水路構成用コンクリートブロック
【課題】側溝用ブロック又は暗渠ブロック等の水路構成用コンクリートブロックの基礎を構築することなく、直接地面に敷設することができる水路構成用コンクリートブロックを提供する。
【解決手段】基礎としての重量を備えた底板を有する水路を構成する側溝ブロック100とし、一方端部の底板20の少なくとも1部から側方に延設した少なくとも2つの延設部21と、他方端部の底板20の少なくとも1部に形成された延設部21と同じ高さを有し、かつ挿入可能な大きさを有する延設部挿入領域と、一方端部側の延設部21の間に形成される第1生コンクリート挿入領域23と、他方端部側の底板20に、他方端部端面から切り欠かれてなる第2生コンクリート挿入領域と、で構成した。
【解決手段】基礎としての重量を備えた底板を有する水路を構成する側溝ブロック100とし、一方端部の底板20の少なくとも1部から側方に延設した少なくとも2つの延設部21と、他方端部の底板20の少なくとも1部に形成された延設部21と同じ高さを有し、かつ挿入可能な大きさを有する延設部挿入領域と、一方端部側の延設部21の間に形成される第1生コンクリート挿入領域23と、他方端部側の底板20に、他方端部端面から切り欠かれてなる第2生コンクリート挿入領域と、で構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側溝用ブロック、暗渠ブロック等の水路構成用コンクリートブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、側溝用ブロック、暗渠ブロック等のコンクリート製の建設製品を地面に設置するのに使用する基礎ブロックとして、地面に設置され上面にコンクリート製の建設製品を載置する載置部を備えたコンクリート製の本体と、この本体の上面に形成され生コンクリートが充填される凹状の充填部と、前記本体に形成され前記充填部から該本体の下面まで貫通する貫通孔と、前記載置部に形成され前記充填部と外部とを連通させる連通溝とを備えている基礎ブロックを提案している(特許文献1)。
【0003】
上記の基礎ブロックによれば、凹状の充填部に生コンクリートを充填し、建設製品を載置すれば、生コンクリートは建設製品に押さえられて密着する。さらに、生コンクリートは、貫通孔を通して本体の下面に侵入し、本体と地面との空間部に充填される。余分の生コンクリートは、連通溝から外部に排出される。そして、生コンクリートが硬化すると、建設製品は本体に結合され、これにより、建設製品が地面に確実に固定されるという効果を有する。
【0004】
しかし、上記基礎ブロックによれば、生コンクリートで側溝用ブロックや暗渠ブロック等を基礎に固定できるものの、やはり一体で成形したブロックと比較すると強度が落ちる可能性があった。また、一旦基礎ブロックを敷設した後に、側溝用ブロックや暗渠ブロックを敷設しなければならないため、工程が多く全体を敷設するのに時間がかかるという課題があった。
【特許文献1】特開平06−316940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明はこうした課題を鑑みてなされたものであり、側溝用ブロック又は暗渠ブロック等の水路構成用コンクリートブロックの基礎を構築することなく、直接地面に敷設することができる水路構成用コンクリートブロックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の目的を達成するために、以下の手段を採った。
【0007】
本発明の水路構成用コンクリートブロックは、
基礎としての重量を備えた底板を有する水路を構成する水路構成用コンクリートブロックにおいて、
一方端部の底板の少なくとも1部から横方向に延設した少なくとも2つの延設部と、
他方端部の前記底板の少なくとも1部に形成された前記延設部と同じ高さを有し、かつ挿入可能な大きさを有する延設部挿入領域と、
前記一方端部側の前記延設部の間に形成される第1生コンクリート挿入領域と、
前記他方端部側の前記底板に、他方端部端面から切り欠かれてなる第2生コンクリート挿入領域と、を備えてなり、
一方端部と、他の水路構成用コンクリートブロックの他方端部を隣接配置した場合に、前記第1生コンクリート挿入領域と前記第2生コンクリート挿入領域とが上面から下面まで連通してなる生コンクリート打設用貫通孔を構成することを特徴とする。
【0008】
本発明の水路構成用コンクリートブロックは、基礎として十分な重量を備えた底板を有しているので、基礎を構築する必要がなく直接地面に水路構成用コンクリートブロックを設置可能である。よって、基礎を構築する工程を省くことができ、工期の短縮に資する。また、基礎と基礎の上側に配置される側溝用ブロックのように、基礎と建設製品は別体ではなく、基礎と一体のコンクリートブロックを敷設するので基礎と上側の建設製品との間での連結強度の低下を防止することができる。さらに、複数の水路構成用コンクリートブロックを隣接配置した場合に、隣接された水路構成用コンクリートブロックの間に生コンクリート打設用貫通孔が形成される。この生コンクリート打設用貫通孔に生コンクリートを打設し、硬化させることによって、隣接された水路構成用コンクリートブロック同士を互いに固定することができる。こうして、隣接する水路構成用コンクリートブロックが互いにずれたり、離れたりすることを防止することができる。また、生コンクリート打設用貫通孔は上面から下面まで貫通して形成されているので、生コンクリートを打設した場合に生コンクリート打設用貫通孔を介して地面まで生コンクリートが到達する。よって、地面まで到達した生コンクリートは地面内に浸透し、硬化することで水路構成用コンクリートブロックを地面に固定することができる。このように、本発明の水路構成用コンクリートブロックによれば、生コンクリートを打設すれば、隣接するコンクリートブロック同士、地面と水路構成用コンクリートブロックの両方を固定することができる。さらに、水路構成用コンクリートブロックを隣接配置する場合に、延設部の高さと延設部挿入領域の高さとが同じであるので、延設部の上面と延設部挿入領域の下面との間で高さ方向の位置関係が規定される。このため、隣接する水路構成用コンクリートブロック同士の高さ方向の位置決めがなされ、隣接する水路構成用コンクリートブロックが高さ方向にずれて配置されるのを防止することができる。
【0009】
さらに、本発明の水路構成用コンクリートブロックとして、前記延設部の延設長さと延設部挿入領域の奥行きの長さとが、同じ長さであってもよい。
【0010】
かかる構成を採用することによって、複数の水路構成用コンクリートブロックを隣接配置した場合に、延設部端部の端面と延設部挿入領域の奥行き端面との間に隙間が発生しないように設置すれば、隣接する水路構成用コンクリートブロック同士が曲がって配置されることを防止することができる。
【0011】
さらに、本発明の水路構成用コンクリートブロックとして、前記延設部の上面は凹凸面を有し、前記延設部挿入領域の下面は前記凹凸面に対して対称である対称凹凸面を有していてもよい。
【0012】
かかる構成を採用することによって、複数の水路構成用コンクリートブロックを隣接配置した場合に、凹凸面と対称凹凸面が重なり合って、水平方向の一定方向又は全方向に対して位置決めがされるので、一定方向又は全方向に対して隣接した水路構成用コンクリートブロックがお互いにずれるのを防止することができる。
【0013】
さらに、本発明の水路構成用コンクリートブロックとして、前記凹凸面は延設部上面の中央から突出する突出部を有し、前記対称凹凸面は前記突出部と対称な凹面を有していてもよい。
【0014】
かかる構成を採用することによって、複数の水路構成用コンクリートブロックを隣接配置した場合に、凹凸面と対称凹凸面は互いに嵌合して位置決めされるため、隣接した水路構成用コンクリートブロックが水平方向の全方向に対してもずれることを防止することができる。
【0015】
さらに、本発明の水路構成用コンクリートブロックとして、前記延設部は、底板両側面より内側に形成され、前記延設部挿入領域は係止壁を有し、前記延設部を外側から位置決め可能に形成されていてもよい。
【0016】
かかる構成を採用することによって、複数の水路構成用コンクリートブロックを隣接配置した場合に、水平方向へのずれを防止することができる。また、敷設する際に、外側壁内に延設部を挿入すれば、水平方向の位置決めがなされるので、設置した状態で位置ずれの調整をする必要性を低減することができる。
【0017】
さらに、本発明の水路構成用コンクリートブロックとして、前述に記載の水路構成用コンクリートブロックを複数隣接配置し、形成された生コンクリート打設用貫通孔に生コンクリートを打設して敷設されたものでもよい。
【0018】
かかる構成を採用することによって、複数の水路構成用コンクリートブロックを隣接配置し、生コンクリートを生コンクリート打設用貫通孔に打設することによって、隣接する水路構成用コンクリートブロックが互いに固定され、かつ地面にも固定された水路構成用コンクリートブロックとすることができる。
【0019】
さらに、本発明の水路構成用コンクリートブロックを敷設する方法は、前述に記載の水路構成用コンクリートブロックを複数隣接配置した後、
形成された生コンクリート打設用貫通孔に生コンクリートを打設して敷設したことを特徴とする。
【0020】
かかる構成を採用することによって、水路構成コンクリートブロックを隣接配置した際に、生コンクリートを生コンクリート打設用貫通孔に打設することによって、隣接する水路構成用コンクリートブロックが互いに固定され、かつ地面にも固定された水路を敷設することができる。このため、短工期で水路を構成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る水路構成用コンクリートブロックによれば、側溝用ブロック又は暗渠ブロック等の水路構成用コンクリートブロックの基礎を構築することなく、直接地面に敷設することができる水路構成用コンクリートブロックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての側溝用ブロック100の構成の概略を示す一方端部側からみた斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての側溝用ブロック100の構成の概略を示す一方端部側からみた端面図である。
【図3】第1実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての側溝用ブロック100の構成の概略を示す他方端部側からみた斜視図である。
【図4】第1実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての側溝用ブロック100の構成の概略を示す他方端部側からみた端面図である。
【図5】第1実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての側溝用ブロック100を敷設する工程の一部を示す斜視図である。
【図6】図6aは、第1実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての側溝用ブロック100を2つ敷設した状態を示す平面図であり、図6bは、A−A断面図である。
【図7】図6に示す平面図のB−B断面図である。
【図8】第1実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての側溝用ブロック100を敷設する工程の一部を示す斜視図である。
【図9】第1実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての側溝用ブロック100を敷設する工程の一部を示す断面図である。
【図10】第2実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての暗渠ブロック100cの構成の概略を示す透視斜視図である。
【図11】実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの延設部の変形例を示す概略図である。
【図12】実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの延設部の別変形例を示す概略図である。
【図13】実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの延設部のさらに別変形例を示す概略図である。
【図14】実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの延設部のさらに別変形例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について、図面に沿って詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではない。なお、各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号が付されている。
【0024】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての側溝用ブロック100の構成の概略を示す一方端部側からみた斜視図である。図3は、第1実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての側溝用ブロック100の構成の概略を示す他方端部側からみた斜視図である。
【0025】
第1実施形態における側溝用ブロック100は、図1に示すように、水路を構成する両側壁10と底板20とを有する。
【0026】
両側壁10は、従来から存在する側溝用ブロックの側壁と同様の形態であり、底板20から垂直に立設された壁面からなる。
【0027】
底板20は、水路の中心線αにおいて、厚さ17cmに形成されている。一般の側溝用ブロックの底板の厚さが7cm程度であることから、従来と比較すると厚く形成されている。このように厚く形成されているのは、底板20が側溝用ブロック100の底板としての機能に加えて、基礎としての機能をもたせるためである。すなわち、基礎として機能するための重量を増加させ、かつ強度を強化させたものである。さらに、本実施形態では、基礎部分の重量を増加させるために、側壁から延設された延設片40が形成されている。
【0028】
底板20の一方端部側には、厚さ10cm、幅17cm及び延設長さ10cmの2つの延設部21が一方底板端面22から横方向に延設されている。2つの延設部21a、延設部21bの間には、生コンクリートを打設するための第1生コンクリート挿入領域23が形成されている(図2参照)。
【0029】
底板20の他方端部側は、図3に示すように、高さ10cm、奥行10cmの延設部挿入領域24(図4参照)が形成されている。さらに、他方端部側の底板20に、他方底板端面25から幅18cm、奥行き10cmの大きさで切り欠かれてなる第2生コンクリート挿入領域26を有している。
【0030】
さらに、底板20には生コンクリートを打設するための生コンクリート打設用底板貫通孔27が底板20の上面から下面まで貫通して2カ所形成されている。
【0031】
第1生コンクリート挿入領域23と第2生コンクリート挿入領域26は、隣接配置された際に生コンクリート打設用貫通孔28を形成することになる(図6参照)。生コンクリート打設用貫通孔28は、テーパーが設けられていて下方にいくほど面積が広くなるように形成されている(図7参照)。こうした構成を採用することによって、生コンクリートを生コンクリート打設用貫通孔28に打設した場合に、壁面が垂直な生コンクリート打設用貫通孔28と比較して、地面と生コンクリートが接触する面積を生コンクリート打設用貫通孔の上面より大きくでき、地面との固定力が大きくなる。
【0032】
以上のように作製された側溝用ブロック100は、以下のように地面に敷設され水路を構成する。まず、図5に示すように、側溝用ブロック100aを敷設する地盤をならし、その地盤に側溝用ブロック100aを載置する。そして、載置された側溝用ブロック100aに隣接させ、かつ延設部21が延設部挿入領域24に配置されるように他の側溝用ブロック100bを載置する。この際に、延設部21の高さと延設部挿入領域24の高さが同じであるので、隣接する側溝用ブロック100同士の高さ方向の位置決めがなされ、高さ方向にずれて配置されるのを防止することができる。そして、側溝用ブロック100は、図6に示すように互いに端面同士が密着した状態で敷設される。この際に第1実施形態においては、図5に示すように、延設部の延設長さβと延設部挿入領域の奥行きの長さγとが、同じ長さに形成されているので、延設部の端面30と延設部挿入領域の奥行き端面31との間に隙間が発生させずに配置することによって、側溝用ブロック100a、100bを直線に配置することができる。隣接配置された側溝用ブロック100a、側溝用ブロック100bは、図7に示すように、それぞれの間に生コンクリート打設用貫通孔28が形成される。同様にして、図8に示すように、水路を構成する場所に複数の側溝用ブロック100を配置する。その後、生コンクリート打設用貫通孔28及び生コンクリート打設用底板貫通孔27に生コンクリートを打設する。打設された生コンクリートは、図9に示すように、地面内に浸透していき、生コンクリートが硬化することによって、地面と生コンクリートとが固定され、生コンクリートと側溝用ブロック100とが固定されるため、地面と側溝ブロック100とが固定されることになる。また、隣接する側溝用ブロック100同士も生コンクリートが硬化することによって互いに固定されることになる。
【0033】
こうして第1実施形態における側溝用コンクリートブロック100は、底板20が基礎として十分な重量を備えているので、基礎を構築することなく敷設面に直接設置することができる。このように、基礎と一体のコンクリートブロックを敷設するので基礎と上側のコンクリートブロックとの間での連結強度の低下はない。また、基礎と上側のコンクリートブロックのように2回の工程を必要としないので、工期を短縮することができる。また、生コンクリート打設用貫通孔28に生コンクリートを打設し、硬化することによって、隣接された側溝用コンクリートブロック100を互いに固定することができるので、互いにずれたり、離れたりすることを防止することができる。また、生コンクリート打設用貫通孔28は上面から下面まで貫通して形成されているので、生コンクリートを打設した場合に、地面まで到達した生コンクリートは地面内に浸透し、硬化することで側溝用ブロック100を地面に固定することができる。
【0034】
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例として、暗渠ブロック100cの構成の概略を示す斜視図である。
【0035】
第2実施形態における暗渠ブロック100cは、図10に示すように、水路を構成する両側壁10と底板20と上面板29を有する。
【0036】
両側壁10は、従来から存在する暗渠ブロックの側壁と同様の形態であり、底板20から垂直に立設された壁面からなる。
【0037】
底板20は、底板中央の厚さが17cmに設けられている。このように厚く形成されている理由は、第1実施形態と同様である。
【0038】
底板20の一方端部側は、厚さ10cm、幅17cmの2つの延設部21が一方端部の一方底板端面22から延設されている。延設長さは10cmに設定されている。2つの延設部21の間には、生コンクリートを打設するための第1生コンクリート挿入領域23が形成されている。
【0039】
底板20の他方端部側は、高さ10cm、奥行10cmの延設部挿入領域24を有する。さらに、他方端部側の底板20に、他方底板端面25から幅18cm、奥行き27cm切り欠かれてなる第2生コンクリート挿入領域26を有している。従って、第2実施形態においては、第1実施形態と比較して第2生コンクリート挿入領域26は大きく形成されている。
【0040】
上面板29は、第2生コンクリート挿入領域26の上面側が一部開口されている開口領域29aを有する。これは、暗渠ブロック100cを連設した際に、生コンクリートを打設する領域を確保するためである。以上のように作製された暗渠ブロック100cは、実施例と同様にして敷設される。
【0041】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施しうる。
【0042】
上述した実施形態では、延設部21の延設長さと延設部挿入領域24の奥行きが同じ長さに設けられているが、これに限定するものではなく、例えば、図11に示すように延設部21の延設長さが延設部挿入領域24の長さより短く形成されていてもよい。このように形成した場合は、延設部先端21dと奥行き面24gとの間に隙間が形成されることになる。しかし、コンクリート打設用貫通孔(図示しない。)に生コンクリートを打設すれば、延設部先端21dと奥行き面24gとの間の隙間に生コンクリートが流れ込むので、互いの隙間は埋められることになる。こうして、隣接する水路構成用コンクリートブロック100dは互いに固定される。この場合生コンクリートが地面と接する面積が大きくなるため、地面と水路構成用コンクリートブロック100dとの固定がより強くなるという効果がある。
【0043】
また、上述した実施形態では、延設部21の上面が平面状に形成され、一方、延設部挿入領域24の下面が平面状に設けられているが、これに限定するものではなく、延設部21の上面に凹凸面を設け、一方、延設部挿入領域24の下面には、この凹凸面と対称の凹凸面を設けて嵌合可能に設けてもよい。例えば、図12に示すように、延設部21の内側端部に略直方体の突出部21eを設けて延設部21の上面を凹凸面とし、一方、延設部挿入領域24の下面にはこれと嵌合する凹部24bを設け、凹凸面と対称の対称凹凸面としてもよい。こうした構成を採用することによって、水路構成用コンクリートブロック100dを隣接配置した際に水平方向であって水路の長手方向に対して垂直の方向へずれるのを防止することができる。また、図13に示すように、延設部21の上面21fに円形の突出部21gを設け、一方、延設部挿入領域の下面24aにこれと対称の円形の凹部24cを設ければ、水平方向の全方向へのずれを防止することができる。
【0044】
さらに、上述した実施形態では、延設部21が底板20の両側面と面一となるように延設されているが、これに限定するものではなく、図14に示すように、延設部21は両側面より内側から延設されていてもよい。こうして形成された延設部21に対して、他方端部側がこの延設部21の両側から覆うように係止壁24dを設ければ、延設部挿入領域24において延設部21を外側から位置決め可能となる。このように構成すれば、複数の水路構成用コンクリートブロック100dを隣接配置した場合に、多少、延設部21の上面21fと延設部挿入領域24の下面24aとの間に隙間が発生しても、隣接する水路構成用コンクリートブロック100dが水平方向へずれるのを防止することができる。よって、敷設する際に、水路構成用コンクリートブロックの高さ位置を調整する場合に、水平方向のずれを考慮することなく調整することができる。
【0045】
上述した実施形態では、底板20の厚さは、17cmとしてが、これに限定するものではなく、基礎としての重量を備える底板20であれば、その厚さは限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0046】
上述した実施形態で示すように、水路を構成するコンクリートブロックとして産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
10…両側壁、20…底板、21…延設部、21a…延設部、21b…延設部、21d…延設部先端、21e…突出部、21f…上面、21g…突出部、22…一方底板端面、23…第1生コンクリート挿入領域、24…延設部挿入領域、24a…下面、24b…凹部、24c…凹部、24d…係止壁、24g…面、25…他方底板端面、26…第2生コンクリート挿入領域、27…生コンクリート打設用底板貫通孔、28…生コンクリート打設用貫通孔、29…上面板、29a…開口領域、30…端面、31…端面、40…延設片、100…側溝用ブロック、100a…側溝用ブロック、100b…側溝用ブロック、100c…暗渠ブロック、100d…水路構成用コンクリートブロック。
【技術分野】
【0001】
本発明は、側溝用ブロック、暗渠ブロック等の水路構成用コンクリートブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、側溝用ブロック、暗渠ブロック等のコンクリート製の建設製品を地面に設置するのに使用する基礎ブロックとして、地面に設置され上面にコンクリート製の建設製品を載置する載置部を備えたコンクリート製の本体と、この本体の上面に形成され生コンクリートが充填される凹状の充填部と、前記本体に形成され前記充填部から該本体の下面まで貫通する貫通孔と、前記載置部に形成され前記充填部と外部とを連通させる連通溝とを備えている基礎ブロックを提案している(特許文献1)。
【0003】
上記の基礎ブロックによれば、凹状の充填部に生コンクリートを充填し、建設製品を載置すれば、生コンクリートは建設製品に押さえられて密着する。さらに、生コンクリートは、貫通孔を通して本体の下面に侵入し、本体と地面との空間部に充填される。余分の生コンクリートは、連通溝から外部に排出される。そして、生コンクリートが硬化すると、建設製品は本体に結合され、これにより、建設製品が地面に確実に固定されるという効果を有する。
【0004】
しかし、上記基礎ブロックによれば、生コンクリートで側溝用ブロックや暗渠ブロック等を基礎に固定できるものの、やはり一体で成形したブロックと比較すると強度が落ちる可能性があった。また、一旦基礎ブロックを敷設した後に、側溝用ブロックや暗渠ブロックを敷設しなければならないため、工程が多く全体を敷設するのに時間がかかるという課題があった。
【特許文献1】特開平06−316940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明はこうした課題を鑑みてなされたものであり、側溝用ブロック又は暗渠ブロック等の水路構成用コンクリートブロックの基礎を構築することなく、直接地面に敷設することができる水路構成用コンクリートブロックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の目的を達成するために、以下の手段を採った。
【0007】
本発明の水路構成用コンクリートブロックは、
基礎としての重量を備えた底板を有する水路を構成する水路構成用コンクリートブロックにおいて、
一方端部の底板の少なくとも1部から横方向に延設した少なくとも2つの延設部と、
他方端部の前記底板の少なくとも1部に形成された前記延設部と同じ高さを有し、かつ挿入可能な大きさを有する延設部挿入領域と、
前記一方端部側の前記延設部の間に形成される第1生コンクリート挿入領域と、
前記他方端部側の前記底板に、他方端部端面から切り欠かれてなる第2生コンクリート挿入領域と、を備えてなり、
一方端部と、他の水路構成用コンクリートブロックの他方端部を隣接配置した場合に、前記第1生コンクリート挿入領域と前記第2生コンクリート挿入領域とが上面から下面まで連通してなる生コンクリート打設用貫通孔を構成することを特徴とする。
【0008】
本発明の水路構成用コンクリートブロックは、基礎として十分な重量を備えた底板を有しているので、基礎を構築する必要がなく直接地面に水路構成用コンクリートブロックを設置可能である。よって、基礎を構築する工程を省くことができ、工期の短縮に資する。また、基礎と基礎の上側に配置される側溝用ブロックのように、基礎と建設製品は別体ではなく、基礎と一体のコンクリートブロックを敷設するので基礎と上側の建設製品との間での連結強度の低下を防止することができる。さらに、複数の水路構成用コンクリートブロックを隣接配置した場合に、隣接された水路構成用コンクリートブロックの間に生コンクリート打設用貫通孔が形成される。この生コンクリート打設用貫通孔に生コンクリートを打設し、硬化させることによって、隣接された水路構成用コンクリートブロック同士を互いに固定することができる。こうして、隣接する水路構成用コンクリートブロックが互いにずれたり、離れたりすることを防止することができる。また、生コンクリート打設用貫通孔は上面から下面まで貫通して形成されているので、生コンクリートを打設した場合に生コンクリート打設用貫通孔を介して地面まで生コンクリートが到達する。よって、地面まで到達した生コンクリートは地面内に浸透し、硬化することで水路構成用コンクリートブロックを地面に固定することができる。このように、本発明の水路構成用コンクリートブロックによれば、生コンクリートを打設すれば、隣接するコンクリートブロック同士、地面と水路構成用コンクリートブロックの両方を固定することができる。さらに、水路構成用コンクリートブロックを隣接配置する場合に、延設部の高さと延設部挿入領域の高さとが同じであるので、延設部の上面と延設部挿入領域の下面との間で高さ方向の位置関係が規定される。このため、隣接する水路構成用コンクリートブロック同士の高さ方向の位置決めがなされ、隣接する水路構成用コンクリートブロックが高さ方向にずれて配置されるのを防止することができる。
【0009】
さらに、本発明の水路構成用コンクリートブロックとして、前記延設部の延設長さと延設部挿入領域の奥行きの長さとが、同じ長さであってもよい。
【0010】
かかる構成を採用することによって、複数の水路構成用コンクリートブロックを隣接配置した場合に、延設部端部の端面と延設部挿入領域の奥行き端面との間に隙間が発生しないように設置すれば、隣接する水路構成用コンクリートブロック同士が曲がって配置されることを防止することができる。
【0011】
さらに、本発明の水路構成用コンクリートブロックとして、前記延設部の上面は凹凸面を有し、前記延設部挿入領域の下面は前記凹凸面に対して対称である対称凹凸面を有していてもよい。
【0012】
かかる構成を採用することによって、複数の水路構成用コンクリートブロックを隣接配置した場合に、凹凸面と対称凹凸面が重なり合って、水平方向の一定方向又は全方向に対して位置決めがされるので、一定方向又は全方向に対して隣接した水路構成用コンクリートブロックがお互いにずれるのを防止することができる。
【0013】
さらに、本発明の水路構成用コンクリートブロックとして、前記凹凸面は延設部上面の中央から突出する突出部を有し、前記対称凹凸面は前記突出部と対称な凹面を有していてもよい。
【0014】
かかる構成を採用することによって、複数の水路構成用コンクリートブロックを隣接配置した場合に、凹凸面と対称凹凸面は互いに嵌合して位置決めされるため、隣接した水路構成用コンクリートブロックが水平方向の全方向に対してもずれることを防止することができる。
【0015】
さらに、本発明の水路構成用コンクリートブロックとして、前記延設部は、底板両側面より内側に形成され、前記延設部挿入領域は係止壁を有し、前記延設部を外側から位置決め可能に形成されていてもよい。
【0016】
かかる構成を採用することによって、複数の水路構成用コンクリートブロックを隣接配置した場合に、水平方向へのずれを防止することができる。また、敷設する際に、外側壁内に延設部を挿入すれば、水平方向の位置決めがなされるので、設置した状態で位置ずれの調整をする必要性を低減することができる。
【0017】
さらに、本発明の水路構成用コンクリートブロックとして、前述に記載の水路構成用コンクリートブロックを複数隣接配置し、形成された生コンクリート打設用貫通孔に生コンクリートを打設して敷設されたものでもよい。
【0018】
かかる構成を採用することによって、複数の水路構成用コンクリートブロックを隣接配置し、生コンクリートを生コンクリート打設用貫通孔に打設することによって、隣接する水路構成用コンクリートブロックが互いに固定され、かつ地面にも固定された水路構成用コンクリートブロックとすることができる。
【0019】
さらに、本発明の水路構成用コンクリートブロックを敷設する方法は、前述に記載の水路構成用コンクリートブロックを複数隣接配置した後、
形成された生コンクリート打設用貫通孔に生コンクリートを打設して敷設したことを特徴とする。
【0020】
かかる構成を採用することによって、水路構成コンクリートブロックを隣接配置した際に、生コンクリートを生コンクリート打設用貫通孔に打設することによって、隣接する水路構成用コンクリートブロックが互いに固定され、かつ地面にも固定された水路を敷設することができる。このため、短工期で水路を構成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る水路構成用コンクリートブロックによれば、側溝用ブロック又は暗渠ブロック等の水路構成用コンクリートブロックの基礎を構築することなく、直接地面に敷設することができる水路構成用コンクリートブロックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての側溝用ブロック100の構成の概略を示す一方端部側からみた斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての側溝用ブロック100の構成の概略を示す一方端部側からみた端面図である。
【図3】第1実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての側溝用ブロック100の構成の概略を示す他方端部側からみた斜視図である。
【図4】第1実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての側溝用ブロック100の構成の概略を示す他方端部側からみた端面図である。
【図5】第1実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての側溝用ブロック100を敷設する工程の一部を示す斜視図である。
【図6】図6aは、第1実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての側溝用ブロック100を2つ敷設した状態を示す平面図であり、図6bは、A−A断面図である。
【図7】図6に示す平面図のB−B断面図である。
【図8】第1実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての側溝用ブロック100を敷設する工程の一部を示す斜視図である。
【図9】第1実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての側溝用ブロック100を敷設する工程の一部を示す断面図である。
【図10】第2実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての暗渠ブロック100cの構成の概略を示す透視斜視図である。
【図11】実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの延設部の変形例を示す概略図である。
【図12】実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの延設部の別変形例を示す概略図である。
【図13】実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの延設部のさらに別変形例を示す概略図である。
【図14】実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの延設部のさらに別変形例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について、図面に沿って詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではない。なお、各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号が付されている。
【0024】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての側溝用ブロック100の構成の概略を示す一方端部側からみた斜視図である。図3は、第1実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例としての側溝用ブロック100の構成の概略を示す他方端部側からみた斜視図である。
【0025】
第1実施形態における側溝用ブロック100は、図1に示すように、水路を構成する両側壁10と底板20とを有する。
【0026】
両側壁10は、従来から存在する側溝用ブロックの側壁と同様の形態であり、底板20から垂直に立設された壁面からなる。
【0027】
底板20は、水路の中心線αにおいて、厚さ17cmに形成されている。一般の側溝用ブロックの底板の厚さが7cm程度であることから、従来と比較すると厚く形成されている。このように厚く形成されているのは、底板20が側溝用ブロック100の底板としての機能に加えて、基礎としての機能をもたせるためである。すなわち、基礎として機能するための重量を増加させ、かつ強度を強化させたものである。さらに、本実施形態では、基礎部分の重量を増加させるために、側壁から延設された延設片40が形成されている。
【0028】
底板20の一方端部側には、厚さ10cm、幅17cm及び延設長さ10cmの2つの延設部21が一方底板端面22から横方向に延設されている。2つの延設部21a、延設部21bの間には、生コンクリートを打設するための第1生コンクリート挿入領域23が形成されている(図2参照)。
【0029】
底板20の他方端部側は、図3に示すように、高さ10cm、奥行10cmの延設部挿入領域24(図4参照)が形成されている。さらに、他方端部側の底板20に、他方底板端面25から幅18cm、奥行き10cmの大きさで切り欠かれてなる第2生コンクリート挿入領域26を有している。
【0030】
さらに、底板20には生コンクリートを打設するための生コンクリート打設用底板貫通孔27が底板20の上面から下面まで貫通して2カ所形成されている。
【0031】
第1生コンクリート挿入領域23と第2生コンクリート挿入領域26は、隣接配置された際に生コンクリート打設用貫通孔28を形成することになる(図6参照)。生コンクリート打設用貫通孔28は、テーパーが設けられていて下方にいくほど面積が広くなるように形成されている(図7参照)。こうした構成を採用することによって、生コンクリートを生コンクリート打設用貫通孔28に打設した場合に、壁面が垂直な生コンクリート打設用貫通孔28と比較して、地面と生コンクリートが接触する面積を生コンクリート打設用貫通孔の上面より大きくでき、地面との固定力が大きくなる。
【0032】
以上のように作製された側溝用ブロック100は、以下のように地面に敷設され水路を構成する。まず、図5に示すように、側溝用ブロック100aを敷設する地盤をならし、その地盤に側溝用ブロック100aを載置する。そして、載置された側溝用ブロック100aに隣接させ、かつ延設部21が延設部挿入領域24に配置されるように他の側溝用ブロック100bを載置する。この際に、延設部21の高さと延設部挿入領域24の高さが同じであるので、隣接する側溝用ブロック100同士の高さ方向の位置決めがなされ、高さ方向にずれて配置されるのを防止することができる。そして、側溝用ブロック100は、図6に示すように互いに端面同士が密着した状態で敷設される。この際に第1実施形態においては、図5に示すように、延設部の延設長さβと延設部挿入領域の奥行きの長さγとが、同じ長さに形成されているので、延設部の端面30と延設部挿入領域の奥行き端面31との間に隙間が発生させずに配置することによって、側溝用ブロック100a、100bを直線に配置することができる。隣接配置された側溝用ブロック100a、側溝用ブロック100bは、図7に示すように、それぞれの間に生コンクリート打設用貫通孔28が形成される。同様にして、図8に示すように、水路を構成する場所に複数の側溝用ブロック100を配置する。その後、生コンクリート打設用貫通孔28及び生コンクリート打設用底板貫通孔27に生コンクリートを打設する。打設された生コンクリートは、図9に示すように、地面内に浸透していき、生コンクリートが硬化することによって、地面と生コンクリートとが固定され、生コンクリートと側溝用ブロック100とが固定されるため、地面と側溝ブロック100とが固定されることになる。また、隣接する側溝用ブロック100同士も生コンクリートが硬化することによって互いに固定されることになる。
【0033】
こうして第1実施形態における側溝用コンクリートブロック100は、底板20が基礎として十分な重量を備えているので、基礎を構築することなく敷設面に直接設置することができる。このように、基礎と一体のコンクリートブロックを敷設するので基礎と上側のコンクリートブロックとの間での連結強度の低下はない。また、基礎と上側のコンクリートブロックのように2回の工程を必要としないので、工期を短縮することができる。また、生コンクリート打設用貫通孔28に生コンクリートを打設し、硬化することによって、隣接された側溝用コンクリートブロック100を互いに固定することができるので、互いにずれたり、離れたりすることを防止することができる。また、生コンクリート打設用貫通孔28は上面から下面まで貫通して形成されているので、生コンクリートを打設した場合に、地面まで到達した生コンクリートは地面内に浸透し、硬化することで側溝用ブロック100を地面に固定することができる。
【0034】
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態に係る水路構成用コンクリートブロックの1例として、暗渠ブロック100cの構成の概略を示す斜視図である。
【0035】
第2実施形態における暗渠ブロック100cは、図10に示すように、水路を構成する両側壁10と底板20と上面板29を有する。
【0036】
両側壁10は、従来から存在する暗渠ブロックの側壁と同様の形態であり、底板20から垂直に立設された壁面からなる。
【0037】
底板20は、底板中央の厚さが17cmに設けられている。このように厚く形成されている理由は、第1実施形態と同様である。
【0038】
底板20の一方端部側は、厚さ10cm、幅17cmの2つの延設部21が一方端部の一方底板端面22から延設されている。延設長さは10cmに設定されている。2つの延設部21の間には、生コンクリートを打設するための第1生コンクリート挿入領域23が形成されている。
【0039】
底板20の他方端部側は、高さ10cm、奥行10cmの延設部挿入領域24を有する。さらに、他方端部側の底板20に、他方底板端面25から幅18cm、奥行き27cm切り欠かれてなる第2生コンクリート挿入領域26を有している。従って、第2実施形態においては、第1実施形態と比較して第2生コンクリート挿入領域26は大きく形成されている。
【0040】
上面板29は、第2生コンクリート挿入領域26の上面側が一部開口されている開口領域29aを有する。これは、暗渠ブロック100cを連設した際に、生コンクリートを打設する領域を確保するためである。以上のように作製された暗渠ブロック100cは、実施例と同様にして敷設される。
【0041】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施しうる。
【0042】
上述した実施形態では、延設部21の延設長さと延設部挿入領域24の奥行きが同じ長さに設けられているが、これに限定するものではなく、例えば、図11に示すように延設部21の延設長さが延設部挿入領域24の長さより短く形成されていてもよい。このように形成した場合は、延設部先端21dと奥行き面24gとの間に隙間が形成されることになる。しかし、コンクリート打設用貫通孔(図示しない。)に生コンクリートを打設すれば、延設部先端21dと奥行き面24gとの間の隙間に生コンクリートが流れ込むので、互いの隙間は埋められることになる。こうして、隣接する水路構成用コンクリートブロック100dは互いに固定される。この場合生コンクリートが地面と接する面積が大きくなるため、地面と水路構成用コンクリートブロック100dとの固定がより強くなるという効果がある。
【0043】
また、上述した実施形態では、延設部21の上面が平面状に形成され、一方、延設部挿入領域24の下面が平面状に設けられているが、これに限定するものではなく、延設部21の上面に凹凸面を設け、一方、延設部挿入領域24の下面には、この凹凸面と対称の凹凸面を設けて嵌合可能に設けてもよい。例えば、図12に示すように、延設部21の内側端部に略直方体の突出部21eを設けて延設部21の上面を凹凸面とし、一方、延設部挿入領域24の下面にはこれと嵌合する凹部24bを設け、凹凸面と対称の対称凹凸面としてもよい。こうした構成を採用することによって、水路構成用コンクリートブロック100dを隣接配置した際に水平方向であって水路の長手方向に対して垂直の方向へずれるのを防止することができる。また、図13に示すように、延設部21の上面21fに円形の突出部21gを設け、一方、延設部挿入領域の下面24aにこれと対称の円形の凹部24cを設ければ、水平方向の全方向へのずれを防止することができる。
【0044】
さらに、上述した実施形態では、延設部21が底板20の両側面と面一となるように延設されているが、これに限定するものではなく、図14に示すように、延設部21は両側面より内側から延設されていてもよい。こうして形成された延設部21に対して、他方端部側がこの延設部21の両側から覆うように係止壁24dを設ければ、延設部挿入領域24において延設部21を外側から位置決め可能となる。このように構成すれば、複数の水路構成用コンクリートブロック100dを隣接配置した場合に、多少、延設部21の上面21fと延設部挿入領域24の下面24aとの間に隙間が発生しても、隣接する水路構成用コンクリートブロック100dが水平方向へずれるのを防止することができる。よって、敷設する際に、水路構成用コンクリートブロックの高さ位置を調整する場合に、水平方向のずれを考慮することなく調整することができる。
【0045】
上述した実施形態では、底板20の厚さは、17cmとしてが、これに限定するものではなく、基礎としての重量を備える底板20であれば、その厚さは限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0046】
上述した実施形態で示すように、水路を構成するコンクリートブロックとして産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
10…両側壁、20…底板、21…延設部、21a…延設部、21b…延設部、21d…延設部先端、21e…突出部、21f…上面、21g…突出部、22…一方底板端面、23…第1生コンクリート挿入領域、24…延設部挿入領域、24a…下面、24b…凹部、24c…凹部、24d…係止壁、24g…面、25…他方底板端面、26…第2生コンクリート挿入領域、27…生コンクリート打設用底板貫通孔、28…生コンクリート打設用貫通孔、29…上面板、29a…開口領域、30…端面、31…端面、40…延設片、100…側溝用ブロック、100a…側溝用ブロック、100b…側溝用ブロック、100c…暗渠ブロック、100d…水路構成用コンクリートブロック。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎としての重量を備えた底板を有する水路を構成する水路構成用コンクリートブロックにおいて、
一方端部の底板の少なくとも1部から横方向に延設した少なくとも2つの延設部と、
他方端部の前記底板の少なくとも1部に形成された前記延設部と同じ高さを有し、かつ挿入可能な大きさを有する延設部挿入領域と、
前記一方端部側の前記延設部の間に形成される第1生コンクリート挿入領域と、
前記他方端部側の前記底板に、他方端部端面から切り欠かれてなる第2生コンクリート挿入領域と、を備えてなり、
前記一方端部と、他の水路構成用コンクリートブロックの他方端部を隣接配置した場合に、前記第1生コンクリート挿入領域と前記第2生コンクリート挿入領域とが上面から下面まで連通してなる生コンクリート打設用貫通孔を構成することを特徴とする水路構成用コンクリートブロック。
【請求項2】
前記延設部の延設長さと前記延設部挿入領域の奥行きの長さとが、同じ長さであることを特徴とする請求項1に記載の水路構成用コンクリートブロック。
【請求項3】
前記延設部の上面は凹凸面を有し、前記延設部挿入領域の下面は前記凹凸面に対して対称である対称凹凸面を有してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の水路構成用コンクリートブロック。
【請求項4】
前記凹凸面は前記延設部の上面の中央から突出する突出部を有し、前記対称凹凸面は前記突出部と対称な凹面を有してなることを特徴とする請求項3に記載の水路構成用コンクリートブロック。
【請求項5】
前記延設部は、底板両側面より内側に形成され、前記延設部挿入領域は係止壁を有し前記延設部を外側から位置決め可能に形成されてなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の水路構成用コンクリートブロック。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の水路構成用コンクリートブロックを複数隣接配置し、
形成された生コンクリート打設用貫通孔に生コンクリートを打設して敷設されたことを特徴とする水路構成用コンクリートブロック。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の水路構成用コンクリートブロックを複数隣接配置した後、
形成された生コンクリート打設用貫通孔に生コンクリートを打設してなることを特徴とする水路構成用コンクリートブロックの敷設方法。
【請求項1】
基礎としての重量を備えた底板を有する水路を構成する水路構成用コンクリートブロックにおいて、
一方端部の底板の少なくとも1部から横方向に延設した少なくとも2つの延設部と、
他方端部の前記底板の少なくとも1部に形成された前記延設部と同じ高さを有し、かつ挿入可能な大きさを有する延設部挿入領域と、
前記一方端部側の前記延設部の間に形成される第1生コンクリート挿入領域と、
前記他方端部側の前記底板に、他方端部端面から切り欠かれてなる第2生コンクリート挿入領域と、を備えてなり、
前記一方端部と、他の水路構成用コンクリートブロックの他方端部を隣接配置した場合に、前記第1生コンクリート挿入領域と前記第2生コンクリート挿入領域とが上面から下面まで連通してなる生コンクリート打設用貫通孔を構成することを特徴とする水路構成用コンクリートブロック。
【請求項2】
前記延設部の延設長さと前記延設部挿入領域の奥行きの長さとが、同じ長さであることを特徴とする請求項1に記載の水路構成用コンクリートブロック。
【請求項3】
前記延設部の上面は凹凸面を有し、前記延設部挿入領域の下面は前記凹凸面に対して対称である対称凹凸面を有してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の水路構成用コンクリートブロック。
【請求項4】
前記凹凸面は前記延設部の上面の中央から突出する突出部を有し、前記対称凹凸面は前記突出部と対称な凹面を有してなることを特徴とする請求項3に記載の水路構成用コンクリートブロック。
【請求項5】
前記延設部は、底板両側面より内側に形成され、前記延設部挿入領域は係止壁を有し前記延設部を外側から位置決め可能に形成されてなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の水路構成用コンクリートブロック。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の水路構成用コンクリートブロックを複数隣接配置し、
形成された生コンクリート打設用貫通孔に生コンクリートを打設して敷設されたことを特徴とする水路構成用コンクリートブロック。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の水路構成用コンクリートブロックを複数隣接配置した後、
形成された生コンクリート打設用貫通孔に生コンクリートを打設してなることを特徴とする水路構成用コンクリートブロックの敷設方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−127081(P2012−127081A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278065(P2010−278065)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(502302938)愛知コンクリート工業株式会社 (1)
【出願人】(000246343)株式会社イビコン (31)
【出願人】(510299949)神谷コンクリート株式会社 (1)
【出願人】(506367722)西尾コンクリート工業株式会社 (2)
【出願人】(507050137)平和コンクリート工業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(502302938)愛知コンクリート工業株式会社 (1)
【出願人】(000246343)株式会社イビコン (31)
【出願人】(510299949)神谷コンクリート株式会社 (1)
【出願人】(506367722)西尾コンクリート工業株式会社 (2)
【出願人】(507050137)平和コンクリート工業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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