説明

水電解システム及びその吸着装置交換方法

【課題】簡単な構成及び工程で、吸着装置の交換作業が迅速且つ良好に遂行され、効率的なメンテナンス作業を遂行することを可能にする。
【解決手段】水電解システム10は、水電解装置14と、生成された水素に含まれる水分を吸着して除去しドライ水素を得る水吸着装置20と、前記水吸着装置20に連通して前記ドライ水素をシステム外部に供給するためのドライ水素供給装置24と、前記水吸着装置20を交換するための第1及び第2分離部42a、42bと、前記ドライ水素供給路22から分岐するパージガス供給路46に設けられ、前記水吸着装置20を交換する際に、貯留されている前記ドライ水素を新たな該水吸着装置20にパージガスとして供給するパージ専用水素タンク48と、前記水素導出路16から分岐し、前記水吸着装置20に供給されたパージガスを排出するパージ流路52とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧の水素を生成する高圧水電解装置と、生成された前記水素に含まれる水分を吸着して除去しドライ水素を得る吸着装置と、前記吸着装置にドライ水素供給路を介して連通し、前記ドライ水素をシステム外部に供給するためのドライ水素供給装置とを備える水電解システム及びその吸着装置交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、固体高分子型燃料電池は、アノード側電極に燃料ガス(主に水素を含有するガス、例えば、水素ガス)が供給される一方、カソード側電極に酸化剤ガス(主に酸素を含有するガス、例えば、空気)が供給されることにより、直流の電気エネルギを得ている。
【0003】
一般的に、燃料ガスである水素ガスを製造するために、水電解装置が採用されている。この水電解装置は、水分を含んだ水素を生成しており、乾燥状態の水素(以下、ドライ水素という)を得るために、前記水素から水分を除去する必要がある。
【0004】
例えば、特許文献1に開示されている高圧水素製造装置は、図5に示すように、酸素高圧容器1、差圧調整装置2、水素高圧容器3、電解セル4、水分吸着筒5、背圧弁6、水素冷却器7及び脱酸素筒8を備えている。
【0005】
酸素高圧容器1内の純水は、循環ポンプを介して電解セル4の陽極側に送られるとともに、電源から前記電解セル4に通電することによって、前記純水が電気分解されている。この電気分解により電解セル4に発生した酸素は、循環ポンプの循環水戻り純水とともに、酸素高圧容器1に送られている。
【0006】
電解セル4の陰極に発生した水素は、透過水とともに、水素高圧容器3内に放出されている。その際、差圧調整装置2により酸素高圧容器1内の圧力と水素高圧容器3内の圧力が等しくなっている。
【0007】
水素高圧容器3に貯留された水素は、脱酸素筒8を介して該水素中に含まれる酸素が除去された後、水素冷却器7で冷却されて露点温度以上の水分を結露させている。さらに、除湿された水素は、背圧弁6に連絡されている水分吸着筒5で水分が除去されることにより、製品水素(ドライ水素)が得られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−100204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の高圧水素製造装置では、水分吸着筒5に充填されている吸着剤が、水素に含有される水分を物理的に吸着する機能を有しているが、使用によって吸着力が低下する。従って、所望のドライ水素を確実に生成するために、定期的に、吸着剤を再生させる作業や、新たな吸着剤が充填された水分吸着筒5と交換する作業が必要となっている。
【0010】
しかしながら、水分吸着筒5に充填されている吸着剤の再生処理には、相当な時間がかかってしまう。このため、再生処理の間、ドライ水素の供給が制限されるという問題がある。
【0011】
一方、新たな水分吸着筒5と交換する際には、交換作業中に水素ラインに外気が混入するおそれがある。これにより、水分吸着筒5の交換作業後に、前記水分吸着筒5を含む水素ラインを水素によりパージする必要があり、通常、水素ボンベを別途準備しなければならない。従って、外部から水素ラインに水素ボンベを接続し、この水素ボンベ内の水素によるパージ処理を行った後、前記水素ボンベを前記水素ラインから取り外す作業が行われる。このため、パージ処理全体が煩雑で且つ時間のかかる作業になるという問題がある。
【0012】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単な構成及び工程で、吸着装置の交換作業が迅速且つ良好に遂行され、効率的なメンテナンス作業を遂行することが可能な水電解システム及びその吸着装置交換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、水を電気分解して酸素と該酸素よりも高圧な水素とを生成する高圧水電解装置と、前記高圧水電解装置の水素出口に水素導出路を介して連通し、生成された前記水素に含まれる水分を吸着して除去しドライ水素を得る吸着装置と、前記吸着装置のドライ水素出口にドライ水素供給路を介して連通し、前記ドライ水素をシステム外部に供給するためのドライ水素供給装置とを備える水電解システムに関するものである。
【0014】
この水電解システムは、吸着装置の上流及び下流に設けられ、前記吸着装置を水素ラインから取り外すための第1分離部及び第2分離部と、ドライ水素供給装置の上流で前記ドライ水素供給路から分岐するパージガス供給路と、前記パージガス供給路に設けられ、ドライ水素を貯留するとともに、前記吸着装置を交換する際に、貯留されている前記ドライ水素を新たな該吸着装置にドライ水素出口側からパージガスとして供給するパージ専用水素タンクと、水素導出路から分岐し、前記パージガスとして前記吸着装置に供給された前記ドライ水素を、前記水素導出路から排出するパージ流路とを備えている。
【0015】
また、本発明は、水を電気分解して酸素と該酸素よりも高圧な水素とを生成する高圧水電解装置と、前記高圧水電解装置の水素出口に水素導出路を介して連通し、生成された前記水素に含まれる水分を吸着して除去しドライ水素を得る吸着装置と、前記吸着装置のドライ水素出口にドライ水素供給路を介して連通し、前記ドライ水素をシステム外部に供給するためのドライ水素供給装置と、前記吸着装置の上流及び下流に設けられ、前記吸着装置を水素ラインから取り外すための第1分離部及び第2分離部と、前記ドライ水素供給装置の上流で前記ドライ水素供給路から分岐するパージガス供給路と、前記パージガス供給路に設けられ、前記ドライ水素を貯留するとともに、前記吸着装置を交換する際に、貯留されている前記ドライ水素を新たな該吸着装置に前記ドライ水素出口側からパージガスとして供給するパージ専用水素タンクと、前記水素導出路から分岐し、前記パージガスとして前記吸着装置に供給された前記ドライ水素を、前記水素導出路から排出するパージ流路とを備える水電解システムの吸着装置交換方法に関するものである。
【0016】
この吸着装置交換方法は、使用後の吸着装置を水電解システムから取り外す一方、新たな吸着装置を前記水電解システムに接続する工程と、パージ専用水素タンクに貯留されているドライ水素を、新たな該吸着装置にドライ水素出口側からパージガスとして供給するとともに、前記吸着装置の水素入口から導出された前記ドライ水素を、水素導出路から分岐する前記パージ流路に排出する工程と、高圧水電解装置を運転させるとともに、前記吸着装置から導出される前記ドライ水素を前記パージ専用水素タンクに充填する工程とを有している。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ドライ水素供給路から分岐するパージガス供給路に、パージ専用水素タンクが設けられている。このため、吸着装置を交換する際には、パージ専用水素タンクに貯留されているドライ水素を、パージガスとして使用することができる。このドライ水素は、ドライ水素出口側から吸着装置内に供給された後、水素導出路から分岐するパージ流路に排出される。
【0018】
従って、パージ処理のために、別途水素ボンベを準備する必要がなく、前記水素ボンベの着脱作業が不要になる。これにより、簡単な構成及び工程で、吸着装置の交換作業が迅速且つ良好に遂行され、効率的なメンテナンス作業を遂行することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る水電解システムの概略構成説明図である。
【図2】前記水電解システムの吸着装置交換方法を説明するフローチャートである。
【図3】前記水電解システムにおけるパージ処理の説明図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る水電解システムの概略構成説明図である。
【図5】特許文献1に開示されている高圧水素製造装置の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る水電解システム10は、純水供給装置12を介して市水から生成された純水が供給され、この純水を電気分解することによって酸素と該酸素よりも高圧な水素を製造する水電解装置(高圧水電解装置)14と、前記水電解装置14から水素導出路16に導出される高圧な前記水素に含まれる水分を吸着して除去する水吸着装置(吸着装置)20と、前記水吸着装置20の下流にドライ水素供給路22を介して連通し、前記水分が除去されたドライ水素をシステム部、例えば、後述する燃料電池車両58等に供給するためのドライ水素供給装置24と、システム全体の制御を行うコントローラ25とを備える。
【0021】
水電解装置14は、複数の水分解セル26を積層しており、前記水分解セル26の積層方向両端には、エンドプレート28a、28bが配設される。水電解装置14には、直流電源である電解電源30が接続される。水電解装置14の陽極(アノード)は、電解電源30のプラス極に接続される一方、陰極(カソード)は、前記電解電源30のマイナス極に接続される。
【0022】
エンドプレート28aには、配管32aが接続されるとともに、エンドプレート28bには、配管32b、32cが接続される。配管32a、32bは、循環路34に配設される水ポンプ36を介して純水供給装置12から純水の循環が行われる。
【0023】
水素排出口である配管32cには、水素導出路16が接続されるとともに、前記水素導出路16は、逆止弁38を介装して気液分離器18に接続される。水素導出路16には、気液分離器18の下流に位置して圧力調整弁、例えば、背圧弁40が配設される。この背圧弁40は、気液分離器18から排出される水素を、常圧よりも高圧(例えば、35MPa)に維持する機能を有する。なお、背圧弁40に代えて、電磁弁等の種々の弁を使用してもよい。
【0024】
水吸着装置20は、水素に含まれる水蒸気(水分)を物理的吸着作用で吸着するとともに、水分を外部に放出して再生される水分吸着材を充填した吸着塔(図示せず)を備える。水吸着装置20の水素入口20aとドライ水素出口20bとに近接して、水素導出路16とドライ水素供給路22とには、第1分離部42aと第2分離部42bとが設けられる。第1及び第2分離部42a、42bを操作することにより、水吸着装置20は、水電解システム10の水素ライン(水素導出路16及びドライ水素供給路22を含むライン)から着脱されて交換自在となる。
【0025】
水素導出路16には、第1分離部42aの上流近傍に、第1バルブ(手動弁又は電磁弁)44aが配設される一方、ドライ水素供給路22には、第2分離部42bの下流近傍に、第2バルブ(手動弁又は電磁弁)44bが配置される。ドライ水素供給路22には、ドライ水素供給装置24の上流、具体的には、第2分離部42bと第2バルブ44bとの間からパージガス供給路46が分岐する。
【0026】
パージガス供給路46には、吸着装置20を交換する際に、貯留されているドライ水素を新たな前記吸着装置20にドライ水素出口20b側からパージガスとして供給するパージ専用水素タンク48が接続される。パージガス供給路46には、パージ専用水素タンク48側から流量調整用絞り弁50及び第3バルブ(電磁弁)44cが配置される。
【0027】
水素導出路16には、第1分離部42aと第1バルブ44aとの間からパージ流路52が分岐する。このパージ流路52には、第4バルブ(電磁弁)44dが配設される。
【0028】
ドライ水素供給路22には、ドライ水素供給装置24を構成する水素タンク54に接続される。水素タンク54には、開閉弁56が配設され、燃料電池車両58の燃料タンク(図示せず)に接続可能である。なお、水素タンク54は、必要に応じて備えていればよく、この水素タンク54を削除して、ドライ水素供給路22から燃料電池車両58に水素ガスを直接供給することも可能である。
【0029】
このように構成される水電解システム10の動作について、以下に説明する。
【0030】
先ず、純水供給装置12を介して市水から生成された純水が、水電解装置14に供給される。この水電解装置14では、電解電源30から通電されることにより、純水が電気分解されて水素の生成が行われる。
【0031】
水電解装置14内に生成された水素は、水素導出路16を介して気液分離器18に送られる。この気液分離器18では、水素に含まれる水蒸気が、この水素から分離される。水蒸気が除去された水素は、背圧弁40を介して高圧水素となった後、水吸着装置20の水素入口20aに送られる。
【0032】
水吸着装置20では、水素に含まれる水蒸気が吸着されて乾燥状態の水素(ドライ水素)が得られる。さらに、水吸着装置20のドライ水素出口20bからドライ水素供給路22にドライ水素が導出される。このドライ水素は、ドライ水素供給装置24に送られて水素タンク54に貯蔵される。この水素タンク54に貯蔵されたドライ水素は、必要に応じて開閉弁56の開放作用下に、燃料電池車両58に充填される。
【0033】
次いで、第1の実施形態に係る水電解システム10の吸着装置交換方法について、図2に示すフローチャートに沿って、以下に説明する。
【0034】
水吸着装置20が、使用時間等から交換が必要であると判断されると(ステップS1中、YES)、ステップS2に進んで、水電解装置14の運転が停止される。さらに、ステップS3に進み、第1及び第2バルブ44a、44bが閉塞された後、第1及び第2分離部42a、42bが分離されて使用後の水吸着装置20が水電解システム10から取り外される一方、新たな水吸着装置20が前記水電解システム10に取り付けられる(ステップS4)。
【0035】
新たな水吸着装置20が、水素ラインに接続された後、ステップS5に進んで、第4バルブ44dが開放される。そして、第3バルブ44cが開放されると(ステップS6)、パージ専用水素タンク48に充填されている高圧のドライ水素は、パージガス供給路46を通ってドライ水素供給路22に導出される。
【0036】
このドライ水素は、水吸着装置20のドライ水素出口20bから前記水吸着装置20内に導入され、パージガスとして該水吸着装置20内の窒素ガス等と置換される。このパージガスは、水吸着装置20の水素入口20aからパージ流路52を介してシステム外にパージされる(図3参照)。
【0037】
さらに、ステップS7では、新たな水吸着装置20のパージ処理が終了したか否かが判断される。水吸着装置20のパージ処理の終了判断は、例えば、第3バルブ44cを開放してからの経過時間や、図示しない水素濃度計による検出結果等に基づいて行うことができる。
【0038】
新たな水吸着装置20の水素パージ処理が終了すると(ステップS7中、YES)、ステップS8に進んで、第4バルブ44dが閉塞された後、第3バルブ44cが閉塞される(ステップS9)。そして、第1バルブ44aが開放された後(ステップS10)、ステップS11に進んで、水電解装置14の運転が再開される。その際、第2バルブ44bが閉塞された状態で、第3バルブ44cが開放される(ステップS12)。
【0039】
このため、水電解装置14により生成された水素は、水吸着装置20で水蒸気が吸着され、ドライ水素として、パージガス供給路46を通ってパージ専用水素タンク48に充填される。ドライ水素がパージ専用水素タンク48に所定の圧力まで充填されると(ステップS13中、YES)、ステップS14に進んで、第3バルブ44cが閉塞される。
【0040】
次に、ステップS15に進み、第2バルブ44bが開放されることにより、水吸着装置20からドライ水素供給路22に排出されるドライ水素は、ドライ水素供給装置24を構成する水素タンク54に充填される。さらに、上記の工程は、水電解処理を終了するまで行われる(ステップS16)。
【0041】
この場合、第1の実施形態では、水吸着装置20のドライ水素出口20bに接続されるドライ水素供給路22からパージガス供給路46が分岐するとともに、このパージガス供給路46には、パージ専用水素タンク48が設けられている。そして、パージ専用水素タンク48には、予め水電解装置14で生成された水素が、水吸着装置20を通ってドライ水素となった後に、充填されている。
【0042】
従って、水吸着装置20を新たな水吸着装置20と交換する際には、パージ専用水素タンク48に貯留されているドライ水素を、パージガスとして使用することができる。すなわち、パージ専用水素タンク48内のドライ水素は、ドライ水素出口20bから水吸着装置20内に供給された後、水素導出路16から分岐するパージ流路52に排出されている(図3参照)。
【0043】
このため、新たな水吸着装置20のパージ処理のために、別途水素ボンベを準備する必要がなく、前記水素ボンベの着脱作用が不要になる。しかも、新たな水吸着装置20のパージ処理を行っている間に、水素タンク54に貯留されているドライ水素を、燃料電池車両58に充填することができ、水素供給処理が効率的且つ良好に遂行可能になる。
【0044】
これにより、簡単な構成及び工程で、水吸着装置20の交換作業が迅速且つ良好に遂行され、第1及び第2分離部42a、42b間は、自動的且つ確実に水素ガスによるパージがなされることになる。このため、効率的なメンテナンス作業を遂行することができるという効果が得られる。
【0045】
さらに、上記の水素パージ処理時には、水吸着装置20の交換が行われた後、先ず、第4バルブ44dが開放された後、第3バルブ44cが開放されている(ステップS5、ステップS6参照)。第3バルブ44cが第4バルブ44dよりも早期に開放されると、パージ専用水素タンク48に充填されている高圧ドライ水素が水吸着装置20内に導入されて、この水吸着装置20内を急激に昇圧させるおそれがあるからである。
【0046】
さらにまた、水素パージ処理終了後には、第4バルブ44dが閉塞された後、第3バルブ44cが閉塞されている(ステップS8、ステップS9参照)。これとは逆に、第3バルブ44cが最初に閉塞されると、水吸着装置20内が略大気圧まで減圧してしまい、新たに水電解処理が開始される際に、この水吸着装置20内を昇圧させるのに時間がかかるからである。
【0047】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る水電解システム60の概略構成説明図である。
【0048】
なお、第1の実施形態に係る水電解システム10と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0049】
水電解システム60は、パージ専用水素タンク48の圧力を検出するための圧力検出センサ62を備えている。このため、第2の実施形態では、新たな水吸着装置20の水素パージ処理が終了したか否かの判断を(ステップS7)、圧力検出センサ62により検出されるパージ専用水素タンク48の圧力降下から検出することができる。パージ専用水素タンク48内のドライ水素の圧力降下値から、パージガスとして排出されたドライ水素の流量を算出することができるからである。これにより、第2の実施形態では、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0050】
10、60…水電解システム 12…純水供給装置
14…水電解装置 16…水素導出路
20…水吸着装置 20a…水素入口
20b…ドライ水素出口 22…ドライ水素供給路
24…ドライ水素供給装置 25…コントローラ
38…逆止弁 40…背圧弁
42a、42b…分離部 44a〜44d…バルブ
46…パージガス供給路 48…パージ専用水素タンク
52…パージ流路 54…水素タンク
56…開閉弁 58…燃料電池車両
62…圧力検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を電気分解して酸素と該酸素よりも高圧な水素とを生成する高圧水電解装置と、
前記高圧水電解装置の水素出口に水素導出路を介して連通し、生成された前記水素に含まれる水分を吸着して除去しドライ水素を得る吸着装置と、
前記吸着装置のドライ水素出口にドライ水素供給路を介して連通し、前記ドライ水素をシステム外部に供給するためのドライ水素供給装置と、
を備える水電解システムであって、
前記吸着装置の上流及び下流に設けられ、前記吸着装置を水素ラインから取り外すための第1分離部及び第2分離部と、
前記ドライ水素供給装置の上流で前記ドライ水素供給路から分岐するパージガス供給路と、
前記パージガス供給路に設けられ、前記ドライ水素を貯留するとともに、前記吸着装置を交換する際に、貯留されている前記ドライ水素を新たな該吸着装置に前記ドライ水素出口側からパージガスとして供給するパージ専用水素タンクと、
前記水素導出路から分岐し、前記パージガスとして前記吸着装置に供給された前記ドライ水素を、前記水素導出路から排出するパージ流路と、
を備えることを特徴とする水電解システム。
【請求項2】
水を電気分解して酸素と該酸素よりも高圧な水素とを生成する高圧水電解装置と、
前記高圧水電解装置の水素出口に水素導出路を介して連通し、生成された前記水素に含まれる水分を吸着して除去しドライ水素を得る吸着装置と、
前記吸着装置のドライ水素出口にドライ水素供給路を介して連通し、前記ドライ水素をシステム外部に供給するためのドライ水素供給装置と、
前記吸着装置の上流及び下流に設けられ、前記吸着装置を水素ラインから取り外すための第1分離部及び第2分離部と、
前記ドライ水素供給装置の上流で前記ドライ水素供給路から分岐するパージガス供給路と、
前記パージガス供給路に設けられ、前記ドライ水素を貯留するとともに、前記吸着装置を交換する際に、貯留されている前記ドライ水素を新たな該吸着装置にドライ水素出口側からパージガスとして供給するパージ専用水素タンクと、
前記水素導出路から分岐し、前記パージガスとして前記吸着装置に供給された前記ドライ水素を、前記水素導出路から排出するパージ流路と、
を備える水電解システムの吸着装置交換方法であって、
使用後の前記吸着装置を前記水電解システムから取り外す一方、新たな吸着装置を前記水電解システムに接続する工程と、
前記パージ専用水素タンクに貯留されている前記ドライ水素を、新たな該吸着装置に前記ドライ水素出口側から前記パージガスとして供給するとともに、前記吸着装置の水素入口から導出された前記ドライ水素を、前記水素導出路から分岐する前記パージ流路に排出する工程と、
前記高圧水電解装置を運転させるとともに、前記吸着装置から導出される前記ドライ水素を、前記パージ専用水素タンクに充填する工程と、
を有することを特徴とする水電解システムの吸着装置交換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−162818(P2011−162818A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24590(P2010−24590)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】