説明

水電解システム

【課題】簡単な構成で、水電解装置から発生した酸素に混在した水素を、燃料として効率的に利用することを可能にする。
【解決手段】水電解システム10は、純水を電気分解することによって高圧水素を製造する水電解装置12と、前記水電解装置12のアノード側に発生した酸素とカソード側から固体高分子電解質膜38を透過して前記アノード側で前記酸素に混在した水素との混合ガスを排出する戻り配管72と、前記戻り配管72に接続され、前記混合ガスを燃焼させる触媒燃焼器76と、前記触媒燃焼器76から発生する燃焼熱により加熱される水を貯留する貯湯槽78とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解質膜の両側に給電体が設けられ、水を電気分解してアノード側に酸素を発生させるとともに、カソード側に水素を発生させる水電解装置を備える水電解システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、固体高分子型燃料電池は、アノード側電極に燃料ガス(主に水素を含有するガス、例えば、水素ガス)が供給される一方、カソード側電極に酸化剤ガス(主に酸素を含有するガス、例えば、空気)が供給されることにより、直流の電気エネルギを得ている。
【0003】
一般的に、燃料ガスである水素ガスを製造するために、水電解装置が採用されている。この水電解装置は、水を分解して水素(及び酸素)を発生させるため、固体高分子電解質膜(イオン交換膜)を用いている。固体高分子電解質膜の両面には、電極触媒層が設けられて電解質膜・電極構造体が構成されるとともに、前記電解質膜・電極構造体の両側には、給電体を配設してユニットが構成されている。すなわち、ユニットは、実質的には、上記の燃料電池と同様に構成されている。
【0004】
そこで、複数のユニットが積層された状態で、積層方向両端に電圧が付与されるとともに、アノード側給電体に水が供給される。このため、電解質膜・電極構造体のアノード側では、水が分解されて水素イオン(プロトン)が生成され、この水素イオンが固体高分子電解質膜を透過してカソード側に移動し、電子と結合して水素が製造される。一方、アノード側では、水素イオン(プロトン)と共に生成された酸素が、余剰の水を伴ってユニットから排出される。
【0005】
この種の水電解システムとして、例えば、特許文献1に開示された水素貯蔵発電システムが知られている。この水素貯蔵発電システムは、図4に示すように、2台の水電解装置1を備えるとともに、前記水電解装置1には、純水を供給する純水供給管2が取り付けられている。純水供給管2は、酸素と純水のタンク3に蓄えられた純水を、各水電解装置1のアノードに供給している。
【0006】
水電解装置1のアノードで発生した酸素は、浮力により酸素と純水のタンク3に導かれている。酸素と純水のタンク3内の酸素の圧力は、圧力制御バルブ4aにより所定の圧力以下に維持される一方、前記酸素と純水のタンク3内の酸素は、バルブ4bを介して外部に取り出されている。
【0007】
水電解装置1のカソードで発生した水素は、水素ドレインタンク5に純水とともに送られ、純水と分離されている。水素ドレインタンク5内の水素の圧力は、圧力制御バルブ6aにより所定の圧力以下に維持される一方、前記水素は、バルブ6bを介して外部に取り出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−68095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、水電解システムでは、部品の劣化や故障等に起因して、カソード側の水素が、固体高分子電解質膜を通ってアノード側に漏れる場合がある。従って、酸素と純水のタンク3には、酸素及び純水の他に水素が導入されるおそれがある。これにより、バルブ4bが開放されると、酸素と純水のタンク3内の酸素及び水素が外部に導かれて無駄に廃棄されてしまい、経済的ではないという問題がある。
【0010】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単な構成で、水電解装置から発生した酸素に混在した水素を、燃料として効率的に利用することが可能な水電解システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、電解質膜の両側に給電体が設けられ、水を電気分解してアノード側に酸素を発生させるとともに、カソード側に水素を発生させる水電解装置を備える水電解システムに関するものである。
【0012】
この水電解システムは、アノード側に発生した酸素とカソード側から電解質膜を透過して前記アノード側で前記酸素に混在した水素との混合ガスを排出する排気配管と、前記排気配管に接続され、前記混合ガスを燃焼させる燃焼器と、前記燃焼器から発生する燃焼熱により加熱される水を貯留する貯湯槽とを備えている。
【0013】
また、この水電解システムは、水電解装置には、カソード側に発生した水素を処理して製品水素を得るための処理機が接続される水素供給配管が接続されるとともに、前記水素供給配管には、前記処理機から排出される流体に含まれるガスを、燃焼器に導入するための分岐配管が接続されることが好ましい。
【0014】
さらに、この水電解システムは、分岐配管には、排出されたガスを一旦貯留するための緩衝部が設けられることが好ましい。
【0015】
さらにまた、処理機は、少なくとも気液分離器又は除湿器であることが好ましい。
【0016】
また、水電解装置は、カソード側に発生する水素の圧力が、アノード側に発生する酸素の圧力よりも高圧に設定されることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、アノード側に発生した酸素とカソード側から前記アノード側に透過した水素との混合ガスは、排気配管を通って燃焼器に導入されて燃焼されている。このため、燃焼器から発生する燃焼熱により温水が得られ、簡単な構成で、酸素に混在した水素を、温水用燃料として効率的に利用することができ、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る水電解システムの概略構成説明図である。
【図2】前記水電解システムを構成する単位セルの分解斜視説明図である。
【図3】気液分離器から水素を排出する際のタイミングチャートである。
【図4】特許文献1に開示された水素貯蔵発電システムの概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る水電解システム10は、水(純水)を電気分解することによって酸素(常圧)及び高圧水素(常圧よりも高圧)を製造する高圧水素製造装置である水電解装置12を備える。
【0020】
水電解装置12は、複数の単位セル14が積層される。単位セル14の積層方向一端には、ターミナルプレート16a、絶縁プレート18a及びエンドプレート20aが外方に向かって、順次、配設される。単位セル14の積層方向他端には、同様にターミナルプレート16b、絶縁プレート18b及びエンドプレート20bが外方に向かって、順次、配設される。エンドプレート20a、20b間は、例えば、図示しないタイロッドを介して一体的に締め付け保持される。
【0021】
ターミナルプレート16a、16bの側部には、端子部24a、24bが外方に突出して設けられる。端子部24a、24bは、配線26a、26bを介して電源28に電気的に接続される。陽極(アノード)側である端子部24aは、電源28のプラス極に接続される一方、陰極(カソード)側である端子部24bは、前記電源28のマイナス極に接続される。
【0022】
図2に示すように、単位セル14は、円盤状の電解質膜・電極構造体32と、この電解質膜・電極構造体32を挟持するアノード側セパレータ34及びカソード側セパレータ36とを備える。アノード側セパレータ34及びカソード側セパレータ36は、円盤状を有するとともに、例えば、カーボン部材等で構成され、又は、鋼板、ステンレス鋼板、チタン板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した金属板をプレス成形して、あるいは切削加工した後に防食用の表面処理を施して構成される。
【0023】
電解質膜・電極構造体32は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜38と、前記固体高分子電解質膜38の両面に設けられるアノード側給電体40及びカソード側給電体42とを備える。
【0024】
固体高分子電解質膜38の両面には、アノード電極触媒層40a及びカソード電極触媒層42aが形成される。アノード電極触媒層40aは、例えば、Ru(ルテニウム)系触媒を使用する一方、カソード電極触媒層42aは、例えば、白金触媒を使用する。
【0025】
アノード側給電体40及びカソード側給電体42は、例えば、球状アトマイズチタン粉末の焼結体(多孔質導電体)により構成される。アノード側給電体40及びカソード側給電体42は、研削加工後にエッチング処理される平滑表面部を設けるとともに、空隙率が10%〜40%、より好ましくは、20%〜30%の範囲内に設定される。
【0026】
単位セル14の外周縁部には、積層方向に互いに連通して、水(純水)を供給するための水供給連通孔46と、反応により生成された酸素及び未反応の水(混合流体)を排出するための排出連通孔48と、反応により生成された水素を流すための水素連通孔50とが設けられる。
【0027】
アノード側セパレータ34の電解質膜・電極構造体32に向かう面34aには、水供給連通孔46に連通する供給通路52aと、排出連通孔48に連通する排出通路52bとが設けられる。面34aには、供給通路52a及び排出通路52bに連通する第1流路54が設けられる。この第1流路54は、アノード側給電体40の表面積に対応する範囲内に設けられるとともに、複数の流路溝や複数のエンボス等で構成される。
【0028】
カソード側セパレータ36の電解質膜・電極構造体32に向かう面36aには、水素連通孔50に連通する排出通路56が設けられる。面36aには、排出通路56に連通する第2流路58が形成される。この第2流路58は、カソード側給電体42の表面積に対応する範囲内に設けられるとともに、複数の流路溝や複数のエンボス等で構成される。
【0029】
アノード側セパレータ34及びカソード側セパレータ36の外周端部を周回して、シール部材60a、60bが一体化される。このシール部材60a、60bには、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材が用いられる。
【0030】
図1に示すように、水電解装置12には、水循環装置62が接続される。水循環装置62は、水電解装置12の水供給連通孔46に連通する循環配管64を備え、この循環配管64は、循環ポンプ66及び第1熱交換器68を配置して酸素側気液分離器70の底部に接続される。酸素側気液分離器70の上部には、戻り配管72の一端部が連通するとともに、前記戻り配管72の他端は、水電解装置12の排出連通孔48に連通する。
【0031】
酸素側気液分離器70は、水電解装置12から排出される酸素及び固体高分子電解質膜38を透過した水素から余剰の水を分離し、前記水を貯留する。この酸素側気液分離器70の上部には、純水から分離された酸素及び水素(以下、混合ガスともいう)を排出するための排気配管74が接続される。排気配管74は、混合ガスを燃焼させる触媒燃焼器76に接続されるとともに、前記触媒燃焼器76には、該触媒燃焼器76から発生する燃焼熱により加熱される水を貯留する貯湯槽78が、温水配管80を介して接続される。
【0032】
水電解装置12の水素連通孔50には、高圧水素供給配管82の一端が接続され、この高圧水素供給配管82の途上に水素側気液分離器(処理機)84が接続される。水素側気液分離器84で水分が除去された高圧水素は、第2熱交換器86により冷却された後、水素除湿器(PSA装置)(処理機)88によって除湿される。第2熱交換器86と水素除湿器88との間には、圧力を遮断するための弁89が配設される。
【0033】
水素側気液分離器84の下部には、排水配管(分岐配管)90が接続される。排水配管90には、開閉弁92及び圧力調整弁94を介して常圧用気液分離器96が配設される。気液分離器96で排水から除去されたガス(主に水素)は、第1排ガス配管98を介してバッファ部(緩衝部)100に送られる。バッファ部100は、排ガス供給配管101を介して触媒燃焼器76に接続される。第1排ガス配管98には、開閉弁102が配設される。
【0034】
気液分離器96の底部には、ドレン配管104が接続される。このドレン配管104には、排水用弁106が配設される。
【0035】
水素除湿器88には、オフガス配管(分岐配管)108が接続される。このオフガス配管108は、脱圧弁110を設けるとともに、バッファ部100に接続される。
【0036】
第1熱交換器68及び第2熱交換器86には、排熱回収配管112が配設される。この排熱回収配管112は、市水が供給されるとともに、第2熱交換器86及び第1熱交換器68の順に排熱の回収を行った後、触媒燃焼器76に高温水を供給する。なお、水電解システム10は、コントローラ114により駆動制御される。
【0037】
このように構成される水電解システム10の動作について、以下に説明する。
【0038】
水循環装置62では、循環ポンプ66の作用下に、酸素側気液分離器70内の水が循環配管64を介して水電解装置12の水供給連通孔46に供給される。一方、ターミナルプレート16a、16bの端子部24a、24bには、電気的に接続されている電源28を介して電圧が付与される。
【0039】
このため、図2に示すように、各単位セル14では、水供給連通孔46からアノード側セパレータ34の第1流路54に水が供給され、この水がアノード側給電体40内に沿って移動する。
【0040】
従って、水は、アノード電極触媒層40aで電気により分解され、水素イオン、電子及び酸素が生成される。この陽極反応により生成された水素イオンは、固体高分子電解質膜38を透過してカソード電極触媒層42a側に移動し、電子と結合して水素が得られる。
【0041】
これにより、カソード側セパレータ36とカソード側給電体42との間に形成される第2流路58に沿って水素が流動する。この水素は、水供給連通孔46に供給される水よりも高圧に維持されており、水素連通孔50を流れて水電解装置12の外部に取り出し可能となる。
【0042】
この場合、水素が生成される第2流路58は、酸素が生成される第1流路54よりも高圧に設定されている。このため、第2流路58に生成された水素は、固体高分子電解質膜38を透過して第1流路54に移動し易く、前記第1流路54には、反応により生成した酸素及び未反応の水の他、高圧な第2流路58から固体高分子電解質膜38を透過した水素(酸素に比べて相当に少量)が流動している。これらの混合流体は、排出連通孔48に沿って水循環装置62の戻り配管72に排出される(図1参照)。
【0043】
この未反応の水、酸素及び水素は、酸素側気液分離器70に導入されて分離された後、水は、循環ポンプ66を介して循環配管64から第1熱交換器68を通って水供給連通孔46に導入される。水から分離された酸素及び水素の混合ガスは、排気配管74から触媒燃焼器76に導入される。
【0044】
このため、触媒燃焼器76では、混合ガスを燃焼させて燃焼熱が得られ、この燃焼熱により水を加熱することができる。加熱された水は、温水配管80から貯湯槽78に貯湯されるとともに、必要に応じて家庭内のコジェネレーションに利用される。
【0045】
一方、水電解装置12内に生成された水素は、高圧水素供給配管82を介して水素側気液分離器84に送られる。この水素側気液分離器84では、水素に含まれる水蒸気がこの水素から分離される一方、前記水素は、第2熱交換器86を介して冷却された後、水素除湿器88に導入される。
【0046】
水素除湿器88では、冷却された水素に含まれる水分が吸着除去される。従って、ドライ水素が得られ、このドライ水素は、図示しない充填ノズルに供給されて燃料電池車両の水素タンク等に供給される。
【0047】
この場合、本実施形態では、固体高分子電解質膜38を透過して第1流路54に移動した水素は、この第1流路54に生成された酸素に混在するとともに、酸素側気液分離器70に導入されている。そして、水分が除去された混合ガスは、燃料として触媒燃焼器76に導入されている。
【0048】
このため、酸素側気液分離器70で水から分離された混合ガス(酸素及び水素)は、触媒燃焼器76で燃焼されて燃焼熱が得られ、この燃焼熱により水を加熱することにより温水が得られている。これにより、簡単な構成で、酸素に混在した水素を温水用燃料として効率的に利用することができ、家庭内のコジェネレーションに有効利用される等、経済的であるという効果が得られる。
【0049】
一方、水素側気液分離器84では、高圧水素から除去された水分が貯留されており、この水分中には、水素が混在している。この水素側気液分離器84内に貯留されている水は、開閉弁92の開放作用下に、圧力調整弁94を介して常圧まで降圧された状態で、気液分離器96に送られる。
【0050】
従って、水素側気液分離器84内の高圧水は、常圧に降圧されて気液分離器96内に貯留される。気液分離器96内では、降圧された水が貯留されるとともに、この水から水素が分離されて水素ガスが存在している。
【0051】
そこで、図3に示すように、図示しない水位計等を介して気液分離器96内の水位が検出される。この検出水位が設定上方位置(High)に至ると、開閉弁102が開放されて第1排ガス配管98に水素が導入されるとともに、弁106が開放されてドレン配管104に水が導出される。第1排ガス配管98に排出された水素は、一旦、バッファ部100に導入される。
【0052】
一方、気液分離器96内の水位が設定下方位置(Low)に低下した際には、開閉弁102及び弁106が閉塞される。このため、気液分離器96から水素が間欠的に導出されており、この水素がバッファ部100に一旦貯留されることにより、前記バッファ部100から触媒燃焼器76には、一定量の水素を連続して供給することができる。これにより、触媒燃焼器76による燃焼処理が効率的に遂行可能となる。
【0053】
また、水素除湿器88では、積算された運転時間が再生インターバルを超えると、この水素除湿器88の再生処理が行われる。この再生処理では、先ず、弁89が閉塞される一方、脱圧弁110が開放される。従って、水素除湿器88内に吸着されている水分及びオフガス(水素を含む)は、前記水素除湿器88内が脱圧されることにより、オフガス配管108に排出されてバッファ部100に一旦貯留される。このため、バッファ部100には、水素除湿器88からオフガスが間欠的に導入され、前記バッファ部100から触媒燃焼器76には、一定量のオフガスが連続的に送り出される。
【0054】
このように、本実施形態では、高圧水素供給配管82に配設される各処理機、例えば、水素側気液分離器84及び水素除湿器88から排出される流体、例えば、排水やオフガスに含まれる水素が、バッファ部100を介して触媒燃焼器76に導入されている。
【0055】
これにより、水素側気液分離器84及び水素除湿器88から高圧水素供給配管82を分岐して排出される、すなわち、ドライ水素として使用されない水素を、触媒燃焼器76に燃料として供給することができる。従って、無駄に廃棄される水素を可及的に低減することができ、経済的であるという利点がある。
【符号の説明】
【0056】
10…水電解システム 12…水電解装置
14…単位セル 32…電解質膜・電極構造体
34…アノード側セパレータ 36…カソード側セパレータ
38…固体高分子電解質膜 40…アノード側給電体
42…カソード側給電体 46…水供給連通孔
48…排出連通孔 50…水素連通孔
54、58…流路 62…水循環装置
64…循環配管 66…循環ポンプ
68…熱交換器 70…酸素側気液分離器
72…戻り配管 74…排気配管
76…触媒燃焼器 78…貯湯槽
80…温水配管 82…高圧水素供給配管
84…水素側気液分離器 88…水素除湿器
90…排水配管 100…バッファ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質膜の両側に給電体が設けられ、水を電気分解してアノード側に酸素を発生させるとともに、カソード側に水素を発生させる水電解装置を備える水電解システムであって、
前記アノード側に発生した前記酸素と前記カソード側から前記電解質膜を透過して前記アノード側で前記酸素に混在した前記水素との混合ガスを排出する排気配管と、
前記排気配管に接続され、前記混合ガスを燃焼させる燃焼器と、
前記燃焼器から発生する燃焼熱により加熱される水を貯留する貯湯槽と、
を備えることを特徴とする水電解システム。
【請求項2】
請求項1記載の水電解システムにおいて、前記水電解装置には、前記カソード側に発生した前記水素を処理して製品水素を得るための処理機が接続される水素供給配管が接続されるとともに、
前記水素供給配管には、前記処理機から排出される流体に含まれるガスを、前記燃焼器に導入するための分岐配管が接続されることを特徴とする水電解システム。
【請求項3】
請求項2記載の水電解システムにおいて、前記分岐配管には、排出された前記ガスを一旦貯留するための緩衝部が設けられることを特徴とする水電解システム。
【請求項4】
請求項2又は3記載の水電解システムにおいて、前記処理機は、少なくとも気液分離器又は除湿器であることを特徴とする水電解システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の水電解システムにおいて、前記水電解装置は、前記カソード側に発生する前記水素の圧力が、前記アノード側に発生する前記酸素の圧力よりも高圧に設定されることを特徴とする水電解システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−265494(P2010−265494A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115928(P2009−115928)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】