説明

水素製造装置

【課題】水素分離層の損傷を防止するとともに、原料ガスから水素を分離する能力が高い水素製造装置を提供すること。
【解決手段】水素製造装置1に用いられる水素分離筒3は、別体の部材である(水素分離を行う)第1の成形体23と(原料ガスを改質する)第2の成形体25とを組み合わせて構成されており、第2の成形体25の表面の少なくとも一部が第1の成形体25の多孔質セラミック保護層31の表面に接触している。この様に、第1の成形体23と第2の成形体25とを接触して配置した場合には、効率よく水素を分離して製造することができる。また、別体の第1の成形体23と第2の成形体25とを接触した配置した場合でも、それらの間には、微少な隙間33があるので、第1の成形体23と第2の成形体25とに応力が加わった場合でも、水素分離層29が破損しにくいという利点がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば炭化水素ガス等の原料ガスから、水素を選択して分離することにより、水素を製造する水素製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば燃料電池に供給する水素を製造する装置として、都市ガス等の炭化水素ガス(原料ガス)から水素を選択的に分離する水素分離装置(水素製造装置)が開発されている。
【0003】
例えば下記特許文献1には、表面に水素を選択的に分離する水素透過膜(水素分離層)を備えた多孔質の水素透過直方体と、原料ガスを水素が多い改質ガスに改質する改質触媒を含む多孔質の板状改質触媒とを、スペーサを介して、直接に接触しないように分離して配置した水素製造装置が開示されている。
【0004】
また、例えば下記特許文献2には、表面に水素分離膜(水素分離層)を備えた水素分離膜モジュールと、改質触媒を含む成形触媒とを、ホルダーを介して、直接に接触しないように分離して配置した水素製造装置が開示されている。
【0005】
このように、表面に水素分離層を備えて水素分離を行う部材(水素分離部材)と改質触媒を含む部材(改質触媒部材)とを、接触しないように分離して配置する理由は、水素分離部材と改質触媒部材とを直接に接触させると、表面の水素分離層を傷つけてしまったり、金属成分同士の反応により水素分離層に欠陥が発生してしまうからである。
【0006】
また、これとは別に、水素分離層や改質触媒層(触媒機能層)などを、一体に焼結して成形した水素分離装置も知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3848800号公報
【特許文献2】特開2008−143724号公報
【特許文献3】特開2011−116576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、本発明者の研究によれば、上述した特許文献1、2の技術では、表面の水素分離層が傷つくことを防止するために、水素分離部材と改質触媒部材とが接触しないように隙間を空けて配置するので、原料ガスから水素を製造する能力が低いという問題があった。
【0009】
つまり、水素分離部材(特に水素分離層)と改質触媒部材とが離れていると、水素が選択的に引き抜かれづらくなるので、水素を効率よく製造できないという問題があった。
また、水素分離層や改質触媒層を一体に焼結した水素製造装置の場合には、長期運転や熱サイクルによる水素分離層と改質触媒層との熱膨張差、または、起動・停止時に、改質触媒層に含まれるNi等の金属成分元素が酸化または還元することによって生じる膨張または収縮に起因して、水素製造装置に破損が生じることがあった。
【0010】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、原料ガスから水素を分離する能力が高く、しかも、運転に際して装置に破損が生じ難い水素製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明は、第1態様として、多孔質セラミック基体と、該多孔質セラミック基体の表層側又は表面に形成され水素を選択して透過させる水素分離層と、該水素分離層の表面に形成された多孔質セラミック保護層と、を有する第1の成形体と、原料ガスを改質して水素を含む改質ガスを生成する改質触媒物質を有する第2の成形体と、を備え、前記第1の成形体の前記多孔質セラミック保護層の表面を、前記第2の成形体に向けて配置してなる水素製造装置において、前記第1の成形体と前記第2の成形体とは、それぞれ別体の部材であり、前記第2の成形体の表面の少なくとも一部が前記第1の成形体の前記多孔質セラミック保護層の表面に接触していることを特徴とする。
【0012】
本第1態様の水素製造装置は、別体の部材である(水素の分離を行う)第1の成形体と(原料ガスを改質する)第2の成形体とを組み合わせて構成されており、第2の成形体の表面の少なくとも一部が第1の成形体の多孔質セラミック保護層の表面に接触している。
【0013】
つまり、本第1態様では、第1の成形体と第2の成形体とを、従来の様に分離して配置するのではなく、第2の成形体の表面と第1の成形体の多孔質セラミック保護層とが接触するように配置している。
【0014】
この様に、第1の成形体と第2の成形体とを接触して配置した場合には、(従来の離して配置した場合と比べて)効率よく水素を分離して製造することができる。
しかも、別体の第1の成形体と第2の成形体とを接触して配置した場合でも、両成形体を接合するのではないので、両成形体の間には、微少な空間(隙間)が存在する。そのため、例えば温度が上昇した場合の様に、熱膨張差によって第1の成形体と第2の成形体とに力(応力)が加わった場合には、その隙間が応力の逃げ場となるので、水素製造装置(例えば水素分離層)が破損しにくいという利点がある。
【0015】
なお、この隙間の程度、即ち、第1の成形体と第2の成形体とが接触する互いの対向面において、非接触の領域の割合としては、対向面積の2〜50%が挙げられる。
また、水素分離層の表面は多孔質セラミック保護層で覆われており、この多孔質セラミック保護層が第2の成形体に接触しているので、即ち、多孔質セラミック保護層の表面に存在する多数の凹部が隙間として機能するので、その点からも、水素製造装置が破損しにくいという利点がある。
【0016】
つまり、本第1態様によれば、各部材や層の間の熱膨張差等の応力による破損の心配がなく、耐久性の向上に貢献できる。また、第1の成形体と第2の成形体との距離を(接触によって)近づけることにより、原料ガスから水素を分離する能力(水素製造性能)を向上できるという顕著な効果を奏する。そして、この水素製造性能が向上することにより、より多くの原料を投入することができるため、水素製造装置あたりの製造水素量を増やすことができる。結果として、水素製造装置の部品点数を減らすことができ、低コスト化に貢献できる。
【0017】
なお、多孔質セラミック基体の「表層側」とは、多孔質セラミック基体の表面以下の表面に近い基体の一部の層(表層)を含むことを言う。具体的には、「表層側」は、多孔質セラミック基体の表面から厚み方向の中心位置までの間の任意厚み範囲を指す。
【0018】
また、水素分離層は、水素透過金属で構成される。なお、水素透過金属は、多孔質セラミック基体の表面に水素分離層として形成してもよく、多孔質セラミック基体の表面より浸透させ、多孔質セラミック基体に水素透過金属を充填することによって、多孔質セラミック基体の表層側に水素分離層を形成してもよい。
【0019】
(2)本発明は、第2態様として、前記第1の成形体及び前記第2の成形体は筒状であり、前記第1の成形体と前記第2の成形体とを、径方向において重なるように同軸に配置したことを特徴とする。
【0020】
本第2態様では、第1の成形体及び第2の成形体は筒状であり、両成形体は同軸に配置されているので、両成形体の接触面積が大きく、よって、水素製造能力が高いという利点がある。
【0021】
(3)本発明は、第3態様として、前記第2の成形体の厚みは、0.2〜10mmの範囲であることを特徴とする。
本第3態様では、(原料ガスを改質する)第2の成形体の厚みは0.2mm以上であるので、十分な強度を有しており、十分な触媒量を付与できるので、ガスを改質する能力が高いという利点がある。また、圧力損失による性能低下の影響を考慮すると、その厚みは10mm以下が望ましい。
【0022】
(4)本発明は、第4態様として、前記第1の成形体及び第2の成形体は、それぞれ(セラミック)焼結体であることを特徴とする。
ここでは、好ましい態様を例示している。
【0023】
(5)本発明は、第5態様として、前記第2の成形体の表面のうち、前記第1の成形体の多孔質セラミック保護層の表面に対向する表面には、1又は複数の溝が形成されていることを特徴とする。
【0024】
本第5態様では、第2の成形体の所定の表面に、1又は複数の溝が形成されているので、第1の成形体と第2の成形体に応力が加わった場合でも、この溝により応力を効果的に逃がすことができるので、水素製造装置の破損を防止することができる。
【0025】
・以下に、本発明における各構成例について説明する。
前記第1の成形体を構成するセラミック材料としては、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、安定化ジルコニア、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、マグネシア、ムライト、コージェライト、セリア、ドープドセリアおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0026】
前記第2の成形体を構成する材料としては、改質触媒物質を担持するセラミックスが挙げられるが、このセラミックスとしては、前記第1の成形体と同様なセラミック材料が挙げられる。
【0027】
また、改質触媒物質としては、例えばNi、Ruが挙げられる。
従って、この第2の成形体としては、NiとYSZの混合物の焼結体、NiとYSZの混合物を主体とする焼結体(Ni−YSZサーメット等)等の多孔質セラミックスや多孔質サーメットが挙げられる。
【0028】
前記水素分離層の材料としては、Pd以外に、Pd合金、5族金属(V、Nb、Ta)、5族金属合金などが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1実施形態の水素製造装置1を軸方向に沿って破断して模式的に示す断面図である。
【図2】(a)は第1実施形態における水素分離筒3を軸方向に破断した状態を示す断面図、(b)は同図(a)中のAの部分を拡大し模式的に示す断面図である。
【図3】(a)は第2実施形態における水素分離筒41を軸方向に破断した状態を示す断面図、(b)は同図(a)中のBの部分を拡大し模式的に示す断面図である。
【図4】第2実施形態の変形例の水素分離筒67を軸方向に破断した状態を示す断面図である。
【図5】第3実施形態の水素製造装置71を軸方向に沿って破断して模式的に示す断面図である。
【図6】(a)は第3実施形態における水素分離筒73を軸方向に破断した状態を示す断面図、(b)は同図(a)中のCの部分を拡大し模式的に示す断面図である。
【図7】比較例2における水素分離筒111を軸方向に破断した要部を模式的に示す断面図である。
【図8】その他の実施形態の水素製造装置の水素分離板125の一部を破断して拡大して模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
ここでは、水素製造装置として、例えば燃料電池に燃料ガス(水素ガス)を供給するために、原料ガスから水素を分離して製造する水素製造装置について説明する。
【0031】
a)まず、本実施形態の水素製造装置の全体構成について説明する。
図1に示す様に、本実施形態の水素製造装置1は、一端が閉塞された円筒有底管形状である水素分離筒3と、水素分離筒3の開放端側が挿入された筒状の取付金具5と、水素分離筒3の外周面と取付金具5の内周面との間に配置された円筒状のシール部材7と、水素分離筒3を覆う円筒有底管形状の外筒9と、水素分離筒3の開放端側を覆う筒状部11と、水素分離筒3に原料ガスを供給するための原料ガス供給管13と、水素分離筒3での反応後のオフガス(CO、CO2、H2、メタン、水蒸気)を外部に導出するためのオフガス排出管15と、水素分離筒3で分離された水素ガスを外部に導出する水素ガス導出管17と、を備えている。
【0032】
なお、「原料ガス」とは、改質に供されるべきガスであり、改質反応により水素を生成するガスであって、例えば、炭化水素ガスと水蒸気の混合ガスなどをいう。
以下、各構成について説明する。
【0033】
水素分離筒3は、原料ガス供給管13から導入された原料ガス(例えばメタンなどの炭化水素ガスと水蒸気の混合ガス)から、改質反応により、水素を生成し、かつ水素を選択的に透過させて分離し、水素分離筒3の内部側に供給する部材である。この水素分離筒3については詳細を後述する。
【0034】
取付金具5は、水素製造装置1の基部を構成する筒状金具であり、軸中心には、製造された水素ガスの流路となる貫通孔(中空部)6が形成され、その貫通孔6には、水素分離筒3の基端側(図1右側)の端部が収容されている。
【0035】
詳しくは、貫通孔6の内径は、水素分離筒3の外径より大きく設定されており、貫通孔6の内周面と水素分離筒3の外周面とにより形成される空間にシール部材7が挿入されることによって、貫通孔6の内側に水素分離筒3が固定されている。
【0036】
シール部材7は、膨張黒鉛からなる円筒状の気密部材であり、取付金具5の内周面と水素分離筒3の外周面との間の空間内に挿入されている。このシール部材7は、前述の空間内にて、圧縮された状態、したがって、周囲を押圧した状態に保持されているので、この空間における原料ガスの漏出を防止している。
【0037】
外筒9は、円筒有底管形状に形成された例えばSUS316等のステンレスなどの金属筒であり、水素分離筒3の収納容器である。外筒9の開口部にはフランジ10が形成されており、そのフランジ10を溶接や図示しないボルトなどで取付金具5に密着させて固定する。
【0038】
また、水素分離筒3の外周面と外筒9の内周面との間に空間(供給空間)19を設けるため、外筒9の筒部の直径は、水素分離筒3の直径より大きく設定されている。この供給空間19には、原料ガス供給管8から供給された原料ガスが一時的に滞留する。
【0039】
また、外筒9の側面部の一箇所には、原料ガスを水素分離筒3に供給するための原料ガス供給管13が設けられており、外部から原料ガスを導入する。さらに、側面部において原料ガス供給管13の反対側の位置には、水素分離筒3での反応後のオフガスを外部に導出するためのオフガス排出管15が設けられている。
【0040】
筒状部11は、円筒状に形成された例えばSUS316等のステンレスなどの金属筒であり、外筒9の基部を密閉する、いわゆる底蓋の役目を果たすものである。
また、水素ガス導出管17は、水素分離筒3の内部空間21に挿入され、水素分離筒3で製造された水素ガスを、外部へ導出する部材であり、製造された水素ガスは、水素ガス導出管17の内部を通って外部へ導かれる。
【0041】
b)次に、本実施形態の要部である水素分離筒3の構成について説明する。
図2(a)に示す様に、水素分離筒3は、一端が閉塞された円筒有底管形状であり、異なる別体の部材が組み合わされて構成されたものである。即ち、水素分離筒3は、一端が閉塞された円筒有底管形状の第1の成形体23と、第1の成形体23より若干大型の一端が閉塞された円筒有底管形状の第2の成形体25とが重ね合わされて形成されたものである。
【0042】
詳しくは、水素分離筒3は、第1の成形体23の外側全体を第2の成形体25が覆うように、即ち、第1の成形体23の外側表面全体と第2の成形体25の内側表面全体とを接触させて、第1の成形体23と第2の成形体25とを径方向において重なるように同軸に配置することにより構成されている。
【0043】
以下、各構成について説明する。
図2(b)に示す様に、第1の成形体23は、外径10mm×内径6mm×軸方向長さ300mmで、その厚みが2mmの円筒有底管形状の多孔質の焼結体である。
【0044】
この第1成形体23は、水素分離筒3の軸中心側(内側:図2(b)の下側)より、一端が閉塞された円筒有底管形状のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなる多孔質セラミック基体27と、多孔質セラミック基体27の外側表面の全体を覆うように形成されて水素を選択して透過させるPdからなる水素分離層29と、水素分離層29の外側表面の全体を覆うように形成されたYSZからなる多孔質セラミック保護層31とから構成されている。
【0045】
一方、第2の成形体25は、第1の成形体23を外側より覆うために、第1の成形体23より大型の部材であり、外径12×内径10mm×軸方向長さ300mmで、その厚みが1mmの円筒有底管形状の多孔質の焼結体である。
【0046】
この第2の成形体25は、原料ガスを改質するNi触媒が担持された多孔質アルミナからなり、その厚みは、0.2〜10mmの範囲に設定されている。
特に、本実施形態では、第1の成形体23の外側に第2の成形体25を被せて一体とする際に、第1の成形体23の外側表面全体と第2の成形体25の内側表面全体とを接触させるために、第1の成形体23の外径と第2の成形体25の内径とが一致するように構成されている。なお、図2(a)の左側の半球状に湾曲した両成形体23、25の閉塞部分の表面も、同様に接触するように構成されている。
【0047】
ただ、実際には、第1の成形体23の外側表面と第2の成形体25の内側表面とには、微小な凹部や湾曲によって隙間33が存在するので、両成形体23、25は全表面で完全に接触しているのではなく、接触部分と非接触部分とが存在する。
【0048】
なお、この非接触部分の割合は、第1の成形体23の外側表面(従って第2の成形体25の内側表面)の2〜50%である。
c)次に、水素分離筒3の製造方法について説明する。
【0049】
(第1の成形体23の製造方法)
第1の成形体23を製造するために、まず、YSZの各粉末と有機バインダを混合した後、プレス成形法により、円筒有底管形状に成形した。
【0050】
次に、この成形体を1400℃にて焼成して、外径10mm×内径6mm×長さ300mmの多孔質セラミック基体27を得た。
また、YSZ粉末を有機溶媒中に分散させたスラリーを調製し、ディップコーティング法により多孔質セラミック基体27上に第1多孔質層として形成した後、1300℃にて熱処理を行った。
【0051】
次に、その第1多孔質層の表面に、パラジウム(Pd)の核付け処理を行った。具体的には、上述のようにして作製したものを、塩化スズ二水和物の塩酸水溶液中に浸漬し、その後塩化パラジウムの塩酸水溶液中に浸漬した。この作業を3回繰り返した後、還元処理によりPd核を形成した。
【0052】
次に、第1多孔質層の表面に、再度ディップコーティング法により、YSZを第2多孔質層として形成し、1300℃にて熱処理を行った。
仕上げに、予めPd核付けを施した箇所にのみめっき法によりPdを析出させた。具体的には、第1、第2多孔質を形成した部材を、パラジウム錯体、ヒドラジン、アンモニア水を含むめっき液に浸漬することにより、Pd核を成長させ、第1多孔質層中にPdを充填し、第1の成形体23を完成した。
【0053】
なお、このようにしてPd核を成長させた領域(第1多孔質層)が水素分離層29となり、この水素分離層29の上層の第2多孔質層が、多孔質セラミック保護層31となる。
(第2の成形体25の製造方法)
第2の成形体25を製造するために、まず、アルミナ粉末と有機バインダを混合した後、プレス成形法により、円筒有底管形状に成形した。
【0054】
次に、この成形体を焼成することにより、外径12mm×内径10mm×長さ300mmの多孔質基材を得た。
次に、この多孔質基材に、例えば周知の硝酸ニッケル水溶液を用いた含浸法により、Ni触媒を付与することで成形触媒である第2の成形体25を作製した。
【0055】
(水素分離筒3及び水素製造装置1の製造方法)
そして、上述のようにして得られた第1の成形体23の外側に、第2の成形体25を嵌め込むことにより、水素分離筒3を完成した。
【0056】
その後、水素分離筒3を、図1に示すように組み付けることにより、水素製造装置1が得られる。
d)次に、本実施形態の水素製造装置1の効果を説明する。
【0057】
本実施形態の水素製造装置1に用いられる水素分離筒3は、別体の部材である(水素の分離を行う)第1の成形体23と(原料ガスを改質する)第2の成形体25とを重ね合わせて構成されており、第1の成形体25の多孔質セラミック保護層31の外側表面と第2の成形体25の内側表面とが、(一部の隙間33を有するが)全体的に接触している。
【0058】
この様に、第1の成形体23と第2の成形体25とを接触して配置した場合には、水素分離層29と触媒機能を有する第2の成形体25が近接するので、(両成形体23、25を離して配置した場合と比べて)効率よく水素を分離して製造することができる。
【0059】
また、別体の第1の成形体23と第2の成形体25とを接触して配置した場合でも、両成形体23、25の間には、微少な空間(隙間33)があるので、例えば温度が上昇した場合の熱膨張差、或いは、両成形体23、25を構成する金属成分元素の酸化または還元による膨張または収縮によって、第1の成形体23と第2の成形体25とに力(応力)が加わった場合でも、その隙間33が応力の逃げ場となるので、水素分離筒3などが破損しにくいという利点がある。
【0060】
しかも、水素分離層29の表面は多孔質セラミック保護層31で覆われており、この多孔質セラミック保護層31が第2の成形体25に接触しているので、この点からも、水素分離層3などが破損しにくいという利点がある。
【0061】
つまり、本実施形態によれば、別体の部材を接触させて組み合わせた水素分離筒3であるので、各部材間の熱膨張差による水素製造装置1の損傷を防止でき、耐久性が向上する。また、第1の成形体23と第2の成形体25との距離を(接触によって)近づけることにより、原料ガスから水素を分離する能力(水素製造性能)を向上できるという顕著な効果を奏する。そして、水素製造性能が向上することにより、より多くの原料を投入することができるため、水素製造装置あたりの製造水素量を増やすことができる。結果として、水素製造装置1の部品点数を減らすことができ、低コスト化に貢献できる。
【0062】
また、本実施形態における水素分離筒3は、筒状の第1の成形体23及び第2の成形体25を、径方向において重なるように同軸に配置したので、両成形体23、25の接触面積が大きく、よって、水素製造能力が高いという利点がある。
【0063】
更に、本実施形態における水素分離筒3では、第2の成形体25の厚みは0.2mm以上であるので、十分な強度を有しており、十分な触媒量を付与できるので、ガスを改質する能力が高いという利点がある。また、圧力損失による性能低下の影響を考慮すると、その厚みは10mm以下が望ましい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の水素製造装置について説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
【0064】
本実施形態の水素製造装置は、基本的には、前記第1実施形態と同様な構成であり、水素分離筒の構成のみが異なるので、以下では、水素分離筒について説明する。
a)まず、本実施形態における水素分離筒の構成について説明する。
【0065】
図3(a)に示す様に、本実施形態の水素製造装置に用いられる水素分離筒41は、第1の成形体43の外側に、第2の成形体45が同軸に嵌め込まれたものである。
この第1の成形体43は、前記第1実施形態と同様に、円筒有底管形状の多孔質のセラミック焼結体であり、図3(b)に示す様に、YSZからなる多孔質セラミック基体47と、PdとYSZとの混合層からなる水素分離層49と、YSZからなる多孔質セラミック保護層51とを備えている。
【0066】
一方、第2の成形体45は、軸方向両端が開放された円筒形状の多孔質のセラミック焼結体であり、(改質触媒である)Niを担持したアルミナからなる。
特に、この第2の成形体45の内周面には、円周方向に沿って複数の環状の溝53が形成されている。この溝53は、幅1mm×深さ0.5mmの円環状であり、軸方向に沿って50mmおきに形成されている。
【0067】
なお、溝53の形態に特に制限はないが、応力を均一に緩和するため、隣り合う溝53同士の間隔は、一定であることが好ましい。また、この間隔は、少なくとも100mm以内にあることが望ましい。
【0068】
従って、この水素分離筒41においては、第1の成形体43の外周面に、第2の成形体45の(溝53が露出する)内周面が接触している。言い換えれば、溝53の部分では、第1の成形体43と第2の成形体45とが接触しないように構成されている。
【0069】
b)次に、水素分離筒41の製造方法について説明する。
第1の成形体43の製造方法は、前記第1実施形態と同様である。
第2の成形体45を製造する場合には、まず、アルミナ粉末と有機バインダを混合した後、押出成形法により、底付きでない円筒形状に成形した。
【0070】
次に、この成形体を焼成することにより、外径12mm×内径10mm×長さ300mm(厚み1mm)の多孔質基材を得た。
その後、切削加工によって、多孔質基材の内周面に、幅1mm×深さ0.5mmのリング状の溝を、50mmおきに形成した。
【0071】
次に、多孔質基材に、含浸法によりNi触媒を付与することで第2の成形体45を完成した。
その後、第1の成形体43の外側に第2の成形体45を嵌め込んで、第1の成形体43の外周面と第2の成形体45の内周面とを接触させることにより、水素分離筒41を完成した。
【0072】
c)本実施形態では、前記第1の実施形態と同様な効果を奏するとともに、第2の成形体45の内周面には溝53が形成されているので、その溝53が応力を効果的に逃がすことができ、よって、水素分離筒41などの破損を効果的に防止できるという利点がある。
【0073】
なお、図4に示す様に、円筒有底管形状の第1の成形体61の外側に、(内周面に溝63を形成した)円筒有底管形状の第2の成形体65を嵌め込んで、水素分離筒67を形成してもよい。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の水素製造装置について説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
【0074】
本実施形態の水素製造装置は、前記第1実施形態とは、原料ガスを供給する側と水素ガスを排出する側が逆である。
a)まず、本実施形態の水素製造装置について説明する。
【0075】
図5に示す様に、本実施形態の水素製造装置71は、一端が閉塞された円筒有底管形状である水素分離筒73と、水素分離筒3の開放端側が挿入された筒状の取付金具75と、水素分離筒73の外周面と取付金具75の内周面との間に配置された円筒状のシール部材77と、水素分離筒73を覆う円筒有底管形状の外筒79と、水素分離筒3の開放端側を覆う筒状部81と、水素分離筒73に原料ガスを供給するための原料ガス供給管83と、水素分離筒73での反応後のオフガスを外部に導出するためのオフガス排出管85と、水素分離筒73で分離された水素ガスを外部に導出する水素ガス導出管87と、を備えている。
【0076】
特に本実施形態では、原料ガス供給管83は、水素分離筒73の内部空間89に原料ガスを供給するように構成されている。
それに対応して、外筒79の側面部には、水素ガス導出管87とオフガス排出管85とが設けられている。
【0077】
b)次に、水素分離筒73の構成について説明する。
図6(a)に示す様に、水素分離筒73は、前記第1実施形態とは逆に、円筒有底管形状の(水素の分離を行う)第1の成形体91の内側に、第1の成形体91より若干小型の円筒有底管形状の(原料ガスの改質を行う)第2の成形体93が接触して同軸に配置されたものである。
【0078】
この第1の成形体91は、図6(b)に示す様に、外側より、(第1実施形態と同様な材料からなる)多孔質セラミック基体95と水素分離層97と多孔質セラミック保護層99とを備えている。
【0079】
一方、第2の成形体93は、(第1実施形態と同様な材料からなる)改質触媒機能を有する支持体である。
本実施形態においても、第1の成形体91の内側表面と第2の成形体93の外側表面とは、部分的な存在する隙間101以外の箇所では、全体に接触して一体に構成されている。
【0080】
本実施形態においては、ガスの流れが前記第1実施形態と逆であるが、第1実施形態と同様な効果を奏する。
[比較例1]
次に、後述する実験に供する(本発明の範囲外の)比較例1について説明する。
【0081】
図示しないが、本比較例1の水素製造装置の水素分離筒は、従来と同様に、円筒有底管形状の第1の成形体と第2の成形体とが接触しないようにして、第1の成形体の外側に第2の成形体を嵌め込んで重ね合わせたものである。
【0082】
以下に、本比較例1の水素製造装置の製造手順を説明する。
まず、(水素ガスの分離を行う)第1の成形体(外径10mm×内径6mm×長さ300mm)を、前記第1実施形態と同様な方法で作製した。
【0083】
次に、(原料ガスを改質する)第2の成形体を作製するために、アルミナ粉末と有機バインダを混合した後、前記第1実施形態と同様なプレス成形法により、円筒有底管形状に成形した。
【0084】
この成形体を焼成することにより、外径17mm×内径15mm×長さ300mmの多孔質基材を得た。
次に、前記第1実施形態と同様にして、多孔質基材に、含浸法によりNi触媒を付与することで、第2の成形体を完成した。
【0085】
そして、第1の成形体と第2の成形体との間に、ガス圧力損失のないアルミナ繊維を配置して、第1の成形体の外側に第2の成形体を嵌め込んで、円筒有底管形状の水素分離筒を作製した。
【0086】
なお、第1の成形体と第2の成形体との間には、2.5mmの隙間がある。
この水素分離筒を、前記第1実施形態と同様に水素製造装置内に組み込んで、比較例1の水素製造装置を完成した。
[比較例2]
次に、後述する実験に供する(本発明の範囲外の)比較例2について説明する。
【0087】
本比較例2の水素製造装置の水素分離筒は、水素分離層や改質触媒層等を焼結によって一体に成形した円筒有底管形状の部材である。
詳しくは、図7に要部を示す様に、水素分離筒111は、円筒有底管形状の多孔質セラミック基体113と、その外側表面に形成された水素分離層115と、その外側表面に形成された多孔質セラミック保護層117と、その外側表面に形成された改質触媒層119とが一体に焼結されたものである。
【0088】
以下に、本比較例2の水素製造装置の製造手順を説明する。
まず、YSZの各粉末と有機バインダを混合した後、プレス成形法により、円筒有底管形状に成形した。
【0089】
次に、この成形体を1400℃にて焼成して、外径10mm×内径6mm×長さ300mmの多孔質セラミック基体113を得た。
また、YSZ粉末を有機溶媒中に分散させたスラリーを調製し、ディップコーティング法により、多孔質セラミック基体113の外側表面に(水素分離層115となる)第1の多孔質層を形成した。その後、1300℃にて熱処理を行った。
【0090】
次に、この第1の多孔質層の表面に、Pdの核付け処理を行った。
次に、再度ディップコーティング法によって、核付け処理を行った第1の多孔質層の表面に、更にYSZにより(多孔質セラミック保護層117となる)を第2の多孔質層を形成した。
【0091】
次に、YSZ粉末と酸化ニッケル粉末の混合粉(8YSZ:NiO=40:60/wt%)を有機溶媒中に分散させたスラリーを調製し、ディップコーティング法により外側最表面に(未焼成の)改質触媒層を形成した。なお、この方法で形成された改質触媒層の厚みは、約10μmであった。その後、1300℃にて熱処理を行った。
【0092】
なお、この熱処理により、改質触媒層117と多孔質セラミック保護層117と(Pd析出前の)水素分離層115とが一体に焼結される。
仕上げに、予めPd核付けを施した箇所(即ち第2の多孔質層)にのみ、めっき法によりPdを析出させて、水素分離層115とし、円筒有底管形状の水素分離筒111を得た。
【0093】
この水素分離筒111を、前記第1実施形態と同様に水素製造装置内に組み込んで、比較例2の水素製造装置を完成した。
[水素製造装置の評価]
次に、上述した本発明における各実施形態の水素製造装置の性能を評価した。
【0094】
この評価には、本発明の範囲の第1、第2実施形態の水素製造装置と、本発明の範囲外の比較例1、2の水素製造装置を用いた。
<実験例1>
まず、第1実施形態の水素製造装置に用いられる第1の成形体に対するリーク試験を行った。
【0095】
具体的には、第1の成形体の開口部の外周側に、膨張黒鉛を介して取付金具を接合した試料を作製し、この試料を用いて、ヘリウムリーク試験を行った。
その結果、本実施形態における第1の成形体には、ヘリウムのリークは見られなかった。
【0096】
<実験例2>
次に、第1、第2実施形態及び比較例1、2に対応する各試料の水素製造装置を用い、水素製造能力の評価を行った。
【0097】
具体的には、各試料の水素製造装置を用い、温度550℃にて、水素製造装置の供給側(水素分離筒外側)の圧力を0.8MPaGとし、透過側(水素分離筒内側)の圧力を−0.06MPaGとし、メタンと水蒸気(メタン/水蒸気の比率を1/3とした)を原料ガスとし、このメタンベースの原料ガスを、原料流量3cc/min/cm2の条件で供給し、水素を製造した。
【0098】
そして、湿式ガスメーターによって、水素製造量を求め、この水素製造量から、各水素製造装置の改質性能評価を行った。
その結果、水素製造量は、第1実施形態では、11.0cc/min/cm2、第2実施形態では、10.7cc/min/cm2、比較例1では、8.0cc/min/cm2、比較例2では、8.5cc/min/cm2であった。
【0099】
つまり、第1実施形態では、膜(水素分離層)−触媒間距離が近いため、即ち、第1の成形体と第2の成形体が接触して配置されているため、水素の製造に関して、非常に高い性能が得られた。
【0100】
また、第2実施形態では、先端の有底管部分の実質的な距離が離れているため、第1実施形態より僅かに性能が劣っていたが、それでも十分高い性能であった。
一方、第1の成形体の外側表面と第2の成形体の内側表面との距離が2.5mm離れた比較例1では、第1、第2実施形態より、水素製造性能が低下した。
【0101】
また、比較例2は一体成形のため、水素分離層と改質触媒層との距離は近いものの、改質触媒層を十分な厚みに形成できないため、触媒活性が足りず、十分な性能が得られなかったと考えられる。
【0102】
<実験例3>
次に、各試料の水素製造装置に用いられる水素分離筒の耐久性の評価を行った。
具体的には、各試料の水素分離筒に対して、まず、窒素雰囲気下にて550℃まで昇温し、温度が550℃に達した状態で、水素製造装置(水素分離筒)の供給側(水素分離筒3の外側)の圧力を0.8MPaGとし、透過側(水素分離筒3の内側)の圧力を−0.06MPaGとし、メタンと水蒸気(メタン/水蒸気のモル比率=1/3)を試験用の原料ガスとし、流量3cc/min/cm2の条件で供給側に5時間連続供給し、水素を製造した。
【0103】
そして、水素製造が停止された後、水素分離筒に(原料ガスによる)炭素の析出を防止するために、水蒸気と窒素の混合気体を水素分離筒の供給側に供給し、水素分離筒に滞留していた原料ガスとの置換を行った。
【0104】
さらに、置換後の水素分離筒を、窒素雰囲気にて室温(25℃)まで降温した。
この一連の工程を1サイクルとして、合計20回サイクル試験を行った。
そして、試験後の各試料の水素分離筒の表面(詳しくは内側に配置される第1成形体の外側表面)を、実体顕微鏡で観察した。
【0105】
この熱サイクル試験の結果、第1、第2実施形態および比較例1では、いずれも外観に変化は認められなかった。
一方、全て一体で作製した比較例2においては、改質触媒層の表面に一部クラックが認められた。これは、起動・停止の際に窒素と水蒸気の混合雰囲気となった場合、改質触媒層中のNiが水蒸気に酸化され体積が膨張したり、また、水素製造運転中に再び還元雰囲気とった場合、酸化されていたNi酸化物が再びNiに還元されて収縮したりすることが繰り返される度に、応力が発生することによるものと考えられる。
【0106】
尚、本発明は前記実施形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば前記第1実施形態では、円筒状の第1の成形体及び第2の成形体を用いたが、図8に示す様に、平板状の(水素を分離する)第1の成形体121及び(原料ガスの改質を行う)第2の成形体123を重ね合わせて、平板状の水素分離板125を形成してもよい。
【0107】
この場合には、第1の成形体121は、内側(同図上側)より、図示しないが、多孔質セラミック保護層、水素分離層、多孔質セラミック基体を備えている。
また、水素分離板125の側方からガスがリークすることを防止するために、水素分離板125の側方にシール材127を配置し、保持部材129によって、両成形体121、123を挟み込むようにして固定する。
【符号の説明】
【0108】
27、47、95、113…多孔質セラミック基体
29、49、97、115…水素分離層
31、51、99、117…多孔質セラミック保護層
23、43、61、91、121…第1の成形体
25、45、65、93、123…第2の成形体
1、71…水素製造装置
3、41、67、73…水素分離筒
53、63、63…溝
33、101…隙間
125…水素分離板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質セラミック基体と、該多孔質セラミック基体の表層側又は表面に形成され水素を選択して透過させる水素分離層と、該水素分離層の表面に形成された多孔質セラミック保護層と、を有する第1の成形体と、
原料ガスを改質して水素を含む改質ガスを生成する改質触媒物質を有する第2の成形体と、
を備え、
前記第1の成形体の前記多孔質セラミック保護層の表面を、前記第2の成形体に向けて配置してなる水素製造装置において、
前記第1の成形体と前記第2の成形体とは、それぞれ別体の部材であり、前記第2の成形体の表面の少なくとも一部が前記第1の成形体の前記多孔質セラミック保護層の表面に接触していることを特徴とする水素製造装置。
【請求項2】
前記第1の成形体及び前記第2の成形体は筒状であり、前記第1の成形体と前記第2の成形体とを、径方向において重なるように同軸に配置したことを特徴とする請求項1に記載の水素製造装置。
【請求項3】
前記第2の成形体の厚みは、0.2〜10mmの範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水素製造装置。
【請求項4】
前記第1の成形体及び第2の成形体は、それぞれ焼結体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素製造装置。
【請求項5】
前記第2の成形体の表面のうち、前記第1の成形体の多孔質セラミック保護層の表面に対向する表面には、1又は複数の溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水素製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−71849(P2013−71849A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209604(P2011−209604)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)「平成23年度 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構” 水素製造・輸送・貯蔵システム等技術開発 水素製造機器要素技術に関する研究開発 水素分離型リフォーマーの高耐久化・低コスト化研究開発”における委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願」
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【Fターム(参考)】