説明

油圧減速機

【課題】製造が簡単で、正確かつ高い信頼性で機能する油圧減速機を提案する。
【解決手段】メインピストンが作動する油圧液タンク28と、その中で補償ピストン15が作動する補償室25とを備えた油圧減速機に関する。油圧液タンク28と補償室25とは連通しており、タンク28の中でメインピストンが動くことによって、一方から他方に油圧液が移動する。フロー停止/調節部材12の制御の下、油圧液は作動方向に移動する。フロー停止/調節部材12は、メインピストンに設けられた円筒形の孔31と作用し合う円錐シャンク22を有している。同じくメインピストンに設けられ、一方向弁が取り付けられた戻り管路32を通って、油圧液は逆方向に移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文部分に従った油圧減速機に関するものであり、これは、直線軸や回転アクチュエータなどの誘導により例えばスライドなどの動きをする装置、ボディ、あるいは物体がその動作の終端において停止したり移動方向を逆向きに変えたりする場合の減速に用いられるものである。
【背景技術】
【0002】
さまざまな作業工程に用いられる多くの装置において、予め決められた直線あるいは回転動作に従って交互に繰り返しの動きをするシステムが用いられる。この場合、各ストロークの終わりに停止したり向きを変えたりするたびに、運動エネルギーを消散させる必要があり、そうでなければ運動エネルギーは衝撃力となって設備機器に害を及ぼす形で伝達される。
【0003】
油圧減速機の機能は、動作する物体のその制御された動きの終端においてエネルギーを吸収して、衝撃の影響を回避することである。
【0004】
油圧減速機は、通常、固定部に対比させるようにして可動部を有しており、これら2つの部分の間にオイルなどの油圧液を収容している。この油圧液は、可動部に軸方向の推力がかかると、貯留タンクである高圧室からもう一方の低圧の補償室へ、1つ以上の絞り管路を通って移動し、これにより上記推力の漸進的減衰作用が生じ、これは推力が無くなるまで続く。そして、可動部にかかる推力が無くなると、油圧液は補償室から貯留タンクへ移動し、これにより減速機は休止状態に戻る。
【0005】
油圧減速機の可動部は、通常は、減速対象であるボディあるいは物体と接触して動くように構成されており、これに対して固定部は可動部のための支持体およびガイドとして機能する。
【0006】
通常、固定部は、ほぼ管状のボディにより形成されていて、少なくとも1つのフロー調節手段を備えている。可動部は、油圧液貯留タンクの中で動作すると共にこれと連動するガイドロッドを固定部内に有するメインピストンと、バネからの圧力を受けると共にもう一方の補償室の中でメインピストンと反対方向に動作可能である補償ピストンとを備えている。メインピストンあるいはそのロッドの中には、タンクから補償室へ油圧液が流れる絞り管路が設けられており、この絞り管路は上記フロー調節手段と作用し合うようになっている。
【0007】
非作動状態つまり休止状態にある減速機では、その固定部および可動部は伸長状態にあり、このとき、可動部は固定部から軸方向に突き出していて、補償室内でメインピストン寄りに進んだ位置にある補償ピストンが助けとなることで、油圧液は貯留タンク内において後退位置にあるメインピストンにより閉じ込められている。
【0008】
この油圧減速機は、その可動部が軸方向の推力を受けると、いわゆる圧縮状態となる。これにより、可動部は固定部の中へ再入して、メインピストンの前進によってタンク内の油圧液に圧力をかけ、このこととフロー調節手段の助けとによって、油圧液が絞り管路を通って補償室へ漸進的に流れることで、推力を減衰させ、補償ピストンを後退させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5102109号
【特許文献2】米国出願公開2009/001636号
【特許文献3】国際出願公開2008/139780号
【特許文献4】特開平10−246266号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記文献に開示されている油圧減速機は、現状での当該技術を示している。しかしながら、これら周知の油圧減速機には難点が伴う。
【0011】
例えば、メインピストンは補償室に延びるガイドロッドを有しているが、これはその長さのほんの短い部分のみが固定ボディ端部のリング内に保持されてガイドされるようになっている。しかし、このような構成は、可動部と固定部という2つの部分の間の同軸性を確保して、特に減速機の作動時に推力を受けたロッドの湾曲や偏位を防ぐためには、必ずしも理想的とは思えない。また、油圧液が貯留タンクと補償室との間で流れるための絞り管路は、軸方向にも径方向にも変化する形態を有しており、このことがピストンおよびこれと連動するガイドロッドの実現を難しくしている。さらには、貯留タンクと補償室との間の油圧液の流れの調節は、製造が難しく減速機内に挿入するのも難しい弁手段によって達成されるようになっている。また、特許文献1にあるように、ロッドからなるフロー停止/調節装置を有し、これは円筒形状であって、メインピストンの中に設けられている円錐形の孔と作用し合うように構成されており、これによりタンクから補償室へ流れる油圧液の流量を漸進的に絞る効果を達成している。しかしながら、このような構成は、メインピストン内に円錐形の管路を形成することを意味しているのは明らかであり、そのような構成の場合、装置を開けて、違うサイズの円錐形管路を有するメインピストンに取り換えない限り、管路の絞り度合いを変えて精細に調節することができないという不都合がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的は、周知の技術の難点や不都合な点を回避することであり、そのために、製造が簡単で、正確かつ高い信頼性で機能する油圧減速機を提案することである。
【0013】
上記目的およびそこから派生する間接的効果は、本発明により、請求項1に記載の油圧減速機によって達成される。
【0014】
ついては、そのような効果を得るため、フロー停止/調節部材は、外側本体上にあって、メインピストンに対向する円錐シャンクを有しており、メインピストンには、ほぼ一定な軸方向管路が単に設けられている。この構成は、減速機としての機能によってだけではなく、フロー停止/調節部材が外からアクセス可能になっていて、これを簡単に取り外して、減速機の機能時に貯留タンクと補償室との間の油圧液の流れに対して要求される絞り進行レベルに応じて、異なる円錐シャンクを有する別の閉鎖/調節装置に取り換えることができるという点で、特に効果的であるように思われる。つまり、本減速機は、その内部にアクセスすることなく、1つの構成要素の簡単な取り替えによって、その動作を変更して設定することができる。
【0015】
さらに、貯留タンクから補償室へ油圧液が流れる管路と、補償室からタンクへ油圧液が戻るための孔が、両方ともすべてピストン内に、その一方が他方に対して平行となるように形成されている。
【0016】
好ましい実現方法によると、メインピストンの軸方向の管路は、スリーブによってその境界を形成されており、このスリーブは、当該システムでのメインピストンの移動方向に応じて作動する油圧液の戻り管路の開閉弁として機能する可撓性リップを有している。
【0017】
さらに効果を得るため、ガイドステムは、外側本体内において中心に配置されて、その長さのほぼ全体がガイドされており、これにより、伸長された休止状態と、圧縮された作動状態のどちらにおいても、上記ステムと本体との間の同軸性が確保される。
【0018】
油圧液の貯留タンクはその境界が外側本体によって直接形成されており、一方、補償室はガイドステム内に形成されている。これによると、貯留タンクは上記本体の大きさに応じて十分な広さにすることができ、補償室はその直径は小さくなるもののガイドステムの長さ方向に広くすることができるという、効果が得られる。この構成によると、さらに、ガイドステムがその軸方向の移動によって油圧液タンク内に入った瞬間から、上記本体の内面と上記ステムの外面のそれぞれからなる重なる2面の間の潤滑を継続的に得ることができる。
【0019】
さらに注目に値するのは、上記本体の端部を内側に折り込むという単純な方法によって、減速機が休止状態にあるときのメインピストンのガイドステムを停止した状態で外側本体内に軸方向で保持しているということであり、これによると、追加構成要素の必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の詳細は、特徴を示しているが限定するものではない添付の図面を参照してなされる以下の説明からより明らかになるであろう。
【図1】図1は本発明の油圧減速機の構成要素を示す分解図である。
【図2】図2は組み立てられた油圧減速機の外観図である。
【図3】図3は、組み立てられた油圧減速機の、伸長された休止状態を拡大して示す、切断面である。
【図4】図4は、組み立てられた油圧減速機の、伸長された休止状態を拡大して示す、縦断面である。
【図5】図5は、組み立てられた油圧減速機の、圧縮された作動状態を拡大して示す、切断面である。
【図6】図6は、組み立てられた油圧減速機の、圧縮された作動状態を拡大して示す、縦断面である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図示のように、ここで提案する減速機は、基本的には、外側本体11、フロー停止/調節部材12、ガイドステム13、メインピストン14、補償ピストン15、および戻しバネ16を備えている(図1)。
【0022】
外側本体11は、円筒形であってもよいし、あるいはその他の形状であってもよい。その側壁は内側においてハウジング17の境界を形成しており、これは、基本的には円筒形であって、基端18と末端19とを有し、ガイドステム13を受容するように構成されている。本体11は、その外側に例えばネジ20などの手段が設けられており、これにより、使用時の本減速機を、その減速対象である可動部分の固定支持体に対して、あるいは固定部材に近づくにつれて減速されるべき可動部分に対して、固定することが可能である。上記本体の基端18は中心に向かって屈曲することでテーパ部を有し、これによってストップショルダ部21を形成している。
【0023】
停止/調節部材12は、円錐シャンク22を有し、この円錐シャンク22がハウジング内17に延びるようにして、外側本体11の末端19に取り付けられている。好ましくは、フロー停止/調節部材12はネジを形成することで本体11に固定されるようになっており、これにより、必ず円錐形ではあるけれども大きさの異なる別のシャンクと度々交換することが可能な形で固定される。
【0024】
ガイドステム13は、外側本体11によって形成されるハウジング17内において軸方向に延びる第1部分23と、その本体の基端18から突き出している第2部分24とを備えている。ガイドステム13はその内側において補償室25の境界を形成しており、補償室は、その体積が可変であって、外側本体の末端に向かって開口すると共に反対側の部分においては閉じた形状になっている。
【0025】
全体として、ガイドステム13は、本体11内のハウジング17の深さにほぼ等しい長さを有し、好ましくは、その第1部分23の長さが第2部分24の長さのほぼ2倍になっている。ガイドステム13の第1部分23の外面は、外側本体11によって形成されるハウジング17の内面と重なっており、これら2つの重なった面の間にシール26が介在している。
【0026】
ガイドステム13は、外側本体内において中心に配置されて、その第1部分23の長さ全体において確実にガイドされるようになっており、第2部分24が外側本体11の基端18から軸方向に出ている状態である、伸長された休止状態(図2および4)と、ステム13が本体11の末端19すなわち停止/調節部材12に向かって移動した状態である、前進した作動状態(図5および6)との間で、移動可能となっている。
【0027】
第1部分と第2部分23、24との間には、ガイドステム13を一周するように当たり面27が設けられており、これは、外側本体の基端にあるストップショルダ部21に対向して、これと作用し合うように構成されている。これによって、ガイドステムが本体の端部から抜き出ることを防止すると共に、ガイドステムの後退した休止位置を規定するという、二重機能が提供される。ガイドステムには、さらに、このガイドステムの空気の出入口である径方向の孔35が設けられており、これによって、補償ピストン15は不要な抵抗なしに動くことが可能である。
【0028】
メインピストン14はガイドステム13に連結されていて、その動作に連動して動くようになっている。メインピストンは、ガイドステムによって形成されている補償室25の開口端に取り付けられており、その結果、停止/調節部材12に対向している。メインピストン14は、その正面側において、外側本体11の末端19および側壁と共に、貯留タンク28の境界を形成しており、その体積は可変であって、徐々に流出する液体、特に油圧オイルを収容している。
【0029】
一方、補償ピストン15は、径方向のシール29を介在させて、ガイドステム13内の補償室25の中に収められている。これは、戻しバネ16の助けによって、メインピストン14に対して接離するように、補償室25内を軸方向に移動可能である。このバネ16は、補償室25の底部と補償ピストン15に取り付けられたスプリングガイドロッド30との間で圧縮可能に配置されると共に保持されており、補償ピストンを通常においてメインピストンに向けて移動させるように作用する。
【0030】
メインピストン14には、外側本体11の末端19に配置された停止/調節部材12の円錐シャンク22と一直線上になるように形成された軸方向管路31と、この軸方向管路31に対して平行な2つ以上の周辺管路32とが設けられている。この軸方向管路は、貯留タンク28をすぐ前方のメインピストン13と連通させると共に、補償室25とも連通させるように、設けられている。一方、周辺管路32は、補償室25を貯留タンクと連通させるように設けられている。好ましくは、軸方向管路31は、メインピストン14と同軸となるように挿入されたスリーブ33によってその境界が形成され、このスリーブには、メインピストン14の正面において周辺孔32の端部に対応するように、つまり貯留タンク28の方を向くようにして、可撓性リップ34が設けられている。この可撓性リップ34は、基本的に、周辺管路32の開閉のための制御弁として機能し、これにより、ガイドステム13およびこれと連動したメインピストン14の移動方向に応じて、補償室25から貯留タンク28への一方向にのみ油圧液が流れることが可能である。
【0031】
図示の例においては、外側本体11が減速機の固定部を形成し、ガイドステム13が可動部を形成しており、固定の本体から突き出したガイドステムの自由端に対して減速される必要のある動いている物体あるいは装置により推力F(図6)が与えられると、これに応えて可動部は軸方向に移動するようになっている。
【0032】
減速機が休止状態にあるときには、ガイドステム13は、外側本体11の基端においてストップショルダ部21に当たるように後退している。従って、一方の側では、ガイドステム13の第2部分24が外側本体の基端から出て、減速対象のボディあるいは物体と接触できるようになっており、もう一方の側では、メインピストン14が停止/調節部材12から離れた位置にある。また、油圧液は貯留タンクに収容されており、補償室25は基本的には空である。補償ピストン15は、バネ16によって押圧されることで、メインピストン14の方に向かって前進した位置にある。メインピストン14の軸方向管路31は開いており、そのピストンの周辺管路32は、図3および図4に示すように、弁として機能する可撓性リップ34によって塞がれている。
【0033】
ガイドステム13の自由端に対して、動いているボディあるいは物体が接触すると、それに起因する軸方向の推力Fによって減速機が作動する。実際には、ガイドステム13が外側本体11の末端19に向かって移動し、これにより、メインピストン14が貯留タンク28の中で円錐シャンク22に逆らうようにして前進する。これにより、油圧液は、貯留タンク28からメインピストン14の軸方向管路31を通ってガイドステム13内の補償室25に移動するようになる。一方、周辺管路32は、スリーブ33のリップ34が弁として機能して、これにより閉じられたままになっている。そして、メインピストン14は貯留タンク28の中で徐々に前進し、一方の補償ピストン15は、関連したバネ16の作用に逆らうように補償室25内で後退する。しかしながら、このような作動の結果、停止/調節部材12の円錐シャンク22が軸方向管路31の中に入り込むことで、油圧液の通路の範囲が次第に減少し(図5および図6)、その結果、貯留タンクから補償室への油圧液の流れは次第に減少する。このようにして、ロッドに作用する推力Fを漸進的に減少させ、動いているボディあるいは物体を停止するまで減速させる。
【0034】
ガイドステムにかかる推力がなくなると、バネ16が補償ピストン15を前方に動かし、これによって、油圧液は補償室から周辺管路32を通って貯留タンク28に戻る(このとき、弁として機能する可撓性リップ34は開いている)。また、このとき、メインピストンが停止/調節装置12の円錐シャンク22から次第に遠ざかるように移動することで、油圧液はメインピストンの軸方向管路31も通って戻るようになる。メインピストンとガイドステムは、このように移動して休止位置に戻り、減速機は次の減速動作に備えた状態となる(図3および図4)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作の終端において停止したり移動方向を逆向きに変えたりするような動作をしている装置、ボディあるいは物体のための油圧減速機であって、
基端と末端とを有するハウジングを形成する外側本体を備え、前記ハウジングの中に、
前記本体の基端に対向すると共にそこから突き出しているガイドステムを有するメインピストンと、
前記メインピストンと前記外側本体の末端との間に設けられた油圧液貯留タンクと、
前記外側本体の末端に配置されて前記メインピストンに対向するフロー停止/調節部材と、
前記メインピストンの前記タンクとは反対側の部分にある補償室内で作動すると共に、戻しバネによる圧力を受けている補償ピストンとを備え、
前記メインピストンは、前記油圧液が前記貯留タンクから前記補償室へ移動するための軸方向管路と、前記補償室から貯留タンクへの油圧液戻り管路とを有しており、
前記メインピストンは、前記フロー停止/調節部材から離れた後方休止位置と、前記外側本体の末端寄りの前方圧縮位置との間で移動可能であり、前記後方休止位置のときには、前記ガイドステムが前記外側本体の基端から突出して、前記補償ピストンは前記メインピストンと接触した状態にあって、前記油圧液は前記貯留タンク内に閉じ込められており、前記前方圧縮位置のときには、前記戻り管路は閉じた状態に維持されると共に、前記フロー停止/調節部材が前記メインピストンの前記軸方向の孔と作用し合うことで、前記油圧液の前記貯留タンクから前記補償室への通路が漸進的に狭くなり、その結果、前記補償ピストンが前記メインピストンの動きとは逆の方向に移動して、当該減速機と結び付けられている動くボディあるいは物体の減速作用を生じるようになっている油圧減速機において、
フロー停止/調節部材(12)は外側本体(11)の末端に固定されており、油圧液貯留タンク(28)内に延びると共に円錐状に先細りになった形状をもつシャンク(22)を有し、
前記油圧液の前記貯留タンクから前記補償室への移動のために前記フロー停止/調節部材と協働して作動する前記メインピストン(14)の軸方向管路(31)は円筒形であり、前記補償室から前記貯留タンクに戻る前記油圧液のための戻り管路(32)は円形であると共に前記軸方向の孔に対して平行になっていることを特徴とする油圧減速機。
【請求項2】
前記フロー停止/調節装置(12)は、前記外側本体に対してネジ固定されており、異なった先細り形状をもつ別のものと交換するために取り外すことが可能である、請求項1に記載の油圧減速機。
【請求項3】
前記軸方向管路(31)は、前記メインピストン(14)内に挿入されて拘束されているスリーブ(33)によって、その境界を形成されており、前記スリーブは、前記戻り管路(32)に対応して設けられる可撓性リップ(34)を有しており、この可撓性リップは弁として機能して、前記メインピストン(14)が前記前方圧縮位置に向かって移動するときには戻り管路を閉鎖し、当該減速機が伸長された休止状態にあるときには戻り管路を開放する、請求項1または2に記載の油圧減速機。
【請求項4】
前記メインピストン(14)の前記ガイドステム(13)は、前記外側本体(11)により形成される前記ハウジング(17)内に延びて軸方向にガイドされる第1部分(23)と、前記本体の基端(18)から突出している第2部分(24)とを有し、前記第1部分は前記第2部分のほぼ2倍の長さである、請求項1から3のいずれか1つに記載の油圧減速機。
【請求項5】
前記油圧液貯留タンクは、その境界を前記メインピストンが前記外側本体および前記末端と共に形成しており、前記補償室(25)は、その境界を前記ガイドステム(13)が形成している、請求項1から4のいずれか1つに記載の油圧減速機。
【請求項6】
前記ガイドステム(13)は、前記油圧液貯留タンクと連通する前記補償室(25)を構成する空洞を有しており、前記補償ピストン(15)は前記ステム内に関連の前記戻しバネ(26)と共に収納されている、請求項4または5に記載の油圧減速機。
【請求項7】
前記戻しバネ(16)は、前記補償室(25)の底部と前記補償ピストン(15)に取り付けられたスプリングガイドロッド(30)との間で圧縮可能に配置され保持されている、請求項6に記載の油圧減速機。
【請求項8】
前記ガイドステム(13)と前記外側本体の間には、少なくとも1つの油圧シールが設けられている、請求項1から7のいずれか1つに記載の油圧減速機。
【請求項9】
前記ガイドステム(13)の前記第1部と前記第2部(23、24)との間には、外面に当たり面(27)が設けられており、前記外側本体の基端には、前記当たり面と作用し合うように構成されたストップショルダ部(21)が設けられていて、これらの作用により、前記ガイドステムが前記外側本体の先端から抜き出ることを防止すると共に、前記後方休止位置を規定している、請求項1から8のいずれか1つに記載の油圧減速機。
【請求項10】
前記ショルダ部(21)は、前記外側本体(11)の基端が前記ガイドステム(13)に向けて屈曲することで構成されている、請求項9に記載の油圧減速機。
【請求項11】
前記ガイドステム(13)は、前記当たり面(27)と同じ高さに通気口を有している、請求項1から10のいずれか1つに記載の油圧減速機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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