説明

汎用機ソフトウェア模擬プログラム、汎用機ソフトウェア起動終了プログラム

【課題】汎用機のユーザ業務に支障を与えることなく、汎用機OS上で動作するソフトウェアを起動または終了させる起動終了プログラムをテストすることのできる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る汎用機ソフトウェア模擬プログラムは、起動コマンドまたは終了コマンドに対して汎用機ソフトウェアが出力するメッセージと同じメッセージを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汎用機のOS(Operating System)上で動作する汎用機ソフトウェアの動作をテストする技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、汎用機(メインフレーム)のOS上で動作するアプリケーションソフトウェアを起動または終了するためには、オペレータが手動で起動コマンドまたは終了コマンドを発行する必要があった。また、アプリケーションソフトウェアが正常に起動または終了したか否かを確認するためには、アプリケーションソフトウェアが起動または終了するときに出力するメッセージを、オペレータが目視確認する必要があった。
【0003】
オペレータが手動でアプリケーションソフトウェアを起動または終了する場合、コマンド入力ミスなどによって正常に起動または終了することができない場合がある。また、メッセージを目視確認する際のミスなどにより、正常に起動または終了した場合でも、その旨を確認することができない場合がある。
【0004】
上記のような起動確認または終了確認を自動化するためのプログラムとして、下記非特許文献1に記載されているものが上げられる。同文献に記載されているプログラムでは、アプリケーションソフトウェアが起動または終了するときに出力するメッセージと、そのメッセージが正常動作時のメッセージであるのか、それとも異常動作時のメッセージであるのかとの対応関係を、あらかじめ設定しておくことができる。
【0005】
非特許文献1に記載されているプログラムは、アプリケーションソフトウェアが出力するメッセージを取得することにより、そのアプリケーションソフトウェアが正常に起動または終了したか否かを自動的にチェックすることができる。したがって、汎用機OS上のアプリケーションプログラムが正常に起動または終了したか否かを、自動的に確認することができる。
【0006】
また、下記特許文献1には、ホストコンピュータ上で動作するプログラムの動作確認を実施する手法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−120057号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】URL:http://www-06.ibm.com/software/jp/tivoli/products/netview/(2010年11月19日取得)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記非特許文献1に記載されているような、汎用機OS上のアプリケーションソフトウェアの起動または終了を自動化する起動終了プログラムは、実運用時に汎用機を起動または終了させる際の手続きを簡略化できる点で有用である。
【0010】
一方で、上記起動終了プログラム自体が正常に動作しているか否かをテストする必要もある。一般的には、実稼動している汎用機アプリケーションに対して上記起動終了プログラムを実行し、起動終了プログラムが正常動作しているか否かをテストするのが通常であると考えられる。
【0011】
しかしこの場合、汎用機を使用しているユーザの業務に影響を与えないようにするためには、ユーザが業務を行っていない日時に上記テストを実施する必要があり、時間的な制限から十分なテスト回数を確保できない可能性がある。
【0012】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、汎用機のユーザ業務に支障を与えることなく、汎用機OS上で動作するソフトウェアを起動または終了させる起動終了プログラムをテストすることのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る汎用機ソフトウェア模擬プログラムは、起動コマンドまたは終了コマンドに対して汎用機ソフトウェアが出力するメッセージと同じメッセージを出力する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る汎用機ソフトウェア模擬プログラムによれば、汎用機ソフトウェアが出力するメッセージと同じメッセージを出力することにより、汎用機ソフトウェアを実際に実行している環境と同様の環境を模擬することができる。これにより、起動終了プログラムの動作テストを、実際の汎用機ソフトウェアの動作に影響を与えることなく実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態1に係る汎用機ソフトウェア模擬プログラムおよびその周辺環境を示す図である。
【図2】汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210が汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124を起動する際に指定することができるパラメータの一覧を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る汎用機ソフトウェア模擬プログラムおよびその周辺環境を示す図である。図1(a)は汎用機100を実運用する環境を示す図、図1(b)は実運用環境で稼動する汎用機ソフトウェアを模擬した環境を示す図である。
【0017】
図1(a)において、汎用機100は、例えば業務アプリケーションやミドルウェアなどの、汎用機OS上で動作する1以上の汎用機ソフトウェアを実行する。ここでは4つの汎用機ソフトウェア111〜114を例示したが、汎用機ソフトウェアの個数は任意でよい。
【0018】
以下の説明では、記載の便宜上、各ソフトウェアおよびプログラムを動作主体として記載する場合があるが、実際にこれらソフトウェアおよびプログラムを実行するのは各コンピュータおよび汎用機100またはこれらが備えるCPU(Central Processing Unit)などの演算装置であることを付言しておく。
【0019】
汎用機ソフトウェア111〜114は、それぞれ個別に起動および終了する場合もあるし、相互に依存関係があるソフトウェアであれば所定の順番にしたがって起動および終了する場合もある。ここでは図1(a)の矢印に示すような順番で各汎用機ソフトウェアを起動し、その反対の順番で終了する例を示したが、これに限られるものではない。
【0020】
テスト用コンピュータ200は、汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210を実行し、汎用機ソフトウェア111〜114を所定の順番にしたがって起動および終了するテストを実行する。汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210は、例えば非特許文献1に記載されているような、汎用機OS上のアプリケーションソフトウェアの起動または終了を自動化するプログラムである。
【0021】
なお、各汎用機ソフトウェア111〜114を実際に起動または終了するのは汎用機100であり、テスト用コンピュータ200および汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210は汎用機100に対して各汎用機ソフトウェア111〜114を起動または終了するように指示するのみであるが、以下では記載の便宜上、テスト用コンピュータ200および汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210が各汎用機ソフトウェア111〜114を起動または終了するものとして説明する場合があることを付言しておく。
【0022】
メッセージ設定データ211は、汎用機ソフトウェア111〜114のプログラム名、汎用機ソフトウェア111〜114を起動または終了する順番、および各汎用機ソフトウェアが起動または終了するときに出力するメッセージを記述するデータである。
【0023】
メッセージ設定データ211は、各汎用機ソフトウェアが正常起動したときに出力するメッセージおよび正常起動しなかったときに出力するメッセージを記述している。また、各汎用機ソフトウェアが正常終了したときに出力するメッセージおよび正常終了しなかったときに出力するメッセージを記述している。
【0024】
なお、各汎用機ソフトウェアは必ずしも起動または終了するときにメッセージを出力する必要はなく、正常起動または正常終了するときは何らのメッセージも出力しないようにしてもよい。この場合、メッセージ設定データ211は、空のメッセージを記述することになる。ただし、動作確認を確実に実施する観点からは、何らかのメッセージを必ず出力するように構成しておくことが望ましい。
【0025】
図1(b)において、汎用機100は、汎用機ソフトウェア111〜114に代えて、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124を実行する。これら汎用機ソフトウェア模擬プログラムは、起動および終了するときに、それぞれ汎用機ソフトウェア111〜114と同一のメッセージを出力するように構成されている。ただし、各汎用機ソフトウェアが実際に実行する処理を実行する必要はない。
【0026】
図1(b)において、メッセージ設定データ211は、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124の名称を記述している。その他の事項は図1(a)で記述している内容と同様である。
【0027】
汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210は、メッセージ設定データ211が記述している内容にしたがって、図1(a)と同様の手順で汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124を起動または終了する。
【0028】
図1では、汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210は汎用機100とは異なるコンピュータが実行するようにしているが、汎用機100上で汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210を実行してもよい。
【0029】
以上、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124およびその周辺環境について説明した。以下では、汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210の動作テストを実施する手順を説明する。以下の手順は、図1(b)の環境下で実施される。
【0030】
(ステップ1:起動指示または終了指示)
オペレータは、汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210を起動する。汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210は、メッセージ設定データ211を読み取り、その記述にしたがって、汎用機100に対し、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124を起動または終了するように指示する。
【0031】
(ステップ2:起動または終了)
汎用機100は、汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210からの指示にしたがって、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124を起動または終了する。
【0032】
(ステップ3:メッセージ取得)
汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210は、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124を起動または終了する際に、これらが出力するメッセージを取得する。
(ステップ4:メッセージ判定)
汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210は、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124が出力したメッセージと、メッセージ設定データ211が記述しているメッセージとを比較する。汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210は、その比較結果に基づき、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124が正常動作したか否かを判定し、適当なログに判定結果を記録する。
【0033】
(ステップ5:オペレータによる確認)
オペレータは、ステップ4で汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210が記録したログの内容を確認し、汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210が意図した通りの動作を実行したか否かを確認する。これにより、汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210が正常動作しているか否かをテストすることができる。
【0034】
<実施の形態1:まとめ>
以上のように、本実施形態1に係る汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124は、起動または終了する際に、汎用機ソフトウェア111〜114と同一のメッセージを出力する。これにより、汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210を実運用環境で実行しなくとも、汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210が正常に動作しているか否かをテストすることができる。
【0035】
<実施の形態2>
実施形態1において、汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210の動作をテストする際に、汎用機ソフトウェア111〜114が異常動作したときの動作テストを実施する必要が生じる場合がある。本発明の実施形態2では、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124に異常動作を故意に実施させ、そのときの汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210の動作をテストする例を説明する。
【0036】
図2は、汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210が汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124を起動する際に指定することができるパラメータの一覧を示す図である。ここでは5つの例を示したが、その他の組み合わせでパラメータを構成することもできる。以下、図2に示す各パラメータについて説明する。
【0037】
(パラメータ1:プログラム名)
図2の第2列に示す起動コマンドのうち、「START」は汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124を起動するよう指示するコマンドである。次の文字列は、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124のプログラム名である。汎用機100は、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124のうち同パラメータが指定するプログラム名に対応するものを起動する。
【0038】
(パラメータ2:起動テスト/終了テストの区別)
図2の第2列に示す起動コマンドのうち、「PARAM=」以降の文字列は、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124を起動する際に指定するパラメータである。「PARAM=」以降の1つ目のパラメータは、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124の起動テストを実施するか、終了テストを実施するかの区別を示す。同パラメータが「START」になっている場合は起動テスト、「END」になっている場合は終了テストを実施することを示す。
【0039】
(パラメータ3:正常動作/異常動作の区別)
「PARAM=」以降の2つ目のパラメータは、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124を正常動作させるか、異常動作させるかの区別を示す。同パラメータが「NORMAL」になっている場合は正常動作、「ABNORMAL」になっている場合は異常動作を実施することを示す。
【0040】
(パラメータ4:コマンド入力待ち受けあり/なしの区別)
「PARAM=」以降の3つ目のパラメータは、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124を起動または終了させる際に、オペレータからのコマンド入力を待ち受けるか否かを指定する。同パラメータが「NOPROMPT」になっている場合、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124は、起動または終了する際にオペレータからのコマンド入力を待ち受けずに起動または終了する。同パラメータが「PROMPT」になっている場合、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124は、起動または終了する際にオペレータからのコマンド入力を待ち受ける。
【0041】
以上、図2に示す各パラメータについて説明した。次に、図2に示す各起動コマンドパターンについて説明する。
【0042】
(パターン1:異常起動)
パターンNo.1の場合、汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210は、起動テスト/終了テストの区別を「START」、正常動作/異常動作の区別を「ABNORMAL」として、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124を起動する。汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124は、上記パラメータを受け取ると、正常起動しなかった旨のメッセージを出力して終了する。これにより、汎用機ソフトウェア111〜114が正常起動できなかったときの汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210の動作をテストすることができる。
【0043】
(パターン2:正常起動、コマンド入力なし)
パターンNo.2の場合、汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210は、起動テスト/終了テストの区別を「START」、正常動作/異常動作の区別を「NORMAL」、コマンド入力待ち受けあり/なしの区別を「NOPROMPT」として、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124を起動する。汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124は、上記パラメータを受け取ると、正常起動した旨のメッセージを出力する。また、オペレータからのコマンド入力は待ち受けない。これにより、汎用機ソフトウェア111〜114が正常起動してコマンド入力を待ち受けないときの汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210の動作をテストすることができる。
【0044】
(パターン3:正常起動、コマンド入力あり)
パターンNo.3の場合、汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210は、起動テスト/終了テストの区別を「START」、正常動作/異常動作の区別を「NORMAL」、コマンド入力待ち受けあり/なしの区別を「PROMPT」として、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124を起動する。汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124は、上記パラメータを受け取ると、正常起動した旨のメッセージを出力する。さらに、メッセージ出力前後のいずれかのタイミングで、オペレータからのコマンド入力を待ち受ける。これにより、汎用機ソフトウェア111〜114が正常起動してコマンド入力を待ち受けるときの汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210の動作をテストすることができる。
【0045】
(パターン4:正常起動、異常終了、コマンド入力なし)
パターンNo.4の場合、汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210は、起動テスト/終了テストの区別を「END」、正常動作/異常動作の区別を「ABNORMAL」、コマンド入力待ち受けあり/なしの区別を「NOPROMPT」として、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124を起動する。汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124は、上記パラメータを受け取ると、正常起動した旨のメッセージを出力する。また、後に終了コマンドを受け取って終了するときに、異常終了した旨のメッセージを出力して終了する。オペレータからのコマンド入力は待ち受けない。これにより、汎用機ソフトウェア111〜114が正常起動した後に異常終了し、コマンド入力を待ち受けないときの汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210の動作をテストすることができる。
【0046】
(パターン5:正常起動、異常終了、コマンド入力あり)
パターンNo.5の場合、汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210は、起動テスト/終了テストの区別を「END」、正常動作/異常動作の区別を「ABNORMAL」、コマンド入力待ち受けあり/なしの区別を「PROMPT」として、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124を起動する。汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124は、上記パラメータを受け取ると、正常起動した旨のメッセージを出力する。また、後に終了コマンドを受け取って終了するときに、異常終了した旨のメッセージを出力して終了する。さらに、メッセージ出力前後のいずれかのタイミングで、オペレータからのコマンド入力を待ち受ける。これにより、汎用機ソフトウェア111〜114が正常起動した後に異常終了し、コマンド入力を待ち受けるときの汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210の動作をテストすることができる。
【0047】
(その他のパターン)
上記パターンの他、例えば「END/NORMAL」を指定することもできる。この場合、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124は、終了コマンドを受け取ると、正常終了した旨のメッセージを出力して終了する。
【0048】
<実施の形態2:まとめ>
以上のように、本実施形態2に係る汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124は、起動コマンドを受け取るときに、正常起動するか否かを指定するパラメータ「START/NORMAL」または「START/ABNORMAL」を受け取る。「START/NORMAL」が指定されているときは正常起動した旨のメッセージを出力し、「START/ABNORMAL」が指定されているときは正常起動しなかった旨のメッセージを出力する。これにより、汎用機ソフトウェア111〜114の起動動作に係る汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210の動作テストを実施することができる。
【0049】
また、本実施形態2に係る汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124は、起動コマンドを受け取るときに、正常終了するか否かを指定するパラメータ「END/NORMAL」または「END/ABNORMAL」を受け取る。「END/NORMAL」が指定されているときは正常終了した旨のメッセージを出力し、「END/ABNORMAL」が指定されているときは正常終了しなかった旨のメッセージを出力する。これにより、汎用機ソフトウェア111〜114の終了動作に係る汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210の動作テストを実施することができる。
【0050】
また、本実施形態2に係る汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124は、起動コマンドを受け取るときに、オペレータからのコマンド入力を待ち受けるか否かを指定するパラメータ「PROMPT」または「NOPROMPT」を受け取る。「PROMPT」が指定されているときはコマンド入力を待ち受け、「NOPROMPT」が指定されているときはコマンド入力を待ち受けない。これにより、汎用機ソフトウェア111〜114のコマンド入力待ち受け動作に係る汎用機ソフトウェア起動終了プログラム210の動作テストを実施することができる。
【0051】
<実施の形態3>
以上の実施形態1〜2において、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124は任意のプログラム言語を用いて作成することができる。例えばCOBOLのような、汎用機100上で一般に用いられている高級言語を用いて汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124を作成すると、開発効率の点で有利である。
【0052】
ただし、汎用機OSの仕様などによっては、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124を作成する際に用いるプログラム言語に種類により、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124が汎用機OSの全てのコマンドを処理できない場合がある。例えば、起動コマンドは受け付けることができるが、終了コマンドは受け付けることができない、といった場合がある。
【0053】
このような場合には、汎用機ソフトウェア模擬プログラム121〜124をアセンブラ言語で作成してもよい。アセンブラ言語は汎用機100の機械語に近い低級命令を記述することができるので、高級言語では記述することが難しい処理であっても記述することができる。これにより、上記のような制約を克服することができる。
【符号の説明】
【0054】
100:汎用機、111〜114:汎用機ソフトウェア、200:テスト用コンピュータ、210:汎用機ソフトウェア起動終了プログラム、211:メッセージ設定データ。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
汎用機のOS上で動作する汎用機ソフトウェアの動作を模擬する処理を前記汎用機に実行させる模擬プログラムであって、前記汎用機に、
前記模擬プログラムに対する起動コマンドまたは終了コマンドを受け取るステップと、
前記起動コマンドまたは前記終了コマンドに対して前記汎用機ソフトウェアが出力するメッセージと同じメッセージを出力するメッセージ出力ステップと、
を実行させることを特徴とする汎用機ソフトウェア模擬プログラム。
【請求項2】
前記汎用機に、
前記起動コマンドを受け取ったときに正常起動するか否かを指定する起動パラメータを受け取るステップを実行させ、
前記メッセージ出力ステップでは、前記汎用機に、
正常起動するように前記起動パラメータが指定する場合は正常起動した旨の前記メッセージを出力させ、
正常起動しないように前記起動パラメータが指定する場合は正常起動しなかった旨の前記メッセージを出力させる
ことを特徴とする請求項1記載の汎用機ソフトウェア模擬プログラム。
【請求項3】
前記汎用機に、
前記終了コマンドを受け取ったときに正常終了するか否かを指定する終了パラメータを受け取るステップを実行させ、
前記メッセージ出力ステップでは、前記汎用機に、
正常終了するように前記終了パラメータが指定する場合は正常終了した旨の前記メッセージを出力させ、
正常終了しないように前記終了パラメータが指定する場合は正常終了しなかった旨の前記メッセージを出力させる
ことを特徴とする請求項1または2記載の汎用機ソフトウェア模擬プログラム。
【請求項4】
前記汎用機に、
前記起動コマンドまたは前記終了コマンドを受け取ったときにコマンド入力を待ち受けるか否かを指定するコマンド待ち受け指示パラメータを受け取るステップを実行させ、
前記メッセージ出力ステップでは、前記汎用機に、
コマンド入力を待ち受けるように前記コマンド待ち受け指示パラメータが指定する場合は前記メッセージを出力する際に前記コマンド入力を待ち受け、
コマンド入力を待ち受けないように前記コマンド待ち受け指示パラメータが指定する場合は前記メッセージを出力する際に前記コマンド入力を待ち受けない
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の汎用機ソフトウェア模擬プログラム。
【請求項5】
前記汎用機に対する命令を記述するアセンブリ言語を用いて作成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の汎用機ソフトウェア模擬プログラム。
【請求項6】
汎用機のOS上で動作する汎用機ソフトウェアを起動または終了する起動終了プログラムであって、
請求項1から4のいずれか1項記載の汎用機ソフトウェア模擬プログラムを備え、
前記汎用機に、
前記汎用機ソフトウェアが起動するときまたは終了するときに出力するメッセージと、前記汎用機ソフトウェアが出力するメッセージが正常動作時のメッセージであるかそれとも異常動作時のメッセージであるかと、の対応関係を記述した設定データを読み込むステップと、
前記汎用機ソフトウェア模擬プログラムに対して前記起動コマンドまたは前記終了コマンドを発行するステップと、
前記設定データの記述に基づき、前記汎用機ソフトウェア模擬プログラムが出力するメッセージが正常動作時のメッセージであるかそれとも異常動作時のメッセージであるかを判定するステップと、
を実行させることを特徴とする汎用機ソフトウェア起動終了プログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−118921(P2012−118921A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270433(P2010−270433)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(591057256)株式会社エクサ (36)
【Fターム(参考)】