタバナジウム酸アンモニウム液を低温清浄水(ライン115)により洗浄して、混入濾液を濾過ケークから除去することにより、ライン114からの固形状メタバナジウム酸アンモニウムを回収する。ライン117から搬出される物質は、メタバナジウム酸アンモニウム生成物と濾過洗浄物とを含む。モリブデン富裕で残留バナジウム富裕の上澄液は、ライン118を通り、AHM析出タンク122に搬送され、そこでヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物(AHM)が析出される。
【0078】
モリブデン抽出工程
上澄液は、濃度30〜60重量%、最も好適には濃度40〜55重量%のアルカリ溶液(ライン119)中に溶解する酸化モリブデンを含む。この状態では、単一のモリブデン酸アニオンが生成されるに過ぎない。
【0079】
濃度10〜60重量%、最も好適には濃度35〜55重量%の硫酸溶液(ライン120)を添加すると、AHM析出タンク122に得られるアルカリ溶液の水素イオン濃度指数が低下する。この状態で最初に生成される物質は、微細なアニオン類ではなく、ヘプタモリブデン酸である。
【0080】
濃度10〜50重量%、最も好適には濃度20〜40重量%の硫酸アンモニウム溶液(ライン121)を添加すると、ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物(AHM)としてモリブデンが析出する。0〜30℃、最も好適には5〜15℃に析出温度が維持される。析出反応式は、下記の通りである。
【0081】
【数3】
image rotate

【0082】
AHM濾過器125では、冷却清浄水(ライン124)により濾過ケークを洗浄して、濾過ケークから混入濾液を除去し、固形状ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物(ライン126)を回収する。ライン126で搬送される濾過物は、ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物生成物と濾過洗浄物とを含む。残留バナジウム及びモリブデンを含む上澄液(ライン127)は、イオン交換装置152に搬送され、そこで再生剤として水酸化ナトリウム溶液(ライン150)及び硫酸溶液(ライン151)が配合される。生成される流出液(ライン153)は、流出液処理装置154に送られ、再生された液体(ライン155)は、再生液体貯蔵タンク156に圧送される。
【0083】
ニッケル抽出工程
炭素、ニッケル、残留バナジウム及び残留モリブデン(ライン109)は、濾過器108から再鉱泥タンク129に供給されて、真水(ライン128)が混合される。
【0084】
再鉱泥タンク129から排出される流体(ライン130)は、ニッケル浸出タンク132に搬送され、そこで濃度10〜60重量%、最も好適には濃度35〜55重量%の硫酸溶液(ライン131)に浸出されて、硫酸ニッケル(ライン133)が生成される。浸出温度10〜40℃、最も好適には25〜35℃に維持される。ニッケル浸出反応式を下記に示す。
【0085】
【数4】
image rotate

【0086】
反応生成物(ライン133)は、浸出濾過器135を通じて濾過され、不溶性炭素生成物から上澄液が分離される。濾過器135に洗浄水(ライン134)を供給して、不溶性炭素生成物から微量の混入金属が除去される。固体(主に炭素と残留ニッケル、残留バナジウム及び残留モリブデン)と洗浄水との両方は、ニッケル抽出工程から除去(ライン136)される流動炭素生成物を構成する。上澄液(ライン137)は、ニッケル富裕溶液と残留炭素、残留バナジウム及び残留モリブデンとを含み、ニッケル析出タンク140に搬送される。
【0087】
ニッケル析出タンク140では、酸化マグネシウム懸濁液(ライン138)が濾液に配合されて、ニッケルは、水酸化ニッケルとして析出する。また、何らかの水酸化ナトリウム溶液(ライン139)により、水素イオン濃度指数を調整することができる。濾液は、析出温度40〜70℃、最も好適には55〜65℃に維持される。析出反応式を下記に示す。
【0088】
【数5】
image rotate

【0089】
濾液を低温清浄水(ライン142)で洗浄して、混入濾液を濾過ケークから除去することにより、ニッケル濾過器143で固形水酸化ニッケル(ライン141)が回収される。ライン144を流れる流動物は、沈殿する水酸化ニッケルと濾過洗浄物とを含む。上澄液(ライン149)は、残留ニッケル、残留バナジウム及び残留モリブデンを含み、イオン交換装置152に搬送される。
【0090】
ニッケル再懸濁液化タンク147に搬送される水酸化ニッケル(ライン144)には、真水(ライン145)と100重量%酢酸(ライン146)が添加されて、酢酸ニッケル四水和物(ライン148))が最終生成物として生成される。反応式を以下に示す。
【0091】
【数6】
image rotate

【0092】
本明細書に説明する溶液及び物質の代わりに、他の溶液及び物質を使用して、物質を浸出しかつ沈殿することも本発明の広義の技術的範囲に包含される点に留意すべきである。
【0093】
例1:溶媒抽出
例1は、炭素質添加物の金属捕捉率を示す。
【0094】
例1では、非分解減圧残油と残留有機添加物とを含む薄片状物質を使用して、水素化分解工程(水素化転化工程)の金属組成と残部金属群を定量化した。
【0095】
この例では、トルエンを溶媒として使用する溶媒分解法により、残留有機添加物を分離した。図2に示す装置により、薄片成形器75内で薄片状物質を生成し、下記実験を行った。
【0096】
薄片状物質10.00gを高温トルエン100ml中に溶解した後、20分間1500回転数/分(rpm)で混合物を撹拌して、添加物の非分解残油を分離した。固体を別の容器に移し、抽出すべき化合物に新鮮な溶媒を継続的に流す連続抽出法であるトルエン・ソックスレー抽出法(toluene Soxhlet extraction)により、固体を洗浄した。洗浄後、真空炉内で温度130℃で2時間固体を乾燥した。トルエンを蒸発させて、非分解減圧残油を回収した。例1では、乾燥固体量は、4.9gであった。
【0097】
図9a及び図9bは、それぞれトルエン洗浄前後の薄片状物質粒子の顕微鏡写真を示す。
【0098】
最後に、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-OES)により、固体内と非分解減圧残油内の金属組成を測定した。
【0099】
薄片状物質、添加物及び非分解減圧残油中に含まれるモリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、バナジウム(V)及び鉄(Fe)の含有量を表4に示す。
【0100】
【表4】
image rotate

【0101】
但し、注a:乾燥固体中の算出金属組成=乾燥固体分析値*乾燥固体測定値(g)/薄片状物質測定値(g)、注b:100%を超える回収率は、実験誤差範囲内。
【0102】
例2:熱酸化処理
例2は、金属を濃縮する熱酸化処理法を示す。
【0103】
例2では、非分解減圧残油及び残留有機添加物を含む例1と同一の薄片状物質を使用して、熱酸化処理の下記実験を行った。
【0104】
薄片状物質中の炭素、水素、窒素及び硫黄成分を測定した(表5)。
【0105】
【表5】
image rotate

【0106】
1200℃まで作動できるレントンサーマルデザインズ社製管式加熱炉を使用して、薄片状物質を大規模に焙焼した。薄片状物質約150gを石英管の中央に配置し、ガラスウールを使用して薄片状物質を保持した。石英管は、長さ1m及び内径5.5cmを有する。管式加熱炉に管を挿入し、窒素雰囲気中で加熱速度5℃/minで室温から500℃に試料を加熱した。その後、気体流を空気に切り換え、一定温度約500℃で20〜22時間試料を保持した。得られる灰分を53μmの篩で分粒して、石英管の中央にビチューメンを保持するのに使用した残留ガラスウール及び薄片状物質の非燃焼粒子を除去した。
【0107】
誘導結合プラズマ発光分光分析装置を使用して、窒素中500℃で1.5時間加熱後の炭化物と、空気中500℃で20時間加熱後の灰分とを測定した。誘導結合プラズマ発光分光分析装置で測定する前に、53μm未満の篩で全灰分試料を分粒した。空気中500℃で20〜22時間加熱して、種々の薄片状物質バッチから種々の試料を作製した。
【0108】
また、加熱速度5℃/minで灰分(薄片状物質を500℃で20〜22時間焙焼して生成した)を加熱して、最終温度を1時間維持する追加試験も熱酸化状態で実施した。
【0109】
【表6】
image rotate

【0110】
前記実験結果(表6)から、灰分中の金属濃度を顕著に増加できたことは、明らかである。
【0111】
例3:金属抽出
図8に示す装置により、下記実験を行った。
【0112】
第1の浸出段階−モリブデン及びバナジウム浸出
浸出剤として水酸化ナトリウムを選択した。
【0113】
計算量150%の水酸化ナトリウム溶液を使用して、下記実験条件(表7)で浸出操作を行った。
【0114】
【表7】
image rotate

【0115】
浸出操作後、懸濁液を濾過した。
【0116】
濾過器に残留する固体を水で完全に洗浄し、105℃で恒量に乾燥させた。上澄液(洗浄水を含む)及び不溶性固体の金属組成を分析して、計量し、金属残量を得た。
【0117】
第1の浸出工の金属残量により、モリブデン97.43重量%及びバナジウム97.30重量%が溶液中に浸出したことが判明した。
【0118】
不溶性固体は、全モリブデンの2.55重量%と、全バナジウムの2.80%を含有した。
【0119】
下表8は、原料の全金属百分率として固体と液体(上澄液)とを分けて金属残量を示す。
【0120】
【表8】
image rotate

【0121】
メタバナジウム酸アンモニウム析出
選択的に析出させて、モリブデンからバナジウムが分離される。水素イオン濃度指数7.8の浸出貴液に硫酸アンモニウムを添加することにより、メタバナジウム酸アンモニウム(AMV)が生成される。
【0122】
前記第1の浸出工程で得られる上澄液を使用して、滞留時間12時間、周囲温度で実験を行った。析出後、懸濁液を濾過した。濾過器に残留する固体を水で完全に洗浄し、50℃で恒量に乾燥させた。上澄液(洗浄水を含む)及び不溶性固体の金属組成を分析して、計量し、金属残量を得た。
【0123】
下表9は、原料の全金属百分率として固体と液体(上澄液)とを分けて金属残量を示す。
【0124】
【表9】
image rotate

【0125】
ヘプタモリブデン酸アンモニウム析出
酸性状態の硫酸アンモニウムを添加して、ヘプタモリブデン酸アンモニウム四水和物(AHM)としてモリブデンを析出させる。
【0126】
前記第1の浸出工程で得られる上澄液を使用して、滞留時間12時間、周囲温度で実験を行った。
【0127】
析出後、懸濁液を濾過した。濾過器に残留する固体を水で完全に洗浄し、50℃で恒量に乾燥させた。上澄液(洗浄水を含む)及び不溶性固体の金属組成を分析して、計量し、金属残量を得た。
【0128】
下表10は、原料の全金属百分率として固体と液体(上澄液)とを分けて金属残量を示す。
【0129】
【表10】
image rotate

【0130】
第2の浸出段階−ニッケル浸出
第1の浸出段階で捕集した固体は、各微量のバナジウム及びモリブデンと共に、炭素及びニッケルの両成分を含む。弱硫酸溶液を使用して、ニッケルを溶液中に浸出させることを提唱する。
【0131】
ニッケルは、硫酸ニッケル(Ni2SO4)の可溶性硫酸塩を形成する。
【0132】
計算量110%の硫酸溶液を使用して、下記実験条件(表11)で浸出を行った。
【0133】
【表11】
image rotate

【0134】
完全酸化状態のモリブデン及びバナジウムは、低温の弱酸に不溶性であるから、固相内に残留するはずである。未酸化のモリブデン及びバナジウムは、いずれもニッケルと共に溶液に浸出して、水酸化ニッケルと共沈する可能性がある。結果を表12に示す。
【0135】
【表12】
image rotate

【0136】
ニッケル流体(上澄液)中にバナジウムとモリブデンとが認められなければ、金属完全酸化状態の概念と一致する。熱酸化により灰分が発生したと仮定すれば、これは、予測されるべきであり、重要な効果である。
【0137】
水酸化ニッケル析出
酸化マグネシウムと水酸化ナトリウムとを添加して、水酸化ニッケルを析出させることにより、ニッケル析出工程(前記)間に回収された上澄液からニッケルを回収した。
【0138】
温度約50℃及び水素イオン濃度指数8未満で、水酸化ニッケル(Ni(OH)2)は、最も有利に析出する。これは、前記実験の基準と認められた。滞留時間12時間を選択した。
【0139】
析出後、懸濁液を濾過した。濾過器に残留する固体を水で完全に洗浄し、105℃で恒量に乾燥した。
【0140】
上澄液(洗浄水を含む)及び不溶性固体の金属組成を分析して、計量し、金属残量を得た。前記例は、本発明により薄片状物質から金属を効果的かつ効率的に回収できることを示す。
【0141】
好適な実施の形態について本明細書を開示する。例示目的で前記特定の実施の形態を示すものと認識すべきであり、如何なる場合も、下記特許請求の範囲により定義される本発明の範囲を限定するように、実施の形態を解釈してはならない。
【産業上の利用可能性】
【0142】
本発明は、重質残留物質の水素化分解処理の際に発生する発泡を抑制すると共に、水素化分解処理に使用する材料から金属成分を回収する技術に適用することができる。
【符号の説明】
【0143】
(32)・・金属回収器、 (71)・・流動重質生成物、 (72)・・減圧塔、 (75)・・薄片成形器、 (73)・・重質水素化軽油、 (76)・・薄片状物質、 (200)・・水素化分解装置、
【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9a】
image rotate

【図9b】
image rotate


【公開番号】特開2011−147925(P2011−147925A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152432(P2010−152432)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(591223574)インテベプ エス エー (5)
【Fターム(参考)】