説明

汚泥濃縮装置及びその洗浄方法

【課題】装置を分解することなく、必要なときに濾過筒の内面に洗浄水をスプレーして濾過筒の内面を効果的に洗浄することができる汚泥濃縮装置の洗浄方法を提供すること。
【解決手段】濾過筒3内でスパイラルスクリュー4を回転駆動することによって、汚泥凝集槽11から濾過筒3内に導入される汚泥を搬送しながら、該汚泥に含まれる水分を濾過筒3の濾過面3aを通過させて分離液として濾過筒3外に排出して汚泥を濃縮する汚泥濃縮装置の洗浄方法として、濾過筒3の汚れが定常の洗浄方法で除去できない場合、装置の運転を停止して外筒2から分離液を排出するとともに、濾過筒3から汚泥を排出した後、スパイラルスクリュー4を回転させながら、該スパイラルスクリュー4の中空状の回転軸4aに形成された複数のスプレーノズル17から洗浄水を濾過筒3の全内周面をカバーするよう噴射して該濾過筒3の全周面を洗浄する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濾過筒内でスパイラルスクリューを回転駆動することによって、汚泥凝集槽から濾過筒内に導入される汚泥を搬送しながらこれを濃縮するスクリュープレス型の汚泥濃縮装置とその洗浄方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種汚泥を廃棄又は焼却するために汚泥を脱水機にて脱水処理することが行われるが、脱水機の処理能力のみで汚泥の脱水を効率良く行うことは困難である。このため、汚泥の脱水機による脱水処理に先立って、汚泥をポリマー等の凝集剤で凝集させてフロック化し、このフロック化された汚泥(凝集汚泥)から水分を分離して汚泥を濃縮することが行われ、これを実施するための汚泥濃縮装置が今までに種々提案されて実用に供されている。
【0003】
ところで、汚泥濃縮装置には、大別してロータリスクリーン型とスクリュープレス型があるが、図2にスクリュープレス型の汚泥濃縮装置の一例を示す。
【0004】
図2は従来の汚泥濃縮装置の基本構成を示す縦断面図であり、図示の汚泥濃縮装置は、汚泥濃縮機1と汚泥凝集槽11を備えており、凝集剤が添加された汚泥を汚泥凝集槽11で凝集してフロック化し、このフロック化された凝集汚泥を汚泥濃縮機1で濃縮するものである。
【0005】
上記汚泥濃縮機1は、密閉構造を有する円筒タンク状の外筒2の内部に円筒状の濾過筒3を縦方向に配置し、該濾過筒3内にスパイラルスクリュー4を回転可能に収容して構成されている。
【0006】
ここで、上記濾過筒3の前記外筒2内に臨む部位の周面は、パンチングプレート又はウェッジワイヤー等から成る濾過面3aを構成しており、濾過筒3の下部からは濃縮汚泥排出管5が水平に導出しており、その途中には濃縮汚泥ポンプ6が設けられている。
【0007】
又、前記外筒2の上下からは分離液取出管7,8が水平に導出しており、これらの分離液取出管7,8は、逆U字状の分離液排出管9の垂直に立ち上がる上向流管9aに接続されている。ここで、分離液排出管9は、前記上向流管9aの上端から水平に延びる水平管9bと、該水平管9bの端部から垂直下方へ延びる下向流管9cを有している。
【0008】
前記スパイラルスクリュー4は、回転軸4aにスクリュー羽根4bを螺旋状に巻装して構成されており、回転軸4aには、駆動源としてのモータ10が連結されている。尚、スパイラルスクリュー4の外径は、濾過筒3の濾過面3aの内径よりも僅かに小さく設定されており、スパイラルスクリュー4の外周縁と濾過筒3の濾過面3aとの間には微小隙間が形成されている。
【0009】
他方、上面が開口した円筒タンク状の前記汚泥凝集槽11の下部には原泥供給管12が接続されている。又、汚泥凝集槽11内には、モータ13によって回転駆動される撹拌機14が設けられている。
【0010】
又、汚泥凝集槽11の上部からは凝集汚泥導入管15が略水平に延びており、この凝集汚泥導入管15は、汚泥濃縮機1の前記濾過筒3の上端部に接続されている。
【0011】
而して、前記原泥供給管12から汚泥凝集槽11に汚泥(原泥)が供給されるが、原泥供給管12を流れる汚泥にはポリマー等の凝集剤が添加され、この凝集剤が添加された汚泥が汚泥凝集槽11内において撹拌機14によって撹拌され、この汚泥は、これに含まれる固形成分がフロック化されて凝集汚泥となる。
【0012】
ここで、前記濾過筒3内の汚泥の液位h2 は、汚泥凝集槽11内の汚泥の液位h1 よりも低く設定され(h2 <h1 )、両液位h1 ,h2 の差(ヘッド差)Δh12(=h1 −h2 )に基づく差圧によって、汚泥凝集槽11内の凝集汚泥が凝集汚泥導入管15を通って濃縮機1の濾過筒3内にその上部から導入される。
【0013】
汚泥濃縮機1においては、前記スパイラルスクリュー4がモータ10によって濾過筒3内で所定の速度で回転駆動されており、濾過筒3内に導入された凝集汚泥は、回転するスパイラルスクリュー4によって下方へと搬送されるとともに、これに含まれる水分が濾過筒3の濾過面3aを通過して外筒2内に分離液として収容される。ここで、前記分離液排出管9内の分離液の水位h3 は、濾過筒3内の液位h2 よりも低く設定されているため(h3 <h2 )、両者h2 ,h3 の差(ヘッド差)Δh23(=h2 −h3 )に基づく差圧を濾過圧力として、凝集汚泥から分離された水分が濾過筒3の濾過面3aを通過して外筒2内に分離液として収容される。又、この場合、外筒2は、分離液の水位h3 よりも下方に配置されているため、外筒2内に収容される分離液は外筒2内に充満し、この分離液中に濾過筒3の濾過面3aが埋没することとなる。
【0014】
そして、外筒2内に収容された分離液は、外筒2の上下に接続された分離液取出管7,8から分離液排出管9へと流れ込み、分離液排出管9の上向流管9aを上向きに流れ、水平管9bにてオーバーフローして下向流管9cを下向きに流れて外部へと排出される。又、スパイラルスクリュー4の回転によって濾過筒3内を下方へと搬送される凝集汚泥は、その途中で水分が分離されることによって濃縮されて濃縮汚泥となり、この濃縮汚泥は、濃縮汚泥ポンプ6によって濃縮汚泥排出管5を通って外部へと可変定量的に排出され、不図示の脱水機による脱水処理に供される。
【0015】
而して、以上の濃縮処理が繰り返されると、濾過筒3の濾過面3aに汚れが付着して目詰まりが発生するが、通常の運転では、濾過面3aの内側の汚れはスパイラルスクリュー4によって掻き取られ、濾過面3aの目詰まりはコンプレッサ16から外筒2内に空気を噴射する空気逆洗によって解消されている。尚、空気逆洗は、例えば原泥処理量が10m3 /hである場合、圧力5kg/cm2 程度の圧縮空気を30分に1回の頻度で50cc程度噴射することによって行われる。
【0016】
ところで、この種の汚泥濃縮装置で有機性汚泥を濃縮処理する場合、無機凝集剤と両性高分子凝集剤を併用することによって高い性能が得られることが多く、採用例が多い。
【0017】
ところが、無機凝集剤と両性高分子凝集剤を併用する上記方法において何らかの原因で両性高分子凝集剤が過剰に添加された場合には、該両性高分子凝集剤のカチオン部とアニオン部が反応して粘着性の強い汚泥フロックが形成され、この汚泥フロックが濾過筒3の濾過面3aの内側及び孔に固着し、スパイラルスクリュー4による掻き取りや空気逆洗では濾過面3aの汚れを除去し切れない場合がある。このような場合には、濾過筒3を取り外して洗浄したり、スパイラルスクリュー4を抜き出して濾過筒3の濾過面3aを水スプレーで洗浄する必要があり、その作業が大変である。
【0018】
濾過面の汚れを除去する洗浄方法として、特許文献1,2には、回転する濾過ドラムの外周面にスクレーパを摺擦させて濾過ドラムに付着した汚泥ケーキを掻き取るとともに、洗浄手段によって空気や水等の流体を濾過ドラムに向けて常時吹き付けて汚泥ケーキが濾過ドラムから剥離し易くなるようにする方法が提案されている。
【特許文献1】特開2000−202496号公報
【特許文献2】特開2002−018497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、上記特許文献1,2に提案された方法では、装置の運転中に空気や水等の流体を常時吹き付けるために流体の使用量が多くなり、特に水を吹き付ける場合には水によって汚泥が希釈されるという問題がある。
【0020】
又、この方法では、空気や水等の流体を汚泥が貯留された汚泥貯留槽(汚泥凝集槽)内で吹き付けるため、流体の噴射の勢いが急速に弱まって高い洗浄効果を得ることができないという問題もある。
【0021】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、装置を分解することなく、必要なときに濾過筒の内面に洗浄水をスプレーして濾過筒の内面を効果的に洗浄することができる汚泥濃縮装置とその洗浄方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、外筒内に濾過筒を収容し、該濾過筒の内部にスパイラルスクリューを回転可能に収容し、該スパイラルスクリューを回転駆動することによって、汚泥凝集槽から前記濾過筒内に導入される汚泥を搬送しながら、該汚泥に含まれる水分を前記濾過筒の濾過面を通過させて分離液として濾過筒外に排出して汚泥を濃縮するとともに、濃縮された汚泥を前記濾過筒の内部より排出する汚泥濃縮装置において、前記スパイラルスクリューの回転軸を中空とし、該回転軸に複数のスプレーノズルを軸方向に適当な間隔で設け、各スプレーノズルから噴射される洗浄水が前記濾過筒の全内周面をカバーするよう構成したことを特徴とする。
【0023】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記スパイラルスクリューの回転軸の上部から洗浄水をロータリジョイントを介して回転軸の内部に供給することを特徴とする。
【0024】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記外筒と前記濾過筒の下部にドレン配管をそれぞれ接続したことを特徴とする。
【0025】
請求項4記載の発明は、外筒内に濾過筒を収容し、該濾過筒の内部にスパイラルスクリューを回転可能に収容し、該スパイラルスクリューを回転駆動することによって、汚泥凝集槽から前記濾過筒内に導入される汚泥を搬送しながら、該汚泥に含まれる水分を前記濾過筒の濾過面を通過させて分離液として濾過筒外に排出して汚泥を濃縮するとともに、濃縮された汚泥を前記濾過筒の内部より排出する汚泥濃縮装置の洗浄方法として、前記汚泥濃縮装置の運転を停止して前記外筒から分離液を排出するとともに、前記濾過筒から汚泥を排出した後、前記スパイラルスクリューを回転させながら、該スパイラルスクリューの中空状の回転軸の内部に洗浄水を供給し、該回転軸に軸方向に適当な間隔で形成された複数のスプレーノズルから洗浄水を前記濾過筒の全内周面をカバーするよう噴射して該濾過筒の全周面を洗浄することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
請求項1〜3記載の汚泥濃縮装置に対して実施される請求項4記載の洗浄方法によれば、濾過筒の内面の汚れが定常の洗浄方法(スパイラルスクリューによる掻き取りと空気逆洗)で除去できない場合にのみ、装置の運転を停止して汚泥と分離液を排出した後、スパイラルスクリューを回転させながら、該スパイラルスクリューの中空状の回転軸に形成された複数のスプレーノズルから洗浄水を濾過筒の全内周面をカバーするよう噴射して該濾過筒の全周面を洗浄するようにしたため、洗浄水の使用量が少なくて済み、洗浄水は空気中で噴射されるため、その噴射の勢いが弱められず、濾過筒の全周面が洗浄水によって確実に洗浄される。
【0027】
又、濾過筒の洗浄に際して従来のように濾過筒を取り外したり、スパイラルスクリューを抜き取る等の作業が不要となるため、濾過筒の洗浄を短時間で簡単に行うことができる。
【0028】
更に、濾過筒の洗浄に際しては濾過筒内の汚泥が排出されるため、洗浄水によって汚泥が希釈されるという問題も発生しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0030】
図1は本発明の実施の形態1に係る汚泥濃縮装置の基本構成を示す縦断面図であり、本図においては、図2に示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0031】
本発明に係る汚泥濃縮装置は、汚泥濃縮機1のスパイラルスクリュー4の回転軸4aを中空とし、該回転軸4aに形成された複数のスプレーノズル17から濾過筒3の濾過面3aに向かって洗浄水を噴射(スプレー)して該濾過面3aを洗浄することを特徴とするものである。
【0032】
本実施の形態に係る汚泥濃縮装置は、汚泥凝集槽11から汚泥濃縮機1の濾過筒3の上部に導入された凝集汚泥をスパイラルスクリュー4によって下方へ搬送しながら濃縮するものであって、スパイラルスクリュー4の中空の回転軸4aの上端部にはロータリジョイント18を介しで洗浄水供給管19が接続されている。そして、回転軸4aには複数のスプレーノズル17が軸方向に適当な間隔で形成されており、各スプレーノズル17から噴射される洗浄水が濾過筒3の全内周面(濾過面3aの全面)をカバーするよう構成されている。
【0033】
又、本実施の形態では、濾過筒3の下部にはドレン配管20が接続され、このドレン配管20にはドレンバルブ21が設けられている。そして、ドレン配管20のドレンバルブ21の上流側には、外筒2の下面から垂直下方に延びる別のドレン配管22が接続されている。
【0034】
而して、図2に示した従来の汚泥濃縮装置と同様に汚泥凝集槽11内でフロック化された凝集汚泥は、汚泥濃縮機1の濾過筒3内の汚泥の液位h2 と汚泥凝集槽11の汚泥の液位h1 との差(ヘッド差)Δh12(=h1 −h2 )に基づく差圧によって、凝集汚泥導入管15を通って汚泥濃縮機1の濾過筒3内にその上部から導入される。
【0035】
そして、濾過筒3内に導入された凝集汚泥は、回転するスパイラルスクリュー4によって下方へと搬送されるとともに、これに含まれる水分が濾過筒3の濾過面3aを通過して外筒2内に分離液として収容される。ここで、前記分離液排出管19での分離液の水位h3 は濾過筒3の液位h2 よりも低く(h3 <h2 )、両者h2 ,h3 の差(ヘッド差)Δh23(=h2 −h3 )に基づく差圧を濾過圧力として、凝集汚泥から分離された水分が濾過筒3の濾過面3aを通過して外筒2内に分離液として収容される。又、この場合、外筒2は、分離液の水位h3 よりも下方に配置されているため、外筒2内に収容される分離液は外筒2内に充満し、この分離液中に濾過筒3の濾過面3aが埋没することとなる。
【0036】
外筒2内に収容された分離液は、外筒2の上下に接続された分離液取出管7,8から分離液排出管9へと流れ込み、分離液排出管9の上向流管9aを上向きに流れ、水平管9bにてオーバーフローして下向流管9cを下向きに流れて外部へと排出される。又、スパイラルスクリュー4の回転によって濾過筒3内を下方へと搬送される凝集汚泥は、その途中で水分が分離されることによって濃縮されて濃縮汚泥となり、この濃縮汚泥は、濃縮汚泥ポンプ6によって濃縮汚泥排出管5を通って外部へと可変定量的に排出され、不図示の脱水機による脱水処理に供される。
【0037】
而して、以上の濃縮処理が繰り返されると、濾過筒3の濾過面3aに汚れが付着して目詰まりが発生するが、通常の運転では、濾過面3aの内側の汚れはスパイラルスクリュー4によって掻き取られ、濾過面3aの目詰まりはコンプレッサ16から外筒2内に空気を噴射する空気逆洗によって解消される。
【0038】
ところで、例えば無機凝集剤と両性高分子凝集剤を併用したために粘着性の強い汚泥フロックが形成され、この汚泥フロックが濾過筒3の濾過面3aの内側及び孔に固着し、スパイラルスクリュー4による掻き取りや空気逆洗では濾過面3aの汚れを除去し切れない場合がある。このような場合には、装置の運転が停止され、以下の洗浄方法によって濾過筒3の濾過面3aが全面に亘って洗浄される。
【0039】
即ち、装置の運転を停止した状態で、ドレンバルブ21を開いて濾過筒3内の汚泥をドレン配管20から排出するとともに、外筒2内の分離液をドレン配管22から排出した後、スパイラルスクリュー4を回転させながら、洗浄水供給管19から洗浄水をロータリジョイント18を介してスパイラルスクリュー4の中空の回転軸4a内にその上端から供給する。すると、この洗浄水は、回転軸4aに形成された複数のスプレーノズル17から扇形に噴射(スプレー)され、濾過筒3の濾過面3aを全面に亘って内側から洗浄し、濾過面3aに付着した汚泥フロック等の汚れを確実に除去する。そして、洗浄に供された洗浄水は、除去された汚泥フロック等の汚れと共にドレン配管20,22から排出される。
【0040】
以上のように、本発明に係る洗浄方法によれば、濾過筒3の内面に付着した汚れが定常の洗浄方法(スパイラルスクリュー4による掻き取りと空気逆洗)で除去できない場合にのみ、装置の運転を停止して汚泥と分離液を排出した後、スパイラルスクリュー4を回転させながら、該スパイラルスクリュー4の中空状の回転軸4aに形成された複数のスプレーノズル17から洗浄水を濾過筒3の全内周面をカバーするよう噴射して該濾過筒3の全周面(濾過面3aの全内周面)を洗浄するようにしたため、洗浄水の使用量が少なくて済む。そして、この場合、洗浄水は汚泥が排出された濾過筒3内の空気中で噴射されるため、その噴射の勢いが弱められず、濾過筒3の全周面が洗浄水によって確実に洗浄される。
【0041】
又、濾過筒3の洗浄に際して従来のように濾過筒3を取り外したり、スパイラルスクリュー4を抜き取る等の作業が不要となるため、濾過筒3の洗浄を短時間で簡単に行うことができる。
【0042】
更に、濾過筒3の洗浄に際しては濾過筒3内の汚泥が排出されるため、洗浄水によって汚泥が希釈されるという問題も発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る汚泥濃縮装置の基本構成を示す縦断面図である。
【図2】従来の汚泥濃縮装置の基本構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 汚泥濃縮機
2 外筒
3 濾過筒
3a 濾過面
4 スパイラルスクリュー
4a 回転軸
4b スクリュー羽根
5 濃縮汚泥排出管
6 濃縮汚泥ポンプ
7,8 分離液取出管
9 分離液排出管
9a 上向流管
9b 水平管
9c 下向流管
10 モータ
11 汚泥凝集槽
12 原泥供給管
13 モータ
14 撹拌機
15 凝集汚泥導入管
16 コンプレッサ
17 スプレーノズル
18 ロータリジョイント
19 洗浄水供給管
20 ドレン配管
21 ドレンバルブ
22 ドレン配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外筒内に濾過筒を収容し、該濾過筒の内部にスパイラルスクリューを回転可能に収容し、該スパイラルスクリューを回転駆動することによって、汚泥凝集槽から前記濾過筒内に導入される汚泥を搬送しながら、該汚泥に含まれる水分を前記濾過筒の濾過面を通過させて分離液として濾過筒外に排出して汚泥を濃縮するとともに、濃縮された汚泥を前記濾過筒の内部より排出する汚泥濃縮装置において、
前記スパイラルスクリューの回転軸を中空とし、該回転軸に複数のスプレーノズルを軸方向に適当な間隔で設け、各スプレーノズルから噴射される洗浄水が前記濾過筒の全内周面をカバーするよう構成したことを特徴とする汚泥濃縮装置。
【請求項2】
前記スパイラルスクリューの回転軸の上部から洗浄水をロータリジョイントを介して回転軸の内部に供給することを特徴とする請求項1記載の汚泥濃縮装置。
【請求項3】
前記外筒と前記濾過筒の下部にドレン配管をそれぞれ接続したことを特徴とする請求項1又は2記載の汚泥濃縮装置。
【請求項4】
外筒内に濾過筒を収容し、該濾過筒の内部にスパイラルスクリューを回転可能に収容し、該スパイラルスクリューを回転駆動することによって、汚泥凝集槽から前記濾過筒内に導入される汚泥を搬送しながら、該汚泥に含まれる水分を前記濾過筒の濾過面を通過させて分離液として濾過筒外に排出して汚泥を濃縮するとともに、濃縮された汚泥を前記濾過筒の内部より排出する汚泥濃縮装置の洗浄方法であって、
前記汚泥濃縮装置の運転を停止して前記外筒から分離液を排出するとともに、前記濾過筒から汚泥を排出した後、前記スパイラルスクリューを回転させながら、該スパイラルスクリューの中空状の回転軸の内部に洗浄水を供給し、該回転軸に軸方向に適当な間隔で形成された複数のスプレーノズルから洗浄水を前記濾過筒の全内周面をカバーするよう噴射して該濾過筒の全周面を洗浄することを特徴とする汚泥濃縮装置の洗浄方法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−149272(P2008−149272A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−340723(P2006−340723)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【Fターム(参考)】