説明

水素吸蔵合金電極およびニッケル水素電池

【課題】撥水性に優れた水素吸蔵合金層を有し、電池内圧の上昇を抑制でき、サイクル特性や負荷特性に優れたニッケル水素二次電池を与える水素吸蔵合金電極を提供する。
【解決手段】式(1):Rf−X(式中、Rfは炭素数1〜12のエーテル結合を含んでいてもよいフルオロアルキル基;Xはカルボン酸、スルホン酸、リン酸、ケイ酸およびその誘導体)で示されるフッ素化合物(a)と結着剤(b)と水素吸蔵合金粒子(c)とを含む水素吸蔵合金層(I)を導電性支持体(II)上に有する水素吸蔵合金電極。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニッケル水素電池の水素吸蔵合金電極、およびニッケル水素電池に関する。
【背景技術】
【0002】
ニッケル水素電池では、充電時にアルカリ水溶液を電気分解して得られる水素を吸蔵する水素吸蔵合金粒子を含む層を負極集電体上に形成し、放電時には吸蔵した水素を放出し、酸化して水とする反応が生じている。
【0003】
かかるニッケル水素電池の課題として、充電時に負極で発生する水素ガスと正極で発生する酸素ガスによって上昇する電池の内圧上昇の抑制が重要であり、また、放電時に発生した水による水素ガスの放出阻害によって、電池容量の低下、サイクル特性の低下、負荷特性の低下などが生じてしまうことを抑制することも重要である。
【0004】
そこで、水素吸蔵合金粒子の表面を撥水化させて、水素吸蔵合金粒子表面を固体(合金層)−液体(水またはアルカリ水溶液)−気体(水素ガス)の3相界面状態とすることで、前記課題を改善することが提案されている。
【0005】
特許文献1〜2では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレン(TFE)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体(FEP)などの有機溶媒に難溶の固体フッ素樹脂粒子のディスパージョンを水素吸蔵合金層に塗布し、撥水性のフッ素樹脂粒子を水素吸蔵合金粒子表面に点在させる方法が提案されている。
【0006】
特許文献3では、加水分解性シリル基(ヒドロシリル基)を両末端に有するパーフルオロポリエーテルを撥水剤としてフッ素系溶剤に溶解した溶液を水素吸蔵合金層に塗布し、撥水層で水素吸蔵合金粒子の表面を被覆する方法が提案されている。
【0007】
特許文献4〜5では、フッ素樹脂ポリマー(パーフルオロブテニルビニルエーテル重合体、パーフルオロアリルビニルエーテル重合体またはテトラフルオロエチレン/パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール共重合体)のフッ素系溶剤の溶液を水素吸蔵合金層に塗布(またはスプレー)し、撥水層を水素吸蔵合金粒子表面に形成(点在)する方法が提案されている。
【0008】
特許文献6では、炭素含有水素吸蔵合金粒子の表面に存在する炭素の一部または全部をフッ素化することで水素吸蔵合金粒子表面に3相界面状態を形成することが提案されている。
【0009】
特許文献7には、水素吸蔵合金層を形成するためのペーストとして、水素吸蔵合金粒子に対して、特定の不飽和基含有含フッ素アミド化合物とヒドロシリル基を2個以上有するパーフルオロポリエーテルと硬化用の白金触媒とを含む硬化性組成物を5重量%以下配合した水素吸蔵合金層形成材料が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平02−250260号公報
【特許文献2】特開平02−291665号公報
【特許文献3】特開平09−097605号公報
【特許文献4】特開平10−012228号公報
【特許文献5】特開平10−060361号公報
【特許文献6】特開平08−315814号公報
【特許文献7】特開平08−162101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、撥水性のフッ素樹脂粒子を水素吸蔵合金粒子表面に点在させる方法(特許文献1〜2)では、難溶性のフッ素樹脂粒子層を水素吸蔵合金粒子表面に形成するための工程が必要となり、また、フッ素樹脂粒子を均一に塗布することが難しいといった問題がある。
【0012】
含フッ素エーテル系ポリマーを撥水剤として用いる特許文献3〜5では、有機溶剤としてフッ素系溶剤を用いる必要があるが、フッ素系溶剤は地球温暖化係数(GWP)が高く、できれば使用しない方が望ましい。
【0013】
また、炭素含有水素吸蔵合金粒子の表面に存在する炭素の一部または全部をフッ素化する特許文献6は、炭素をフッ素化する際に炭素以外の合金も一緒にフッ素化される可能性があるため容量低下などの問題が残る。
【0014】
特許文献7は、水素吸蔵合金層を形成した後に撥水層を形成する形態ではなく、水素吸蔵合金層を形成するペースト中に撥水剤として特定のパーフルオロポリエーテルを配合する発明であるが、触媒として白金触媒が必要となるほか、アミド化合物の親水性のアミド基の存在により撥水効果が薄れる傾向にある。
【0015】
本発明は、撥水性に優れた水素吸蔵合金層を形成するために、容易に適用できかつ環境に優しい材料を検討した結果、完成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
すなわち本発明は、式(1):Rf−X(式中、Rfは炭素数1〜12のエーテル結合を含んでいてもよいフルオロアルキル基;Xはカルボン酸、スルホン酸、リン酸、ケイ酸およびその誘導体)で示されるフッ素化合物(a)と結着剤(b)と水素吸蔵合金粒子(c)とを含む水素吸蔵合金層(I)を導電性支持体(II)上に有する水素吸蔵合金電極に関する。
【0017】
式(1)のXとしては、カルボン酸エステル、リン酸エステルまたはシリケートであることが好ましい。
【0018】
式(1)のRfとしては、炭素数1〜8のフルオロアルキル基であることが好ましい。
【0019】
水素吸蔵合金層(I)としては、式(1)のフッ素化合物(a)と結着剤(b)と水素吸蔵合金粒子(c)とを含む水素吸蔵合金層形成用ペーストを用いて形成されていてもよいし、結着剤(b)と水素吸蔵合金粒子(c)とを含む水素吸蔵合金層に、有機溶剤または水に分散または溶解した式(1)のフッ素化合物(a)を塗布することにより形成されていてもよい。
【0020】
本発明はまた、本発明の水素吸蔵合金電極を負極とし、正極およびアルカリ電解液を備えるニッケル水素二次電池にも関する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の水素吸蔵合金電極によれば、撥水性に優れた水素吸蔵合金層を有しており、電池内圧の上昇を抑制でき、サイクル特性や負荷特性に優れたニッケル水素二次電池を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の水素吸蔵合金電極は、式(1)のフッ素化合物(a)と結着剤(b)と水素吸蔵合金粒子(c)とを含む水素吸蔵合金層(I)を導電性支持体(II)上に有する。
【0023】
以下、各要素について説明する。
【0024】
(I)水素吸蔵合金層
本発明において、水素吸蔵合金層(I)は、式(1)のフッ素化合物(a)と結着剤(b)と水素吸蔵合金粒子(c)とを含む。
【0025】
(a)式(1):Rf−X(式中、Rfは炭素数1〜12のエーテル結合を含んでいてもよいフルオロアルキル基;Xはカルボン酸、スルホン酸、リン酸、ケイ酸およびその誘導体)で示されるフッ素化合物
【0026】
本発明で用いる式(1)のフッ素化合物(a)は、Ni金属への結合性を有し、または撥水性を有することが重要である。
【0027】
そのためには、
(i)撥水性を発現させるため、Rfはエーテル結合を含んでいてもよいフルオロアルキル基であること、
(ii)Ni金属と結合性を有する官能基を有していること
が重要である。
【0028】
(i)の観点からは、Rfは炭素数が長くてもよいが、炭素数が長いとNi金属へ結合しにくくなり、その結果、撥水性が低下し好ましくない。また炭素数が大きい場合、パーフルオロオキシアルキレン化合物(PFOA)に代表されるような環境規制物質となってしまうことからも好ましくない。したがって、炭素数は1〜12、さらに好ましくは1〜8である。
【0029】
(ii)の観点からは、XはNi金属と結合力をもつ官能基であればよく、カルボン酸、スルホン酸、リン酸などの酸、またはそれらのエステル、塩などの当該酸の誘導体、アミンや水酸基などの水素結合力を有する官能基、さらにはNi金属表面の水酸基に対して化学結合力を有するシリケートなどのケイ酸化合物が考えられる。しかし、ニッケル水素電池の電解液であるアルカリ水溶液に対して不溶であり、また、Ni金属に対してより強い化学結合力を持つことが重要であることから、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、ケイ酸およびその誘導体が好ましい。
【0030】
このように本発明で用いる式(1)のフッ素化合物は、水素吸蔵合金の成分であるNi金属との親和性が良好であり、水素吸蔵合金粒子に撥水性を長時間付与することができる。
【0031】
本発明で用いるリン酸またはその誘導体を含むフッ素化合物としては、式(2):RfP(=O)(OR1)(OR2)(式中、Rfは炭素数1〜12、好ましくは1〜8のパーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキルエーテル基;R1およびR2は、同じかまたは異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン化されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン化されていてもよい芳香族基、NH4、NRH3、NR22、NR3H(Rは炭素数1〜4のアルキル基またはヒドロキシアルキル基)、ピリジミウム基またはピペリジニウム基)で示される化合物が好ましい。
【0032】
具体的には、たとえばC4924P(=O)(OH)2、C51124P(=O)(OH)2、C61324P(=O)(OH)2、C81724P(=O)(OH)2、C3724P(=O)(OC372、(CF32CFC61224P(=O)(OH)2、C4924P(=O)(OCH32、C51124P(=O)(O−iso−C372、C81724P(=O)(OPh)2、C4924P(=O)(OC24−C492、C4924P(=O)(OC24−C49)(OH)、C4924P(=O)(ONH42、C51124P(=O)(ON(C253H)2などがあげられる(ただし、Phはフェニル基)。
【0033】
本発明で用いるカルボン酸またはその誘導体を含むフッ素化合物としては、式(3):RfCOOR3(式中、Rfは炭素数1〜12、好ましくは1〜8のパーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキルエーテル基;R3は、水素原子、ハロゲン化されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン化されていてもよい芳香族基、NH4、NRH3、NR22、NR3H(Rは炭素数1〜4のアルキル基またはヒドロキシアルキル基)、ピリジミウム基またはピペリジニウム基)で示される化合物が好ましい。
【0034】
具体的には、たとえば、C49COOH、C511COOH、C613COOH、C715COOH、C817COOH、C817COOCH3、C817COOC25、C817COOC37、C817COOC49、C817COOC511、C817COOPhなどがあげられる(ただし、Phはフェニル基)。
【0035】
本発明で用いるケイ酸またはその誘導体を含むフッ素化合物としては、式(4):RfnSiR44-n(式中、Rfは炭素数1〜12、好ましくは1〜8のパーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキルエーテル基;R4はメトキシ基、エトキシ基、もしくはプロポキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基、またはメトキシメトキシ基、もしくはメトキシエトキシ基などのオキシアルコキシ基であり、R4が2個以上の場合同じでも異なっていてもよい;nは1〜3の整数)で示される化合物が好ましい。
【0036】
具体的には、たとえば、CF3(CF25(CH22Si(OCH33、CF3(CF27(CH22Si(OCH33、CF3CF2CH2CH2Si(OCH33、CF2(CF23CH2CH2Si(OCH33、C511Si(OCH33、C511Si(OC253、C613Si(OCH33、C613Si(OC253、C715Si(OCH33、C817Si(OCH33、C817Si(OC253、C817Si(OC373などがあげられる。
【0037】
本発明で用いるスルホン酸またはその誘導体を含むフッ素化合物としては、式(5):RfSO3M(式中、Rfは炭素数1〜12、好ましくは1〜8のパーフルオロアルキル基、パーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキルエーテル基;Mは水素原子、金属原子またはアンモニウム塩)で示される化合物が好ましい。
【0038】
具体的には、たとえば、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロヘキサンスルホン酸カリウム、パーフルオロオクタンスルホン酸カリウム、パーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸リチウム、パーフルオロヘプタンスルホン酸リチウム、パーフルオロオクタンスルホン酸セシウム、パーフルオロヘキサンスルホン酸セシウム、パーフルオロブタンスルホン酸セシウム、パーフルオロブタンスルホン酸テトラメチルアンモニウムなどがあげられる。
【0039】
なかでも、カルボン酸またはその塩もしくはエステル、スルホン酸またはその塩もしくはエステル、リン酸またはその塩もしくはエステル、ケイ酸またはその塩もしくはエステルであることがより好ましく、Ni金属との結合力がより強い点から、さらに好ましくはカルボン酸エステル、リン酸エステル、およびシリケートである。
【0040】
(b)結着剤
本発明において用いる結着剤(b)としては、従来からニッケル水素二次電池の水素吸蔵合金層の形成に用いられている公知の材料、たとえば特開2002−15731号公報などに記載されている結着剤が採用できる。
【0041】
具体的には、たとえばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース系結着剤;ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイドなどの親水性合成樹脂系結着剤;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素樹脂系結着剤;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチロールなどのハイドロカーボン系結着剤;スチレン−ブタジエンゴム(SBR)などのゴム系結着剤が例示できる。
【0042】
これらのうち、非フッ素系結着剤を用いる場合は、式(1)のフッ素化合物(a)がもつ撥水効果が顕著に発現する。また、フッ素樹脂系結着剤を用いる場合については、フッ素樹脂自身が撥水性をもっているが、式(1)のフッ素化合物(a)を添加することにより、より一層電極表面上に撥水性を発現させやすくなる。
【0043】
(c)水素吸蔵合金粒子
本発明において用いる水素吸蔵合金としては、従来からニッケル水素二次電池の水素吸蔵合金層の形成に用いられている公知の材料、たとえば特開平02−291665号公報、特開2008−210554号公報などに記載されている合金が採用できる。
【0044】
具体的には、たとえばAB5型と呼ばれているミッシュメタル(Mm)を主原料とする合金やAB2型と呼ばれているTi−Zr−Mn−V、Ti−Zr−Cr−FeTi−Cr−VやBCC型と呼ばれるTi−Cr−Vなどが例示できる。これらのうち、サイクル特性等の電池特性が良好な点から、ミッシュメタル系の水素吸蔵合金が好ましい。
【0045】
ミッシュメタル系水素吸蔵合金(AB5型)は、CaCu5構造を有するLaNi5系合金のLaの一部をCe、Pr、Ndなどの希土類金属元素で置換した混合物であり、代表
例として、Ce/La/Nd/他の希土類金属元素(=45/30/5/20重量%)があげられる。また、Mm、Ni、Co、AlおよびMnをモル比でMm/Ni/Co/Al/Mnが1.0/3.3/0.9/0.2/0.6で合金化した物や1.0/4.1/0.3/0.35/0.3で合金化した物、1.0/3.4/0.8/0.2/0.6で合金化した物も知られている。
【0046】
水素吸蔵合金は粒子(粉末)の形態で使用される。粒子径は通常、40〜300μm程度である。
【0047】
本発明に用いる水素吸蔵合金層(I)における、式(1)のフッ素化合物(a)と結着剤(b)と水素吸蔵合金粒子(c)の含有量は、水素吸蔵合金層(I)中(以下同様)において、式(1)のフッ素化合物(a)0.1〜5.0質量%、結着剤(b)0.5〜5.0質量%および水素吸蔵合金粒子(c)90〜97質量%であることが好ましい。また、式(1)のフッ素化合物(a)と結着剤(b)の合計量は5質量%以下、さらには0.6〜4.0質量%であることが電池特性の向上の点から好ましい。
【0048】
式(1)のフッ素化合物(a)の配合量は、サイクル特性、負荷特性が良好な点から5.0質量%以下、さらには1.0質量%以下であることが好ましく、また、電極の表面を均一に覆うことができる点から0.1質量%以上、さらには0.5質量%以上であることが好ましい。
【0049】
結着剤(b)の配合量は、その種類や分子量などによって異なるが、一般に、電池特性が良好な点から5.0質量%以下、さらには3.0質量%以下であることが好ましく、また、接着性が良好な点から0.5質量%以上、さらには1.0質量%以上であることが好ましい。
【0050】
(II)導電性支持体
本発明において用いる導電性支持体(集電体)としては、従来からニッケル水素二次電池の水素吸蔵合金電極(負極)に用いられている公知の材料の支持体、たとえば特開2002−260646号公報などに記載されている支持体が採用できる。
【0051】
具体的には、たとえば繊維状ニッケル、発泡ニッケルなどの三次元導電性支持体;パンチングメタル、エクスパンドメタル、金属ネットなどの二次元導電性支持体などが例示できる。
【0052】
本発明の水素吸蔵合金電極は、種々の方法で導電性支持体(II)上に水素吸蔵合金層(I)を形成することにより製造できる。
【0053】
たとえば、(1)式(1)のフッ素化合物(a)と結着剤(b)と水素吸蔵合金粒子(c)を溶媒の不存在下に所定量混合してペーストを調製し、導電性支持体に塗布するか圧着する方法;
(2)結着剤(b)と水素吸蔵合金粒子(c)とを溶媒を用いて混合してペーストを調製し、導電性支持体に塗布するか圧着して水素吸蔵合金層を形成し、ついで、この水素吸蔵合金層に式(1)のフッ素化合物(a)を塗布する方法;
(3)結着剤(b)と水素吸蔵合金粒子(c)とを溶媒を用いて混合してペーストを調製し、キャスト法や圧縮成形法で水素吸蔵合金シートを形成し、ついで、この水素吸蔵合金シートに式(1)のフッ素化合物(a)を塗布または含浸した後、導電性支持体に貼付する方法
などが採用できる。
【0054】
これらの方法の中でも、方法(1)が、均一に式(1)のフッ素化合物(a)を水素吸蔵合金粒子(c)上に塗布することができる点から好ましい。
【0055】
本発明はまた、本発明の水素吸蔵合金電極を負極とし、正極とアルカリ電解液を備えたニッケル水素二次電池にも関する。本発明のニッケル水素二次電池は、負極として本発明の水素吸蔵合金電極を用いるほかは、従来のニッケル水素二次電池と同様であり、正極、アルカリ電解液のほか、セパレータ、負極缶などの構成、材料なども従来公知のものが採用できる。
【0056】
正極としては、具体的には、たとえば水酸化ニッケルを充填したニッケル極が一般的である。このニッケル極は、表面にオキシ水酸化コバルト層が形成された水酸化ニッケル粉末を主成分とするペーストを発泡状ニッケルに充填することで作製できる。
【0057】
アルカリ電解液としては、たとえば水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムあるいはそれらの混合溶液などがあげられる。
【0058】
本発明のニッケル水素二次電池は、水素吸蔵合金層に撥水性に優れかつニッケルへの親和性が良好なアルキルリン酸あるいはアルキルリン酸エステルを含有させているため、良好な固体−液体−気体−3相界面状態が形成され、水素ガスの吸蔵・放出をスムーズに行うことができるので電池内圧の上昇を抑制でき、その結果、サイクル特性や負荷特性などの電池特性も向上する。
【実施例】
【0059】
つぎに実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0060】
本発明において採用した測定方法は以下のとおりである。
【0061】
(1)NMR
装置:BRUKER製のAC−300
測定条件:
1H−MNR:300.133MHz,CDCl3,neat
19F−MNR:282.40MHz,CF3COOH,neat
【0062】
(2)対水接触角
自動接触角測定装置DSA100S(協和界面科学(株)製)を使用し純水0.5μLを電極に落とし8秒後の接触角を測定する。
【0063】
合成例1
200mlのステンレス製オートクレーブに、C817Iを160g、60%の三酸化硫黄を溶解含有する発煙硫酸を90g、五酸化リンを0.66g仕込み、110℃に加熱して約6時間反応させた。反応圧は5.1kg/cm2であった。
【0064】
反応終了後冷却し、大気圧に戻した後、生成物を分取し、粗生成物47.3gを得た。このものは、NMR分析の結果、C715COFが92.9モル%、C817SO3Fが5.8モル%、C817Iが0.9モル%、C715COOHが0.3モル%の混合物であった。この混合物を精留することにより、純度99%以上のC715COFが得られた。次に、精留によって得られたC715COFに水を加えて加水分解することにより、C715COOHが定量的に得られた。
【0065】
1H−NMR(300.133MHz,CDC13,neat:11.0ppm(s,1H)
【0066】
合成例2
合成例1で製造したC715COOH(42.8g、0.1mol)に硫酸(29.4g、0.3mol)とメタノール(3.2g、0.1mol)を加え3時間攪拌しながら反応させた。その後、蒸留して、C715COOCH3を定量的に得た。
【0067】
1H−NMR(300.133MHz,CDC13,neat):3.67ppm(s,3H)
【0068】
合成例3
49CH2CH2I(11.4g,0.031mol)を、還流管、滴下ロート、温度計を備えた50mlの4つ口フラスコに仕込み、滴下ロートより室温にてP(iPrO)3(6.36g,0.031mol)を約30分間で滴下した。滴下後8時間還流させた。その後、未反応原料を64℃で減圧(11mmHg)蒸留した。得られた生成物のNMRスペクトル測定よりC49CH2CH2P(=O)(iPrO)2であることを確認した(6.12g,0.031mol)。各種分析結果はつぎのとおりである。
【0069】
1H−NMR(300.133MHz,CDCl3,neat):1.6ppm(d,J=7.14Hz,12H),2.13〜2.32ppm(m,2H),2.56〜2.82ppm(m,2H),5.05ppm(q,J=7.14Hz,2H)
19F−NMR(282.40MHz,CF3COOH,neat):−82ppm(m,3F),−116.2ppm(m,2F),−125.23ppm(m,2F),−127.1ppm(m,2F)
【0070】
合成例4
合成例3で合成したC49CH2CH2P(=O)(iPrO)2(6.12g,0.031mol)を、還流管を備えた丸底フラスコに仕込み、オイルバスで徐々に昇温させた。系内温度が約220℃に達したところで白煙を生じたので、白煙の生成がなくなるまで約2時間、系内が220℃になるように加熱した。放冷後、減圧ポンプを用いて生じた気体を還流管上部から抜き出し、生成物4.31gを得た。生成物のNMRスペクトル分析の測定の結果から、C49CH2CH2P(=O)(OH)2であることを確認した。各種分析結果はつぎのとおりである。
【0071】
1H−NMR(300.133MHz,CDCl3,D2O):1.83〜2.10ppm(m,2H),2.28〜2.65ppm(m,2H)
19F−NMR(282.40MHz,CF3COOH,D2O):−79.939ppm(s,3F),−144.013ppm(s,2F),−123.36ppm(s,2F),−124.943ppm(s,2F)
【0072】
合成例5
ガラス製三口フラスコにCH3MgBr(1mol/リットル濃度のジエチルエーテル溶液、2L)を入れ−20℃に一定にした。このフラスコ内にCF3(CF23Iの346gをTHF1リットルに溶解させた溶液を5時間かけて滴下し1時間攪拌後、反応系に亜硫酸ガス3molを5時間かけて吹き込んだ。吹き込みが終了した後、室温に戻し3時間攪拌した。その後、過酸化水素水(35%水溶液300ml)を2時間かけて滴下し、滴下終了後、室温で12時間攪拌した。反応系を脱溶剤し、この残渣をイオン交換水2リットルに加え、0℃に冷却し、不溶物を濾取した。その後、この得られた固体を100℃で乾燥し、得られた固体100gを60℃のメタノール(200g)に溶解し、この液にイオン交換水(500ml)を加えた。その後、この溶液をロータリーエバポレーターで脱溶剤し、全体の重量が300gになるまで濃縮した。この溶液を0℃に冷却し、一晩静置した。ここで、析出した固体を濾別し、イオン交換水100mlで洗浄した。その後、得られた固体を100℃で乾燥することにより、ヨウ素イオンを低減したCF3(CF23SO3Na(42g)を得た。
【0073】
実施例1
(1)水素吸蔵合金粉末の作製
MmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6(モル比。Mmはミッシュメタルである)となるように市販の各金属元素Mm、Ni、Co、AlおよびMnを秤量して所定の比率で混合した。この混合物を高周波溶解炉に投入して溶解させた後、鋳型に流し込み、冷却してMmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6からなる水素吸蔵合金の塊(インゴット)を作製した。この水素吸蔵合金の塊を粗粉砕した後、不活性ガス雰囲気中で平均粒径が50μm程度になるまで機械的に粉砕して、水素吸蔵合金粉末を作製した。なお、得られた水素吸蔵合金粉末の平均粒径はレーザ回折法により測定した値である。
【0074】
(2)水素吸蔵合金電極の作製
作製した水素吸蔵合金粉末98質量部に、結着剤としてPTFEのディスパージョン(ダイキン工業(株)製D−210C)を1.5質量部(固形分)および合成例1で合成したC715COOHを0.5質量部加え、さらに純水を加えて混練して水素吸蔵合金層形成用スラリー(活物質スラリー)を調製した。この水素吸蔵合金層形成用スラリーをニッケルメッキしたパンチングメタルに塗布し90℃の恒温槽で水分がなくなるまで乾燥を行い、水素吸蔵合金電極(負極)を作製した。
【0075】
得られた水素吸蔵合金電極の水素吸蔵合金層表面の対水接触角を調べたところ、120.2度であった。
【0076】
実施例2
合成例2で合成したC715COOCH3を用いたほかは実施例1と同様に混合物を混練して水素吸蔵合金層形成用ペーストを調製し、これをニッケルメッキしたパンチングメタルに塗布し、90℃の恒温槽で水分がなくなるまで乾燥を行い、水素吸蔵合金電極(負極)を作製した。
【0077】
得られた水素吸蔵合金電極の水素吸蔵合金層表面の対水接触角を調べたところ、120.8度であった。
【0078】
実施例3
合成例3で合成したC49CH2CH2P(=O)(iPrO)2を用いたほかは実施例1と同様に混合物を混練して水素吸蔵合金層形成用ペーストを調製し、これをニッケルメッキしたパンチングメタルに塗布し、90℃の恒温槽で水分がなくなるまで乾燥を行い、水素吸蔵合金電極(負極)を作製した。
【0079】
得られた水素吸蔵合金電極の水素吸蔵合金層表面の対水接触角を調べたところ、121.3度であった。
【0080】
実施例4
合成例4で製造したC49CH2CH2P(=O)(OH)2を用いたほかは実施例1と同様に混合物を混練して水素吸蔵合金層形成用ペーストを調製し、これをニッケルメッキしたパンチングメタルに塗布し、90℃の恒温槽で水分がなくなるまで乾燥を行い、水素吸蔵合金電極(負極)を作製した。
【0081】
得られた水素吸蔵合金電極の水素吸蔵合金層表面の対水接触角を調べたところ、119.8度であった。
【0082】
実施例5
合成例5で合成したCF3(CF23SO3Naを用いたほかは実施例1と同様に混合物を混練して水素吸蔵合金層形成用ペーストを調製し、これをニッケルメッキしたパンチングメタルに塗布し、90℃の恒温槽で水分がなくなるまで乾燥を行い、水素吸蔵合金電極(負極)を作製した。
【0083】
得られた水素吸蔵合金電極の水素吸蔵合金層表面の対水接触角を調べたところ、115.1度であった。
【0084】
実施例6
613CH2CH2Si(OCH33(GE・東芝シリコーン(株)製のTSL−8257)を用いたほかは実施例1と同様に混合物を混練して水素吸蔵合金層形成用ペーストを調製し、これをニッケルメッキしたパンチングメタルに塗布し、90℃の恒温槽で水分がなくなるまで乾燥を行い、水素吸蔵合金電極(負極)を作製した。
【0085】
得られた水素吸蔵合金電極の水素吸蔵合金層表面の対水接触角を調べたところ、120.5度であった。
【0086】
実施例7
実施例1の工程(1)で調製したMmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6からなる水素吸蔵合金粉末98.5質量部に、結着剤としてPTFEのディスパージョン(ダイキン工業(株)製D−210C)を1.5質量部(固形分)加え、さらに純水を加えて混練して水素吸蔵合金層形成用スラリー(活物質スラリー)を調製した。この水素吸蔵合金層形成用スラリーをニッケルメッキしたパンチングメタルに塗布し90℃の恒温槽で水分がなくなるまで乾燥を行った。
【0087】
ついで、得られた水素吸蔵合金電極に合成例1で製造したC715COOHを厚さ15μm程度になるように均一に塗布した後、再度、90℃の恒温槽で水分がなくなるまで乾燥を行い、水素吸蔵合金電極(負極)を作製した。
【0088】
得られた水素吸蔵合金電極の水素吸蔵合金層表面の対水接触角を調べたところ、120.8度であった。
【0089】
実施例8
実施例1の工程(1)で調製したMmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6からなる水素吸蔵合金粉末97.9質量部に、結着剤としてSBR水性エマルション(JSR(株)製TRD2001(固形分48.0%))を1.5質量部(固形分)、合成例1で製造したC715COOHを0.5質量部、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を0.1質量部加え、さらに純水を加えて混練して水素吸蔵合金層形成用スラリー(活物質スラリー)を調製した。この水素吸蔵合金層形成用スラリーをニッケルメッキしたパンチングメタルに塗布し90℃の恒温槽で水分がなくなるまで乾燥を行い、水素吸蔵合金電極(負極)を作製した。
【0090】
得られた水素吸蔵合金電極の水素吸蔵合金層表面の対水接触角を調べたところ121.2度であった。
【0091】
実施例9
実施例1の工程(1)で作製したMmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6からなる水素吸蔵合金粉末98.4質量部に、結着剤としてPTFEのディスパージョン(ダイキン工業(株)製D−210C)を1.5質量部(固形分)、合成例1で製造したC715COOHを0.1質量部加え、さらに純水を加えて混練して水素吸蔵合金層形成用スラリー(活物質スラリー)を調製した。この水素吸蔵合金層形成用スラリーをニッケルメッキしたパンチングメタルに塗布し90℃の恒温槽で水分がなくなるまで乾燥を行い、水素吸蔵合金電極(負極)を作製した。
【0092】
得られた水素吸蔵合金電極の水素吸蔵合金層表面の対水接触角を調べたところ、116.8度であった。
【0093】
実施例10
実施例1の工程(1)で作製したMmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6からなる水素吸蔵合金粉末93.5質量部に、結着剤としてPTFEのディスパージョン(ダイキン工業(株)製D−210C)を1.5質量部(固形分)、合成例1で製造したC715COOHを5.0質量部加え、さらに純水を加えて混練して水素吸蔵合金層形成用スラリー(活物質スラリー)を調製した。この水素吸蔵合金層形成用スラリーをニッケルメッキしたパンチングメタルに塗布し90℃の恒温槽で水分がなくなるまで乾燥を行い、水素吸蔵合金電極(負極)を作製した。
【0094】
得られた水素吸蔵合金電極の水素吸蔵合金層表面の対水接触角を調べたところ、124.5度であった。
【0095】
比較例1
実施例1の工程(1)で作製したMmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6からなる水素吸蔵合金粉末98.5質量部に、結着剤としてPTFEのディスパージョン(ダイキン工業(株)製D−210C)を1.5質量部(固形分)加え、さらに純水を加えて混練して水素吸蔵合金層形成用スラリー(活物質スラリー)を調製した。この水素吸蔵合金層形成用スラリーをニッケルメッキしたパンチングメタルに塗布し90℃の恒温槽で水分がなくなるまで乾燥を行い、水素吸蔵合金電極(負極)を作製した。
【0096】
得られた水素吸蔵合金電極の水素吸蔵合金層表面の対水接触角を調べたところ、63.5度であった。
【0097】
比較例2
実施例1の工程(1)で調製したMmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6からなる水素吸蔵合金粉末98.5質量部に、結着剤としてPTFEのディスパージョン(ダイキン工業(株)製D−210C)を1.5質量部(固形分)加え、さらに純水を加えて混練して水素吸蔵合金層形成用スラリー(活物質スラリー)を調製した。この水素吸蔵合金層形成用スラリーをニッケルメッキしたパンチングメタルに塗布し90℃の恒温槽で水分がなくなるまで乾燥を行った。
【0098】
ついで、得られた水素吸蔵合金電極にPTFEディスパージョン(ダイキン工業(株)製D−210C)を厚さ15μm程度になるように均一に塗布した後、再度、90℃の恒温槽で水分がなくなるまで乾燥を行い、水素吸蔵合金電極(負極)を作製した。
【0099】
得られた水素吸蔵合金電極の水素吸蔵合金層表面の対水接触角を調べたところ、105.0度であった。
【0100】
実施例11
実施例1で製造した本発明の水素吸蔵合金電極を330mm×30mmの大きさに裁断して負極とし、焼成ニッケル板(270mm×30mm)を正極とし、正極と負極の間にセパレータとして厚さ130μmの親水化処理を施したポリプロピレン不織布を挟んで渦巻状に巻回した後、SUBC(直径22.5mm、全長43mm)の大きさの電池缶に収容した。ついで、6N−水酸化カリウム水溶液を電池缶内に充填した後密封して、本発明のニッケル水素二次電池を作製した。
【0101】
このニッケル水素二次電池について、サイクル特性および負荷特性をつぎの要領で調べた。結果を表1に示す。
【0102】
(負荷特性)
1Cの電流値で1.5時間充電した後、3.0Cの電流値で終止電圧1.0Vまで放電させたときの放電容量を測定する。評価は、比較例3の放電容量を100とした指数で行う。
【0103】
(サイクル特性)
1Cの電流値で1.5時間充電した後、放電容量を測定しながら1Cの電流値で終止電圧1.0Vまで放電させる充放電サイクルを1サイクルとする。放電容量が初期の放電容量の80%以下になるまでのサイクル数を計数し、比較例3のサイクル数を100とした指数で評価する。
【0104】
実施例12〜20および比較例3〜4
実施例2〜10および比較例1〜2でそれぞれ製造した水素吸蔵合金電極を用いたほかは実施例11と同様にしてニッケル水素二次電池を作製し、そのサイクル特性および負荷特性を調べた。結果を表1に示す。
【0105】
【表1】

【0106】
表1の結果から、すべての実施例が、比較例3および4に比べて明らかに負荷特性およびサイクル特性のいずれにおいても向上していることが分かる。また、PTFEのディスパージョンを電極に後から塗布している比較例4については、水素吸蔵合金の粒子の一部が均一に覆われていないため、全体として撥水性がわるくなり、カルボン酸を電極に後から塗布している実施例7に比べて負荷特性とサイクル特性が向上しなかったものと考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):Rf−X(式中、Rfは炭素数1〜12のエーテル結合を含んでいてもよいフルオロアルキル基;Xはカルボン酸、スルホン酸、リン酸、ケイ酸およびその誘導体)で示されるフッ素化合物(a)と結着剤(b)と水素吸蔵合金粒子(c)とを含む水素吸蔵合金層(I)を導電性支持体(II)上に有する水素吸蔵合金電極。
【請求項2】
フッ素化合物(a)の式(1)のXが、カルボン酸エステル、リン酸エステルまたはシリケートである請求項1記載の水素吸蔵合金電極。
【請求項3】
フッ素化合物(a)の式(1)のRfが、炭素数1〜8のフルオロアルキル基である請求項1または2記載の水素吸蔵合金電極。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の水素吸蔵合金電極を負極とし、正極およびアルカリ電解液を備えるニッケル水素二次電池。

【公開番号】特開2011−204520(P2011−204520A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71683(P2010−71683)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】