説明

永久磁石式回転電機

【課題】コギングトルクを低減しつつ効率を高めることを可能とする永久磁石式回転電機を提供する。
【解決手段】電動機1は、電磁鋼板としての珪素鋼板が積層されて構成された固定子鉄心11を有する固定子10と、固定子10と対向して回転自在に設けられた回転子鉄心21を有する回転子20とを備え、珪素鋼板の板厚をd(mm)、珪素鋼板のSi含有量をs(質量%)、固定子鉄心全体における占積率をr(%)としたときに、珪素鋼板は、d≧0.05、s≧5d、s≦(5/3)d+(1/5)r−18.1の3式を同時に満たすように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、永久磁石式回転電機に係り、より詳細には、コギングトルクを低減させるための技術に関する。
【0002】
永久磁石式回転電機(以下、適宜「回転電機」と表記する。)においては、コギングトルクと呼ばれる一種のトルク脈動が発生することがよく知られている。このコギングトルクは、回転子の回転に伴って磁気エネルギーが変化するために発生する。
【0003】
コギングトルクの成分としては、回転子の回転角度ごとの周期で発生する理論次数成分、永久磁石の極数に応じて発生する極数成分などが含まれる。この極数成分は、回転子の1周回転角、すなわち360度を、永久磁石の極数で割った角度ごとに、回転子が回転するたびに生じる。一方、理論次数成分は、回転子の1周回転角、すなわち360度を、固定子のスロット数と永久磁石の極数との最小公倍数で割った角度ごとに、回転子が回転するたびに生じる。この理論次数成分は、磁気回路中に蓄えられる磁気エネルギーによって決まるため、固定子として使用される珪素鋼板の磁気特性に依存しやすくなる。
【0004】
上述したコギングトルクが大きい場合には、回転電機の制御性能が悪化したり、騒音が発生したりするという問題が生じる。かかる問題を回避するため、例えば特許文献1に開示された電動機、すなわち回転電機では、磁気異方性の小さい珪素鋼板が固定子として使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−144036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された回転電機では、磁気異方性の小さい珪素鋼板を使用することによってコギングトルクを低減させる構成としている。しかしながら、わずかに存在する磁気異方性によって極数成分が発生してしまうという問題があった。仮にコギングトルクの極数成分が低減できたとしても、理論次数成分が低減できないという問題があった。
【0007】
また、磁気異方性の小さい珪素鋼板を使用するだけでは、回転電機の効率を向上させることができないという問題があった。
【0008】
そこで本発明は、上述した観点に鑑み、コギングトルクを低減しつつ効率を高めることを可能とする永久磁石式回転電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための永久磁石式回転電機は、電磁鋼板としての珪素鋼板が積層されて構成された固定子鉄心を有する固定子と、上記固定子と対向して回転自在に設けられた回転子鉄心を有する回転子とを備え、上記珪素鋼板の板厚をd(mm)、上記珪素鋼板のSi含有量をs(質量%)、上記固定子鉄心全体における占積率をr(%)としたときに、上記珪素鋼板は、d≧0.05、s≧5d、s≦(5/3)d+(1/5)r−18.1の3式を同時に満たすように構成されている。
【0010】
上記永久磁石式回転電機において、上記固定子鉄心の占積率rとして、98%が与えられたときに、上記珪素鋼板は、s≦(5/3)d+1.5、s≧5dの関係を満たすように構成するようにしてもよい。
【0011】
上記永久磁石式回転電機において、上記固定子鉄心の占積率rとして、96%が与えられたときに、上記珪素鋼板は、s≦(5/3)d+1.1、s≧5dの関係を満たすように構成するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、永久磁石式回転電機のコギングトルクを低減しつつ効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る電動機の概略構成例を示す断面図である。
【図2】透磁率の異なる4つの珪素鋼板の磁化曲線の一例を示す図である。
【図3】図2に示した磁化曲線をもつ珪素鋼板が固定子鉄心として使用される場合のコギングトルクの解析結果例を示す図である。
【図4】磁化の異なる3つの珪素鋼板の磁化曲線の一例を示す図である。
【図5】図4に示した磁化曲線をもつ珪素鋼板が固定子鉄心として使用される場合のコギングトルクの解析結果例を示す図である。
【図6】占積率の異なる4つの固定子鉄心が使用される場合のコギングトルクの解析結果例を示す図である。
【図7】固定子鉄心の占積率が98%の場合に、珪素鋼板のSi含有量および板厚を変化させたときのコギングトルクおよび電動機効率の判定結果を示す図である。
【図8】固定子鉄心の占積率が96%の場合に、珪素鋼板のSi含有量および板厚を変化させたときのコギングトルクおよび電動機効率の判定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の永久磁石式回転電機の一実施形態について説明する。実施形態に係る永久磁石式回転電機は、例えば、磁場と電流の相互作用による力を利用して回転運動をする電動機である。
【0015】
図1は、本実施形態に係る電動機1の概略構成例を示す断面図である。図1に示すように、この電動機1は、固定子10と、回転軸30に支持されて回転自在に配置された回転子20とを備える。この回転子20は、固定子10と所定の隙間40を介して対向して配置されている。
【0016】
固定子10は、回転子20と相互作用して回転モーメントを発生する。この固定子10は、電磁鋼板が積層されて構成された固定子鉄心11を有する。この実施形態の電磁鋼板は、例えば珪素鋼板である。
【0017】
固定子鉄心11は、環状のヨーク12と、このヨーク12の内周面に周方向rに配列された複数のティース13とを有する。
【0018】
各ティース13にはそれぞれ図示されないコイルが巻装されている。ヨーク12および隣接するティース13によって形成された複数のスロット14は、上記コイルのための巻線溝となる。図1では、スロット数が12の場合について示してある。
【0019】
回転軸30と一体に形成されている回転子鉄心21は、例えば鍛鋼材で構成されている。回転子20の外周面の周方向rには、隣接する磁極が異極性となるように複数の永久磁石22が配設されている。永久磁石22は、例えば希土類磁石で構成されている。極の移動に伴って、駆動力が発生する。図1では、磁極数が8の場合について示してある。
【0020】
[固定子鉄心の構成]
次に、電動機1によって実現される固定子鉄心11の構成について説明する。
この実施形態では、固定子鉄心11は、電磁鋼板としての珪素鋼板が積層されて構成されるため、珪素鋼板の板厚、Si含有量および固定子鉄心全体における占積率の値の組み合わせを調整することで、コギングトルクを低減しつつ、高効率化を行える電動機1を実現させるようにする。そのときの値の組み合わせについては、後に詳細に説明する。
【0021】
なお、本実施形態において「珪素鋼板」とだけ記述されている場合、絶縁皮膜も含むものとしており、「珪素鋼板の板厚」は、珪素鋼板の本体部分(絶縁皮膜以外の部分)に絶縁皮膜も含めた厚さとしている。また、本実施形態において、「珪素鋼板のSi含有量」は、珪素鋼板の本体部分(絶縁皮膜以外の部分)におけるSiの含有量としている。また、本実施形態において、「固定子鉄心全体における占積率」とは、積層された各珪素鋼板の表面に形成されている絶縁皮膜、積層時に不可避の空気領域等を除いた正味の鉄心部分の、固定子鉄心全体に対する比であり、以下では「固定子鉄心の占積率」あるいは単に「占積率」とも称する。
【0022】
次に、電動機1において発生するコギングトルクについて、珪素鋼板の特性との関係を踏まえて説明する。この説明では、コギングトルクの理論次数成分を低減することを主題としているため、電磁鋼板の磁気特性は等方的であり、かつ回転子と固定子は理想的な構造を有すると仮定している。
【0023】
[珪素鋼板の透磁率とコギングトルクとの関係]
先ず、珪素鋼板の透磁率とコギングトルクの関係について、図2および図3を参照して説明する。図2は、透磁率の異なる4つの珪素鋼板の磁化曲線の一例を示す図である。図3は、図2に示した磁化曲線をもつ珪素鋼板が使用される場合のコギングトルクの解析結果例を示す図である。なお、図2において、横軸は磁場H、縦軸は磁束密度Bを示している。また、図3において、横軸は回転子20の機械角、縦軸はコギングトルクの定格トルク比を示している。
【0024】
図2において、4つの磁化曲線d1〜d4は、それぞれ当該珪素鋼板の透磁率に応じて、図2に示すような値をとる。すなわち、低磁場における透過率(μ=B/H)、すなわち磁化曲線の傾きが最小になるのは、磁化曲線がd4の場合である。この場合には、図3に示すように、コギングトルクの定格トルク比が最小となる(図3中、二点鎖線で示す。)。したがって、珪素鋼板の透磁率が小さいほど、コギングトルクが低減する傾向にあることが分かる。これは、例えば、永久磁石と鉄心材とを配置した場合において、その鉄心材の透磁率が大きいほど、2つの磁気的な相互作用が大きくなることから理解できる。
【0025】
[珪素鋼板の磁化とコギングトルクとの関係]
次に、珪素鋼板の磁化とコギングトルクの関係について、図4および図5を参照して説明する。図4は、磁化の異なる3つの珪素鋼板の磁化曲線の一例を示す図である。図5は、図4に示した磁化曲線をもつ珪素鋼板が使用される場合のコギングトルクの解析結果例を示す図である。なお、図4において、横軸は磁場H、縦軸は磁束密度Bを示している。また、図5において、横軸は回転子20の機械角、縦軸はコギングトルクの定格トルク比を示している。
【0026】
図4において、3つの磁化曲線d5〜d7は、それぞれ珪素鋼板の磁化に応じて、図4に示すような値をとる。すなわち、磁化が最も大きいのは、磁化曲線がd5の場合である。換言すると、磁化が最も高いのは、磁化曲線がd5の場合である。この場合には、図5に示すように、コギングトルクの定格トルク比が最小となる(図5中、実線で示す。)。したがって、珪素鋼板の磁化が大きいほど、コギングトルクが低減する傾向にあることが分かる。これは、珪素鋼板の磁化が小さい場合には、その珪素鋼板が磁気飽和しやすく、磁束により蓄積される磁気エネルギーが増加しやすくなることから理解できる。
【0027】
上記の図2〜図5から分かるように、低磁場において透磁率が小さく、かつ、磁化が高い珪素鋼板を使用すれば、コギングトルクが低減する傾向にある。そのためにSi含有量が少ない珪素鋼板を選択することが考えられる。Si含有量が少ない(すなわち、珪素鋼板の密度が高い)ほうが、透磁率が小さく、磁化も大きくなるから好ましい。その上、Si含有量が少ない珪素鋼板は、打ち抜きのときの加工性が良いから好適である。しかし、Si含有量が少なくなると、一般的には、電動機1の効率に影響を与える鉄損の一種であるヒステリシス損が大きくなるため、電動機1の効率を高くすることができないという問題がある。
【0028】
そこで、この実施形態では、電動機1の効率を高くするために、珪素鋼板の板厚を薄くする。これは、珪素鋼板の板厚が薄いほど、固定子鉄心11内を流れる渦電流が遮断され、電動機1の効率に影響を与える渦電流損が小さくなるからである。ここでいう渦電流損は、磁束変化により誘導電流が流れたときの固定子鉄心11内での電力損失であり、電動機1の効率に影響を与える鉄損の一種である。
【0029】
しかし、板厚の薄い珪素鋼板を選択するだけでは、珪素鋼板全体に占める絶縁皮膜の割合が相対的に増加し、固定子鉄心11全体における占積率が低下してしまう。
【0030】
[固定子鉄心の占積率とコギングトルクとの関係]
そこで、固定子鉄心の占積率とコギングトルクの関係について、図6を参照して説明する。図6は、占積率の異なる4つの固定子鉄心が使用される場合のコギングトルクの解析結果例を示す図である。なお、図6において、横軸は回転子20の機械角、縦軸はコギングトルクの定格トルク比を示している。
【0031】
図6において、固定子鉄心の占積率は、層間が短絡しない程度に絶縁皮膜の厚みを薄くしていくことで、100%,98%,96%,94%と変えた。この場合のコギングトルクの解析結果s1〜s4は、それぞれ固定子鉄心の占積率に応じて、図6に示すような値をとる。すなわち、コギングトルクが最も低減するのは、占積率が100%の場合である。
【0032】
一方、コギングトルクが最も増加するのは、占積率が94%の場合である。これは、珪素鋼板が磁気飽和しやすく、磁束により蓄積される磁気エネルギーが増加しやすくなるからである。
【0033】
したがって、コギングトルクを低減するためには、固定子鉄心の占積率を大きくする必要がある。
【0034】
そこで、上記の観点から、固定子鉄心11全体における占積率を例えば98%または96%で一定とし、珪素鋼板の板厚およびSi含有量の値を変えて、電動機1のコギングトルクおよび効率を測定した。
【0035】
(実施例1)
図7は、固定子鉄心の占積率が98%の場合に、珪素鋼板のSi含有量および板厚を変化させたときのコギングトルクおよび電動機効率の判定結果を示す図である。図7では、珪素鋼板の板厚dを横軸、Si含有量を縦軸に示している。
【0036】
図7の例では、判定結果が○印の場合は、コギングトルクの定格トルク比が1.5%未満で、かつ、電動機効率が94%以上の場合(すなわち、コギングトルクが低減し、かつ、電動機効率が高い場合)を示し、それ以外の場合は、×印で示してある。
【0037】
図7から分かるように、判定結果が○印の場合は、珪素鋼板の板厚dが概ね0.05〜0.4mm、Si含有量が概ね0.5〜2.0重量%である。
【0038】
例えば、板厚dが0.05mmの場合は、d=0.4mmの場合よりもSi含有量を少ない値(0.5〜1.5重量%)とすることによって、○印の判定結果を得ている。これは、d=0.05mmにおいて、ヒステリシス損は、d=0.4の場合よりも増加するものの、板厚が薄くなるほど、渦電流損が減少するからである。
【0039】
一般に、固定子鉄心11内に高調波が重畳するインバータ駆動の電動機では、鉄損に占める渦電流損の比率が比較的高くなるため、その比率を抑えることができるように、図7に示したように、珪素鋼板の板厚を薄くして渦電流損を低減するのが好ましい。
【0040】
ここで、判定結果が○印の範囲は、下記式(1)および式(2)によって近似的に表すことができる。
s≦(5/3)d+1.5 (1)
s≧5d (2)
【0041】
なお、式(1)および式(2)において、s:Si含有量(重量%)、d:珪素鋼板の板厚(mm)、を示す。
【0042】
このように、本実施例の電動機1では、上記式(1)および式(2)の関係を満たすように、珪素鋼板の板厚およびSi含有率を設定することで、コギングトルクを低減し、かつ電動機効率を高くすることができる。
【0043】
(実施例2)
図8は、固定子鉄心の占積率が96%の場合に、珪素鋼板のSi含有量および板厚を変化させたときのコギングトルクおよび電動機効率の判定結果を示す図である。図8では、珪素鋼板の板厚dを横軸、Si含有量を縦軸に示している。
【0044】
図8の例においても、コギングトルクの定格トルク比が1.5%未満で、かつ、電動機効率が94%以上の場合(すなわち、コギングトルクが低減し、かつ、電動機効率が高い場合)は、○印で示し、それ以外の場合は×印で示してある。
【0045】
図8から分かるように、判定結果が○印の場合は、珪素鋼板の板厚dが概ね0.05〜0.3mm、Si含有量が概ね0.5〜1.5重量%である。これは、下記式(3)および式(4)によって近似的に表すことができる。
s≦(5/3)d+1.1 (3)
s≧5d (4)
【0046】
なお、式(3)および式(4)において、s:Si含有量(重量%)、d:珪素鋼板の板厚(mm)、を示す。
【0047】
このように、本実施例の電動機1では、上記式(3)および式(4)の関係を満たすように、珪素鋼板の板厚およびSi含有率を設定することで、コギングトルクを低減し、かつ電動機効率を高くすることができる。
【0048】
実施例1,2において、固定子鉄心の占積率を98%,96%に設定したのは一例に過ぎない。コギングトルクが低減し、かつ、電動機効率が高い場合の固定子鉄心の占積率は、変更可能である。上記式(1)〜式(4)から、例えば、下記式(5)〜式(7)によって近似される関係を満たすように構成された珪素鋼板を使用してもよい。このようにしても、電動機1のコギングトルクが低減し、かつ電動機効率が高くなる。
d≧0.5 (5)
s≧5d (6)
s≦(5/3)d+(1/5)r−18.1 (7)
【0049】
なお、式(5)〜式(7)において、s:Si含有量(%)、d:珪素鋼板の板厚(mm)、r:固定子鉄心の占積率(%)、を示す。
【0050】
また、上記式(7)は、占積率rが98%のときは式(1)を満たすとともに占積率rが96%のときは式(3)を満たすような占積率rの一次関数を数式化することにより導かれる。具体的には、式(7)を導出する際、
s≦(5/3)d+αr+β (8)
とし、r=98のときに式(8)が式(1)と全く同じ式になり、r=96のときに式(8)が式(3)と全く同じ式になるようなα、βの値を求めると、α=1/5、β=―18.1となる。
【0051】
ここで、占積率rが98%から96%へ変化すると、Si含有量sと珪素鋼板の板厚dとの関係式は式(1)から式(3)へ変化していくことになるが、その占積率依存性が一次関数になっているということを仮定している。占積率rの変化範囲は98%〜92%程度、すなわち高々6%程度の幅の変化範囲であり、上記のように線形で近似しても問題ないと考えられる。
【0052】
以上、実施形態および実施例1,2を詳述してきたが、具体的な構成はそれらに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更や、他の用途への適用なども含まれる。
【0053】
例えば、電動機は8極12スロットの場合を例にとって説明したが、極数およびスロット数は変更してもよい。
【0054】
また、永久磁石式回転電機の一例として電動機を適用した場合について説明したが、発電機でもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 電動機
10 固定子
11 固定子鉄心
12 ヨーク
13 ティース
14 スロット
20 回転子
21 回転子鉄心
22 永久磁石
30 回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
永久磁石式回転電機であって、
電磁鋼板としての珪素鋼板が積層されて構成された固定子鉄心を有する固定子と、
前記固定子と対向して回転自在に設けられた回転子鉄心を有する回転子と、
を備え、
前記珪素鋼板の板厚をd(mm)、前記珪素鋼板のSi含有量をs (質量%)、前記固定子鉄心全体における占積率をr(%)としたときに、前記珪素鋼板は、
d≧0.05
s≧5d
s≦(5/3)d+(1/5)r−18.1
の3式を同時に満たすように構成されていることを特徴とする永久磁石式回転電機。
【請求項2】
前記固定子鉄心の占積率rとして、98%が与えられたときに、前記珪素鋼板は、
s≦(5/3)d+1.5
s≧5d
の関係を満たすように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石式回転電機。
【請求項3】
前記固定子鉄心の占積率rとして、96%が与えられたときに、前記珪素鋼板は、
s≦(5/3)d+1.1
s≧5d
の関係を満たすように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石式回転電機。
【請求項4】
前記永久磁石式回転電機は、電動機または発電機であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の永久磁石式回転電機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−34348(P2013−34348A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170062(P2011−170062)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】